JP2017048611A - アーチ橋の架設方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続形式のアーチ橋におけるアーチリブの架設にロアリング工法を適用可能とした上で、架設コストの低減および架設工期の短縮を図ることのできるアーチ橋の架設方法を提供する。
【解決手段】橋脚本体の下端部44aに設置された第1および第2回転支承22、32から、第1および第2アーチリブ20A、30Aを略鉛直方向および略水平方向にそれぞれ構築する。これにより施工品質を確保した上で架設工期の短縮を図る。そして、これら第1および第2アーチリブ20A、30AをPCケーブル108で連結して、このPCケーブル108を送り出すことにより、第1アーチリブ20Aを架設予定位置まで中央径間側に回動させる。これにより、第1アーチリブ20Aを中央径間側に回動させる際、第2アーチリブ30AをPCケーブル108の張力に対する反力支持構造として活用し、反力支持構造として従来のような大掛かりな仮設構造の設置を不要とする。
【選択図】図5

Description

本願発明は、連続形式のアーチ橋を架設する方法に関するものである。
従来より、単アーチ橋においては、そのアーチリブを架設する方法としてロアリング工法が知られている(「特許文献1」参照)。
このロアリング工法においては、アーチアバットに設置された回転支承からアーチリブを略鉛直方向に構築した後、これを架設径間側へ回動させる(すなわちロアリングする)ことにより、アーチリブの架設を行うようになっている。
一方、従来より、アーチ橋の構造として、例えばバランスドアーチ橋のように橋脚両側の架設径間にアーチリブがそれぞれ配置された連続形式のアーチ橋が知られている。
このような連続形式のアーチ橋におけるアーチリブの架設は、従来より、移動式支保工を用いた工法(「特許文献2」参照)や移動作業車を用いた張出し工法等によって行われている。
特開2003−321805号公報 特開平8−209631号公報
連続形式のアーチ橋においても、そのアーチリブを架設する際にロアリング工法を用いるようにすれば、従来の張出し工法等に比して施工品質を高めることが可能となるが、次のような課題が生じる。
すなわち、ロアリング工法においては、略鉛直方向に構築されたアーチリブを架設径間側へ回動させる作業を円滑に行えるようにするため、アーチリブの先端近傍部位にケーブルを締結してこのケーブルに張力を付与するようになっているが、この張力に抵抗するための反力支持構造を設置する必要がある。
この反力支持構造としては、アーチアバット背後の地盤にアンカーブロックをグランドアンカーによって固定して、このアンカーブロックにケーブルを締結する構造が従来より採用されている。
しかしながら、このような反力支持構造は大掛かりな仮設構造となるため、アーチリブの架設コストが高くついてしまい、かつ架設工期が長くなってしまう。 しかも、連続形式のアーチ橋におけるアーチリブの架設にロアリング工法を適用しようとした場合には、反力支持構造を設置するのに適した場所を選定すること自体が困難な場合が多い。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、連続形式のアーチ橋におけるアーチリブの架設にロアリング工法を適用可能とした上で、架設コストの低減および架設工期の短縮を図ることができるアーチ橋の架設方法を提供することを目的とするものである。
本願発明は、ロアリング工法の適用対象となるアーチリブに対して橋脚の反対側に位置するアーチリブを有効活用することにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係るアーチ橋の架設方法は、
橋脚の両側に位置する第1および第2径間に、第1および第2アーチリブがそれぞれ配置されてなるアーチ橋を架設する方法において、
上記橋脚の基端部を構築する工程と、
上記橋脚の基端部に、橋軸直交方向に延びる軸線回りに回動可能な第1および第2回転支承を設置する工程と、
上記第1アーチリブを上記第1回転支承から略鉛直方向に構築する工程と、
上記第2アーチリブを上記第2回転支承から上記第2径間へ向けて略水平方向に構築する工程と、
