JP2017061335A - 包装品製造装置および包装品製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】物品の一部または全部を被覆した1以上のフィルムを、一対のパネルで挟持した包装品を、より簡易に製造できる包装品製造装置を提供する。
【解決手段】包装品製造装置30は、パネル材料46を折り畳んで構成される一対のパネルと、1対の長尺フィルム36f,36bと、物品と、を積層位置P1に移送し、一対のパネルで一対の長尺フィルム36f,36bと物品とを挟んだ積層構造体を構成する移送機構と、積層構造体の少なくとも一面に加熱したシールバーを押し当てて長尺フィルム36f,36bを積層方向に隣接する他部材にヒートシールするシール機構32と、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】包装品製造装置30は、パネル材料46を折り畳んで構成される一対のパネルと、1対の長尺フィルム36f,36bと、物品と、を積層位置P1に移送し、一対のパネルで一対の長尺フィルム36f,36bと物品とを挟んだ積層構造体を構成する移送機構と、積層構造体の少なくとも一面に加熱したシールバーを押し当てて長尺フィルム36f,36bを積層方向に隣接する他部材にヒートシールするシール機構32と、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、物品の一部または全部を被覆したフィルムを、一対のパネルで挟み込んだ包装品を製造する包装品製造装置および包装品製造方法に関する。
従来から、物品の一部を外部から視認可能な状態で包装する包装形態が広く提案されている。かかる包装形態の一つとして、物品を露出させるための開口を設けるとともに当該開口を含めた全体に透明フィルムを貼った台紙等のパネルで、物品の表裏を挟み、パネルの開口から商品が見える状態で包装できるようにした包装品が知られている。かかる包装品は、通常、ストレッチ包装品や、ストレッチパック等の名称で呼ばれる。これは、かかる包装品では、通常、フィルムが、物品の形状に合わせて伸長(ストレッチ)しているためである。
特許文献1,2には、こうしたストレッチ包装品の製造装置が開示されている。特許文献1,2では、まず、開口が形成されたパネルに、所定の形状に打ち抜かれたフィルムを貼着してフィルム付パネルを形成し、その後、フィルム付パネルの上に物品を配置した状態で、フィルム付パネルを折り畳んで接合することで、包装品を製造している。
しかし、特許文献1,2のような従来技術では、フィルムのパネルへの接着と、パネルでの物品の挟み込みと、折り畳んだパネルの接着と、をそれぞれ別の工程として行っている。そのため、各工程ごとに処理時間が必要であり、全体の製造時間が長くなるという問題があった。また、特許文献1,2では、各工程を、それぞれ、異なる位置で実行しているため、製造装置に複数の工程実行位置を設けなければならず、製造装置の大型化という問題も招いていた。
そこで、本実施形態では、物品の一部または全部を被覆した1以上のフィルムを、一対のパネルで挟持した包装品を、より簡易に製造できる包装品製造装置および包装品製造方法を提供することを目的とする。
本発明の包装品製造装置は、少なくとも一方が開口を有した一対のパネルと、1以上のフィルムと、物品と、をそれぞれ個別に規定の積層位置に移送し、前記積層位置において前記一対のパネルで1以上のフィルムと前記物品とを挟んだ積層構造体を構成する移送機構と、前記積層位置において、前記積層構造体の少なくとも一面に加熱したシールバーを押し当てて前記1以上のフィルムを積層方向に隣接する他部材にヒートシールするシール機構と、を備えることを特徴とする。
好適な態様では、前記移送機構は、二つの前記フィルムを前記積層位置に供給するフィルム供給機構を備え、前記フィルム供給機構は、上下に並んで配され、それぞれが長尺フィルムを下流側に送り出す一対の送出ローラと、前記積層位置を挟んで一対の送出ローラの反対側に配され、前記一対の長尺フィルムを巻き取ることで新規のフィルムを前記積層位置に供給する巻取ローラと、を有する。
