JP2017046480A - ロータコアの製造方法および回転電機のロータコア - Google Patents

ロータコアの製造方法および回転電機のロータコア Download PDF

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Abstract

【課題】ロータコアの捩じり剛性を向上させて振動や騒音の発生を抑制することを安価に達成可能なロータコアの製造方法を提供すること。【解決手段】鋼板41を積層して形成され、内部に永久磁石50が挿入されるスロット61と、冷媒液が流通する冷媒流路62と、を備えたロータコア40の製造方法であって、スロット用穴45aと、冷媒流路用穴45bと、が形成された複数の鋼板41を積層し、かつ、隣り合う鋼板41同士をかしめにより結合し鋼板積層体400を作成する積層工程と、鋼板積層体400に対して鋼板41の積層方向に引張荷重を入力し鋼板積層体400を積層方向に引き伸ばす引張荷重入力工程と、引張荷重を入力して引き伸ばした状態の鋼板積層体400の鋼板41間に生じた隙間400aから冷媒流路62の外周側に接着剤gを供給する接着剤供給工程と、引張荷重を解除する引張荷重解除工程と、を有するロータコアの製造方法とした。【選択図】図1

Description

本発明は、ロータコアの製造方法およびこの製造方法により形成した回転電機のロータコアに関する。
従来、小型・高出力なモータ開発のため、モータ内部に冷媒を導入して高温となる部品を効率的に冷却する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、ロータコアの磁石収容キャビティに樹脂部材を使用して磁石固定を行うとともに、冷却液がエアギャップへ漏出することを防止する構造としている。
特開2013−17297号公報
しかしながら、上記の従来技術では、ロータコアの捩じり剛性が不足し、回転電機として駆動した際に、振動・騒音が起きやすいという問題点があった。
すなわち、永久磁石のロータコアへの固定を樹脂部材により行っているが、この樹脂部材は、ロータコアを構成する鋼板間の固着に寄与しないため、ロータコア間の結合剛性を高めることが難しい。
また、ロータコアをロータシャフトに固定する固着力を高めることで、ロータコアの捩じり剛性を高めることが可能であるが、その場合、この固着力を高めるための構成が必要になり、コストアップを招く。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ロータコアの捩じり剛性を向上させて振動や騒音の発生を抑制することを安価に達成可能なロータコアの製造方法および回転電機のロータコアを提供することを目的とする。
本発明のロータコアの製造方法は、鋼板を積層して形成され、内部に永久磁石が挿入されるスロットと、冷却媒体が流通する冷媒流路と、を備えたロータコアの製造方法である。
本発明のロータコアの製造方法では、まず、前記スロット用の穴と、前記冷媒流路用の穴と、が形成された複数の前記鋼板を積層し、かつ、隣り合う前記鋼板同士をかしめにより結合し鋼板積層体を作成する工程を実行する。
次に、前記鋼板積層体に対して前記鋼板の積層方向に引張荷重を入力して前記鋼板積層体を積層方向に引き伸ばす工程を実行する。
さらに、前記引張荷重を入力して引き伸ばした状態の前記鋼板積層体の前記鋼板間に生じた隙間から前記冷媒流路の外周側に接着剤を供給する工程を実行し、その後、前記引張荷重を解除する工程を実行して、ロータコアを製造する。
本発明のロータコアの製造方法にあっては、鋼板同士をかしめにより結合した鋼板積層体に対して積層方向に引張荷重を入力し、鋼板積層体を積層方向に引き伸ばす工程を実行した際に、積層方向に隣り合う鋼板同士の間に隙間が生じる。
この隙間から接着剤を供給して冷媒流路の外周側に接着剤を供給するため、接着剤が鋼板同士の間に介在され、鋼板同士を強固に接着できるとともに、冷媒流路のシール性を、この鋼板同士の間の接着剤により確保することができる。
このように、鋼板同士の接着強度を得ることができるため、ロータコアとロータシャフトとの結合強度を向上させるような高価な手段を用いることなしにロータコアの捩じり剛性が向上し、安価に騒音および振動の発生を抑制することができる。
さらに、冷媒流路の外周側で鋼板同士を接着する接着剤により冷媒流路の高いシール性も確保することができる。
