JP2017052724A - 毛髪処理剤 - Google Patents

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Akikatsu Kimura
彰克 木村
靖幸 村瀬
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靖幸 村瀬
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Katsuhisa Inoue
勝久 井上
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Abstract

【課題】ダメージ毛に対しても湿潤時から乾燥後まで良好な指通り性、滑らかさ、及びコート感を付与することができる毛髪処理剤を提供する。
【解決手段】分子中に1以上5以下のアミノ基を有し、該アミノ基と、所定の第4級アンモニウムカチオン含有基とが結合し、該分子中の該アミノ基の数と第4級アンモニウムカチオンの数の合計が2以上10以下であり、該第4級アンモニウムカチオン含有基に含まれる炭素を除く該分子中の炭素数が0以上24以下である化合物、又はその塩を含有する毛髪処理剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は毛髪処理剤に関する。より詳しくは、ダメージ毛に対しても乾燥後に良好な指通り性や滑らかさ、コート感を付与することができる毛髪処理剤に関する。
日常の洗髪処理によるダメージの他、近年、ヘアカラー、パーマ等の化学施術、若年層の女性を中心に習慣化してきているヘアアイロン、ドライヤー等の熱を利用したヘアセットなどにより、毛髪表面を覆う脂肪酸である18−メチルエイコサン酸(18−MEA)の喪失を伴い、毛髪表面の親水化と共に、表面摩擦の増大を引き起こすことが報告されている(非特許文献1、2)。そのようなダメージの蓄積により、毛髪湿潤時から乾燥にかけての指通りの悪さ、滑らかさの喪失が消費者の大きな悩みとなっている。
コンディショニング効果に優れ、乾燥後も良好な感触を付与する基剤としては、例えばアミドカチオン組成物が提案されている(特許文献1)。また、更なる感触改善として第3級エーテルアミン又はその塩からなるコンディショニング剤が提案されている(特許文献2)。
Hiroto Tanamachiほか7名,「Deposition of 18-MEA onto alkaline-color-treated weathered hair to form a persistent hydrophobicity」,Journal of Cosmetic Science., 60,31-44 (2009) Hiroto Tanamachiほか4名,「18-MEA and hair appearance」,Journal of Cosmetic Science., 61,147-160 (2010)
特開平4−66520号公報 特開2004−2261号公報
特許文献1、特許文献2で開示された技術を近年のダメージ毛に対して適用しても、毛髪乾燥後までの指通りや滑らかさ、コート感を十分に満足することができなかった。
本発明は、湿潤時から乾燥後まで、従来に比べ良好な指通り性や滑らかさ、コート感を毛髪に付与することができる毛髪処理剤、及びそれを含有する毛髪化粧料に関する。
本発明は、分子中に1以上5以下のアミノ基を有し、該アミノ基と、下記一般式(1)で表される基及び下記一般式(2)で表される基から選ばれる1種以上の第4級アンモニウムカチオン含有基とが結合し、該分子中の該アミノ基の数と第4級アンモニウムカチオンの数の合計が2以上10以下であり、該一般式(1)で表される基に含まれる炭素及び一般式(2)で表される基に含まれる炭素を除く該分子中の炭素数が0以上24以下である化合物、又はその塩を含有する毛髪処理剤、及び該毛髪処理剤を含有する毛髪化粧料に関する。
、Rは、それぞれ独立に、炭素数1又は2のアルキル基である。Rは炭素数2以上4以下のアルキレン基である。Rは炭素数14以上24以下の炭化水素基である。Xはハロゲンイオンを表す。
は、−O−CO−R、−O−CO−NH−R、−O−R、及び−O−CH−CH(OH)−Rから選ばれる基である。R、R、R、Rは、炭素数14以上24以下の炭化水素基である。R10、R11、R12は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下の炭化水素基である。Xはハロゲンイオンを表す。
本発明の毛髪処理剤及びこれを含有する毛髪化粧料によれば、ダメージ毛に対しても湿潤時から乾燥後まで良好な指通り性、滑らかさ、及びコート感を付与することができる。
[毛髪処理剤]
本発明の毛髪処理剤は、分子中に1以上5以下のアミノ基を有し、該アミノ基と、下記一般式(1)で表される基及び下記一般式(2)で表される基から選ばれる1種以上の第4級アンモニウムカチオン含有基とが結合し、該分子中の該アミノ基の数と第4級アンモニウムカチオンの数の合計が2以上10以下であり、該一般式(1)で表される基に含まれる炭素及び一般式(2)で表される基に含まれる炭素を除く該分子中の炭素数が0以上24以下である化合物、又はその塩を含有することを特徴とする。
、Rは、それぞれ独立に、炭素数1又は2のアルキル基である。Rは炭素数2以上4以下のアルキレン基である。Rは炭素数14以上24以下の炭化水素基である。Xはハロゲンイオンを表す。
は、−O−CO−R、−O−CO−NH−R、−O−R、及び−O−CH−CH(OH)−Rから選ばれる基である。R、R、R、Rは、炭素数14以上24以下の炭化水素基である。R10、R11、R12は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下の炭化水素基である。Xはハロゲンイオンを表す。
以下の記載においては、本発明の毛髪処理剤が含有する上記化合物について説明するが、該化合物中のアミノ基はアミン塩の状態をとっていても本発明の効果を奏することから、本発明の毛髪処理剤には前記化合物の他、前記化合物の塩を含有するものも含まれる。
また本発明において、毛髪処理剤とは、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショニング剤等の毛髪化粧料に配合することにより、本発明の効果をはじめとする各種性能を付与することができる基剤である。
当該毛髪処理剤は、上記特定の化合物又はその塩を含有することで、毛髪の湿潤時のみならず、乾燥後まで、良好な指通り性や滑らかさ、コート感を付与することができる。
本発明の毛髪処理剤が上記効果を奏する理由は定かではないが、次のように考えられる。本発明の毛髪処理剤が含有する前記化合物又はその塩は、アミン又はアミン塩部位、及び第4級アンモニウムカチオンを複数有することで毛髪のダメージ部位への吸着性を高め、かつ、炭素数14以上24以下の炭化水素基を複数有することで効率的に毛髪表面を疎水的に改質することができる。これにより、湿潤時のみならず、乾燥後まで良好な指通りを発現すると考えられる。
本発明の毛髪処理剤が含有する前記化合物は、分子中に1以上5以下のアミノ基を有し、該アミノ基と、前記一般式(1)で表される基及び前記一般式(2)で表される基から選ばれる1種以上の第4級アンモニウムカチオン含有基とが結合した構造を有している。
第4級アンモニウムカチオン含有基を結合させて本発明の効果を付与する観点から、前記化合物は分子中に1以上のアミノ基を有することが必要である。また分子中のアミノ基が5以下であれば、第4級アンモニウムカチオン含有基が結合しない部位が残存し難く好ましい。本発明の効果を付与する観点から、分子中のアミノ基は好ましくは1以上4以下、より好ましくは1以上3以下である。
なお本発明で規定する上記アミノ基には、アミド基中の−NH−は含まれないものとする。
該アミノ基は、上記特定の第4級アンモニウムカチオン含有基を結合させて本発明の効果を発現する観点から、2級又は3級アミノ基が好ましく、3級アミノ基であることがより好ましい。
また、前記化合物は第4級アンモニウムカチオン含有基を有することにより、該カチオン部位が毛髪に吸着して、毛髪の湿潤時から乾燥後まで、良好な指通り性や滑らかさ、コート感を付与することができる。第4級アンモニウムカチオンはN(R)で表され、式中のRは水素原子以外の基である。
