JP7230556B2 - 粘着シート、導電性材料 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着シートに関する。
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの表示装置と組み合わせて用いられる入力装置が広く用いられるようになってきている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合せる用途に透明な粘着シートが使用されている。
基板上に金属細線が形成された導電性フィルムは、太陽電池、無機EL素子、有機EL
素子などの各種電子デバイスの透明電極、各種表示装置の電磁波シールド、タッチパネル、透明面状発熱体などに幅広く利用されている。特に、近年、携帯電話や携帯ゲーム機器等へのタッチパネルの搭載率が上昇しており、多点検出が可能な静電容量方式のタッチパネル用の導電性フィルムの需要が急速に拡大している。
フレキシブルディスプレイの検討が加速する中、センサーに用いる金属は折り曲げ可能な銀や銅等の柔らかい材料が用いられるが、銀や銅はイオン化傾向が高いため、イオンマイグレーションが生じやすく、タッチパネルの動作中に不具合が生じる可能性が高い。また、センサー部分は他の部材と粘着剤で貼合するため、粘着剤自身にイオンマイグレーションの適性が必要である。
このようなイオンマイグレーションを防止する方法として、特許文献1及び特許文献2においては、導電フィルム上にベンゾトリアゾール系化合物を含む粘着層を形成する態様が開示されている。
特許5421493号公報 特開2012-77281号公報
一方、本発明者らが特許文献1及び2の態様について検討を行ったところ、耐UV試験においてベンゾトリアゾール系化合物間の反応による黄変が発生する問題があることを見出した。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みて、金属のマイグレーションが抑制され耐候性を有する粘着層を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、粘着剤組成物に含まれるベンゾトリアゾール系化合物の含有量を所定条件とすることにより、耐候性に優れた粘着シートであって、かつイオンマイグレーション防止性能を有する粘着シートが得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] アクリル系樹脂100質量部に対しベンゾトリアゾール系化合物を0.001~0.045質量部を含有する粘着剤組成物から形成される粘着シート。
[2] ベンゾトリアゾール系化合物が5M-1H-ベンゾトリアゾールである[1]記載の粘着シート。
[3] フィルム上に塗工した後の膜厚が5~200μmであることを特徴とする[1]~[2]いずれかに記載の粘着シート。
[4] 画像表示装置内に用いられる事を目的とした[1]~[3]の何れか記載の粘着シート。
[5] [1]~[4]の何れかに記載の粘着シートの片面または両面に金属層を含む支持体に貼合することを特徴とする導電性材料。
[6] [1]~[4]の何れかに記載の粘着シートの片面または両面に金属を含む支持体を貼合した導電性材料。
[7] 金属が銀及び/または銅を含むことを特徴とする[5]~[6]の何れかに記載の導電性材料。
本発明によれば、イオンマイグレーション防止性に優れた粘着シートであって、かつ耐候性にも優れた粘着シートを得ることができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<粘着シート>
本発明は、ベンゾトリアゾール系化合物を含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有する粘着シートに関する。ここで、粘着剤組成物はベンゾトリアゾール系化合物を0.001~0.045質量部を含む。
本発明の粘着シートはベンゾトリアゾール系化合物を有するため、イオンマイグレーション防止性及び防錆性能に優れている。また、本発明の粘着シートは、粘着剤組成物におけるベンゾトリアゾール系化合物の含有量が0.045質量%以下であるため、耐UV黄変性にも優れている。このように、本発明の粘着シートは、イオンマイグレーション防止性、耐候性を兼ね備えた粘着シートである。
銀配線に粘着シートを貼合後、85℃、相対湿度85%RHで1000時間静置させた後、抵抗値変化がないことをもってイオンマイグレーション防止性能を有すると判定できる。
粘着シートの耐候性は、粘着シートにUV照射後に、粘着シートのb*値が1.0未満である場合に良好であると判定できる。
<粘着シートの構成>
本発明の粘着シートは、粘着剤層を有する。粘着シートは、粘着剤層のみから構成される単層の粘着シートであってもよい。また、粘着シートは、片面に基材(好ましくは透明基材)を備えた片面粘着シートでも、両面粘着シートでもよい。両面粘着シートとしては、粘着剤層からなる単層の粘着シート、粘着剤層を複数積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に他の粘着剤層を積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に支持体を積層した多層の粘着シート、支持体の片面に粘着剤層が積層し、他方の面に他の粘着剤層が積層した多層の粘着シートが挙げられる。両面粘着シートが支持体を有する場合、支持体として透明な支持体を用いたものが好ましい。支持体としては、透明基材と同様に光学分野に用いられる一般的なフィルムを用いることができる。このような両面粘着シートは、粘着シート全体としての透明性にも優れることから、光学部材同士の接着に好適に用いることができる。
本発明は、粘着シートの両表面に剥離シートを備える剥離シート付き粘着シートに関するものであってもよい。
剥離シートとしては、剥離シート用基材とこの剥離シート用基材の片面に設けられた剥離剤層とを有する剥離性積層シート、あるいは、低極性基材としてポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
剥離性積層シートにおける剥離シート用基材には、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-4527、SD-7220等や、信越化学工業(株)製のKS-3600、KS-774、X62-2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO単位と(CHSiO1/2単位あるいはCH=CH(CH)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-843、SD-7292、SHR-1404等や、信越化学工業(株)製のKS-3800、X92-183等が挙げられる。
