JP2017050247A - アルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。 - Google Patents
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Abstract
Description
充放電に関与するリチウムイオンを蓄える手段として、負極へのプレドープという方法が知られている。初回充電の前に、充放電に関与するリチウムを、炭素材料などからなる負極に予めドープしておく方法である。
また、特許文献2に記載された方法では、蓄電デバイスの内部にリチウム源となる蓚酸リチウムの分解物が残留することによって電池特性が低下することや、蓚酸リチウムの分解によってガスが発生することが懸念される。
なお、厚さ方向とは、集電体、活物質粉末層、多孔体及びアルカリ金属イオン供給源が配置されている方向を指す。
このような反応により、粉末状の活物質(活物質粉末ともいう)にアルカリ金属イオンがプレドープされ、アルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末が得られることとなる。続いて、上記アルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末を回収することで、アルカリ金属イオンが均一にプレドープされた粉末状のアルカリ金属イオンプレドープ活物質(アルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末ともいう)を得ることができる。
従って、粉末回収工程により回収される粉末状のアルカリ金属イオンプレドープ活物質は、不純物の混入が少なく、蓄電デバイスとした際の充放電性能の安定性に優れる。
活物質粉末層が、活物質粉末のみからなると、粉末回収工程において不純物を除去する必要がなくなり、製造効率が向上する。
なお、プレドープ処理ユニットを構成する活物質粉末層において、活物質粉末は非水電解液と接触しているが、非水電解液は活物質粉末層を構成する物質として扱わないこととする。
これらの材料からなる活物質粉末にはアルカリ金属イオンをプレドープすることができるため、本発明の製造方法を適用するのに適している。
アルカリ金属イオンがリチウムイオンであると、単位電荷あたりの重量が小さいため、蓄電デバイスのエネルギー密度を大きくすることができ、かつ、イオン半径が小さく活物質粉末へのプレドープが進行しやすいため、特に好ましい。
予めリチウムイオンがプレドープされた炭素質材料はサイクル特性に優れ、炭素質材料の層間にリチウムイオンが入るため、メタルとしてのLiはLi金属の表面に付着することになり、繰り返しの充放電に伴うリチウムデンドライトが発生しにくいため、プレドープによって、Liの出入り口となるSEI膜が均一に形成されるため、Liの偏析も起こり難く、プレドープ処理工程における安定性に優れる。
集電体が銅製の箔であると、電気抵抗が小さく、またアルカリ金属と合金を作りにくいため、プレドープ処理工程を効率よく進行させることができる。
集電体がステンレス製の箔であると、プレドープ処理工程中に非水電解液と反応しにくいため、プレドープ処理工程において集電体の劣化を防止しやすくなる。
上記箔の表面に粗化処理が施されていると、集電体と活物質粉末との接触性が向上するため、アルカリ金属イオンのプレドープが進行しやすくなる。また、集電体の一部に電流が集中することを抑制しやすくなる。
プレドープ処理工程における電流値(Cレートともいう)が上記範囲内であると、活物質粉末に対するアルカリ金属イオンのプレドープを充分に進行させることができる。なお、上記プレドープ処理工程におけるCレートは、活物質粉末層を構成するすべての活物質粉末に対するプレドープが完了するのに1時間を要した時の電流値を1Cとしたものである。すなわち、上記Cレート(0.05〜10C)においては、プレドープ処理工程が完了するまで6分〜20時間を要する。
プレドープ処理工程において活物質粉末層とアルカリ金属イオン供給源との間の電位差を測定することにより、プレドープ処理の進行度合いを推測することができる。
なお、プレドープ処理ユニットの厚さ方向とは、プレドープ処理ユニットを構成する集電体、活物質粉末層、多孔体及びアルカリ金属イオン供給源が配置されている方向を指す。
プレドープ処理工程においてプレドープ処理ユニットを厚さ方向に加圧することにより、活物質粉末と集電体の接触性が高まり、アルカリ金属イオンのプレドープが進行しやすくなる。
加圧条件を上記範囲に設定することで、活物質粉末と集電体の接触性がより高まり、アルカリ金属イオンのプレドープが進行しやすくなる。
加圧条件が0.5N/cm2未満である場合、加圧によって活物質粉末と集電体との接触性が充分に向上しないことがある。一方、加圧条件が500N/cm2を超える場合、活物質粉末に掛かる圧力が大きすぎて、活物質粉末の結晶構造が破壊されることがある。
なお、上記加圧条件は、プレドープ処理ユニットの厚さ方向に加える力を、該力を加える面のプレドープ処理ユニットの面積で除することにより算出する。
