JP2021019080A - 多層回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第一、第二の導電回路パターン層の相対的位置関係を容易に判別でき、しかも、両面から検査する場合に、第一、第二の導電回路パターン層を容易に識別できる多層回路基板を提供する。【解決手段】 透明のベース層1と、このベース層1に積層される透明の積層絶縁層2と、この積層絶縁層2に積層される導電X回路パターン層3と、この導電X回路パターン層3に積層される光透過性の絶縁層4と、この絶縁層4に積層される導電Y回路パターン層7とを備え、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7の一部が絶縁層4を介してオーバーラップしており、絶縁層4の第一の絶縁層5に、検査用の緑色等の着色を施す。絶縁層4に着色が施されるので、導電X回路パターン層3なのか、導電Y回路パターン層7なのかを正確に見分けることができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、音楽プレイヤー、家電製品、空調機器、携帯機器、コンピュータ機器、情報通信機器、自動車搭載機器等に用いられる多層回路基板に関するものである。
自動車のカーナビゲーションには、デザイン性や操作性に資する多層回路基板である静電容量センサが使用されているが、この静電容量センサは、図4や図5に示すように、絶縁性を有する透明のベース層1と、このベース層1に積層される導電X回路パターン層3と、この導電X回路パターン層3に積層される絶縁層4と、この絶縁層4に積層される導電Y回路パターン層7とを積層構造に備え、カーナビゲーションの形や構成に応じ、三次元形成される(特許文献1、2、3、4、5参照)。
導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7とは、銀インク等によりそれぞれ厚さ5μm〜15μm程度に印刷され、一部の細い導電ライン等が絶縁層4を介しオーバーラップしており、共に図示しない静電容量検出回路に接続される。また、絶縁層4は、確実な絶縁性を確保するため、導電X回路パターン層3に積層される第一の絶縁層5と、この第一の絶縁層5と導電Y回路パターン層7との間に介在される第二の絶縁層6とに分割され、これら第一、第二の絶縁層5・6とに光透過性がそれぞれ付与されている。
このような静電容量センサは、製造工程で製造されると、製造工程から検査工程に移され、この検査工程で目視により検査されて良品と不良品とに選別され、その後、良品が出荷される。
特開昭60‐120594号公報 特許第6360793号公報 特開平06‐350210号公報 特開2017‐215960号公報 特開2017‐157184号公報
従来の多層回路基板である静電容量センサは、以上のように構成され、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7の明度や彩度の光学的な差異が小さいので、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7に陰影が殆ど付かず、導電X回路パターン層3なのか、導電Y回路パターン層7なのかを正確に見分けることが困難であるという問題がある。
例えば、絶縁層4が透光性の無色の場合、静電容量センサをその裏面から光学的に検査すると、絶縁層4よりも導電X回路パターン層3が裏面側に位置しているので、導電X回路パターン層3を概ね把握することはできても、導電Y回路パターン層7を明瞭に把握することは必ずしも容易ではない(図6参照)。逆に、静電容量センサをその表面から光学的に検査すると、絶縁層4よりも導電Y回路パターン層7が表面側に位置しているので、導電Y回路パターン層7を概ね識別することは可能でも、導電X回路パターン層3を識別することは困難である(図7参照)。さらに、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7のXY方向における位置を高精度に判別することはきわめて困難である。
