JP3314596B2 - 疲労強度に優れた鉄基焼結合金 - Google Patents

疲労強度に優れた鉄基焼結合金

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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F2998/00Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンロッド、オ
イルポンプローター、ギャポンプなどの機械部品の材料
として用いられる疲労強度に優れた鉄基焼結合金に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンロッド、オイルポンプロータ
ー、ギャポンプなどの機械部品の部材として、Ni:
4.0重量%、Cu:1.4重量%、Mo:0.5重量
%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物からなる組
成を有する合金鋼粉末にC:0.7重量%を添加し、さ
らに潤滑剤としてステアリン酸亜鉛粉末を外比で0.8
%添加して混合し、プレス成形して圧粉体を作製し、圧
粉体を窒素雰囲気中、1200℃、60分保持の条件で
焼結し、その後、窒素雰囲気中、870℃、30分間加
熱保持し、ついで80℃の油に入れて油焼き入れし、2
50℃、60分間保持の低温焼戻し処理することにり得
られる鉄基焼結合金が知られている(例えば、特開昭6
2−288713号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、作業の
高性能化、高出力化および高速化にともない、機械装置
に組み込まれている機械部品は従来よりも一段と苛酷な
条件での繰り返し負荷が加えられ、このため、疲労強度
に優れたの鉄基焼結合金からなる機械部品が求められて
いる。ところが上記従来の鉄基焼結合金は、疲労強度が
不足していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述のような観点から、機械部品の材料として、従来よ
りも疲労強度に優れたの鉄基焼結合金を得るべく研究を
行った結果、原料粉末として、平均粒径:30〜70μ
mのMnを微量含むFe粉末、平均粒径:1.5〜3.
5μmのNi粉末および平均粒径:3〜30μmのC粉
末を用意し、これら原料粉末を金型成形時の潤滑剤であ
るステアリン酸亜鉛粉末とともに混合し、プレス成形し
て圧粉体を作製し、圧粉体を窒素−水素ベースの雰囲気
中、1100〜1150℃、10〜60分保持の条件で
焼結して得られた焼結体を、その後、浸炭雰囲気中、8
30〜970℃、10〜60分間加熱保持し、ついで油
焼き入れし、150〜300℃、10〜60分間保持の
焼戻し処理を施すと、Ni:1.5〜4.5重量%、
C:0.2〜0.7重量%、Mn:0.01〜0.05
重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物からな
る組成を有する鉄基焼結合金であって、その鉄基焼結合
金の表面から0.5mm以内の深さの表面部はマルテン
サイト素地中に面積率:0.5〜7%のオーステナイト
が分散した組織を有し、それより内部は微細パーライト
素地中に面積率:30〜60%のマルテンサイトが分散
しており、このマルテンサイトの中心部に面積率で0.
