JP6686903B2 - アシル塩基性アミノ酸誘導体およびアニオン性水溶性高分子を含有する化粧料組成物 - Google Patents

アシル塩基性アミノ酸誘導体およびアニオン性水溶性高分子を含有する化粧料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、(A):アシル塩基性アミノ酸誘導体および(B):アニオン性水溶性高分子を含有する、例えば化粧料として使用される組成物に関する。
化粧品には、使用性や安定性等を高めたりたれおちを防いだりするためにアニオン性水溶性高分子などの増粘剤が使用される。例えば、カルボキシビニルポリマーなどのアクリル系水溶性高分子は、増粘性が高く、刺激が少なく、透明性に優れ、べたつきの少ない良好な使用感であることから、スキンケアやヘアケアなど幅広い組成物の基剤増粘に汎用されている。
しかしながら、アクリル系水溶性高分子は中和によって増粘するので、増粘性を示すpH域が限られ、所望のpHにて期待する粘度を示さないことがある。また、アクリル系水溶性高分子は、塩などの電解質と共存させると粘度が著しく低下することが知られている(非特許文献1)。さらに、アクリル系水溶性高分子にアルコールを高配合すると、アクリル系水溶性高分子の水和が不安定になって凝集が生じたり、粘度が低下することが多い。
このような粘度低下を補うために、高濃度のアクリル系水溶性高分子を配合すると、塗布時にべたつきやぬるつきを生じてしまい、使用感が損なわれるという本質的な欠点があった(特許文献1)。
一方で、下記式:
(式中、RおよびRは水素原子またはアルキル基であり、nは0から12の整数である。)
で表される化合物またはその塩(以下、「ラウロイルアミノ酸誘導体」ともいう)は、水および液状有機媒体をゲル化または固化させるのに有用であることが報告されている(特許文献2、非特許文献2および非特許文献3等)。このラウロイルアミノ酸誘導体は、化粧品に配合すると肌へのなじみ感を向上させるほか、保湿能を発揮することも期待される。そのため、ラウロイルアミノ酸誘導体を化粧品に配合する検討がなされている。
しかしながら、ラウロイルアミノ酸誘導体を化粧水や乳液等の液状化粧品に配合した場合、一旦ゲルを形成しても経時で水が分離(離水)したり、酸性域において不均一に凝集を生じるなど、使用性が制限されるという問題があった。
特開2005−120056号公報 特開2004−323505号公報
水溶性ポリマー 環境適応性高分子の技術と市場 株式会社シーエムシー(1992)、124−127 Org. Biomol. Chem., 2003, 1, 4124-4131 New J. Chem., 2005, 29, 1439-1444
本発明の目的は、ラウロイルアミノ酸誘導体に起因する経時での離水や凝集が抑制されるとともに、電解質存在下もしくはアルコール存在下でも広いpH域で所望の粘度を維持し、かつ使用性が良好でべたつきやぬるつきを抑えた組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ラウロイルアミノ酸誘導体である成分(A):下記式(1)で示される化合物(以下、「化合物(1)」ともいう)またはその塩に成分(B):アニオン性水溶性高分子を含有させるだけで、経時での離水や凝集がなく、電解質存在下、もしくはアルコール存在下でも広いpH域で所望の粘度を維持し、使用性に関してもべたつきやぬるつきを抑えうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]成分(A):式(1)
(式中、
およびRは、各々独立して、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
およびRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、
zは0以上の整数であり、
xおよびyは、各々独立して、2〜4の整数である。)で示される化合物またはその塩、および
成分(B):アニオン性水溶性高分子
を含有する組成物。
[2]成分(A)が、前記式(1)においてzが0〜10の整数である化合物またはその塩である、[1]に記載の組成物。
[3]成分(A)が、前記式(1)においてzが7または8である化合物またはその塩である、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]成分(A)が、前記式(1)においてxおよびyが共に4である化合物またはその塩である、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]成分(A)が、前記式(1)においてRおよびRが各々独立して、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基である化合物またはその塩である、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]成分(A)が、前記式(1)においてRおよびRが共に水素原子である化合物またはその塩である、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]成分(A)が、前記式(1)においてRおよびRが、各々独立して、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基であり、RおよびRが、共に水素原子であり、zが、0〜10の整数であり、xおよびyが、共に4である化合物またはその塩である、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[8]成分(A)が、前記式(1)においてRおよびRが、共に炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基であり、RおよびRが、共に水素原子であり、zが、7または8であり、xおよびyが、共に4である化合物またはその塩である、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[9]成分(A)が、ビス(Nε-ラウロイル-L-リジン)セバコイルアミド、およびビス(Nε-オクタノイル-L-リジン)セバコイルアミドから選択される化合物またはその塩である、[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]成分(B)が、カルボキシル基を有するアニオン性水溶性高分子である、[1]〜[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]成分(B)が、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸またはその塩、架橋型ポリアクリル酸またはその塩、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))共重合体、アクリル酸アルキル共重合体液、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、キサンタンガム、およびアルギン酸またはその塩からなる群から選択される少なくとも一種のアニオン性水溶性高分子である、[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]さらに、成分(C):電解質または成分(D):アルコールを含有する、[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]成分(A)を組成物全量に対して0.001〜10重量%含有する、[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]成分(B)を組成物全量に対して0.05〜10重量%含有する、[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]成分(A)の重量/成分(B)の重量が1/99〜99/1である、[1]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[16]成分(C)が、塩化ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムおよび乳酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種である[12]〜[15]のいずれかに記載の組成物。
[17]成分(D)が、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールからなる群から選択される少なくとも1種のアルコールである[12]〜[15]のいずれかに記載の組成物。
[18][1]〜[17]のいずれかに記載の組成物を含む化粧料。
[19]成分(A):式(1)
(式中、各記号は[1]に記載の定義と同義である。)で示される化合物またはその塩、および成分(B):アニオン性水溶性高分子を配合する工程を含む、粘度安定性を改善させた組成物を製造する方法。
[20]成分(A):化合物(1)またはその塩に成分(B):アニオン性水溶性高分子を添加する工程を含む、組成物の離水または凝集抑制方法。
[21]電解質存在下もしくはアルコール存在下の成分(B):アニオン性水溶性高分子に成分(A):化合物(1)またはその塩を添加する工程を含む、粘度安定性を改善させた組成物を製造する方法。
[22]電解質存在下もしくはアルコール存在下の成分(B):アニオン性水溶性高分子に成分(A):化合物(1)またはその塩を添加する工程を含む、組成物の粘度を安定化する方法。
本発明によれば、経時での離水や凝集が抑制されるとともに、電解質存在下もしくはアルコール存在下でも広いpH域で所望の粘度を維持し、かつ使用性が良好でべたつきやぬるつきを抑えた組成物を提供することができる。
本発明の組成物は、成分(A):式(1)
(式中、
およびRは、各々独立して、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、
およびRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、
zは0以上の整数であり、
xおよびyは、各々独立して、2〜4の整数である。)で示される化合物またはその塩、および
成分(B):アニオン性水溶性高分子
を含有する組成物であることを特徴とする。
また、本発明の組成物は、成分(A)および成分(B)に加えて、さらに、成分(C):電解質または成分(D):アルコールを含有する組成物であることを特徴とする。
以下に、本発明の実施の形態について詳述する。
1.成分(A):式(1)で示される化合物(化合物(1))またはその塩
およびRは、各々独立して、炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基である。
炭素原子数5〜21のアルキル基とは、炭素原子数5〜21の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
炭素原子数5〜21のアルケニル基とは、炭素原子数5〜21の直鎖または分岐状のアルケニル基を意味し、具体的には、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
