JP2010285494A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高濃度の界面活性剤を含有し、洗浄力及び保存安定性に優れ、水で希釈する際のゲル化形成等による溶解性の低下のない液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)(a−1)特定の分岐率を有するアルコキシル型の非イオン界面活性剤及び(a−2)陰イオン界面活性剤を含む界面活性剤、(B)水混和性有機溶剤、並びに、(C)水を含有し、(A)中(a−1)が50質量%以上であり、(a−1)と(a−2)の質量比が(a−1)/(a−2)=50/50〜99/1である、液体洗浄剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は洗浄性能、保存安定性及び溶解性に優れた、衣料用及び住居用等の液体洗浄剤組成物に関する。
近年、環境に対する意識が高まってきており、環境に対し負荷の少ない洗浄剤の登場が渇望されている。従来の洗浄剤より洗浄成分濃度が高い、いわゆる濃縮タイプの洗浄剤は、洗浄剤自身のサイズを小さくし、容器樹脂量の削減、輸送費の削減、使用後のゴミの削減等、環境に対する負荷を低減させるのに非常に有効であると考えられる。
しかしながら、通常の液体洗浄剤において、洗浄成分である界面活性剤濃度を増加させると増粘やゲル化が起こり、著しく使用性を損ねてしまうという課題があった。これは、界面活性剤濃度の上昇により、組成物中に液晶や結晶といった粘度が著しく高い相を形成してしまうためである。このような高濃度系で液晶や結晶相を作らない流動性のある組成も存在するが、洗濯の際に水、特に冷水で希釈されることで液晶を形成し、溶解性不良を起こすという課題を避けて通れず、また界面活性剤濃度が高まってくると、低温保管時に組成物が固化し易くなるなど、溶解性や安定性に課題があった。
一方、近年の洗濯機も、環境・エネルギー問題や経済性への対応から、浴比の低下、攪拌力の低下、洗濯水の低温化、洗浄時間の短縮化等の傾向にある。これらの傾向は、いずれも洗浄剤の溶解速度の遅延、ひいては洗浄剤の洗浄能力を著しく低下させることから、洗浄剤の溶解速度の大幅な向上が切望されている。
特許文献1〜5には、特定の脂肪酸アルキルエステルエトキシレートを配合した濃縮タイプの液体洗浄剤組成物が記載されているが、これらは界面活性剤濃度の増加に伴う粘度増加(ゲル化)を防止する技術であり、製品そのものの粘度は低く抑えられているものの、希釈時のゲル化抑制性に問題があり、特に冷水に対する溶解性に課題があった。また、低温における安定性にも課題があった。
特許文献6には、高級アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)を付加した非イオン界面活性剤と特定の溶剤を配合した濃縮タイプの液体洗浄剤組成物が記載されている。本文及び実施例において好ましい非イオン界面活性剤として、EOを付加した後、POを付加した、EO/POブロックタイプの非イオン界面活性剤が記載されている。
特許文献7の実施例には、分岐率が20質量%程度でこの分岐が中間鎖分岐ではない非イオン界面活性剤〔ノニデットR-9(シェルジャパン株式会社)〕と特定の高分子化合物を配合した濃厚系液体洗浄剤組成物が記載されている。このようなタイプの非イオン界面活性剤は、通常のエチレンオキシド付加型の非イオン界面活性剤より液晶、結晶抑制効果が高いものの、その効果は不十分であり、低温における安定性や冷水に対する溶解性を完全に解決するものではなかった。また、特定の高分子化合物と組み合わせる技術であることから、汎用性は必ずしも高いとは言い難い。
特許文献8には中間鎖分岐型界面活性剤が冷水への溶解性に優れることが記載されている。しかしながら実際に検討されているものはアルキルエーテル硫酸塩タイプのものであり、非イオン界面活性剤についての性状については示されていない。
特開2008−7705号公報 特開2008−7706号公報 特開2008−7707号公報 特開2009−7451号公報 国際公開第2008/001797号パンフレット 特開平8−157867号公報 特開平10−60496号公報 特表2000−503700号公報
本発明の課題は、高濃度の界面活性剤を含有する液体洗浄剤組成物において、洗浄力及び保存安定性に優れ、水で組成物を希釈する際のゲル化形成等による溶解性の低下のない液体洗浄剤組成物を提供することである。また、低機械力となる低浴比においても水で組成物を希釈する際のゲル化形成等による溶解性の低下のない液体洗浄剤組成物による洗濯方法を提供することにある。
本発明は、下記(a−1)成分及び(a−2)成分を含む(A)成分、下記(B)成分、並びに、下記(C)成分を含有し、(A)成分中(a−1)成分が50質量%以上であり、(a−1)成分と(a−2)成分の質量比が(a−1)/(a−2)=50/50〜99/1である、液体洗浄剤組成物に関する。
(A)成分:界面活性剤 40〜90質量%
(a−1)成分:炭素数8〜22の鎖式炭化水素基を有する非イオン界面活性剤であって、前記鎖式炭化水素基は30質量%以上が分岐しており、且つこの分岐が中間鎖分岐である非イオン界面活性剤
(a−2)成分:陰イオン界面活性剤
(B)成分:水混和性有機溶剤 1〜40質量%
(C)成分:水 5〜50質量%
また、本発明は、上記本発明の液体洗浄剤組成物から調製した洗浄媒体を用いて、浴比2〜12L/kgで繊維製品を洗浄する工程を有する、洗濯方法に関する。
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄成分である界面活性剤を高濃度配合しているにもかかわらず、溶解性、特に冷水に対する溶解性や、低機械力となる低浴比での溶解性に優れ、保存安定性、洗浄性能にも優れるものである。また、本発明の液体洗浄剤組成物は、低浴比の洗濯においても優れた溶解性を示すため、優れた洗浄力が得られる洗濯方法が提供される。