アルカリ金属イオンの活物質粉末に対するプレドープは、アルカリ金属イオン供給源に近い程速く進行するため、プレドープ処理工程において活物質粉末層を撹拌することで、プレドープ処理の進行を速めることができる。
以下、本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法について詳述する。
例えば以下の手順でプレドープ処理ユニットを準備することができる。
まず、反対側の面まで導電可能な集電部を設けた底面を有する樹脂製の容器を準備する。続いて、この樹脂製の容器の底面を覆うように集電体を配置し、集電体の上に粉末状の活物質を覆いかぶせるように配置して活物質粉末層を形成する。その後、活物質粉末が通過できない微小な孔を有する多孔体を活物質粉末層の上に重ね、活物質粉末層を構成する活物質粉末が多孔体よりも上に移動できないようにする。そして、多孔体及び活物質粉末層に充分行き渡る量の非水電解液を樹脂製の容器に注ぐ。最後に、多孔体の上部にアルカリ金属イオン供給源を接触させる。なお、樹脂製の容器に蓋等をかぶせてプレドープ処理ユニット全体を密閉してもよい。このとき、樹脂製の容器又は蓋のいずれかにエアベントを設けることが好ましい。
なお、集電体と、活物質粉末層と、多孔体と、アルカリ金属イオン供給源はこの順で厚さ方向に積層されているが、ここでいう厚さ方向とは、樹脂製の容器の底部から上部まで向かう方向に等しい。
すなわち、上述したプレドープ処理ユニットを準備する手順において、集電体の上に活物質粉末を覆いかぶせるように配置するかわりに、非水電解液で固めた活物質粉末を集電体の上に配置してもよい。さらに、多孔体を活物質粉末層の上に重ね、その後多孔体及び活物質粉末層に充分行き渡る量の非水電解液を樹脂製の容器に注ぐかわりに、非水電解液を含浸させた多孔体を、上述した非水電解液で固めた活物質粉末の上に重ねてもよい。
この場合、プレドープ処理ユニットの組み立て後に非水電解液の融点を超える温度まで加熱してからプレドープ処理工程を行う。
なお、活物質粉末を固めるのに使用した非水電解液と多孔体に含浸させる非水電解液は、同一であってもよく異なっていてもよい。
露点が−35℃を超える環境でプレドープ処理工程を行う場合、非水電解液を構成するアルカリ金属塩やアルカリ金属イオン供給源が環境中の水分と反応して分解、劣化してしまうおそれがある。また、活物質粉末や多孔体の表面に環境中の水分が付着して、後のプレドープ処理工程において非水電解液の劣化を促進させてしまうおそれがある。
本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法を構成するプレドープ処理ユニット準備工程において準備されるプレドープ処理ユニットを構成する集電体としては、公知の集電体を用いることができ、リチウムと合金を形成しないものであることが好ましく、例えば、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられ、製造コスト及び電気抵抗値の観点から、銅であることがより好ましく、製造コスト及びプレドープ処理工程中の非水電解液との反応性の観点から、ステンレスであることがより好ましい。
集電体の表面に粗化処理が施されていると、集電体と活物質粉末との接触性が向上するため、アルカリ金属イオンのプレドープが進行しやすくなる。
集電体の活物質粉末層と接触する表面の表面粗さRaが0.25〜0.35μmであると、集電体と活物質粉末との接触性が向上するため、アルカリ金属イオンのプレドープがより進行しやすくなる。
本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法を構成するプレドープ処理ユニット準備工程において準備されるプレドープ処理ユニットを構成する活物質粉末層は、活物質粉末からなる。
活物質粉末層を構成する活物質粉末としては、C、Si、Sn、SiO、SiO2及びV2O5からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの材料からなる活物質粉末にはアルカリ金属イオンをプレドープすることができるため、本発明の製造方法を適用するのに適している。
本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法を構成するプレドープ処理ユニット準備工程において準備されるプレドープ処理ユニットを構成する多孔体は絶縁性材料で構成されており、アルカリ金属イオン供給源と活物質粉末層とが短絡しないよう設けられている。
多孔体を構成する絶縁性材料としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系重合体やセルロース系化合物等が挙げられる。
本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法を構成するプレドープ処理ユニット準備工程において準備されるプレドープ処理ユニットを構成するアルカリ金属イオン供給源は、非水電解液を通じて活物質粉末にアルカリ金属イオンを供給することができれば、その組成は特に限定されない。
リチウムイオンのプレドープが施された炭素質材料を構成する炭素質材料としては、活物質粉末として使用可能な炭素質材料と同様のものを好適に用いることができる。
