JP2017059745A - 有機エレクトロニクス材料、有機エレクトロニクス素子、及び有機エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロニクス材料、有機エレクトロニクス素子、及び有機エレクトロルミネセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】成膜性に優れた有機エレクトロニクス材料を提供すること。【解決手段】アンモニウムカチオンを有するポリマーとアニオンとを含むイオン性化合物を少なくとも含有する有機エレクトロニクス材料。【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロニクス材料、有機層、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子ということもある。)、表示素子、照明装置、表示装置、及び有機エレクトロニクス素子の製造方法に関する。
有機エレクトロニクス素子は、有機物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、柔軟性等の特長を発揮できると期待され、従来のシリコンを主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。
有機エレクトロニクス素子の一例としては、有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタなどが挙げられる。
有機エレクトロニクス素子の中でも有機EL素子は、例えば、白熱ランプ、ガス充填ランプ等の代替えとして、大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイ(FPD)分野における液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。
近年、有機EL素子の発光効率及び寿命を改善する目的で、電荷輸送性化合物に電子受容性化合物を混合して用いる試みがなされている。例えば、特許文献1には、正孔輸送性高分子化合物に、電子受容性化合物としてトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(Tris(pentafluorophenyl)borane:PPB)を混合し、湿式成膜法により正孔注入層を形成することが開示されている。また、特許文献2には、電荷輸送膜用組成物として、イオン化合物と電荷輸送性化合物とからなる組成物が開示されている。
一方、有機EL素子は、用いる材料により、低分子型有機EL素子又は高分子型有機EL素子の2つに大別される。低分子型有機EL素子及び高分子型有機EL素子とも、これまで精力的に研究が行われてきたが、未だに発光効率の低さ、素子寿命の短さなどが大きな問題となっている。この問題を解決する一つの手段として、有機EL素子では有機層の多層化が行われている。
低分子型有機EL素子では、用いる材料を順次変更しながら蒸着を行うことで容易に多層化が達成できる。しかしながら、真空系での成膜が必要であり、大画面の形成が困難であるという問題がある。
高分子型有機EL素子は、有機材料が高分子材料により構成されており、低分子型有機EL素子と比較して、インクジェットなどの塗布法による簡易成膜が可能なため、今後の大画面有機ELディスプレイに適した素子であるといえる。しかしながら、高分子型有機EL素子では、インクジェットといった湿式プロセスを用いて成膜するため、上層を塗布する際に下層が溶解してしまうという問題が生じる。この問題に対処するために、特許文献3には、オキセタン基、ビニル基などの官能基を有する化合物を用い、重合反応を利用して化合物の溶解度を変化させ、薄膜を溶剤に対して不溶化する方法が開示されている。重合反応を利用するには、通常、光、熱などの刺激により反応又は分解して、酸、塩基、ラジカル等を発生する適切な重合開始剤が添加される。
電子受容性化合物及び重合開始剤は一般的に低分子化合物であり、低分子化合物を塗布法により単独で成膜するのは困難である。添加量の増加と共に成膜性が低下するという問題が生じることが懸念される。成膜性が低下すると有機EL素子では発光面の発光ムラが生じるため、実用上の歩留低下の原因となる恐れがある。
特開2003−31365号公報 特開2006−233162号公報 特開2009−196982号公報
本発明は、上記した問題に鑑み、成膜性に優れた有機エレクトロニクス材料を提供することを目的とする。また、本発明は、良好に成膜された有機層、並びに、前記有機層を備えた有機エレクトロニクス素子、有機EL素子、表示素子、照明装置、及び表示素子を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記有機エレクトロニクス材料を用いた有機エレクトロニクス素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の構造を有するイオン性化合物を含有する材料が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の実施形態は、アンモニウムカチオンを有するポリマーとアニオンとを含むイオン性化合物を少なくとも含有する有機エレクトロニクス材料に関する。
前記アニオンは、例えば、下記式(1b)〜(5b)で表されるアニオンからなる群から選択される少なくとも1種を含む。
Figure 2017059745
(式(1b)〜(5b)中、
は酸素原子、Eは窒素原子、Eは炭素原子、Eはホウ素原子又はガリウム原子、Eはリン原子又はアンチモン原子を表し、
〜Yは、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表し、
〜R16は、それぞれ独立に電子求引性の1価の基(R及びR、R〜Rから選択される少なくとも2つの基、R〜R10から選択される少なくとも2つの基、及び、R11〜R16から選択される少なくとも2つの基は、それぞれ互いに結合していてもよい。)を表す。)
一実施形態において、前記有機エレクトロニクス材料は、更に、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位を有する電荷輸送性化合物を含有する。
前記電荷輸送性化合物は、分子内に1つ以上の重合性官能基を有してもよい。
前記重合性官能基は、例えば、オキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
一実施形態において、前記有機エレクトロニクス材料は、更に、オキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種を有する化合物を含有する。
一実施形態において、前記有機エレクトロニクス材料は、更に、溶媒を含有する。
本発明の他の実施形態は、前記いずれかに記載の有機エレクトロニクス材料を用いて成膜された有機層に関する。
また、本発明の他の実施形態は、前記有機層を備えた有機エレクトロニクス素子に関する。
前記有機エレクトロニクス素子は、前記有機層上に、更に他の有機層を有してもよい。
前記有機エレクトロニクス素子は、更に基板を有し、当該基板は、フレキシブル基板であってもよい。
前記有機エレクトロニクス素子は、更に基板を有し、当該基板は、樹脂フィルムであってもよい。
本発明の更に他の実施形態は、前記有機層を備えた有機エレクトロルミネセンス素子に関する。
一実施形態において、前記有機層は正孔注入層である。
一実施形態において、前記有機層は正孔輸送層である。
一実施形態において、前記有機層は発光層である。
前記有機エレクトロルミネセンス素子は、発光色が白色であってもよい。
前記有機エレクトロニクス素子は、更に基板を有し、当該基板は、フレキシブル基板であってもよい。
前記有機エレクトロニクス素子は、更に基板を有し、当該基板は、樹脂フィルムであってもよい。
本発明の更に他の実施形態は、前記いずれかに記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた表示素子;前記いずれかの有機エレクトロルミネセンス素子を備えた照明装置;又は、前記照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えた表示素子に関する。
本発明の更に他の実施形態は、有機エレクトロニクス材料を用いて塗布法により有機層を成膜する工程を含む有機エレクトロニクス素子の製造方法に関する。
本発明によれば、成膜性に優れた有機エレクトロニクス材料を提供できる。また、本発明によれば、良好に成膜された有機層、並びに、前記有機層を備えた有機エレクトロニクス素子、有機EL素子、表示素子、照明装置、及び表示素子を提供できる。さらに、本発明によれば、良好に成膜された有機層を備えた有機エレクトロニクス素子の製造方法を提供できる。
本発明の実施形態である有機EL素子の一例を示す断面模式図である。
<有機エレクトロニクス材料>
本発明の実施形態は、アンモニウムカチオンを有するポリマーとアニオンとを含むイオン性化合物を少なくとも含有する有機エレクトロニクス材料に関する。有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物を更に含有してもよい。また、有機エレクトロニクス材料は、オキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種を有する化合物(以下、「重合性官能基を有する化合物」ともいう。)を、更に含有してもよい。
[イオン性化合物]
イオン性化合物は、アンモニウムカチオンを有するポリマーと、アニオンとを含む。「ポリマー」には、重合度の低いオリゴマー(例えば、数平均重合度が2以上20以下)と、重合度の高いポリマー(例えば、数平均重合度が20超)とが含まれる。
(アンモニウムカチオンを有するポリマー)
アンモニウムカチオンとしては、1級、2級、又は3級のアンモニウムカチオンが挙げられる。本実施形態において、アンモニウムカチオンには、アンモニウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、ピリジニウム、イミダゾリウム等のイオンも含まれるものとする。溶解性の観点から、好ましくはアンモニウムである。イオン性化合物が、アンモニウムカチオンを有するポリマーを含むことは、有機エレクトロニクス素子の長時間駆動を可能にする観点、更に、駆動電圧を低減する観点から好ましい。
上記アンモニウムカチオンは、ポリマーの末端又は末端以外の部分に導入されていれば良い。ポリマーへのアンモニウムカチオンの導入量の観点からは、末端以外の部分に導入されていることが好ましい。
アンモニウムカチオンを有するポリマーの具体例として、部分構造(1a)及び部分構造(2a)の少なくとも一方を有するポリマーが挙げられる。
Figure 2017059745
部分構造(1a)及び(2a)中、
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、
〜Xは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。R及びRは、互いに結合し、環を形成していてもよい。
2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基等が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。
