JP2017057313A - 粒状樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の反り、半導体チップとの界面におけるデラミネーション及びフローマークを抑制でき、しかも、良好なアンダーフィル性を示すモールドアンダーフィルを可能にする樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)数平均分子量が5000〜25000であり、ポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造、ポリカーボネート構造、(メタ)アクリレート構造及びポリシロキサン構造から選択される一つ以上の構造を有する高分子樹脂、(B)無機充填剤、(C)エポキシ樹脂、及び(D)硬化促進剤を含む粒状樹脂組成物であって、平均粒径が60μm以上であることを特徴とする、粒状樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体封止、特にウエハレベルチップサイズパッケージの封止材料として好適な粒状樹脂組成物に関する。
ウエハレベルチップサイズパッケージ等の半導体パッケージに使用する封止材料には、基板(パッケージ基板)の反りを抑えるために低弾性率の材料が求められる。例えば、特許文献1には、低弾性率の熱硬化性樹脂組成物として、特定の線状変性ポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、かかる熱硬化性樹脂組成物のフィルムを使用して封止を行う場合、特に、厚膜(例えば、200μm以上)のフィルムを作るのが難しく、フィルムを複数枚を重ねる必要がある。しかし、フィルムを複数枚重ねて成形すると、フィルム間に気泡が入りやすく、リフロー後に発泡やデラミネーション(すなわち、層間剥離)の原因となる。一方、かかる熱硬化性樹脂組成物の液状物を使用して封止を行う場合、該液状の樹脂組成物は粘度が高くなり、樹脂組成物をディスペンスする際に、液切れが悪く、ウェハ上に均一に樹脂組成物をディスペンスするには非常に時間が掛かり、その結果、チップ下にアンダーフィル性の不十分なところが発生してしまう。また、液状の樹脂組成物を押し広げるためにフローマークが発生し、フローマークは製品の外観不良やパッケージ信頼性の低下の原因となる。
特開2006−37083号公報
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、半導体パッケージの封止材料に使用したときに、基板(パッケージ基板)の反り、デラミネーション及びフローマークを抑制できる樹脂組成物を提供することにある。特に、基板(パッケージ基板)の反り、半導体チップとの界面におけるデラミネーション及びフローマークを抑制でき、しかも、良好なアンダーフィル性を示すモールドアンダーフィルを可能にする樹脂組成物を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定のポリマー構造及び特定の数平均分子量を有する高分子樹脂、エポキシ樹脂及び無機充填剤を配合した硬化性樹脂組成物を特定平均粒径の粒状とすることで、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] (A)数平均分子量が5000〜25000であり、ポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造、ポリカーボネート構造、(メタ)アクリレート構造及びポリシロキサン構造から選択される一つ以上の構造を有する高分子樹脂、
(B)無機充填剤、
(C)エポキシ樹脂、及び
(D)硬化促進剤
を含む粒状樹脂組成物であって、
平均粒径が60μm以上であることを特徴とする、粒状樹脂組成物。
[2] 平均粒径が60μm以上300μm以下である、上記[1]記載の粒状樹脂組成物。
[3] 安息角が30°〜60°である、上記[1]又は[2]記載の粒状樹脂組成物。
[4] 成分(A)である高分子樹脂が、ポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造、ポリカーボネート構造、(メタ)アクリレート構造及びポリシロキサン構造から選択される一つ以上の構造を有するポリイミド樹脂である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の粒状樹脂組成物。
[5] 成分(A)である高分子樹脂が、式(1−a)で表される構造及び式(1−b)で表される構造:
[式中、R1は、ポリブタジエン構造を有する2価の有機基、ポリイソプレン構造を有する2価の有機基、またはポリカーボネート構造を有する2価の有機基を示し、R2は、4価の有機基を示し、R3は2価の有機基を示す。]
を有するポリイミド樹脂である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の粒状樹脂組成物。
[6] (C)エポキシ樹脂が、(C1)25℃で固体のエポキシ樹脂を含む、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の粒状樹脂組成物。
[7] (C)エポキシ樹脂が、(C1)25℃で固体のエポキシ樹脂、および(C2)25℃で液状のエポキシ樹脂を含む、上記[1]〜[6]のいずれか1つ記載の粒状樹脂組成物。
[8] 成分(A)である高分子樹脂の含有量が樹脂組成物の不揮発成分全体当たり6〜40質量%であり、成分(B)である無機充填剤の含有量が樹脂組成物の不揮発成分全体当たり、50〜92質量%である、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の粒状樹脂組成物。
[9] 半導体パッケージの封止材料用である、上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の粒状樹脂組成物。
[10] モールドアンダーフィル用である、上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の粒状樹脂組成物。
本発明の粒状樹脂組成物によれば、基板(パッケージ基板)の反り、デラミネーション及びフローマークを抑制できる、半導体パッケージの封止材料を提供することができる。
本発明の粒状樹脂組成物によれば、基板(パッケージ基板)の反り及びチップとの界面におけるデラミネーションを抑制でき、しかも、アンダーフィル性に優れるモールドアンダーフィル用材料を提供することができる。
<(A)数平均分子量が5000〜25000の高分子樹脂>
本発明の粒状樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、成分(A)として、数平均分子量が5000〜25000の高分子樹脂を含む。成分(A)である高分子樹脂は、1種または2種以上を使用できる。
成分(A)である高分子樹脂は、数平均分子量が5,000〜25,000であることから、樹脂組成物に充分な耐熱性が付与される。高分子樹脂の数平均分子量は、好ましくは7,000〜22,000、より好ましくは9,000〜20,000である。ここで、高分子樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で測定した値である。GPC法による数平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルムを用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
樹脂組成物の硬化物に充分な柔軟性を付与するという観点から、成分(A)である高分子樹脂のガラス転移温度は、好ましくは30℃以下、より好ましくは−15℃〜29℃、さらに好ましくは−10℃〜20℃である。ここで、高分子樹脂のガラス転移温度は、動的粘弾性測定によって得られるtanδのピーク温度、または熱機械分析装置で引張荷重法による熱機械分析から読み取ることができる。
成分(A)である高分子樹脂の含有量は、樹脂組成物と被着体との密着力を確保するという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分全体当たり、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは12〜75質量%、さらに好ましくは13〜70質量%である。
成分(A)である高分子樹脂は、好ましくはポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造、ポリカーボネート構造、(メタ)アクリレート構造及びポリシロキサン構造から選択される一つ以上の構造を有する樹脂である。ポリブタジエン構造及びポリイソプレン構造は、いずれも、水素添加されていてもよい。高分子樹脂は、より好ましくはポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造、ポリカーボネート構造、(メタ)アクリレート構造及びポリシロキサン構造から選択される一つ以上の構造を有するポリイミド樹脂であり、さらに好ましくはポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造またはポリカーボネート構造を有するポリイミド樹脂であり、特に好ましくはポリブタジエン構造またはポリカーボネート構造を有するポリイミド樹脂である。
成分(A)としてポリイミド樹脂を使用する場合、その酸価は3〜30mgKOH/gが好ましく、5〜20mKOH/gがより好ましい。