剥離性積層シートとして、市販品を用いてもよい。例えば、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである重セパレータフィルムや、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである軽セパレータフィルムを挙げることができる。
本発明の粘着シートが両面粘着シートの場合は、剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを有することが好ましい。一方からの剥離性と他方からの剥離性とが異なると、剥離性が高い方の剥離シートだけを先に剥離することが容易となる。その場合、貼合方法や貼合順序に応じて各剥離シートの剥離性を調整すればよい。
<粘着剤層>
粘着剤層の厚みは、5~200μmであることが好ましく、10~150μmであることが特に好ましい。粘着剤層の厚みを上記範囲内とすることにより、十分な粘着力を確保でき、かつ粘着剤のはみ出しやべたつきを抑制することができるため加工性を高めることもできる。
<粘着剤組成物>
粘着剤組成物は、ベンゾトリアゾール系化合物を含む。ベンゾトリアゾール系化合物と
は、所定の置換基を有していてもよいベンゾトリアゾール構造を有する化合物であり、例えば、1H-ベンゾトリアゾール(1,2,3-ベンゾトリアゾール)、4-メチルベンゾトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、4-メチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、5-メチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N-メチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N-エチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジメチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジエチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジプロピルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジブチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジヘキシルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジオクチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ビス(2-エチルヘキシル)
-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジメチル-4-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジメチル-5-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジエチル-4-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジエチル-5-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジプロピル-4-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジプロピル-5-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジブチル-4-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジブチル-5-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジヘキシル-4-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジヘキシル-5-ベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ビス(2-エチルヘキシル)-4-メチルベンゾトリアゾール-1-メ
チルアミン、N,N-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジオレイル-4-メチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジオレイル-5-メチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジステアリル-4-メチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミン、N,N-ジステアリル-5-メチルベンゾトリアゾール-1-メチルアミンなどが挙げられる。
中でも5M-1H-ベンゾトリアゾールはより少量でイオンマイグレーション防止効果を得られることから特に好ましい。
5-メチル-1H-ベンゾトリアゾールの市販品としては、例えば、5M-BT
A(城北化学社製)、5-Methyl-1H-benzotriazole(東京化成
工業社製)の商品名で市販されているものが挙げられる。
粘着層中におけるベンゾトリアゾール系化合物の含有量は、粘着層全質量に対して、0.001質量%以上0.05質量%未満である。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、0.01~0.045質量%が特に好ましい。
含有量が0.001質量%未満の場合はマイグレーションの発生を抑制できず、0.05質量%超の場合は耐UV試験後に粘着層の黄変が生じる。
粘着層中に含まれる粘着剤の種類は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点
で、カルボキシル基を実質的に含まない粘着剤が好ましい。実質的に含まないとは、粘着
剤中におけるカルボキシル基の含有量が1×10-3モル%以下であることを意図し、1×
10-4モル%以下であることが好ましい。下限は特に制限されないが、0モル%が好まし
い。
粘着剤の具体例としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘
着剤、ウレタン系粘着剤などの各種の粘着剤を使用できる。
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分を挙げることができる。例えば可塑剤、酸化防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤等の中から必要に応じて選択できる。また、着色を目的に染料や顔料を添加してもよい。
<粘着シートの製造方法>