<(A)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、下記(a−1)成分及び(a−2)成分を含む界面活性剤を含有する。
(a−1)成分:炭素数8〜22の鎖式炭化水素基、好ましくはアルキル基及び/又はアルケニル基を有する非イオン界面活性剤であって、前記鎖式炭化水素基は30質量%以上が分岐しており、且つこの分岐が中間鎖分岐である非イオン界面活性剤
(a−2)成分:陰イオン界面活性剤
(a−1)成分は、炭素数8〜22の鎖式炭化水素基、好ましくは炭素数8〜22のアルキル基(以下、長鎖アルキル基という)及び/又は炭素数8〜22のアルケニル基(以下、長鎖アルケニル基という)を有する非イオン界面活性剤であって、前記鎖式炭化水素基、特には長鎖アルキル基及び/又は長鎖アルケニル基は30質量%以上が分岐しており、且つこの分岐が中間鎖分岐である非イオン界面活性剤である。
本発明において、「中間鎖分岐」とは、(a−1)成分の鎖式炭化水素基において、最も炭素数が多い鎖(主鎖)の両端部の炭素原子以外、及び2位の炭素原子以外に分岐鎖(アルキル基又はアルケニル基)が結合していることを示す。すなわち、鎖式炭化水素基の結合手が伸びる末端炭素原子、鎖式炭化水素基の結合手が伸びる末端炭素原子に隣接する2番目の炭素原子、及び鎖式炭化水素基の結合手を有しない末端炭素原子(ω炭素)に隣接する2番目の炭素原子(ω−2炭素)、には分岐鎖が結合していないことを示す。
また、「30質量%以上が分岐している」とは、(a−1)成分の鎖式炭化水素基の全質量に対し、分岐鎖を構成する炭化水素基(主鎖を構成しない炭化水素基)の質量の割合(以下、「分岐率」ということがある)が、30質量%以上であることを示す。
(a−1)成分は、鎖式炭化水素基が直鎖炭化水素基(主鎖のみ)及び分岐鎖炭化水素基(主鎖と分岐鎖)によって構成され、鎖式炭化水素基の全質量(全主鎖と全分岐鎖の合計質量)中、中間鎖分岐を構成する分岐鎖部分(分岐鎖の一部ないし全部)の質量が30質量%以上である。
なお、(a−1)成分の鎖式炭化水素基について、分岐率や、中間鎖分岐が存在することの確認には、下記2つの分析方法が有用である。
1)アルコキシル化前の脂肪アルコール中における諸成分の分離および同定。
前駆体脂肪アルコール物質でみられる分岐の位置および長さはGC/MS技術により調べることができる。〔D.J.Harvey,Biomed.Environ.Mass Spectrom (1989),18(9),719-23 ;D.J.Harvey,J.M.Tiffany,J.Chromatogr.(1984),301(1),173-87;K.A.Karlsson, B.E.Samuelsson,G.O.Steen,Chem.Phys.Lipids (1973),11(1),17-38 参照〕。
2)MS/MS技術による、アルコキシル化前における分離された脂肪アルコール成分の同定。
分岐の位置および長さは、先に単離された脂肪アルコール成分で、イオンスプレーMS/MSまたはFAB‐MS/MS技術によっても調べられる。
分離されたアルコール成分を同定する際に、分離されたアルコールのアルコキシル化は中間鎖分岐非イオン界面活性剤のGCクロマトグラムを較正および解釈するために有用な標準物質となる。
中間鎖分岐非イオン界面活性剤の平均総炭素原子は、"Bailey's Industrial Oil and Fat Products",Volume 2,Fourth Edition,Daniel Swern 編集,pp.440-441 に概説されたような通常の操作に従い、前駆体脂肪アルコールのヒドロキシル価から計算することができる。
なお中間鎖分岐の製造方法は、特に限定されないが、例えば特表2000−503700号公報を参考にすることができる。
安定性、洗浄性、溶解性(希釈時のゲル化抑制性)の観点より、(a−1)成分の長鎖炭化水素基は炭素数10〜16が好ましく、12〜14がより好ましい。また、(a)成分の長鎖炭化水素基の分岐率は40質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましい。特に鎖式炭化水素基の中間鎖の分岐率がこの範囲となることで、液晶、結晶形成抑制能がより向上するため、溶解性、低温での安定性に優れるようになる。なお分岐鎖は、最も炭素数が多い炭素鎖から分岐する炭化水素基が好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基である。
(a−1)成分の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、アルキルグリコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸アルカノールアミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル等から選択されるものが挙げられ、下記一般式(I)で表される非イオン界面活性剤及び下記一般式(II)で表される非イオン界面活性剤から選ばれる一種以上の非イオン界面活性剤が好ましい。(A)成分の非イオン界面活性剤は、前記炭素数と分岐率を有する炭化水素基を1個有するものが好ましい。
1−O−[(PO)m/(EO)n]−R2 (I)
3−COO−[(PO)p/(EO)q]−R4 (II)
