JP2017061717A - 焼結鍛造品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルな元素構成でありながら機械的強度及び被削性に優れるとともに、コスト性にも優れた焼結鍛造品、並びにその製造方法をもたらす。
【解決手段】所定割合の炭素、銅、残部の鉄及び不可避不純物からなる焼結鍛造品1において、その焼結鍛造品1の断面のパーライト相の面積率(%)が80%以上となるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、焼結鍛造品及びその製造方法に関するものである。
自動車の製造工程では、プレス成形、鋳造、鍛造、焼結等、様々な方法で部品が製造される。これらの製法は、用いる材料種によって細かく製造条件を設定して所望の強度が得られるようコントロールされている。
例えば、エンジンのピストンとクランクシャフトとを連結するコネクティングロッド(以下、コンロッドという。)では、スチール鍛造法と焼結鍛造法が知られているが、材料歩留まり性の観点から、焼結鍛造法の採用が増加している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、0.5〜0.8質量%の炭素と、2.5〜3.5質量%の銅と、0.1〜0.5質量%のマンガンと、0.01〜0.25質量%の硫黄と、残部の鉄及び不可避不純物とからなり、パーライト組織の面積率が60%以上であり、フェライト組織の面積率が40%以下である焼結鍛造部材が記されている(焼結温度1150℃〜1200℃)。
ここで、上記マンガンと硫黄は硫化マンガンの粉末原料によるものである。硫黄は被削性を向上させるためのものであり、マンガンはフェライト組織に固溶させることで疲労強度を向上させるためのものである。
特開2014−122396号公報
しかしながら、上記特許文献1の焼結鍛造部材に含まれるようなマンガンや硫黄の含有量を低減し、もっとシンプルな元素構成であり且つ強度等の機械的特性に優れた焼結鍛造品の開発が望まれている。
従って、本発明は、シンプルな元素構成でありながら機械的強度及び被削性に優れるとともに、コスト性にも優れた焼結鍛造品、並びにその製造方法をもたらすことを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、所定割合の炭素、銅、残部の鉄及び不可避不純物からなる焼結鍛造品において、その焼結鍛造品の断面のパーライト相の面積率(%)が80%以上となるようにした。
すなわち、本発明に係る焼結鍛造品は、総質量に対して、0.5質量%以上0.8質量%以下の炭素と、2.5質量%以上3.5質量%以下の銅と、残部の鉄及び不可避不純物とからなる焼結鍛造品であって、任意の断面における総面積に対するフェライト相の面積率が20%以下であり、且つパーライト相の面積率が80%以上であり、機械的強度特性としての引張強度は1040MPa以上、0.2%耐力は740MPa以上、及び回転曲げによる疲労強度は410MPa以上であることを特徴とする。
本発明によれば、シンプルな元素構成であっても優れた機械的強度特性及び被削性を有し且つ低コストの焼結鍛造品を提供することができる。
また、本発明に係る焼結鍛造品の製造方法は、上記焼結鍛造品を製造する方法であって、総質量に対して、1.15質量%以上1.37質量%以下の炭素と、2.5質量%以上3.5質量%以下の銅と、残部の鉄の各粉末を略均一に混合して混合物を得る工程と、上記混合物を圧粉成形して圧粉成形体を得る工程と、上記圧粉成形体を非酸化性雰囲気中、1220℃以上1250℃以下の温度範囲で焼結して焼結体を得る工程と、上記焼結体を1215℃以上1250℃以下の温度範囲で熱間鍛造する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、炭素の固溶化を促進して、焼結鍛造品のパーライト組織の比率を向上させることができるとともに、銅のフェライト組織への置換固溶化を促進することができる。これにより、シンプルな元素構成であっても優れた機械的強度特性及び被削性を有し且つ低コストの焼結鍛造品を提供することができる。
本発明によれば、シンプルな元素構成であっても優れた機械的強度特性及び被削性を有し且つ低コストの焼結鍛造品を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る焼結鍛造品の製造方法の工程を示すフローチャートである。 図2は、実施例6に係るコンロッドの任意の断面における光学顕微鏡像(200倍)である。 図3は、実施例及び比較例に係るコンロッドの正面図である。 図4は、実施例及び比較例に係るコンロッドの側面図である。 図5は、引張強度試験に用いた試験片の正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
