JP2017058481A - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】媒体種類を検知するための閾値を一定の値にする場合と比較して、媒体種類を正確に検知することを目的とする。【解決手段】用紙に形成された画像を定着させる定着装置の加圧ロールを駆動するモータ112のトルクを検出するトルク検出部114と、加圧ロールの温度を検出する温度検出部118によって検出された温度毎または画像を定着する用紙の枚数毎に、用紙の種類を検知するための閾値を設定して、トルク検出部114の検出結果を用いて用紙の種類を検知するCPU100と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、定着装置、及び画像形成装置に関する。
特許文献1では、モータの駆動電流を検知し、検知される駆動電流を記録紙毎に読み込んで予め設定された値と比較して、記録紙が封筒もしくは厚紙であることを判別することが提案されている。具体的には、給紙前と給紙中の駆動電流の差をモータトルクとして算出し、閾値と比較することにより、現在給紙している記録紙の種類(普通紙、厚紙、封筒等)を判定している。
特許文献2では、画像形成装置内に搬送される記録紙の紙厚を検知して、定着温度等の制御を変更して安定した画像出力を提供することが提案されている。また、搬送するモータユニットの駆動電流により記録紙の厚さを検出し、搬送路内のローラ毎に紙厚を算出している。具体的には、ローラ毎に得られる紙厚の値の平均値をとることにより精度を高めている。
モータ等の駆動部の負荷の検出結果により用紙種類等の媒体種類を検知する構成において、媒体種類を検知する際の駆動部の負荷のばらつきにより媒体種類を誤検知することがあり得る。
本発明は、媒体種類を検知するための閾値を一定の値にする場合と比較して、媒体種類を正確に検知することを目的とする。
請求項1に記載の定着装置は、媒体に形成された画像を定着させる定着部を駆動する駆動部の負荷を検出する検出部と、前記検出部の検出結果を用いて媒体の種類を検知する検知部と、前記定着部の温度を検出する温度検出部によって検出された温度毎または画像を定着する媒体数毎に、前記検知部が媒体の種類を検知するための閾値を設定する設定部と、を備えている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記設定は、媒体数毎に前記閾値を設定する場合、画像形成指示毎における1枚目の媒体と2枚目以降の媒体とで異なる閾値を設定する。
請求項3に記載の画像形成装置は、媒体に画像を形成する画像形成部と、媒体に形成された画像を定着させる定着部と、前記定着部を駆動する駆動部と、前記駆動部の負荷を検出する検出部と、前記検出部の検出結果を用いて媒体の種類を検知する検知部と、前記定着部の温度を検出する温度検出部によって検出された温度毎または画像を定着する媒体数毎に、前記検知部が媒体の種類を検知するための閾値を設定する設定部と、を備えている。
請求項1に記載の発明によれば、媒体種類を検知するための閾値を一定の値にする場合と比較して、媒体種類を正確に検知することが可能な定着装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、各媒体毎に各々異なる閾値に設定する場合と比較して、媒体種類の検知するための処理負荷を軽減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、媒体種類を検知するための閾値を一定の値にする場合と比較して、媒体種類を正確に検知することが可能な画像形成装置を提供することができる。
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を説明する。なお、以下では、黄色をY、マゼンタ色をM、シアン色をC、黒色をKで表すと共に、各構成部品及びトナー画像(画像)を色毎に区別する必要がある場合には、符号の末尾に各色に対応する色の符号(Y、M、C、K)を付して説明する。また、以下では、各構成部品及びトナー画像を色毎に区別せずに総称する場合には、符号の末尾の色の符号を省略して説明する。
(全体構成)
図1に示すように、画像形成装置10の装置本体10Aの内部には、入力される画像データをY、M、C、Kの4色の階調データに変換する画像処理を行う画像処理部12が設けられている。
また、装置本体10Aの中央側には、各色のトナー画像を形成する画像形成部の一例としての画像形成ユニット16が、水平方向に対して傾斜する方向に間隔をおいて配置されている。また、各色の画像形成ユニット16の鉛直方向の上方には、各色の画像形成ユニット16で形成されたトナー画像が多重に転写される一次転写ユニット18が設けられている。
さらに、一次転写ユニット18の側方(図1の左側)には、後述する供給搬送ユニット30によって搬送経路60に沿って搬送された媒体の一例としての用紙Pに、一次転写ユニット18に多重に転写されたトナー画像を転写する二次転写ロール22が設けられている。