(式中、R1は炭素数8〜22であり、30質量%以上が分岐しておりかつこの分岐が中間鎖分岐である鎖式炭化水素基、R3は炭素数7〜21であり、30質量%以上が分岐しておりかつこの分岐が中間鎖分岐である鎖式炭化水素基、−COO−はカルボニルエーテル基であって、R2及びR4は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、m及びpは、それぞれ、POの平均付加モル数、n及びqは、それぞれ、EOの平均付加モル数を表し、m及びpは、それぞれ、0〜5、n及びqは、それぞれ、6〜25である。/はPO及びEOがランダム又はブロックであってもよいことを示す。)
安定性、洗浄性、溶解性(希釈時のゲル化抑制性)の観点より、一般式(I)中のR1は炭素数8〜22の鎖式炭化水素基、特にはアルキル基が好ましく、炭素数10〜16がより好ましく、12〜14が更に好ましい。また、安定性、洗浄性、溶解性(希釈時のゲル化抑制性)の観点より、一般式(II)中のR3は炭素数7〜21の鎖式炭化水素基であり、炭素数9〜15がより好ましく、11〜13が更に好ましい。一般式(I)中のR2及び一般式(II)中のR4は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
安定性、洗浄性、特に溶解性(希釈時のゲル化抑制性)の観点より、一般式(I)及び一般式(II)の非イオン界面活性剤における中間鎖の分岐率は40質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
安定性、洗浄性、溶解性(希釈時のゲル化抑制性)の観点より、一般式(I)中のm及び一般式(II)中のpは、それぞれ、0.5〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、一般式(I)中のn及び一般式(II)中のqは、それぞれ、8〜20が好ましく、10〜18がより好ましく、POとEOはブロック配列が好ましく、鎖式炭化水素基にEOが1〜20モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは3〜10モル付加された後、POが0.5〜4モル、より好ましくは1〜3モル付加され、その後再びEOが1〜20モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは3〜10モル付加されることが好ましい。特にm及びpがこの範囲となることで、液晶、結晶形成抑制能がより向上するため、溶解性、低温での安定性に優れるようになる。
(a−1)成分としては、安定性、洗浄性の観点より、一般式(I)で表される非イオン界面活性剤がより好ましい。
(a−2)成分は、陰イオン界面活性剤であり、例えば下記(a−2−1)〜(a−2−5)から選ばれる陰イオン界面活性剤が使用できるが、洗浄性能、安定性、溶解性(希釈時のゲル化抑制性)の観点で、(a−2−1)、(a−2−2)、(a−2−4)が好ましく、更に(a−2−1)を含有することがより好ましい。(a−2−1)を含有する場合(a−2)成分中の80質量%以上、特には90質量%以上を占めることが洗浄性、低温安定性、溶解性の点で最も好ましい。(a−2)成分は、洗浄成分としての効果とともに、特定の比率で(a−1)成分と用いることにより、安定性、溶解性を向上させる。この理由は定かではないが、(a−1)成分の分子間に(a−2)成分の分子が混合されることで、(a−2)成分の陰イオン基の電気的反発から界面活性剤分子の整列が抑制され、結果として液晶、結晶形成が抑制されるものと予想される。
(a−2−1)平均炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩。
(a−2−2)平均炭素数10〜20の直鎖1級アルコール又は直鎖2級アルコール由来のアルキル基を有し、オキシエチレン基の1つ又は2つがオキシプロピレン基であってもよい、平均付加モル数が1〜5のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩。
(a−2−3)平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸エステル塩。
(a−2−4)平均炭素数8〜20の脂肪酸塩。
(a−2−5)平均炭素数10〜20の直鎖1級アルコール又は直鎖2級アルコール由来のアルキル基を有し、オキシエチレン基の1つ又は2つがオキシプロピレン基であってもよい、平均付加モル数が1〜5のポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩。
(a−2)成分を構成する塩はナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩などを挙げることができるが、特に安定性の観点からアルカノールアミン塩であることが好ましい。陰イオン界面活性剤は、液体洗浄剤中には酸型で添加して、系内でアルカリにより中和してもよい。本発明では、(a−2)成分はアルカノールアミン塩か、酸型で添加して系中でアルカノールアミン〔後述する(D)成分のアルカリ剤として用いるアルカノールアミン〕で中和することが好ましく、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの金属系の対イオンは、少ないことが好ましく、実質的には5質量%以下、特には3質量%以下であることが好ましい。
(a−1)成分及び(a−2)成分以外の(A)成分としては、例えば下記の(a−3)〜(a−5)が挙げられる。
(a−1)成分及び(a−2)成分以外の(A)成分としては、例えば下記の(a−3)〜(a−5)が挙げられる。
(a−3)(a−1)成分に該当しない非イオン界面活性剤を含有することができる。
或いは、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、アルキルグリコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸アルカノールアミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド等から選ばれる非イオン界面活性剤であって、炭化水素基の分岐率が30質量%未満のものが挙げられ、中でも下記(a−3−1)〜(a−3−3)が好ましい。