これらのうち、製造コストの観点から、金属リチウムであることが好ましく、プレドープ処理工程における安定性の観点から、リチウムイオンのプレドープが施された炭素質材料いであることが好ましい。
予めリチウムイオンがプレドープされた炭素質材料にはアルカリ金属イオンを挿入する空間(サイト)が既に形成されているため、プレドープ処理工程においてアルカリ金属イオンの挿入不良に伴う異常析出が発生しにくく、プレドープ処理工程における安定性に優れる。
アルカリ金属イオン供給源の形態としては、例えば塊状や多孔体状等の一体物であってもよく、粉末状、顆粒状、繊維状等のアルカリ金属イオン供給源を結合材等により所定の形状に成形したものであってもよい。このとき、アルカリ金属イオン供給源の導電性を高めるため、導電助剤等を添加してもよい。
本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法を構成するプレドープ処理ユニット準備工程において準備されるプレドープ処理ユニットを構成する非水電解液は、アルカリ金属イオン導電性を有していれば、その組成は特に限定されない。
非水電解液を構成するアルカリ金属塩の濃度が0.5mol/L未満であると、非水電解液のアルカリ金属イオンの伝導率が低下するため、アルカリ金属イオンのプレドープが進行しにくくなる。
非水電解液を構成するアルカリ金属塩の濃度が1.5mol/Lを超えると、自由イオンの数が減り、非水電解液の粘性が増加するため、流動性が悪くなり、アルカリ金属イオンのドープに支障をきたすことがある。
上記構造のプレドープ処理ユニットとしては、例えば、図1に示す形状が挙げられる。
図1は、本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法において準備されるプレドープ処理ユニットの一例を模式的に示した断面図である。
本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法を構成するプレドープ処理工程は、本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法を構成するプレドープ処理ユニット準備工程で作製したプレドープ処理ユニットを構成するアルカリ金属イオン供給源と集電体とを、プレドープ処理ユニットの外部で電気的に接続することにより行われる。
プレドープ処理ユニットを構成するアルカリ金属イオン供給源と集電体とを電気的に接続すると、非水電解液を介して、アルカリ金属イオン供給源からアルカリ金属イオンが活物質粉末層を構成する活物質粉末に供給されて、アルカリ金属イオンのプレドープが進行する。
プレドープ処理工程において、Cレートが0.05〜10Cであると、活物質粉末に対するアルカリ金属イオンのプレドープを充分に進行させることができる。
プレドープ処理工程におけるCレートが0.05C未満であると、プレドープ処理工程に掛かる時間が長すぎるため、製造効率の観点から好ましくない。一方、プレドープ処理工程におけるCレートが10Cを超えると、プレドープ対象となる活物質粉末の結晶構造を破壊したり、アルカリ金属イオンの異常析出が生じることがある。
なお、上記プレドープ処理工程におけるCレートは、活物質粉末層を構成するすべての活物質粉末に対するプレドープが完了するのに1時間を要した時の電流値を1Cとしたものである。すなわち、Cレートを0.05〜10Cとして活物質粉末層を構成するすべての活物質粉末に対するプレドープが完了するまでプレドープ処理工程を行う場合、プレドープ処理工程が完了するまで6分〜20時間を要する。
プレドープ処理工程を行う温度が0℃未満である場合、プレドープ処理ユニットを構成する非水電解液のアルカリ金属イオン拡散係数が小さくなりすぎるため、プレドープに時間がかかりすぎることがある。また、プレドープ処理工程を行う温度が50℃を超える場合、非水電解液を構成する非水溶媒が揮発したり、アルカリ金属塩の分解反応が起きやすくなることがある。
活物質粉末層の電位はアルカリ金属イオンのプレドープが進行するにつれて低下するため、当該電位を測定することによって活物質粉末層のプレドープの進行度合いを把握することができる。また、任意の段階でプレドープ処理工程を中止することでプレドープ反応を制御することができる。
プレドープ処理ユニットのIRドロップを算出するには、種々の要因を考慮する必要があり、測定が困難となるため、測定の容易さから参照電極を使用することが好ましい。
参照電極を使用することにより、プレドープ処理ユニットを構成するアルカリ金属イオン供給源及び活物質粉末層の電位を精度よく測定することができるため、プレドープの進行具合を制御しやすくなる。
なお、プレドープ処理ユニットの厚さ方向とは、集電体、活物質粉末層、多孔体及びアルカリ金属イオン供給源が配置されている方向であり、この厚さ方向にプレドープ処理ユニットを加圧することにより、集電体と活物質粉末層との接触性を高めることができる。集電体と活物質粉末層との接触性が高まると活物質粉末に対するアルカリ金属イオンのプレドープが進行しやすくなる。
加圧条件を0.5〜500N/cm2に設定することで、活物質粉末と集電体の接触性がより高まり、アルカリ金属イオンのプレドープが進行しやすくなる。