二次転写ロール22に対して用紙Pの搬送方向(以下、「用紙搬送方向」という。)の下流側には、用紙Pの画像形成面を挟んで搬送する搬送装置の一例としての定着装置24が設けられている。また、定着装置24は、用紙Pに転写されたトナー画像を熱及び圧力によって用紙Pに定着させる。
本実施形態に係る定着装置24は、回転体対としての加熱ベルト24A及び加圧ロール24Bを備えている。定着装置24は、電磁誘導を利用して加熱ベルト24Aを発熱させる方式の定着装置、所謂IH(Induction Heating)定着装置である。また、加圧ロール24Bは、駆動部の一例としてのモータ112(図2参照。)により駆動(回転)し、加熱ベルト24Aは、加圧ロール24Bの回転に伴い、従動して回転する。
また、定着装置24に対して用紙搬送方向の下流側には、トナー画像が定着された用紙Pを画像形成装置10の装置本体10Aの上部に設けられた排出部26に排出する排出ロール28が設けられている。
一方、画像形成ユニット16の鉛直方向の下方及び側方には、用紙Pを供給し搬送する供給搬送ユニット30が設けられている。また、一次転写ユニット18の鉛直方向の上方には、装置本体10Aの正面から装置本体10Aに対して着脱可能とされ、現像器38に補給されるトナーが充填されるトナーカートリッジ14が色別に4個(14K〜14Y)装置幅方向に並んで配置されている。各色のトナーカートリッジ14は、画像形成装置10の奥行方向に延びる円柱状とされ、各色の現像器38と図示しない補給管を介して接続されている。
(画像形成ユニット)
各色の画像形成ユニット16は、図1に示すように、すべて同様に構成されている。そして、画像形成ユニット16は、回転する円柱状の像保持体34と、像保持体34の表面を帯電させる帯電器36と、を備えている。
また、画像形成ユニット16は、帯電した像保持体34の表面に露光光を照射するLED(Light Emitting Diode)ヘッド32を備えている。また、画像形成ユニット16は、LEDヘッド32による露光光の照射によって形成された静電潜像を現像剤(本実施形態では、負極に帯電したトナー)で現像してトナー画像として可視化する現像器38を備えている。また、画像形成ユニット16は、像保持体34の表面を清掃する図示しない清掃ブレードを備えている。
現像器38には、像保持体34と対向して現像ロール39が配置されており、現像器38は、現像ロール39を用いて像保持体34に形成された静電潜像を現像剤で現像してトナー画像として可視化する。
そして、帯電器36、LEDヘッド32、現像ロール39、及び清掃ブレードは、像保持体34の表面と対向して、像保持体34の回転方向の上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
(転写部(一次転写ユニット・二次転写ロール))
一次転写ユニット18は、無端状の中間転写ベルト42と、中間転写ベルト42が巻き掛けられ、図示しないモータにより回転駆動して中間転写ベルト42を矢印A方向に周回させる駆動ロール46と、を備えている。また、一次転写ユニット18は、中間転写ベルト42が巻き掛けられ、中間転写ベルト42に張力を付与する張力付与ロール48と、張力付与ロール48の鉛直方向上方に配置されて中間転写ベルト42と従動回転する補助ロール50と、を備えている。また、一次転写ユニット18は、中間転写ベルト42を挟んで各色の像保持体34の反対側に各々配置される一次転写ロール52を備えている。
以上の構成により、各色の画像形成ユニット16の像保持体34上に順次形成されたY、M、C、Kの各色のトナー画像が、各色の一次転写ロール52によって、中間転写ベルト42上に多重に転写される。
さらに、中間転写ベルト42の表面に接して中間転写ベルト42の表面を清掃する清掃ブレード56が、中間転写ベルト42を挟んで駆動ロール46の反対側に配置されている。
また、中間転写ベルト42を挟んで補助ロール50の反対側には、中間転写ベルト42上に転写されたトナー画像を、搬送される用紙Pに転写する二次転写ロール22が設けられている。そして、二次転写ロール22は接地されており、補助ロール50は二次転写ロール22の対向電極を形成しており、補助ロール50には、二次転写電圧が印加されることにより、用紙Pにトナー画像が転写される。また、本実施形態では、一例として、二次転写ロール22及び中間転写ベルト42による用紙Pの搬送速度は、定着装置24による用紙Pの搬送速度より高い速度とされている。
(供給搬送ユニット)
供給搬送ユニット30は、装置本体10A内において、画像形成ユニット16に対して鉛直方向の下方に配置され、複数の用紙Pが収容される用紙収容部62を備えている。
さらに、供給搬送ユニット30は、用紙収容部62に収容された用紙Pを搬送経路60へ送り出す給紙ロール64と、給紙ロール64によって送り出された用紙Pを1枚ずつ分離する分離ロール66と、用紙Pの搬送タイミングを合わせる位置合わせロール68と、を備えている。そして、各ロールが、用紙搬送方向の上流側から下流側に向けてこの順番で配置されている。