なお、有機基とは、炭素原子を1つ以上有する原子団をいう。有機基について、以下同様である。アリール基又はアリーレン基とは、芳香族炭化水素から水素原子を1個又は2個を除いた原子団をいう。芳香族炭化水素には、縮合環を持つものが含まれる。また、芳香族炭化水素には、独立した単環及び縮合環から選択される2個以上が、単結合を介して結合したものが含まれる。ヘテロアリール基又はヘテロアリーレン基は、芳香族複素環から水素原子を1個又は2個を除いた原子団である。芳香族複素環には、縮合環を持つものが含まれる。また、芳香族複素環には、独立した単環及び縮合環から選択される2個以上が、単結合を介して結合したものが含まれる。アリール基、アリーレン着、ヘテロアリール基、ヘテロアリーレン基、芳香族炭化水素、及び芳香族複素環について、以下同様である。
〜Rの具体例、及び、X〜Xの具体例を説明するが、以下に限定されない。
前記アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよく、炭素数は、好ましくは1〜24、より好ましくは2〜18である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
前記アルキレン基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよく、炭素数は、好ましくは1〜24、より好ましくは2〜18である。前記アルキレン基としては、上記アルキル基から更に1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
前記アルケニル基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよく、炭素数は、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜6である。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基、1−デセニル基、1−オクタデセニル基等が挙げられる。
前記アルキニル基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよく、炭素数は、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜6である。その具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−オクタデシニル基等が挙げられる。
前記アリール基は置換基を有していてもよい。無置換の状態の1価のアリール基の炭素数は、好ましくは6〜60であり、より好ましくは6〜18である。具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、置換基の炭素数が1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、フェナントレン−イル基、ピレン−イル基、ペリレン−イル基、ペンタフルオロフェニル基等が例示さる。
前記アリーレン基は置換基を有してもよい。無置換の状態の2価のアリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜60であり、より好ましくは6〜18である。前記アリーレン基としては、上記アリール基から更に1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
C1〜C12アルキルとして具体的には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、3,7−ジメチルオクチル、ラウリル等が例示される。
前記ヘテロアリール基は置換基を有していてもよい。無置換の状態の1価のヘテロアリール基の炭素数は、好ましくは4〜60であり、より好ましくは4〜20である。具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基等が例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。C1〜C12アルキルとしては、前記のとおりである。
前記ヘテロアリーレン基は置換基を有してもよい。無置換の状態の2価のヘテロアリーレン基の炭素数は、好ましくは4〜60であり、より好ましくは4〜20である。前記ヘテロアリーレン基としては、上記ヘテロアリール基から更に1つの水素原子を除いた基が挙げられる。
前記アリールアルキル基は、アルキル基が有する水素原子の少なくとも1つがアリール基により置換された基である。アリールアルキル基は置換基を有していてもよい。無置換の状態の1価のアリールアルキル基の炭素数は、好ましくは7〜19、より好ましくは7〜13である。アルキル基としては、前記アルキル基が例示され、アリール基としては、前記アリール基が例示される。具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ジフェニルメチル基等が例示される。
〜Xとしては、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が更に好ましい。R〜Rとしては、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が更に好ましい。
上記部分構造において、X〜Xは、好ましくは、ポリマーの主鎖又は側鎖の骨格に結合する基である。ポリマーの主鎖又は側鎖の骨格としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの重合体、α−オレフィンと二酸化硫黄の共重合体等が挙げられる。アンモニウムカチオンを有するポリマーは、好ましくは、構造単位(1a)及び構造単位(2a)の少なくとも一方を有する。
Figure 2017059745
構造単位(1a)及び(2a)中、X〜X及びR〜Rは上述のとおりである。
ポリマーは、構造単位(1a)及び構造単位(2a)を、全構造単位数を基準として、10モル%以上含むことが好ましく、30モル%以上含むことがより好ましく、50モル%以上含むことが更に好ましい。100モル%とすることも可能である。
構造単位の割合は、ポリマーを合成するために使用した、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量を用いて求めることができる。また、構造単位の割合は、ポリマーのH NMRスペクトルにおける各構造単位に由来するスペクトルの積分値を利用し、平均値として算出することができる。簡便であることから、仕込み量が明らかである場合は、好ましくは、仕込み量を用いて求めた値を採用する。
(アニオン)
アニオンは、従来公知のアニオンであれば特に限定されない。下記式で表されるアニオンが、有機エレクトロニクス素子の長時間駆動を可能にする観点、更に、駆動電圧を低減する観点から好ましい。
Figure 2017059745
は酸素原子、Eは窒素原子、Eは炭素原子、Eはホウ素原子又はガリウム原子、Eはリン原子又はアンチモン原子を表し、
〜Yは、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表し、
〜R16は、それぞれ独立に電子求引性の1価の基(R及びR、R〜Rから選択される少なくとも2つの基、R〜R10から選択される少なくとも2つの基、及び、R11〜R16から選択される少なくとも2つの基は、それぞれ互いに結合していてもよい。)を表す。
式(1b)〜(5b)において、R〜R16は、それぞれ独立に電子求引性の1価の基を表す。電子求引性の1価の基とは、水素原子と比べて、結合する原子側から電子を引きつけやすい置換基をいう。R〜R16は、有機基であることが好ましい。R及びR、R〜Rから選択される少なくとも2つの基、R〜R10から選択される少なくとも2つの基、及び、R11〜R16から選択される少なくとも2つの基は、それぞれ互いに結合していてもよい。結合した基は、環状になっていてもよい。
電子求引性の1価の基の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;チオシアノ基;ニトロ基;メシル基等のアルキルスルホニル基(例えば炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6);トシル基等のアリールスルホニル基(例えば炭素数6〜18、好ましくは炭素数6〜12);メトキシスルホニル基等のアルキルオキシスルホニル基(例えば炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6);フェノキシスルホニル基等のアリールオキシスルホニル基(例えば炭素数6〜18、好ましくは炭素数6〜12);ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基(例えば炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6);ホルミルオキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基(例えば炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜6);メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基(例えば炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜7);フェノキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等の「アリールオキシカルボニル基又はヘテロアリールオキシカルボニル基」(例えば炭素数4〜25、好ましくは炭素数5〜15);トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の「アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基」にハロゲン原子が置換した「ハロアルキル基、ハロアルケニル基又はハロアルキニル基」(例えば炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6);ペンタフルオロフェニル基等のアリール基にハロゲン原子が置換したハロアリール基(例えば炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12);ペンタフルオロフェニルメチル基等のアリールアルキル基にハロゲン原子が置換したハロアリールアルキル基(例えば炭素数7〜19、好ましくは炭素数7〜13)等が挙げられる。
更に、電子求引性の1価の基の例として、負電荷を効率よく非局在化できるという観点から、前記電子求引性の1価の基の例のうち「水素原子を有する有機基」から水素原子の一部又は全てをハロゲン原子で置換した基が好ましく挙げられる。例えば、パーフルオロアルキルスルホニル基、パーフルオロアリールスルホニル基、パーフルオロアルキルオキシスルホニル基、パーフルオロアリールオキシスルホニル基、パーフルオロアシル基、パーフルオロアシルオキシ基、パーフルオロアルコキシカルボニル基、パーフルオロアリールオキシカルボニル基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基、パーフルオロアルキニル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロアリールアルキル基等が挙げられる。