実施の形態1のロータコアの製造方法により製造したロータコアを備えた回転電機の要部を示す断面図である。 前記ロータコアを構成する鋼板を示す正面図である。 前記鋼板の要部の拡大正面図である。 前記ロータコアの断面図であって(a)は図2のS4a−S4a線の位置の断面を示し、(b)は図2のS4b−S4b線の位置の断面を示す。 実施の形態1のロータコアの製造方法における引張荷重入力工程および接着剤供給工程の説明図である。 実施の形態2のロータコアの製造方法における引張荷重入力工程および接着剤供給工程の説明図である。 実施の形態3のロータコアの製造方法に用いる鋼板を示す正面図である。
以下、本発明のロータコアの製造方法を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
以下に、実施の形態1におけるロータコアの製造方法を説明する。
まず、本実施形態1のロータコアの製造方法により製造したロータコア40を備えた回転電機Aの構造について簡単に説明する。
図1は、回転電機Aを示す断面図である。
回転電機Aは、ステータ10とロータ20とを有する。
ステータ10は、電動機として機能する際、回転する磁界を形成するもので、略円筒形状のステータコア11と、このステータコア11のティース(図示省略)に巻き付けられたコイル12と、を有する。このコイル12に電流を流すことにより円筒形状のステータコア11の内側空間に回転磁界を形成する。
ロータ20は、棒状の回転軸となるロータシャフト30と、このロータシャフト30の外周に一体的に結合された略円柱形状のロータコア40と、を備える。
ロータコア40は、複数の鋼板41をロータシャフト30の軸方向に沿って積層して形成され、積層方向の両端にはエンドプレート42,43が設けられている。このエンドプレート42,43によりロータコア40がロータシャフト30に固定されている。
ロータコア40の内部において外周部には、ロータコア40を軸方向に貫通して永久磁石50が設けられている。また、この永久磁石50は、図2に示すように、鋼板41の外周部において径方向に同一位置で、周方向に一定の間隔で配列されている。
このような構造の回転電機Aは、電動機として力行する際には、図1に示すコイル12に電流を流すことにより円筒形状のステータコア11の内側空間に回転磁界を形成し、永久磁石50との相互作用により、ロータ20が回転する。
次に、永久磁石50の配置および冷媒流路62について説明する。
ロータコア40を形成する鋼板41は、図2に示すように、軸心部にロータシャフト30を通すシャフト挿通穴44を備えるとともに、外周部に、径方向に短く周方向に長い形状の共用穴45を備えている。
本実施の形態1では、鋼板41は、共用穴45を、永久磁石50と同様に周方向の8箇所に備える。この共用穴45は、永久磁石50を収容するスロット61を形成するとともに、冷却媒体としての冷媒液を流す冷媒流路62を形成する。
共用穴45は、図3に拡大して示すように、周方向の寸法が、永久磁石50の周方向寸法よりも長く形成され、かつ、周方向の中央部に、永久磁石50の断面に略一致する略長方形断面形状のスロット用穴45aを備える。そして、共用穴45においてスロット用穴45aの周方向両側に連続して、スロット用穴45aよりも径方向寸法が僅かに小さな冷媒流路用穴45b,45bを備える。
したがって、鋼板41を軸方向に沿って積層した際に、共用穴45が積層方向の全長に亘って連続する。そして、この共用穴45に含まれるスロット用穴45aが積層方向に連続して、図1に示すように、永久磁石50を挿入するスロット61が形成される。
さらに、スロット用穴45aに永久磁石50を挿入した状態で、永久磁石50の周方向両側に冷媒流路用穴45bが軸方向に連続することで冷媒流路62が形成される。
この冷媒流路62は、冷媒液が冷媒供給路80から軸方向の一端に供給され、他端から排出されることでロータコア40の冷却を行う。なお、冷媒液としては、例えば、潤滑用のオイルを用いることができ、図外のポンプから供給される。
また、スロット用穴45aに隣接する冷媒流路用穴45bは、上記のように永久磁石50の挿入後に空隙として残るため、磁束の通り方を制御するための空隙としての機能を有する。
冷媒供給路80は、ロータシャフト30の一端から穿設された軸心路81と、この軸心路81とエンドプレート42に形成したプレート流路82と、このプレート流路82と軸心路81とを連通して、ロータシャフト30を貫通する貫通孔83と、を備える。
次に、ロータコア40を構成する鋼板41同士の結合について説明する。
積層方向に隣り合う鋼板41同士は、かしめにより結合している。
このかしめにより鋼板41同士を結合するかしめ点として、図2に示す第1かしめ打点71と、第2かしめ打点72と、を備える。