この場合、さらに、前記ヒートシールされた前記積層構造体を所定の形状に打ち抜く打ち抜き機構を有する、ことが望ましい。また、前記シール機構は、前記打ち抜き機構による前記積層構造体の切断位置より内側に位置する主シールバーと、前記切断位置より外側に位置する副シールバーと、を含み、前記打ち抜き機構は、前記主シールバーと副シールバーとの間に設けられたカッターを有しており、前記ヒートシールと並行して前記積層構造体の打ち抜き加工を行う、ことも望ましい。
また、前記打ち抜き機構は、前記積層位置とは、異なる位置に設けられている、ことも望ましい。この場合、前記打ち抜き機構は、前記ヒートシールされた幅内において前記積層構造体を打ち抜くカッターを有している、ことも望ましい。
他の好適な形態では、前記巻取ローラは、前記一対の長尺フィルムとともに前記パネルの抜きカスも巻き取る。
他の好適な形態では、前記一対のパネルは、開口が形成された一枚のパネル材料を二つに折り畳んで構成され、前記移送機構は、前記一枚のパネル材料を前記積層位置に搬送するとともに、前記積層位置において前記一枚のパネル材料を前記1以上のフィルムおよび物品を挟むように二つに折り畳むパネル供給機構を有する。
他の本発明である包装品製造方法は、少なくとも一方が開口を有した一対のパネルと、1以上のフィルムと、物品と、をそれぞれ個別に規定の積層位置に移送し、前記積層位置において前記一対のパネルで1以上のフィルムと前記物品とを挟んだ積層構造体を構成する移送ステップと、前記積層位置において、前記積層構造体の少なくとも一面に加熱したシールバーを押し当てて前記1以上のフィルムを積層方向に隣接する他部材にヒートシールするシールステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、一対のパネルで1以上のフィルムと物品とを挟んだ積層構造体を構成した上で、当該積層構造体をヒートシールしている。そのため、フィルムのパネルへの接着と、折り畳んだパネルの接着とを別々に行う必要が無く、従来技術に比べて、包装品をより簡易に製造できる。
以下、本発明の実施形態である包装品製造装置30について図面を参照して説明する。はじめに、包装品製造装置30で製造される包装品10について図1、図2を参照して説明する。図1は、包装品10の斜視図であり、図2は、包装品10の概略的な縦断面図である。
この包装品10は、先端に小径のキャップ部16を有した略ボトル状の物品12を、一対のフィルム20f,20b(以下、二つのフィルムを区別しない場合は添字を省略して「フィルム20」と呼ぶ。他部材も同じ)とパネル18とで包装して構成される。図1において、クロスハッチング箇所は、フィルム20を示している。
パネル18は、厚手の紙や、プラスチックシートなど比較的硬い材料からなる略矩形部材である。このパネル18の材料としては、耐熱性があり、打ち抜き加工が容易に行えるものであれば、特に限定されない。また、パネル18は、物品12を挟み込んだ際、内側となるパネル面に、フィルムとの接着性を良くするプライマーや熱反応性のある接着剤が塗工されていてもよい。包装品10は、二枚のパネル、すなわち、第一パネル18fと第二パネル18bを有している。第一、第二パネル18f,18bは、ともに同じ形状をしている。すなわち、第一、第二パネル18f,18bは、いずれも、矩形の端部に、キャップ部16を通過させるための開口22が設けられた形状となっている。パネル18の表面には、物品12の商品名や特性、イメージ画像等、種々の印刷が施されている。第一、第二パネル18f,18bは、この表面がそれぞれ外側になるように積層されている。また、パネル18の上部には、包装品10を吊り下げ陳列するために吊り下げ孔24が形成されている。