また、位置合わせロール68は、不図示のクラッチ機構を介して位置合わせロール68を回転駆動させるためのモータと接続されている。画像形成装置10は、用紙Pが位置合わせロール68の設置位置に到達するまでは、クラッチ機構を未接続の状態とし、用紙Pの用紙搬送方向の先端を位置合わせロール68に突き当てる。これにより、画像形成装置10は、用紙搬送方向に対する用紙Pの傾きを補正して位置合わせを行う。そして、位置合わせの後、クラッチ機構を接続状態とすることにより、位置合わせロール68が回転し、用紙Pが搬送される。
以上の構成により、用紙収容部62から供給された用紙Pは、回転する位置合わせロール68によって中間転写ベルト42と二次転写ロール22との接触部(二次転写位置)へ定められたタイミングで送り出される。
そして、定着装置24に搬送された用紙Pは、加熱ベルト24Aにより過熱され、かつ加熱ベルト24A及び加圧ロール24Bにより加圧されて、用紙Pの一方の面(画像形成面)にトナー画像が定着される。
さらに、供給搬送ユニット30は、定着装置24によって一方の面にトナー画像が定着された用紙Pを、排出ロール28によって排出部26にそのまま排出させずに、他方の面にトナー画像を形成するために用いる両面搬送装置70を備えている。
両面搬送装置70は、排出ロール28から位置合わせロール68に向けて用紙Pの表裏が反転されて用紙Pが搬送される両面搬送経路72と、両面搬送経路72に沿って用紙Pを搬送する搬送ロール74及び搬送ロール76とを備えている。
なお、画像形成装置10は、搬送経路60に沿って定着装置24の上流側及び下流側の少なくとも一方に用紙検知センサを設けてもよい。用紙検知センサとしては、例えば、一組の発光素子及び受光素子を備えた反射型のセンサを用いてもよい。この場合、用紙検知センサは、発光素子から設置位置に対応する搬送経路60上の検知位置に対して光を照射する。また、用紙検知センサは、受光素子で受光した光量に応じた信号レベルの信号(以下、「検知信号」という。)を出力する。用紙Pが上記検知位置を搬送されている期間は、発光素子から照射された光が用紙Pにより反射される。従って、用紙検知センサは、用紙Pが上記検知位置を搬送されている期間と搬送されていない期間で異なる信号レベルの検知信号を出力する。なお、用紙検知センサとしては、反射型のセンサ以外に、例えば、透過型のセンサ等、他のセンサを適用してもよい。
(画像形成プロセス)
まず、画像処理部12から各色のLEDヘッド32に各色の階調データが順次出力される。そして、LEDヘッド32から階調データに応じて出射された露光光は、帯電器36によって帯電した像保持体34の表面に照射される。これにより、像保持体34の表面には静電潜像が形成される。像保持体34上に形成された静電潜像は、各色の現像器38によって現像され、各々Y、M、C、Kの各色のトナー画像として可視化される。
さらに、一次転写ユニット18の一次転写ロール52によって、像保持体34上に形成された各色のトナー画像が、周回する中間転写ベルト42上に多重に転写される。
中間転写ベルト42上に多重に転写された各色のトナー画像は、用紙収容部62から給紙ロール64、分離ロール66、位置合わせロール68によって搬送経路60に沿って搬送されてきた用紙Pに二次転写ロール22によって二次転写位置で二次転写される。
さらに、トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置24へと搬送される。そして、トナー画像が定着装置24によって用紙Pに定着される。トナー画像が定着された用紙Pは、排出ロール28によって排出部26に排出される。
一方、用紙Pの両面に画像を形成させる場合は、定着装置24によって一方の面(表面)にトナー画像が定着された用紙Pは、排出ロール28によって排出部26にそのまま排出されない。排出ロール28が逆回転されることで、用紙Pの搬送方向が切り替えられる。そして、この用紙Pは、搬送ロール74、76により両面搬送経路72に沿って搬送される。
両面搬送経路72に沿って搬送された用紙Pは、表裏が反転されて再度位置合わせロール68へと搬送される。そして、用紙Pの他方の面(裏面)にトナー画像が転写及び定着された後、用紙Pは、排出ロール28によって排出部26に排出される。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、画像形成装置10の全体的な動作を司るCPU(Central Processing Unit)100、及び各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)102を備えている。また、画像形成装置10は、CPU100による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)104、及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部106を備えている。