上記第1および第2アーチリブを互いにケーブルで連結した状態で、該ケーブルを送り出すことにより上記第1アーチリブを架設予定位置まで上記第1径間側に回動させた後、この回動後の位置で該第1アーチリブを固定する工程と、
上記第2アーチリブを架設予定位置まで上方側に回動させた後、この回動後の位置で該第2アーチリブを固定する工程と、を含むことを特徴とするものである。
上記「橋脚の基端部」は、橋脚本体の下端部であってもよいし、橋脚本体を支持する橋脚基礎の部分であってもよい。
上記「第1および第2アーチリブ」の構築は同時に行ってもよいし、いずれか一方を先行させて行ってもよい。
上記「第1アーチリブ」を回動後の位置で固定するための具体的な方法は特に限定されるものではない。
上記「第2アーチリブ」を上方側に回動させるための具体的な方法は特に限定されるものではなく、また、これを回動後の位置で固定するための具体的な方法も特に限定されるものではない。
本願発明においては、橋脚の基端部に設置された第1および第2回転支承から、第1および第2アーチリブを略鉛直方向および略水平方向にそれぞれ構築するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、仮に第1および第2アーチリブを従来のように張出し工法で架設した場合には、斜め上方向にアーチリブを1ブロックずつ継ぎ足していくことになるため、施工品質を確保しつつ架設するのが容易でなく、このため架設作業に時間がかかってしまう。これに対し、本願発明のように第1および第2アーチリブを略鉛直方向および略水平方向にそれぞれ構築することにより、施工品質を確保した上で架設工期の短縮を図ることができる。
特に、第1および第2アーチリブがコンクリート製である場合には、これらを略鉛直方向および略水平方向にそれぞれ構築することによりコンクリートの充填性を高めることができ、これにより張出し工法の場合に比して施工品質を高めることができる。
その上で、本願発明においては、第1回転支承から略鉛直方向に構築された第1アーチリブと第2回転支承から第2径間へ向けて略水平方向に構築された第2アーチリブとをケーブルで連結した状態で、このケーブルを送り出すことにより第1アーチリブを架設予定位置まで第1径間側に回動させるようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、第1アーチリブを第1径間側に回動させる際、第2アーチリブをケーブルの張力に対する反力支持構造として活用することができる。したがって、反力支持構造として従来のような大掛かりな仮設構造を設置することが不要となり、これにより第1アーチリブの架設コストの低減および架設工期の短縮を図ることができる。また、反力支持構造の設置場所の選定も容易に可能となる。
なお、ケーブルの張力に対する反力支持構造として第2アーチリブのみでは重量面で不十分な場合には、カウンターウェイトやグランドアンカー等の仮設構造を追加設置することが必要となるが、この場合の仮設構造は補助的に設置されるものであるので簡素な構成とすることができる。
このように本願発明によれば、連続形式のアーチ橋におけるアーチリブの架設にロアリング工法を適用可能とした上で、架設コストの低減および架設工期の短縮を図ることができる。
また本願発明においては、第1および第2回転支承が同じ橋脚の基端部に設置されているので、第1および第2回転支承に強度上の連続性を持たせることが容易に可能となる。そしてこのようにすることにより、第1アーチリブからの水平反力と第2アーチリブからの水平反力とを第1および第2回転支承において相殺して、第1および第2回転支承が負担すべき水平反力を最小限に抑えることができる。
その際、第1および第2回転支承として、共通の回転軸を有するピン支承を用いるようにすれば、この回転軸において第1アーチリブからの水平反力と第2アーチリブからの水平反力とを相殺することができ、これにより第1および第2回転支承が負担すべき水平反力を最小限に抑えることができる。
本願発明において、第1アーチリブの第1径間側への回動を、第2アーチリブにアンカーブロックを設置して該アンカーブロックにジャッキを装着した後、第1アーチリブにケーブルの一端部を締結した状態で該ケーブルをジャッキによって送り出すことにより行うようにすれば、ケーブルの送り出しを容易に行うことができる。