電子求引性の1価の基の例としては、特に、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜6の環状パーフルオロアルキル基、又は、炭素数6〜18のパーフルオロアリール基が好ましい。
電子求引性の1価の基は、これらに限定されるものではない。以上に示した電子求引性の1価の基の例は、置換基を有していても、また、ヘテロ原子を有していてもよい。
電子求引性の1価の基の例として、具体的には、下記置換基群(1)において示される基が挙げられる。
置換基群(1)
Figure 2017059745
式(1b)〜(5b)において、Y〜Yは、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表す。Y〜Yが単結合の場合、EとRとが直接結合していることを意味する。2価の連結基として、例えば、下記式(1c)〜(11c)のいずれかで表される連結基が挙げられる。
Figure 2017059745
[式中、Rは、それぞれ独立に水素原子又は1価の基を表す。]
Rは、有機基であることが好ましい。Rは、電子受容性の向上、溶媒への溶解性等の観点から、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基であることがより好ましい。これらの基は置換基を有していても、ヘテロ原子を有していてもよい。また、Rは、電子求引性の1価の基であることが好ましく、電子求引性の1価の基として、例えば、前記電子求引性の1価の基の例、前記置換基群(1)において示される基等が挙げられる。
(イオン性化合物の調製方法等)
イオン性化合物の重量平均分子量は溶媒への溶解性と成膜性とを両立するという観点から、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましく、3,000以上が更に好ましい。また、同様の観点から、100,000以下が好ましく、80,000以下がより好ましく、60,000以下が更に好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
イオン性化合物は、例えば、以下の方法により得られる。(1)アリルアミン及びジアリルアミンからなる群から選択される少なくとも1種を含む単量体成分を重合させ1〜3級アミンを有するポリマーを得て、得られたポリマーを当業者に公知の方法によりイオン性化合物に変換する。(2)アリルアミン塩及びジアリルアミン塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む単量体成分を重合させイオン性化合物を得る。単量体成分に含まれる任意の成分としては、例えば、α−オレフィン、二酸化硫黄等が挙げられる。
イオン性化合物の具体例を以下に挙げる。
アリルアミン塩酸塩重合体として、PAA−HCL−01、PAA−HCL−03、PAA−HCL−05、PAA−HCL−03L、PAA−HCL−10L;アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩共重合体として、PAA−D11−HCL、PAA−D41−HCL、PAA−D19−HCL;ジアリルアミン塩酸塩重合体として、PAS−21CL;メチルジアリルアミン塩酸塩重合体として、PAS−M−1L、PAS−M−1;ジアリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体として、PAS−92;メチルジアリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体として、PAS−2201CL(いずれもニットーボーメディカル社製)などが例示できる。ここでは、アニオンとしてハロゲンイオンを含む例を挙げたが、イオン性化合物はこれらに限定されない。
1〜3級アミンを有するポリマーからイオン性化合物に変換する場合の例としては、1〜3級アミンを有するポリマーに、塩酸等の適当な酸を滴下することで塩(イオン性化合物)を調製する方法が挙げられる。1〜3級アミンを有するポリマーの具体例として、PAA−01、PAA−03、PAA−05、PAA−08、PAA−15、PAA−15C、PAA−25、PAA−1112、PAA−U5000、PAA−N5000、PAA−N5050CL、PAS−21(いずれもニットーボーメディカル社製)等が例示できる。
イオン性化合物が上記式(1b)〜(5b)で表されるアニオンを含む場合、当該イオン性化合物は、例えば、アニオンとしてハロゲンイオンを含むイオン性化合物(上記の塩酸塩共重合体等)と、式(1b)〜(5b)で表されるカチオンの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)とを混合することにより調製できる。調製に使用されるイオン性化合物の重量平均分子量は、溶媒への溶解性と成膜性とを両立するという観点から、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましく、3,000以上が更に好ましい。また、同様の観点から、100,000以下が好ましく、80,000以下がより好ましく、60,000以下が更に好ましい。
有機エレクトロニクス材料は、イオン性化合物を、1種のみ含有しても、又は、2種以上含有してもよい。
[電荷輸送性化合物]
有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物を更に含有してもよい。電荷輸送性化合物は、低分子の化合物であっても、ポリマーであってもよい。有機溶媒への溶解性の観点からは、ポリマーであることが好ましく、昇華、再結晶等による精製が容易な観点からは低分子化合物であることが好ましい。「ポリマー」には、重合度の低いオリゴマー(例えば、数平均重合度が2以上20以下)と、重合度の高いポリマー(例えば、数平均重合度が20超)とが含まれる。電荷輸送性化合物は、市販のものでもよく、当業者公知の方法で合成したものであってもよく、特に制限はない。
(電荷輸送性ポリマー)
以下、電荷輸送性ポリマーについて説明する。
電荷輸送性ポリマーは電荷を輸送する能力を有する。電荷輸送性ポリマーは、直鎖状であっても、又は、分岐構造を有していてもよい。電荷輸送性ポリマーは、好ましくは、電荷輸送性を有する2価の構造単位Lと末端部を構成する1価の構造単位Tとを少なくとも含み、分岐部を構成する3価以上の構造単位Bを更に含んでもよい。電荷輸送性ポリマーは、各構造単位を、それぞれ1種のみ含んでいても、又は、それぞれ複数種含んでいてもよい。電荷輸送性ポリマーにおいて、各構造単位は、「1価」〜「3価以上」の結合部位において互いに結合している。
(構造)
電荷輸送性ポリマーに含まれる部分構造の例として、以下が挙げられる。電荷輸送性ポリマーは以下の部分構造を有するポリマーに限定されない。部分構造中、「L」は構造単位Lを、「T」は構造単位Tを、「B」は構造単位Bを表す。「*」は、他の構造単位との結合部位を表す。以下の部分構造中、複数のLは、互いに同一の構造単位であっても、互いに異なる構造単位であってもよい。T及びBについても、同様である。
直鎖状の電荷輸送性ポリマー
Figure 2017059745
分岐構造を有する電荷輸送性ポリマー
Figure 2017059745
(構造単位L)
構造単位Lは、電荷輸送性を有する2価の構造単位である。構造単位Lは、電荷を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されない。例えば、構造単位Lは、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ビフェニレン構造、ターフェニレン構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、テトラセン構造、フェナントレン構造、ジヒドロフェナントレン構造、ピリジン構造、ピラジン構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造、ジアザフェナントレン構造、フラン構造、ピロール構造、オキサゾール構造、オキサジアゾール構造、チアゾール構造、チアジアゾール構造、トリアゾール構造、ベンゾチオフェン構造、ベンゾオキサゾール構造、ベンゾオキサジアゾール構造、ベンゾチアゾール構造、ベンゾチアジアゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。芳香族アミン構造は、好ましくはトリアリールアミン構造であり、より好ましくはトリフェニルアミン構造である。
一実施形態において、構造単位Lは、優れた正孔輸送性を得る観点から、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ピロール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることが好ましく、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることがより好ましい。他の実施形態において、構造単位Lは、優れた電子輸送性を得る観点から、置換又は非置換の、フルオレン構造、ベンゼン構造、フェナントレン構造、ピリジン構造、キノリン構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることが好ましい。
構造単位Lの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Lは、以下に限定されない。
Figure 2017059745
Figure 2017059745

Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。好ましくは、Rは、それぞれ独立に、−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、ハロゲン原子、及び、後述する重合性官能基を含む基からなる群から選択される。R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1〜22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基;又は、炭素数2〜30個のアリール基又はヘテロアリール基を表す。アルキル基は、更に、炭素数2〜20個のアリール基又はヘテロアリール基により置換されていてもよく、アリール基又はヘテロアリール基は、更に、炭素数1〜22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基により置換されていてもよい。Rは、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基である。Arは、炭素数2〜30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Arは、好ましくはアリーレン基であり、より好ましくはフェニレン基である。
(構造単位T)