本発明の粘着シートの製造方法は、剥離シート上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成する工程を含むことが好ましい。粘着剤組成物の塗工は、公知の塗工装置を用いて実施できる。塗工装置としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
<導電性材料>
本発明は、粘着シートの片面及び/または両面に金属層を含む支持体を貼合することを特徴とする導電性材料に関する。
<導電性材料の構成>
本発明の導電性材料は、少なくとも、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材
に、本発明の両面粘着シートが貼合されて構成を有する。また、本発明の導電性材料は、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材に、本発明の透明基材付き粘着シートが貼合されて構成されたものであってもよい。すなわち、本発明の光学部材においては、透明支持体上の一部に導電部が設けられた導電部材に、本発明の両面粘着シートが貼合され、さらに両面粘着シートの導電部材と反対側に、透明基材層およびハードコート層の少なくとも一方が設けられていてもよい。さらに両面粘着シートと透明基材層またはハードコート層との間、透明基材層とハードコート層との間に易接着層が設けられていてもよい。
(透明支持体)
導電部材は、透明支持体および導電部を有する。導電部材の透明支持体としては、ガラスやフィルム等、光学部材が通常用いられている、透明材料からなる支持体がいずれも使用可能である。
(導電部)
導電部は、導電材料からなる層であり、透明支持体上に、導電部材の用途に応じたパターンで形成されている。導電部は、例えば、この光学部材が表面型静電容量式タッチパネル等に適用される場合には、面内方向で実質的に均一な導電性能を有する均一層と、引き出し電極等に対応するパターンで電極層の周囲に形成された電極層を有して形成される。また、この導電性材料が投影型静電容量方式のタッチパネルに適用される場合には、導電部は導電性能が規則的にパターン化された導電層として形成される。この投影型静電容量方式のタッチパネルでは、導電部が形成されていない透明支持体表面は位置検知のための非導電部として機能する。なお、導電部の上に、さらに導電膜の酸化を防ぐための保護膜が形成されていても良い。
導電部の材質としては、公知の導電性物質を適用できる。導電性物質としては、無機系材料を用いてもよく、無機系材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、もしくはコバルトなどの金属、又はインジウム-スズ酸化物(Indium Tin Oxide(ITO))、インジウム-亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide(IZO))、酸化亜鉛(Zinc Oxide(ZnO))、もしくは亜鉛-スズ酸化物(Zinc Tin Oxide(ZTO))、もしくはアンチモン-スズ酸化物(ATO)などの金属酸化物が例示できる。導電性物質としては有機導電体を用いてもよく、有機導電体としては、導電性カーボンナノチューブやグラフェンなどの導電性炭素材料、又はポリチオフェン、もしくはポリアニリンなどの導電性高分子などが例示できるが、これらに限定するものではない。金属や導電性炭素材料は、ITOやPEDOT/PSSのように比較的透明性に優れる導電性物質に比べ透明性に劣るため、金属や導電性炭素材料を用いる場合は、ナノワイヤー化して塗工したり、メッシュ状に加工したりすることで透明性を確保すると良い。中でも、銀と銅は導電性が高く、薄膜化や屈曲しても抵抗値が上昇しにくいことから、好適に利用される。
導電部の厚みは、適用する導電体の導電性や透明性等を考慮して設定する必要があるため、厚みは特に制限されないが、例えば、金属系の場合で30~600Å、金属酸化物系や有機系の場合で80~5000Åの厚さが好ましい。
導電部は公知の方法により形成できる。具体的には、各種印刷方式などにより、透明基板上に部分的に導電層を設ける方法で導電部を形成しても良いし、均一な導電層を形成した後、その一部をエッチングや感光法などにより除去して導電部を形成しても良い。均一な導電層を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スプレー熱分解法、化学メッキ法、電気メッキ法、塗布法、あるいはこれらの組合せ法などの薄膜形成法が挙げられる。導電部の形成に先立ち、透明支持体の表面、密着性を高めるために、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、又はアンダーコート処理等の適宜な前処理を施しても良い。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
(粘着剤組成物の作製)
アクリル重合体(サイデン化学社製:TPO-3232)の固形分100質量部に対し、架橋剤(綜研化学社製:E-5XM)0.09部と5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)0.045質量部を加え、均一になるまで撹拌し、粘着剤組成物を得た。
(粘着シートの作製)
上記粘着剤を、アプリケーターにより、第1のセパレーターである厚さ38μmのPET剥離フィルム(品名:RL07(2)#38、王子エフテックス社製)に、乾燥後の塗膜厚が25μmになるように塗工し、100℃で3分間乾燥させて粘着剤層を得た。次いで、該粘着剤層の表面に第2のセパレーターである厚さ38μmのPET剥離フィルム(品名:RL07(L)#38、王子エフテックス社製)に貼合して、粘着剤層が剥離力差のある1対の剥離フィルムに挟まれた粘着シートを得た。
(実施例2)
塗膜厚を200μmに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例3)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)の添加量を0.001質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例4)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)を1,2,3-ベンゾトリアゾール(城北化学社製:BT-120)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例5)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)を1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール(城北化学社製:BT-LX)