JP6624201B2 - アシル塩基性アミノ酸誘導体を含有するゲル状組成物 - Google Patents

アシル塩基性アミノ酸誘導体を含有するゲル状組成物 Download PDF

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Description

本発明は、幅広いpH領域で安定性の高いゲル状組成物に関する。
化粧料、医薬品、農薬、飼料、肥料、塗料等、常温で液状の組成物の流動性をコントロールし、多様化した使用目的に合致した形態に加工する方法は産業上非常に重要な技術である。水性組成物の流動性をコントロールする場合、一般的にはカルボキシビニルポリマーやキサンタンガムなどの水溶性高分子が使用されるが、塩が存在している系ではゲル化させることが難しく、大量に水溶性高分子を添加する必要があった。
特許文献1および2では、少量の添加によりゲル化させることが可能なゲル化剤が検討され、ゲル化剤として、特許文献1には後述の式(1)で表される塩基性アミノ酸誘導体が開示され、特許文献2には後述の式(2B)で表される塩基性アミノ酸誘導体またはその塩が開示されている。
国際公開第2004/096754号 国際公開第2013/118896号
本発明者は、特許文献1に開示された塩基性アミノ酸誘導体や特許文献2に開示された塩基性アミノ酸誘導体は、水性組成物を特定の狭いpH領域でゲル化できるだけで、幅広いpH領域でゲル化することができない、また白濁したゲルとなるため、透明系の処方で用いるには改良の余地があることを見出した。
そこで本発明は、幅広いpH領域で安定にゲル状に存在し得、また白濁が抑制されたゲル状組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題解決のために鋭意検討した結果、ゲル化剤として、下記式(1)で示される化合物またはその塩と下記式(2B)で示される化合物またはその塩とを組み合わせて用いることで、水性組成物を、幅広いpH領域で安定にゲル化することができること、またゲルの白濁を抑制することができることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記を提供する。
[1](A)式(1):
(式中、
およびRは、各々独立して、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
およびRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、
zは0以上の整数であり、および
xおよびyは、各々独立して、2〜4の整数である。)で示される化合物またはその塩、
(B)式(2B):
(式中、
は、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
は、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基であり、
mは、1〜4の整数であり、
nは、0〜15の整数であり、および
およびRは、各々独立して、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である。)で示される化合物またはその塩、および
(C)水を含有する、ゲル状組成物。
[2]zが、0〜10の整数である、上記[1]記載の組成物。
[3]zが、7または8の整数である、上記[1]または[2]に記載の組成物。
[4]xおよびyが、共に4である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]RおよびRが、各々独立して、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]RおよびRが、共に水素原子である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]Rが、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]Rが、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]nが、0〜9の整数である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]RおよびRが、各々独立して、水素原子、または炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]mが、4である、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]成分(A)が、ビス(Nε−ラウロイル−L−リジン)セバコイルアミドであり、および
成分(B)が、Nε−ラウロイル−Nα−(9−カルボキシノナノイル)−L−リジンである、上記[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]pHが5〜7の範囲である、上記[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14](A)式(1)で示される化合物またはその塩と(B)式(2B)で示される化合物またはその塩の重量比((A):(B))が、99:1〜50:50である、上記[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]化粧料である、上記[1]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[16]Rが、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基であり、および
が、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、上記[1]〜[15]のいずれかに記載の組成物。
[17]Rが、水素原子または炭素数1〜15の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、
nが、0〜9の整数であり、および