構造単位Tは、電荷輸送性ポリマーの末端部を構成する1価の構造単位である。構造単位Tは、特に限定されず、例えば、置換又は非置換の、芳香族炭化水素構造、芳香族複素環構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。構造単位Tが構造単位Lと同じ構造を有していてもよい。一実施形態において、構造単位Tは、電荷の輸送性を低下させずに耐久性を付与するという観点から、置換又は非置換の芳香族炭化水素構造であることが好ましく、置換又は非置換のベンゼン構造であることがより好ましい。また、他の実施形態において、後述するように、電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、構造単位Tは重合可能な構造(例えば、ピロール−イル基等の重合性官能基)であってもよい。
構造単位Tの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Tは、以下に限定されない。
Figure 2017059745
Rは、構造単位LにおけるRと同様である。電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、好ましくは、Rのいずれか少なくとも1つが、重合性官能基を含む基である。
(構造単位B)
構造単位Bは、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合に、分岐部を構成する3価以上の構造単位である。構造単位Bは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、好ましくは4価以下であり、より好ましくは3価又は4価である。構造単位Bは、電荷輸送性を有する単位であることが好ましい。例えば、構造単位Bは、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、縮合多環式芳香族炭化水素構造、及び、これらの1種又は2種以上を含有する構造から選択される。
構造単位Bの具体例として、以下が挙げられる。構造単位Bは、以下に限定されない。
Figure 2017059745

Wは、3価の連結基を表し、例えば、炭素数2〜30個のアレーントリイル基又はヘテロアレーントリイル基を表す。アレーントリイル基は、芳香族炭化水素から水素原子3個を除いた原子団である。ヘテロアレーントリイル基は、芳香族複素環から水素原子3個を除いた原子団である。Arは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、例えば、それぞれ独立に、炭素数2〜30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Arは、好ましくはアリーレン基、より好ましくはフェニレン基である。Yは、2価の連結基を表し、例えば、構造単位LにおけるR(ただし、重合性官能基を含む基を除く。)のうち水素原子を1個以上有する基から、更に1個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。Zは、炭素原子、ケイ素原子、又はリン原子のいずれかを表す。構造単位中、ベンゼン環及びArは、置換基を有していてもよく、置換基の例として、構造単位LにおけるRが挙げられる。
(重合性官能基)
一実施形態において、重合反応により硬化させ、溶剤への溶解度を変化させる観点から、電荷輸送性ポリマーは、重合性官能基を少なくとも1つ有することが好ましい。「重合性官能基」とは、熱及び/又は光を加えることにより、互いに結合を形成し得る官能基をいう。
重合性官能基としては、炭素−炭素多重結合を有する基(例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、エチニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、メタクリロイルアミノ基、ビニルオキシ基、ビニルアミノ基等)、小員環を有する基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基等の環状アルキル基;エポキシ基(オキシラニル基)、オキセタン基(オキセタニル基)等の環状エーテル基;ジケテン基;エピスルフィド基;ラクトン基;ラクタム基等)、複素環基(例えば、フラン−イル基、ピロール−イル基、チオフェン−イル基、シロール−イル基)などが挙げられる。重合性官能基としては、特に、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、及びオキセタン基が好ましく、反応性及び有機エレクトロニクス素子の特性の観点から、ビニル基、オキセタン基、又はエポキシ基がより好ましい。
重合性官能基の自由度を上げ、重合反応を生じさせやすくする観点からは、電荷輸送性ポリマーの主骨格と重合性官能基とが、アルキレン鎖で連結されていることが好ましい。また、例えば、電極上に有機層を形成する場合、ITO等の親水性電極との親和性を向上させる観点からは、エチレングリコール鎖、ジエチレングリコール鎖等の親水性の鎖で連結されていることが好ましい。更に、重合性官能基を導入するために用いられるモノマーの調製が容易になる観点からは、電荷輸送性ポリマーは、アルキレン鎖及び/又は親水性の鎖の末端部、すなわち、これらの鎖と重合性官能基との連結部、及び/又は、これらの鎖と電荷輸送性ポリマーの骨格との連結部に、エーテル結合又はエステル結合を有していてもよい。前述の「重合性官能基を含む基」とは、重合性官能基それ自体、又は、重合性官能基とアルキレン鎖等とを合わせた基を意味する。重合性官能基を含む基として、例えば、国際公開第WO2010/140553号に例示された基を好適に用いることができる。
重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの末端部(すなわち、構造単位T)に導入されていても、末端部以外の部分(すなわち、構造単位L又はB)に導入されていても、末端部と末端以外の部分の両方に導入されていてもよい。硬化性の観点からは、少なくとも末端部に導入されていることが好ましく、硬化性及び電荷輸送性の両立を図る観点からは、末端部のみに導入されていることが好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合、重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの主鎖に導入されていても、側鎖に導入されていてもよく、主鎖と側鎖の両方に導入されていてもよい。
重合性官能基は、溶解度の変化に寄与する観点からは、電荷輸送性ポリマー中に多く含まれる方が好ましい。一方、電荷輸送性を妨げない観点からは、電荷輸送性ポリマー中に含まれる量が少ない方が好ましい。重合性官能基の含有量は、これらを考慮し、適宜設定できる。
例えば、電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、十分な溶解度の変化を得る観点から、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましい。また、重合性官能基数は、電荷輸送性を保つ観点から、1,000個以下が好ましく、500個以下がより好ましい。
電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、重合性官能基の仕込み量(例えば、重合性官能基を有するモノマーの仕込み量)、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を用い、平均値として求めることができる。また、重合性官能基の数は、電荷輸送性ポリマーのH NMR(核磁気共鳴)スペクトルにおける重合性官能基に由来するシグナルの積分値と全スペクトルの積分値との比、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を利用し、平均値として算出できる。簡便であることから、仕込み量が明らかである場合は、好ましくは、仕込み量を用いて求めた値を採用する。
(数平均分子量)
電荷輸送性ポリマーの数平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。数平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましい。また、数平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、50,000以下が更に好ましい。
(重量平均分子量)
電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。重量平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、1,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、10,000以上が更に好ましい。また、重量平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、700,000以下がより好ましく、400,000以下が更に好ましい。
数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
(構造単位の割合)
電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Lの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、全構造単位を基準として、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Lの割合は、構造単位T及び必要に応じて導入される構造単位Bを考慮すると、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。
電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Tの割合は、有機エレクトロニクス素子の特性向上の観点、又は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点から、全構造単位を基準として、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、15モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Tの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。
電荷輸送性ポリマーが構造単位Bを含む場合、構造単位Bの割合は、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、全構造単位を基準として、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Bの割合は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点、又は、十分な電荷輸送性を得る観点から、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。
電荷輸送性ポリマーが重合性官能基を有する場合、重合性官能基の割合は、電荷輸送性ポリマーを効率よく硬化させるという観点から、全構造単位を基準として、0.1モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、3モル%以上が更に好ましい。また、重合性官能基の割合は、良好な電荷輸送性を得るという観点から、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。なお、ここでの「重合性官能基の割合」とは、重合性官能基を有する構造単位の割合をいう。
