JP2017061628A - 両面粘着シート及び光学部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式の条件を満たし、かつヘイズ値が5%以上である両面粘着シート13。4.0<(Δb*×100)/(Hz×φ)<300(Δb*=bT *−bR *;bT *は透過光で測定した両面粘着シート13のb*値;bR *は反射光で測定した両面粘着シートのb*値;Hzは両面粘着シート13のヘイズ値;φは微粒子の平均粒子径又は非相溶樹脂に由来する島部の直径)
【選択図】図1
Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
4.0<(Δb*×100)/(Hz×φ) <300 式(1)
式(1)において、Δb*=bT *−bR *であり、bT *は透過光で測定した両面粘着シートのb*値を表し、bR *は反射光で測定した両面粘着シートのb*値を表し、Hzは両面粘着シートのヘイズ値を表し、φは微粒子の平均粒子径又は非相溶樹脂に由来する島部の直径を表す。
[2]ベースポリマーと微粒子とを含有する[1]に記載の両面粘着シート。
[3]微粒子の含有量は、ベースポリマーの全質量に対し、1〜50質量%である[2]に記載の両面粘着シート。
[4]微粒子の平均粒子径が0.1〜4μmである[2]又は[3]に記載の両面粘着シート。
[5]ベースポリマーと非相溶樹脂を含有する[1]に記載の両面粘着シート。
[6]非相溶樹脂の含有量は、ベースポリマーの全質量に対し、1〜50質量%である[5]に記載の両面粘着シート。
[7]ベースポリマーは、アクリル系重合体、ウレタン系重合体、ポリエステル系重合体及びゴム系重合体から選択される少なくとも1種を含む[2]〜[6]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[8]両面粘着シートは、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材の貼合用である[1]〜[7]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載の両面粘着シートの少なくとも一方の面に剥離シートが積層された剥離シート付き両面粘着シート。
[10][1]〜[8]のいずれかに記載の両面粘着シートと透明基材層とを有する透明基材付き粘着シート。
[11][1]〜[8]のいずれかに記載の両面粘着シートと、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材とを有する光学部材。
本発明の両面粘着シートは、下記式(1)の条件を満たし、かつヘイズ値が5%以上である。
4.0<(Δb*×100)/(Hz×φ) <300 式(1)
式(1)において、Δb*=bT *−bR *であり、bT *は透過光で測定した両面粘着シートのb*値を表し、bR *は反射光で測定した両面粘着シートのb*値を表し、Hzは両面粘着シートのヘイズ値を表し、φは微粒子の平均粒子径又は非相溶樹脂に由来する島部の直径を表す
なお、本発明の両面粘着シートが中間支持層を有している両面粘着シートの場合は、スライドガラスおよび透明PETフィルムと両面粘着シートとを貼合し、加圧脱泡処理をした積層体のヘイズ値を、本発明の両面粘着シートのヘイズ値とすることができる。ただし、剥離シートを剥離した際に粘着剤層の平滑性が落ちて、見かけ上、ヘイズが上昇する場合があるため、上記の両面粘着シートのみの構成の場合と同様に、ガラスと透明PETフィルムを用いた積層体でヘイズを測定したほうが好ましく、本発明では、このような測定方法で測定した値をヘイズ値とする。
本発明の両面粘着シートの粘着剤層は、粘着剤組成物から形成される。粘着剤組成物は、ベースポリマーを主成分として含む。すなわち、本発明の両面粘着シートは、ベースポリマーを主成分として含む。なお、本明細書において主成分とは、粘着剤組成物又は両面粘着シートの全質量に対し、50質量%以上含まれている成分をいう。
ベースポリマーは、視認性を低下させない程度の透明性を有するものが好ましい。具体的には、ベースポリマーは、アクリル系重合体、ウレタン系重合体、ポリエステル系重合体及びゴム系重合体から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。中でもベースポリマーは、アクリル系重合体から構成されることが好ましい。これにより、透明性と粘着性に優れた両面粘着シートを形成することができる。
アクリル系重合体としては、非架橋性の(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)を主成分とし、これに架橋性官能基を有するアクリル単量体単位(a2)を含有する共重合体を用いることが好ましい。本明細書において、「単位」は重合体を構成する繰り返し単位(単量体単位)である。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を含むことを意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を含むことを意味する。
本発明で用いられる粘着剤組成物は、粘着剤が官能基を有する単量体を用いた共重合体の場合は、架橋剤を配合することにより架橋処理を施すことができる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などが挙げられ、これらは必要に応じ2種類以上を併用しても良く、アクリル系重合体で用いる官能基との反応性を考慮して選択することが好ましい。