ポリブタジエン構造としては、例えば、式(i−a)または式(i−b)で表されるポリブタジエン構造、或いは式(i−c)または式(i−d)で表される水添ポリブタジエン構造が挙げられる。
[式(i−a)〜(i−d)中、n1は、5〜30の整数(好ましくは10〜20の整数)を示す。]
ポリイソプレン構造としては、例えば、式(ii−a)で表されるポリイソプレン構造、または式(ii−b)で表される水添ポリイソプレン構造が挙げられる。
[式(ii−a)及び(ii−b)中、n2は、5〜30の整数(好ましくは10〜20の整数)を示す。]
ポリカーボネート構造としては、例えば、式(iii)で表されるものが挙げられる。
[式(iii)中、R4及びR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)のアルキレン基を示し、n3は、5〜30の整数(好ましくは10〜20の整数)を示す。]
(メタ)アクリレート構造としては、例えば、式(iv)で表されるものが挙げられる。
[式(iv)中、R6は、水素原子またはメチル基を示し、R7は、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
ポリシロキサン構造しては、例えば、式(v)で表されるものが挙げられる。
(式中、R8及びR9は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基、フェニレン基または炭素数1〜5のオキシアルキレン基を示し、R10〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはフェノキシ基を示し、a、b及びcは、それぞれ独立して、0以上の整数を示し、b+c≧1、a+b+c≧60である。式中、ベンゼン環上の水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基等で置換されていてもよい。)
ポリシロキサン構造を有する樹脂は、具体的には国際公開第2010/053185号に記載されているものが挙げられる。
ポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造、またはポリカーボネート構造を有するポリイミド樹脂としては、例えば、式(1−a)で表される構造及び式(1−b)で表される構造:
[式中、R1は、ポリブタジエン構造を有する2価の有機基、ポリイソプレン構造を有する2価の有機基、またはポリカーボネート構造を有する2価の有機基(好ましくは、ポリブタジエン構造を有する2価の有機基またはポリカーボネート構造を有する2価の有機基)を示し、R2は、4価の有機基を示し、R3は、2価の有機基を示す。]
を有するポリイミド樹脂(以下「ポリイミド樹脂(1−a)(1−b)」と略称することがある。)が挙げられる。
ポリイミド樹脂(1−a)(1−b)の中でも、式(a−b−c)で表される構造:
[式中、R1〜R3は上記と同義であり、n及びmは整数を示す。]
を有するポリイミド樹脂(以下「ポリイミド樹脂(a−b−c)」と略称することがある。)が好ましい。nは、例えば1〜100の整数、好ましくは1〜10の整数であり、mは、例えば1〜100の整数、好ましくは1〜10の整数である。なお以下では、上述のポリイミド樹脂(1−a)(1−b)及びポリイミド樹脂(a−b−c)を、まとめて「ポリイミド樹脂(A)」と略称することがある。
ポリブタジエン構造を有する2価の有機基としては、例えば、原料として使用する2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエンのヒドロキシ基を除いた残基である。そのような基としては、例えば、以下のものが挙げられる。
[式(i−a)〜(i−d)中、n1は、5〜30の整数(好ましくは10〜20の整数)を示す。]
ポリイソプレン構造を有する2価の有機基としては、例えば、原料として使用する2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンのヒドロキシ基を除いた残基である。そのような基としては、例えば、以下のものが挙げられる。
[式(ii−a)及び(ii−b)中、n2は、5〜30の整数(好ましくは10〜20の整数)を示す。]
ポリカーボネート構造を有する2価の有機基としては、例えば、原料として使用するポリカーボネートジオールのヒドロキシ基を除いた残基である。そのような基としては、例えば、以下のものが挙げられる。
[式(iii)中、R4及びR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)のアルキレン基を示し、n3は、5〜30の整数(好ましくは10〜20の整数)を示す。]
4価の有機基としては、例えば、原料として使用する多塩基酸またはその無水物のカルボキシ基または酸無水物基を除いた残基である。そのような4価の有機基としては、例えば以下の基が挙げられる。
[式中、Aは、酸素原子、硫黄原子、CO、SO、SO、CH、CH(CH)、C(CH、C(CF、またはC(CClを表す。式中、芳香環上の水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基等で置換されていてもよい。]
R3である2価の有機基は、例えば、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた残基である。前記ジイソシアネート化合物としては、例えば、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらの中で芳香族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートが好ましく、トルエン−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートがより好ましい。
ポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造またはポリカーボネート構造を有するポリイミド樹脂は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン、2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンまたはポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物とを、2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン、2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンまたはポリカーボネートジオールのヒドロキシ基1モルに対するジイソシアネート化合物のイソシアネート基の量が1モルを超える比率で反応させ、式(a−b):
[式中、R1、R3及びnは上記と同義である。]
で表されるジイソシアネート反応物(以下「ジイソシアネート反応物(a−b)」と略称することがある。)を製造する。
原料として使用する2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエンの数平均分子量は、他の原料との相溶性が良好であるという観点から、好ましくは800〜10,000、より好ましくは1,000〜6,000である。なお、2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエンの数平均分子量の測定法は、上述の高分子樹脂の数平均分子量の測定法(GPC法)と同じである。また、前記R1である2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエンのヒドロキシ基を除いた残基の好ましい数平均分子量も前記と同じである。
2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエンとしては、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば、日本曹達(株)製のG−3000、G−1000、GI−3000,GI−1000、出光石油化学(株)製のR−45EPI等が挙げられる。
原料として使用する2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンの数平均分子量は、他の原料との相溶性が良好であるという観点から、好ましくは800〜10,000、より好ましくは1,000〜6,000である。なお、2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンの数平均分子量の測定法は、上述の高分子樹脂の数平均分子量の測定法(GPC法)と同じである。また、前記R1である2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンのヒドロキシ基を除いた残基の好ましい数平均分子量も前記と同じである。
2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンとしては、市販品を使用することができる。
原料として使用するポリカーボネートジオールの数平均分子量は、他原料との相溶性が良いという観点から、好ましくは500〜5,000、より好ましくは1,000〜3,000である。なお、ポリカーボネートジオールの数平均分子量の測定法は、上述の高分子樹脂の数平均分子量の測定法(GPC法)と同じである。また、前記R1であるポリカーボネートジオールのヒドロキシ基を除いた残基の好ましい数平均分子量も前記と同じである。
