JP2017048331A - 衣料用液体洗浄剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】再汚染防止性、酵素安定性により優れ、かつ外観安定性により優れる衣料用液体洗浄剤を提供すること。
【解決手段】(A)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤と、(B)成分:ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体及びポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体から選ばれる少なくとも1種と、(C)成分:下記一般式(I)で表されるカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種と、(D)成分:酵素と、を含有し、前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が0.1〜20であることを特徴とする衣料用液体洗浄剤。
X−R−COOH ・・・(I)
ただし、式(I)中、Rは、炭素数1〜4の二価の炭化水素基、またはアリーレン基であり、Xは、−H、−OH、−CH、または−COOHである。
【選択図】なし

Description

本発明は、衣料用液体洗浄剤に関する。
近年では、環境意識の高まりから、節水型の洗濯機の使用が主流になっている。節水型の洗濯機による洗濯では、洗濯液中の汚れ濃度が高まるため、洗浄中に除去された汚れが、再度、被洗濯物に付着するという再汚染が生じやすい。
アニオン界面活性剤を高濃度で含有する液体洗浄剤を用いることで、再汚染を抑制しやすくなる。しかし、この場合、液体洗浄剤が酵素を含むと、アニオン界面活性剤により酵素が変性され、酵素活性が維持されにくくなる。即ち、酵素安定性が損なわれる。
また、液体洗浄剤の提供に際しては、酵素等の配合物の析出や沈殿が生じない外観安定性が求められる。
特許文献1には、ノニオン界面活性剤40質量%以上と、アミノカルボン酸またはその塩、及びホスホン酸又はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、α−ヒドロキシ−モノカルボン酸又はその塩と、酵素と、を含有する、酵素安定性に優れる液体洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献2には、界面活性剤、洗浄力ビルダー、酵素及びポリエチレンイミンを含有する洗剤組成物が開示されている。
国際公開第2012/144601号 特表2013−530266号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、再汚染防止性、酵素安定性に優れ、かつ外観安定性に優れる衣料用液体洗浄剤を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の衣料用液体洗浄剤が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明の液体洗浄剤は、例えば以下の態様を有する。
[1](A)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤と、(B)成分:ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体及びポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体から選ばれる少なくとも1種と、(C)成分:下記一般式(I)で表されるカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種と、(D)成分:酵素と、を含有し、前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が0.1〜20であることを特徴とする衣料用液体洗浄剤。
X−R−COOH ・・・(I)
ただし、式(I)中、Rは炭素数1〜4の二価の炭化水素基、またはアリーレン基であり、Xは−H、−OH、−CH、または−COOHである。
[2]さらに(E)成分:ノニオン界面活性剤を含有することを特徴とする[1]に記載の衣料用液体洗浄剤。
[3]前記(E)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.1〜10であることを特徴とする[2]に記載の衣料用液体洗浄剤。
本発明の衣料用液体洗浄剤は、再汚染防止性、酵素安定性により優れ、かつ外観安定性により優れる。
(衣料用液体洗浄剤)
本発明の衣料用液体洗浄剤(以下、単に「液体洗浄剤」ともいう。)は、(A)〜(D)成分を含有する組成物である。
<(A)成分>
(A)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤である。本発明の液体洗浄剤は、(A)成分を含有することで、再汚染防止効果が高められる。
本発明において、非石鹸系アニオン界面活性剤とは、炭素数8〜24の飽和又は不飽和脂肪酸塩(いわゆる石鹸)を除くアニオン界面活性剤である。
(A)成分としては、衣料等の洗浄剤に用いられる公知の非石鹸系アニオン界面活性剤が挙げられる。
(A)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩;アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸、アシルアミノカルボン酸又はこれらの塩等のカルボン酸型のアニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型のアニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
上記のうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜5モルのアルキレンオキシド(エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド)を付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩がより好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20、好ましくは14〜17のアルキル基を有する2級アルカンスルホン酸塩が好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基の炭素数が10〜20であるα−スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
(A)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
これらのなかでも、再汚染防止性により優れる点から、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩から選ばれる1種以上が好ましく、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上がより好ましく、アルキルエーテル硫酸エステル塩がさらに好ましい。
(A)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
また、液体洗浄剤中の(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して3〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましく、8〜20質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値以上であると、再汚染防止効果が高められやすくなる。(A)成分の含有量が前記上限値以下であると、酵素安定性が高められやすくなる。