第一、第二パネル18f,18bの間には、一対のフィルム、すなわち、第一フィルム20fと第二フィルム20bが挟まれている。この第一、第二フィルム20f,20bは、いずれも、パネル18とほぼ同サイズの矩形である。ただし、パネル18と異なり、フィルム20には、開口22はなく、パネル18の開口22は、フィルム20で覆われている。このフィルム20は、物品12の形状に応じて変形可能な伸縮性を備えている。本実施形態でも、フィルム20は、キャップ部16の形状に応じて伸長し、キャップ部16に密着している。また、後に詳説するように各フィルム20は、ヒートシール加工により、当該フィルムの積層方向両側に位置するフィルム20およびパネル18に接着される。したがって、フィルム20は、適度な伸縮性とヒートシール性とを有することが求められている。かかるフィルム20の材質は、例えば、伸縮性を有するポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が使用可能であり、少なくとも片面にヒートシール性を有していることが望まれる。フィルム20が、両面にヒートシール性を有している場合、フィルム20は、積層方向両側に位置するフィルム20およびパネル18にヒートシールにより接着される。また、フィルム20が片面にのみヒートシール性を有している場合、フィルム20は、積層方向に隣接するフィルム20とは、ヒートシールにより、積層方向に隣接するパネル18とは、当該パネルに塗布された接着剤により接着されればよい。なお、以下では、両面にヒートシール性を有したフィルム20を用いた場合を例に挙げて説明する。フィルム20は、透明や半透明でもよいし、不透明でもよい。フィルム20を透明または半透明にした場合、物品12の被覆部(本実施形態ではキャップ部16)が外部から視認可能となる。
包装品10は、この第一、第二フィルム20f,20bの間に物品12を挟み込み、さらに、これを第一、第二パネル18f,18bで挟み込み、その状態で、フィルム20およびパネル18を互いに接合して構成される。なお、図1では、パネル18およびフィルム20の形状を略矩形としているが、この形状は、物品12の形態や意匠性、陳列性等に応じて適宜変更されてもよい。
次に、こうした包装品10の製造装置について図3〜図7を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態である包装品製造装置30の斜視図である。また、図4は、包装品製造装置30の正面図であり、図5は、包装品製造装置30の平面図である。ただし、図5では、発明の理解を容易にするために、一部の部品の図示を省略している。また、図6は、後述する積層構造体60の形成の様子を示すイメージ図であり、図7は、ヒートシール加工の様子を示すイメージ図である。以下の説明では、長尺フィルム36の進行方向を「前後方向」、前後方向に直交する水平方向を「幅方向」と呼ぶ。
この製造装置30は、一度の加工で、二つの包装品10を製造する。製造装置30は、移送機構とシール機構32と、を備えている。移送機構は、パネル18とフィルム20と物品12とを規定の積層位置P1に移送して、一対のパネル18でフィルム20と物品12とを挟んだ積層構造体60を構成する機構である。積層位置P1は、積層構造体60が構成される位置であり、シール機構32によるヒートシール加工が施される位置である。本実施形態では、シール機構32の設置位置周辺が、積層位置P1となる。この移送機構は、パネル18を規定の積層位置P1に供給するパネル供給機構と、一対の長尺フィルム36を積層位置P1に供給するフィルム供給機構と、物品12がセットされる物品セット台40と、に大別される。
物品セット台40は、物品12を位置決めした状態で保持する台で、その上面には、ボトル状の物品12の胴部14のみが収容される凹部42が二つ、前後方向に並んで形成されている。この凹部42に物品12の胴部14を載置すると、キャップ部16のみが、物品セット台40の端部から突出し、積層位置P1に進入する(図5、図6参照)。この物品セット台40の凹部42に物品12の胴部14を載置すれば、自動的に、キャップ部16が積層位置P1内の規定の位置に位置決めされる。