炭素原子数5〜15のアルキル基とは、炭素原子数5〜15の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。
炭素原子数7〜11のアルキル基とは、炭素原子数7〜11の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基等が挙げられる。
およびRは、好ましくは各々独立して、炭素原子数5〜15のアルキル基であり、より好ましくは各々独立して、炭素原子数7〜11のアルキル基である。
また、RおよびRは、直鎖のアルキル基であることが好ましい。さらに、RおよびRは、同一であることが好ましい。
およびRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基である。
炭素原子数1〜22のアルキル基とは、炭素原子数1〜22の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
炭素原子数2〜22のアルケニル基とは、炭素原子数2〜22の直鎖または分岐状のアルケニル基を意味し、具体的には、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
およびRは、好ましくは共に水素原子である。
zは、0以上の整数である。
zは、好ましくは0〜10の整数であり、より好ましくは7または8である。
xおよびyは、各々独立して、2〜4の整数である。
xおよびyは、好ましくは共に4である。
式(1)で示される化合物として、好ましくは、以下の化合物が挙げられる。
(化合物A)
およびRが、各々独立して、炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基であり、
およびRが、共に水素原子であり、
zが、0〜10の整数であり、
xおよびyが、共に4である化合物。
(化合物B)
およびRが、共に炭素原子数5〜15の直鎖アルキル基であり、
およびRが、共に水素原子であり、
zが、7または8であり、
xおよびyが、共に4である化合物。
(化合物C)
およびRが、共に炭素原子数7〜11の直鎖アルキル基であり、
およびRが、共に水素原子であり、
zが、7または8であり、
xおよびyが、共に4である化合物。
式(1)で示される化合物の具体例としては、
ビス(Nε-ラウロイル-L-リジン)セバコイルアミド、もしくは
ビス(Nε-オクタノイル-L-リジン)セバコイルアミド
またはその塩が挙げられる。
式(1)で示される化合物の塩としては特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛との塩等の無機塩、あるいはアンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩や、アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩等の有機塩が挙げられる。これらのうち1種を使用してもよいし、上記群から選ばれる2種以上を混合して使用しても構わない。入手の容易性、取り扱い性等の観点から、アルカリ金属塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
化合物(1)は、慣用の手法により製造することができる(特開2004−323505号公報、Org. Biomol. Chem., 2003, 1, 4124-4131、New J. Chem., 2005, 29, 1439-1444等)。例えば、下記式に示すように、化合物(1)のうち、対称型の化合物(1’)は、Nω−アシルアミノ酸(2)とジカルボン酸ジクロライド(3)を適切な溶媒中で反応させることにより製造することができる。
(式中、R1’は炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、R3’は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、z’は0以上の整数であり、x’は2〜4の整数である。)
ω−アシルアミノ酸(2)としては、例えば、Nε−アシルリジン(例:Nε−ヘキサノイル−L−リジン、Nε−オクタノイル−L−リジン等)、Nδ−アシルオルニチン(例:Nδ−ヘキサノイル−L−オルニチン等)、Nγ−アシル−α,γ−ジアミノ酪酸等が挙げられる。
ジカルボン酸ジクロライド(3)としては、例えば、オギザリルクロライド、マロニルクロライド、スクシニルクロライド、グルタリルクロライド、アジポイルクロライド、ピメロイルクロライド、スベロイルクロライド、アゼラオイルクロライド、セバコイルクロライド、ドデカンジオイルクロライド等が挙げられる。ジカルボン酸ジクロライド(3)の使用量は、Nω−アシルアミノ酸(2)に対して通常0.4〜0.6当量である。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。
また、化合物(1)のうち、非対称型の化合物(1’’)は下記の通り製造することができる。まず、Nω−アシルアミノ酸(2)とジカルボン酸モノクロライドモノエステル(4)を適切な溶媒中で反応させて化合物(5)を得る(工程1)。続いて、得られた化合物(5)の1級エステル部位を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下で加水分解した後、チオニルクロライド等のクロロ化剤を用いてカルボン酸部位をクロロ化し、前記工程1で用いたNω−アシルアミノ酸(2)とは異なるNω−アシルアミノ酸(2’)を反応させることにより製造することができる(工程2)。