(A)成分としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び/又はその塩(以下、(a1)成分ともいう。)と、アルキルエーテル硫酸エステル塩及び/又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩(以下、(a2)成分ともいう。)とが併用されることが好ましい。この場合、前記(a1)成分/前記(a2)成分で表される質量比[(a2)成分の含有量に対する(a1)成分の含有量の質量比]は、0.5〜2が好ましく、0.5〜1がより好ましい。(a1)/(a2)で表される質量比が前記の好ましい範囲であると、再汚染防止効果が高められやすくなる。さらに、酵素安定性が高められやすくなる。
<(B)成分>
(B)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体(b1)及びポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(b2)から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の液体洗浄剤は、(B)成分と後述の(C)成分とが併用されることで、酵素安定性がより高められる。
(b1)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体である。
ポリアルキレンイミンは、下記一般式(II)で表される。
NH−R21−(NA−R21−NH ・・・(II)
式(II)中、R21は、それぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基であり、Aは、水素原子又は分岐による別のポリアミン鎖を示し、nは、1以上の数である。ただし、前記Aがすべて水素原子であることはない。
21は、炭素数2〜6の直鎖アルキレン基又は炭素数3〜6の分岐アルキレン基である。R21は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
ポリアルキレンイミンは、炭素数2〜6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる。炭素数2〜6のアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミンが好ましく、PEIがより好ましい。PEIは、エチレンイミンを重合することによって得られ、その構造中に、1級、2級及び3級アミン窒素原子を含む分岐鎖構造を有している。
ポリアルキレンイミンの重量平均分子量は、200〜2000が好ましく、300〜1500がより好ましく、400〜1000がさらに好ましく、500〜800が特に好ましい。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とし、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた値を意味する。
ポリアルキレンイミンとしては、その1分子中に活性水素を5〜30個有するものが好ましく、7〜25個有するものがより好ましく、10〜20個有するものがさらに好ましい。
(b1)成分は、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この方法としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性触媒の存在下、出発物質であるポリアルキレンイミンに対して、100〜180℃でエチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加させる方法等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。なお、前記ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体は、ポリアルキレンイミンにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加したものであり、ポリアルキレンイミンに対するエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加順序や付加形態(ブロック状、ランダム状)は任意である。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1原子に対し、平均5〜40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5〜40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体の重量平均分子量は、1000〜80000が好ましく、2000〜50000がより好ましく、5000〜30000がさらに好ましく、10000〜20000が特に好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、例えば、式(II−a)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2017048331
式(II−a)中、R22は、それぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基であり、mは、それぞれ独立に1以上の数である。
22は、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
mは、(R22O)の平均繰り返し数であり、5〜40が好ましく、10〜30がより好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、合成品が用いられてもよいし、市販品が用いられてもよい。
市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」等が挙げられる。
(b2)成分は、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。
ポリアルキレンアミンは、下記一般式(III)で表される。
NH(R31NH)H ・・・(III)
式(III)中、R31は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、lは、1以上の数である。
31は、炭素数2〜6の直鎖アルキレン基又は炭素数3〜6の分岐アルキレン基である。R31は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
ポリアルキレンアミンとしては、ポリエチレンアミンが好ましい。ポリエチレンアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。なお、これらのポリエチレンアミンは、公知の製造方法、例えばアンモニア及びエチレンジクロリドを反応させることで得られる。
ポリアルキレンアミンの重量平均分子量は、60〜1800が好ましく、60〜1000がより好ましく、60〜800がさらに好ましい。
ポリアルキレンアミンとしては、その1分子中に活性水素を6〜30個有するものが好ましく、7〜20個有するものがさらに好ましい。