ポリカーボネートジオールとしては、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば、クラレ(株)製のC−1015N、C−2015N、旭化成ケミカルズ(株)製のT−6002、T−4672、T−5652、(株)ダイセル製の CD205、CD205PL、CD205HL、CD210、CD210PL、日本ポリウレタン工業(株)製のニッポラン981、980R等が挙げられる。
原料として使用するジイソシアネート化合物としては、例えば、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらの中で芳香族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートが好ましく、トルエン−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートがより好ましい。
2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン、2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンまたはポリカーボネートジオールのヒドロキシ基:ジイソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比が1:1.5〜1:2.5となる量で、これらを反応させるのが好ましい。
2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン、2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンまたはポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物との反応は、通常、有機溶媒中、80℃以下の温度で1〜8時間行われる。この反応では、必要により、触媒を用いてもよい。
上記有機溶媒としては、例えば、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラメチルウレア、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、ジグライム、トリグライム、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の極性溶媒を挙げることができる。これらの極性溶媒は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、必要により芳香族炭化水素等の非極性溶媒を適宜混合して用いてもよい。
上記触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫ジクロライド、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の有機金属触媒が挙げられる。
次に、得られたジイソシアネート反応物(a−b)に、多塩基酸またはその無水物を反応させる。
原料として使用する多塩基酸またはその無水物としては、例えば、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸等の四塩基酸及びこれらの無水物、トリメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸等の三塩基酸及びこれらの無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト(1,2−C)フラン−1,3−ジオン等が挙げられる。これらの中で、四塩基酸無水物が好ましく、四塩基酸二無水物がより好ましく、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物がさらに好ましい。
ポリイミド樹脂(A)中にイソシアネート基を極力残さないようにするため、ジイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基のモル量をX、2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン、2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンまたはポリカーボネートジオールに含まれるヒドロキシ基のモル量をW、多塩基酸またはその無水物に含まれるカルボキシ基のモル量をY及び酸無水物基のモル量をYとすると、0.5Y+Y>X−W≧(0.5Y+Y)/5の関係を満たす量で、反応を行うことが好ましい。
ジイソシアネート反応物(a−b)と多塩基酸またはその無水物との反応は、通常、120〜180℃の温度で、2〜24時間行われる。この反応では、必要により触媒を用いてもよい。また、上述した有機溶媒をさらに添加してから、反応を行ってもよい。
上記触媒としては、例えば、テトラメチルブタンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペリジン、α−メチルベンジルジメチルアミン、N−メチルモルホリン、トリエチレンジアミン等のアミン類が挙げられる。これらの中で、トリエチレンジアミンが好ましい。
ポリイミド樹脂(A)中にイソシアネート基(−NCO)を極力残さないようにするために、上記反応では、FT−IR等でイソシアネート基の消失を確認するのが好ましい。このようにして得られるポリイミド樹脂(A)の末端は式(1−c)または式(1−d):
[各式中、R2は上記と同義である。]
で表すことができる。
ポリイミド樹脂(A)の製造において、ジイソシアネート反応物(a−b)と多塩基酸またはその無水物とを反応させた後、得られた反応物をさらにジイソシアネート化合物と反応させることにより、より高分子量のポリイミド樹脂を製造することができる。この場合のイソシアネート化合物の反応割合は特に限定されないが、ジイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基のモル量をX、2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン、2官能性ヒドロキシ基末端ポリイソプレンまたはポリカーボネートジオールに含まれるヒドロキシ基のモル量をW、多塩基酸またはその無水物に含まれるカルボキシ基のモル量をY及び酸無水物基のモル量をY、さらに反応させるジイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基のモル量をZとすると、(0.5Y+Y)−(X−W)>Z≧0の関係を満たす量で、反応を行うことが好ましい。
さらなるジイソイシアネート化合物との上記反応は、通常、120〜180℃の温度で2〜24時間行われる。
なお、ジイソシアネート反応物(a−b)に、多塩基酸またはその無水物を反応させる際に、適宜多官能フェノール化合物等の改質剤を加えることも可能である。
<(B)無機充填剤>
本発明の樹脂組成物は、成分(B)として無機充填剤を含有する。無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、無定形シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ、球形シリカ等のシリカが好ましく、充填性を高める点から溶融シリカ、球形シリカがより好ましく、球形溶融シリカがさらに好ましい。市販されている球形溶融シリカとして、(株)アドマテックス製「SO−C2」、「SO−C1」等が挙げられる。
無機充填剤の平均粒径は、特に限定されないが、樹脂組成物に良好なアンダーフィル性能を付与するという観点から、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2μm以下がさらに好ましく、1μm以下がさらに一層好ましく、0.8μm以下が殊更好ましく、0.6μm以下が特に好ましい。一方、樹脂組成物の粘度が上昇し、取り扱い性が低下するのを防止するという観点から、該平均粒径は、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上がさらに好ましく、0.07μm以上がさらに一層好ましく、0.1μm以上が殊更好ましい。上記無機充填剤の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填剤の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填剤を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製 LA−950等を使用することができる。
無機充填剤として、1種またはそれ以上の表面処理剤で表面処理された無機充填剤を使用することが好ましい。表面処理剤としては、例えば、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、スチリルシラン系カップリング剤、アクリレートシラン系カップリング剤、イソシアネートシラン系カップリング剤、スルフィドシラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物及びチタネート系カップリング剤等が挙げられる。表面処理によって、無機充填剤の分散性や耐湿性を向上させることができる。