一方、加圧条件が0.5N/cm2未満である場合、加圧によって活物質粉末と集電体との接触性が充分に向上しないことがあるため、プレドープ処理が効率的に進行しないことがある。また、加圧条件が500N/cm2を超える場合、活物質粉末に掛かる圧力が大きすぎて、活物質粉末の結晶構造が破壊されることがある。さらに、加圧条件が500N/cm2を超える場合には、活物質粉末層に掛かる圧力が大きすぎるために、非水電解液の液回りが悪くなり、プレドープ処理が効率的に進行しないことがある。
なお、上記加圧条件は、プレドープ処理ユニットの厚さ方向に加える力を、該力を加える面のプレドープ処理ユニットの面積で除することにより算出する。
アルカリ金属イオンの活物質粉末に対するプレドープは、アルカリ金属イオン供給源に近い程速く進行すると考えられる。そのため、プレドープ処理工程において活物質粉末層を撹拌することで、既にアルカリ金属イオンのプレドープが完了している活物質粉末とまだアルカリ金属イオンのプレドープが完了していない活物質粉末の位置を入れ替えて、プレドープ処理の進行を速めることができる。
アルカリ金属イオン供給源側に近い非水電解液ほど非水電解液中のアルカリ金属イオン濃度が高いため、非水電解液をアルカリ金属イオン側から活物質粉末層へ向かって流通させることで、非水電解液中のアルカリ金属イオンの拡散速度を見かけ上増加させることができるため、プレドープの進行を速めることができる。
上述したプレドープ処理工程は、例えば、図2に示す概念図によって説明することができる。
図2は、本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法を構成するプレドープ処理工程の一例を模式的に示した概念図である。
また、図2に示すプレドープ処理ユニットとは異なり、樹脂製の容器に蓋等をかぶせてプレドープ処理ユニット全体を密閉してもよい。このとき、樹脂製の容器又は蓋のいずれかにエアベントを設けることが好ましい。
(1)本発明のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法では、アルカリ金属イオンが均一にプレドープされたアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末を得ることができる。
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1では、プレドープ処理ユニットを保持する部材としてステンレス製の2032型コインセルを使用した。なお、以下の操作のうち(a)及び(c)は露点が−60℃以下のドライルームで行った。
(a)プレドープ処理ユニット準備工程
まず、厚さ60μmの銅箔をφ15mmとなる円形に打ち抜いた。
打ち抜いた銅箔を2032型コインセルケースの底面中央に置き、銅箔の周囲を覆うようにポリプロピレン製ガスケットを配置した。続いて、銅箔の上に活物質粉末層となるグラファイト粉末[イビデン株式会社製黒鉛材料(ET−10)を粉砕したもの(D50=1.5μm)]1gを静置して活物質粉末層を形成し、活物質粉末層の上からポリプロピレン製セパレータ(厚さ100μm)を2枚重ねて静置した。
コインセルケースの内部に、2mLの非水電解液[LiPF6の1mol/L溶液(DMC)]を添加した後、セパレータの上にφ15mmに打ち抜いた金属リチウム箔(厚さ200μm)を載せ、さらにスペーサー(ステンレス製)及びウェーブワッシャー(ステンレス製)を載せた後、コインセルキャップをかぶせた。その後、かしめ機によりかしめてコインセルを作製することにより、コインセルに収容されたプレドープ処理ユニットを作製した。
作製したコインセルを25℃の恒温槽内に静置し、充放電試験機を用いて0.5Cで充電した。充電終了時点における活物質粉末層の電位は0.08V(vs. Li+/Li)であった。所要時間は2時間であった。
プレドープ処理工程を終えたコインセルを分解して活物質粉末層を回収した。
回収した活物質粉末層を、有機溶媒で洗浄後、乾燥して活物質粉末を得た。
プレドープ処理工程を行わず、充放電試験機に接続せずに25℃の恒温槽内に2時間静置したほかは、実施例1と同様の手順で比較例1に係る活物質粉末を得た。
以下の方法で集電体及び活物質粉末層を形成したほかは、実施例1と同様の手順で比較例2に係る活物質粉末を得た。
実施例1で使用したグラファイト粉末を活物質粉末とし、導電助剤としてのアセチレンブラック、バインダとしてのPVdF系共重合バインダ及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と充分に混合することにより、活物質スラリーを得た。
活物質スラリーを、厚さ60μmの銅箔上に、ベーカー式アプリケータを用いて、乾燥後の活物質層の厚さが50μmとなるように片面のみに塗布した。
活物質スラリーが塗布された銅箔を60℃で、10分間乾燥させ、その後減圧環境下において、120℃で10時間、200℃で17時間加熱して、減圧乾燥した。乾燥後、活物質層が形成された範囲がφ15mmとなるように円形に打ち抜いた。
実施例1及び比較例1〜2に係る活物質粉末を目視で確認したところ、比較例1に係る活物質粉末は実施例1及び比較例1〜2で使用したグラファイト粉末と同様の黒色であるが、実施例1及び比較例2に係る活物質粉末は一様に金色に変色していた。