(b2)成分は、ポリアルキレンアミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この反応は、(b1)成分と同様に行える。アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1原子に対し、平均5〜40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5〜40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体の重量平均分子量は、1000〜80000が好ましく、2000〜50000がより好ましく、5000〜30000がさらに好ましく、10000〜20000が特に好ましい。
(B)成分としては、(b1)成分が好ましい。(b1)成分のなかでも、ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体が好ましい。
(B)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が、前記下限値以上であると、(B)成分と(C)成分との質量比を本願特定の範囲に調整しやすくなり、外観安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。また、(B)成分の含有量が前記上限値以下であると、他の成分の配合の自由度を保ちやすくなる。
<(C)成分>
(C)成分は、下記一般式(I)で表されるカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種である。
X−R−COOH ・・・(I)
ただし、式(I)中、Rは炭素数1〜4の二価の炭化水素基、またはアリーレン基であり、Xは−H、−OH、−CH、または−COOHである。
本発明の液体洗浄剤は、上記(B)成分と(C)成分とが併用されることで、酵素安定性が高められる。
式(I)中、Rは炭素数1〜4の二価の炭化水素基、またはアリーレン基である。これら炭素数1〜4の二価の炭化水素基、およびアリーレン基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。置換基としてはヒドロキシ基等が挙げられる。
また、炭素数1〜4の二価の炭化水素基は、飽和であってもよく不飽和であってもよいし、直鎖状であっても分岐鎖状であっても環状であってもよい。このような炭素数1〜4の二価の炭化水素基としては、炭素数1〜4のアルキル基から1個の水素原子を除去した二価基、炭素数1〜4のアルケニル基から1個の水素原子を除去した二価基、炭素数1〜4のアルキニル基から1個の水素原子を除去した二価基などが挙げられる。
アリーレン基としては、フェニレン基が挙げられる。
Xは−H、−OH、−CH、または−COOHである。
式(I)で表されるカルボン酸としては、例えば安息香酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシイソ酪酸、乳酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、リンゴ酸、グルタル酸等が挙げられる。
また、カルボン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
これらの中でも(C)成分としては、酵素安定性がより高められる点から、安息香酸、乳酸又はこれらの塩が好ましく、乳酸又はその塩がより好ましい。また、外観安定性がより高められる点から、(C)成分としては、ナトリウム塩が好ましい。
(C)成分としては、酵素安定性及び外観安定性がより高められる点から、乳酸ナトリウムが好ましい。
(C)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.2〜2質量%がさらに好ましい。
(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、(B)成分と(C)成分との質量比を本願特定の範囲に調整しやすくなり、外観安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。また、(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、他の成分の配合の自由度を保ちやすくなる。
<(D)成分>
(D)成分は、酵素である。
本発明の液体洗浄剤は、(D)成分を含有することで洗浄力がより高められる。
(D)成分としては、衣料用洗剤用途等に用いられている酵素が利用でき、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。
なお、本明細書において「酵素」とは酵素製剤を意味する。
プロテアーゼとしては、プロテアーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL,Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX,Properase L等が挙げられる。
アミラーゼとしては、アミラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl、天野製薬社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ、生化学工業社から入手できる商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼとしては、リパーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼとして、セルラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Endolase 5000L、Celluzyme 0.4L、Carzyme 4500L等が挙げられる。
マンナナーゼとして、マンナナーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
(D)成分は、プロテアーゼを含むことが好ましい。プロテアーゼを配合することにより、タンパク汚れに対する洗浄力がより高められる。
プロテアーゼとしては、上記の中でも、商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L、Everlase Ultra 16L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、が好ましく、Alcalase 2.5L、Everlase 16L、Savinase 16L、Coronase 48Lが特に好ましい。
(D)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(D)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜3質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましく、0.1〜1.5質量%がさらに好ましい。(D)成分の含有量が前記好ましい範囲の下限値以上であると洗浄力がより高められる。(D)成分の含有量が前記好ましい範囲の上限値以下であると、酵素の析出が抑制され外観安定性がより高められる。
なお、本明細書において、液体洗浄剤中の酵素の配合量は、製剤としての配合量である。前記配合量は、一般的な方法により、例えば原料の使用量、又は、液体洗浄剤中の酵素たんぱく量から逆算して求められる。
前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比[(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比、以下「B/C比」ともいう。]は、0.1〜20である。
B/C比が、0.1未満又は20超であると、外観安定性が損なわれる。
B/C比は、0.3〜10が好ましく、0.5〜7がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。