具体的な表面処理剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン等のアミノシラン系カップリング剤;3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン系カップリング剤;p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン系カップリング剤;3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジエトキシシラン等のアクリレートシラン系カップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネートシラン系カップリング剤;ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン系カップリング剤;メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、t−ブチルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤;ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、トリシラザン、シクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサオクチルジシラザン、1,3−ジエチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジ−n−オクチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザン、1,3−ジメチルテトラフェニルジシラザン、1,3−ジエチルテトラメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジメチルジシラザン、1,3−ジプロピルテトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ジメチルアミノトリメチルシラザン、テトラメチルジシラザン等のオルガノシラザン化合物;テトラ−n−ブチルチタネートダイマー、チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、テトラ−n−ブチルチタネート、チタンオクチレングリコレート、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシチタンビスラクテート、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらのなかでもアミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物が好ましく、アミノシラン系カップリング剤がより好ましい。市販品としては、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
表面処理剤による無機充填剤の表面処理方法は、特に限定されないが、乾式法や湿式法が挙げられる。乾式法としては、例えば、回転ミキサーに無機充填剤を仕込んで、撹拌しながら表面処理剤のアルコール溶液または水溶液を滴下または噴霧した後、さらに撹拌し、ふるいにより分級し、その後、加熱により表面処理剤と無機充填剤とを脱水縮合させる方法が挙げられる。湿式法としては、例えば、無機充填剤と有機溶媒とのスラリーを撹拌しながら表面処理剤を添加し、撹拌した後、濾過、乾燥及びふるいによる分級を行い、その後、加熱により表面処理剤と無機充填剤とを脱水縮合させる方法が挙げられる。
無機充填剤の樹脂組成物中の含有量は、基板の低反り実現の観点から、樹脂組成物中、好ましくは40〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%である。
<(C)エポキシ樹脂>
本発明の樹脂組成物は、成分(C)として、エポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、エポキシ当量が80g/eq以上8,000g/eq未満であるエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、より好ましくは80〜500g/eq、さらに好ましくは100〜400g/eq、特に好ましくは150〜300g/eqである。ここでエポキシ当量とは、1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)であり、JIS K 7236に規定された方法に従って測定される。また、エポキシ樹脂の数平均分子量は、好ましくは100〜5,000、より好ましくは200〜3,000である。
成分(C)であるエポキシ樹脂の含有量は、熱硬化後の樹脂組成物に耐薬品性を付与するという観点から、樹脂組成物中、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは3〜60質量%、さらに好ましくは5〜55質量%である。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ポリブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種または2種以上を使用できる。エポキシ樹脂は、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、およびナフタレン型エポキシ樹脂から選択される一つ以上が好ましい。
本発明では、成分(C)であるエポキシ樹脂は、樹脂組成物に十分な耐熱性を付与し、また樹脂組成物を適切な粘度とする観点から、25℃で固体のエポキシ樹脂を少なくとも含む。すなわち、成分(C)であるエポキシ樹脂の全量が25℃で液状のエポキシ樹脂であると、樹脂組成物の耐熱性が十分ではなく、その粘度も低すぎる傾向となる。25℃で固体のエポキシ樹脂を含むことで、十分な耐熱性、およびモールドアンダーフィルに最適な粘度を有する樹脂組成物を供することができる。なお、本発明でいう「樹脂組成物の粘度」とは、コンプレッションモールド(コンプレッションモールディング)での加熱温度(金型温度)である90〜160℃(好ましくは100〜130℃)での溶融粘度のことであり、該溶融粘度は、当該温度範囲において、10poise以上、20000poise以下が好ましく、下限値はより好ましくは500poise以上、さらに好ましくは2500poise以上であり、上限値は特に制限はないが、より好ましくは18000poise以下である。
25℃で固体のエポキシ樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格型エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂等が好ましく、より好ましくは、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂であり、特に好ましくはビフェニル型エポキシ樹脂である。25℃で固体のエポキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「YX−4000HK」(ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシ当量:約185g/eq)、日本化薬(株)製の「NC−3000H」(ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシ当量:288g/eq)等が挙げられる。25℃で固体のエポキシ樹脂は1種または2種以上を使用できる。
成分(C)であるエポキシ樹脂は、樹脂組成物における最適な耐熱性と粘度の観点から、25℃で固体のエポキシ樹脂と、25℃で液状のエポキシ樹脂の両方を含むことが好ましい。25℃で液状のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、およびブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂およびナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「828US」、「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、ナガセケムテックス(株)製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、(株)ダイセル製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)が挙げられる。25℃で液状のエポキシ樹脂は1種または2種以上を使用できる。
成分(C)であるエポキシ樹脂が、25℃で固体のエポキシ樹脂と、25℃で液状のエポキシ樹脂の両方を含む場合、その量比は、質量比(25℃で固体のエポキシ樹脂:25℃で液状のエポキシ樹脂)で、15:85〜30:70が好ましく、20:80〜25:75がより好ましい。