およびRが、各々独立して、水素原子、または炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、上記[1]〜[16]のいずれかに記載の組成物。
[18]Rが、ウンデシル基であり、および
mが、4である、上記[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物。
[19](A)式(1):
(式中、
およびRは、各々独立して、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
およびRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、
zは0以上の整数であり、および
xおよびyは、各々独立して、2〜4の整数である。)で示される化合物またはその塩、および
(B)式(2B):
(式中、
は、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
は、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基であり、
mは、1〜4の整数であり、
nは、0〜15の整数であり、および
およびRは、各々独立して、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である。)で示される化合物またはその塩を含有するゲル化剤。
[20]zが、0〜10の整数である、上記[19]記載のゲル化剤。
[21]zが、7または8の整数である、上記[19]または[20]に記載のゲル化剤。
[22]xおよびyが、共に4である、上記[19]〜[21]のいずれかに記載のゲル化剤。
[23]RおよびRが、各々独立して、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基である、上記[19]〜[22]のいずれかに記載のゲル化剤。
[24]RおよびRが、共に水素原子である、上記[19]〜[23]のいずれかに記載のゲル化剤。
[25]Rが、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基である、上記[19]〜[24]のいずれかに記載のゲル化剤。
[26]Rが、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、上記[19]〜[25]のいずれかに記載のゲル化剤。
[27]nが、0〜9の整数である、上記[19]〜[26]のいずれかに記載のゲル化剤。
[28]RおよびRが、各々独立して、水素原子、または炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、上記[19]〜[27]のいずれかに記載のゲル化剤。
[29]mが、4である、上記[19]〜[28]のいずれかに記載のゲル化剤。
[30]成分(A)が、ビス(Nε−ラウロイル−L−リジン)セバコイルアミドであり、および
成分(B)が、Nε−ラウロイル−Nα−(9−カルボキシノナノイル)−L−リジンである、上記[19]〜[29]のいずれかに記載のゲル化剤。
[31](A)式(1)で示される化合物またはその塩と(B)式(2B)で示される化合物またはその塩の重量比((A):(B))が、99:1〜50:50である、上記[19]〜[30]のいずれかに記載のゲル化剤。
[32]Rが、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基であり、および
が、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、上記[19]〜[31]のいずれかに記載のゲル化剤。
[33]Rが、水素原子または炭素数1〜15の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、
nが、0〜9の整数であり、および
およびRが、各々独立して、水素原子、または炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、上記[19]〜[32]のいずれかに記載のゲル化剤。
[34]Rが、ウンデシル基であり、および
mが、4である、上記[19]〜[33]のいずれかに記載のゲル化剤。
本発明によれば、幅広いpH領域で安定性の高いゲル状組成物を提供することができる。また本発明によれば、ゲルの白濁の抑制されたゲル状組成物を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゲル状組成物は、(A)上記式(1)で示される化合物またはその塩(以下成分(A)ともいう。)、(B)上記式(2B)で示される化合物またはその塩(以下成分(B)ともいう。)、および(C)水(以下成分(C)ともいう。)を含有する。
まず、成分(A)に関して、以下説明する。
およびRは、各々独立して、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基である。
炭素原子数5〜21のアルキル基とは、炭素原子数5〜21の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
炭素原子数5〜21のアルケニル基とは、炭素原子数5〜21の直鎖または分岐状のアルケニル基を意味し、具体的には、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
炭素原子数5〜15のアルキル基とは、炭素原子数5〜15の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。
炭素原子数7〜11のアルキル基とは、炭素原子数7〜11の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基等が挙げられる。
およびRは、好ましくは各々独立して、炭素原子数5〜15のアルキル基であり、より好ましくは各々独立して、炭素原子数7〜11のアルキル基である。
また、RおよびRは、直鎖のアルキル基であることが好ましい。さらに、RおよびRは、同一であることが好ましい。
およびRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基である。