また、画像形成装置10は、外部装置と通信データの送受信を行う通信回線I/F(Interface)部108を備えている。また、画像形成装置10は、画像形成装置10に対するユーザからの指示を受け付ける一方、ユーザに対して画像形成装置10の動作状況等に関する各種情報を表示する操作表示部110を備えている。なお、操作表示部110は、例えば、プログラムの実行により操作指示の受け付けを実現する表示ボタンや各種情報が表示される表示面にタッチパネルが設けられたディスプレイ、及びテンキーやスタートボタン等のハードウェアキーを含む。
また、画像形成装置10は、加圧ロール24Bを回転駆動させるモータ112の負荷(トルク)を検出する検出部の一例としてのトルク検出部114を備えている。本実施形態に係るトルク検出部114は、モータ112に接続されており、モータ112のトルクを、モータ112に流れる電流値として検出する。
なお、本実施形態に係るトルク検出部114の構成は、モータ112のトルクを検出可能であれば特に限定されない。例えば、トルク検出部114として、モータ112のトルクを、モータ112に流れる電流値として検出し、検出した電流値を電圧値に変換して出力する構成のものを適用してもよい。また、トルク検出部114として、シャント抵抗間の電圧を測定して電流を検知する構成のものを適用してもよい。また、例えば、トルク検出部114として、モータ112に電流が流れる経路上に抵抗を設け、該抵抗間の電圧を測定して電流を検知する構成のものを適用してもよい。また、例えば、トルク検出部114として、モータ112に電流が流れる経路上にホール素子による電流センサを設けて電流を検知する構成のものを適用してもよい。さらに、例えば、トルク検出部114として、モータ112のトルクを検出するトルク検出器を適用してもよい。
そして、CPU100、ROM102、RAM104、記憶部106、通信回線I/F部108、操作表示部110、モータ112、及びトルク検出部114の各部が、アドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス116を介して互いに接続されている。
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置10は、CPU100により、ROM102、RAM104、及び記憶部106に対するアクセス、並びに通信回線I/F部108を介した外部装置との間での通信データの送受信を各々行う。また、画像形成装置10は、CPU100により、操作表示部110を介した各種指示情報の取得、及び操作表示部110に対する各種情報の表示を各々行う。また、画像形成装置10は、CPU100により、モータ112の制御、及びトルク検出部114から出力された電圧値の取得を各々行う。
ところで、本実施形態に係る画像形成装置10では、用紙Pの種類を検知する検知機能が搭載されている。ここで、用紙Pの種類を検知する検知機能について説明する。
トルク検出部114によって検出された電流値は、図3に示すように、用紙Pが定着装置24に突入するタイミングで急激に上昇して上に凸のピーク値となり、その後、用紙Pが定着装置24から排出するタイミングで急激に減少して下に凸のピーク値となる。トルク検出部114によって検出された電流は、定着装置24へ用紙Pが突入する際と排出する際との各々のピーク値や、定着装置24を通過中の値が、用紙Pの種類(厚さ)によって変化する。本実施形態の検知機能では、用紙Pの種類によってトルク検出部によって検出される電流が変化することを利用して、CPU100がトルク検出部114の検出結果を取得して、用紙Pの種類を検知するようになっている。
具体的には、本実施形態では、用紙Pが定着装置24へ突入した際のピーク値と、用紙Pが定着装置24へ突入する前のトルク検出部114によって検出された電流の平均値との差分を算出し、算出した差分値と閾値とを比較することにより、用紙Pの種類を検知する。なお、本実施形態では、ピーク値として、頂部である最大値を適用した例を説明するが、これに限定されず、最大値付近の最大値より小さい値を適用してもよく、本実施の形態で述べるピーク値にはこれも含まれる。但し、電流値の取得間隔(サンプリングレート)の範囲内で、取得された電流値の最大値を用いることが好ましい。
このような検知機能では、定着装置24へ用紙Pが突入する際の電流のばらつきが大きく、一定の閾値を用いて用紙Pの種類を判定したのでは、誤検知することがあった。例えば、図4に示すように、用紙厚さに相当する用紙坪量がaの用紙と、用紙坪量がbの用紙とを一定の紙種判定閾値を用いて判定した場合、紙1枚目とそれ以降のばらつきが大きく、用紙坪量がbの紙1枚目を用紙坪量がaであると誤判定してしまう。
ここで、上述の紙種の誤判定の一要因について図4を参照して説明する。図5は、画像形成する際のモータ112の電流(定着モータ電流)、加熱ベルト温度、及び加圧ロール温度の時間経過に対する変化を示す図である。
本実施形態では、定着装置24に用紙Pが突入する前に、加圧ロール24Bを加熱ベルト24Aに近づけて接触させることで、加圧ロール24Bの温度が徐々に高くなる。これにより、図5に示すように、1枚目の用紙先端が定着装置24に突入する際の加圧ロール24Bの温度が、2枚目以降よりも高い温度となる。そして、1枚目の用紙先端が突入する際に加圧ロール温度が2枚目以降に比べて高いため、加圧ロール24Bの硬度が2枚目以降よりも低く、用紙先端が突入する際の電流(突入電流)が2枚目以降より低くなる。そのため、図4に示すように、用紙坪量がbの場合の1枚目の紙種を用紙坪量がaであると誤判定してしまう。