電荷輸送性、耐久性、生産性等のバランスを考慮すると、構造単位L及び構造単位Tの割合(モル比)は、L:T=100:1〜70が好ましく、100:3〜50がより好ましく、100:5〜30が更に好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが構造単位Bを含む場合、構造単位L、構造単位T、及び構造単位Bの割合(モル比)は、L:T:B=100:10〜200:10〜100が好ましく、100:20〜180:20〜90がより好ましく、100:40〜160:30〜80が更に好ましい。
構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量を用いて求めることができる。また、構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーのH NMRスペクトルにおける各構造単位に由来するスペクトルの積分値を利用し、平均値として算出することができる。簡便であることから、仕込み量が明らかである場合は、好ましくは、仕込み量を用いて求めた値を採用する。
(製造方法)
電荷輸送性ポリマーは、種々の合成方法により製造でき、特に限定されない。例えば、鈴木カップリング、根岸カップリング、園頭カップリング、スティルカップリング、ブッフバルト・ハートウィッグカップリング等の公知のカップリング反応を用いることができる。鈴木カップリングは、芳香族ボロン酸誘導体と芳香族ハロゲン化物の間で、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を起こさせるものである。鈴木カップリングによれば、所望とする芳香環同士を結合させることにより、電荷輸送性ポリマーを簡便に製造できる。
カップリング反応では、触媒として、例えば、Pd(0)化合物、Pd(II)化合物、Ni化合物等が用いられる。また、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)等を前駆体とし、ホスフィン配位子と混合することにより発生させた触媒種を用いることもできる。電荷輸送性ポリマーの合成方法については、例えば、国際公開第WO2010/140553号の記載を参照できる。
(電荷輸送性低分子化合物)
以下、電荷輸送性低分子化合物について説明する。
電荷輸送性低分子化合物は、電荷を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されない。電荷輸送性低分子化合物は、重合性官能基を有していてもよい。
(構造)
電荷輸送性低分子化合物の構造の例として、以下が挙げられる。「L」は構造単位Lを、「T」は構造単位Tを、「B」は構造単位Bを表す。構造単位L、構造単位T及び構造単位Bについては、上述のとおりであり、好ましい例も上述のとおりである。
Figure 2017059745
有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性化合物を、1種のみ含有しても、又は、2種以上含有してもよい。
[重合性官能基を有する化合物]
有機エレクトロニクス材料は、重合性官能基を有する化合物を更に含有してもよい。重合性官能基を有する化合物は、有機エレクトロニクス素子の寿命特性を向上させるという観点から好ましい。本発明において、「重合性官能基を有する化合物」は、上記「電荷輸送性化合物」とは異なる化合物を意味する。
重合性官能基を有する化合物としては、オキセタニル基(オキセタン基)、エポキシ基(オキシラニル基)、ビニル基、ビニルエーテル基(ビニルオキシ基)、アクリレート基(アクリロイルオキシ基)、及びメタクリレート基(メタクリロイルオキシ基)からなる群より選択される少なくとも1種を有する化合物が好ましい。重合性官能基は、好ましくは、オキセタニル基、エポキシ基、又はビニルエーテル基であり、より好ましくは、オキセタニル基又はエポキシ基である。これらの重合性官能基を有する化合物は、有機エレクトロニクス素子の寿命特性を向上させるという観点から、分子中の前記重合性官能基以外の部分に、エーテル結合、水酸基等に由来する酸素原子を有していてもよい。
重合性官能基を有する化合物は、1分子中に、1種の重合性官能基を1個以上有していればよい。1分子中に、同種又は異種の重合性官能基を2個以上有していてもよい。また、有機エレクトロニクス材料の安定性の観点から、重合性官能基の全数は、1分子中に100個以下であることが好ましい。
重合性官能基を有する化合物は、低分子化合物であってもよいし、モノマーの重合体であるポリマー又はオリゴマーであってもよい。
一実施態様において、重合性官能基を有する化合物は、重合性官能基に含まれる構造の他に、共役系を含む構造を有していてよい。また、他の実施態様において、重合性官能基を有する化合物は、重合性官能基に含まれる構造の他に、共役系を含む構造を有していなくてよい。共役系としては、例えば、前記構造単位L、構造単位T及び構造単位Bとして例示されている構造等が挙げられる。簡便かつ安価に調製可能な有機エレクトロニクス材料を用いて有機エレクトロニクス素子の特性を向上させるという観点、また、発光層からの陽極側へ放出される光の吸収を低減し、有機EL素子の発光効率を高めるという観点からは、重合性官能基を有する化合物として、共役系を含む構造を有していない化合物が好ましく用いられる。
以下、重合性官能基を有する化合物を例示する。
「オキセタニル基を有する化合物」は、分子中にオキセタニル基を少なくとも1つ有しているオキセタン化合物である。オキセタニル基を有する化合物としては、特に制限なく公知のものを使用し得る。
オキセタニル基を有する化合物としては、例えば、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ドデシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(オクタデシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エーテル、ビス[2−(3−オキセタニル)ブチル]エーテル、1,4−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ビフェニル、2,2’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル[4,4’−ビス(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ビフェニル、2,7−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]ナフタレン、1,6−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン、3(4),8(9)−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、1,2−ビス[2−{(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}エチルチオ]エタン、4,4’−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]チオジベンゼンチオエーテル、2,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]ノルボルナン、2−エチル−2−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]−1,3−O−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、1,4−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−ブタン−1,4−ジオール、2,4,6−O−トリス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]シアヌル酸、ビスフェノールAと3−エチル−3−クロロメチルオキセタン(OXCと略す)とを反応させて得られるエーテル化合物、ビスフェノールFとOXCとを反応させて得られるエーテル化合物、フェノールノボラックとOXCとを反応させて得られるエーテル化合物、クレゾールノボラックとOXCとを反応させて得られるエーテル化合物、オキセタニルシルセスキオキサン等が挙げられる。これらの化合物は、例えば、東亞合成株式会社、宇部興産株式会社等から入手することが可能である。
「エポキシ基を有する化合物」は、分子中にエポキシ基を少なくとも1つ有しているエポキシ化合物である。エポキシ化合物としては、エポキシ基を有する化合物であれば特に制限なく、公知のものを使用し得る。
エポキシ基を有する化合物としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールA、ビスフェノールF等とから誘導されるビスフェノール型エポキシ化合物;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ化合物;モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、3官能以上のポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ化合物;モノグリシジルエステル、ジグリシジルエステル、3官能以上のポリグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ化合物;モノグリシジルアミン、ジグリシジルアミン、3官能以上のポリグリシジルアミン等のグリシジルアミン型エポキシ化合物;グリシジル(メタ)アクリレートとこれと共重合可能なビニル単量体との共重合体;脂環式エポキシ化合物;芳香族エポキシ化合物;トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。これらの化合物は、例えば、ナガセケムテックス株式会社、三菱化学株式会社、新日鉄住金化学株式会社、DIC株式会社、新日本理化株式会社、ダイセル化学工業株式会社等から入手することが可能である。
ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ノボラック型エポキシ化合物としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルエーテル型エポキシ化合物とは、分子中にグリシジルエーテル基を有する化合物である。グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグルシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサングリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、o−クレジルグリシジルエーテル、ビフェニルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ビス(グリシジルオキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(グリシジルオキシメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ化合物とは、分子中にグリシジルアミノ基を有する化合物である。グリシジルアミン型エポキシ化合物としては、例えば、N−(オキシラニルメチル)−N,N−ジメチルアミン、N−(オキシラニルメチル)−N,N−ジエチルアミン、N−エチル−N−(オキシラニルメチル)アニリン、N−メチル−N−(オキシラニルメチル)アニリン、N,N−ビス(オキシラニルメチル)アニリン、1,3−ビス(ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ化合物とは、分子中にグリシジルエステル基を有する化合物である。グリシジルエステル型エポキシ化合物としては、例えば、酢酸グリシジル、プロピオン酸グリシジル、酪酸グリシジル、吉草酸グリシジル、安息香酸グリシジル、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物とは、分子中に環状炭化水素骨格を構成する炭素原子のうちの2つと酸素原子1つとからなるエポキシ基を有する化合物である。脂環式エポキシ化合物としては、例えば、シクロヘキセン、シクロペンテン環含有化合物等を酸化して得られるシクロヘキセンオキシド、シクロペンテンオキシド含有化合物等が挙げられる。より具体的には、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−メタ−ジオキサン、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロエキシルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)等が挙げられる。
「ビニルエーテル基を有する化合物」は、分子中にビニルエーテル基を少なくとも1つ有する化合物である。ビニルエーテル基を有する化合物としては、例えば、ジビニルエーテル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ビス(ビニルオキシメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
有機エレクトロニクス材料は、重合性官能基を有する化合物を、1種のみ含有しても、又は、2種以上含有してもよい。
[含有量]
有機エレクトロニクス材料が、イオン性化合物と電荷輸送性化合物とを含有する場合、イオン性化合物の含有量は、成膜性の観点から、電荷輸送性化合物の質量を基準として、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。また、イオン性化合物の含有量は、有機エレクトロニクス素子の駆動電圧の観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
有機エレクトロニクス材料が、イオン性化合物と重合性官能基を有する化合物とを含有する場合、イオン性化合物の含有量は、溶解性、成膜性等に優れるという観点から、重合性官能基を有する化合物の質量を基準として、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。また、イオン性化合物の含有量は、同様の観点から、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましい。
イオン性化合物に加え、電荷輸送性化合物と重合性官能基を有する化合物とを任意の割合で混合して用いても良い。有機エレクトロニクス材料が、イオン性化合物と、電荷輸送性化合物と、重合性官能基を有する化合物とを含有する場合、電荷輸送性化合物の含有量は、溶解性、成膜性等の観点から、重合性官能基を有する化合物を基準として、0.1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。また、電荷輸送性化合物の含有量は、溶解性、成膜性等の観点から、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
[溶媒]
有機エレクトロニクス材料は、更に溶媒を含有してもよい。溶媒を含有する有機エレクトロニクス材料は、インク組成物として有機エレクトロニクス素子の製造に好ましく用いられる。
溶媒としては、水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を使用できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ペンタン、ヘキサン、オクタン等のアルカン;シクロヘキサン等の環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられる。好ましくは、芳香族炭化水素、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等である。
溶媒の含有量は、種々の塗布方法へ適用することを考慮して定めることができる。例えば、溶媒の含有量は、溶媒に対し、イオン性化合物並びに必要に応じて用いられる電荷輸送性化合物及び重合性官能基を有する化合物の合計の割合が、0.1質量%以上となる量が好ましく、0.2質量%以上となる量がより好ましく、0.5質量%以上となる量が更に好ましい。また、溶媒の含有量は、溶媒に対し、イオン性化合物並びに必要に応じて用いられる電荷輸送性化合物及び重合性官能基を有する化合物の合計の割合が、20質量%以下となる量が好ましく、15質量%以下となる量がより好ましく、10質量%以下となる量が更に好ましい。
[添加剤]
有機エレクトロニクス材料は、更に、任意成分として添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、安定剤、増粘剤、ゲル化剤、難燃剤、酸化防止剤、還元防止剤、酸化剤、還元剤、表面改質剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤等が挙げられる。
<有機層>
本発明の実施形態である有機層は、前記実施形態の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された層である。溶媒を含有する有機エレクトロニクス材料を用いることによって、塗布法により有機層を良好に形成できる。塗布方法としては、例えば、スピンコーティング法;キャスト法;浸漬法;凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平版印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の有版印刷法;インクジェット法等の無版印刷法などの公知の方法が挙げられる。塗布法によって有機層を形成する場合、塗布後に得られた有機層(塗布層)を、ホットプレート又はオーブンを用いて乾燥させ、溶媒を除去してもよい。
有機エレクトロニクス材料が、重合性官能基を有する電荷輸送性化合物及び/又は重合性官能基を有する化合物を含有する場合、光照射、加熱処理等によりこれらの重合反応を進行させ、有機層の溶解度を変化させることができる。有機エレクトロニクス材料において、イオン性化合物は、重合開始剤として機能し得る。溶解度を変化させた有機層を積層することで、有機エレクトロニクス素子の多層化を容易に図ることが可能となる。有機層の形成方法については、例えば、国際公開第WO2010/140553号の記載を参照できる。
乾燥後又は硬化後の有機層の厚さは、電荷輸送の効率を向上させる観点から、好ましくは0.1nm以上であり、より好ましくは1nm以上であり、更に好ましくは3nm以上である。また、有機層の厚さは、電気抵抗を小さくする観点から、好ましくは300nm以下であり、より好ましくは200nm以下であり、更に好ましくは100nm以下である。
<有機エレクトロニクス素子>
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子は、少なくとも前記実施形態の有機層を有する。有機エレクトロニクス素子として、例えば、有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタ等が挙げられる。有機エレクトロニクス素子は、好ましくは、少なくとも一対の電極の間に有機層が配置された構造を有する。
[有機EL素子]
本発明の実施形態である有機EL素子は、少なくとも前記実施形態の有機層を有する。前記有機層上に、更に他の有機層を有してもよい。有機EL素子は、通常、発光層、陽極、陰極、及び基板を備えており、必要に応じて、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等の他の機能層を備えている。各層は、蒸着法により形成してもよく、塗布法により形成してもよい。有機EL素子は、好ましくは、有機層を発光層又は他の機能層として有し、より好ましくは機能層として有し、更に好ましくは正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方として有する。
図1は、有機EL素子の一実施形態を示す断面模式図である。図1の有機EL素子は、多層構造の素子であり、基板8、陽極2、前記実施形態の有機層からなる正孔注入層3及び正孔輸送層6、発光層1、電子輸送層7、電子注入層5、並びに陰極4をこの順に有している。以下、各層について説明する。
[発光層]
発光層に用いる材料として、低分子化合物、ポリマー、デンドリマー等の発光材料を使用できる。ポリマーは、溶媒への溶解性が高く、塗布法に適しているため好ましい。発光材料としては、蛍光材料、燐光材料、熱活性化遅延蛍光材料(TADF)等が挙げられる。
蛍光材料として、ペリレン、クマリン、ルブレン、キナクドリン、スチルベン、色素レーザー用色素、アルミニウム錯体、これらの誘導体等の低分子化合物;ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール、フルオレンーベンゾチアジアゾール共重合体、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、これらの誘導体等のポリマー;これらの混合物等が挙げられる。
燐光材料として、Ir、Pt等の金属を含む金属錯体などを使用できる。Ir錯体としては、例えば、青色発光を行うFIr(pic)(イリジウム(III)ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジネート−N,C]ピコリネート)、緑色発光を行うIr(ppy)(ファク トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム)、赤色発光を行う(btp)Ir(acac)(ビス〔2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナート−N,C〕イリジウム(アセチル−アセトネート))、Ir(piq)(トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム)等が挙げられる。Pt錯体としては、例えば、赤色発光を行うPtOEP(2、3、7、8、12、13、17、18−オクタエチル−21H、23H−フォルフィンプラチナ)等が挙げられる。