本発明は上記に鑑みなされたもので、第一、第二の導電回路パターン層の相対的位置関係を容易に判別することができ、しかも、両面から検査する場合に、第一、第二の導電回路パターン層を容易に識別することのできる多層回路基板を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、第一の導電回路パターン層と、この第一の導電回路パターン層に積層される光透過性の絶縁層と、この絶縁層に積層される第二の導電回路パターン層とを含み、第一、第二の導電回路パターン層の一部が絶縁層を介してオーバーラップしており、絶縁層に、検査用の着色を施したことを特徴としている。
なお、可撓性を有する光透過性のベース層と、このベース層と第一の導電回路パターン層との間に介在される光透過性の積層絶縁層とを含むと良い。
また、第二の導電回路パターン層に積層される光透過性の絶縁保護層を含むことができる。
また、絶縁層は、第一の導電回路パターン層に積層される第一の絶縁層と、この第一の絶縁層と第二の導電回路パターン層との間に介在される第二の絶縁層とを含み、これら第一、第二の絶縁層に光透過性を付与し、第一、第二の絶縁層のうち、少なくとも第一の絶縁層に、検査用の着色を施すことができる。
また、絶縁層の全光線透過率を86%以下とし、ヘイズ値を9%以上とすることが好ましい。
ここで、特許請求の範囲における第一、第二の導電回路パターン層の一部には、少なくともオーバーラップする一部、半分、大部分が含まれる。また、検査用の着色は、目視による把握が容易になるのであれば、各種の有着色(例えば、緑色や赤色等)でも良いし、無着色(例えば、濁った白色)でも良い。絶縁層の全光線透過率は、86%以下、好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下が良い。さらに、本発明に係る多層回路基板は、静電容量センサ自体でも良いし、汎用性のあるプリント配線板等でも良く、屈曲等に基づく三次元形成可能の有無を特に問うものではない。
本発明によれば、第一、第二の導電回路パターン層の背景となる絶縁層に着色が施されるので、第一、第二の導電回路パターン層と絶縁層間の明度差や彩度差が大きくなり、第一の導電回路パターン層なのか、第二の導電回路パターン層なのかを正確に見分けることができる。
本発明によれば、絶縁層に検査用の着色を施すので、第一、第二の導電回路パターン層の相対的位置関係を容易に判別することができ、しかも、両面から検査する場合に、第一、第二の導電回路パターン層を容易に識別することができるという効果がある。
請求項2記載の発明によれば、ベース層が可撓性を有するので、多層回路基板の三次元形成が容易になる。また、ベース層と第一の導電回路パターン層との間に積層絶縁層が介在するので、ベース層と第一の導電回路パターン層の厚さに拘わらず、これらの間の絶縁性を確保することができる。
請求項3記載の発明によれば、絶縁保護層側からの第二の導電回路パターン層の視認性を確保しつつ、第二の導電回路パターン層を外部の塵埃等から被覆保護することができる。
請求項4記載の発明によれば、絶縁層が単層構造ではなく、第一、第二の絶縁層からなる積層構造なので、第一、第二の絶縁層を積層すれば、厚い絶縁層を自由、かつ容易に形成することが可能となる。また、第一、第二の導電回路パターン層の間に絶縁性が不足するのを防止することが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、絶縁層の全光線透過率を86%以下とし、ヘイズ値を9%以上とするので、絶縁層の光透過性を抑制することができ、第一、第二の導電回路パターン層のオーバーラップした一部を、視覚を通じて把握することが可能となる。