フィルム供給機構は、物品12のキャップ部16を挟持する第一、第二フィルム20f,20bの材料である、第一長尺フィルム36fおよび第二長尺フィルム36bを積層位置P1に供給する機構である。フィルム供給機構は、第一長尺フィルム36fを前後方向下流側に送り出す第一送出ローラ34fと、第二長尺フィルム36bを前後方向下流側に送り出す第二送出ローラ34bと、第一、第二長尺フィルム36f,36bをまとめて巻き取る巻取ローラ38と、を備えている。第一、第二送出ローラ34f,34bは、いずれも、積層位置P1よりも上流側位置において上下に並んで設置されている。巻取ローラ38は、積層位置P1よりも下流側位置に設けられている。そのため、長尺フィルム36f,36bは、積層位置P1を通過するように、送出ローラ34f,34bと巻取ローラ38との間に掛け渡されている。
第二長尺フィルム36bは、物品セット台40の上面とほぼ同じ高さ、または、僅かに高い位置を通過しており、第一長尺フィルム36fは、物品セット台40よりも十分に高い位置を通過している。そのため、物品セット台40に設置された物品12のキャップ部16は、この第一、第二長尺フィルム36f,36bの間に位置するようになっている。後述するヒートシール加工および打ち抜き加工が完了する度に、巻取ローラ38で、長尺フィルム36f,36bを巻き取ることで、積層位置P1には、順次、長尺フィルム36f,36bの新規な部分が供給されることになる。
長尺フィルム36を挟んで、物品セット台40の反対側には、パネル供給機構が設けられている。パネル供給機構は、積層位置P1に、パネル18の材料となるパネル材料46を移送するとともに、二つに折り畳む機構である。
パネル材料46は、図1、図2に示す通り、略矩形のシートである。このパネル材料46を二つに折り畳んだときに重なる二枚のパネルが第一、第二パネル18f,18bを構成する。パネル材料46の幅方向両端には、物品12の通過を許容する開口22が形成されている。本実施形態では、一枚のパネル材料46で、包装品10二つ分のパネル18を形成する。そのため、パネル材料46には、前後方向に並ぶ二つの開口22が、幅方向両端に形成されている。
このパネル材料46は、ストッカ48内に積層されている。図4に示すように、ストッカ48の下側には、パネル材料46を一枚ずつ吸引して取り出す吸引部材50が設けられている。吸引部材50は、パネル材料46を吸引保持したまま、積層位置P1側へと移動することで、パネル材料46を積層位置P1に供給する。
このパネル材料46の移動経路途中には、パネル材料46を二つに折り曲げる折り曲げ機構が設けられている。折り曲げ機構は、パネル材料46の幅方向中心で、当該パネル材料46を基台62に押し付ける押し付けバー54と、押し付けられたパネル材料46の片側を上方に押し上げる押し上げ機構52と、を備えている。この押し付けバー54および押し上げ機構52の駆動により、パネル材料46は、幅方向中心において略90度に折り曲げられる。積層位置P1近傍には、図6に示すように、略90度に折り曲げられたパネル材料46の立ちあがり部分を水平方向積層位置P1側に押して倒す押し倒しバー56が設けられている。この押し倒しバー56は、折り畳まれて構成される第一、第二パネル18f,18bの間に、第一、第二長尺フィルム36f,36bおよびキャップ部16が位置するように、パネル材料46を押し倒す。そして、この状態で、パネル材料46を、積層位置P1、すなわち、第一、第二長尺フィルム36f,36bの真上および真下に移送することで、キャップ部16を挟持した一対のフィルム20(長尺フィルム36)を、さらに、一対のパネル18(パネル材料46)で挟持した積層構造体60が形成される。
シール機構32は、積層構造体60にヒートシール加工を施すとともに、当該積層構造体60を所望の形状に打ち抜く機構である。すなわち、シール機構32は、フィルムを積層方向に隣接する他部材にヒートシールするシール機構として機能するとともに、積層構造体を所定の形状に打ち抜く打ち抜き機構としても機能する。図6は、このシール機構32の構成を示す概略断面図である。シール機構32は、積層構造体60を挟んで上下両側に配された一対のシール基台63が設けられている。各シール基台63には、長尺フィルム36をヒートシールするシールバー64が設けられている。また、上側シール基台63には、シールバー64に加えて、さらに、積層構造体60を所望の形状に打ち抜くカッター66も設けられている。カッター66は、積層構造体60を所望の形状に打ち抜くためのもので、このカッター66の配置により、最終的に得られる包装品10の形状が定まる。なお、吊り下げ孔24は、このカッター66により形成される。なお、開封に必要なミシン目等も同様にこのカッター66により形成可能である。