(a−3−1)次の一般式で表される炭化水素基の分岐率が30質量%未満の多糖界面活性剤。
5−(OR6xy
〔式中、R5は分岐率が30質量%未満の炭素数8〜18の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、R6は炭素数2〜4のアルキレン基、Gは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基、xは平均値0〜6の数、yは平均値1〜10の数を示す。〕
(a−3−2)分岐率が30質量%未満の脂肪酸アルカノールアミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド。
(a−3−3)炭化水素基の分岐率が30質量%未満のポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル。例えば次の一般式で表されるポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテルが好ましい。
7−O[(EO)a/(PO)b]−H
〔式中、R7は炭素数10〜18、好ましくは12〜14の、分岐率30質量%未満のアルキル基又はアルケニル基を示す。Eはエチレン基、Pはプロピレン基を示す。aは平均付加モル数0〜20の数、bは平均付加モル数0〜20の数を示し、a及びbの両者が0の場合を除く。好ましくはaの平均付加モル数は6〜15、より好ましくは7〜12が良好であり、bの平均付加モル数は0〜10、より好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3の数である。/はEO及びPOがランダム又はブロックであってもよいことを示す。〕
なお、EOとPOとはランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれの形態で配列されていてもよい。
(a−4)陽イオン界面活性剤。
例えば、長鎖アルキル基を有する1級〜3級のアミン(但し後述のアルカノールアミンを除く)であって、好ましくは途中にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有してもよい炭素数8〜22のアルキル基を1つ又は2つ有し、残りが水素原子又は炭素数4以下のヒドロキシ基を有してもよいアルキル基である陽イオン界面活性剤を挙げることができる。本発明では、炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する第4級アンモニウム型界面活性剤、炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する3級アミンが好ましい。
(a−5)両性界面活性剤
例えば、炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホベタイン又はカルボベタインを挙げることができる。
本発明の液体洗浄剤組成物において、(A)成分の含有量は、洗浄性、溶解性(希釈時のゲル化抑制性)の観点より40〜90質量%であり、50〜85質量%が好ましく、60〜80質量%が好ましく、70〜75質量%がより好ましい。
洗浄性、溶解性(希釈時のゲル化抑制性)の観点より(A)成分中の(a−1)成分は50質量%以上であり、60質量%以上が好ましく、70質量%がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。また、99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、95質量%以下が更に好ましい。
洗浄性、溶解性(希釈時のゲル化抑制性)の観点より(a−1)成分と(a−2)成分の質量比は(a−1)/(a−2)=50/50〜99/1であり、60/40〜98/2が好ましく、70/30〜95/5が好ましく、80/20〜90/10がより好ましい。なお(a−2)成分の陰イオン界面活性剤は、塩の分子量によって、その質量が異なることから、本発明では塩ではなく、酸型すなわち対イオンを水素原子イオンと仮定した時の質量を(a−2)成分の質量とする。(a−1)成分は(a−2)成分を併用することで、組成物の洗浄力を高め、更に液晶形成を抑制することで溶解性を高めることが可能となる。
本発明の特徴は、高濃度の界面活性剤を含む液体洗浄剤組成物、すなわち界面活性剤濃度が50質量%以上、特には60質量%以上である液体洗浄剤組成物において、(a−1)成分と(a−2)成分とを特定比率で併用し後述する水混和性有機溶剤を配合することにより、優れた安定性と洗浄力のみならず、水に溶解させる時のゲル化による溶解性阻害を抑制することに成功したことである。これは(a−1)成分に拠るところが大きく、(a−1)成分により、水−界面活性剤−溶剤の3成分相図での液晶相の領域を低減させることが可能になることを見出した点にある。更に(a−1)成分と(a−2)成分とを特定比率にすることで液晶相の領域を低減させることが可能となったばかりか、洗浄性能にあまり寄与しない水混和性有機溶剤の配合量を低減することが可能となった。
<(B)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、安定性、溶解性向上の点で、(B)水混和性有機溶剤を1〜40質量%含有する。本発明でいう水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解するもの、すなわち、溶解の程度が50g/L以上である溶剤を指す。