本願発明においては、第1径間側に回動した第1アーチリブを架設予定位置で固定した後、第2アーチリブを上方側に回動させるようになっているが、この第2アーチリブの回動を、第1および第2アーチリブに連結されたケーブルを引き込むことによって行うようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、架設予定位置で固定された第1アーチリブを、第2アーチリブを回動させる際のケーブルの張力に対する反力支持構造として活用することができ、これにより第2アーチリブの架設コスト低減および架設効率向上を図ることができる。
その際、第1アーチリブを第1径間側に回動させる際に用いたケーブルをそのまま利用するようにすれば、第2アーチリブの架設コスト低減および架設効率向上をさらに推進することができる。
また、第1アーチリブを第1径間側に回動させる際に第2アーチリブに設置したアンカーブロックおよびジャッキを、第2アーチリブを上方側へ回動させる際のケーブルの引き込みの際に使用することも可能である。このようにした場合には、ジャッキの付け替えを不要にして架設作業を一層効率的に行うことができる。
本願発明において、第1アーチリブの回動後の固定を、第1径間において該第1アーチリブを他のアーチリブと閉合することによって行うようにすれば、この閉合によって第1径間に架設されたアーチリブ全体を、第2アーチリブを上方側に回動させる際にケーブルの張力に対する反力支持構造として活用することができる。
本願発明において、橋脚から第2径間側に離れた位置に橋台または第2の橋脚を構築しておき、第2アーチリブの回動後の固定を、該第2アーチリブの先端部を延長施工して該第2アーチリブを橋台または第2の橋脚に連結することによって行うようにすれば、移動作業車等を用いることなく、第2径間全体にわたってアーチリブを効率良く架設することができる。
本願発明の一実施形態に係る架設方法の対象となるアーチ橋を示す側面図 上記架設方法によるアーチ橋の架設工程を示す側面図(その1) 上記架設工程を示す側面図(その2) 上記架設工程を示す側面図(その3) 図3(a)のV部詳細図 図5のVI部詳細図 図6のVII 方向矢視図 上記実施形態の変形例を示す、図4と同様の図
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る架設方法の対象となるアーチ橋10を示す側面図である。
同図に示すように、このアーチ橋10は、中央径間アーチ20とその両側の側径間アーチ30とが連続的に形成されたバランスドアーチ橋10であって、上路式のコンクリートアーチ橋として構成されている。
中央径間アーチ20は、その両端部が中央径間の両端部に設置された1対の橋脚40の基端部に連結されている。一方、各側径間アーチ30は、中央径間アーチ20の略半分のアーチ形状を有しており、その基端部が各橋脚40の基端部に連結されるとともに、その先端部30aが各側径間の反対側の端部に設置された橋台50の上端部に連結されている。
各橋脚40は、地盤2に埋設された橋脚基礎42と、この橋脚基礎42から上方へ延びる橋脚本体44とからなり、その橋脚本体44の下端部44aに中央径間アーチ20および各側径間アーチ30が連結されている。
中央径間アーチ20および各側径間アーチ30の上面には、複数の鉛直材52が配置されている。そして、これら中央径間アーチ20および各側径間アーチ30の上端部ならびに各橋脚40および各鉛直材52の上端面には、床版を構成する補剛桁54が配置されている。なお、各側径間アーチ30の先端部30aは、その上面が補剛桁54の上面と面一となるように形成されている。
次に、本実施形態に係るアーチ橋10の架設方法について説明する。
図2〜4は、本実施形態に係る架設方法によるアーチ橋10の架設工程を示す側面図である。また、図5は、図3(a)のV部詳細図である。
まず、図2(a)に示すように、中央径間の両端部に位置する地盤2に、各橋脚40の橋脚基礎42を埋設し、その上端面に各橋脚40の橋脚本体44の下端部44aを構築する。そして、これら各橋脚本体44の下端部44aの上面に、中央径間アーチ20用の第1回転支承22と側径間アーチ30用の第2回転支承32とを設置する。なお、これらの詳細構造については後述する。
また、各側径間の反対側の端部に位置する地盤2に橋台50をそれぞれ構築する。