発光層が燐光材料を含む場合、燐光材料の他に、更にホスト材料を含むことが好ましい。ホスト材料としては、低分子化合物、ポリマー、又はデンドリマーを使用できる。低分子化合物としては、例えば、CBP(4,4’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、mCP(1,3−ビス(9−カルバゾリル)ベンゼン)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、これらの誘導体等が、ポリマーとしては、前記実施形態の有機エレクトロニクス材料、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフルオレン、これらの誘導体等が挙げられる。
熱活性化遅延蛍光材料としては、例えば、Adv. Mater., 21, 4802-4906 (2009);Appl. Phys. Lett., 98, 083302 (2011);Chem. Comm., 48, 9580 (2012);Appl. Phys. Lett., 101, 093306 (2012);J. Am. Chem. Soc., 134, 14706 (2012);Chem. Comm., 48, 11392 (2012);Nature, 492, 234 (2012);Adv. Mater., 25, 3319 (2013);J. Phys. Chem. A, 117, 5607 (2013);Phys. Chem. Chem. Phys., 15, 15850 (2013);Chem. Comm., 49, 10385 (2013);Chem. Lett., 43, 319 (2014)等に記載の化合物が挙げられる。
[電子輸送層、電子注入層]
電子輸送層及び電子注入層に用いる材料としては、例えば、フェナントロリン誘導体、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレン、ペリレンなどの縮合環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、アルミニウム錯体等が挙げられる。
[陰極]
陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金が用いられる。
[陽極]
陽極材料としては、例えば、金属(例えば、Au)又は導電性を有する他の材料が用いられる。他の材料として、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェン−ポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))が挙げられる。
[基板]
基板として、ガラス、プラスチック等を使用できる。基板は、透明であることが好ましく、また、フレキシブル性を有することが好ましい。石英ガラス、光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等からなるフィルムが挙げられる。
樹脂フィルムを用いる場合、水蒸気、酸素等の透過を抑制するために、樹脂フィルムへ酸化珪素、窒化珪素等の無機物をコーティングして用いてもよい。
[発光色]
有機EL素子の発光色は特に限定されない。白色の有機EL素子は、家庭用照明、車内照明、時計又は液晶のバックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。
白色の有機EL素子を形成する方法としては、複数の発光材料を用いて複数の発光色を同時に発光させて混色させる方法を用いることができる。複数の発光色の組み合わせとしては、特に限定されないが、青色、緑色及び赤色の3つの発光極大波長を含有する組み合わせ、青色と黄色、黄緑色と橙色等の2つの発光極大波長を含有する組み合わせなどが挙げられる。発光色の制御は、発光材料の種類と量の調整により行うことができる。
<表示素子、照明装置、表示装置>
本発明の実施形態である表示素子は、前記実施形態の有機EL素子を備えている。例えば、赤、緑及び青(RGB)の各画素に対応する素子として、有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。画像の形成方法には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。
また、本発明の実施形態である照明装置は、本発明の実施形態の有機EL素子を備えている。さらに、本発明の実施形態である表示装置は、照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えている。例えば、表示装置は、バックライトとして本発明の実施形態である照明装置を用い、表示手段として公知の液晶素子を用いた表示装置、すなわち液晶表示装置とできる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<イオン性化合物の合成>
[実施例1]
(イオン性化合物1の合成)
ポリアリルアミン塩酸塩(ニットーボーメディカル社製「PAA−HCL−03」、40質量%水溶液、重量平均分子量3,000)1.0gに純水を少量加え、更に、Sodium tetrakis(pentafluorophenyl)borate(10質量%水溶液)15.0gを加え、撹拌し、混合したところ、白色沈殿物が分離した。終夜放置後、白色沈殿物を純水で5回洗浄し、ろ別した。白色沈殿物を水洗し、乾燥させ白色の固体物を得た。
Figure 2017059745
重量平均分子量は、溶離液にテトラヒドロフラン(THF)を用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定した。測定条件は以下のとおりである。
送液ポンプ :L−6050 (株)日立ハイテクノロジーズ
示差屈折率検出器 :RI−704 GLサイエンス
カラム :Gelpack (R) GL−A160S/GL−A150S 日立化成(株)
溶離液 :THF(HPLC用、安定剤を含まない) 和光純薬工業(株)
流速 :1 mL/min
カラム温度 :室温
分子量標準物質 :標準ポリスチレン
[実施例2]
(イオン性化合物2の合成)
メチルジアリルアミン塩酸塩重合体(ニットーボーメディカル社製「PAS−M−1L」、25質量%水溶液、重量平均分子量5,000)1.0gに純水を少量加え、更に、Sodium tetrakis(pentafluorophenyl)borate(10質量%水溶液)10.0gを加え、撹拌し、混合したところ、白色沈殿物が分離した。終夜放置後、白色沈殿物を純水で5回洗浄し、ろ別した。白色沈殿物を水洗し、乾燥させ白色の固体物を得た。
Figure 2017059745
<電荷輸送性化合物の合成>
(Pd触媒の調製)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、室温下、サンプル管にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(73.2mg、80μmol)を秤取り、アニソール(15mL)を加え、30分間撹拌した。同様に、サンプル管にトリス(t−ブチル)ホスフィン(129.6mg、640μmol)を秤取り、アニソール(5mL)を加え、5分間撹拌した。これらの溶液を混合し、室温で30分間撹拌し触媒とした。
(電荷輸送性ポリマー1の合成)
三口丸底フラスコに、下記モノマー1(4.0mmol)、下記モノマー2(5.0mmol)、下記モノマー3(2.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。30分撹拌した後、10質量%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(20mL)を加えた。すべての溶媒は30分以上窒素バブルにより脱気した後、使用した。得られた混合物を、2時間、加熱還流した。ここまでの全ての操作は窒素気流下で行った。
Figure 2017059745
反応終了後、有機層を水洗し、有機層をメタノール−水(9:1)に注いだ。生じた沈殿を吸引ろ過し、メタノール−水(9:1)で洗浄した。得られた沈殿をトルエンに溶解し、メタノールから再沈殿した。得られた沈殿を吸引ろ過し、トルエンに溶解し、金属吸着剤(Strem Chemicals社製「Triphenylphosphine, polymer-bound on styrene-divinylbenzene copolymer」、沈殿物100mgに対して200mg)を加えて、一晩撹拌した。撹拌終了後、金属吸着剤と不溶物とをろ過して取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮液をトルエンに溶解した後、メタノール−アセトン(8:3)から再沈殿した。生じた沈殿を吸引ろ過し、メタノール−アセトン(8:3)で洗浄した。得られた沈殿を真空乾燥し、電荷輸送性ポリマー1を得た。電荷輸送性ポリマー1の数平均分子量は7,800、重量平均分子量は31,000であった。
数平均分子量及び重量平均分子量は、溶離液にテトラヒドロフラン(THF)を用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定した。測定条件は以下のとおりである。
送液ポンプ :L−6050 (株)日立ハイテクノロジーズ
UV−Vis検出器:L−3000 (株)日立ハイテクノロジーズ
カラム :Gelpack (R) GL−A160S/GL−A150S 日立化成(株)
溶離液 :THF(HPLC用、安定剤を含まない) 和光純薬工業(株)
流速 :1 mL/min
カラム温度 :室温
分子量標準物質 :標準ポリスチレン
(電荷輸送性低分子化合物1の合成)
三口丸底フラスコに、上記モノマー1(15.0mmol)、上記モノマー2(5.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。30分撹拌した後、10%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(20mL)を加えた。すべての溶媒は30分以上窒素バブルにより脱気した後、使用した。得られた混合物を、2時間、加熱還流した。ここまでの全ての操作は窒素気流下で行った。
反応終了後、有機層を純水で3回洗浄し、金属吸着剤(上記と同じ。有機層100mgに対して200mg)を加えて、一晩撹拌した。撹拌終了後、金属吸着剤と不溶物とをろ過して取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮した粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/2)にて精製し、電荷輸送性低分子化合物1を得た。
<成膜性の評価>
[実施例3]
電荷輸送性低分子化合物1(5.0mg)とイオン性化合物1(0.15mg)をクロロベンゼン(1,000μL)に溶解し、インク組成物を作製した。インク組成物を石英板上に、3,000rpmでスピンコートした。次いで、ホットプレート上で、180℃、10分間の条件で加熱して重合反応を行い、有機層を形成した。加熱後、トルエンに石英板を1分間浸漬し、有機層の洗浄を行なった。洗浄前後の可視紫外分光法(UV−vis)スペクトルにおける吸収極大(λmax)の吸光度(Abs)の比から、有機層の残膜率(%)を測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
イオン性化合物1をイオン性化合物2に変更した以外は全て実施例3と同様にして残膜率を測定した。
[実施例5]
電荷輸送性低分子化合物1を電荷輸送性ポリマー1に変更した以外は全て実施例3と同様にして残膜率を測定した。
[実施例6]