毛髪への吸着性を高め、本発明の効果を得る観点から、前記化合物においては、分子中のアミノ基の数と第4級アンモニウムカチオンの数の合計が2以上10以下である。この合計数が2以上であると毛髪への適度な吸着性が得られ、10以下であると適度に親水性が付与され、洗い流されることなく毛髪に吸着して本発明の効果が得られる。上記観点から、前記化合物の分子中のアミノ基の数と第4級アンモニウムカチオンの数の合計は、好ましくは3以上であり、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。
前記化合物が有する第4級アンモニウムカチオン含有基は、前記一般式(1)で表される基及び前記一般式(2)で表される基から選ばれる1種以上であり、いずれも第4級アンモニウムカチオン及び炭素数14以上24以下の炭化水素基を有している。前記第4級アンモニウムカチオン含有基が炭素数14以上24以下の炭化水素基を有することにより、親水的なダメージ毛表面を疎水的に改質し、毛髪の湿潤時から乾燥後まで、良好な指通り性や滑らかさ、コート感を付与することができる。該炭素数は、乾燥後の指通りや滑らかさ、コート感の観点から、好ましくは16以上であり、毛髪に吸着し本発明の効果を得る観点から、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
当該炭化水素基としては、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等の直鎖アルキル基;イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソイコシル基、イソヘンイコシル基、イソドコシル基等の分岐アルキル基;テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基等の直鎖アルケニル基;イソテトラデセニル基、イソペンタデセニル基、イソヘキサデセニル基、イソヘプタデセニル基、イソオクタデセニル基、イソノナデセニル基、イソイコセニル基、イソヘンイコセニル基、イソドコセニル基等の分岐アルケニル基;シクロアルキル基;シクロアルケニル基;アリール基;アラルキル基等が挙げられる。これらの中では、本発明の効果を得る観点から、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、直鎖アルケニル基、及び分岐アルケニル基から選ばれる1種以上が好ましく、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基から選ばれる1種以上がより好ましく、直鎖アルキル基が更に好ましく、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、及びドコシル基から選ばれる1種以上がより更に好ましく、ヘプタデシル基及びオクタデシル基から選ばれる1種以上がより更に好ましい。
前記第4級アンモニウムカチオン含有基は、下記一般式(1)で表される基及び下記一般式(2)で表される基から選ばれる1種以上である。
、Rは、それぞれ独立に、炭素数1又は2のアルキル基である。Rは炭素数2以上4以下のアルキレン基である。Rは炭素数14以上24以下の炭化水素基である。Xはハロゲンイオンを表す。
は、−O−CO−R、−O−CO−NH−R、−O−R、及び−O−CH−CH(OH)−Rから選ばれる基である。R、R、R、Rは、炭素数14以上24以下の炭化水素基である。R10、R11、R12は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下の炭化水素基である。Xはハロゲンイオンを表す。
前記一般式(1)において、R、Rは、メチル基又はエチル基であり、本発明の効果を得る観点から、共にメチル基であることがより好ましい。Rは、本発明の効果を得る観点から、炭素数2又は3のアルキレン基であることが好ましく、トリメチレン基であることがより好ましい。
は、炭素数14以上24以下の炭化水素基であり、好ましい態様は、前述した炭素数14以上24以下の炭化水素基と同じである。Xはハロゲンイオンであり、本発明の効果を得る観点から、好ましくはClである。
前記一般式(2)において、R中のR、R、R、Rの好ましい態様は、前述した炭素数14以上24以下の炭化水素基と同じである。R10、R11、R12は、本発明の効果を得る観点から、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基から選ばれる基がより好ましく、メチル基又はエチル基であることが更に好ましい。Xはハロゲンイオンであり、本発明の効果を得る観点から、好ましくはClである。
更に前記化合物は、上記一般式(1)で表される基に含まれる炭素及び上記一般式(2)で表される基に含まれる炭素を除く分子中の炭素数が0以上24以下である。該炭素数が24以下であると、化合物の結晶性が低く、毛髪化粧料に配合した際に安定である。一方、前記化合物の分子中に、前記一般式(1)及び(2)で表される基に含まれる炭素以外の炭素が存在すると、該炭素により複数のアミノ基が連結された分岐型構造を形成できるので、前記化合物の毛髪への吸着性がより良好になる。また、前記一般式(1)及び(2)で表される基以外の部分にも炭素数14以上24以下の炭化水素基を導入することで、毛髪への吸着性をより良好にすることができる。
上記観点から、前記化合物は、一般式(1)及び(2)で表される基に含まれる炭素を除く該分子中の炭素数が好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは6以上、より更に好ましくは12以上、より更に好ましくは16以上であり、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
具体的には、前記化合物又はその塩は、下記一般式(3)で表される化合物及びその塩、並びに下記一般式(4)で表される化合物及びその塩から選ばれる1種以上であることが好ましく、親水性、疎水性のバランスの観点から、下記一般式(3)で表される化合物及びその塩がより好ましい。
sは1、2又は3である。R13は、水素原子又は炭素数1以上24以下の炭化水素基であり、3−s個のR13は、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。Yは、前記一般式(1)又は一般式(2)で表される基であり、s個のYは、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
t及びuはそれぞれ独立に、0、1又は2である。R14及びR15は、水素原子又は炭素数1以上24以下の炭化水素基であり、2−t個のR14、及び2−u個のR15は、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。R16及びR17は、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキレン基である。pは0以上8以下の整数である。Yは、前記一般式(1)又は一般式(2)で表される基であり、t個のY、及びu個のYは、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。Zは、水素原子、炭素数1以上24以下の炭化水素基、又はYであり、p個のZは、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。tとuが同時に0のとき、p個のZのうち少なくとも1つはYである。
前記一般式(3)において、sは、毛髪への吸着性の観点から、好ましくは2以上、3以下である。R13は、毛髪への疎水性を付与する観点から、炭素数1以上24以下の炭化水素基であることが好ましい。同様の観点から、該炭化水素基の炭素数は好ましくは6以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上である。また、化合物の結晶性が高くなり、毛髪化粧料に配合した際の安定性が低下するのを回避する観点から、該炭化水素基の炭素数は好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