本発明に係る多層回路基板の実施形態を模式的に示す断面説明図である。 本発明に係る静電容量センサを裏面側から光学的に検査した場合の平面説明図である。 本発明に係る静電容量センサを表面側から光学的に検査した場合の平面説明図である。 従来における静電容量センサを示す断面説明図である。 従来における静電容量センサの中央部等の一部を省略した導電X回路パターン層と導電Y回路パターン層とを示す平面説明図である。 従来における静電容量センサを裏面側から光学的に検査した場合の平面説明図である。 従来における静電容量センサを表面側から光学的に検査した場合の平面説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における多層回路基板は、図1等に示すように、可撓性を有する透明のベース層1と、このベース層1に積層される透明の積層絶縁層2と、この積層絶縁層2に積層される導電性の導電X回路パターン層3と、この導電X回路パターン層3に積層される光透過性の絶縁層4と、この絶縁層4に積層される導電性の導電Y回路パターン層7と、この導電Y回路パターン層7に積層される透明の絶縁保護層8とを多層構造に備え、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7の一部が絶縁層4を介してオーバーラップした三次元形成可能な静電容量センサであり、絶縁層4に、検査用の着色を施すようにしている。
ベース層1は、所定の樹脂フィルムにより平面矩形や凸字形等に形成される。このベース層1の樹脂フィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えばポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂系、アクリル系の樹脂フィルムがあげられる。これらの中では、耐熱性、寸法安定性、絶縁性に優れる安価で略無色透明のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが最適である。ベース層1の厚さは、作業性や取扱性等の観点からすると、25μm以上75μm以下、好ましくは40μm以上60μm以下、より好ましくは50μm前後が良い。
積層絶縁層2は、所定の絶縁性樹脂がベース層1の表面にスクリーン印刷法等により印刷され、硬化することにより、略無色透明の薄膜に形成される。この積層絶縁層2の絶縁性樹脂としては、特に限定されるものではないが、紫外線硬化型の絶縁性樹脂、熱硬化型の絶縁性樹脂、可視光線硬化型の絶縁性樹脂、電子線硬化型の絶縁性樹脂等があげられる。これらの中では、硬化時の熱収縮が小さく、省エネ性等に資する紫外線硬化型の絶縁性樹脂、より具体的には、紫外線硬化型のアクリル系絶縁性樹脂が最適である。積層絶縁層2の厚さは、絶縁性や製造コスト等を踏まえると、10μm以上20μm以下、好ましくは12μm以上18μm以下、より好ましくは15μm前後が良い。
導電X回路パターン層3は、所定の導電材が積層絶縁層2の表面にスクリーン印刷法等により印刷され、乾燥硬化することにより形成される。この導電X回路パターン層3の導電材としては、特に限定されるものではないが、抵抗安定性や折り曲げ性に優れる熱硬化性樹脂系の銀インクや銀ペースト等が好適である。導電X回路パターン層3の厚さは、多層回路基板の薄型化を図る観点から、5μm以上15μm以下、好ましくは7μm以上13μm以下、より好ましくは10μm以上12μm以下が良い。
導電X回路パターン層3は、例えば、ベース層1のX方向に配列されて静電容量を検出する複数のX方向検出電極と、この複数のX方向検出電極に接続される複数本の導電ラインとを備えて形成される。複数本の導電ラインの一部は、導電Y回路パターン層7と絶縁層4を介してオーバーラップする。各導電ラインは、例えば幅0.05mmの細長い線条に印刷されるとともに、X方向検出電極の端部からベース層1の周縁部に伸長され、自由端部が図示しない静電容量検出回路に電気的に接続される。
絶縁層4は、導電X回路パターン層3の表面に積層される第一の絶縁層5と、この第一の絶縁層5の表面と導電Y回路パターン層7との間に介在して積層される第二の絶縁層6とを上下二層構造に備え、これら第一、第二の絶縁層5・6に光透過性、換言すれば、透明性がそれぞれ付与される。この絶縁層4は、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7との間に絶縁性を確保するため、肉厚の二層に積層形成される。