次に、図2(b)に示すように、各側径間アーチ30の主要部分(すなわち側径間アーチ30の先端部30aを除いた部分)を構成する第2アーチリブ30Aを、各側径間において略水平方向に延びるように構築する。この構築は、各側径間の地盤2に支保工102を設置して行う。
このようにして各第2アーチリブ30Aを構築した後、その先端近傍部位の上面にアンカーブロック104を設置する。
次に、図2(c)に示すように、中央径間アーチ20の略半分を構成する第1アーチリブ20Aを、各橋脚本体44の下端部44aから鉛直方向に構築する。この構築は、各橋脚基礎42周辺の地盤2に支保工(図示せず)を設置して行う。
これら各第1アーチリブ20Aを構築する際、その基端近傍部位と各第2アーチリブ30Aの基端近傍部位との間にステー材106を設置して両者を連結し、これにより構築中の第1アーチリブ20Aが不用意に中央径間側へ倒れてしまうのを未然に防止する。
次に、図3(a)および図5に示すように、各第1アーチリブ20Aと各第2アーチリブ30AとをPCケーブル108で連結する。その際、各第2アーチリブ30Aの先端近傍部位に設置されたアンカーブロック104にジャッキ110を装着して、各PCケーブル108の一端部を各アンカーブロック104に挿通させた状態で各ジャッキ110に連結する。一方、各PCケーブル108の他端部は、各第1アーチリブ20Aの先端近傍部位に締結する。
その後、各ステー材106と各第1アーチリブ20Aとの連結を解除して、各ジャッキ110により各PCケーブル108を送り出すことにより、各第1アーチリブ20Aを中央径間側へ回動させる。
これにより、図3(b)に示すように、各第1アーチリブ20Aが中央径間アーチ20の架設予定位置まで回動したら、各PCケーブル108の送り出しを停止する。このとき、1対の第1アーチリブ20Aは、その先端面相互間に僅かな隙間(例えば1m以下の隙間)を残して対峙した状態で配置される。
次に、図3(c)に示すように、1対の第1アーチリブ20Aの先端部を跨ぐようにして吊り足場112を設置し、両者間の僅かな隙間部分にコンクリートを打設して両者を連結する。これによりアーチクラウン部20aが閉合された中央径間アーチ20を完成させる。
次に、図4(a)に示すように、各第2アーチリブ30Aの先端近傍部位に設置されていたアンカーブロック104およびジャッキ110を撤去した上で、各PCケーブル108の一端部を各第2アーチリブ30Aの先端近傍部位に締結するとともに、中央径間アーチ20のアーチクラウン部20aの上面にアンカーブロック114を設置して、このアンカーブロック114に各PCケーブル108の他端部を挿通させた状態で、該アンカーブロック114に装着された各ジャッキ120に連結する。
その後、各ジャッキ120により各PCケーブル108を引き込むことにより、各第2アーチリブ30Aを各側径間アーチ30の架設予定位置まで上方側へ回動させる。
次に、図4(b)に示すように、各橋台50の上端部から各側径間へ向けて張出し足場116を設置して、各第2アーチリブ30Aの先端面から各側径間アーチ30の先端部30aを延長施工する。これにより、各第2アーチリブ30Aを各橋台50に連結して各側径間アーチ30を完成させる。
次に、図4(c)に示すように、各張出し足場116ならびに各PCケーブル108、アンカーブロック114および各ジャッキ120を撤去した後、各橋脚本体44の残り部分(すなわち下端部44a以外の部分)を構築し、また、中央径間アーチ20および各側径間アーチ30の上面に、複数の鉛直材52を配置する。
最後に、図1に示すように、中央径間アーチ20および各側径間アーチ30の上端部ならびに各橋脚40および各鉛直材52の上端面に配置される補剛桁54の施工を行う。
図6は、図5のVI部詳細図である。また、図7は、図6のVII 方向矢視図である。
図7に示すように、中央径間アーチ20用の第1回転支承22は、橋軸直交方向に所要間隔をおいて2箇所に設置されており、各側径間アーチ30用の第2回転支承32は、これら1対の第1回転支承22の内側において橋軸直交方向に所要間隔をおいて2箇所に設置されている。
各第1回転支承22は、第1アーチリブ20Aの基端面に固定された上シュー22Aと、橋脚本体44の下端部44aの上面に固定された下シュー22Bとが、橋軸直交方向に延びる回転軸60を介して回動可能に連結されている。