(式中、R1’、R3’、z’およびx’は前記定義と同義であり、R2’は炭素原子数5〜21のアルキル基または炭素原子数5〜21のアルケニル基であり、R4’は水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基または炭素原子数2〜22のアルケニル基であり、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基であり、y’は2〜4の整数である。)
ω−アシルアミノ酸(2)および(2’)は、前記と同様のNω−アシルアミノ酸を用いることができる。
ジカルボン酸モノクロライドモノエステル(4)は、市販されている場合には市販品をそのまま用いることができ、自体公知の方法またはそれに準じた方法にて製造したものを用いることもできる。
なお、前記方法で得られたアシル塩基性アミノ酸誘導体を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、有機アミン塩基等と反応させることにより、アシル塩基性アミノ酸誘導体の塩に変換することができる。
本発明の組成物における成分(A):アシル塩基性アミノ酸誘導体またはその塩の含有量は、組成物全量に対して通常0.001〜10重量%であり、好ましくは0.005〜5重量%である。
2.成分(B):アニオン性水溶性高分子
本明細書において「アニオン性水溶性高分子」とは、陰電荷に帯電した水溶性の高分子を意味する。「アニオン性水溶性高分子」としては、陰電荷に帯電した水溶性の高分子であれば特に限定されないが、使用性の観点から分子内にカルボキシル基を有することが好ましい。「アニオン性水溶性高分子」の具体例としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸またはその塩、架橋型ポリアクリル酸またはその塩、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))共重合体、アクリル酸アルキル共重合体液、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル)クロスポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、キサンタンガム、およびアルギン酸またはその塩等が挙げられ、好ましくは、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸またはその塩、架橋型ポリアクリル酸またはその塩、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))共重合体、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル)クロスポリマー等である。
アニオン性水溶性高分子の塩としては、前記式(1)で示される化合物の塩として例示したものと同様の塩が挙げられる。
アニオン性水溶性高分子は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の組成物における成分(B):アニオン性水溶性高分子の含有量は、組成物全量に対して通常0.05〜10重量%であり、好ましくは0.05〜5重量%である。
本発明の組成物において、成分(A)の重量/成分(B)の重量は通常1/99〜99/1であり、好ましくは1/4〜4/1である。
本発明の組成物の形態は、通常粘稠性液体状、ゲル状、クリーム状、スティック状等であり、粘稠性液体状、ゲル状、クリーム状等が好ましい。
3.成分(C):電解質
本明細書において「電解質」とは、溶媒中に溶解した際に、陽イオンと陰イオンに解離し、導電性を示す物質を意味する。「電解質」の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム/カリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、アスコルビン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、イセチオン酸ナトリウム等が挙げられ、好ましくは塩化ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウムである。
本発明の組成物における成分(C):電解質の含有量は、組成物全量に対して通常0.01〜20重量%であり、好ましくは、組成物全量に対して0.05〜5重量%である。
4.成分(D):アルコール
本明細書における「アルコール」として、好ましくは、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐状のアルコールである。「アルコール」の好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等が挙げられ、より好ましくは、エタノール、プロパノール、イソプロパノールである。
本発明の組成物における成分(D):アルコールの含有量は、組成物全量に対して通常3〜80重量%であり、好ましくは、組成物全量に対して10〜65重量%である。
本発明の組成物のpHは特に限定されないが、増粘性の維持という観点から、通常pH3〜9であり、pH4〜7.5であるのが好ましい。
本発明は、また、前記本発明の組成物を含有する化粧料に関する。
本発明の化粧料としては、具体的には、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、美容液、パック、マスク、石鹸、ボディシャンプー、白粉、ファンデーション、口紅、チーク、アイライナー、マスカラ、アイシャドー、眉墨、シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアスタイリング剤、ヘアトリートメント等が挙げられる。