一方、2枚目以降では、1枚目が通過することにより加圧ロール24Bの温度が飽和するため、突入電流に大きな差が生じなくなり、誤判定がなくなる。
そこで、本実施形態では、加圧ロール24Bの温度を検出する温度検出部118(図2参照)を備えて、温度検出部118によって検出された加圧ロール24Bの温度に応じて検知機能で用いる閾値を設定するようになっている。
例えば、温度に応じた閾値(例えば、図6に示す紙種判定閾値)を予め定めてROM102や記憶部106等に記憶しておき、温度検出部118によって検出した温度に対応する閾値を設定する。本実施形態では、加圧ロール24Bの温度に応じて閾値を変更して紙種を判定する紙種判定プログラムが媒体種判定プログラムとしてROM102に予め記憶される。なお、図6では、紙種Aと紙種Bの閾値のみを示すが、紙種Bと紙種Cの閾値も同様に、温度に応じた閾値を設定すればよい。
温度検出部118は、図2に示すように、バス116に接続され、加圧ロール24Bの温度を検出する。本実施形態では、温度検出部118が加圧ロール24Bの温度を検出する例を説明するが、加圧ロール24Bの代わりに加熱ベルト24Aの温度を検出してもよいし、双方の温度を検出して双方の温度を用いて閾値を設定してもよい。
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る画像形成装置10で行われる具体的な処理について説明する。図7は、本実施形態に係る画像形成装置10で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図7の処理は、操作表示部110が操作されて画像形成指示が行われた場合に、CPU100がROM102に記憶された紙種判定プログラムを実行することにより開始する。また、画像形成指示を行う際に、操作表示部110を操作して使用する紙種の設定を行うものとする。
ステップS100では、CPU100が、温度検出部118によって検出された加圧ロール24Bの温度検出結果を取得してステップS102へ移行する。
ステップS102では、CPU100が、温度検出部118によって検出された加圧ロール24Bの温度に応じて予め定めた閾値に設定してステップS104へ移行する。
ステップS104では、CPU100が、トルク検出部114の検出結果及び設定された閾値を用いて紙種を判定してステップS106へ移行する。例えば、トルク検出部114によって検出された検出結果としての電流のピーク値と平均値との差分電流が、図6に示すように、温度に応じて設定された紙種判定閾値より大きいか否かを判定することで紙種を判定する。なお、図6では、上述したように紙種Aと紙種Bの紙種判定閾値のみを示し、紙種判定閾値より差分電流が小さい場合に紙種Aであると判定し、大きい場合に紙種Bであると判定する。
ステップS106では、CPU100が、画像形成指示の際に操作表示部110が操作されて設定された紙種設定値を読み出してステップS108へ移行する。
ステップS108では、CPU100が、ステップS104で判定された紙種と、ステップS106で読み出された紙種設定値とが異なるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップS110へ移行し、否定された場合にはステップS112へ移行する。
ステップS110では、CPU100が、操作表示部110が操作されて設定された紙種設定値と、実際の紙種とが異なることを警告する警告処理を行ってステップS112へ移行する。すなわち、設定値と異なる場合には、定着装置24の条件が異なり、画質不良等の欠陥に繋がるため、設定値と異なる場合には警告を行う。警告処理は、例えば、画像形成動作を停止して操作表示部110等に上記警告を表す表示等を行う。そして、操作表示部110が操作されて画像形成の継続が指示された場合にステップS112へ移行し、画像形成の中断が指示された場合には一連の処理を終了する。なお、警告処理において、画像形成の継続が指示されて、以降の処理が行われて再度警告処理に移行した場合には画像形成が終了するまで2回目以降の警告処理をスキップしてもよい。
ステップS112では、CPU100が、画像形成の終了であるか否かを判定する。該判定は、画像形成対象のページの画像形成が終了したか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップS100に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合に一連の処理を終了する。
このように本実施形態では、加圧ロール24Bの温度毎に、紙種を判定する閾値を設定することにより、上述した加圧ロール24Bの温度変化による突入電流のばらつきを考慮した閾値が設定されるので、紙種の誤判定が防止される。