炭素原子数1〜22のアルキル基とは、炭素原子数1〜22の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
炭素原子数2〜22のアルケニル基とは、炭素原子数2〜22の直鎖または分岐状のアルケニル基を意味し、具体的には、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
およびRは、好ましくは共に水素原子である。
zは0以上の整数であり、より好ましくは0〜10であり、特に好ましくは7および8である。
x、yは、各々独立して、2〜4の整数であり、好ましくは共に4である。
式(1)で示される化合物として、好ましくは、以下の化合物が挙げられる。
(化合物A)
およびRが、各々独立して、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基であり、
およびRが、共に水素原子であり、
zが、0〜10の整数であり、
xおよびyが、共に4である化合物。
(化合物B)
およびRが、共に炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基であり、
およびRが、共に水素原子であり、
zが、7または8であり、
xおよびyが、共に4である化合物。
(化合物C)
およびRが、共に炭素原子数7〜11の直鎖アルキル基であり、
およびRが、共に水素原子であり、
zが、7または8であり、
xおよびyが、共に4である化合物。
式(1)で示される化合物の具体例としては、ビス(Nε−ラウロイル−L−リジン)セバコイルアミド、もしくはビス(Nε−オクタノイル−L−リジン)セバコイルアミド、またはその塩が挙げられる。
式(1)で示される化合物の塩としては特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛との塩等の無機塩、あるいはアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンとの塩や、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩等の有機塩が挙げられる。これらのうち1種を使用してもよいし、上記群から選ばれる2種以上を混合して使用しても構わない。入手の容易性、取り扱い性等の観点から、アルカリ金属塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
本発明における成分(A)の式(1)で示される化合物(以下、化合物(1)とも言う。)は、前述の特許文献1に記載の方法により製造できる。
化合物(1)は、慣用の手法により製造することができる(特開2004−323505号公報、Org. Biomol. Chem., 2003, 1, 4124-4131、New J. Chem., 2005, 29, 1439-1444等)。例えば、下記式に示すように、化合物(1)のうち、対称型の化合物(1’)は、Nω−アシルアミノ酸(2)とジカルボン酸ジクロライド(3)を適切な溶媒中で反応させることにより製造することができる。
(式中、R1’は炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、R3’は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、z’は0以上の整数であり、x’は2〜4の整数である。)
Nω−アシルアミノ酸(2)としては、例えば、Nε−アシルリジン(例:Nε−ヘキサノイル−L−リジン、Nε−オクタノイル−L−リジン、Nε−ラウロイル−L−リジン等)、Nδ−アシルオルニチン(例:Nδ−ヘキサノイル−L−オルニチン等)、Nγ−アシル−α,γ−ジアミノ酪酸等が挙げられる。
ジカルボン酸ジクロライド(3)としては、例えば、オギザリルクロライド、マロニルクロライド、スクシニルクロライド、グルタリルクロライド、アジポイルクロライド、ピメロイルクロライド、スベロイルクロライド、アゼラオイルクロライド、セバコイルクロライド、ドデカンジオイルクロライド等が挙げられる。ジカルボン酸ジクロライド(3)の使用量は、Nω−アシルアミノ酸(2)に対して通常0.4〜0.6当量である。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。
また、化合物(1)のうち、非対称型の化合物(1’’)は下記の通り製造することができる。まず、Nω−アシルアミノ酸(2)とジカルボン酸モノクロライドモノエステル(4)を適切な溶媒中で反応させて化合物(5)を得る(工程1)。続いて、得られた化合物(5)の1級エステル部位を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下で加水分解した後、チオニルクロライド等のクロロ化剤を用いてカルボン酸部位をクロロ化し、前記工程1で用いたNω−アシルアミノ酸(2)とは異なるNω−アシルアミノ酸(2’)を反応させることにより製造することができる(工程2)。
(式中、R1’、R3’、z’およびx’は前記定義と同義であり、R2’は炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、R4’は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基であり、y’は2〜4の整数である。)
Nω−アシルアミノ酸(2)および(2’)は、前記と同様のNω−アシルアミノ酸を用いることができる。
ジカルボン酸モノクロライドモノエステル(4)は、市販されている場合には市販品をそのまま用いることができ、自体公知の方法またはそれに準じた方法にて製造したものを用いることもできる。
なお、前記方法で得られたアシル塩基性アミノ酸誘導体を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、有機アミン塩基等と反応させることにより、アシル塩基性アミノ酸誘導体の塩に変換することができる。
Nω−アシルアミノ酸としては、Nε−アシルリジン、Nδ−アシルオルニチン、Nγ−アシル−α,γ−ジアミノ酪酸が挙げられ、この中で、Nε−アシルリジンが最も好ましい。