本発明の化粧料は、通常化粧料に添加してもよい成分を本発明の効果を阻害しない範囲で含有してもよい。具体的には、油剤、キレート剤、界面活性剤、粉体、アミノ酸類、多価アルコール、ポリアミノ酸およびその塩、水溶性高分子、糖アルコールおよびそのアルキレンオキシド付加物、低級アルコール、動植物抽出物、核酸、ビタミン、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、制汗剤、顔料、色素、酸化染料、有機および無機粉体、pH調整剤、パール化剤、湿潤剤が挙げられる。
本発明は、また、成分(B):アニオン性水溶性高分子に成分(A):化合物(1)またはその塩を添加する工程を含む、粘度安定性を改善させた組成物を製造する方法に関する。
本明細書において、「粘度安定性を改善させた」とは、電解質存在下もしくはアルコール存在下でも広いpH域で粘度を維持するように改善させたことを意味する。広いpH域とは、pH4〜8の範囲であり、本発明の組成物の粘度は通常組成物の用途や種類によって要求される粘度を意味する。
成分(A):化合物(1)またはその塩としては、本明細書に記載の方法のほか、特許文献2、非特許文献2および非特許文献3に記載の方法にて製造されたものを用いることができる。
成分(B):アニオン性水溶性高分子としては、商業的に入手可能なものを用いることができる。
本発明は、また、成分(A):化合物(1)またはその塩に成分(B):アニオン性水溶性高分子を添加する工程を含む、組成物の離水又は凝集抑制方法に関する。離水とは組成物から水が分離することであり、凝集は均一な状態から不均一な状態になることを意味する。上記添加する方法は常法に従って行うことができる。また添加量や具体的な成分は既述に準じる。
本発明は、また、電解質存在下もしくはアルコール存在下の成分(B):アニオン性水溶性高分子に成分(A):化合物(1)またはその塩を添加する工程を含む、組成物の粘度を安定化する方法に関する。添加する方法は常法に従って行うことができる。また添加量や具体的な成分は既述に準じる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。また「%」は特に断りが無い限り「重量%」を示す。
〔製造例1〕ビス(Nε-ラウロイル-L-リジン)セバコイルアミドジナトリウム塩の合成
ε−ラウロイル−L−リジン8.2g(25mmol)を、水70gおよび25%水酸化ナトリウム水溶液(10g)に溶解させ、ジエチルエーテル80gを加えた。そこへセバコイルクロライド3.3g(14mmol)をエーテル層にゆっくり加えた。この2層溶液を0℃に保持したまま1時間ほど撹拌し、その後室温で23時間撹拌した。次いで、75%硫酸を滴下し、pH2に調整した後、得られた白色沈殿を濾取し、水でよく洗い乾燥した。得られた化合物を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させて10%のビス(Nε−ラウロイル−L−リジン)セバコイルアミドジナトリウム塩水溶液を得た。
〔製造例2〕ビス(Nε−ラウロイル−L−リジン)セバコイルアミドジトリエタノールアミン塩の合成
ε−ラウロイル−L−リジン8.2g(25mmol)を、水70gおよび25%水酸化ナトリウム水溶液(10g)に溶解させ、ジエチルエーテル80gを加えた。そこへセバコイルクロライド3.3g(14mmol)をエーテル層にゆっくり加えた。この2層溶液を0℃に保持したまま1時間ほど撹拌し、その後室温で23時間撹拌した。次いで、75%硫酸を滴下し、pH2に調整した後、得られた白色沈殿を濾取し、水でよく洗い乾燥した。得られた化合物を水に入れ、トリエタノールアミンを加えてpHを10に調整し、10%のビス(Nε−ラウロイル−L−リジン)セバコイルアミドジトリエタノールアミン塩水溶液を得た。
〔製造例3〕ビス(Nε−オクタノイル−L−リジン)セバコイルアミドジナトリウム塩の合成
ε−オクタノイル−L−リジン6.8g(25mmol)を水70gおよび25%水酸化ナトリウム水溶液(10g)に溶解させ、ジエチルエーテル80gを加えた。そこへセバコイルクロライド3.3g(14mmol)をエーテル層にゆっくり加えた。この2層溶液を0℃に保持したまま1時間ほど撹拌し、その後室温で23時間撹拌した。次いで、75%硫酸を滴下し、pH2に調整した後、得られた白色沈殿を濾取し、水でよく洗い乾燥した。得られた化合物を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させて10%のビス(Nε−オクタノイル−L−リジン)セバコイルアミドジナトリウム塩水溶液を得た。
ビス(Nε−オクタノイル−L−リジン)セバコイルアミド(フリー体)の
1H-NMR
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6, TMS, 25 ℃):δ0.85 (t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.20-1.29 (m, 28H), 1.32-1.38 (m, 4H), 1.45-1.50 (m, 8H), 1.54-1.59 (m, 4H), 2.02 (t, J = 7.4 Hz, 4H), 2.09 (t, J = 7.4 Hz, 4H), 2.99 (q, J = 6.5 Hz, 4H), 4.08-4.47 (m, 2H), 7.73 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 7.97 (d, J = 8.0 Hz, 2H).