なお、上記の実施形態では、加圧ロール24Bの温度毎に、紙種を判定する閾値を設定する例を説明したが、温度ではなく、画像形成する数に応じて設定してもよい。すなわち、上述したように、画像形成指示毎における1枚目と2枚目以降とでばらつきが生じるので、図8に示すように、画像形成数(枚数)に応じて閾値を設定しても上記と同様に、紙種の誤判定が防止される。この場合には、温度検出部118を省略することが可能である。なお、図8では、1枚目と2枚目以降で異なる紙種判定閾値に設定する例を示すが、加圧ロール24Bの種類等によっては、設定された閾値を変更する枚数は1枚目と2枚目との間に限るものではない。また、図8では、用紙坪量がaとbとを判別する紙種判定閾値のみを示すが、用紙坪量がbとcとを判別する閾値についても同様に設定すればよい。
また、上記の実施形態は、紙種判定プログラムをコンピュータに実行させることにより、図7の処理を行う例を説明したが、紙種判定プログラムによって実行される処理の一部または全てをハードウエアで行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態に係る画像形成装置10のCPU100によって行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
また、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10 画像形成装置
24 定着装置
24A 加熱ベルト
24B 加圧ロール
100 CPU
112 モータ
114 トルク検出部
24 定着装置
24A 加熱ベルト
24B 加圧ロール
100 CPU
112 モータ
114 トルク検出部
Claims (3)
- 媒体に形成された画像を定着させる定着部を駆動する駆動部の負荷を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果を用いて媒体の種類を検知する検知部と、
前記定着部の温度を検出する温度検出部によって検出された温度毎または画像を定着する媒体数毎に、前記検知部が媒体の種類を検知するための閾値を設定する設定部と、
を備えた定着装置。 - 前記設定は、媒体数毎に前記閾値を設定する場合、画像形成指示毎における1枚目の媒体と2枚目以降の媒体とで異なる閾値を設定する請求項1に記載の定着装置。
- 媒体に画像を形成する画像形成部と、
媒体に形成された画像を定着させる定着部と、
前記定着部を駆動する駆動部と、
前記駆動部の負荷を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果を用いて媒体の種類を検知する検知部と、
前記定着部の温度を検出する温度検出部によって検出された温度毎または画像を定着する媒体数毎に、前記検知部が媒体の種類を検知するための閾値を設定する設定部と、
を備えた画像形成装置。
Priority Applications (2)
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US15/061,298 US20170075265A1 (en) | 2015-09-15 | 2016-03-04 | Fixing device and image forming apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015182318A JP2017058481A (ja) | 2015-09-15 | 2015-09-15 | 定着装置、及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015182318A Pending JP2017058481A (ja) | 2015-09-15 | 2015-09-15 | 定着装置、及び画像形成装置 |
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US7680424B2 (en) * | 2007-09-28 | 2010-03-16 | Eastman Kodak Company | Roller fuser system with fusing member temperature control for printing |
JP5262500B2 (ja) * | 2008-09-19 | 2013-08-14 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
-
2015
- 2015-09-15 JP JP2015182318A patent/JP2017058481A/ja active Pending
-
2016
- 2016-03-04 US US15/061,298 patent/US20170075265A1/en not_active Abandoned
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Publication number | Publication date |
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