なお、成分(C)であるエポキシ樹脂とともに、エポキシ硬化剤(成分(E))を使用してもよい。エポキシ硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させる機能を有する限り特に限定されないが、例えば、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤(例えば、フェノールノボラック樹脂)、ナフトール系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、酸無水物系硬化剤、またはこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセル化したもの等を挙げることができる。エポキシ硬化剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤およびナフトール系硬化剤としては、耐熱性および耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、またはノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着性に優れる絶縁層を得る観点から、含窒素フェノール系硬化剤および含窒素ナフトール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤およびトリアジン骨格含有ナフトール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、および導体層との密着性を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂およびトリアジン骨格含有ナフトールノボラック樹脂が好ましい。フェノール系硬化剤およびナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学(株)製の「SN−170」、「SN−180」、「SN−190」、「SN−475」、「SN−485」、「SN−495」、「SN−375」、「SN−395」、DIC(株)製の「LA−7052」、「LA−7054」、「LA−3018」、「LA−1356」、「TD2090」等が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型等)シアネートエステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル系硬化剤、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型等)シアネートエステル系硬化剤、およびこれらが一部トリアジン化したプレポリマー等が挙げられる。具体例としては、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、およびビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマー等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。市販されているシアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、DT−4000、DT−7000)、ビスフェノール型シアネートエステル樹脂である「プリマセット(Primaset) BA200」(ロンザ(株)製)、「プリマセット(Primaset) BA230S」(ロンザ(株)製)、ビスフェノールH型シアネートエステル樹脂である「プリマセット(Primaset) LECY」(ロンザ(株)製)、「アロシー(Arocy)L10」(バンティコ(株)製)、ノボラック型シアネートエステル樹脂である「プリマセット(Primaset) PT30」(ロンザ(株)製)、「アロシー(Arocy)XU371」(バンティコ(株)製)、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂である「アロシー(Arocy)XP71787.02L」(バンティコ(株)製)等が挙げられる。シアネートエステル系硬化剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル(株)製の「V−03」、「V−07」等が挙げられる。
<(D)硬化促進剤>
本発明の樹脂組成物は、成分(D)として、硬化促進剤を含有する。成分(A)の高分子樹脂は、加熱により、成分(C)のエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して、成分(C)のエポキシ樹脂を硬化させる。硬化促進剤によって、成分(C)のエポキシ樹脂を効率よく硬化させることができる。硬化促進剤としては、特に限定されないが、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、ホスホニウム系硬化促進剤等が挙げられる。中でも、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。硬化促進剤は1種または2種以上を使用できる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体等が挙げられる。イミダゾール系硬化促進剤は、市販品を使用してもよい。市販のイミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、四国化成(株)製「2P4MZ」等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン(以下、DBUと略記する。)等のアミン化合物等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。
ホスホニウム系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。
硬化促進剤の含有量は、成分(C)であるエポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部である。
<他の成分>
本発明の樹脂組成物は、上述の成分(A)〜(E)のほかに、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、ビニルベンジルエーテル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、及びビスマレイミドとジアミンとの重合物等の、熱により成分(A)である高分子樹脂と反応することができる樹脂を含むことができる。
ビスマレイミド樹脂としては、例えば、4,4’−フェニルメタンビスマレイミドである「BMI−S」(三井化学(株)製)、ポリフェニルメタンマレイミドである「BMI−M−20」(三井化学(株)製)等が挙げられる。ビスマレイミド樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ビスアリルナジイミド樹脂としては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ビスアリルナジックイミドである「BANI−M」(丸善石油化学(株)製)等が挙げられる。ビスアリルナジイミド樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニルベンジルエーテル樹脂としては、例えば、V−1000X(昭和高分子(株)製)、米国特許第4116936号明細書、米国特許第4170711号明細書、米国特許4278708号明細書、特開平9−31006号公報、特開2001−181383号公報、特開2001−253992号公報、特開2003−277440号公報、特開2003−283076号公報、国際公開第02/083610号パンフレット記載のもの等が挙げられる。ビニルベンジルエーテル樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ベンゾオキサジン樹脂としては、例えば、四国化成(株)製「B−a型ベンゾオキサジン」、「B−m型ベンゾオキサジン」等が挙げられる。ベンゾオキサジン樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂であるビスマレイミド化合物とジアミン化合物との重合物としては、例えば、(株)プリンテック製の「テクマイトE2020」等が挙げられる。ビスマレイミド化合物とジアミン化合物との重合物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(成分(F))を含むことができる。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
熱可塑性樹脂としてはフェノキシ樹脂が好ましい。例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8フェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、新日鉄住金化学(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YL6954BH30」、「YX7553」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
なお、フェノキシ樹脂は、エポキシ樹脂と同様にエポキシ基を有し得るが、本発明において、これらをエポキシ当量で区別する場合、(C)成分であるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、80g/eq以上8,000g/eq未満であり、フェノキシ樹脂のエポキシ当量は8000g/eq以上である。
本発明の樹脂組成物は、さらに、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー、ゴム粒子等の有機充填材;オルベン、ベントン等の増粘剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤またはレベリング剤;チアゾール系シランカップリング剤、トリアゾール系シランカップリング剤等の密着性付与剤;フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤;有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等の難燃剤;等を含有していてもよい。