これら架橋剤の中でも、アクリル系重合体を容易に架橋できることから、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
また、架橋剤の含有量は、粘着剤組成物の総質量に対し、0.01〜5.0質量%であることが好ましく、0.02〜2.0質量%であることがより好ましい。
上記によって架橋された架橋後の粘着剤組成物のゲル分率は、20〜98%、好ましくは30〜90%、より好ましくは40〜80%である。ゲル分率が20%以上なら十分な凝集力が得られ、98%以下なら十分な粘着力や被着体への濡れ性が得られる。なお、ここで記載しているゲル分率とは、粘着剤組成物から可溶分を取り除いた残分の乾燥重量を浸漬前の粘着剤組成物の質量で割った値のパーセント表示値である。粘着剤組成物から可溶分を除去する際には、所定量の粘着剤組成物を粘着剤組成物の質量の2倍量以上の酢酸エチルやトルエンなどの溶媒に浸漬し、この浸漬物を40℃で24時間処理した後、150メッシュのワイヤメッシュにてろ過する。
ウレタン系重合体としては、ポリオール化合物とイソシアネート化合物の反応生成物として得られるものが例示される。ポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルジオール、ポリアセタールジオール等が挙げられる。また、イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの成分は、2種類以上を用いて反応させることもできる。
ポリエステル系重合体としては、多塩基酸成分とポリオール成分とから重縮合されるものが例示される。用いられる多塩基酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸等が挙げられる。また、ポリオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのモノマー成分は、2種類以上を用いて共重合しても良い。
ゴム系重合体としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン系ブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリイソブチレン(PIB)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらの合成ゴムは、単独又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
ゴム系重合体の重量平均分子量(Mw)は、10000〜10000000好ましくは50000〜800000であることがより好ましい。
両面粘着シートが上述した式(1)の条件を満たし、かつヘイズ値を5%以上とするためには、(i)粘着剤組成物に微粒子を混合する方法、または(ii)粘着剤組成物に非相溶樹脂を混合する方法を採用することができる。なお、(i)及び(ii)の方法を組み合わせて用いてもよい。
微粒子は、両面粘着シートに入射した光を拡散させる機能を有する微粒子であればよく、有機微粒子であっても無機微粒子であってもよい。本発明で用いる微粒子は、光拡散微粒子として機能する。
これらの微粒子は1種類を単独して用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、有機微粒子、無機微粒子、無機と有機の中間的な構造を有する微粒子を組み合わせて使用することも可能である。なお、本発明で用いる微粒子としては、両面粘着シートの全光線透過率を過度に低下させないものであるのが好ましく、透明性が高いアクリルビーズやシリカビーズが好適である。
両面粘着シートのb*値やヘイズ値は、粘着剤組成物に混合する添加剤として非相溶樹脂を用いることにより、上記条件を満たすように調整することができる。ここで、本明細書において、非相溶樹脂とは、ベースポリマーとの相溶性が低い樹脂をいい、ベースポリマーと非相溶樹脂を混合した際に、ヘイズ値が混合量に応じて上昇していくものをいう。具体的には、ベースポリマーと樹脂を1:1で混合した際に、ヘイズが20%以上となる樹脂を非相溶樹脂という。このような非相溶樹脂を用いることにより、両面粘着シートは上述した式(1)の条件を満たし、かつヘイズ値を5%以上とすることができる。
粘着剤組成物には、上記の他に以下のような添加剤が添加されていてもよい。
紫外線吸収剤は、紫外領域に極大吸収波長を有するものの中から選択することができ、波長350nm以上に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤を用いることが好ましい。波長350nm以上に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤として、例えば下記一般式(1)または(2)で示される化合物を挙げることができる。
粘着剤組成物に添加される添加剤として、ヒンダードアミン系化合物に代表される光安定剤を好ましく例示することができる。また、ヒンダードフェノール系化合物に代表される酸化防止剤を併用することも好ましい。酸化防止剤は、一般にラジカル連鎖停止剤とよばれる一次酸化防止剤と、過酸化物分解剤として作用する二次酸化防止剤とに分類される。一次酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤が挙げられる。また、二次酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が挙げられる。
これら酸化防止剤は1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。特にITOの腐食防止効果を期待する場合は、一次酸化防止剤と二次酸化防止剤を併用すると効果が得られやすいため好ましい。