(B)成分と(C)成分の合計含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜4質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましく、1〜2.5質量%がさらに好ましい。(B)成分と(C)成分の合計含有量が前記下限値以上であると、B/C比を本願特定の範囲に調整しやすく、外観安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。また、(B)成分と(C)成分の合計含有量が前記上限値以下であると、他の成分の配合の自由度を保ちやすくなる。
<水>
本発明の液体洗浄剤は、製造時のハンドリングのし易さ、使用する際の水への溶解性等の点から、水を含有することが好ましい。
液体洗浄剤中の水の含有量は、特に限定されないが、液体洗浄剤中10〜90質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明の液体洗浄剤は、上記(A)〜(D)成分以外に、洗浄剤に通常用いられるその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、(A)成分以外の界面活性剤、水混和性有機溶剤、減粘剤及び可溶化剤、アルカリ剤、酸化防止剤、防腐剤、酵素安定化剤(但し(B)及び(C)成分は含まれない)、風合い向上剤、保存安定性向上剤、蛍光剤、移染防止剤、再汚染防止剤(但し(B)成分は含まれない)、キレート剤(但し(C)成分は含まれない)、パール剤、ソイルリリース剤、着香剤、着色剤、乳濁化剤、天然物等のエキス、pH調整剤、消泡剤等が挙げられる。
(A)成分以外の界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤((E)成分)、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
<(E)成分>
(E)成分は、ノニオン界面活性剤である。本発明の液体洗浄剤は、洗浄力がより高められる点等から(E)成分を含有することが好ましい。
(E)成分としては、例えば高級アルコール、アルキルフェノール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル又は高級アミン等にアルキレンオキシドを付加したポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。なお、ここでいう高級とは、炭素数8〜24の化合物を意味する。
(E)成分としては、下記一般式(IV−1)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤(以下、「化合物(e1)」ともいう。)、下記一般式(IV−2)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤(以下、「化合物(e2)」ともいう。)が好ましい。
41−COO−[(EO)/(PO)]−(EO)−R42 ・・・(IV−1)
(式(IV−1)中、R41は炭素数7〜21の炭化水素基であり、R42はメチル基またはエチル基である。sは6〜20の数であり、tは0〜6の数であり、uは0〜20の数である。EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、s、uはEOの平均繰り返し数を表し、tはPOの平均繰り返し数を表す。)
洗浄力がより高められる点から、R41は、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基が好ましい。またR41の炭素数は、9〜21が好ましく、11〜21がより好ましい。
s+uは、6〜20の数が好ましく、6〜18の数がより好ましく、11〜18の数がさらに好ましい。前記下限値以上であると、親水性が低くなりすぎず、系中の自由水の増加を抑制でき、酵素安定性がより高められる。上記上限値以下であると、親水性が高くなりすぎず、良好な洗浄力が得られやすくなる。
tは、0〜6の数であり、0〜3の数が好ましい。前記上限値以下であると、外観安定性が高められやすくなる。
tが、0超の場合、[(EO)/(PO)]におけるEOとPOの付加形態は、ブロック状でもよいし、ランダム状でもよい。また、EOとPOはどちらが先に付加されてもよい。
化合物(e1)としては、式(IV−1)中のtが0である化合物(即ち、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル)が好ましく、さらに、R42がメチル基であるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(以下、「MEE」ともいう。)がより好ましい。
43−O−[(EO)/(PO)]−(EO)−H ・・・(IV−2)
(式(IV−2)中、R43は炭素数8〜22の炭化水素基であり、vは3〜20の数であり、wは0〜6の数であり、yは0〜20の数である。EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表す。v、yはEOの平均繰り返し数を表し、wはPOの平均繰り返し数を表す。
洗浄力がより高められる点から、R43は、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又は直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基が好ましい。またR43の炭素数は、10〜22が好ましく、12〜22がより好ましい。
v+yは、3〜20の数が好ましく、5〜18の数がより好ましく、6〜18の数がさらに好ましく、11〜18の数が特に好ましい。前記下限値以上であると、親水性が低くなりすぎず、系中の自由水の増加を抑制でき、酵素安定性がより高められる。上記上限値以下であると、親水性が高くなりすぎず、良好な洗浄力が得られやすくなる。
wは0〜6の数であり、0〜3が好ましい。上記上限値超では、外観安定性が低下するおそれがある。
wが、0超の場合、[(EO)/(PO)]におけるEOとPOの付加形態は、ブロック状でもよいし、ランダム状でもよい。また、EOとPOの付加形態は、ブロック状でもよいし、ランダム状でもよい。また、EOとPOはどちらが先に付加されてもよい。
(E)成分は、水への溶解性、洗浄力の点から、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを含有することが好ましい。また、本発明の液体洗浄剤は、高濃度の界面活性剤を含有しても粘度の著しい増大(ゲル化)が生じにくく、良好な流動性を有する濃縮型とすることができる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル、特にMEEは、水溶液系中で分子どうしの配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤であるため、高濃度でゲル化等が生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤中に配合することができると推測される。また水への溶解性が向上すると推測される。さらに、高濃度での良好な流動性に寄与していると考えられる。したがって、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが洗濯機槽内の水中へ投入された場合、洗濯液中のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの濃度は早く均一となり、洗浄初期から所定の濃度で被洗物と接することができるため、高い洗浄力が得られると考えられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルにおいて、オキシエチレン基の繰り返し数が異なる化合物(エチレンオキシド付加体)の分布の割合を示すナロー率は、20質量%以上が好ましい。ナロー率の上限値は実質的には80質量%以下が好ましい。当該ナロー率は、25〜50質量%がより好ましく、保存安定性と水に対する溶解性のさらなる向上を図る観点から、25〜45質量%がさらに好ましい。