試験例1
本発明の組成物の離水性および凝集抑制効果について評価した。組成物の調製、評価方法および評価基準は下記のとおりである。
実施例1の組成物の調製
成分(A)(製造例1で合成した化合物)を、あらかじめ水に撹拌して分散させた成分(B)に加え、室温にて撹拌した(各成分の重量%は表1に記載)。得られた混合物を2つに分けて、pHをそれぞれpH4.8、pH5.5に調整した。調製した組成物を30mLのガラス瓶に完全密封し、室温にて5日以上保管した。
比較例1の組成物の調製
成分(A)を添加しないこと以外は、実施例1の組成物の調製と同様の方法で、組成物を調製、室温にて5日以上保管した。
評価1:離水性(組成物から水が分離してくるか否か)
前記のように調製したpH5.5の組成物を入れたガラス瓶を逆さにし、目視にて観察、下記の基準にて評価した。
◎:離水が確認されず、ガラス瓶を逆さにしてもほとんど水が垂れてこない
×:離水が確認され、ガラス瓶を逆さにすると明らかに水が垂れてくる
評価2:凝集抑制効果
前記のように調製したpH4.8の組成物を目視にて観察、下記の基準にて評価した。
◎:凝集物が確認されなかった
×:明らかに凝集物が確認された
結果を表1に示す。
成分(B)を添加しない比較例では、組成物から水が分離し、かつ凝集が生じた(比較例1)。一方、成分(B)を添加した本発明の組成物では、組成物から水が分離せず、かつ凝集が抑制された(実施例1)。
試験例2
本発明の組成物の電解質存在下もしくはアルコール存在下での各pHにおける粘度、および使用性について評価した。組成物の調製、評価方法および評価基準は下記のとおりである。
実施例2〜8の組成物の調製
成分(A)(製造例1および3で合成した化合物)を、あらかじめ水に撹拌して分散させた成分(B)に加えた後、成分(C)(電解質)(ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%水溶液);AJIDEW NL−50(味の素社製))を加え、室温にて撹拌した(各成分の重量%は表2に記載)。得られた混合物を4つに分けて、pHをそれぞれpH4.8、pH5.5、pH6.5、pH7.5に調整した。調製した試験用組成物を30mLのガラス瓶に充填して完全密封し、室温にて5日間から8日間保管した。
比較例2〜8の組成物の調製
成分(A)を添加しないこと以外は、実施例2〜8の組成物の調製と同様の方法で、各組成物を調製、室温にて5日間から8日間保管した。
実施例9〜18の組成物の調製
成分(A)(製造例2で合成した化合物)を、あらかじめ水に撹拌して分散させた成分(B)および成分(D)(アルコール)の混合物に加え、室温にてよく撹拌した(各成分の重量%は表3に記載)。得られた混合物を4つに分けて、表中pH調整の項に記載のものを添加してpHをそれぞれpH4.8、pH5.5、pH6.5、pH7.5に調整した。調製した試験用組成物を30mLのガラス瓶に充填して完全密封し、室温にて5日間から8日間保管した。
比較例9および10の組成物の調製
成分(A)を添加しないこと以外は、実施例9〜18の組成物の調製と同様の方法で、各組成物を調製、室温にて5日間から8日間保管した。
評価3:電解質またはアルコールに対する安定性
前記のように調製、保管したpH5.5の組成物が充填されたガラス瓶を逆さにし、目視にて観察、下記の基準にて評価した。
◎:ガラス瓶を逆さにしても落ちてこない
×:ガラス瓶を逆さにすると落ちてくる
評価4:pH安定性
前記のように調製、保管したpH4.8、pH5.5、pH6.5、pH7.5のそれぞれの組成物が充填されたガラス瓶を逆さにし、目視にて観察、下記の基準で評価した。
◎:3点以上のpHで、ガラス瓶を逆さにしても落ちてこない
〇:2点のpHで、ガラス瓶を逆さにしても落ちてこない
×:1点以下のpHで、ガラス瓶を逆さにしても落ちてこない
評価5:使用性(べたつき)
前記のように調製したpH5.5の組成物25〜35mgを健康な8名の被験者の前腕内側の皮膚8×2cm以内の範囲に塗布し、塗布中や塗布直後にべたつきを感じたかどうかを調査し、下記の基準にて評価した。
◎:被験者のうち1人以内がべたつくと回答
○:被験者のうち2人以上4人未満がべたつくと回答
△:被験者のうち4人以上6人未満がべたつくと回答
×:被験者のうち6人以上がべたつくと回答
評価6:使用性(ぬるつき)
前記のように調製したpH5.5の組成物25〜35mgを健康な8名の被験者の前腕内側の皮膚8×2cm以内の範囲に塗布し、塗布中や塗布直後にぬるつきを感じたかどうかを調査し、下記の基準にて評価した。
◎:被験者のうち1人以内がぬるつくと回答