本発明は、上述した両面粘着シートの少なくとも一方の面に剥離シートが積層された剥離シート付き両面粘着シートに関するものでもある。剥離シートは、両面粘着シートの少なくとも一方の面に積層されており、両面粘着シートの両面に積層されていることが好ましい。このような剥離シート付き両面粘着シートは、例えば、剥離シート上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成し、該塗膜を加熱して硬化物とすることにより得られる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−4527、SD−7220等や、信越化学工業(株)製のKS−3600、KS−774、X62−2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO2単位と(CH3)3SiO1/2単位あるいはCH2=CH(CH3)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−843、SD−7292、SHR−1404等や、信越化学工業(株)製のKS−3800、X92−183等が挙げられる。
塗工液には溶媒が含まれる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、n−ヘキサン、n−ブチルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンなどが使用される。これらは1種以上を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
塗膜の加熱は、加熱炉、赤外線ランプ等の公知の加熱装置を用いて実施できる。
本発明は、上述した両面粘着シートと、透明基材層とを有する透明基材付き粘着シートに関するものでもある。透明基材付き粘着シートにおいては、両面粘着シートの一方の面側には、透明基材層が設けられており、両面粘着シートの粘着剤層と透明基材層が接して積層されていることが好ましい。
透明基材層は、粘着シートを補強する基材として機能し、又はガラス基材を用いた導電部材の飛散防止フィルム、或いは加飾フィルムとして利用される。また、透明基材層は、光学特性を有する層(位相差層など)であってもよい。すなわち、拡散粘着層を補強する基材としての機能の他に光学的機能を果たすものであってもよい。
透明基材層は、可視光線を透過する透明な材料から構成され、例えば透明な樹脂のフィルムを好適に用いることができる。透明な樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム等が挙げられる。これらの中では、耐熱性に優れること等から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく用いられる。
本発明の透明基材付き粘着シートを構成する透明基材層のヘイズは5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、1以下であることがさらに好ましい。
ハードコート層は、透明基材層よりも硬度が高い層であり、透明基材付き粘着シートの表面に傷が発生するのを防止する機能を有する。
ハードコート層は、硬度が高く、かつ可視光線を透過するものであることが好ましい。一般的なハードコート層の場合は、JIS B 0601で定義される中心線平均粗さが1〜20nmであることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。中心線平均粗さは、例えば、(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡などを用いて測定することができる。
ハードコート層は、必要に応じてアンチリフレクションやアンチグレア、アンチウォーターマーク機能を有するものであっても良い。ここで、ウォーターマークとは、タッチパネルモジュールと表示装置の積層体において、その間に空隙がある構成の場合、タッチパネル操作時にタッチパネルモジュールと表示装置が接触して、接触した部分が水に濡れたように見えることをいう。このようなアンチグレア機能やアンチウォーターマーク機能を持ったハードコート層の場合は、JIS B 0601で定義される中心線平均粗さが20〜500nmであることが好ましく、50〜300nmがより好ましい。中心線平均粗さは、先述と同様に例えば、(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡などを用いて測定することができる。
重合性不飽和基を有する有機化合物のモノマーまたはオリゴマーは、熱硬化性であっても良いし、活性エネルギー線硬化性であっても良い。
易接着層は、例えば、透明基材層とハードコート層の間に設けられ、層同士を接着する機能を有する。また、易接着層は、両面粘着シートと透明基材層との間に設けられていてもよい。
易接着層に使用されるアクリル系樹脂としては、以下に示すようなアクリルモノマーから重合されるものが例示される。例えば、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を有したアルキルアクリレートやアルキルメタクリレート、ヒドロキシ含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミド基を含有するモノマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのモノマー成分は、2種以上を用いて共重合しても良い。