当該ナロー率が高いほど、良好な洗浄力が得られやすくなる。また、当該ナロー率が20質量%以上、特に25質量%以上であると、化合物(e1)由来の原料臭気の少ない洗浄剤が得られやすくなる。これは、ナロー率が高い化合物(e1)には、その原料である脂肪酸アルキルエステルと、sが1または2のエチレンオキシド付加体とが少ないためである。原料臭気の少ない洗浄剤を得る点からは、前記脂肪酸アルキルエステルと、sが1または2のエチレンオキシド付加体との合計の含有量が、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの全量に対して、0.5質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの「ナロー率」は、下記式(S)で示され、オキシエチレン基の繰り返し数が異なるエチレンオキシド付加体の分布の割合を示すものである。
Figure 2017048331
前記(S)式中、pmaxは、エチレンオキシド付加体中に最も多く存在するエチレンオキシド付加体のオキシエチレン基の繰り返し数を示す。iはオキシエチレン基の繰り返し数を示す。Yiは全エチレンオキシド付加体中に存在する、オキシエチレン基の繰り返し数がiであるエチレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。
なお、前記ナロー率は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの製造方法等によって制御することができる。かかる製造方法としては、特に限定されないが、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキシドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)が挙げられる。
(E)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(E)成分としては、化合物(e1)が好ましい。また、(E)成分としては、化合物(e1)と化合物(e2)とが併用されるのが好ましい。この場合、化合物(e2)の含有量に対する化合物(e1)の含有量の質量比[前記化合物(e1)/前記化合物(e2)で表される質量比]は、0.1〜30が好ましく、0.5〜20がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。前記化合物(e1)/前記化合物(e2)で表される質量比が前記の好ましい範囲であると、液体洗浄剤の洗浄力及び外観安定性がより高められやすくなる。
本発明の液体洗浄剤が(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0質量%超70質量%以下が好ましく、0.5〜70質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。上記下限値以上であれば、液体洗浄剤の洗浄力のさらなる向上が図られやすくなり、上記上限値以下であれば、液体洗浄剤の外観安定性がより高められやすくなる。
本発明の液体洗浄剤が(E)成分を含有する場合、(A)成分の含有量に対する(E)成分の含有量の質量比(前記(E)成分/前記(A)成分で表される質量比)は、0.1〜10が好ましく、0.5〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。前記(E)成分/前記(A)成分で表される質量比が前記の好ましい範囲であると、液体洗浄剤の洗浄力及び外観安定性がより高められやすくなる。
カチオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン酸型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤は、界面活性剤の合計含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して1〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、20〜65質量%がさらに好ましく、30〜60質量%が特に好ましく、40〜55質量%が最も好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、塗布洗浄性能が向上される点、粘度を低下させ使用性が向上される点等から、水混和性有機溶剤を含有することが好ましい。
水混和性有機溶剤としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量約200〜1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等が挙げられる。
これらの中でも、臭気の少なさ、入手のしやすさ、液体洗浄剤の流動性の点等から、エタノール、プロピレングリコール、重量平均分子量約200〜1000のポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)が好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤が水混和性有機溶剤を含有する場合、水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜15質量%が好ましい。
なお、本発明において、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
減粘剤及び可溶化剤としては、芳香族スルホン酸またはその塩が挙げられ、例えばトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸又はこれらの塩が挙げられる。
前記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、またはアルカノールアミン塩等が挙げられる。
これらの芳香族スルホン酸またはその塩は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤が減粘剤及び可溶化剤を含有する場合、減粘剤及び可溶化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜15質量%が好ましい。
アルカリ剤として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。アルカリ剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤がアルカリ剤を含有する場合、アルカリ剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.5〜5質量%が好ましい。
酸化防止剤としては、特に限定はされないが、洗浄力と配合安定性が良好であることから、フェノール系酸化防止剤が好ましく、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等のモノフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール等のビスフェノール系酸化防止剤、dl−α−トコフェロール等の高分子型フェノール系酸化防止剤がより好ましく、モノフェノール系酸化防止剤、高分子型酸化防止剤が更に好ましい。