第一の絶縁層5は、所定の絶縁性樹脂が導電回路パターン層の表面にスクリーン印刷法等で印刷され、硬化することにより、透明の薄膜に形成される。この第一の絶縁層5の絶縁性樹脂としては、特に制約されるものではないが、紫外線硬化型の絶縁性樹脂、熱硬化型の絶縁性樹脂、可視光線硬化型の絶縁性樹脂、電子線硬化型の絶縁性樹脂等があげられる。これらの中では、硬化時の熱収縮が小さく、省エネ性等に資する紫外線硬化型の絶縁性樹脂、より具体的には、紫外線硬化型のアクリル系絶縁性樹脂が好ましい。第一の絶縁層5の厚さは、絶縁性の確保や製造コスト削減の観点から、10μm以上20μm以下、好ましくは12μm以上18μm以下、より好ましくは15μm前後が良い。
第二の絶縁層6は、第一の絶縁層5と同様、所定の絶縁性樹脂が第一の絶縁層5の表面にスクリーン印刷法等により印刷され、硬化することで略無色透明の薄膜に形成される。この第二の絶縁層6の絶縁性樹脂も、第一の絶縁層5と同様、紫外線硬化型の絶縁性樹脂、熱硬化型の絶縁性樹脂、可視光線硬化型の絶縁性樹脂、電子線硬化型の絶縁性樹脂等が選択される。
これらの中では、硬化時の熱収縮が小さく、省エネ性等に優れる紫外線硬化型の絶縁性樹脂、より具体的には、紫外線硬化型のアクリル系絶縁性樹脂が最適である。また、第二の絶縁層6の厚さは、第一の絶縁層5と同様、10μm以上20μm以下、好ましくは12μm以上18μm以下、より好ましくは15μm前後が最適である。
導電Y回路パターン層7は、導電X回路パターン層3と同様、所定の導電材が第二の絶縁層6の表面にスクリーン印刷法等により印刷され、乾燥硬化することで形成される。この導電Y回路パターン層7の導電材は、特に限定されるものではないが、抵抗安定性や折り曲げ性に優れる熱硬化性樹脂系の銀インクや銀ペースト等が採用される。導電Y回路パターン層7の厚さは、多層回路基板の薄型化を図る観点から、5μm以上15μm以下、好ましくは7μm以上13μm以下、より好ましくは10μm以上12μm以下が良い。
導電Y回路パターン層7は、例えば、ベース層1のY方向に配列されて静電容量を検出する複数のY方向検出電極と、この複数のY方向検出電極に接続される複数本の導電ラインとを備えて形成される。複数本の導電ラインの一部は、導電X回路パターン層3の導電ライン等と絶縁層4を介してオーバーラップする。各導電ラインは、例えば幅0.05mmの細長い線条に印刷されるとともに、Y方向検出電極の端部からベース層1の周縁部に伸長され、自由端部が図示しない静電容量検出回路に電気的に接続される。
絶縁保護層8は、所定の絶縁性樹脂が導電Y回路パターン層7の表面にスクリーン印刷法等で印刷され、硬化することにより、導電Y回路パターン層7を被覆保護する略無色透明の膜に形成される。この絶縁保護層8の絶縁性樹脂としては、特に限定されるものではないが、紫外線硬化型の絶縁性樹脂、熱硬化型の絶縁性樹脂、可視光線硬化型の絶縁性樹脂、電子線硬化型の絶縁性樹脂等が該当する。
これらの中では、硬化時の熱収縮が小さく、省エネ性等に優れる紫外線硬化型の絶縁性樹脂、より具体的には、紫外線硬化型のアクリル系絶縁性樹脂が好ましい。絶縁保護層8の厚さは、特に限定されるものではないが、導電Y回路パターン層7を被覆保護する観点からすると、10μm以上20μm以下、好ましくは12μm以上18μm以下、より好ましくは15μm前後が良い。
さて、絶縁層4は、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7との間に介在され、検査時にこれらの背景となり得る関係上、第一の絶縁層5に、検査用の着色が施され、この着色に伴う明度差の向上により、導電X回路パターン層3、導電Y回路パターン層7、及びこれらのオーバーラップした一部の識別が可能となる。
第一の絶縁層5を着色するため、第一の絶縁層5の絶縁性樹脂には、有彩色の着色剤が添加される。この着色剤は、例えば導電X回路パターン層3や導電Y回路パターン層7の視認性を高め、入手の容易な各種の緑色(青竹色、青緑、暗緑色、クロムグリーン、常盤色等)、赤色、ピンク色等からなり、第一の絶縁層5の絶縁性樹脂90〜70質量部に対し、1〜3質量部程度添加される。