また、ポリエステル系樹脂としては、多塩基酸成分とポリオール成分とから重縮合されるものが例示される。用いられる多塩基酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルカルボン酸等が挙げられる。また、ポリオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのモノマー成分は、2種類以上を用いて共重合しても良い。
また、ウレタン系樹脂としては、ポリオール化合物とイソシアネート化合物の反応生成物として得られるものが例示される。用いられるポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルジオール、ポリアセタールジオール等が挙げられる。また、イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの成分は、2種類以上を用いて反応させることもできる。更に、必要であればこの他に鎖長延長剤、架橋剤などを使用しても良い。
また、別法として、ポリエステル系樹脂と易接着層用樹脂を同時に押し出し、積層フィルムとし、積層したフィルムを9〜100倍に公知の方法にて2軸延伸して易接着層を形成しても良い。
また粘着剤層又はハードコート層を積層する際に、必要に応じてコロナ放電処理、火炎処理等の公知の方法により表面処理を施しても良い。
本発明の透明基材付き粘着シートは、両面粘着シートの、透明基材層またはハードコート層が形成された側と反対側に剥離シートを有していてもよい。剥離シートとしては、上述した剥離シートを例示することができる。
本発明の光学部材は、少なくとも、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材に、本発明の両面粘着シートが貼合されて構成を有する。また、本発明の光学部材は、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材に、本発明の透明基材付き粘着シートが貼合されて構成されたものであってもよい。すなわち、本発明の光学部材においては、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材に、本発明の両面粘着シートが貼合され、さらに両面粘着シートの導電部材と反対側に、透明基材層およびハードコート層の少なくとも一方が設けられていてもよい。さらに両面粘着シートと透明基材層またはハードコート層との間、透明基材層とハードコート層との間に易接着層が設けられていてもよい。図3には、このような光学部材の態様が例示されている。図3に示された光学部材は、導電部材15、両面粘着シート13、易接着層11、透明基材層12、易接着層11、およびハードコート層10がこの順に積層されて構成されている。
導電部材は、透明支持体および導電部を有する。導電部材の透明支持体としては、ガラス等、光学部材で通常用いられている、透明材料からなる支持体がいずれも使用可能である。本発明を適用すれば、例えばガラスからなる透明支持体が破損した場合であっても、両面粘着シートによってガラスの飛散が抑えられ、製品の安全性を高めることができる。
導電部は、導電材料からなる層であり、透明支持体上に、導電部材の用途に応じたパターンで形成されている。
導電部は、例えば、この光学部材が表面型静電容量式タッチパネル等に適用される場合には、面内方向で実質的に均一な導電性能を有する均一層と、引き出し電極等に対応するパターンで電極層の周囲に形成された電極層を有して形成される。また、この光学部材が投影型静電容量方式のタッチパネルに適用される場合には、導電部は導電性能が規則的にパターン化された導電層として形成される。この投影型静電容量方式のタッチパネルでは、導電部が形成されていない透明支持体表面は位置検知のための非導電部として機能する。なお、導電部の上に、さらに導電膜の酸化を防ぐための保護膜が形成されていても良い。
一方、非導電部は、タッチパネルがより正確な位置検知を行うために、例えばJIS−K6911に記載の方法にて測定される表面抵抗を1×109Ω/sq以上、より好ましくは1×1011Ω/sq以上として、1×1013Ω/sq以下、より好ましくは1×1012Ω/sq以下として、明確に絶縁化すると良い。非導電部の表面抵抗の範囲は、1×109〜1×1013Ω/sqが好ましく、1×1011〜1×1012Ω/sqがより好ましい。
中でも無機系材料としては信頼性の高さと、透明性と導電性に優れるという点で、ITOが最も好適に利用される。また、屈曲性に優れるという特徴と、透明性と導電性にも優れるという特徴を有する点で有機導電性高分子のポリチオフェンの一種であるPEDOT/PSSも好適に利用される。PEDOT/PSSとは、PEDOT(3,4−エチレンジオキシチオフェンのポリマー)とPSS(スチレンスルホン酸のポリマー)を共存させたポリマーコンプレックスを示す。
金属や導電性炭素材料は、ITOやPEDOT/PSSのように比較的透明性に優れる導電性物質に比べ透明性に劣るため、金属や導電性炭素材料を用いる場合は、ナノワイヤー化して塗工したり、メッシュ状に加工したりすることで透明性を確保すると良い。中でも、銀は、最も導電性に優れる導電性物質であることから、好適に利用される。
導電部の形成に先立ち、透明支持体の表面に、密着性を高めるために、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、又はアンダーコート処理等の適宜な前処理を施しても良い。