○:被験者のうち2人以上4人未満がぬるつくと回答
△:被験者のうち4人以上6人未満がぬるつくと回答
×:被験者のうち6人以上がぬるつくと回答
結果を表2および表3に示す。
成分(A)を添加しない比較例では、使用感を重視して成分(B)の量を抑えると十分な粘度を示さず(比較例2〜5、9および10)、粘度を補うために成分(B)を増量するとべたつきやぬるつきが生じ、塗布時の使用感に劣った(比較例6〜8)。一方、成分(A)を添加した本発明の組成物では、広いpH域で増粘性を維持することができ、かつべたつきやぬるつきが低減された(実施例2〜18)。
以下、本発明に係る組成物の好適な配合例について説明する。
配合例1 保湿ジェル
下記表4に示す配合の保湿ジェルを常法に従い調製した。
配合例2 ハンドサニタイザー
下記表5に示す配合のハンドサニタイザーを常法に従い調製した。
配合例3 ヘアトニック
下記表6に示す配合のヘアトニックを常法に従い調製した。
配合例4 スプレー型サンスクリーン
下記表7に示す配合のスプレー型サンスクリーンを常法に従い調製した。
配合例5 アフターシェービングジェル
下記表8に示す配合のアフターシェービングジェルを常法に従い調製した。
配合例1〜5の化粧料は、いずれも十分な粘度を示し、かつべたつきやぬるつきが抑えられた。
なお、使用した材料の詳細は以下のとおりである。
ブチレングリコール:1,3−ブチレングリコール(ダイセル社製)
グリセリン:化粧品用濃グリセリン(阪本工業社製)
ポリクオタニウム−61:リピジュア−S(日油社製)
ピロリドンカルボン酸ナトリウム:AJIDEW NL−50(味の素社製)
水添レシチン、グリセリン:レシノールSH50(日光ケミカルズ社製)
ペンテト酸5ナトリウム:キレスト P−SD(中部キレスト社製)
PEG−40水添ヒマシ油:EMALEX HC−40(日本エマルジョン社製)
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル):ELDEW PS−304R(味の素社製)
トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル:EMALEX KTG(日本エマルジョン社製)
ネオペンタン酸イソステアリル:ネオライト180P(高級アルコール工業社製)
アルニカ花エキス、キュウリ果実エキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウニワトコエキス、ゼニアオイエキス、パリエタリアエキス、ブチレングリコール、水:フィテレン EGX−251(GREENTECH S.A.社製)
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー:カーボポール Ultrez 20(Lubrizol Advanced Materials社製)
デカノイルプロリンナトリウム、水:PRODEW P−DS−12(味の素社製)
ココイルアルギニンエチルPCA:CAE(味の素社製)
カルボキシビニルポリマー:CARBOPOL 940 POLYMER(Lubrizol Advanced Materials社製)
アミノメチルプロパノール:AMP−ULTRA PC 1000(DOW社製)
アセチルヒアルロン酸ナトリウム:(資生堂社製)
アラントイン:(川研ファインケミカル社製)
べへネス−30:NIKKOL BB−30(日光ケミカルズ社製)
パンテノール:D−パンテノールUSP(BASF社製)
カンフル:日本薬局方dl−カンフル(日本精化社製)
メントール:メントール(高砂香料社製)
t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン:パルソール1789(DSMニュートリション社製)
オクトクリレン:パルソール340(DSMニュートリション社製)
ポリシリコーン−15:パルソールSLX(DSMニュートリション社製)
ホモサレート:パルソールHMS(DSMニュートリション社製)
イソノナン酸イソノニル:サラコス99(日清オイリオ社製)
安息香酸アルキル(C12−15):FINSOLV TN(INNOSPEC社製)
フェニルトリメチコン:EMALEX SO−29(日本エマルジョン社製)
炭酸ジカプリリル:CETIOL CC(BASF社製)
シクロヘキサシロキサン:DC246Fluid(東レ・ダウコーニング社製)
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン:UVASORB HEB(3V Sigma社製)