シールバー64は、図示しない加熱機構により、加熱され、長尺フィルム36をヒートシールする。このシールバー64は、主シールバー64mと副シールバー64sとに大別される。主シールバー64mは、打ち抜かれる積層構造体60の周縁をシールするためのシールバーで、積層構造体60の外形を切り抜くカッター66よりも内側位置に設けられている。副シールバー64sは、積層構造体60の外形を切り抜くカッター66よりも外側位置に設けられたシールバー64で、パネル18を打ち抜いた後に残る抜きカスを、長尺フィルム36に接合させるためのシールバー64である。かかる副シールバー64sを設けることで、パネル18の抜きカスは、長尺フィルム36に接合したままとなる。その結果、長尺フィルム36とともにパネル18の抜きカスも、巻取ローラ38で巻き取ることができる。
図8は、シール機構32によるシール位置および切断位置を示す図である。図8において、薄墨ハッチング箇所は、主シールバー64mでのシール位置を、濃墨ハッチングは、副シールバー64sでのシール位置を、太線の破線は、カッター66での切断位置を示している。図8に示す通り、本実施形態では、打ち抜き形状の外側にもヒートシールを施しているため、パネル18の抜きカスが長尺フィルム36からの離脱を防止できる。なお、本実施形態では、切断箇所の外周囲全体に副シールバー64sを配しているが、抜きカスの長尺フィルム36からの離脱が防止できるのであれば、副シールバー64sは、部分的にのみ配されてもよい。また、パネル18の抜きカスを手動で排除するのであれば、副シールバー64sは、省略されてもよい。
次に、以上のような構成の製造装置30での包装品10の製造の流れについて説明する。包装品10を製造する際、ユーザは、まず、物品セット台40に、二つの物品12をセットする。これにより、各物品12のキャップ部16は、第一、第二長尺フィルム36f,36bの間の規定位置に位置決めされる。この状態で、装置を駆動すると、吸引部材50がストッカ48からパネル材料46を取り出し、積層位置P1へと搬送する。この搬送の過程で、パネル材料46は、二つに折り曲げられ、キャップ部16および一対の長尺フィルム36f,36bを挟みこむ姿勢に変形される。
パネル材料46の搬送の結果、積層位置P1に、キャップ部16を一対の長尺フィルム36f,36bで挟み、さらに、これを一対のパネル18f,18bで挟んだ積層構造体60が形成される。この状態になれば、積層構造体60にヒートシール加工および打ち抜き加工が施される。すなわち、上側シール基台63を、下降させて、積層構造体60を、上側シール基台63のシールバー64および下側シール基台63のシールバー64で挟持する。換言すれば、積層構造体60の片面、または両面に、予め加熱したシールバー64を押し付ける。このシールバー64からの熱を受けて長尺フィルム36が、パネル18および隣接する長尺フィルム36にヒートシール(接合)される。また、シール基台63は、シールバー64に加えて、カッター66も備えているため、シールバー64を積層構造体60に押し付けることで、積層構造体60の打ち抜き加工も同時に行われる。
シールバー64での加圧および加熱を所定時間行い、フィルム20のヒートシールが完了すれば、上側シール基台63を上昇させる。積層位置P1には、積層構造体60が、ヒートシールされ、また、所望の形状に打ち抜かれた状態で残っている。ユーザは、この積層構造体60を有した包装品10を取り出す。完成した包装品10が取り出されれば、巻取ローラ38は、パネル材料46の抜きカスが付いた長尺フィルム36を巻き取り、積層位置P1に長尺フィルム36の新規な部分を供給する。この状態になれば、ユーザは、物品セット台40に、次の物品12をセットし、上記の手順を再度繰り返す。