モノフェノール系酸化防止剤のなかでは、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。高分子型フェノール系酸化防止剤のなかでは、dl−α−トコフェロールが特に好ましい。
酸化防止剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、0.01〜2質量%が好ましい。
防腐剤として、例えばローム・アンド・ハース社製:商品名ケーソンCG等を、例えば0.001〜1質量%含有してもよい。
酵素安定化剤(但し(B)成分及び(C)成分は含まれない)として、ホウ酸、ホウ砂、ギ酸またはその塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類を0〜2質量%含有してもよい。
風合い向上を目的としてジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンを0〜5質量%含有してもよい。
白色衣類の白度向上を目的としてジスチリルビフェニル型等の蛍光増白剤を0〜1質量%含有してもよい。
移染防止剤、再汚染防止を目的としてポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤を0〜2質量%含有してもよい。
パール剤、ソイルリリース剤等を含有してもよい。
商品の付加価値向上等を目的として、着香剤、着色剤や乳濁化剤、天然物などのエキス等を含有してもよい。
着香剤としては、代表的な例として、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、B、C、Dなどが使用できる。着香剤の含有量は、例えば液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜1質量%が好ましい。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が挙げられる。着色剤の含有量は、例えば液体洗浄剤の総質量に対して、0.00005〜0.005質量%程度が好ましい。
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製:商品名サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等が挙げられる。乳濁化剤の含有量は、例えば液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜0.5質量%が好ましい。
天然物等のエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウなどの植物エキスが挙げられる。
天然物等のエキスの配合量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0〜0.5質量%程度が好ましい。
pH調整剤としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、アンモニア等が挙げられる。これらの中でも、液体洗浄剤の経時安定性が高められやすくなる点から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウム、アルカノールアミンがより好ましい。
pH調整剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤の25℃におけるpHは、4〜9が好ましく、6〜9がより好ましい。pHが前記の好ましい範囲であると、液体洗浄剤の外観安定性が良好に維持されやすくなる。
なお、本発明における液体洗浄剤の25℃におけるpHは、試料を25℃に調整し、pHメーター(例えば、東亜ディーケーケー株式会社製の製品名「HM−30G」を使用)等により測定される値を示す。
本発明の液体洗浄剤の25℃での粘度は、10〜300mPa・sが好ましく、25〜300mPa・sがより好ましい。粘度が前記の好ましい範囲内であれば、液体洗浄剤を計量キャップ等で計り取りやすくなる。また、塗布洗浄に用いる際に、液体洗浄剤を繊維製品等に塗布し易くなる。
なお、本発明における液体洗浄剤の25℃での粘度は、試料を25℃に調整し、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定される値を示す(測定条件の一例:ロータNo.2、回転数60rpm、回転開始から1分後の粘度を測定する)。
本発明の液体洗浄剤は、従来公知の製造方法により製造される。液体洗浄剤の製造方法としては、例えば、水に、(A)〜(D)成分及び必要に応じて任意成分を加え、これを混合する方法が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤は、一般的に用いられている容器に収容することができる。前記容器としては、計量キャップを備えたノズル型容器又は中栓型容器、自動計量機構もしくは簡易計量機構を備えたスクイズ容器又はポンプ容器、液を吹きかけるもしくは泡状に塗布するトリガー容器又はスクイズ容器、液を塗りつける塗布面を持った塗布容器、詰め替え容器(パウチ、薄肉ボトル、付け替えボトル等)等が挙げられる。
(液体洗浄剤の使用方法)
本発明の液体洗浄剤の使用方法は、例えば、液体洗浄剤を洗濯時に被洗濯物と一緒に水に投入する方法、予め水に溶解しこれに被洗濯物を浸漬する方法、液体洗浄剤を被洗濯物に塗布して一定時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法等が挙げられる。
以上、説明したとおり、本発明の液体洗浄剤は、(A)〜(D)成分を含有し、さらに(B)成分と(C)成分が特定の質量比とされているため、再汚染防止性、酵素安定性に優れ、かつ外観安定性に優れる。
本発明の液体洗浄剤においては、(B)成分と(C)成分とが併用されることで、酵素安定性が高められる。その理由の詳細は明らかでないが、(B)成分の窒素原子はカチオン性を有しており、被洗濯物の繊維表面に吸着する。この際、(B)成分の窒素原子はアニオン界面活性剤とも相互作用し、アニオン界面活性剤による酵素変性を抑制するように作用する。さらに、(C)成分は、酵素の表面に吸着して酵素の構造を保護するように作用する。これにより、アニオン界面活性剤を含有しても酵素安定性に優れる液体洗浄剤が得られるものと推定される。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本実施例において「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
<A成分>
A−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)。下記一般式(a1−1)で表され、R51=炭素数12〜14の直鎖アルキル基、j=1.0、M=ナトリウムである化合物。ただし、式(a1−1)中、EOは、エチレンオキシ基であり、jはEOの平均繰り返し数である。A−1は下記のように合成された。
51−O−(EO)−SOM ・・・(a1−1)
≪合成例≫A−1の合成
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ質量分析計:Hewlett−Packard社製のGC−5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra−1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)とを用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物は、得られたアルコールエトキシレートの総質量に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりA−1を得た。