アクリル重合体溶液(日本合成化学工業社製:コーポニールN−9277)の固形分100質量部に対して、架橋剤(東ソー社製:コロネートL55E)を0.1質量部、光拡散粒子(綜研化学社製:ケミスノー KMR−3TA)を7質量部投入して遊星攪拌機を用いて粒子が均一に分散されるまで攪拌して粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、第1の剥離シート(三菱樹脂(株)製:MRV#50)の剥離剤層表面にアプリケータにより塗工し、100℃で2分間乾燥させて粘着層(両面粘着シート)を得た。次に、第2の剥離シート(三菱樹脂(株)製:MRE#38)の剥離剤層側を粘着層に重ねて、ラミネーターにより貼りあわせた。これによって、第1の剥離シートと第2の剥離シートを有する両面粘着シートを得た。粘着層の乾燥後の厚みは25μmであった。
光拡散粒子の添加量を14質量部にした以外は実施例1と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
光拡散粒子の添加量を21質量部にした以外は実施例1と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
アクリル重合体を日本カーバイド工業社製のニッセツTN5961に変え、架橋剤量を0.2質量部、光拡散粒子の添加量を10質量部にした以外は実施例1と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
アクリル重合体溶液(日本合成化学工業社製:コーポニールN−9277)の固形分100質量部に対して、架橋剤(東ソー社製:コロネートL55E)を0.08質量部、非相溶樹脂(東亞合成社製:ARUFON UH2170)を10質量部投入して攪拌機を用いて攪拌した。非相溶樹脂がアクリル重合溶液中の溶媒に均一に分散するまで攪拌して粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、第1の剥離シート(三菱樹脂(株)製:MRV#50)の剥離剤層表面にアプリケータにより塗工し、100℃で2分間乾燥させて粘着層(両面粘着シート)を得た。次に、第2の剥離シート(三菱樹脂(株)製:MRE#38)の剥離剤層側を粘着層に重ねて、ラミネーターにより貼りあわせた。これによって、第1の剥離シートと第2の剥離シートを有する両面粘着シートを得た。粘着層の乾燥後の厚みは25μmであった。
非相溶樹脂の添加量を15質量部にした以外は実施例11と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
非相溶樹脂の添加量を20質量部にした以外は実施例11と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
非相溶樹脂をヤスハラケミカル社製の「クリアロン K100」に変えて添加量を5質量部にした以外は実施例11と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
非相溶樹脂の添加量を10質量部にした以外は実施例14と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
非相溶樹脂の添加量を15質量部にした以外は実施例14と同様にして乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
非相溶樹脂をヤスハラケミカル社製の「クリアロン P150」に変えた以外は実施例14と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工量を調整にした以外は、実施例17と同様にして、両面粘着シートを得た。
アクリル重合体を東洋インキ社製のサイアバインBPS6377−OPに変え、架橋剤量を0.5質量部とし、光拡散粒子を綜研化学社製の「MX500」に変更し、光拡散粒子の添加量を8.5質量部にした以外は実施例1と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
光拡散粒子を根上工業社製の「アートパール JB−800T」に変更し、光拡散粒子の添加量を17質量部にした以外は比較例1と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
光拡散粒子の添加量を26質量部にした以外は比較例2と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
光拡散粒子を綜研化学社製の「ケミスノー MX1000」に変更し、光拡散粒子の添加量を12質量部にした以外は比較例1と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
光拡散粒子の添加量を25質量部にした以外は比較例4と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
光拡散粒子の添加量を35質量部にした以外は比較例4と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
アクリル重合体と架橋剤をそれぞれ、綜研化学社製のSKダイン2094とE−AXに変え、架橋剤の添加量を0.1質量部とし、光拡散粒子を積水化学社製の「テクポリマー SBX−8」に変更し、光拡散粒子の添加量を1質量部にした以外は実施例1と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
非相溶樹脂の添加量を6質量部にした以外は実施例11と同様にして、乾燥後の厚みが25μmの両面粘着シートを得た。
(ヘイズ)
各実施例及び各比較例の両面粘着シートの一方の粘着面を松浪ガラス社製のスライドガラス(品番:S9112)に、もう一方の粘着面に透明PETフィルム(CPET75H 新タック化成社製)を貼合した。続いて、貼合時に混入した微細な空気などの影響を排除するために、積層されたサンプルに0.5MPa、40℃の条件で30分間オートクレーブ(加圧脱泡)処理を実施した。これらの貼合物のヘイズを日本電色工業(株)製のNDH4000を用いて測定した。