当該炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソノニル基、イソデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソイコシル基、イソヘンイコシル基、イソドコシル基等の分岐アルキル基;ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基等の直鎖アルケニル基;イソブテニル基、イソペンテニル基、イソヘキセニル基、イソヘプテニル基、イソオクテニル基、イソデセニル基、イソウンデセニル基、イソドデセニル基、イソトリデセニル基、イソテトラデセニル基、イソペンタデセニル基、イソヘキサデセニル基、イソヘプタデセニル基、イソオクタデセニル基、イソノナデセニル基、イソイコセニル基、イソヘンイコセニル基、イソドコセニル基等の分岐アルケニル基;シクロアルキル基;シクロアルケニル基;アリール基;アラルキル基等が挙げられる。これらの中では、本発明の効果を得る観点から、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、直鎖アルケニル基、及び分岐アルケニル基から選ばれる1種以上が好ましく、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基から選ばれる1種以上がより好ましく、直鎖アルキル基が更に好ましく、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、及びドコシル基から選ばれる1種以上がより更に好ましく、ヘプタデシル基及びオクタデシル基から選ばれる1種以上がより更に好ましい。
前記一般式(4)において、t及びuは、毛髪への吸着性の観点から、それぞれ、好ましくは1以上、より好ましくは2以上である。
14及びR15は、毛髪への疎水性を付与する観点から、炭素数1以上24以下の炭化水素基であることが好ましい。同様の観点から、該炭化水素基の炭素数は好ましくは6以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上である。また、化合物の結晶性が高くなり、毛髪化粧料に配合した際の安定性が低下するのを回避する観点から、該炭化水素基の炭素数は好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
14及びR15が炭素数1以上24以下の炭化水素基である場合、その具体例及び好ましい態様は、前述したR13と同じである。
前記一般式(4)において、R16及びR17は、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキレン基であり、毛髪への吸着の観点から、好ましくは炭素数2以上、より好ましくは3以上であり、好ましくは炭素数4以下である。pは0以上8以下の整数であり、適度な親水性が付与されることにより前記化合物が洗い流されることなく毛髪に吸着する観点から、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下、より更に好ましくは2以下である。
前記化合物中の前記アミノ基の数と前記第4級アンモニウムカチオンの数の合計は、前記化合物中の炭素数14以上24以下の炭化水素基の数以上であることが好ましい。この場合、毛髪への吸着性がより良好になる。この観点から、前記化合物において、(アミノ基及び第4級アンモニウムカチオンの数の合計)−(炭素数14以上24以下の炭化水素基の数)の値は、好ましくは0以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
なお、ここでいう「炭素数14以上24以下の炭化水素基の数」とは、前記一般式(1)及び(2)で表される基に含まれる炭素数14以上24以下の炭化水素基と、それ以外の部分に含まれる炭素数14以上24以下の炭化水素基との合計数である。
[毛髪処理剤の製造方法]
本発明の毛髪処理剤の製造方法には特に制限はないが、前記第4級アンモニウムカチオン含有基が前記一般式(1)で表される基である化合物(以下「化合物(A1)」ともいう)又はその塩である場合、及び、前記第4級アンモニウムカチオン含有基が前記一般式(2)で表される基である化合物(以下「化合物(A2)」ともいう)又はその塩である場合の毛髪処理剤の製造方法について各々説明する。
<化合物(A1)又はその塩を含む毛髪処理剤の製造方法>
前記化合物(A1)又はその塩を含む毛髪処理剤の製造方法は、下記の工程11及び工程12を有することが好ましい。
工程11:アンモニア、又は、第1級又は第2級アミノ基を1つ以上有する炭素数1以上24以下の化合物と、エピハロヒドリンとを反応させて、ハロヒドリン化物を得る工程
工程12:工程11で得られたハロヒドリン化物と、下記一般式(5)で表される化合物とを反応させる工程
〜Rは、前記と同じである。
(工程11)
工程11では、アンモニア、又は、第1級又は第2級アミノ基を1つ以上有する炭素数1以上24以下の化合物と、エピハロヒドリンとを反応させて、ハロヒドリン化物を得る。
第1級又は第2級アミノ基を1つ以上有する炭素数1以上24以下の化合物(以下「原料アミン」ともいう)において、アミノ基が多すぎることにより未反応アミンが残存しやすくなるのを避ける観点から、該アミノ基の数は好ましくは4つ以下、より好ましくは3つ以下である。前記一般式(3)で表される化合物を得る観点からは、アミノ基は好ましくは1つである。
毛髪に疎水性を付与する観点から、原料アミンの炭素数は好ましくは6以上であり、化合物の結晶性が高くなり、毛髪化粧料に配合した際の安定性が低下するのを回避する観点から、原料アミンの炭素数は好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
当該原料アミンとしては、エピハロヒドリンと反応させる観点から、第1級又は第2級アミノ基を1つ以上有する脂肪族アミンが好ましく、第1級又は第2級アミノ基を1つ以上有する直鎖状飽和脂肪族アミンがより好ましく、第1級アミノ基を1つ以上有する直鎖状飽和脂肪族アミンが更に好ましく、第1級アミノ基を1つ有する直鎖状飽和脂肪族モノアミンがより更に好ましい。
当該原料アミンの具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、へキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、イコシルアミン等の直鎖脂肪族モノアミン;エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の直鎖脂肪族ジアミン;及び、3,3’−ジアミノジプロピルアミン等が挙げられる。
これらの中でも、エピハロヒドリンと反応させる化合物としては、本発明の効果を得る観点から、アンモニア、オクタデシルアミン、ヘキサメチレンジアミン、及び3,3’−ジアミノジプロピルアミンから選ばれる1種以上が好ましく、オクタデシルアミンがより好ましい。
エピハロヒドリンとしては、反応性及び入手容易性の点から、エピクロロヒドリンが好ましい。
アンモニア、又は原料アミンと、エピハロヒドリンとの反応(以下、「開環付加反応」ともいう)において用いるエピハロヒドリンの量は、第4級アンモニウムカチオン含有基の導入量に応じて適宜選択できる。第4級アンモニウムカチオン含有基の導入量、及び反応効率の観点から、アンモニア、又は原料アミンに対するエピハロヒドリンの量は、好ましくは1.0当量以上、10当量以下である。
前記開環付加反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、アンモニア又は原料アミン、及びエピハロヒドリンを溶解しうる溶媒であれば特に制限はないが、反応後の除去が容易である観点から、炭素数1以上6以下の1価アルコールが好ましく、炭素数2以上4以下の1価アルコールがより好ましく、エタノール及びイソプロピルアルコールから選ばれる1種以上が更に好ましく、エタノールがより更に好ましい。
前記開環付加反応は、回分式で反応を行うことができる。ここで回分式とは、一定容積の反応容器に反応原料を投入し、反応の途中もしくは終了後に生成物を取り出す反応方法のことをいう。
前記開環付加反応は、例えば、回分式反応装置にアンモニア又は原料ジアミン、及びエピハロヒドリンを導入して反応を開始してもよい。また、アンモニア又は原料ジアミンを含む溶液を回分式反応装置に導入した後、この溶液を反応温度に加温し、これにエピハロヒドリンを滴下しながら反応を行ってもよい。
前記開環付加反応は発熱反応であるので、アンモニア又は原料ジアミンの溶液を撹拌しながら、エピハロヒドリンを連続滴下するか又は分割添加して徐々に反応させることが好ましい。
前記開環付加反応における反応温度は、反応性及び生産性の観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上であり、製品の品質等の観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは50℃以下、更に好ましくは40℃以下である。
前記開環付加反応における反応時間は、生成物中の残存原料を低減する観点から、好ましくは24時間以上、より好ましくは48時間以上であり、生産性の観点からは、好ましくは120時間以下、より好ましくは100時間以下である。