5〜7%のオーステナイトが存在している組織を有する
鉄基焼結合金が得られ、この鉄基焼結合金は、従来の鉄
基焼結合金と比較して、強度が格段に優れているという
知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいて成さ
れたものであって、Ni:1.5〜4.5重量%、C:
0.2〜0.7重量%、Mn:0.01〜0.05重量
%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物からなる組
成を有する鉄基焼結合金であって、その鉄基焼結合金の
表面から0.5mm以内の深さの表面部はマルテンサイ
ト素地中に面積率:0.5〜7%のオーステナイトが分
散した組織を有し、それより内部は微細パーライト素地
中に面積率:30〜60%のマルテンサイトが分散して
おり、この分散したマルテンサイトの中心部に面積率で
0.5〜7%のオーステナイトが存在していることを特
徴とする疲労強度に優れた鉄基焼結合金、に特徴を有す
るものである。
【0006】つぎに、この発明の鉄基焼結合金の成分組
成および組織を上記のごとく限定した理由について説明
する。 A、成分組成 (a)Ni:Niは、疲労強度および靭性を向上させる
作用があるが、その含有量が1.5重量%未満ではその
効果が十分でなく、一方、4.5重量%を越えて含有し
てもその効果が少ないところから、Niの含有量は、
1.5〜4.5重量%に定めた。Niの含有量の一層好
ましい範囲は2.5〜4重量%である。
【0007】(b)C:Cは、素地に固溶して疲労強度
を向上させる効果があるが、その含有量が0.2重量%
未満では効果が十分でなく、一方、0.7重量%を越え
て含有すると材料を脆化を促進させるので好ましくな
い。したがって、Cの含有量は、0.2〜0.7重量%
に定めた。Cの含有量の一層好ましい範囲は0.3〜
0.5重量%である。
【0008】(c)Mn:Mnは、素地に固溶して強度
を向上させる作用があるが、その含有量が0.01重量
%未満では所望の効果が得られず、一方、0.05重量
%を越えると圧縮性、焼結性を阻害し、材料の疲労強度
と靭性を低下させるところからその含有量は、0.01
〜0.05重量%に定めた。
【0009】B、組織 この発明の鉄基焼結合金は、表面から0.5mm以内と
それより内部とは組織が相違し、表面から0.5mm以
内の深さの表面部はマルテンサイト素地中に面積率:
0.5〜7%のオーステナイトが分散した組織を有し、
それより内部は微細パーライト素地中に面積率:30〜
60%のマルテンサイトが分散しており、このマルテン
サイトの中心部に0.5〜7%の面積率でオーステナイ
トが存在している組織を有している。
【0010】オーステナイトは疲労亀裂の進展を阻害す
る組織であるが、その面積率が0.5%未満では所望の
効果が得られず、一方、7%を越えると強度が低下する
ので好ましくない。したがって、表面から0.5mmま
での表面部およびそれより内部におけるオーステナイト
の面積率を0.5〜7%に限定した。
【0011】マルテンサイトは材料を強化および硬化さ
せる組織であるが、表面から0.5mmより内部におけ
るマルテンサイトの面積率が30%未満では所望の効果
が得られず、一方、60%を越えると材料を脆化させる
ので好ましくない。したがって、表面部より内部におけ
るマルテンサイトの面積率を30〜60%に限定した。
表面から0.5mmより内部におけるマルテンサイトの
面積率の一層好ましい範囲は、40〜55%である。
【0012】
【発明の実施の形態】前記組織を有するこの発明の鉄基
焼結合金の製造方法について詳述する。まず、原料粉末
として、Mn:0.01〜0.05重量%を含む平均粒
径:40〜60μmのFe粉末、平均粒径:1.5〜
3.5μmのNi粉末および平均粒径:3〜30μmの
C粉末を用意する。この場合、Ni、CおよびMnを含
む合金鋼粉末を使用することは圧粉成形時の圧縮性を低
下させるので好ましくない。
【0013】これら原料粉末を配合し混合し、プレス成
形して圧粉体を作製し、圧粉体を窒素−水素ベースの雰
囲気中、1100〜1150℃、10〜60分保持の条
件で焼結して得られた焼結体を、その後、浸炭窒素雰囲
気中、830〜970℃、10〜60分間加熱保持し、
ついで油焼き入れし、150〜300℃、10〜60分
間保持の焼戻し処理すと、Ni:1.5〜4.5重量
%、C:0.2〜0.7重量%、Mn:0.01〜0.