また、各第2回転支承32は、第2アーチリブ30Aの基端面に固定された上シュー32Aと、橋脚本体44の下端部44aの上面に固定された下シュー32Bとが、回転軸60を介して回動可能に連結されている。
すなわち、これら1対の第1回転支承22および1対の第2回転支承32の各々は、共通の回転軸60を有するピン支承として構成されている。
図6に示すように、第1および第2アーチリブ20A、30Aの基端部20Ab、30Abは、側面視において上シュー22A、32Aへ向けて楔状に狭くなるように形成されている。そしてこれにより、第1および第2アーチリブ20A、30Aを構築する際、両者が互いに干渉しないようにしている。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、橋脚本体44の下端部44a(すなわち橋脚40の基端部)に設置された第1および第2回転支承22、32から、第1および第2アーチリブ20A、30Aを略鉛直方向および略水平方向にそれぞれ構築するようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、仮に第1および第2アーチリブ20A、30Aを従来のように張出し工法で架設した場合には、斜め上方向にアーチリブを1ブロックずつ継ぎ足していくことになるため、施工品質を確保しつつ架設するのが容易でなく、このため架設作業に時間がかかってしまう。これに対し、本実施形態のように第1および第2アーチリブ20A、30Aを略鉛直方向および略水平方向にそれぞれ構築することにより、施工品質を確保した上で架設工期の短縮を図ることができる。
特に、本実施形態に係る架設方法の対象となるアーチ橋10はコンクリートアーチ橋であって、その第1および第2アーチリブ20A、30Aもコンクリート製であるので、これらを略鉛直方向に構築することによりコンクリートの充填性を高めることができ、これにより張出し工法の場合に比して施工品質を高めることができる。
その上で、本実施形態においては、第1回転支承22から略鉛直方向に構築された第1アーチリブ20Aと第2回転支承32から側径間(第2径間)へ向けて略水平方向に構築された第2アーチリブ30AとをPCケーブル108で連結した状態で、このPCケーブル108を送り出すことにより第1アーチリブ20Aを架設予定位置まで中央径間(第1径間)側に回動させるようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、第1アーチリブ20Aを中央径間側に回動させる際、第2アーチリブ30AをPCケーブル108の張力に対する反力支持構造として活用することができる。したがって、反力支持構造として従来のような大掛かりな仮設構造を設置することが不要となり、これにより第1アーチリブ20Aの架設コストの低減および架設工期の短縮を図ることができる。また、反力支持構造の設置場所の選定も容易に可能となる。
このように本実施形態によれば、連続形式のアーチ橋10における第1アーチリブ20の架設にロアリング工法を適用可能とした上で、架設コストの低減および架設工期の短縮を図ることができる。
なお、本実施形態に係る架設方法を採用した場合において、PCケーブル108の張力に対する反力支持構造として第2アーチリブ30Aのみでは重量面で不十分であるといったような事態が生じたときには、カウンターウェイトやグランドアンカー等の仮設構造を追加設置することが必要となるが、この場合の仮設構造は補助的に設置されるものであるので簡素な構成とすることができる。
また本実施形態においては、第1アーチリブ20Aの中央径間側への回動を、第2アーチリブ30Aにアンカーブロック104を設置して該アンカーブロック104にジャッキ110を装着した後、第1アーチリブ20AにPCケーブル108の一端部を締結した状態で該PCケーブル108をジャッキ110によって送り出すことにより行うようになっているので、PCケーブル108の送り出しを容易に行うことができる。