(B)成分の含有量は、安定性、溶解性の点から、組成物中、1〜40質量%であり、2〜30質量%が好ましく、6〜20質量%がより好ましく、10〜15質量%が更に好ましい。また、安定性、溶解性の観点から、(a−1)成分及び(a−2)成分の合計と(B)成分との質量比〔(a−1)+(a−2)〕/(B)は90/10〜65/35が好ましく、85/15〜70/30がより好ましい。
(B)成分としては、洗浄性能、安定性、溶解性の点で、水酸基及び/又はエーテル基を有する水混和性有機溶剤が好ましい。
水混和性有機溶剤としては、
(b−1)エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルカノール類、
(b−2)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、又はヘキシレングリコールなどの炭素数2〜6のアルキレングリコール類やグリセリン、
(b−3)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、又は重量平均分子量400〜5000、好ましくは400〜4000のポリエチレングリコールもしくはポリプロピレングリコールなどの炭素数2〜4のアルキレングリコール単位からなるポリアルキレングリコール類、なお重量平均分子量は光散乱法を用いて決定することができ、ダイナミック光散乱光度計(DLS−8000シリーズ、大塚電子株式会社製など)により測定することができる。
(b−4)ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブトキシジグリコール)、1−メトキシ−2−プロパノール、又は1−エトキシ−2−プロパノールなどの炭素数2〜4のアルキレングリコール単位の(ポリ)アルキレングリコールと炭素数1〜5のアルカノールからなる(ポリ)アルキレングリコール(モノ又はジ)アルキルエーテル、
(b−5)グリセリン−1,3−ジメチルエーテル、エチルグリセリルエーテル、グリセリン−1,3−ジエチルエーテル、グリセリントリエチルエーテル、イソもしくはノルマルペンチルグリセリルエーテル、オクチルグリセリルエーテル、又は2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、又はジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数1〜8のアルキルを有するアルキルグリセリルエーテル類、
(b−6)エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等の炭素数2〜3のアルキレングリコール単位を有する(ポリ)アルキレングリコールの芳香族エーテル類、
が挙げられる。
(B)成分は、組成物の粘度調整剤、ゲル化抑制剤として有効であり、上記の(b−1)〜(b−6)の分類から選ばれる2種以上を併用することが好ましく、より好ましくは(b−1)、(b−2)、(b−4)及び(b−6)の分類から選ばれる2種以上、特に好ましくは(b−2)及び(b−4)の各分類から選ばれる2種以上、特にはジエチレングリコールモノブチルエーテルとプロピレングリコールとを併用することで効果的に組成物の粘度調整、ゲル化抑制を達成できる。
<(C)成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、安定性、溶解性向上の点で、(C)成分として、水を5〜50質量%含有する。更に7〜35質量%含有することが好ましく、10〜20質量%含有することがより好ましい。水はイオン交換水などの組成に影響しないものを用いることが好ましい。
<その他の成分>
以下、本発明の液体洗浄剤組成物に配合できるその他成分について説明する。
〔(D)アルカリ剤〕
本発明の液体洗浄剤組成物には、アルカリ剤〔以下、(D)成分という〕を配合することが好ましい。アルカリ剤は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などの他に、液体洗浄剤では一般的なアルカノールの炭素数が2〜4の1〜3つのアルカノール基を有するアルカノールアミンをあげることができる。このうちアルカノールはヒドロキシエチル基であるものが好ましい。アルカノール基以外は水素原子であるが、メチル基であってもアルカリ剤として使用することができる。アルカノールアミンとしては、2−アミノエタノール、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン混合物(モノ、ジ、トリの混合物)等のアルカノールアミン類が挙げられる。本発明ではモノエタノールアミン、トリエタノールアミン、特にはモノエタノールアミンが最も好ましい。(D)成分は後述するpH調整剤として用いることができる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(D)成分を、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜7質量%含有する。なかでも、(D)成分としてアルカノールアミンを、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜7質量%含有する。なおアルカノールアミンは、(a−2)成分の塩などの対イオンとして配合することもでき、それらの量も(D)成分として算入する。
〔(E)成分〕
本発明の液体洗浄剤組成物は、キレート剤〔以下、(E)成分という〕を含有することができる。(E)成分のキレート剤は、液体洗浄剤に用いられる公知のものを用いることができ、例えば、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸等の有機酸又はこれらの塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、これらのアルカリ金属または低級アミン塩等が挙げられる。本発明では前記(a-2)成分であげたアルカノールアミンを塩とすることが好ましく、酸で配合し系中でアルカリ剤で中和した塩であってもよい。