このような第一の絶縁層5は、導電X回路パターン層3、導電Y回路パターン層7、及びこれらのオーバーラップした一部を視覚により確実に把握するため、全光線透過率が86%以下、かつヘイズ値が9%以上に設定される。第一の絶縁層5の全光線透過率(T.T)は、86%以下であるが、具体的には、80%以上86%以下、好ましくは81%以上86%以下、より好ましくは82%以上85.70%以下が良い。これは、第一の絶縁層5の全光線透過率が87%以上の場合には、第一の絶縁層5の透明性が必要以上に高まり、識別性や視認性が悪化するからである。この第一の絶縁層5の全光線透過率は、ISO 13468‐1、JIS K 7361に基づき測定される。
第一の絶縁層5のヘイズ(HAZE)値は、9%以上であるが、具体的には、10%以上93%以下、好ましくは12%以上93%以下、より好ましくは15%以上92.90%以下が良い。これは、第一の絶縁層5のヘイズ値が9%未満の場合には、第一の絶縁層5の透明性が過剰に高まり、識別性や視認性の低下を招くからである。この第一の絶縁層5のヘイズ値は、JIS K 7136やJIS K 7361に基づき測定される。
上記構成において、多層回路基板は、製造工程で屈曲可能な静電容量センサに製造されると、製造工程から検査工程に移され、この検査工程で目視により検査されて良品と不良品とに選別され、その後、良品が出荷される。
この検査の際、導電X回路パターン層3は、多層回路基板の表裏両面から検査されるのではなく、裏面のベース層1側から検査される。ベース層1側から検査すれば、導電X回路パターン層3の背景の第一の絶縁層5に着色が施され、導電X回路パターン層3と第一の絶縁層5との間の明度差や彩度差が大きくなっているので、導電X回路パターン層3を視覚を通じ、明瞭に識別することができる(図2参照)。したがって、例え導電X回路パターン層3の導電Y回路パターン層7とオーバーラップしている微細な導電ラインが断線していても、この導電ラインの断線を確実に発見することができる。
また、検査の際、導電Y回路パターン層7は、多層回路基板の表裏両面から検査されるのではなく、表面の絶縁保護層8側から検査される。絶縁保護層8側から検査すれば、導電Y回路パターン層7の背景の第一の絶縁層5に着色が施され、導電Y回路パターン層7と第一の絶縁層5との間の明度差や彩度差が拡大しているので、導電Y回路パターン層7を視覚を通じ、明瞭に識別することができる(図3参照)。したがって、例え導電Y回路パターン層7の導電X回路パターン層3とオーバーラップしている微細な導電ラインが断線していても、この導電ラインの断線を確実に発見することが可能となる。
上記構成によれば、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7の背景となる第一の絶縁層5に着色が施されるので、導電X回路パターン層3なのか、導電Y回路パターン層7なのかを正確に見分けることができる。また、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7のオーバーラップしている一部に不具合があっても、この不具合を多層回路基板の検査時に多層回路基板の表裏いずれか一方向からのみで光学的に確実に発見することができる。また、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7のXY方向における位置を高精度に判別することができる。
また、補修箇所の特定に支障を来したり、多層回路基板の良品と不良品との選別が困難になるのを有効に防止することが可能となる。例えば、導電X回路パターン層3の導電Y回路パターン層7とオーバーラップしている微細な導電ラインが断線している場合、この導電X回路パターン層3の断線している導電ラインを、導電Y回路パターン層7の導電ラインと見誤ることなく把握し、補修箇所を積層絶縁層2と特定して迅速に補修することが可能となる。また、第一の絶縁層5が黄色等ではなく、緑色の場合には、眩しさで検査に支障を来すのを防ぐことができる。さらに、導電X回路パターン層3と導電Y回路パターン層7とがオーバーラップしないよう、設計変更する手間を省くことが可能となる。