さらに本実施形態においては、中央径間側に回動した第1アーチリブ20Aを架設予定位置で固定した後、第2アーチリブ30Aを上方側に回動させる際、この回動を第1および第2アーチリブ20A、30Aに連結されたPCケーブル108を引き込むことによって行うようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、架設予定位置で固定された第1アーチリブ20Aを、PCケーブル108の張力に対する反力支持構造として活用することができる。
また、第1アーチリブ20Aの回動に用いたPCケーブル108をそのまま利用するようになっているので、第2アーチリブ30Aの架設コスト低減および架設効率向上を図ることができる。なお、第2アーチリブ30Aを上方側に回動させる際、第1アーチリブ20Aの回動に用いたPCケーブル108とは別のPCケーブルを用いるようにすることも可能である。
本実施形態においては、第1および第2回転支承22、32として、共通の回転軸60を有するピン支承を用いているので、この回転軸60において第1アーチリブ20Aからの水平反力と第2アーチリブ30Aからの水平反力とを相殺することができ、これにより第1および第2回転支承22、32が負担すべき水平反力を最小限に抑えることができる。
その際、中央径間アーチ20用の1対の第1回転支承22は、側径間アーチ30用の1対の第2回転支承32よりも外側に配置されているので、中央径間アーチ20を構成する第1アーチリブ20Aの回動を精度良く行うことができる。
さらに本実施形態においては、第1アーチリブ20Aの回動後の固定を、中央径間側において該第1アーチリブ20Aをこれと対峙する第1アーチリブ20A(他のアーチリブ)と閉合することによって行うようになっているので、この閉合によって中央径間に架設された中央径間アーチ20を、第2アーチリブ30Aを上方側に回動させる際にPCケーブル108の張力に対する反力支持構造として活用することができる。
また本実施形態においては、各橋脚40から側径間側に離れた位置に橋台50を構築しておき、第2アーチリブ30Aの回動後の固定を、該第2アーチリブ30Aの先端面から第2アーチリブ30Aの先端部30aを延長施工して橋台50に連結することによって行うようになっているので、移動作業車等を用いることなく側径間全体にわたって側径間アーチ30を効率良く架設することができる。
上記実施形態においては、第2アーチリブ30Aを構築した後に第1アーチリブ20Aを構築するものとして説明したが、第2アーチリブ30Aの構築と並行して第1アーチリブ20Aの構築を行うようにすることも可能である。
上記実施形態においては、各橋脚40から側径間側に離れた位置に橋台50を構築するものとして説明したが、橋台50の代わりに第2の橋脚を構築することも可能である。
上記実施形態においては、第1および第2アーチリブ20A、30Aの回動にPCケーブル108を用いるものとして説明したが、PCケーブル108の代わりに鋼製ワイヤー等を用いることも可能である。
上記実施形態においては、架設対象となるアーチ橋10がバランスドアーチ橋であるものとして説明したが、連続形式のアーチ橋であれば、これ以外のアーチ橋であっても本願発明に係る架設方法を採用することが可能である。
上記実施形態においては、架設対象となるアーチ橋10が上路式アーチ橋であるものとして説明したが、中路式アーチ橋等である場合においても本願発明に係る架設方法を採用することが可能である。
上記実施形態においては、架設対象となるアーチ橋10がコンクリートアーチ橋であるものとして説明したが、その一部または全部が鋼製である場合等においても、本願発明に係る架設方法を採用することが可能である。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
図8は、本変形例に係る架設方法を示す、図4と同様の工程図である。
同図に示すように、本変形例に係る架設方法も、その基本的な工程は上記実施形態の場合と同様であるが、第2アーチリブ30Aを架設する工程が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例においては、図8(a)に示すように、中央径間アーチ20の完成後も、各第2アーチリブ30Aの先端近傍部位に設置されたアンカーブロック104およびジャッキ110を撤去せずにそのまま設置しておき、各ジャッキ110により各PCケーブル108を引き込むことにより、各第2アーチリブ30Aを各側径間アーチ30の架設位置まで上方側へ回動させるようになっている。