(E)成分の組成物中の配合割合は、酸型とみなした場合に0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜4質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。
〔その他の成分〕
更に本発明の液体洗浄剤組成物には、次の(i)〜(xi)に示す成分を本発明の効果を損なわない程度で配合することができる。
(i)ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロース、重量平均分子量5000以上のポリエチレングリコール、無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、及び特開昭59−62614号公報の請求項1〜21(1頁3欄5行〜3頁4欄14行)記載のポリマーなどの再汚染防止剤及び分散剤
(ii)ポリビニルピロリドン等の色移り防止剤
(iii)過酸化水素、過炭酸ナトリウムまたは過硼酸ナトリウム等の漂白剤
(iv)テトラアセチルエチレンジアミン、特開平6−316700号の一般式(I−2)〜(I−7)で表される漂白活性化剤等の漂白活性化剤
(v)セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素
(vi)ホウ素化合物、カルシウムイオン源(カルシウムイオン供給化合物)、ビヒドロキシ化合物、蟻酸等の酵素安定化剤
(vii)蛍光染料、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料
(viii)ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤
(ix)パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)などの可溶化剤
(x)オクタン、デカン、ドデカン、トリデカンなどのパラフィン類、デセン、ドデセンなどのオレフィン類、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタンなどのハロゲン化アルキル類、D−リモネンなどのテルペン類などの水非混和性有機溶剤。
(xi)その他、色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤
以下に本発明の液体洗浄剤組成物中、前記任意成分を配合する場合の指標としての濃度を示すが、本効果を損なわない程度に適宜調整され、配合に適さない場合は除外される。(i)の再汚染防止剤及び分散剤の含有量は0.01〜10質量%が好ましい。(ii)の色移り防止剤の含有量は0.01〜10質量%が好ましい。(iii)の漂白剤の含有量は0.01〜10質量%が好ましい。(vi)の漂白活性化剤の含有量は0.01〜10質量%が好ましい。(v)の酵素の含有量は0.001〜2質量%が好ましい。(vi)の酵素安定化剤の含有量は0.001〜2質量%が好ましい。(vii)の蛍光染料の含有量は0.001〜1質量%が好ましい。(viii)の酸化防止剤の含有量は0.01〜2質量%が好ましい。(ix)の可溶化剤は0.1〜2質量%が好ましい。(x)の水非混和性有機溶剤は0.001〜2質量%が好ましい。(xi)のその他の成分は例えば公知の濃度で配合することができる。
本発明の液体洗浄剤組成物のJIS K3362:1998記載の20℃で測定する0.05質量%の水溶液のpHは、洗浄性能、安定性の点から5〜11が好ましく、5.5〜9.5がより好ましく、6〜8が更に好ましい。
pH調整剤として塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられ、なかでもpH緩衝の効果の点から、有機酸が好ましい。有機酸として具体的には、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、またはそれらの塩などの多価カルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、またはそれらの塩などのヒドロキシカルボン酸類が挙げられ、なかでもクエン酸またはその塩が特に好ましい。pH調整剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。pH調整剤の含有量として具体的には、たとえば、液体洗浄剤組成物中、0.05〜3質量%であることが好ましく、0.1〜1.5質量%であることがより好ましい。該範囲の下限値以上であることによりpHを一定に保つことが容易となる。一方、上限値以下であることにより、pHを5〜11に調整するpH調整効果が充分に得られ、経済的にも有利となる。
本発明の液体洗浄剤組成物の20℃における粘度は、取り扱いの容易さの点で10〜500mPa・sが好ましく、50〜400mPa・sがより好ましく、100〜300mPa・sが更に好ましい。(B)成分や可溶化剤によりこのような範囲になるように調整することが好ましい。
また本発明の液体洗浄剤組成物は、水による希釈時に、ゲル化や高粘度化が起こらない組成物である。従って、具体的には液体洗浄剤組成物は、組成物の温度が0〜40℃において、1℃の水で0倍を超え100倍の範囲で希釈する工程において、ゲル化しないことが好ましく、特にはこの希釈工程にて得られる希釈液の粘度が1℃において1500mPa・s以下である液体洗浄剤組成物が好ましい。
本発明において粘度はB型粘度計により測定する。ローターは粘度に合ったものを選択する。回転数60r/minで回転し、回転開始から60秒後の粘度を液体洗浄剤組成物又は希釈液の粘度とする。