(VP/ヘキサデセン)コポリマー:アンタロンV216(ISP社製)
(アクリレーツ/オクチルアクリルアミド)コポリマー:DERMACRYL79(AKZO NOBEL社製)
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン)コポリマーナトリウム:SEPIMAX C(SEPPIC社製)
青2:(癸巳化成社製)
紫201:(癸巳化成社製)
グルタミン酸ジ酢酸4ナトリウム:DISSOLVINE GL−47−S(AKZO NOBEL社製)
ベタイン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ソルビトール、セリン、グリシン、グルタミン酸、アラニン、リシン、アルギニン、トレオニン、プロリン、メチルパラベン、プロピルパラベン、水:PRODEW400(味の素社製)
パントテン酸カルシウム、ナイアシンアミド、アスコルビルリン酸ナトリウム、酢酸トコフェロール、ピリドキシン塩酸塩、マルトデキストリン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、シリカ:ビュープレックスVH、(DSMニュートリション社製)
ブチレングリコール、水、ローマカミツレ花エキス、トウキンセンカ花エキス、ヤグルマギ花エキス、カミツレ花エキス、セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス、フユボダイジュ花エキス:ファルコレックス BX44(一丸ファルコス社製)
PEG−11メチルエーテルジメチコン:KF−6011(信越化学工業社製)
本発明は、経時での離水や凝集が抑制されるとともに、電解質存在下もしくはアルコール存在下でも広いpH域で所望の粘度を維持し、べたつきおよびぬるつきの低減された組成物を提供することができる。
本出願は、日本で出願された特願2014−262412を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (8)

  1. 成分(A):ビス(N ε -ラウロイル-L-リジン)セバコイルアミド、およびビス(N ε -オクタノイル-L-リジン)セバコイルアミドから選択される化合物またはその塩、および
    成分(B):アニオン性水溶性高分子
    を含有する組成物であって、
    組成物全量に対する含有量が、成分(A)は0.001〜10重量%及び成分(B)は0.05〜10重量%であり、
    pHが3〜9である組成物
  2. pHが4〜7.5である請求項1に記載の組成物。
  3. 成分(B)が、カルボキシル基を有するアニオン性水溶性高分子である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 成分(B)が、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸またはその塩、架橋型ポリアクリル酸またはその塩、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))共重合体、アクリル酸アルキル共重合体液、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、キサンタンガム、およびアルギン酸またはその塩からなる群から選択される少なくとも一種のアニオン性水溶性高分子である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  5. さらに、成分(C):電解質または成分(D):アルコールを含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 成分(C)が、塩化ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムおよび乳酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の電解質である請求項に記載の組成物。
  7. 成分(D)が、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールからなる群から選択される少なくとも1種のアルコールである請求項に記載の組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物を含む化粧料。
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