以上の説明から明らかな通り、本実施形態では、積層位置において、構成部品(物品12、フィルム20(36)、パネル18(46))の積層と、ヒートシール加工と、打ち抜き加工と、を行う。そのため、各工程ごとに専用の工程実施位置を設ける必要がなく、製造装置30を小型化できる。また、本実施形態では、一度のヒートシール加工で、構成部品の接合を完了し、さらに、ヒートシール加工と打ち抜き加工とを同時に行っているため、製造時間も従来に比べて大幅に短縮できる。すなわち、従来も、物品の一部または全部をストレッチ性のフィルムで被覆し、さらに、このフィルムを一対のパネルで挟み込む包装品の製造装置が提案されている。しかし、従来の製造装置の多くは、事前に所望の形状に打ち抜いたパネルにフィルムを接合してフィルム付パネルを形成した後、一対のパネルの間に物品を配置し、さらに、その後、一対のパネル同士の接合を行っている。つまり、従来、フィルムをパネルに取り付ける工程と、構成部品を積層する工程と、一対のパネル同士を接合する工程とを全て、別々に行っていた。また、従来装置では、パネルや、フィルムを所望の形状に切り抜く工程も別に行っていた。そのため、包装品の製造に要する時間がかかるという問題があった。本実施形態では、全ての構成部品を積層した後に、これら構成部品の接合と打ち抜きとを行っているため、従来装置に比べて、短時間での製造が可能となる。
次に、第二実施形態の包装品製造装置30について説明する。はじめに第二実施形態の包装品製造装置30で製造する包装品10について説明する。図9は、第二実施形態で製造される包装品10の斜視図である。この包装品10は、図1、図2に示した包装品10と同じく、開口22を有した一対のパネル18の間に一対のフィルム20を挟み、さらに、一対のフィルム20の間に物品12を挟んだ構成となっている。ただし、図1と異なり、本実施形態の包装品10は、その全体がパネル18の開口22内に配置されており、その全体が一対のフィルム20で包まれている。
図10は、第二実施形態の包装品製造装置30の斜視図である。また、図11は、積層構造体60のヒートシール加工の様子を示すイメージ図である。この包装品製造装置30は、その工程の殆どが自動化されている点で第一実施形態と異なっている。より具体的に説明すると、この製造装置は、上下に並んだ送出ローラ34f,34bと、下流側に配置された巻取ローラ38と、を有し、この送出ローラ34と巻取ローラ38との間に、積層位置P1、打ち抜き位置P2、排出位置P3が前後方向に順番に並んでいる。積層位置P1において、長尺フィルム36と交差するように、物品供給機構とパネル供給機構が設置されている。パネル供給機構は、第一実施形態のパネル供給機構とほぼ同じ構成であり、ストッカ48に積層されたパネル材料46を一枚ずつ取り出して積層位置P1に搬送する吸引部材50を有しており、この搬送過程で、パネル材料46は、二つに折り畳まれる。
物品供給機構は、物品12を、第一、第二長尺フィルム36f,36bの間に搬送する機構である。この物品供給機構としては、種々の機構が考えられるが、本実施形態では、積層位置P1の内外に進退する移送台80で物品12の供給を行っている。この移送台80は、物品12を積層位置P1の外側にある退避位置P4から、積層位置P1まで移送し、さらに、積層位置P1において物品12を第二長尺フィルム36bの上に落下させる。この移送台80の構成としては種々の構成が考えられる。例えば、移送台80は、貫通孔が形成された上台と、上台に対して相対移動可能な下台と、を上下に重ねた構成としてもよい。この場合、物品12を、退避位置P4から積層位置P1まで移送する際には、上台の下に下台を配置することで物品12の落下を防止し、積層位置P1では、下台のみ、退避位置P4に退避することで、物品12を貫通孔から落下させる構成とすればよい。ただし、こうした構成は、一例であり、物品12は、積層位置P1において、第二長尺フィルム36bの上に供給できるのであれば、他の構成としてもよい。例えば、ロボットアームや、ベルトコンベア等を用いて、物品12を積層位置P1に供給するようにしてもよい。