なお、上記実施形態では可撓性のベース層1を示したが、何らこれに限定されるものではなく、可撓性を有しない硬質のベース層1でも良い。また、上記実施形態では単層の積層絶縁層2を示したが、この積層絶縁層2を、透明の第一、第二の積層絶縁層により形成しても良い。また、絶縁層4を第一、第二の絶縁層5・6により形成したが、着色された単層の絶縁層4でも良いし、着色された三層の絶縁層4でも良い。
また、積層絶縁層2に導電Y回路パターン層7を積層し、絶縁層4に導電X回路パターン層4を積層しても良い。さらに、上記実施形態では導電Y回路パターン層7の表面に透明の絶縁保護層8を印刷したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、導電Y回路パターン層7の表面に、絶縁保護層8として光透過性の樹脂シートや樹脂フィルム等を積層接着することもできる。
以下、本発明に係る多層回路基板の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
先ず、静電容量センサの多層回路基板を製造するため、ベース層として、耐熱性に優れる厚さ75μmで透明のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用意し、このポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの表面に、紫外線硬化型のアクリル系絶縁性樹脂をスクリーン印刷し、紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ15μmの積層絶縁層を透明に積層形成した。
こうして積層絶縁層を積層形成したら、この積層絶縁層の表面に熱硬化性樹脂系の銀インクをスクリーン印刷し、乾燥硬化させることにより、図2に示す厚さ8μmの導電X回路パターン層をパターン形成した。この際、導電X回路パターン層の複数の導電ラインは、ピッチ0.1mmで配列した。この複数の導電ラインの一部には、試験用の断線部を形成した。また、各導電ラインの幅は、0.05mmに設定した。
次いで、導電X回路パターン層の表面に紫外線硬化型のアクリル系絶縁性樹脂をスクリーン印刷し、紫外線を照射して硬化させることにより、光透過性を有する第一の絶縁層を厚さ15μmに積層形成した。アクリル系絶縁性樹脂には、絶縁ペーストである緑色の着色剤[藤倉化成株式会社製:製品名SN‐8400G]を30質量部添加した。こうして第一の絶縁層を積層形成したら、第一の絶縁層の表面に紫外線硬化型のアクリル系絶縁性樹脂をスクリーン印刷し、紫外線を照射して硬化させることにより、光透過性を有する第二の絶縁層を厚さ15μmに積層形成した。
次いで、第二の絶縁層の表面に熱硬化性樹脂系の銀インクをスクリーン印刷し、乾燥硬化させることにより、図3に示す厚さ8μmの導電Y回路パターン層をパターン形成した。この際、導電Y回路パターン層の複数の導電ラインは、ピッチ0.1mmで配列した。この複数の導電ラインの一部は、導電X回路パターン層の導電ラインの断線部とオーバーラップさせた。また、各導電ラインの幅は、0.05mmに調整した。
導電Y回路パターン層を形成したら、この導電Y回路パターン層の表面に紫外線硬化型のアクリル系絶縁性樹脂をスクリーン印刷し、その後、紫外線を照射して硬化させることで、光透過性を有する絶縁保護層を厚さ15μmに積層形成した。この絶縁保護層の積層形成により、静電容量センサの多層回路基板を得た。
多層回路基板を得たら、この多層回路基板の表裏両面から検査し、導電X回路パターン層の導電ラインの断線部を視覚により認識できるか否かを表1に記載した。また、第一の絶縁層の全光線透過率とヘイズ値とをそれぞれ測定し、表1にまとめた。第一の絶縁層の全光線透過率は、ISO 13468‐1、JIS K 7361に基づき、分光ヘーズメータ[日本電色株式会社製:製品名SH7000(PC仕様)]により測定した。また、第一の絶縁層のヘイズ値は、JIS K 7361に基づき、分光ヘーズメータ[日本電色株式会社製:製品名SH7000(PC仕様)]により測定した。