本発明の液体洗浄剤組成物は、衣料、寝具、布帛等の繊維製品用として好適である。
<洗濯方法>
本発明の洗濯方法では、本発明の液体洗浄剤組成物から調製される洗浄媒体(洗濯浴)を用いて、浴比2〜12L/kgで繊維製品を洗浄する。浴比は、洗濯物である繊維製品1kg当たりの水量(L)である。この範囲の浴比では攪拌による機械力が低下するため、従来の濃縮タイプの液体洗浄剤組成物(例えば特許文献1〜5)では希釈時にゲル化して溶解性が低下するため、十分な洗浄力が得られない。とりわけ、家庭用の全自動洗濯機を用いる場合は、こうした低浴比での攪拌力の低下は顕著となる傾向にある。また、場合によりゲル化した液体洗浄剤組成物が洗濯物に付着することもあるが、本発明の液体洗浄剤組成物はこのような低機械力となる低浴比においても十分な溶解性及び洗浄性能を示す。
洗浄時間は、2〜30分が好ましく、3〜20分がより好ましく、5〜15分が更に好ましい。本発明の液体洗浄剤組成物は希釈時にゲル化することなく容易に溶解するため、短時間の攪拌でも未溶解物が残留する恐れがない。また、洗浄性能に優れるため、短時間の洗浄でも十分な洗浄性能が得られる。
該洗濯浴の温度は3〜40℃が好ましく、4〜30℃がより好ましく、5〜25℃が更に好ましい。従来の濃縮タイプの液体洗浄剤組成物は高温では溶解するものの、低温では希釈時にゲル化して溶解性が低下するため、十分な洗浄力が得られない。また、場合によりゲル化した液体洗浄剤組成物が洗濯物に付着することもあるが、本発明の液体洗浄剤組成物はこのような低温においても十分な溶解性及び洗浄性能を示す。
該洗濯浴中の液体洗浄剤組成物濃度は、全界面活性剤の濃度として0.01〜0.5質量%、特に0.01〜0.1質量%が好ましい。
表1に示す各成分を混合して、実施例及び比較例の組成物を得た。得られた各組成物を用い、下記の各評価を行った。結果を表1に示す。
(1)洗浄力評価
JIS K3362:1998 記載の襟布を調製する。JIS K 3362:1998記載の衣料用合成洗剤の洗浄力評価方法に準じ、表1の液体洗浄剤組成物と洗浄力判定用指標洗剤の洗浄力を比較した。表1の液体洗浄剤組成物の使用濃度を0.33g/Lとした。洗浄力の判定は、指標洗剤より勝る場合を「◎」、指標洗剤と同等の場合を「○」、指標洗剤より劣る場合を「×」とした。
(2)保存安定性評価
50mLのサンプルビン(No.6広口規格ビン、ガラス製、直径40mm、高さ80mmの円筒形)に、液体洗浄剤組成物を40mL充填し、蓋をした後、1℃の恒温室で20日間静置した。組成物の安定性は、目視で外観を観察し、下記の基準で判定した。
○;液晶、結晶を形成していない均一液体相であり、液安定性に優れる。
×;液晶形成、又は結晶形成、又は分離、又は析出が認められる。
(3)溶解性評価
(3−1)溶解性のモデル評価
液体洗浄剤組成物とイオン交換水を、〔(液体洗浄剤組成物の質量)/(液体洗浄剤組成物の質量+イオン交換水の質量)〕×100=5〜95質量%となるように、5質量%刻みで混合した計19サンプルを準備し、1℃の恒温室で1日間静置した後、このサンプルの1℃における粘度を以下の条件で測定し、以下の基準で判定した。これは1℃の水に対する溶解性モデル試験である。
測定機器 東京計器(株)製 デジタルB型粘度計(型番;DV M−B)
測定条件 60r/min 60秒
○;すべてのサンプルの粘度が1500mPa・s未満である。これは、冷水による希釈時に液晶形成や結晶形成等により増粘しないことを意味し、溶解性に優れると判断できる。
×;サンプルの中に粘度が1500mPa・s以上のものがある。これは冷水による希釈時に液晶形成、又は結晶形成等により増粘する場合があることを意味し、溶解性が劣ると判断される。
(3−2)洗濯機による溶解性評価
Haier(株)製全自動洗濯機JW−Z20A型を用い、標準コース(洗い15分、濯ぎ2回、脱水5分、水量15L)、水温10℃、浴比10で、水を入れた後、液体洗浄剤組成物を5g投入して洗濯試験を行った。被洗濯物としてグンゼ(株)製半袖丸首肌着を用いた。
○;全工程終了後の洗濯槽内に未溶解物が確認できない。
×;全工程終了後の洗濯槽内に未溶解物が確認できる。
Figure 2010285494
(注)表中の成分は以下のものである。なお、(D)のモノエタノールアミンは(a−2)成分由来のアルカノールアミンを含む量として記載している。
(A)成分
(a−1)成分
(a−1−1):一般式(I)中のR1が分岐率95%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数12のアルキル基、mが1.5、nが12、R2が水素原子であり、POとEOがランダム配列の非イオン界面活性剤
(a−1−2):一般式(I)中のR1が分岐率95%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数12のアルキル基、mが1.5、nが12、R2が水素原子であり、R1−OにPO、EOの順で結合したブロック配列の非イオン界面活性剤
(a−1−3):一般式(I)中のR1が分岐率95%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数12のアルキル基、mが1.5、nが12、R2が水素原子であり、R1−OにEO、POの順で結合したブロック配列の非イオン界面活性剤
(a−1−4):一般式(I)中のR1が分岐率50%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数12のアルキル基、mが1.5、nが12、R2が水素原子であり、R1−OにPO、EOの順で結合したブロック配列の非イオン界面活性剤