[焼結鍛造品]
<成分>
本実施形態に係る焼結鍛造品1は、C(炭素)と、Cu(銅)と、残部のFe(鉄)と、不可避不純物とからなる。
Cは、焼結鍛造品1の総質量に対して、好ましくは0.5質量%以上0.8質量%以下、より好ましくは0.52質量%以上0.78質量%以下、特に好ましくは0.55質量%以上0.75質量%以下である。これにより、高強度のパーライト組織の比率が増加するとともに、焼結鍛造品に形成されるセメンタイト組織が減少し、焼結鍛造品の機械的強度を向上させる。
Cuは、焼結鍛造品1の総質量に対して、好ましくは2.5質量%以上3.5質量%以下、より好ましくは2.6質量%以上3.4質量%以下、特に好ましくは2.7質量%以上3.3質量%以下である。これにより、十分量のCuがフェライト相に固溶して焼結鍛造品の機械的強度を向上させることができるとともに、過剰のCuが粒界に析出して焼結鍛造品の強度低下がもたらされることを防ぐことができる。
本実施形態において、C及びCuの含有量の残部はFe及び不可避不純物である。なお、不可避不純物として、0.1質量%未満のMn、約0.01質量%のMo、0.1質量%未満のCa等が含有され得る。
<フェライト相及びパーライト相>
本実施形態に係る焼結鍛造品1は、その任意の断面における総面積に対するフェライト相及びパーライト相の面積率がそれぞれ、好ましくは20%以下及び80%以上、より好ましくは15%以下及び85%以上、特に好ましくは10%以下及び90%以上である。
なお、フェライト組織は、ビッカース硬さ75HVの軟質な組織である。Cu固溶により強化され得る。また、パーライト組織は、フェライト組織の層とセメンタイト組織の層の微細なラメラ構造よりなり、ビッカース硬さ305HVの硬質な組織である。パーライト組織の比率の増加により、焼結鍛造品1の機械的強度を向上させることができる。
フェライト相及びパーライト相の面積率は、焼結鍛造品1の任意の断面の光学顕微鏡像から、画像処理によりフェライト相及びパーライト相を判定し、総面積に対する各々の面積比率を算出することにより求めることができる。
<回転曲げによる疲労強度>
焼結鍛造品1の機械的強度はまた、回転曲げによる疲労強度(MPa)を測定することにより評価することができる。
本実施形態に係る焼結鍛造品1の回転曲げによる疲労強度は、焼結鍛造品の機械的強度向上の観点から、JIS 2274−1978(金属材料の回転曲げ疲れ試験方法)に基づく測定値で、好ましくは405MPa以上、より好ましくは410MPa以上、特に好ましくは420MPa以上である。
<引張強度及び0.2%耐力>
本実施形態に係る焼結鍛造品1の機械的強度を示すパラメータとして、引張強度(MPa)がある。引張強度が高いほど強度は高くなる。一方、焼結鍛造品の多くは鍛造後に機械加工などを施して最終製品を得るため、被削性に優れていることも重要である。引張強度及び0.2%耐力の双方が高いことが、強度及び被削性の双方に優れていることを示す。
本実施形態に係る焼結鍛造品1の引張強度は、焼結鍛造品1の機械的強度向上の観点から、後述の高速引張試験に基づく測定値で、好ましくは1000MPa以上、より好ましくは1040MPa以上、特に好ましくは1100MPa以上である。
本実施形態に係る焼結鍛造品1の0.2%耐力は、焼結鍛造品1の強度及び被削性向上の観点から、後述の高速引張試験に基づく測定値で、好ましくは720MPa以上、好ましくは740MPa以上、好ましくは800MPa以上である。
本構成によれば、シンプルな元素構成でありながら機械的強度及び被削性に優れるとともに、コスト性にも優れた焼結鍛造品1をもたらすことができる。
なお、本実施形態に係る焼結鍛造品1としては、例えばエンジンのコンロッド、シンクロハブ、ハブスリーブ、各種ギヤ、各種プーリー等が挙げられる。
[焼結鍛造品の製造方法]
本実施形態に係る焼結鍛造品1は、以下の手順で製造することができる。
<混合工程>
図1に示すように、まず原料のCと、Cuと、Feの各粉末を略均一に混合して混合物2を得る(S1)。
本工程において使用される原料としてのC、Cu及びFeの粉末は、市販されているものを使用することができる。
Cの添加量は、混合物2の総質量に対して、好ましくは1.10質量%以上1.50質量%以下、より好ましくは1.12質量%以上1.45質量%以下、特に好ましくは1.15質量%以上1.37質量%以下である。これにより、Cの固溶化が促進されて、焼結鍛造品1のパーライト組織の比率を増加させることができる。
Cuの添加量は、混合物2の総質量に対して、好ましくは2.2質量%以上3.8質量%以下、より好ましくは2.4質量%以上3.6質量%以下、特に好ましくは2.5質量%以上3.5質量%以下である。これにより、Cuの固溶化が促進されて焼結鍛造品1のフェライト組織の比率を増加させることができる。