<平均粒径>
本発明の樹脂組成物は、平均粒径が60μm以上の粒状に調製されていることが主たる特徴の一つである。平均粒径は80μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、120μm以上がさらに一層好ましく、140μm以上が殊更好ましい。また、300μm以下が好ましく、280μm以上がより好ましい。平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、粒状樹脂組成物を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製 SALD2200等を使用することができる。
後述の実施例と比較例の対比から明らかなように、本発明の粒状樹脂組成物は、成分(A)〜(D)を含有する樹脂組成物が、平均粒径が60μm以上の粒状になっていることで、コンプレッションモールドにて、優れたアンダーフィル性能を発揮する、モールドアンダーフィルを行うことができる。
本発明の粒状樹脂組成物は、安息角が30°〜60°であることが好ましく、安息角が45°〜55°であることがより好ましい。安息角は以下の方法で測定される、粒状樹脂組成物の流動性の指標となる物性値であり、安息角が小さい程流動性に優れる。
(安息角の測定方法)
安息角は、40℃で5時間真空乾燥させた粒状樹脂組成物を「JIS R 9301−2−2 アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−2:安息角」に準拠して測定される。
安息角が上記の好適範囲にある粒状樹脂組成物は、適度な流動性を有していることから、基材(例えば、半導体基板(ウエハ等)、ガラスエポキシ基板、金属板、ガラス板等)上への優れた散布性を有することとなり、散布均一性の点でより良好なものとなる。粒状樹脂組成物の安息角は、例えば、粒状樹脂組成物の粒度分布の変更等によって調整することができる。
樹脂組成物を、上記の平均粒径及び安息角を有する粒状樹脂組成物に調製する方法は、特に限定されない。例えば、上記成分を適宜混合し、また、必要に応じて三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等の混練手段、あるいはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の撹拌手段により混練または混合して得られた固形物を、ナイフミル、ハンマーミル、パルベライザー等を用いて粉砕し、分級する方法が挙げられる。また、有機溶剤に上記成分を溶解乃至分散させたワニスを調製し、該ワニスを離型処理した支持体層に塗布し、加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて支持体層上に樹脂組成物層を形成させ、この後、支持体層から樹脂組成物層を剥離して樹脂組成物のフィルムを得、このフィルムをナイフミル、ハンマーミル、パルベライザー等を用いて粉砕し、分級する方法が挙げられる。分級は、例えば、湿式分級機、乾式分級機等の公知の分級機によって行われる。なお、樹脂組成物のフィルム形成に使用されるワニスの調製に使用する有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、支持体層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルムなどの各種プラスチックフィルム、離型紙、銅箔及びアルミニウム箔等の金属箔、または、離型処理が施された剥離性プラスチックフィルムに金属蒸着層(例えば銅蒸着層等)が形成された金属蒸着フィルムが挙げられる。樹脂組成物層(フィルム)の厚さは、樹脂組成物層(フィルム)の取り扱いやすさの観点から、30〜1000μm程度が好ましい。
本発明の粒状樹脂組成物を使用したコンプレッションモールドでのモールド条件は特に限定はされないが、半導体パッケージの製造においては、通常、金型温度:80〜160℃(好ましくは100〜140℃)、圧力:2〜15MPa(好ましくは3〜12MPa)、キュアタイム:2〜20min(好ましくは3〜12min)である。
本発明の粒状樹脂組成物は当業者間において、顆粒状組成物と表現される場合もある。
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の合成例等によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下に記載の「%」及び「部」は、特段の記載が無い限り、「質量%」及び「質量部」を意味する。
以下に記載の「当量」とは、1グラム当量の官能基を含む化合物のグラム数(g/eq)を意味する。言い換えると、以下に記載の「当量」とは、当量の対象である官能基を有する化合物の分子量を該化合物が有する官能基の数で除した値、即ち、官能基1個あたりの分子量を意味する。例えば、酸無水物当量とは、酸無水物基(カルボニルオキシカルボニル基)を有する化合物の分子量を1分子中に含まれる該化合物が有する酸無水物基の数で除した値、即ち、酸無水物基1個あたりの分子量を意味する。
合成例1:高分子樹脂A1ワニスの製造
反応容器に2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン(数平均分子量:5,047(GPC法)、水酸基当量:1798g/eq、固形分:100%、日本曹達(株)製「G−3000」)50gと、芳香族炭化水素系混合溶剤(沸点:184〜205℃、出光石油化学(株)製「イプゾール150」)23.5gと、ジブチル錫ラウレート0.005gとを混合し、均一に溶解させた。混合物が均一になったところで50℃に昇温し、更に撹拌しながら、トルエン−2,4−ジイソシアネート(イソシアネート基当量:87.08g/eq)4.8gを添加し、約3時間反応を行った。次いで、この反応物を室温まで冷却してから、これにベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(酸無水物当量:161.1g/eq)8.96gと、トリエチレンジアミン0.07gと、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点:217℃、(株)ダイセル社製「エチルジグリコールアセテート」)40.4gとを添加し、攪拌しながら130℃まで昇温し、約4時間反応を行った。FT−IRより2250cm−1のNCOピークの消失の確認を行った。NCOピーク消失の確認をもって反応の終点とみなし、反応物を室温まで降温してから、目開きが100μmである濾布で濾過して、イミド構造、ウレタン構造及びポリブタジエン構造を有する高分子樹脂A1のワニスを得た。
高分子樹脂A1ワニスの粘度:7.5Pa・s(25℃、E型粘度計)
高分子樹脂A1ワニスの固形分:50%
高分子樹脂A1の酸価:16.9mgKOH/g
高分子樹脂A1の数平均分子量:13,723
高分子樹脂A1のガラス転移温度:−10℃
高分子樹脂A1のポリブタジエン構造の含有率:50/(50+4.8+8.96)×100=78.4%
合成例2:高分子樹脂A2ワニスの製造
反応容器にポリカーボネートジオール(数平均分子量:約2,000、水酸基当量:1000g/eq、固形分:100%、クラレ(株)製「C−2015N」)80g及びジブチル錫ジラウレート0.01gを、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点:217℃、(株)ダイセル製「エチルジグリコールアセテート」)37.6g中に均一に溶解させた。次いで、該混合物を50℃に昇温し、さらに撹拌しながら、トルエン−2,4−ジイソシアネート(イソシアネート基当量:87.08g/eq)13.9gを添加し、約3時間反応を行った。次いで、この反応物を室温まで冷却してから、これにベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(酸無水物当量:161.1g/eq)14.3g、トリエチレンジアミン0.11g、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点:217℃、(株)ダイセル製「エチルジグリコールアセテート」)70.5gを添加し、撹拌しながら130℃まで昇温し、約4時間反応を行った。FT−IRより2250cm−1のNCOピークの消失の確認を行った。NCOピーク消失の確認をもって反応の終点とみなし、反応物を室温まで降温してから、目開きが100μmである濾布で濾過して、イミド構造、ウレタン構造及びポリカーボネート構造を有する高分子樹脂A2のワニスを得た。
高分子樹脂A2ワニスの粘度:6Pa・s(25℃、E型粘度計)
高分子樹脂A2ワニスの固形分:50%
高分子樹脂A2の酸価:15.6mgKOH/g
高分子樹脂A2の数平均分子量:11,500
高分子樹脂A2のガラス転移温度:−10℃
高分子樹脂A2のポリカーボネート構造の含有率:80/(80+13.9+14.3)×100=73.9%
合成例3:高分子樹脂A3ワニスの製造