シール機構32は、積層位置P1に設けられている。ただし、このシール機構32は、第一実施形態のものと異なり、シールバー64は有しているが、カッター66は有していない。すなわち、本実施形態では、積層位置P1において、ヒートシール加工は行うが、打ち抜き加工は行わない。図11は、シールバー64の概略構成を示す図である。本実施形態のシールバー64は、第一実施形態と異なり、主シールバー64mおよび副シールバー64sに分かれていない代わりに、第一実施形態のシールバーと比べて幅太となっている。これは、一つのシールバー64で、主シールバー64mおよび副シールバー64sの双方の役割を果たすためである。すなわち、本実施形態のシールバー64は、カッター66による切断箇所の内側部分および外側部分の両方をシールできる幅となっている。後述する打ち抜き機構68は、シール部の幅内において、積層構造体60を切断する。図12は、打ち抜き機構68に設けられたカッター66の位置を示す。図12において、積層構造体60内部の太線部分は、シール部を示している。図12に示すように、シール部の幅内で切断することで、パネル材料46の抜きカスが長尺フィルム36から離脱することを防止できる。そして、これにより、長尺フィルム36とともにパネル材料46の抜きカスも、巻取ローラ38に巻き取ることができる。
積層位置P1の下流側には、打ち抜き位置P2が設けられている。この打ち抜き位置P2は、ヒートシール加工が施された積層構造体60を所望の形状に打ち抜く位置で、当該打ち抜き位置P2には、切断用のカッター66を有した打ち抜き機構68が設けられている。図12に示す通り、この打ち抜き機構68は、既述した通り、積層構造体60を、シール部(太線部分)の幅内において切断し、所望の形状に打ち抜く。ただし、積層構造体60の排出位置P3までの搬送を可能にするために、積層構造体60は、当該打ち抜き位置P2では、完全には打ち抜かれず、微小な繋ぎ部を介して長尺フィルム36に繋がった状態で切断される。微小な繋ぎ部を有することにより、巻取ローラで長尺フィルム36を巻き取れば、積層構造体60も長尺フィルム36とともに下流側に移動することができる。
排出位置P3では、長尺フィルム36と積層構造体60とを接続する微小な繋ぎ部を切断し、積層構造体60を排出コンベア70の上に落下させる。排出コンベア70は、落下してきた積層構造体60を、規定の場所に送る。なお、当然ながら、この排出コンベア70を、打ち抜き位置P2に設けるとともに、打ち抜き位置P2で積層構造体60を完全に打ち抜くようにしてもよい。
以上の通り、本実施形態では、物品供給機構の移送台80に物品12をセットする作業さえ行えば、後は、ほぼ自動で包装品10が製造される。また、必要であれば、物品12のセット作業も自動化でき、その場合、ほぼ全ての作業を自動的に行うことができる。その結果、非常に容易に包装品10を製造することができる。また、本実施形態でも、構成部品の積層とヒートシールとを同じ位置で行っている。そのため、第一実施形態と同様に、製造装置30を小型化できる。また、従来の製造装置と異なり、複数の工程を別々に行う必要がないため、包装品10の製造に要する時間も短縮できる。
なお、これまで説明した構成は一例であり、少なくとも、規定の積層位置に、一対のパネル、1以上のフィルム、物品を積層して積層構造体を構成した後、この積層構造体にヒートシール加工を施すのであれば、その他の構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、本実施形態では、包装品10を、一対のフィルム20f,20bで物品12を挟持する構成としているが、フィルムは、一枚のみでもよい。すなわち、図13に示すように、製造される包装品10は、物品12の片面を一枚のフィルム20で被覆し、このフィルム20を、物品12に対応した開口が形成された第一パネルおよび開口を有さない第二パネルで挟み込むような構成でもよい。かかる包装品10を製造する場合には、例えば、図1、図9に示す製造装置から、第一送出ローラ34fを無くすとともに、パネル材料46の形状を、包装品10の形態に合わせて変更すればよい。また、フィルム20は、長尺状態で供給されるのではなく、予め、所定の大きさに切断された状態で、順次、供給されてもよい。