前記混合物2には、被削性向上の観点から、Ca系酸化物を含む潤滑剤などの追加の成分が添加され得る。このような潤滑剤の添加量は、上記混合物の総質量に対して、好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、好ましくは0.03質量%以上1.0質量%、好ましくは0.05質量%以上0.8質量%である。
原料粉末の混合は、一般的な混合手段を用いることができ、具体的には例えばV型混合機、W型混合機、リボン混合機、ボールミル混合機などを使用して行うことができる。なお、「略均一に混合」とは、これらの手段を用いて得られる程度に実質的に均一に混合されていることをいう。
<圧粉成形工程>
上記混合工程S1で得られた混合物2を、圧粉成形用金型のキャビティに充填し、圧粉成形機を用いて圧粉成形することで、焼結鍛造品1の圧粉成形体3を作製する(S2)。
本工程S2において、加圧圧力は、焼結鍛造品1の強度及び被削性向上の観点から、好ましくは3〜5t/cmの範囲の平均面圧である。
<焼結工程>
次に、上記圧粉成形体を焼結炉に搬送し、非酸化性雰囲気中、所定の温度範囲で焼結して焼結体4を得る(S3)。
非酸化性雰囲気中とは、酸素を含まない雰囲気であることを意味し、例えば、N、H又はこれらの混合ガス中などである。
焼結温度は、CuとCを基材のFeに固溶させて、焼結鍛造品1の強度を向上させる観点から、好ましくは1210℃以上1270℃以下、より好ましくは1220℃以上1250℃以下、特に好ましくは1230℃以上1250℃以下である。
焼結時間は、CuとCを基材のFeに固溶させて、焼結鍛造品1の強度を向上させる観点から、好ましくは10分〜2時間、より好ましくは20分〜1.5時間、特に好ましくは30分〜1時間である。
<鍛造工程>
そして、上記工程S3で得られた焼結体4を焼結炉から取り出して鍛造型にセットし、所定の温度範囲で熱間鍛造する(S4)。
鍛造温度は、焼結鍛造品1の機械的強度及び被削性向上の観点から、好ましくは1205℃以上1270℃以下、より好ましくは1215℃以上1250℃以下、特に好ましくは1225℃以上1250℃以下である。
鍛造加圧力は、焼結鍛造品1の機械的強度及び被削性向上の観点から、好ましくは2500kN以上3500kN以下、より好ましくは2700kN以上3300kN以下、好ましくは2900kN以上3100kN以下である。
なお、鍛造工程S4の後、冷却し、必要に応じてバリ取り作業、ショットピーニングによる表面硬化処理、及び機械加工等を行って最終製品として仕上げることができる。
本製造方法によれば、得られる焼結鍛造品1のパーライト組織の比率を向上させることができるとともに、銅のフェライト組織への置換固溶化を促進することができる。これにより、シンプルな元素構成でありながら機械的強度及び被削性に優れるとともに、コスト性にも優れた焼結鍛造品1をもたらすことができる。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
焼結鍛造品1として、コンロッドを製造した。表1に、実施例1〜9、及び比較例1〜5の構成及び各種測定結果を示す。
[コンロッドの製造]
まず、実施例1〜9及び比較例1〜5のコンロッドの原料であるC、Cu及びFeの粉末を表1に示す割合となるように配合するとともに、Caを含有する潤滑剤を混合物の総質量に対して0.1質量%加え、V型混合機を用いて混合した。
上記混合物をコンロッド用の金型のキャビティに充填し、圧粉成形機を用いて4t/cmの平均面圧で圧粉成形した。
次に、得られた各成形体を焼結回転炉に入れ、窒素0.4MPa及び水素0.04MPaの非酸化性雰囲気中、表1に示す各焼結温度及び焼結時間20分で焼結処理を行った。
そして、各焼結体を焼結回転炉から取り出した後、すぐに熱間鍛造成形装置の所定の金型にセットして鍛造加圧力3000kNで熱間鍛造した。
その後、鍛造体を冷却し、バリ取り作業、ショットピーニングによる表面硬化処理、及び機械加工を施して、実施例1〜9及び比較例1〜5のコンロッドを製造した。
[コンロッドの特性試験]
<コンロッドの成分分析>
実施例及び比較例のコンロッドから測定用試料を切り出し、元素分析を行った。
<フェライト相及びパーライト相の面積率測定>
実施例及び比較例のコンロッドの任意の断面について、光学顕微鏡観察(200倍)を行った。各々のコンロッドについて20視野程度で画像処理し、各視野におけるパーライト相を画像処理で判定し、それ以外をフェライト相として判断した。各々の相の面積から、総面積に対するフェライト相及びパーライト相の面積の割合を求め、平均値を算出してフェライト相及びパーライト相の面積率とした。
なお、実施例6に係るコンロッドの任意の断面の光学顕微鏡像を図2に示す。図2に示すように、白い部分Aがフェライト相であり、黒い部分Bがパーライト相である。