反応容器に2官能性ヒドロキシ基末端ポリブタジエン(数平均分子量:5,047(GPC法)、水酸基当量:1500g/eq、固形分:100%、日本曹達(株)製「GI−3000」)50gと、芳香族炭化水素系混合溶剤(沸点:184〜205℃、出光石油化学(株)製「イプゾール150」)23.5gと、ジブチル錫ラウレート0.005gとを混合し、均一に溶解させた。混合物が均一になったところで50℃に昇温し、更に撹拌しながら、トルエン−2,4−ジイソシアネート(イソシアネート基当量:87.08g/eq)4.8gを添加し、約3時間反応を行った。次いで、この反応物を室温まで冷却してから、これにベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(酸無水物当量:161.1g/eq)8.96gと、トリエチレンジアミン0.07gと、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点:217℃、(株)ダイセル製「エチルジグリコールアセテート」)40.4gとを添加し、攪拌しながら130℃まで昇温し、約4時間反応を行った。FT−IRより2250cm−1のNCOピークの消失の確認を行った。NCOピーク消失の確認をもって反応の終点とみなし、反応物を室温まで降温してから、目開きが100μmである濾布で濾過して、イミド構造、ウレタン構造及びポリブタジエン構造を有する高分子樹脂A3のワニスを得た。
高分子樹脂A3ワニスの粘度:8.4Pa・s(25℃、E型粘度計)
高分子樹脂A3ワニスの固形分:50%
高分子樹脂A3の酸価:17.2mgKOH/g
高分子樹脂A3の数平均分子量:14540
高分子樹脂A3のガラス転移温度:−23℃
高分子樹脂A3のポリブタジエン構造の含有率:50/(50+4.8+8.96)×100=78.4%
実施例1
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:180g/eq、三菱化学(株)製「jER828EL」)35部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量:288g/eq、日本化薬(株)製「NC−3000H」)6部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量:約185g/eq、三菱化学(株)製「YX−4000HK」)9部、硬化促進剤(イミダゾール誘導体、四国化成(株)製「2P4MZ」)1部、高分子樹脂A1ワニス300部、液状ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量:151g/eq、DIC(株)製「HP−4032」)20部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量:105g/eq、DIC(株)製「TD−2090」)10部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製「SO−C2」、平均粒径:0.5μm)920部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、固形分が約89%の樹脂組成物ワニスを調製した。次に、このワニスを、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、以下「PETフィルム」と略称する。)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で10分間乾燥して支持体付き樹脂組成物フィルムを得た。支持体(PETフィルム)から樹脂組成物フィルムを引きはがし、樹脂組成物フィルム単体とした後、粉砕機に供し粉砕し、平均粒径270μm、安息角53°、100℃における溶融粘度950poiseの粒状樹脂組成物を得た。
実施例2
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:180g/eq、三菱化学(株)製「jER828EL」)35部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量:288g/eq、日本化薬(株)製「NC−3000H」)6部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量:約185g/eq、三菱化学(株)製「YX4000HK」)9部、硬化促進剤(イミダゾール誘導体、四国化成(株)製「2P4MZ」)1部、高分子樹脂A2ワニス246部、液状ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量:151g/eq、DIC(株)製「HP4032」)20部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量:105g/eq、DIC(株)製「TD2090」)10部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製「SO−C2」、平均粒径:0.5μm)920部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、固形分約92%の樹脂組成物ワニスを調製した。次に、このワニスを、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、以下「PETフィルム」と略称する。)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で10分間乾燥して支持体付き樹脂組成物フィルムを得た。支持体(PETフィルム)から樹脂組成物フィルムを引きはがし、樹脂組成物フィルム単体とした後、粉砕機に供し粉砕し、平均粒径246μm、安息角48°、100℃における溶融粘度6800poiseの粒状樹脂組成物を得た。
実施例3
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:180g/eq、三菱化学(株)製「jER828EL」)35部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量:288g/eq、日本化薬(株)製「NC−3000H」)6部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量:約185g/eq、三菱化学(株)製「YX4000HK」)9部、硬化促進剤(イミダゾール誘導体、四国化成(株)製「2P4MZ」)1部、高分子樹脂A3ワニス200部、液状ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量:151g/eq、DIC(株)製「HP4032」)20部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量:105g/eq、DIC(株)製「TD2090」)10部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製「SO−C2」、平均粒径:0.5μm)920部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、固形分約96%の樹脂組成物ワニスを調製した。次に、このワニスを、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、以下「PETフィルム」と略称する。)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で10分間乾燥して支持体付き樹脂組成物フィルムを得た。支持体(PETフィルム)から樹脂組成物フィルムを引きはがし、樹脂組成物フィルム単体とした後、粉砕機に供し粉砕し、平均粒径150μm、安息角50°、100℃における溶融粘度4000poiseの粒状樹脂組成物を得た。
比較例1
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:180、三菱化学(株)製「jER828EL」)40部、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(エポキシ当量:163、DIC(株)製「HP−4710」)22部、硬化促進剤(イミダゾール誘導体、四国化成(株)製「2P4MZ」)1部、フェノキシ樹脂溶液(三菱化学(株)製「YX−6954」、MEKとシクロヘキサノンとの混合溶液、不揮発分:30%)20部、ナフトール系硬化剤(水酸基当量:215、新日鐵住金(株)製「SN−485」)のMEK溶液(不揮発分:50%)30部、MEK30部、および無機充填剤{フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ((株)アドマテックス製、「SO−C2」、平均粒径0.5μm)}300部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、固形分約87%の樹脂組成物ワニスを調製した。次に、このワニスを、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、以下「PETフィルム」と略称する。)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で10分間乾燥して支持体付き樹脂組成物フィルムを得た。支持体(PETフィルム)から樹脂組成物フィルムを引きはがし、樹脂組成物フィルム単体とした後、粉砕機に供し粉砕し、平均粒径が56μm、安息角63°、100℃における溶融粘度2000poiseの粒状樹脂組成物を得た。
比較例2