いずれにしろ、積層位置P1において、製造装置30を、構成部品を積層して積層構造体を構成した後、当該積層構造体をヒートシールする構成とすることで、従来の製造装置に比べて、小型でありながら、製造時間を短縮できる。
10 包装品、12 物品、14 胴部、16 キャップ部、18 パネル、20 フィルム、22 開口、24 吊り下げ孔、30 包装品製造装置、32 シール機構、34 送出ローラ、36 長尺フィルム、38 巻取ローラ、40 物品セット台、46 パネル材料、48 ストッカ、50 吸引部材、52 押し上げ機構、54 押し付けバー、56 押し倒しバー、60 積層構造体、62 基台、63 シール基台、64 シールバー、66 カッター、68 打ち抜き機構、70 排出コンベア、80 移送台、P1 積層位置、P2 打ち抜き位置、P3 排出位置、P4 退避位置。
Claims (9)
- 少なくとも一方が開口を有した一対のパネルと、1以上のフィルムと、物品と、をそれぞれ個別に規定の積層位置に移送し、前記積層位置において前記一対のパネルで1以上のフィルムと前記物品とを挟んだ積層構造体を構成する移送機構と、
前記積層位置において、前記積層構造体の少なくとも一面に加熱したシールバーを押し当てて前記1以上のフィルムを積層方向に隣接する他部材にヒートシールするシール機構と、
を備えることを特徴とする包装品製造装置。 - 請求項1に記載の包装品製造装置であって、
前記移送機構は、二つの前記フィルムを前記積層位置に供給するフィルム供給機構を備え、
前記フィルム供給機構は、
上下に並んで配され、それぞれが長尺フィルムを下流側に送り出す一対の送出ローラと、
前記積層位置を挟んで一対の送出ローラの反対側に配され、前記一対の長尺フィルムを巻き取ることで新規のフィルムを前記積層位置に供給する巻取ローラと、
を有する、ことを特徴とする包装品製造装置。 - 請求項2に記載の包装品製造装置であって、さらに、
前記ヒートシールされた前記積層構造体を所定の形状に打ち抜く打ち抜き機構を有する、ことを特徴とする包装品製造装置。 - 請求項3に記載の包装品製造装置であって、
前記シール機構は、前記打ち抜き機構による前記積層構造体の切断位置より内側に位置する主シールバーと、前記切断位置より外側に位置する副シールバーと、を含み、
前記打ち抜き機構は、前記主シールバーと副シールバーとの間に設けられたカッターを有しており、前記ヒートシールと並行して前記積層構造体の打ち抜き加工を行う、
ことを特徴とする包装品製造装置。 - 請求項3に記載の包装品製造装置であって、
前記打ち抜き機構は、前記積層位置とは、異なる位置に設けられている、ことを特徴とする包装品製造装置。 - 請求項5に記載の包装品製造装置であって、
前記打ち抜き機構は、前記ヒートシールされた幅内において前記積層構造体を打ち抜くカッターを有している、ことを特徴とする包装品製造装置。 - 請求項4または6に記載の包装品製造装置であって、
前記巻取ローラは、前記一対の長尺フィルムとともに前記パネルの抜きカスも巻き取る、ことを特徴とする包装品製造装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の包装品製造装置であって、
前記一対のパネルは、開口が形成された一枚のパネル材料を二つに折り畳んで構成され、
前記移送機構は、前記一枚のパネル材料を前記積層位置に搬送するとともに、前記積層位置において前記一枚のパネル材料を前記1以上のフィルムおよび物品を挟むように二つに折り畳むパネル供給機構を有する、ことを特徴とする包装品製造装置。 - 少なくとも一方が開口を有した一対のパネルと、1以上のフィルムと、物品と、をそれぞれ個別に規定の積層位置に移送し、前記積層位置において前記一対のパネルで1以上のフィルムと前記物品とを挟んだ積層構造体を構成する移送ステップと、
前記積層位置において、前記積層構造体の少なくとも一面に加熱したシールバーを押し当てて前記1以上のフィルムを積層方向に隣接する他部材にヒートシールするシールステップと、
を備えることを特徴とする包装品製造方法。
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