Nω−アシルアミノ酸は、例えば塩基性アミノ酸と長鎖脂肪酸とを加熱脱水することにより容易に合成できる。工業的に入手可能なNω−アシルアミノ酸としては、例えば味の素(株)製のアミホープLL(Nε−ラウロイル−L−リジン)等が挙げられる。
Nω−アシルアミノ酸は、光学活性体またはラセミ体のいずれであっても差し支えないが、ゲル化能が向上するという観点で、光学活性体の方が好ましい。また、これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
次に、成分(B)関して、説明する。
本明細書において、「炭化水素基」としては、例えば、(i)メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、1−プロペン−1−イル基、2−プロペン−1−イル基、イソプロペニル基、2−ブテン−1−イル基、4−ペンテン−1−イル基、5−へキセン−1−イル基等のアルケニル基、エチニル基、1−プロピン−1−イル基、2−プロピン−1−イル基、4−ペンチン−1−イル基、5−へキシン−1−イル基等のアルキニル基等の鎖式炭化水素基;(ii)シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基等の脂環式炭化水素基;および(iii)フェニル基、ナフチル基等のアリール基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。
本明細書中の「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。
本明細書中の、炭化水素基のうち、鎖状の炭化水素基の置換基としては、例えば、下記の置換基A群から選択される置換基が挙げられる。また、炭化水素基のうち、環状の炭化水素基の置換基としては、例えば、下記の置換基A群および置換基B群から選択される置換基が挙げられる。当該置換基の数は、1個〜置換可能な最大数、より好ましくは1〜3個、更に好ましくは1個である。
本明細書中、置換基A群は、
(a) ハロゲン原子;
(b) ヒドロキシ基;
(c) ニトロ基;
(d) シアノ基;
(e) C3−7シクロアルキル基;
(f) C1−6アルコキシ基;
(g) C3−7シクロアルキルオキシ基;
(h) C1−6アルキル基、およびC2−6アルケニル基からなる群から選択される置換基でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基;
(i) C1−6アルキル−カルボニル基;
(j) C3−7シクロアルキル−カルボニル基;および
(k) モノ−、またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基
からなる。
本明細書中、置換基B群は、
(a) C1−10アルキル基;
(b) C2−10アルケニル基;および
(c) C2−10アルキニル基
からなる。
は、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基である。
で示されるアルキル基、アルケニル基としては、上記RおよびRについて例示したアルキル基、アルケニル基が例示される。
は、好ましくは炭素原子数5〜15のアルキル基であり、より好ましくは炭素原子数7〜11のアルキル基である。
また、Rは、直鎖のアルキル基であることが好ましい。
は、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を示し、好ましくは、水素原子または置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、より好ましくは、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である。炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、およびペンタデシル基等が挙げられる。
は、好ましくは、水素原子または炭素数1〜15の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、より好ましくは、水素原子または炭素数4〜15の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、さらに好ましくは、水素原子または炭素数4〜10の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、特に好ましくは、水素原子または炭素数7〜10の飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である。
mは、1〜4の整数を示す。m=3の場合は、オルニチン誘導体となり、m=4の場合はリジンの誘導体となる。ゲル化能や調製の容易性の観点から、mは3または4が好ましく、4(リジン誘導体)が特に好ましい。
式(2B)におけるnは、0〜15の整数を示し、0〜9の整数が好ましい。
と(CH)nの炭素数の合計はゲル化能および溶解性の観点から、適度な炭素数であることが望ましい。Rと(CH)nの炭素数の合計数は、3〜12であることが好ましく、3〜11であることがより好ましく、5〜11であることがさらに好ましく、7〜11であることが一層好ましい。例えば、n=1の場合、Rは炭素数2〜11の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であることが好ましく、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、またはデシル基であることがより好ましく、ヘプチル基またはデシル基であることがさらに好ましい。Rが水素原子の場合、nは、3〜12であることが好ましく、3〜7であることがより好ましい。
およびRは、各々独立して、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基を示し、好ましくは、各々独立して、水素原子または炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である。
「炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基」としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。溶解性の観点から、RおよびRは、各々独立して、水素原子または炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であることが好ましく、Rは水素原子、メチル基またはエチル基であることがより好ましく、Rは水素原子であることがさらに好ましい。
式(2B)で示される化合物として、好ましくは、以下の化合物が挙げられる。
(化合物−A)
が、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基であり、
が、水素原子または炭素数4〜10の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、
mが、1〜4の整数であり、
nが、0〜9の整数であり、かつ
およびRが、各々独立して、水素原子または炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である化合物。
(化合物−B)
が、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基またはヘプタデシル基(すなわち、R−CO−で表されるアシル基が、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基またはステアロイル基)であり、
が、水素原子または炭素数7〜10の飽和または不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、
mが、3または4であり、
nが、0〜9の整数であり、
が、水素原子または炭素数1〜4の飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、Rが、水素原子である化合物。
(化合物−C)
が、ウンデシル基(すなわち、R−CO−で表されるアシル基が、ラウロイル基)であり、
が、水素原子または炭素数7〜10の飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、
mが、4であり、
nが、0〜9の整数であり、
が、水素原子、メチル基またはエチル基であり、
が、水素原子である化合物。
式(2B)で示される化合物の例としては、例えば下記が挙げられる。
Nε−ラウロイル−Nα−(3−カルボキシトリデカノイル)−L−リジンエチルエステル、Nε−ラウロイル−Nα−(3−カルボキシトリデカノイル)−L−リジン、Nε−ラウロイル−Nα−(5−カルボキシペンタノイル)−L−リジン、Nε−ラウロイル−Nα−(7−カルボキシヘプタノイル)−L−リジン、およびNε−ラウロイル−Nα−(9−カルボキシノナノイル)−L−リジン、またはそれらの塩からなる群から選択される1種以上であることが好ましく、Nε−ラウロイル−Nα−(9−カルボキシノナノイル)−L−リジンまたはそれらの塩が更に好ましい。
式(2B)で示される化合物は、例えば、前述の特許文献2に記載の方法またはそれに準じた方法で製造することができる。また、式(2B)で示される化合物は、前述の化合物(1’’)の製造方法において、化合物(5)の加水分解をすることによっても製造することができる。
式(2B)で示される化合物の塩としては、式(1)で示される化合物の塩として例示した塩と同様のものが例示される。
本発明のゲル状組成物において、成分(A)の含有量は、好ましくは0.03〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%である。
本発明のゲル状組成物において、成分(B)の含有量は、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.02〜3重量%、さらに好ましくは0.05〜2重量%である。
本発明のゲル状組成物において、成分(C)の含有量は、好ましくは50〜99.9重量%、より好ましくは80〜99.5重量%、さらに好ましくは85〜98重量%である。
本発明は、従来の水溶性高分子をゲル化剤として使用する場合に比較して、より少量のゲル化剤(成分(A)および(B))の添加でゲル化できる点で有用である。
本発明のゲル状組成物において、成分(A)と成分(B)の重量比(成分(A):成分(B))は、好ましくは99:1〜30:70、より好ましくは99:1〜50:50、さらに好ましくは95:5〜50:50、よりさらに好ましくは75:25〜50:50である。
本発明のゲル状組成物は、pHが、好ましくは4.5〜7.5、より好ましくは5〜7である。
pHの調整は自体公知の方法で行うことができ、例えば、クエン酸、水酸化ナトリウム等を使用して調整することができる。
本発明のゲル状組成物は、上記のような幅広いpH領域で優れたゲル化能および安定性を有する。本発明において、ゲル化能、安定性の評価は、例えば、後述の試験例1に準じて行うことができる。
本発明のゲル状組成物は、ゲル化剤として、上記式(1)で示される化合物またはその塩(成分(A))および上記式(2)で示される化合物またはその塩(成分(B))を組み合せて用いて、水性組成物をゲル化して得られる組成物である。
本明細書において、ゲル化剤とは、液体を増粘させ、またはゼリー状もしくは固形状まで変化させる物質をいう。本明細書において、水性組成物とは水を含有する組成物のことを意味する。
水性組成物としては、例えば、水を含有する、化粧料、皮膚外用剤、医薬部外品等が挙げられる。
本発明のゲル状組成物は、例えば、以下の方法で製造することができる。
本発明のゲル化剤を水性組成物に添加し、必要に応じて40〜100℃に加熱し、均一状態になるように攪拌した後、室温にて静置することにより、水性組成物をゲル化または増粘させて、本発明のゲル状組成物を得ることができる。ゲルの固さもしくは粘度は本発明のゲル化剤の添加量を制御することにより自由に調節することができる。