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例6)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)を1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール(城北化学社製:TT-LX)に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例1)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例2)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)を1,2,3-ベンゾトリアゾール(城北化学社製:BT-120)に変更し、その添加量を0.005質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例3)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)を1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール(城北化学社製:BT-LX)に変更し、その添加量を0.005質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例4)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)を1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール(城北化学社製:TT-LX)に変更し、その添加量を0.005質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例5)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)の添加量を0.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例6)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)の添加量を1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例7)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)を1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール(城北化学社製:BT-LX)に変更し、その添加量を1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例8)
(粘着剤組成物の作製)において、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール(城北化学社製:BT-LX)の添加量を1質量部に変更した以外は、実施例5と同様にして粘着シートを得た。
(比較例9)
(粘着剤組成物の作製)において、5M-1H-BTA(城北化学社製:5M-BTA)を1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール(城北化学社製:BT-LX)に変更し、その添加量を1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[評価]
<マイグレーション防止性>
評価に用いる銀配線は、東レ社製感光性導電ペーストであるRAYBRIDをフィルム上にL/S=30/30μmのくし型配線状に形成し、フィルムの非配線形成側を両面粘着シートで支持フィルムに貼合した積層体を用いた。
粘着シートの第1のセパレーターを剥離し、PETフィルム(東洋紡社製:コスモシャインA4300、膜厚100μm)に貼合した後、第2のセパレーターを剥離し、上記積層体の銀配線上に貼合することで試験片を作製した。
上記方法により製造した評価用サンプルを温度85℃、相対湿度85%RHの条件下1000hr置き、マイグレーションの発生の有無を確認した。電極の抵抗は、テスタープローブを用いて測定し、抵抗値が低下したことをもってマイグレーションが発生したと判断した。
(マイグレーション評価基準)
◎:抵抗値低下、腐食生成物共になし
○:抵抗値低下はないが腐食性生物発生有
×:抵抗値低下発生
<耐候性>
粘着シートの第1のセパレーターを剥離し、PETフィルム(東洋紡社製:コスモシャインA4300、膜厚100μm)に貼合した後、第2のセパレーターを剥離し、ガラス板(松浪硝子社製:S9112)に貼合することで試験片を作製した。
その後試験片のガラス板面側から高圧水銀ランプ紫外線照射機(アイグラフィックス社製)を用いて試験片のガラス面側から90mW/cm2、5000mJ/cm2の紫外線照射行った後、色差計にてb*値を測定した。
(耐候性評価基準)
○:b*<1
△:1≦b*<1.5
×:b*≧1.5
Figure 0007230556000001
実施例で得られた粘着シートでは、イオンマイグレーション防止性及び耐候性が良好であった。
一方、ベンゾトリアゾール系化合物の添加量が少ない比較例1~4においてはイオンマイグレーション防止性能が不足し、ベンゾトリアゾール系化合物の添加量が多い比較例5~9においてイオンマイグレーション防止性能はあるものの、耐候性試験後に黄変が発生した。

Claims (8)

  1. アクリル系樹脂100質量部に対し5M-1H-ベンゾトリアゾールを0.001~0.045質量部を含有する粘着剤組成物から形成される粘着シート。
  2. アクリル系樹脂100質量部に対しベンゾトリアゾール系化合物を0.045質量部含有する粘着剤組成物から形成される粘着シート。
  3. ベンゾトリアゾール系化合物が5M-1H-ベンゾトリアゾールである請求項記載の粘着シート。
  4. フィルム上に塗工した後の膜厚が5~200μmであることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の粘着シート。
  5. 画像表示装置内に用いられる請求項1~の何れか1項に記載の粘着シート。
  6. 請求項1~の何れか1項に記載の粘着シートの片面または両面に金属層を含む支持体を貼合することを特徴とする導電性材料。
  7. 請求項1~の何れか1項に記載の粘着シートの片面または両面に金属を含む支持体を貼合した導電性材料。
  8. 金属が銀及び/または銅を含むことを特徴とする請求項6~7の何れか1項に記載の導電性材料。
JP2019022311A 2019-02-12 2019-02-12 粘着シート、導電性材料 Active JP7230556B2 (ja)

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