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、三菱化学(株)製「jER828EL」)35部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量288、日本化薬(株)製、「NC−3000H」)6部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量約185、三菱化学(株)製「YX4000HK」)9部、イミダゾール誘導体(四国化成(株)製、「2P4MZ」)1部、ポリイミド樹脂A1ワニス300部、液状ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量151、DIC(株)製、「HP4032」20部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量105、DIC(株)製、「TD2090」)10部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製、「SO−C2」、平均粒径0.5μm)920部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、固形分約88%の樹脂組成物ワニスを調製した。次に、このワニスを、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、以下「PETフィルム」と略称する。)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で10分間乾燥して支持体付き樹脂組成物フィルムを得た。支持体(PETフィルム)から樹脂組成物フィルムを引きはがし、樹脂組成物フィルム単体を得た。
比較例3
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、三菱化学(株)製「jER828EL」)35部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量288、日本化薬(株)製、「NC−3000H」)6部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量約185、三菱化学(株)製「YX4000HK」)9部、イミダゾール誘導体(四国化成(株)製、「2P4MZ」)1部、ポリイミド樹脂A1ワニス300部、液状ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量151、DIC(株)製、「HP4032」20部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量105、DIC(株)製、「TD2090」)10部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製、「SO−C2」、平均粒径0.5μm)920部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、固形分約88%の樹脂組成物ワニスを調製した。次に、このワニスを、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、以下「PETフィルム」と略称する。)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で10分間乾燥して支持体付き樹脂組成物フィルムを得た。支持体(PETフィルム)から樹脂組成物フィルムを引きはがし、樹脂組成物フィルム単体とした後、粉砕機に供し粉砕し、分級して、平均短径が45μm、安息角が65°、100℃における溶融粘度950poiseの粒状樹脂組成物を得た。
上記実施例および比較例を以下の評価試験に供した。なお、以下の評価試験において、実施例1〜3の樹脂組成物及び比較例1、3の樹脂組成物は、粒状態で使用し、比較例2の樹脂組成物はフィルム状態で使用した。
(1)反り評価
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.3mm、大きさ30cm×30cm、松下電工(株)製R5715ES]の両面をメック(株)製CZ8100に浸漬して銅表面の粗化処理を行った後、実施例1〜3、比較例1〜3で得られた樹脂組成物を用いて、コンプレッションモールド装置にて、金型温度:130℃、圧力:8Mpa、キュアタイム:10minの条件で圧縮成型して樹脂層を形成した後、ポストキュア160℃30分を実施して、樹脂付き積層板を得た。平坦面上に、得られた樹脂付き積層板を置き、最も反りが大きい箇所の反り量を測定した。
反り量が0mm以上、6mm未満を良好(○)、6mm以上、15mm未満を可(△)、15mm以上を不可(×)と評価した。
(2)モールドアンダーフィル評価
12インチシリコンウエハ上にバンプ(高さ50μm、ピッチ50μm、サイズ40μm)を搭載した1cm角のシリコンチップを配置し、その上から実施例1〜3、比較例1〜3の樹脂組成物を用いて、コンプレッションモールド装置にてモールドアンダーフィルした。コンプレッションモールド条件は、金型温度:130℃、圧力:8MPa、キュアタイム:10minとした。その後、シリコンチップ下の部分に樹脂組成物が充填されているか否かを超音波映像装置(SAT)で確認した。充填されているものを良好(○)、未充填部分の面積が1平方ミリメートル未満のものを可(△)、未充填部分の面積が1平方ミリメートル以上あるものを不可(×)と評価した。
(3)デラミネーション評価
12インチシリコンウエハ上にバンプ(高さ50μm、ピッチ50μm、サイズ40μm)を搭載した1cm角のシリコンチップを配置し、その上から実施例1〜3、比較例1〜3の樹脂組成物を用いて、コンプレッションモールド装置にてモールドした(コンプレッションモールド条件=金型温度:130℃、圧力:8MPa、キュアタイム:10min)。サンプルの表面ピーク温度が260℃となるように設定したリフロー装置で処理し、チップ/樹脂組成物の界面のデラミネーションの有無を超音波映像装置(SAT)で確認した。デラミネーションが生じていないものを良好(○)、生じているものを不可(×)と評価した。
(4)フローマーク評価
12インチシリコンウエハ上にバンプ(高さ50μm、ピッチ50μm、サイズ40μm)を搭載した1cm角のシリコンチップを配置し、その上から実施例1〜3、比較例1〜3の樹脂組成物を用いて、コンプレッションモールド装置にてモールドアンダーフィルした。コンプレッションモールド条件は、金型温度:130℃、圧力:8MPa、キュアタイム:10minとした。その後、チップ/樹脂組成物の界面のフローマーク有無を超音波映像装置(SAT)で確認した。フローマークが生じていないものを良好(○)、生じているものを不可(×)と評価した。
下記表1に実施例1〜3及び比較例1〜3の樹脂組成物の配合組成と組成物の形態、及び、評価結果を示す。なお、樹脂組成物の構成材料の配合量は全て固形分換算値である。

Claims (10)

  1. (A)数平均分子量が5000〜25000であり、ポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造、ポリカーボネート構造、(メタ)アクリレート構造及びポリシロキサン構造から選択される一つ以上の構造を有する高分子樹脂、
    (B)無機充填剤、
    (C)エポキシ樹脂、及び
    (D)硬化促進剤
    を含む粒状樹脂組成物であって、
    平均粒径が60μm以上であることを特徴とする、粒状樹脂組成物。
  2. 平均粒径が60μm以上300μm以下である、請求項1記載の粒状樹脂組成物。
  3. 安息角が30°〜60°である、請求項1又は2記載の粒状樹脂組成物。
  4. 成分(A)である高分子樹脂が、ポリブタジエン構造、ポリイソプレン構造、ポリカーボネート構造、(メタ)アクリレート構造及びポリシロキサン構造から選択される一つ以上の構造を有するポリイミド樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒状樹脂組成物。
  5. 成分(A)である高分子樹脂が、式(1−a)で表される構造及び式(1−b)で表される構造:
    [式中、R1は、ポリブタジエン構造を有する2価の有機基、ポリイソプレン構造を有する2価の有機基、またはポリカーボネート構造を有する2価の有機基を示し、R2は、4価の有機基を示し、R3は2価の有機基を示す。]
    を有するポリイミド樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒状樹脂組成物。
  6. (C)エポキシ樹脂が、(C1)25℃で固体のエポキシ樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒状樹脂組成物。
  7. (C)エポキシ樹脂が、(C1)25℃で固体のエポキシ樹脂、および(C2)25℃で液状のエポキシ樹脂を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒状樹脂組成物。
  8. 成分(A)である高分子樹脂の含有量が樹脂組成物の不揮発成分全体当たり6〜40質量%であり、成分(B)である無機充填剤の含有量が樹脂組成物の不揮発成分全体当たり、50〜92質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒状樹脂組成物。
  9. 半導体パッケージの封止材料用である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒状樹脂組成物。
  10. モールドアンダーフィル用である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒状樹脂組成物。
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