(a−1−5):一般式(II)中のR3が分岐率95%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数11のアルキル基、mが1.5、nが12、R2が水素原子であり、POとEOがランダム配列の非イオン界面活性剤
(a−1−6):一般式(I)中のR1が分岐率95%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数12のアルキル基、mが1.5、nが12、R2がCH3であり、POとEOがランダム配列の非イオン界面活性剤
(a−1−7):一般式(I)中のR1が分岐率95%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数12のアルキル基、mが0.5、nが12、R2が水素原子であり、POとEOがランダム配列の非イオン界面活性剤
(a−1−8):一般式(I)中のR1が分岐率95%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数12のアルキル基、mが3、nが8、R2が水素原子であり、POとEOがランダム配列の非イオン界面活性剤
(a−1−9):一般式(I)中のR1が分岐率95%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数12のアルキル基、mが1.5、nが20、R2が水素原子であり、POとEOがランダム配列の非イオン界面活性剤
(a−1−10):炭素数12〜14の分岐率90%の中間鎖分岐アルコールにグリセリンを平均4モル付加したポリグリセリンアルキルエーテル
(a−2)成分
(a−2−1):炭素数10〜14の直鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸
(a−2−2):ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(炭素数10〜14の直鎖アルキル、EO平均付加モル数3、モノエタノールアミン塩、但し表1記載の濃度は酸型に換算)
(a−2−3):ルナックL−55(商品名)(ヤシ油系脂肪酸;花王株式会社製)
(a−3)成分
(a−3−1):一般式(I)中のR1が炭素数12の直鎖アルキル基、mが1.5、nが12、R2が水素原子であり、POとEOがランダム配列の非イオン界面活性剤
(a−3−2):一般式(II)中のR3が炭素数11の直鎖アルキル基、mが1.5、nが12、R2が水素原子であり、POとEOがランダム配列の非イオン界面活性剤
(a−3−3):一般式(I)中のR1が分岐率20%で且つこの分岐が中間鎖分岐である炭素数12のアルキル基、mが1.5、nが12、R2が水素原子であり、POとEOがランダム配列の非イオン界面活性剤
(a−3−4):炭素数10〜14の直鎖1級アルコールにEOを平均12モル付加させたもの
(a−3−5):炭素数10〜14の直鎖1級アルコールにEOを平均7モル付加させたもの
(a−3−6):ソフタノール30(商品名)炭素数12〜14の2級アルコールにEOを平均3モル付加させたもの(株式会社 日本触媒製)
(B)成分
(B−1):ブトキシジグリコール
(B−2):プロピレングリコール
(B−3):トリエチレングリコールフェニルエーテル
(B−4):エタノール
(B−5):ポリエチレングリコール(重量平均分子量1000)
(その他)
ポリマー(1):特開平10−60476号公報の第4頁、段落0020の合成例1の方法で合成した高分子化合物
蛍光染料:チノパールCBS−X(商品名)(チバスペシャリティケミカルズ製)
酵素:エバラーゼ16.0L−EX(商品名)(プロテアーゼ、ノボザイム社製)
色素(1):緑色202号

Claims (3)

  1. 下記(a−1)成分及び(a−2)成分を含む(A)成分、下記(B)成分、並びに、下記(C)成分を含有し、(A)成分中(a−1)成分が50質量%以上であり、(a−1)成分と(a−2)成分の質量比が(a−1)/(a−2)=50/50〜99/1である、液体洗浄剤組成物に関する。
    (A)成分:界面活性剤 40〜90質量%
    (a−1)成分:炭素数8〜22の鎖式炭化水素基を有する非イオン界面活性剤であって、前記鎖式炭化水素基は30質量%以上が分岐しており、且つこの分岐が中間鎖分岐である非イオン界面活性剤
    (a−2)成分:陰イオン界面活性剤
    (B)成分:水混和性有機溶剤 1〜40質量%
    (C)成分:水 5〜50質量%
  2. (a−1)成分が、下記一般式(I)で表される非イオン界面活性剤及び下記一般式(II)で表される非イオン界面活性剤から選ばれる一種以上の非イオン界面活性剤である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
    1−O−[(PO)m/(EO)n]−R2 (I)
    3−COO−[(PO)p/(EO)q]−R4 (II)
    (式中、R1は炭素数8〜22であり、30質量%以上が分岐しておりかつこの分岐が中間鎖分岐である鎖式炭化水素基、R3は炭素数7〜21であり、30質量%以上が分岐しておりかつこの分岐が中間鎖分岐である鎖式炭化水素基、−COO−はカルボニルエーテル基であって、R2及びR4は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、m及びpは、それぞれ、POの平均付加モル数、n及びqは、それぞれ、EOの平均付加モル数を表し、m及びpは、それぞれ、0〜5、n及びqは、それぞれ、6〜25である。/はPO及びEOがランダム又はブロックであってもよいことを示す。)
  3. 請求項1又は2記載の液体洗浄剤組成物から調製した洗浄媒体を用いて、浴比2〜12L/kgで繊維製品を洗浄する工程を有する、洗濯方法。
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