また前記開環付加反応は、副反応を抑制する観点から、不活性ガス雰囲気下、特にアルゴンガス、窒素ガス雰囲気下において行うこともできる。
以上のようにしてアンモニア、又は、第1級又は第2級アミノ基を1つ以上有する炭素数1以上24以下の化合物のハロヒドリン化物を得ることができる。
(工程12)
工程12では、工程11で得られたハロヒドリン化物と、下記一般式(5)で表される化合物とを反応させる。これにより、前記一般式(1)で表される基を有する前記化合物(A1)又はその塩が得られる。
〜R及びその好ましい態様は、前記と同じである。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)イコサナミド、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘンイコサナミド、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド及びN−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドから選ばれる1種以上が好ましく、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドがより好ましい。
工程12における前記一般式(5)で表される化合物の使用量は、前記一般式(1)で表される基の導入量を所望の範囲に調整できる量であれば特に制限はないが、工程11で得られるハロヒドリン化物のハロゲンに対し、好ましくは0.8当量以上、より好ましくは1.0当量以上であり、好ましくは1.2当量以下、より好ましくは1.1当量以下である。
当該反応は、反応速度向上の観点から、触媒存在下で行うことが好ましい。触媒としてはアルカリ性触媒が好ましく用いられ、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルコキサイド及び水素化物から選ばれる1種以上が挙げられる。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられるが、取り扱いの容易さと反応性の観点から、ナトリウム及びカリウムから選ばれる1種以上が好ましい。アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられるが、バリウムが好ましい。
アルカリ性触媒は、反応性及び経済性の観点から、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、及びアルコキサイドから選ばれる1種以上が好ましく、アルカリ金属のアルコキサイドから選ばれる1種以上がより好ましく、ナトリウムメトキシドが更に好ましい。
当該触媒の使用量は、反応速度及び経済性の観点から、工程11で得られるハロヒドリン化物のハロゲンに対し、好ましくは0.01当量以上0.2当量以下の範囲である。
当該反応は、工程11と同様の有機溶媒中で行うことが好ましい。
工程12における反応温度は、反応性及び生産性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上であり、製品の品質等の観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは100℃以下である。
反応時間は、生成物中の残存原料を低減する観点から、好ましくは2時間以上、より好ましくは5時間以上、更に好ましくは8時間以上であり、生産性の観点からは、好ましくは72時間以下、より好ましくは48時間以下、更に好ましくは32時間以下である。
反応終了後は、必要に応じ減圧乾燥等により有機溶媒を除去する操作を行い、生成物を単離することができる。
<化合物(A2)又はその塩を含む毛髪処理剤の製造方法>
前記化合物(A2)又はその塩を含む毛髪処理剤の製造方法は、下記の工程21、工程22及び工程23を有することが好ましい。
工程21:アンモニア、又は、第1級又は第2級アミノ基を1つ以上有する炭素数1以上24以下の化合物と、エピハロヒドリンとを反応させて、ハロヒドリン化物を得る工程
工程22:工程21で得られたハロヒドリン化物と下記一般式(6)で表される3級アミンとを反応させて、第4級アンモニウムカチオンを含む化合物を得る工程
10〜R12は、前記と同じである。
工程23:前記工程22で得られた化合物と下記一般式(7)〜(10)のいずれかで表される1種以上の反応剤とを反応させる工程
−COX (7)
−N=C=O (8)
−X (9)
〜Rは、前記と同じである。Xはハロゲン原子を表す。
ここで、工程21及びその好ましい態様は、前記工程11と同じである。以下、工程22及び工程23について順に説明する。
(工程22)
工程22では、工程21で得られたハロヒドリン化物と前記一般式(6)で表される3級アミンとを反応させる。これにより、アンモニア又は原料アミンに対し下記一般式(2a)で表される基を導入した化合物(カチオン化物)が得られる。
一般式(2a)において、R10〜R12は、前記と同じである。Xはハロゲンイオンを表す。
一般式(6)において、R10〜R12及びその好ましい態様は、前記と同じである。
一般式(6)で表される化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジプロピルメチルアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、本発明の効果を得る観点から、ジエチルメチルアミンが好ましい。
工程22における前記一般式(6)で表される化合物の使用量は、アンモニア又は原料アミンに対する第4級アンモニウムカチオンの導入量を所望の範囲に調整できる量であれば特に制限はないが、反応後のアンモニア又はアミンの残存量を低減する観点から、工程21で得られるハロヒドリン化物のハロゲンに対し、好ましくは1.0当量以上、より好ましくは1.5当量以上であり、好ましくは4.0当量以下、より好ましくは3.5当量以下、更に好ましくは2.5当量以下である。
当該反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、前述した工程11で例示した溶媒が挙げられ、反応後の除去が容易である観点から、炭素数1以上6以下の1価アルコールが好ましく、炭素数2以上4以下の1価アルコールがより好ましく、エタノール及びイソプロピルアルコールから選ばれる1種以上が更に好ましく、エタノールがより更に好ましい。
工程22における反応温度及び反応時間、並びにその好適範囲は、前記工程12と同様である。反応終了後は、必要に応じ減圧乾燥等により有機溶媒を除去する操作を行い、中間生成物であるカチオン化物を単離することができる。
(工程23)
工程23では、工程22で得られた化合物と前記一般式(7)〜(10)のいずれかで表される1種以上の反応剤とを反応させる。この反応により、工程22で得られた化合物に炭素数14以上24以下の炭化水素基が導入され、前記一般式(2)で表される基を有する前記化合物(A2)又はその塩が得られる。
一般式(7)〜(10)において、R〜R及びその好ましい態様は、前記と同じである。Xはハロゲン原子を表し、反応性及び入手容易性の点から、Clであることが好ましい。
反応性の観点から、前記反応剤としては、前記一般式(7)で表される化合物が好ましい。一般式(7)で表される化合物の具体例としては、ペンタデカノイルクロライド、ヘキサデカノイルクロライド、ステアロイルクロライド、イコサノイルクロライド、ヘンイコサノイルクロライド、ドコサノイルクロライド、イソヘキサデカノイルクロライド、イソステアロイルクロライド等の炭素数14以上24以下の炭化水素基を有する酸塩化物が挙げられ、ステアロイルクロライドが好ましい。
一般式(8)で表される化合物の具体例としては、イソシアン酸ペンタデシル、イソシアン酸ヘキサデシル、イソシアン酸ステアリル、イソシアン酸イコサニル、イソシアン酸ヘンイコサニル、イソシアン酸ドコサニル、イソシアン酸イソヘキサデシル、イソシアン酸イソステアリル等の炭素数14以上24以下の炭化水素基を有するモノイソシアネートが挙げられる。
一般式(9)で表される化合物の具体例としては、テトラデシルハライド、ペンタデシルハライド、ヘキサデシルハライド、ステアリルハライド、イコサニルハライド、ヘンイコサニルハライド、ドコサニルハライド、イソヘキサデシルハライド、イソステアリルハライド等の炭素数14以上24以下の炭化水素基を有するハロゲン化物が挙げられる。
一般式(10)で表される化合物の具体例としては、炭素数14以上24以下の炭化水素基を有するオキシラン化合物が挙げられる。