電荷輸送性低分子化合物1を電荷輸送性ポリマー1に変更し、イオン性化合物1をイオン性化合物2に変更した以外は全て実施例3と同様にして残膜率を測定した。
[比較例1]
イオン性化合物1をイオン性化合物3(ローディア社製「PI−2074」)に変更した以外は全て実施例3と同様にして残膜率を測定した。
(イオン性化合物3)
Figure 2017059745
[比較例2]
トリイソアミルアミン(東京化成工業株式会社製)1.0gにアセトン5mLを加え、更に、10質量%塩酸水溶液0.5gを滴下した。その後、Sodium tetrakis(pentafluorophenyl)borate(10質量%水溶液)20.0gを加え、撹拌したところ、白色沈殿物が分離した。終夜放置後、白色沈殿物を純水で5回洗浄し、ろ別した。白色沈殿物を、水洗し、乾燥して白色の固体物を得た。
(イオン性化合物4)
Figure 2017059745
イオン性化合物1をイオン性化合物4に変更した以外は全て実施例3と同様にして残膜率を測定した。
Figure 2017059745
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料を用いることにより、良好な有機層を形成できた。実施例3及び4からは、電荷輸送性化合物として低分子化合物を用いた場合であっても、塗布法により成膜が可能であることがわかる。また、実施例3〜6からは、重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を用いた場合に、有機層を硬化させ、十分な耐溶剤性を発現させることができることがわかる。電荷輸送性化合物が低分子化合物であっても、又は、ポリマーであっても、有機層の積層構造を容易に作製可能である。
<有機EL素子の作製>
[実施例7]
電荷輸送性ポリマー1(10mg)、イオン性化合物1(0.3mg)、及びトルエン(1,000μL)を混合し、インク組成物1を調製した。ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、インク組成物1を3,000rpmでスピンコートした。次いで、ホットプレート上で、210℃、10分間の条件で加熱して有機層を硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
その後、電荷輸送性ポリマー1(10mg)及びトルエン(1,000μL)を混合し、インク組成物2を調製した。前記ガラス基板上に、インク組成物2を3,000rpmでスピンコートした。次いで、ホットプレート上で180℃、10分間の条件で加熱して有機層を硬化させ、正孔輸送層(30nm)を形成した。正孔注入層を溶解させることなく、正孔輸送層を形成することができた。
次に、得られたガラス基板を真空蒸着機中に移し、正孔輸送層上に(CBP+Ir(ppy)(5:1、20nm)、BAlq(10nm)、Alq(40nm)、LiF(膜厚0.5nm)、及びAl(膜厚100nm)をこの順に蒸着した。
蒸着後、大気開放することなく、乾燥窒素環境中にガラス基板を移動した。厚さ0.7mmの無アルカリガラスに深さ0.4mmの凹部を設けた封止ガラスとガラス基板とを、光硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることにより封止を行い、多層構造の有機EL素子を作製した。以後の操作は、大気中、室温(25℃)で行った。
得られた有機EL素子に、ITOを陽極、Alを陰極として電圧を印加したところ、3.5Vで、発光面が均一な緑色発光が観測された。
また、寿命特性として、定電流を印加しながらトプコン社製「BM−7」で輝度を測定し、輝度が初期輝度(3,000cd/m)から半減する時間を測定した。輝度半減時間は41時間であった。
[実施例8]
イオン性化合物1をイオン性化合物2に変更した以外は全て実施例7と同様にして有機EL素子を作製した。3.5Vで発光面が均一な緑色発光が観測された。輝度半減時間は40時間であった。
[実施例9]
インク組成物1において、電荷輸送性ポリマー1を電荷輸送性低分子化合物1に変更した以外は全て実施例7と同様にして有機EL素子を作製した。3.5Vで発光面が均一な緑色発光が観測された。輝度半減時間は29時間であった。
[実施例10]
インク組成物1において、電荷輸送性ポリマー1を電荷輸送性低分子化合物1に変更し、イオン性化合物1をイオン性化合物2に変更した以外は全て実施例7と同様にして、有機EL素子を作製した。3.5Vで発光面が均一な緑色発光が観測された。輝度半減時間は27時間であった。
[実施例11]
インク組成物1を、重合性官能基を有する化合物1(10.0mg)、イオン性化合物1(0.3mg)、及びクロロベンゼン(1,000μL)を混合して得たインク組成物3に代えた以外は全て実施例7と同様にして、有機EL素子を作製した。3.5Vで発光面が均一な緑色発光が観測された。輝度半減時間は23時間であった。
(重合性官能基を有する化合物1)
Figure 2017059745
[実施例12]
イオン性化合物1をイオン性化合物2に変更した以外は全て実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。3.5Vで発光面が均一な緑色発光が観測された。輝度半減時間は23時間であった。
[比較例3]
イオン性化合物1をイオン性化合物4に変更した以外は全て実施例7と同様にして有機EL素子を作製した。3.5Vで緑色発光が観測されたが、発光面にダークスポットが発生しており、不均一な発光であった。輝度半減時間は9時間であった。
[比較例4]
イオン性化合物1をイオン性化合物4に変更した以外は全て実施例9と同様にして有機EL素子を作製した。6.0Vで緑色発光が観測されたが、発光面にダークスポットが発生しており、不均一な発光であった。輝度半減時間は6時間であった。
[比較例5]
イオン性化合物1をイオン性化合物4に変更した以外は全て実施例11と同様にして有機EL素子を作製した。3.5Vで緑色発光が観測されたが発光面にムラが発生しており、不均一な発光であった。輝度半減時間は6時間であった。
Figure 2017059745
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料を用いることによって、多層化された有機EL素子において、均一な発光が得られ、良好な寿命特性が得られた。本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料を、単独で、又は、電荷輸送性化合物及び重合性官能基を有する化合物の少なくとも一方と組み合わせて用いることによって、良好な有機層の積層が可能となり、有機エレクトロニクス素子の長寿命化を達成できる。

Claims (23)

  1. アンモニウムカチオンを有するポリマーとアニオンとを含むイオン性化合物を少なくとも含有する、有機エレクトロニクス材料。
  2. 前記アニオンが下記式(1b)〜(5b)で表されるアニオンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の有機エレクトロニクス材料。
    Figure 2017059745
    (式(1b)〜(5b)中、
    は酸素原子、Eは窒素原子、Eは炭素原子、Eはホウ素原子又はガリウム原子、Eはリン原子又はアンチモン原子を表し、
    〜Yは、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表し、
    〜R16は、それぞれ独立に電子求引性の1価の基(R及びR、R〜Rから選択される少なくとも2つの基、R〜R10から選択される少なくとも2つの基、及び、R11〜R16から選択される少なくとも2つの基は、それぞれ互いに結合していてもよい。)を表す。)
  3. 更に、芳香族アミン構造を含む単位、カルバゾール構造を含む単位、及びチオフェン構造を含む単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位を有する電荷輸送性化合物を含有する、請求項1又は2に記載の有機エレクトロニクス材料。
  4. 前記電荷輸送性化合物が、分子内に1つ以上の重合性官能基を有する、請求項3に記載の有機エレクトロニクス材料。
  5. 前記重合性官能基が、オキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4に記載の有機エレクトロニクス材料。
  6. 更に、オキセタン基、エポキシ基、及びビニルエーテル基からなる群から選択される少なくとも1種を有する化合物を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレクトロニクス材料。
  7. 更に、溶媒を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の有機エレクトロニクス材料。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の有機エレクトロニクス材料を用いて成膜された、有機層。
  9. 請求項8に記載の有機層を備えた、有機エレクトロニクス素子。
  10. 前記有機層上に、更に他の有機層を有する、請求項9に記載の有機エレクトロニクス素子。
  11. 更に基板を有し、当該基板が、フレキシブル基板である、請求項9又は10に記載の有機エレクトロニクス素子。
  12. 更に基板を有し、当該基板が、樹脂フィルムである、請求項9又は10に記載の有機エレクトロニクス素子。
  13. 請求項8に記載の有機層を備えた、有機エレクトロルミネセンス素子。
  14. 前記有機層が正孔注入層である、請求項13に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  15. 前記有機層が正孔輸送層である、請求項13に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  16. 前記有機層が発光層である、請求項13に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  17. 発光色が白色である、請求項13〜16のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  18. 更に基板を有し、当該基板が、フレキシブル基板である、請求項13〜17のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  19. 更に基板を有し、当該基板が、樹脂フィルムである、請求項13〜17のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  20. 請求項13〜19のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、表示素子。
  21. 請求項13〜19のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、照明装置。
  22. 請求項21に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えた、表示素子。
  23. 請求項7に記載の有機エレクトロニクス材料を用いて塗布法により有機層を成膜する工程を含む、有機エレクトロニクス素子の製造方法。
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