〔実施例2〕
基本的には、実施例1と同様にして静電容量センサの多層回路基板を製造したが、第一の絶縁層を厚さ15μmに積層形成する際、アクリル系絶縁性樹脂には、絶縁ペーストである緑色の着色剤[藤倉化成株式会社製:製品名SN‐8400G]を20質量部添加した。
多層回路基板を製造したら、多層回路基板の表裏両面から検査し、導電X回路パターン層の導電ラインの断線部を視覚により認識できるか否かを表1に記載した。また、第一の絶縁層の全光線透過率とヘイズ値とをそれぞれ測定し、表1にまとめた。
〔実施例3〕
基本的には、実施例1と同様にして静電容量センサの多層回路基板を製造したが、第一の絶縁層を厚さ15μmに積層形成する際、アクリル系絶縁性樹脂には、絶縁ペーストである緑色の着色剤[藤倉化成株式会社製:製品名SN‐8400G]を10質量部添加した。
多層回路基板を製造したら、多層回路基板の表裏両面から検査し、導電X回路パターン層の導電ラインの断線部を視覚により認識できるか否かを表1に記載した。また、第一の絶縁層の全光線透過率とヘイズ値とをそれぞれ測定し、表1にまとめた。
〔比較例〕
基本的には、実施例1と同様にして静電容量センサの多層回路基板を製造したが、第一の絶縁層を厚さ15μmに積層形成する際、緑色の着色剤を添加することなく省略し、第一の絶縁層を無色透明とした。
多層回路基板を製造したら、多層回路基板の表裏両面から検査し、導電X回路パターン層の導電ラインの断線部を視覚により認識できるか否かを表1に記載した。また、第一の絶縁層の全光線透過率とヘイズ値とをそれぞれ測定し、表1にまとめた。
Figure 2021019080
〔評 価〕
各実施例の場合、全光線透過率が86%以下、かつヘイズ値が9%以上なので、導電X回路パターン層なのか、導電Y回路パターン層なのかを明瞭に見分けることができた。また、多層回路基板の導電X回路パターン層を検査したところ、ベース層側から導電X回路パターン層の導電ラインの断線部を視覚により明確に認識することができた。
これに対し、比較例の場合、全光線透過率が88.16%、かつヘイズ値が8.30%なので、導電X回路パターン層やその一部なのか、導電Y回路パターン層やその一部なのかを正確に見分けることができなかった。また、導電X回路パターン層の導電ラインの断線部を視覚により明確に認識することができなかった。
本発明に係る多層回路基板は、静電容量センサやプリント配線板の製造分野等で使用される。
1 ベース層
2 積層絶縁層
3 導電X回路パターン層(第一の導電回路パターン層)
4 絶縁層
5 第一の絶縁層
6 第二の絶縁層
7 導電Y回路パターン層(第二の導電回路パターン層)
8 絶縁保護層

Claims (5)

  1. 第一の導電回路パターン層と、この第一の導電回路パターン層に積層される光透過性の絶縁層と、この絶縁層に積層される第二の導電回路パターン層とを含み、第一、第二の導電回路パターン層の一部が絶縁層を介してオーバーラップしており、絶縁層に、検査用の着色を施したことを特徴とする多層回路基板。
  2. 可撓性を有する光透過性のベース層と、このベース層と第一の導電回路パターン層との間に介在される光透過性の積層絶縁層とを含んでなる請求項1記載の多層回路基板。
  3. 第二の導電回路パターン層に積層される光透過性の絶縁保護層を含んでなる請求項1又は2記載の多層回路基板。
  4. 絶縁層は、第一の導電回路パターン層に積層される第一の絶縁層と、この第一の絶縁層と第二の導電回路パターン層との間に介在される第二の絶縁層とを含み、これら第一、第二の絶縁層に光透過性を付与し、第一、第二の絶縁層のうち、少なくとも第一の絶縁層に、検査用の着色を施した請求項1、2、又は3記載の多層回路基板。
  5. 絶縁層の全光線透過率を86%以下とし、ヘイズ値を9%以上とした請求項1ないし4のいずれかに記載の多層回路基板。
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