本発明のゲル状組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他のゲル化剤または固化剤を含有することができる。他のゲル化剤または固化剤としては、アルギン酸、カラギーナン、寒天、グアーガム、カードラン、キサンタンガム、プルラン、ジェランガム、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲンなどの天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどの半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体などの合成高分子、ベントナイト、ラポナイト、微粉酸化ケイ素、コロイダルアルミナなどの無機物などが挙げられる。
本発明のゲル状組成物は、上記した成分の他に、通常化粧料、皮膚外用剤または医薬部外品に使用し得る各種成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で含有させて、ゲル状化粧料、ゲル状皮膚外用剤、ゲル状医薬部外品等として利用できる。
該成分としては、例えば、油性成分(油剤)、キレート剤、界面活性剤(例えば、ノニオン界面活性剤)、粉体、アミノ酸、アミノ酸誘導体、ポリアミノ酸、低級アルコール(例えば、エタノール)、高級アルコール、多価アルコール、糖アルコールおよびそのアルキレンオキシド付加物、水溶性高分子、植物抽出物、核酸、ビタミン、酵素、ゲル化剤、保湿剤(例えば、水溶性保湿成分)、殺菌剤および抗菌剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗真菌剤、角質軟化剥離剤、皮膚着色剤、ホルモン剤、紫外線吸収剤、育毛剤、発汗防止剤および収斂活性成分、汗防臭剤、ビタミン剤、血管拡張剤、生薬、pH調整剤、金属イオン封鎖剤、粘度調整剤、パール化剤、天然香料、合成香料、色素、顔料、酸化防止剤、防腐剤、乳化剤、脂肪、ワックス、シリコーン化合物ならびに香油等が挙げられる。
本発明において、ゲル状化粧料としては、具体的には、制汗剤、洗顔料、クレンジングジェル、乳液、マッサージクリーム、コールドクリーム、モイスチャージェル、パック、アフターシェイビングジェル、ファンデーション、リップスティック、口紅、チーク、マスカラ、シャンプー、リンス、育毛剤、トリートメント、ヘアコンディショナー、チック、セットローション、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアムース、パーマ液、染毛剤、ヘアカラー、ヘアマニキュア、日焼け止めオイル、ハンドソープおよび芳香剤等が挙げられる。
本発明において、ゲル状化粧料としては、例えば、成分(A)〜(C)の他に、(D)水溶性保湿成分(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリン、ソルビトール、PCA−Na(50%水溶液))、(E)水溶性高分子(例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、キサンタンガム)、(F)油剤(例えば、流動パラフィン、スクワラン、オリーブオイル、シア脂、ホホバ油、ミリスチン酸イソプロピル、シリコーン油、トリエチルヘキサノイン)および/または(G)ノニオン界面活性剤(例えば、ラウリン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、コカミドDEA、ラウリン酸スクロース)を含有するゲル状化粧料が挙げられる。
本発明はまた、(A)上記式(1)で示される化合物またはその塩、および(B)上記式(2B)で示される化合物またはその塩を含有するゲル化剤に関する。成分(A)、成分(B)の例示、重量比等は前記ゲル状組成物について説明したものと同様である。
以下、製造例、実施例、比較例、試験例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]ビス−(Nε−ラウロイル−L−リジン)セバコイルアミドの合成
Nε−ラウロイル−L−リジン8.2g(25mmol)を、水70gおよび25%水酸化ナトリウム水溶液(10g)の混合物に溶解させ、ジエチルエーテル80gを加えた。そこへセバコイルクロライド3.3g(14mmol)をエーテル層にゆっくり加えた。この2層溶液を0℃に保持したまま1時間ほど攪拌し、その後室温で23時間攪拌した。次いで、75%硫酸を滴下し、pH2に調整した後、得られた白色固体を濾取し、アセトニトリル溶媒中、60℃で1時間加熱撹拌を行った。その後、60℃に保ちながら、熱時ろ過を行い、得られた白色固体を乾燥させて、ビス−(Nε−ラウロイル−L−リジン)セバコイルアミド9.9gを得た。
[製造例2]Nε−ラウロイル−Nα−(9−カルボキシノナノイル)−L−リジンの合成
Nε−ラウロイル−L−リジン6.6g(20mmol)を、水100gおよび25%水酸化ナトリウム水溶液(16g)の混合物に溶解させ、ジエチルエーテル50gを加えた。そこへ10−クロロ−10−オキソデカン酸メチル3.5g(15mmol)をエーテル層にゆっくり加えた。この2層溶液を0℃に保持したまま1時間ほど攪拌し、その後室温で23時間攪拌した。次いで、60℃に昇温し、2時間撹拌後、室温へ戻し、75%硫酸を滴下し、pH2に調整した。得られた白色固体を濾取し、アセトニトリルにて再結晶を行い、Nε−ラウロイル−Nα−(9−カルボキシノナノイル)−L−リジン5.7gを得た。
[実施例1〜4および比較例1〜2]
製造例1で得られた化合物と製造例2で得られた化合物を合わせた濃度が1mMとなるように、表1に示す割合で室温にて混合、分散させた後、クエン酸と水酸化ナトリウムを用いて、pHをそれぞれpH5、pH5.5、pH6、pH7に調整し、実施例1〜4および比較例1〜2の組成物(それぞれにおいてpH5、pH5.5、pH6、pH7に調整した組成物)を得た。
[試験例1]
実施例1〜4および比較例1〜2の組成物を、マイクロテストチューブ(2mL、エッペンドルフ社製)、および20mLのガラス瓶に完全密封して室温にて3日以上保管した後、以下の方法および基準で、ゲル化能および安定性を評価した。
結果を表1に示す。
表1の結果から、製造例1の化合物と製造例2の化合物を組合せて含有する組成物は、広範なpH領域で優れたゲル化能および安定性を有することが示された。
評価1:ゲル化能