これらの反応剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
工程23における前記反応剤の使用量は、炭化水素基の導入量を所望の範囲に調整できる量であれば特に制限はないが、反応後の反応剤の残存量を低減する観点から、工程22で得られるカチオン化物の水酸基に対し、好ましくは1.0当量以上、より好ましくは1.1当量以上であり、好ましくは1.4当量以下、より好ましくは1.3当量以下である。
工程23における反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、工程22で得られた化合物及び前記反応剤を溶解しうる溶媒であれば特に制限はなく、使用する反応剤の種類等によって適宜選択できる。例えば反応剤として前記一般式(7)で表される化合物を用いる場合には、該反応を脱水条件下で行うことが好ましく、その観点からは、有機溶媒としてピリジン等の非プロトン性極性溶媒、又はトルエン等の非極性溶媒を用いることが好ましい。
また工程23における反応は、反応速度向上の観点から、触媒存在下で行うこともできる。例えば反応剤として前記一般式(7)で表される化合物を用いる場合には、反応性の観点から、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基性触媒存在下で反応を行うことが好ましい。当該触媒の使用量は、反応速度及び経済性の観点から、前記反応材剤に対し、好ましくは0.05当量以上0.2当量以下の範囲である。
工程23における反応温度は、反応性及び生産性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上であり、製品の品質等の観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは100℃以下、より更に好ましくは90℃以下である。
反応時間は、生成物中の残存原料を低減する観点から、好ましくは2時間以上、より好ましくは3時間以上であり、生産性の観点からは、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下、更に好ましくは6時間以下である。
反応終了後、必要に応じて有機溶媒の除去、精製を行い、生成物を単離することができる。
前記化合物(A1)又はその塩、並びに前記化合物(A2)又はその塩は、毛髪処理剤として使用できる。
本発明の毛髪処理剤は、前記化合物又はその塩以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、溶剤、防腐剤、酸化防止剤、安定化剤等を含んでいてもよい。
[毛髪化粧料]
本発明の毛髪化粧料は、前記毛髪処理剤を含有することを特徴とする。該毛髪化粧料を用いると、毛髪の湿潤時のみならず、乾燥後まで、良好な指通り性や滑らかさ、コート感を付与することができる。
本発明における毛髪化粧料には、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショニング剤、染毛剤、脱色剤、パーマネントウェーブ剤、ストレートパーマ剤、持続性毛髪セット剤、縮毛矯正剤等が含まれる。
<毛髪処理剤>
本発明の毛髪化粧料において、前記毛髪処理剤の含有量は、良好な指通り性や滑らかさを付与する点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上である。また、良好なコート感を付与する観点から、該毛髪化粧料中の毛髪処理剤の含有量は、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下、より更に好ましくは1.0質量%以下、より更に好ましくは0.50質量%以下、より更に好ましくは0.40質量%以下、より更に好ましくは0.30質量%以下である。
<高級アルコール>
本発明の毛髪化粧料は、前記毛髪処理剤の他、更に、高級アルコールを含有することが好ましい。高級アルコールを含有することにより、毛髪に良好な滑らかさを付与することができる。
本発明に用いられる高級アルコールとしては、炭素数12以上のアルコールが挙げられ、毛髪に良好な滑らかさを付与する観点から、より好ましくは炭素数12以上26以下の脂肪族アルコールである。該炭素数は、同様の観点から、より好ましくは14以上であり、より好ましくは炭素数22以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは18以下である。
高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、イコシルアルコール、ヘンイコシルアルコール、及びドコシルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ステアリルアルコールを含むことが好ましい。
本発明の毛髪化粧料中の高級アルコールの含有量は、頭皮や毛髪への塗布時、及びその後のすすぎ時において毛髪を滑らかにすることができる観点から、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.50質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8.0質量%以下である。
<3級アミン>
本発明の毛髪化粧料は、更に、3級アミンを含有することが好ましい。3級アミンを含有することにより、毛髪に柔らかさを付与することができる。
当該3級アミンとしては、毛髪に柔らかさを付与する観点から、アミド基、エステル基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12以上28以下の炭化水素基を有する3級アミンが好ましく、例えば、下記一般式(11)で表される3級アミンが挙げられる。
21、R22は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下の炭化水素基である。R23は、アミド基、エステル基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12以上28以下の炭化水素基である。
21、R22は、毛髪への吸着を促進させる観点から、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基から選ばれる1種以上がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、メチル基がより更に好ましい。
23は、毛髪に柔らかさを付与する観点から、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12以上28以下のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数12以上28以下のアルキル基がより好ましい。R23は、同様の観点から、好ましくは炭素数16以上、より好ましくは18以上、更に好ましくは20以上であり、好ましくは炭素数24以下、より好ましくは22以下である。なお、R23の上記炭素数にはアミド基及びエステル基中の炭素は含まないものとする。
より好ましい3級アミンとしては、下記一般式(12)又は(13)で表される3級アミンが挙げられる。
21、R22は、前記と同じである。R24は炭素数2以上4以下のアルキレン基である。R25は炭素数16以上20以下の炭化水素基である。
24は、毛髪に柔らかさを付与する観点から、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましく、トリメチレン基がより好ましい。R25は、同様の観点から、炭素数16以上20以下のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数16以上20以下のアルキル基がより好ましく、炭素数16以上18以下のアルキル基が更に好ましい。
一般式(12)で表される3級アミンとしては、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド等が挙げられる。
21、R22は、前記と同じである。R26は炭素数2以上4以下のアルキレン基である。R27は炭素数16以上20以下の炭化水素基である。
26は、毛髪に柔らかさを付与する観点から、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましく、トリメチレン基がより好ましい。R27は、同様の観点から、炭素数16以上20以下のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数16以上20以下のアルキル基がより好ましく、炭素数16以上18以下のアルキル基が更に好ましい。