A−2:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、ライオン株式会社製、商品名「ライポンLH−200」。
A−3:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩(AEPS)。下記のように合成されたもの。
≪合成例≫A−3の合成
撹拌装置、温度制御装置及び自動導入装置を備えたオートクレーブ内に、炭素数12の直鎖1級アルコール[東京化成工業株式会社製、商品名:1−ドデカノール(分子量186.33)、純度>99%]640gと、KOH1.0gと、を仕込み、110℃、1.3kPaにて30分間脱水を行った。脱水後、窒素置換を行い、120℃まで昇温した後、プロパン−1,2−ジイルオキシド199gを仕込んだ。次いで、120℃にて付加反応・熟成を行った後、145℃に昇温し、エチレンオキシド303gを仕込んだ。次いで、145℃にて付加反応・熟成を行った後、80℃まで冷却し、4.0kPaで未反応のエチレンオキシドを除去した。未反応のエチレンオキシドを除去した後、酢酸1.0gをオートクレーブ内に加え、80℃で30分間撹拌した後、抜き出しを行い、プロピレンオキシドの平均付加モル数が1.0、エチレンオキシドの平均付加モル数が2.0であるアルコキシレートを得た。
得られたアルコキシレートを、SOガスを用いて下降薄膜式反応器により硫酸化した。得られた硫酸化物をモノエタノールアミンで中和することによりA−3を得た。
<B成分>
B−1:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体、BASF社製、商品名「Sokalan HP20」。上記式(II−a)において、R22がエチレン基、mが20である化合物。
<B’成分、B成分の比較成分>
B’−1:ポリエチレンイミン、BASF社製、商品名「ルパゾールP」。(重量平均分子量約750000)。
B’−2:ポリエチレングリコール#10000(重量平均分子量10000)、関東化学株式会社製。
<C成分>
C−1:乳酸ナトリウム、関東化学株式会社製、商品名「乳酸ナトリウム」。
<D成分>
D−1:Alcalase 2.5L、ノボザイムズ社製。
D−2:Coronase 48L、ノボザイムズ社製。
<E成分>
E−1:脂肪酸メチルエステルエトキシレート(脂肪酸の炭素数12〜14、EOの平均付加モル数15)、一般式(IV−1)中、R41=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R42=メチル基、s=15、t=0、u=0。下記合成方法により合成されたもの。
≪合成例≫E−1の合成
特開2000−144179号公報に記載の合成方法に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al・zHOである水酸化アルミナ・マグネシウム(キョーワード300(商品名)、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加し混合した後、触媒を濾別してE−1を得た。E−1のナロー率は30質量%であった。
E−2:天然アルコールに15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。一般式(IV−2)中、R43=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、v=15、w=0、y=0。下記合成方法により合成されたもの。
≪合成例≫E−2の合成
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名)224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、E−2を得た。
E−3:天然アルコール(質量比で炭素数12アルコール/炭素数14アルコール=7/3)に、8モル相当のエチレンオキシド、2モル相当のプロピレンオキシド、8モル相当のエチレンオキシドを、この順にブロック付加したもの。上記一般式(IV−2)中、R43=炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、v=8、w=2、y=8。
E−4:炭素数12の第2級アルコール及び炭素数14の第2級アルコールに、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。商品名「ソフタノール70」、株式会社日本触媒製。上記一般式(IV−2)中、R43=炭素数12の第2級アルキル基及び炭素数14の第2級のアルキル基、v=7、w=0、y=0。
<任意成分>
MEA:モノエタノールアミン(アルカリ剤)、商品名「モノエタノールアミン」、株式会社日本触媒製。
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤)、商品名「SUMILZER BHT−R」、住友化学株式会社製。
エタノール:水混和性有機溶剤、商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売株式会社製。
ヤシ脂肪酸:消泡剤、商品名「椰子脂肪酸」、日油株式会社。
塩化カルシウム:酵素安定化剤、関東化学株式会社製、商品名「塩化カルシウム(特級)」。
香料:着香剤、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
色素:着色剤、商品名「緑色3号」、癸巳化成株式会社製。
(実施例1〜10、比較例1〜7)
[衣料用液体洗浄剤の製造]
表1〜2に示す組成に従い、(A)〜(D)成分と、任意成分とを水に加え混合して実施例1〜10、比較例4〜5の液体洗浄剤を得た。
また、(A)〜(C)成分のいずれかを水に加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1〜3の液体洗浄剤を得た。(B)成分に代えて(B’)成分を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例6〜7の液体洗浄剤を得た。
表1〜2に、得られた各例の液体洗浄剤の組成(配合成分、含有量(質量%))を示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。ただし、(D)成分は、酵素製剤としての含有量を示す。
精製水の含有量を示す「バランス」は、液体洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
表中、比較例6〜7の「B/C比」は、(C)成分に対する(B’)成分の質量比を示す。
各例の液体洗浄剤について、再汚染防止効果、酵素安定性(酵素活性残存率)、外観安定性を以下のように評価した。評価結果を表1〜2に示す。
[再汚染防止効果の評価]
各例の液体洗浄剤を用いて、以下に示す洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程をこの順序で3回繰り返す洗濯処理を行った。
洗浄工程:
被洗物として、下記の綿布、ポリエステル(PE)布、湿式人工汚染布及び肌シャツを用いた。
綿布:再汚染判定布として綿メリヤス(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
ポリエステル(PE)布:再汚染判定布としてポリエステルトロピカル(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