このことから、実施例1及び比較例2に係る活物質粉末には、アルカリ金属イオンのプレドープが充分に進行していることが確認できた。
実施例1及び比較例1〜2に係る活物質粉末に対して誘導結合プラズマ発光・質量分析(ICP−MS)を行ったところ、実施例1に係る活物質粉末のLi:Cのモル比は6:1であり、その他の元素がほとんど検出されなかったのに対し、比較例1に係る活物質粉末ではLiがほとんど検出されなかった。また、比較例2に係る活物質粉末は、実施例1に係る活物質粉末と比較してCの含有率が多くなっていた。このことから、比較例2に係る活物質粉末には、導電助剤として用いたアセチレンブラックが残留していると考えられる。
上記結果から、実施例1に係る活物質粉末にはアルカリ金属イオンのプレドープが充分に進行しており、さらに不純物を含んでいないと考えられる。
さらに、実施例1及び比較例1〜2に係る活物質粉末の粉末X線回折(XRD)パターンを測定したところ、実施例1及び比較例2に係る活物質粉末ではグラファイトの(002)面に由来するピークの位置が24.25°にみられたのに対し、比較例1に係る活物質粉末では同様のピークが26.6°にみられた。なお、実施例1及び比較例1〜2で使用したグラファイト粉末のXRDパターンにおける(002)面ピークの位置は26.6°であった。
上記結果から、実施例1及び比較例2に係る活物質粉末はリチウムのプレドープに伴い(002)面の間隔が伸びており、リチウムのプレドープが進行していることがわかる。なお、実施例1及び比較例1のXRDパターンには不純物に由来するピークは見られなかったが、比較例2に係る活物質粉末のXRDパターンには、導電助剤とみられる不純物ピークが確認できた。
10 集電体
20 活物質粉末層
30 多孔体
40 アルカリ金属イオン供給源
Claims (12)
- 集電体と、前記集電体と接触する活物質粉末からなる活物質粉末層と、多孔体と、アルカリ金属イオン供給源とがこの順で厚さ方向に配置され、前記集電体、前記活物質粉末層、前記多孔体及び前記アルカリ金属イオン供給源が非水電解液と接触しているプレドープ処理ユニットを準備するプレドープ処理ユニット準備工程と、
前記プレドープ処理ユニットにおける前記集電体と前記アルカリ金属イオン供給源とを前記プレドープ処理ユニットの外部で電気的に接続して、前記活物質粉末にアルカリ金属イオンをプレドープするプレドープ処理工程と、
前記アルカリ金属イオンがプレドープされた活物質粉末を回収する粉末回収工程とからなることを特徴とするアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。 - 前記活物質粉末層は、前記活物質粉末のみからなる請求項1に記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記活物質粉末は、C、Si、Sn、SiO、SiO2及びV2O5からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記アルカリ金属イオンはリチウムイオンである請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記アルカリ金属イオン供給源は予めリチウムイオンがプレドープされた炭素質材料である請求項4に記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記集電体は銅製又はステンレス製の箔である請求項1〜5のいずれかに記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記箔の表面には粗化処理が施されている請求項6に記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記プレドープ処理工程において、前記プレドープ処理ユニットを構成する前記活物質粉末の全量を基準として0.05〜10Cの電流を、前記活物質粉末層と前記アルカリ金属イオン供給源との間に流す請求項1〜7のいずれかに記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記プレドープ処理工程において、さらに、前記活物質粉末層の電位(vs. Li+/Li)を測定する請求項1〜8のいずれかに記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記プレドープ処理工程において、前記プレドープ処理ユニットを厚さ方向に加圧する請求項1〜9のいずれかに記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記加圧条件は0.5〜500N/cm2である請求項10に記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
- 前記プレドープ処理工程において、前記活物質粉末層内の活物質粉末を撹拌する請求項1〜11のいずれかに記載のアルカリ金属イオンプレドープ活物質粉末の製造方法。
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