一般式(13)で表される3級アミンとしては、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、花王株式会社製)が挙げられる。
これらの3級アミンは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記3級アミンの中でも、毛髪に柔らかさを付与する観点から、一般式(13)で表される3級アミンがより好ましい。
本発明の毛髪化粧料中の3級アミンの含有量は、毛髪に柔らかさを付与する観点から、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.50質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。
<酸>
前記3級アミンは、本発明の毛髪化粧料中で、アミン塩の状態で存在していてもよい。この場合、本発明の毛髪化粧料には、本発明の効果を得る観点から、無機酸又は有機酸を配合することが好ましい。
無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等による塩が挙げられる。
有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸による塩;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸による塩;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸による塩;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられる。これらの酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、本発明の効果を得る観点から、有機酸が好ましく、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び酸性アミノ酸から選ばれる1種以上がより好ましく、ヒドロキシカルボン酸がより好ましく、乳酸が更に好ましい。
本発明の毛髪化粧料中の酸の含有量は、本発明の効果を得る観点から、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.50質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。
<その他の成分>
本発明の毛髪化粧料においては、前記毛髪処理剤、高級アルコール、3級アミン、及び酸以外に、通常の化粧品原料として用いられる他の成分を含有することができる。このような任意成分としては、シリコーン類、油剤、炭素数11以下のアルコール類、感触向上剤、増粘剤、界面活性剤、香料、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、キレート剤、酸化防止剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、パール光沢剤、湿潤剤等が挙げられる。これらの中でも、使用感の観点から、シリコーン類、油剤、炭素数11以下のアルコール類、及び香料から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、及びアルキルアミノ変性シリコーンから選ばれる1種以上が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、使用感の観点から、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、及びアルキルアミノ変性シリコーンから選ばれる1種以上が好ましく、ジメチルポリシロキサン及びアミノポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種以上がより好ましい。
油剤は、通常、医薬品、医薬部外品、化粧料、トイレタリー、雑貨等で用いられる油性成分であって、20℃における水100gに対する溶解量が0g以上1g以下である難水溶性又は非水溶性の油剤であれば、いずれも用いることができる。油剤としては、使用感の観点から、20℃の水100gに対する溶解量が、0.5g以下が好ましく、0.1g以下がより好ましい。
このような油剤としては、エステル油、エーテル油、炭化水素油、及び水酸基が置換していてもよい炭素数17以上23以下の炭化水素基を有するカルボン酸等が挙げられ、使用感の観点から、エステル油がより好ましい。
好ましいエステル油の具体例としては、ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油、ヒマワリ油、ツバキ油、キョウニン油、アーモンド油、コムギ胚芽油、テオブロマグンジフロルム種子油、ブドウ種子油、ババス油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ユチャ油、シア脂油、トウツバキ種子油、メドウフォーム油、トリベヘン酸グリセリル、トリイソステアリン等が挙げられる。これらの中でも、使用感の観点から、ヒマワリ油、アボカド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、シア脂油から選ばれる1種以上がより好ましい。
炭素数11以下のアルコール類としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロへキシルアルコール、ベンジルアルコール等の1価アルコール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、本発明の毛髪化粧料は、殺菌剤又は防腐剤としてベンジルアルコールを、感触向上剤又は湿潤剤としてジプロピレングリコールを含有することが好ましい。
本発明の毛髪化粧料の製造方法に特に制限はなく、常法により製造することができる。例えば、前記毛髪処理剤、高級アルコール、3級アミン、及び酸を混合し、加温して均一溶解させる。さらに必要に応じて、前述のシリコーン類、油剤、炭素数11以下のアルコール類、香料、パール化剤、pH調製剤、色素等を加え調製することができる。
また、本発明の毛髪化粧料の剤型も特に制限されず、液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等、任意の剤型とすることができる。
以下の実施例において、特に断らない限り、%は質量%を表す。
実施例1−1(毛髪処理剤Aの製造)
(1)アミンのハロヒドリン化工程(工程11)
1000mLの四ツ口フラスコにオクタデシルアミン(和光純薬工業株式会社製)100.00gとエタノール(和光純薬工業株式会社製)を800.00g入れ、35℃に昇温し、溶液を得た。得られた溶液に、窒素雰囲気下、大気圧中で、エピクロロヒドリン(東京化成株式会社製)68.32g(オクタデシルアミン1当量に対してエピクロロヒドリン2当量)を3時間かけて滴下した。その後37℃にて74時間反応を行いオクタデシルアミンのジハロヒドリン化物のエタノール溶液を得た。
(2)第4級アンモニウムカチオン含有基導入工程(工程12)
300mlの4ツ口フラスコに、上記(1)で得られたオクタデシルアミンのジハロヒドリン化物のエタノール溶液143.84g(固形分:25.00g)に、下記の製造例Aで得たN−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド30.90gを入れ、溶液の温度を78℃に昇温し7時間反応した。その後、28質量%ナトリウムメトキシド(和光純薬工業株式会社製)0.40gを入れ、更に18時間反応を行った。反応後、減圧濃縮にてエタノールを除去し、減圧乾燥器に入れ、60℃、13.3kPaで16時間乾燥し、下記構造の毛髪処理剤Aを51.35g(収率91.86%)得た。
製造例A(N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドの製造)
1Lの四ツ口フラスコにステアリン酸(花王株式会社製、商品名:ルナックS−98)386.22gとジメチルアミノプロピルアミン(東京化成株式会社製)を207.21g入れ、150℃に昇温し1.5時間反応を行った。その後、ジメチルアミノプロピルアミンを138.14g追加し180℃に昇温し、5.5時間反応を行った。反応後、減圧濃縮にてジメチルアミノプロピルアミンを除去し、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドを得た。