前述のように各pHに調整した組成物を入れたマイクロテストチューブを逆さにし、目視にて観察し、下記の基準にて評価した。
◎:逆さにしても落ちてこない。
○:とろみがあり、落ちてくるのに時間を要する。
×:水のように、とろみの全くない液体
評価2:外観
前述のように各pHに調整した組成物を入れたガラス瓶を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。
◎:透明で均一なゲル
○:やや白濁しているものの、均一なゲル
×:ゲルが分離、もしくは不均一な析出物がある
−:評価1で×がついた組成物に関しては、評価を行わない
[実施例5および比較例3]
表2に示す組成で各成分(wt%)を室温にて撹拌、混合した。最後にクエン酸でpHを5.2に調整し、実施例5および比較例3の組成物を得た。
[試験例2]
実施例5および比較例3の組成物を、マイクロテストチューブ、および20mLのガラス瓶に完全密封して室温にて3日以上保管した後、試験例1と同じ方法および基準で、ゲル化能および安定性を評価した。
結果を表2に示す。
表2の結果から、製造例1の化合物と製造例2の化合物を組合せて含有する組成物は、優れたゲル化能および安定性を有することが示された。
本出願は、日本で出願された特願2015−142305を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (16)

  1. (A)式(1):

    (式中、
    およびRは、各々独立して、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
    およびRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、
    zは0以上の整数であり、および
    xおよびyは、各々独立して、2〜4の整数である。)で示される化合物またはその塩、
    (B)式(2B):

    (式中、
    は、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
    は、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基であり、
    mは、1〜4の整数であり、
    nは、0〜15の整数であり、および
    およびRは、各々独立して、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である。)で示される化合物またはその塩、および
    (C)水を含有する、ゲル状組成物。
  2. zが、0〜10の整数である、請求項1記載の組成物。
  3. zが、7または8の整数である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. xおよびyが、共に4である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. およびRが、各々独立して、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. およびRが、共に水素原子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. が、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. が、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. nが、0〜9の整数である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. およびRが、各々独立して、水素原子、または炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. mが、4である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 成分(A)が、ビス(Nε−ラウロイル−L−リジン)セバコイルアミドであり、および
    成分(B)が、Nε−ラウロイル−Nα−(9−カルボキシノナノイル)−L−リジンである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. pHが5〜7の範囲である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. (A)式(1)で示される化合物またはその塩と(B)式(2B)で示される化合物またはその塩の重量比((A):(B))が、99:1〜50:50である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 化粧料である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. (A)式(1):

    (式中、
    およびRは、各々独立して、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
    およびRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、
    zは0以上の整数であり、および
    xおよびyは、各々独立して、2〜4の整数である。)で示される化合物またはその塩、および
    (B)式(2B):

    (式中、
    は、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
    は、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基であり、
    mは、1〜4の整数であり、
    nは、0〜15の整数であり、および
    およびRは、各々独立して、水素原子または置換されていてもよい炭素数1〜6の飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基である。)で示される化合物またはその塩を含有するゲル化剤。
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