そして、本変形例においても、図8(b)に示すように、各橋台50の上端部から側径間へ向けて張出し足場116を張り出して、各第2アーチリブ30Aの先端部30Aaを延長施工し、各第2アーチリブ30Aを各橋台50に連結した後、各張出し足場116ならびに各PCケーブル108、アンカーブロック104およびジャッキ110を撤去するようになっている。
本変形例のように、各第1アーチリブ20Aを上方側へ回動させる際、各第2アーチリブ30Aの先端近傍部位に設置されたアンカーブロック104およびジャッキ110をそのまま利用することにより、架設効率を一層向上させることができる。
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
また、本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
2 地盤
10 アーチ橋
20 中央径間アーチ
20a アーチクラウン部
20A 第1アーチリブ
20Ab、30Ab 基端部
22 第1回転支承
22A、32A 上シュー
22B、32B 下シュー
30 側径間アーチ
30a 先端部
30A 第2アーチリブ
32 第2回転支承
40 橋脚
42 橋脚基礎
44 橋脚本体
44a 下端部
50 橋台
52 鉛直材
54 補剛桁
60 回転軸
102 支保工
104、114 アンカーブロック
106 ステー材
108 PCケーブル(ケーブル)
110、120 ジャッキ
112 吊り足場
116 張出し足場

Claims (6)

  1. 橋脚の両側に位置する第1および第2径間に、第1および第2アーチリブがそれぞれ配置されてなるアーチ橋を架設する方法において、
    上記橋脚の基端部を構築する工程と、
    上記橋脚の基端部に、橋軸直交方向に延びる軸線回りに回動可能な第1および第2回転支承を設置する工程と、
    上記第1アーチリブを上記第1回転支承から略鉛直方向に構築する工程と、
    上記第2アーチリブを上記第2回転支承から上記第2径間へ向けて略水平方向に構築する工程と、
    上記第1および第2アーチリブを互いにケーブルで連結した状態で、該ケーブルを送り出すことにより上記第1アーチリブを架設予定位置まで上記第1径間側に回動させた後、この回動後の位置で該第1アーチリブを固定する工程と、
    上記第2アーチリブを架設予定位置まで上方側に回動させた後、この回動後の位置で該第2アーチリブを固定する工程と、を含むことを特徴とするアーチ橋の架設方法。
  2. 上記第1アーチリブの上記第1径間側への回動を、
    上記第2アーチリブにアンカーブロックを設置して該アンカーブロックにジャッキを装着した後、上記第1アーチリブに上記ケーブルの一端部を締結した状態で該ケーブルを上記ジャッキによって送り出すことにより行う、ことを特徴とする請求項1記載のアーチ橋の架設方法。
  3. 上記第2アーチリブの上方側への回動を、上記第1および第2アーチリブに連結されたケーブルを引き込むことによって行う、ことを特徴とする請求項1または2記載のアーチ橋の架設方法。
  4. 上記第1および第2回転支承として、共通の回転軸を有するピン支承を用いる、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のアーチ橋の架設方法。
  5. 上記第1アーチリブの回動後の位置での固定を、上記第1径間において該第1アーチリブを他のアーチリブと閉合することによって行う、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のアーチ橋の架設方法。
  6. 上記橋脚から上記第2径間側に離れた位置に橋台または第2の橋脚を構築しておき、
    上記第2アーチリブの回動後の位置での固定を、該第2アーチリブの先端部を延長施工して該第2アーチリブを上記橋台または上記第2の橋脚に連結することによって行う、ことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のアーチ橋の架設方法。
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