実施例1−2(毛髪処理剤Bの製造)
(1)アミンのハロヒドリン化工程(工程11)
300mLの四ツ口フラスコにヘキサメチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製)22.50gとエタノールを150.00g入れ、15℃に冷却し、溶液を得た。得られた溶液に、窒素雰囲気下、大気圧中で、エピクロロヒドリン71.18g(ヘキサメチレンジアミン1当量に対してエピクロロヒドリン4当量)を4時間かけて滴下した。その後、室温(25℃)にて62時間反応を行いヘキサメチレンジアミンのテトラハロヒドリン化物のエタノール溶液を得た。
(2)第4級アンモニウムカチオン含有基導入工程(工程12)
200mlの4ツ口フラスコに上記(1)で得られたヘキサメチレンジアミンのテトラハロヒドリン化物のエタノール溶液19.40g(固形分:7.00g)に、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド18.72gを入れ、溶液の温度を78℃に昇温し18時間反応した。その後、28質量%ナトリウムメトキシド0.28gを入れ、更に8時間反応を行った。反応後、減圧濃縮にてエタノールを除去し、減圧乾燥器に入れ、60℃、13.3kPaで16時間乾燥し、下記構造の毛髪処理剤Bを21.73g(収率84.49%)得た。
実施例1−3(毛髪処理剤Cの製造)
(1)アミンのハロヒドリン化工程(工程11)
500mLの四ツ口フラスコに3,3’−ジアミノジプロピルアミン(東京化成株式会社製)25.00gとエタノールを150.00g入れ、10℃に冷却し、溶液を得た。得られた溶液に、窒素雰囲気下、大気圧中で、エピクロロヒドリン87.64g(3,3’−ジアミノジプロピルアミン1当量に対してエピクロロヒドリン5当量)を6時間かけて滴下した。その後、室温(25℃)にて64時間反応を行い3,3−ジアミノジプロピルアミンのペンタハロヒドリン化物のエタノール溶液を得た。
(2)第4級アンモニウムカチオン含有基導入工程(工程12)
100mlの4ツ口フラスコに上記(1)で得られた3,3’−ジアミノジプロピルアミンのペンタハロヒドリン化物のエタノール溶液16.98g(固形分:8.00g)に、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド21.47gを入れ、溶液の温度を78℃に昇温し14時間反応した。その後、28質量%ナトリウムメトキシド0.79gを入れ、更に8時間反応を行った。反応後、減圧濃縮にてエタノールを除去し、減圧乾燥器に入れ、60℃、13.3kPaで16時間乾燥し、下記構造の毛髪処理剤Cを25.79g(収率87.51%)得た。
実施例1−4(毛髪処理剤Dの製造)
(1)アミンのハロヒドリン化工程(工程11)
500mLの四ツ口フラスコに25質量%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)20.00gとエタノールを200.00g入れ、10℃に冷却した。得られた溶液に、窒素雰囲気下、大気圧中で、エピクロロヒドリン81.03g(アンモニア1当量に対してエピクロロヒドリン3当量)を3時間かけて滴下した。その後、室温(25℃)にて91時間反応を行いアンモニアのトリハロヒドリン化物のエタノール溶液を得た。
(2)第4級アンモニウムカチオン含有基導入工程(工程12)
100mlの4ツ口フラスコに上記(1)で得られたアンモニアのトリハロヒドリン化物のエタノール溶液24.49g(固形分:7.00g)に、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド26.63gを入れ、溶液の温度を78℃に昇温した後、28質量%ナトリウムメトキシド0.66gを入れ、28時間反応を行った。反応後、減圧濃縮にてエタノールを除去し、減圧乾燥器に入れ、60℃、13.3kPaで16時間乾燥し、下記構造の毛髪処理剤Dを20.50g(収率63.35%)得た。
実施例1−5(毛髪処理剤Eの製造)
(1)アミンのハロヒドリン化工程(工程21)
実施例1−1(1)と同様に行い、オクタデシルアミンのジハロヒドリン化物のエタノール溶液を得た。
(2)第4級アンモニウムカチオン導入工程(工程22)
200mlの4ツ口フラスコに上記(1)で得られたオクタデシルアミンのジハロヒドリン化物のエタノール溶液115.07g(固形分:20.00g)に、ジエチルメチルアミン(和光純薬工業株式会社製)12.59gを入れ、溶液の温度を78℃に昇温し4時間反応を行った。その後、28質量%ナトリウムメトキシド0.70gを入れ、更に4時間反応を行った。反応後、減圧濃縮にてジエチルメチルアミンを除去し、オクタデシルアミンのジハロヒドリン化物に第4級アンモニウムカチオンを導入したカチオン化物のエタノール溶液を得た。
(3)炭化水素基導入工程(工程23)
上記(2)で得たカチオン化物のエタノール溶液を200mlの4つ口フラスコに72.87g(固形分:9.00g)を入れ、80℃にて減圧濃縮を行い、エタノールを留去した。その後、ピリジン(和光純薬工業株式会社製)60.0g加え90℃にて脱水を行った後、80℃に冷却した。次に、N−メチルイミダゾール(和光純薬工業株式会社製)0.10gを加え、ステアロイルクロライド(東京化成株式会社製)19.12gをトルエン(和光純薬工業株式会社製)15.00gに溶解した溶液を1時間かけて滴下し、80℃にて4時間反応を行った。反応後、トルエンを加え、ピリジンを減圧下共沸にて留去した。得られた固形分を水20mlとアセトン280mlの混合溶媒に分散及びろ過を繰り返し、ろ物の回収を3回行った。ろ物を減圧乾燥器に入れ、60℃、13.3kPaで16時間乾燥し、下記構造の毛髪処理剤Eを得た。
実施例1−6(毛髪処理剤Fの製造)(1)アミンのハロヒドリン化工程(工程11)
1000mLの四ツ口フラスコにオクタデシルアミン(和光純薬工業株式会社製)100.00gとエタノール(和光純薬工業株式会社製)を800.00g入れ、35℃に昇温し、溶液を得た。得られた溶液に、窒素雰囲気下、大気圧中で、エピクロロヒドリン(東京化成株式会社製)68.32g(オクタデシルアミン1当量に対してエピクロロヒドリン2当量)を3時間かけて滴下した。その後37℃にて74時間反応を行いオクタデシルアミンのジハロヒドリン化物のエタノール溶液を得た。
(2)第4級アンモニウムカチオン含有基導入工程(工程12)
200mlの4ツ口フラスコに上記(1)で得られたオクタデシルアミンのジハロヒドリン化物のエタノール溶液63.29g(固形分:11.00g)に、下記製造例Bで得たN−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド18.37gを入れ、溶液の温度を78℃に昇温し16時間反応した。反応後、減圧濃縮にてエタノールを除去し、減圧乾燥器に入れ、60℃、13.3kPaで16時間乾燥し、下記構造の毛髪処理剤Fを27.02g(収率92.00%)得た。
製造例B(N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドの製造)
500mLの四ツ口フラスコにベヘン酸(花王株式会社製、商品名:ルナック BA)240.57gとジメチルアミノプロピルアミン(東京化成株式会社製)を72.16g入れ、150℃に昇温し1.5時間反応を行った。その後、ジメチルアミノプロピルアミンを36.08g追加し180℃に昇温し、5.5時間反応を行った。反応後、減圧濃縮にてジメチルアミノプロピルアミンを除去し、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドを得た。
実施例2−1〜2−6、比較例2−1
実施例1−1〜1−6の毛髪処理剤を評価基剤として用い、表1に示す組成の毛髪化粧料(毛髪コンディショニング剤組成物)を下記の方法で調製した。また、下記の評価方法で(1−1)タオルドライ時の滑らかさ及び(1−2)タオルドライ時のコート感、並びに(2−1)仕上り時の滑らかさ、(2−2)仕上り時のコート感及び(2−3)仕上り時の指通りを評価した。評価結果を表2に記載する。
比較例2−1では実施例で使用した毛髪処理剤のかわりに、評価基剤としてN,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(ファーミンDM E−80、有効濃度90%、花王株式会社製)を使用した。なお、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンは毛髪コンディショニング剤組成物中でアンモニウムモノカチオンの形態を取っている。