<コンロッドの引張強度及び0.2%耐力の測定>
図3及び図4は、実施例及び比較例のコンロッド11の正面図及び側面図である。図3及び図4に示すように、コンロッド11のコラム部から引張強度試験用の試験片12を切り出した。試験片12は、長さ70mm、幅10mm及び厚さ2mmで図5に示すような形状で作製した。
上記試験片12を用いて油圧式高速引張試験機により0.01mm/sで引張試験を行い、引張強度(MPa)及び0.2%耐力(MPa)を測定した。
<回転曲げによる疲労強度試験>
実施例1〜9及び比較例1〜5のコンロッドのコラム部から、JIS 2−6に準拠する試験片を切り出し、JIS 2274−1978に準拠する方法で回転曲げによる疲労強度(MPa)を測定した。
<考察>
まず、原料粉末の混合割合、すなわちコンロッドにおけるC及びCuの含有量について考察する。
表1に示すように、同じ焼結温度1235℃で焼結した実施例1,2,6について、混合時の成分量を比較すると、C量が1.15質量%〜1.37質量%、Cu量が2.5質量%〜3.5質量%である。また、鍛造後の成分量は、C量が0.60質量%〜0.70質量%、Cu量が2.5質量%〜3.5質量%である。このとき、フェライト相の面積率は2%〜8%であり、パーライト相の面積率は98%〜92%である。そして、引張強度、0.2%耐力、疲労強度のいずれも高い値となっており、機械的強度及び被削性に優れることが判る。
一方、比較例1〜3では、実施例のものに比べて、原料粉末の混合割合をそれぞれ増減させたものである。比較例1,2では、C量が少なくなっており、フェライト相の面積率が20%を超えている。このとき、引張強度、0.2%耐力、疲労強度のいずれも低いものとなっている。また、比較例3では、C量は多く、Cu量は少なくなっており、フェライト相及びパーライト相の面積率は1%及び99%であるが、疲労強度が低い値となっており、性能が劣っていることが判る。これは、Cの固溶限界0.78%を超え、セメンタイトが析出し疲労強度が悪化したものと考えられる。
次に、焼結温度について考察する。
表1に示すように、実施例3〜5及び実施例7〜9は、実施例6と同じC量及びCu量であるが、焼結温度を1220℃〜1230℃及び1240℃〜1250℃まで5℃ずつ変化させたものである。フェライト相及びパーライト相の面積率はいずれも2%及び98%であり、引張強度、0.2%耐力、疲労強度のいずれも高い値となっており、機械的強度及び被削性に優れることが判る。
一方、比較例4,5では、原料粉末の混合割合は実施例2と同一であるが、比較例4は焼結温度が1200℃、比較例5は焼結温度が1280℃となっている。比較例4では、フェライト相及びパーライト相の面積率は20%以下及び80%以上であるが、引張強度、0.2%耐力、疲労強度のいずれも低い値となっていることが判る。これは、焼結温度が低いために、Cuが固溶せず、粒界に析出し強度が低下したものと考えられる。また、比較例5では、フェライト相及びパーライト相の面積率が40%及び60%となっており、引張強度、0.2%耐力、疲労強度のいずれも低い値となっている。これは、焼結温度が高すぎるために、Cが脱炭して強度が低下したものと考えられる。
本発明は、シンプルな元素構成であっても優れた機械的強度特性及び被削性を有し且つ低コストの焼結鍛造品を提供することができるので、極めて有用である。
1 焼結鍛造品
2 混合物
3 圧粉成形体
4 焼結体
11 コンロッド(焼結鍛造品)
12 試験片

Claims (2)

  1. 総質量に対して、0.5質量%以上0.8質量%以下の炭素と、2.5質量%以上3.5質量%以下の銅と、残部の鉄及び不可避不純物とからなる焼結鍛造品であって、
    任意の断面における総面積に対するフェライト相の面積率が20%以下であり、且つパーライト相の面積率が80%以上であり、
    機械的強度特性としての引張強度は1040MPa以上、0.2%耐力は740MPa以上、及び回転曲げによる疲労強度は410MPa以上である
    ことを特徴とする焼結鍛造品。
  2. 請求項1に記載された焼結鍛造品を製造する方法であって、
    総質量に対して、1.15質量%以上1.37質量%以下の炭素と、2.5質量%以上3.5質量%以下の銅と、残部の鉄の各粉末を略均一に混合して混合物を得る工程と、
    上記混合物を圧粉成形して圧粉成形体を得る工程と、
    上記圧粉成形体を非酸化性雰囲気中、1220℃以上1250℃以下の温度範囲で焼結して焼結体を得る工程と、
    上記焼結体を1215℃以上1250℃以下の温度範囲で熱間鍛造する工程とを備えた
    ことを特徴とする焼結鍛造品の製造方法。
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