<透過bT *の測定方法>
上記のヘイズ測定に用いた積層体サンプルを、日本電色工業社製の分光色差計「Spectro Color Meter SE2000」を用いて、PET側が光源側になるようにセットして透過測定モードにて、b*値を測定した。
<反射bR *ヘイズの測定方法>
同様の積層体サンプルを、日本電色工業社製の分光色差計「Spectro Color Meter SE2000」を用いて、PET側が光源側になるようにセットし、逆面のガラス面には装置に標準装備された黒色当て板をセットし反射測定モードにて、b*値を測定した。
<微粒子の平均粒子径の測定>
微粒子(光拡散粒子)の平均粒子径(一次粒子径)は、透過型電子顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡を用いて測定した。具体的には、微粒子の粒子画像の最大長(Dmax)と、最大長垂直長(DV−max)を測長し、その相乗平均値(Dmax×DV−max)1/2を粒子径とした。なお、最大長(Dmax)は、粒子画像の輪郭上の2点における最大長さであり、最大長垂直長(DV−max)は最大長に平行な2本の直線で粒子画像を挟んだときの、この2本の直線間の最短長さとした。この方法で任意の100個の微粒子について粒子径を測定し、その平均値を微粒子の平均粒子径とした。
非相溶樹脂に由来する島部の直径は、透過型電子顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡を用いて測定した。具体的には、非相溶樹脂に由来する島部画像の最大長(Dmax)と、最大長垂直長(DV−max)を測長し、その相乗平均値(Dmax×DV−max)1/2を非相溶樹脂に由来する島部の直径とした。なお、最大長(Dmax)は、島部画像の輪郭上の2点における最大長さであり、最大長垂直長(DV−max)は最大長に平行な2本の直線で島部画像を挟んだときの、この2本の直線間の最短長さとした。この方法で任意の100個の島部について島部の直径を測定し、その平均値を非相溶樹脂に由来する島部の直径とした。
透明支持体上にITOパターンが形成された電極部材を用意し、この電極部材に、各実施例および各比較例で作製した両面粘着シートをITOパターンと接するように貼合した。そして、電極部材の透明支持体側からITOパターンが見えるか否かを目視にて観察し、以下の基準に従い評価した。△評価以上を合格レベルとした。
◎:ITOパターンが全く視認されない
○:ITOパターンがほぼ見えない
△:ITOパターンが視認されるが許容されるレベル
×:ITOパターンがはっきりと視認される
Xperia SO−01ディスプレイを全面白色になるように画面を設定し、各実施例および各比較例で作製した両面粘着シートを乗せ、スパークリング(画面のぎらつき感)を目視で評価した。B評価以上を合格レベルとした。
A:スパークリングが全く視認されない
B:スパークリングがほぼ見えない
C:スパークリングがやや見える
D:スパークリングがはっきりと見える
11 易接着層
12 透明基材層
13 両面粘着シート
14 中間支持層
15 導電部材
20 粘着剤層
Claims (11)
- 下記式(1)の条件を満たし、かつヘイズ値が5%以上であることを特徴とする両面粘着シート;
4.0<(Δb*×100)/(Hz×φ) <300 式(1)
式(1)において、Δb*=bT *−bR *であり、bT *は透過光で測定した両面粘着シートのb*値を表し、bR *は反射光で測定した両面粘着シートのb*値を表し、Hzは両面粘着シートのヘイズ値を表し、φは微粒子の平均粒子径又は非相溶樹脂に由来する島部の直径を表す。 - ベースポリマーと微粒子とを含有する請求項1に記載の両面粘着シート。
- 前記微粒子の含有量は、前記ベースポリマーの全質量に対し、1〜50質量%である請求項2に記載の両面粘着シート。
- 前記微粒子の平均粒子径が0.1〜4μmである請求項2又は3に記載の両面粘着シート。
- ベースポリマーと非相溶樹脂を含有する請求項1に記載の両面粘着シート。
- 前記非相溶樹脂の含有量は、前記ベースポリマーの全質量に対し、1〜50質量%である請求項5に記載の両面粘着シート。
- 前記ベースポリマーは、アクリル系重合体、ウレタン系重合体、ポリエステル系重合体及びゴム系重合体から選択される少なくとも1種を含む請求項2〜6のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
- 前記両面粘着シートは、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材の貼合用である請求項1〜7のいずれか1項に記載の両面粘着シート。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の両面粘着シートの少なくとも一方の面に剥離シートが積層された剥離シート付き両面粘着シート。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の両面粘着シートと透明基材層とを有する透明基材付き粘着シート。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の両面粘着シートと、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材とを有する光学部材。
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