05重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物か
らなる組成を有する鉄基焼結合金であって、その鉄基焼
結合金の表面から0.5mm以内の深さの表面部はマル
テンサイト素地中に面積率:0.5〜7%のオーステナ
イトが分散した組織を有し、それより内部は微細パーラ
イト素地中に面積率:30〜60%のマルテンサイトが
分散しており、このマルテンサイトの中心部に面積率で
0.5〜7%のオーステナイトが存在している組織を有
する鉄基焼結合金が得られる。
【0014】
【実施例】原料粉末として、表1〜表2に示される平均
粒径を有するFe粉末、Ni粉末およびC粉末を用意
し、これら原料粉末を表1〜表2に示される割合に配合
し、さらに潤滑剤であるステアリン酸亜鉛を添加した
後、ダブルコーンミキサーで十分に混合し、得られた混
合粉末を90mm×13mm×10mmの寸法および
7.0g/ccの密度を有する金型圧粉体に成形した。
得られた金型圧粉成形体をN2 −10%H2 の雰囲気
中、1120℃で30分間保持の条件で焼結し、得られ
た焼結体を浸炭雰囲気中、温度:900℃、30分間保
持したのち900℃から油焼き入れし、ついで焼結雰囲
気と同じN2 −10%H2 の雰囲気中、180℃、60
分保持の焼き戻し処理を施すことにより表1〜表2に示
される本発明鉄基焼結合金1〜10および比較鉄基焼結
合金1〜9を作製した。
【0015】さらに比較のために、Ni:4.0重量
%、Cu:1.4重量%、Mo:0.5重量%、C:
0.7重量%を含有し、残りがFeおよび不可避不純物
からなる組成を有する従来鉄基焼結合金を用意した。こ
れら本発明鉄基焼結合金1〜10、比較鉄基焼結合金1
〜9および従来鉄基焼結合金について化学組成分析を行
い、その結果得られた成分組成を表1〜表2に示した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】さらに、これら本発明鉄基焼結合金1〜1
0、比較鉄基焼結合金1〜9および従来鉄基焼結合金に
ついて画像解析による組織定量を行い、その結果を表3
〜表4に示した。また、これら本発明鉄基焼結合金1〜
10、比較鉄基焼結合金1〜9および従来鉄基焼結合金
を機械加工して試験片を作製し、この試験片を用いてJ
IS Z2274に基づく回転曲げ疲労試験を行い、1
7 回での疲労強度を求め、その結果を表3〜表4に示
した。
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】この発明の鉄基焼結合金の組織を一層理解
しやすくするために、本発明鉄基焼結合金1の表面から
2.5mmの深さの組織を金属顕微鏡により観察し、組
織写生図を図1に示し、さらに比較のために従来鉄基焼
結合金の組織写生図を図2に示した。図1の組織写生図
において、表面から0.5mmの深さの組織はマルテン
サイト素地中に面積率:0.5〜7%のオーステナイト
が分散した組織を有し、表面から0.5mmを越える深
さの組織は微細パーライト素地中に面積率:30〜60
%のマルテンサイトが分散しており、このマルテンサイ
トの中心部に面積率で0.5〜7%のオーステナイトが
存在している組織を有することが分かる。
【0022】
【発明の効果】表1〜表4に示した結果から、本発明鉄
基焼結合金1〜10は、比較鉄基焼結合金1〜9および
従来鉄基焼結合金に比べて、一段と優れた疲労強度を有
することが分かる。上述のように、この発明の鉄基焼結
合金は、疲労強度が優れているので、機械装置の部品の
材料として、優れた性能を長期にわたって発揮すること
ができ、工業上優れた効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鉄基焼結合金の金属顕微鏡による写
生図である。
【図2】従来の鉄基焼結合金の金属顕微鏡による写生図
である。
フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭45−413(JP,B1) 特公 昭35−17103(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C22C 33/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni:1.5〜4.5重量%、C:0.
    2〜0.7重量%、Mn:0.01〜0.05重量%を
    含有し、残りがFeおよび不可避不純物からなる組成を
    有する鉄基焼結合金であって、この鉄基焼結合金の表面
    から0.5mm以内の深さの表面部はマルテンサイト素
    地中に面積率:0.5〜7%のオーステナイトが分散し
    た組織を有し、それより内部は微細パーライト素地中に
    面積率:30〜60%のマルテンサイトが分散してお
    り、このマルテンサイトの中心部に面積率で0.5〜7
    %のオーステナイトが存在している組織を有することを
    特徴とする疲労強度に優れた鉄基焼結合金。
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