湿式人工汚染布:財団法人洗濯科学協会製の汚染布(オレイン酸28.3%、トリオレイン15.6%、コレステロールオレート12.2%、流動パラフィン2.5%、スクアレン2.5%、コレステロール1.6%、ゼラチン7.0%、泥29.8%、カーボンブラック0.5%(質量比)の組成の汚れが付着した布)を20枚。
肌シャツ:肌シャツ(LLサイズ、DVD社製)を細かく(3cm×3cm程度)裁断したもの。
Terg−o−tometer(UNITED STATES TESTING社製)内に、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、ここに液体洗浄剤0.6gを加え、次いで、前記被洗物を入れた。その後、3°DH硬水を加えて浴比を20倍に調整し、120rpm、25℃で10分間洗浄した。
すすぎ工程:
洗浄後の被洗物を、1分間脱水した後、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、120rpm、25℃で3分間すすいだ。この操作(脱水、すすぎ)を2回繰り返した。2回目には、25℃の3°DH硬水900mLに、所定量の柔軟剤を添加してすすぎを行った。柔軟剤には、部屋干しソフラン(ライオン株式会社製)を用いた。
乾燥工程:
すすいだ被洗物を1分間脱水した後、再汚染判定布(綿布、PE布)のみを取り出し、濾紙に挟み、アイロンで乾燥した。
反射率計(分光式色差計SE2000、日本電色工業株式会社製)を用い、洗濯処理前後の再汚染判定布の反射率(Z値)を測定し、下式よりΔZを求めた。
ΔZ=(洗濯処理前のZ値)−(洗濯処理後のZ値)
綿布、PE布のそれぞれの再汚染判定布におけるΔZについて、5枚の平均値を求めた。そして、この平均値を指標とした下記判定基準に従い、液体洗浄剤による綿布、PE布への再汚染防止効果を評価した。下記判定基準において、◎及び○を合格とした。評価結果を表1〜2に示す。
<綿布における判定基準>
◎:△Zが5未満。
○:△Zが5以上7未満。
△:△Zが7以上9未満。
×:△Zが9以上。
<PE布における判定基準>
◎:△Zが3未満。
○:△Zが3以上4未満。
△:△Zが4以上5未満。
×:△Zが5以上。
[酵素安定性(酵素活性残存率)の評価]
各例の液体洗浄剤を製造後、37℃及び4℃でそれぞれ4週間保存した。37℃で4週間保存した液体洗浄剤(37℃保存品)および4℃で4週間保存した液体洗浄剤(4℃保存品)について、以下に示すプロテアーゼ活性の測定を行った。
プロテアーゼ活性の測定:
ミルクカゼイン(Casein、Bovine Milk、Carbohydrate and Fatty Acid Free/Calbiochem(登録商標))を1N水酸化ナトリウム(1mol/L水酸化ナトリウム溶液(1N)、関東化学社製)に溶解し、pHを10.5とし、0.05Mホウ酸(ホウ酸(特級)、関東化学社製)水溶液でミルクカゼインの濃度が0.6%になるよう希釈し、プロテアーゼ基質とした。
得られた液体洗浄剤1gを、塩化カルシウム(塩化カルシウム(特級)、関東化学社製)3°DH硬水で25倍希釈した溶液をサンプル溶液とした。
サンプル溶液1gに、上記プロテアーゼ基質5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間攪拌した後、37℃、30分間静置して酵素反応を進めた。その後、前記溶液に酵素反応停止剤のTCA(トリクロロ酢酸(特級)、関東化学社製)の0.44M水溶液5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間攪拌した。その後、この溶液を20℃、30分間静置して、析出する未反応基質を0.45μmフィルターで除去し、ろ液を回収した。
回収したろ液の波長275nmにおける吸光度(吸光度A)を、島津製作所社製紫外可視分光光度計UV−160を用いて測定した。吸光度Aが大きいほど、ろ液中に存在するチロシン(プロテアーゼがプロテアーゼ基質を分解することにより産生)の量が多かったことを示す。
目的成分以外の吸収の影響を除くため、別途、各サンプル溶液1gに、酵素反応停止剤であるTCA5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間攪拌した後、プロテアーゼ基質を5g添加し、ボルテックスミキサーで10秒間攪拌し、0.45μmフィルターで除去してろ液を回収した。その後、前記ろ液の波長275nmの吸光度(吸光度B)を、UV−160を用いて測定した。
上記のプロテアーゼ活性の測定結果から、下式により、プロテアーゼ活性残存率(%)を求めた。
なお、下式に代入した各試料の275nmにおける吸光度の値は、気泡等の散乱光を吸光度から除外するため、同時に測定した600nmの吸光度値を除し用いた。
プロテアーゼ活性残存率=(37℃保存品の吸光度A−37℃保存品の吸光度B)/(4℃保存品の吸光度A−4℃保存品の吸光度B)×100
かかるプロテアーゼ活性残存率(%)を指標として、下記基準に基づいて酵素安定性を評価し、◎、○及び△を合格とした。
◎:80%以上。
○:70%以上80%未満。
△:60%以上70%未満。
×:60%未満。
[外観安定性の評価方法]
液体洗浄剤30mLを、円筒ガラス瓶に取り、蓋を閉めて密閉した。この状態で40℃の恒温槽中に放置し、1ヶ月間保存した。
その後、該恒温槽より取り出し、液体洗浄剤の透明均一性と流動性を目視で観察し、下記基準に基づいて液体洗浄剤の外観安定性を評価した。○及び△を合格とした。
○:透明均一であり、流動性を示した。
△:ガラス瓶の底部に沈殿物が観察されたが、ガラス瓶を軽く振ることで沈殿物が消失(溶解)した。
×:ガラス瓶の底部に沈殿物が観察され、ガラス瓶を軽く振っても沈殿物が消失しなかった。または、液体洗浄剤が固化した。
Figure 2017048331
Figure 2017048331
表1〜2に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜10の液体洗浄剤は、再汚染防止効果、酵素安定性に優れ、かつ外観安定性に優れることが確認できた。
一方、(B)成分又は(C)成分を含まない液体洗浄剤(比較例1,2)、(B)成分に代えて(B’−2)成分が用いられた液体洗浄剤(比較例7)は、酵素安定性が充分に得られなかった。(A)成分を含まない液体洗浄剤(比較例3)は、再汚染防止効果が充分に得られなかった。B/C比の範囲が本願発明の範囲を満たさない液体洗浄剤(比較例4,5)は、外観安定性が充分に得られなかった。(B)成分に代えて(B’−1)成分が用いられた液体洗浄剤(比較例6)は、再汚染防止効果及び外観安定性が充分に得られなかった。
以上の結果から、本発明を適用した液体洗浄剤は、再汚染防止効果、酵素安定性により優れ、かつ外観安定性により優れることが確認できた。

Claims (1)

  1. (A)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤と、
    (B)成分:ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体及びポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体から選ばれる少なくとも1種と、
    (C)成分:下記一般式(I)で表されるカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種と、
    (D)成分:酵素と、を含有し、
    前記(B)成分/前記(C)成分で表される質量比が0.1〜20であることを特徴とする衣料用液体洗浄剤。
    X−R−COOH ・・・(I)
    ただし、式(I)中、Rは、炭素数1〜4の二価の炭化水素基、またはアリーレン基であり、Xは、−H、−OH、−CH、または−COOHである。
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