<表1記載の毛髪コンディショニング剤組成物の調製方法>
エタノールで希釈した評価基剤(毛髪処理剤)にジプロピレングリコール、ステアリルアルコール、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン、ベンジルアルコール、ヒマワリ油、ジメチルポリシロキサン及びアミノポリエーテル変性シリコーンからなる油相を、予め、80℃に加熱し混合したイオン交換水と乳酸からなる水相に混合して乳化した。その後、撹拌条件下で室温まで冷却して、最後に香料を加えることで表1記載の毛髪コンディショニング剤組成物を得た。
<評価方法>
ストレートパーマ1回、ブリーチ2回処理を施した日本人女性の毛髪をダメージ毛髪とし、20g(長さ15〜20cm、平均直径80μm)の毛髪束を、パネラー5名が次の方法で処理しながら官能評価を行った。
下記の処方の標準シャンプー2gを用いて洗浄した毛髪束に、表1に示す組成の毛髪コンディショニング剤2gを塗布し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、およそ30秒間約40℃の流水下で濯ぎ、ついで、タオルドライを行い、その時の滑らかさやコート感、ドライヤーで乾燥させはじめた時から十分に乾燥させた後までの滑らかさ、コート感や指通りを5段階で評価を行った。評価は5人のパネラーで行い、5人の評価ポイントの平均値を求めた。
<標準シャンプーの処方(pH7.0)>
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0質量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3質量%
エデト酸二ナトリウム 0.15質量%
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
塩化ナトリウム 0.8質量%
75%リン酸 適量
香料、メチルパラベン 適量
精製水 残量
評価基準
(1−1)<タオルドライ時の滑らかさ>
5:非常に滑らか
4:滑らか
3:どちらでもない
2:滑らかでない
1:まったく滑らかでない
(1−2)<タオルドライ時のコート感>
5:非常にコート感がある
4:コート感がある
3:どちらでもない
2:コート感がない
1:まったくコート感がない
(2−1)<仕上り時の滑らかさ>
5:非常に滑らか
4:滑らか
3:どちらでもない
2:滑らかでない
1:まったく滑らかでない
(2−2)<仕上り時のコート感>
5:非常にコート感がある
4:コート感がある
3:どちらでもない
2:コート感がない
1:まったくコート感がない
(2−3)<仕上り時の指通り>
5:非常に指通りよい
4:指通りよい
3:どちらでもない
2:指通り悪い
1:非常に指通り悪い
表2に示すとおり、本発明の毛髪処理剤を含有する毛髪化粧料を用いることにより、毛髪に対して、滑らかさ、コート感や指通りといったコンディショニング効果を持たせることができた。また、滑らかな毛髪で指通りがよく、コート感があり、引っかかりや絡まりがなく髪が揃いやすい、といった心地よい感触を与えることもできた。
本発明の毛髪処理剤及びこれを含有する毛髪化粧料によれば、ダメージ毛に対しても湿潤時から乾燥後まで良好な指通り性、滑らかさ、及びコート感を付与することができる。

Claims (10)

  1. 分子中に1以上5以下のアミノ基を有し、該アミノ基と、下記一般式(1)で表される基及び下記一般式(2)で表される基から選ばれる1種以上の第4級アンモニウムカチオン含有基とが結合し、該分子中の該アミノ基の数と第4級アンモニウムカチオンの数の合計が2以上10以下であり、該一般式(1)で表される基に含まれる炭素及び一般式(2)で表される基に含まれる炭素を除く該分子中の炭素数が0以上24以下である化合物、又はその塩を含有する毛髪処理剤。

    、Rは、それぞれ独立に、炭素数1又は2のアルキル基である。Rは炭素数2以上4以下のアルキレン基である。Rは炭素数14以上24以下の炭化水素基である。Xはハロゲンイオンを表す。

    は、−O−CO−R、−O−CO−NH−R、−O−R、及び−O−CH−CH(OH)−Rから選ばれる基である。R、R、R、Rは、炭素数14以上24以下の炭化水素基である。R10、R11、R12は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下の炭化水素基である。Xはハロゲンイオンを表す。
  2. 前記化合物又はその塩が、下記一般式(3)で表される化合物及びその塩、並びに下記一般式(4)で表される化合物及びその塩から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の毛髪処理剤。

    sは1、2又は3である。R13は、水素原子又は炭素数1以上24以下の炭化水素基であり、3−s個のR13は、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。Yは、前記一般式(1)又は一般式(2)で表される基であり、s個のYは、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。

    t及びuはそれぞれ独立に、0、1又は2である。R14及びR15は、水素原子又は炭素数1以上24以下の炭化水素基であり、2−t個のR14、及び2−u個のR15は、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。R16及びR17は、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキレン基である。pは0以上8以下の整数である。Yは、前記一般式(1)又は一般式(2)で表される基であり、t個のY、及びu個のYは、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。Zは、水素原子、炭素数1以上24以下の炭化水素基、又はYであり、p個のZは、互いに同一でもよく、異なっていてもよい。tとuが同時に0のとき、p個のZのうち少なくとも1つはYである。
  3. 前記化合物中の前記アミノ基の数と前記第4級アンモニウムカチオンの数の合計が、前記化合物中の炭素数14以上24以下の炭化水素基の数の合計以上である、請求項1又は2に記載の毛髪処理剤。
  4. 前記第4級アンモニウムカチオン含有基が前記一般式(1)で表される基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
  5. 前記第4級アンモニウムカチオン含有基が前記一般式(2)で表される基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
  6. 下記の工程11及び工程12を有する、請求項4に記載の毛髪処理剤の製造方法。
    工程11:アンモニア、又は、第1級又は第2級アミノ基を1つ以上有する炭素数1以上24以下の化合物と、エピハロヒドリンとを反応させて、ハロヒドリン化物を得る工程
    工程12:工程11で得られたハロヒドリン化物と、下記一般式(5)で表される化合物とを反応させる工程

    〜Rは、前記と同じである。
  7. 下記の工程21、工程22及び工程23を有する、請求項5に記載の毛髪処理剤の製造方法。
    工程21:アンモニア、又は、第1級又は第2級アミノ基を1つ以上有する炭素数1以上24以下の化合物と、エピハロヒドリンとを反応させて、ハロヒドリン化物を得る工程
    工程22:工程21で得られたハロヒドリン化物と下記一般式(6)で表される3級アミンとを反応させて、第4級アンモニウムカチオンを含む化合物を得る工程

    10〜R12は、前記と同じである。
    工程23:前記工程22で得られた化合物と下記一般式(7)〜(10)のいずれかで表される1種以上の反応剤とを反応させる工程
    −COX (7)
    −N=C=O (8)
    −X (9)

    〜Rは、前記と同じである。Xはハロゲン原子を表す。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪処理剤を含有する毛髪化粧料。
  9. 更に、高級アルコールを含有する請求項8に記載の毛髪化粧料。
  10. 更に、3級アミンを含有する請求項8又は9に記載の毛髪化粧料。
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