第1、第2各かしめ打点71,72は、それぞれ、周方向で中心軸を挟んで対称となる2箇所において同径寸法位置に設けている。そして、第1かしめ打点71と、第2かしめ打点72とは、相互に、周方向にθ(=90)度位相を異ならせて配置している。なお、図示のように、永久磁石50および共用穴45は、各かしめ打点71,72と周方向に同一位相位置と、N(=45)度周方向に位相をずらした位置とに配置している。
また、第1かしめ打点71と、第2かしめ打点72とは、それぞれ、積層方向に不連続に設けており、本実施の形態1では、鋼板41の1枚おきに交互に配置している。
以下に、このかしめ構造についてさらに詳細に説明する。
第1、第2かしめ打点71、72は、それぞれ、図4(a)(b)に示すように、積層方向に凸形状としたかしめ突起71a,72aを、積層方向に隣り合う鋼板41に形成したかしめ圧入穴71b,72bに圧入させて形成する。
そこで、各鋼板41は、図2に示すように、第1かしめ打点71の位置に一対のかしめ突起71aを備え、第2かしめ打点72の位置に一対のかしめ圧入穴72bを有する。
また、この図2に示す鋼板41に対し、積層方向に隣り合う鋼板41は、周方向の位相をθ(=90)度ずらして配置し、第1かしめ打点71の位置に一対のかしめ圧入穴71bを配置し、第2かしめ打点72の位置に、一対のかしめ突起72aを配置する(図4参照)。
そして、各かしめ突起71a,72aを、積層方向に隣り合う各かしめ圧入穴71b,72bに圧入させてかしめ結合する。
この結合状態を図4に示しており、図4(a)は図2のS4a−S4a線の位置の断面を示し、図4(b)は図2のS4b−S4b線の位置の断面を示す。
図4(a)に示す第1かしめ打点71では、断面を黒塗り表示する鋼板41(1)(3)(5)のかしめ突起71aを、それぞれ、積層方向に隣り合う一般断面表示する鋼板41(2)(4)(6)のかしめ圧入穴71bにかしめ結合する。
また、図4(b)に示す第2かしめ打点72では、一般断面表示する鋼板41(2)(4)(6)のかしめ突起72aを、それぞれ、積層方向に隣り合う鋼板41(1)(3)(5)のかしめ圧入穴72bにかしめ結合する。
したがって、第1かしめ打点71と第2かしめ打点72とは、それぞれ、積層方向に交互に配置し、第1、第2各かしめ打点71,72は、積層方向に不連続であって鋼板41の1枚おきに配置している。
なお、積層方向に隣り合う鋼板41同士は、かしめ結合に加え、接着剤g(図2参照)により接着するが、その接着方法および接着状態については、後述する。
(ロータコアの製造方法)
以下に、実施の形態1のロータコア40の製造方法について説明する。
(積層工程)
積層工程は、図2に示す鋼板41を、積層方向に連続してかしめ結合して鋼板積層体400(図5参照)を形成する工程である。
このかしめ結合を行う際に、図4(a)(b)に示すように、鋼板41を、周方向に90度位相を異ならせたものを交互に配置し、積層方向に第1かしめ打点71と第2かしめ打点72とで交互に結合し、鋼板積層体400を形成する。
なお、このかしめ結合は、鋼板41に形成したかしめ突起71a,72aを、それぞれ、積層方向に隣り合う鋼板41に形成したかしめ圧入穴71b,72bに圧入させて結合する。
(引張荷重入力工程)
引張荷重入力工程は、鋼板積層体400に積層方向に引張荷重を入力して、鋼板積層体400を積層方向に引き伸ばす工程である。
この引張荷重入力工程では、まず、図5に示すように、ロータシャフト30の外周に鋼板積層体400を装着するとともに、鋼板積層体400の積層方向(軸方向)両側に、端面吸着体101,102を装着する。
端面吸着体101,102は、それぞれ、鋼板41を吸着する吸着部材101a,102aを備える。この吸着部材101a,102aは、負圧、あるいは磁力を用いて鋼板41を吸着する。
そして、両端面吸着体101,102により鋼板41を吸着後、両端面吸着体101,102の軸方向の間隔を広げる方向に移動させ、鋼板積層体400に対し、積層方向に引張荷重を入力する。これにより、鋼板積層体400を、蛇腹状に引き伸ばし、鋼板41同士の間に隙間400aを形成する。
すなわち、鋼板積層体400は、積層方向に隣り合う鋼板41同士を、周方向に異なる位置であって、90度位相が異なる位置に、第1かしめ打点71と第2かしめ打点72とを備える。また、第1かしめ打点71と第2かしめ打点72とは、積層方向に交互に配置し、各かしめ打点71,72は、それぞれ、周方向および径方向に同一の位置では、1つおきに設けている。
このため、各鋼板41は、引張荷重を入力した際に、周方向に異なる第1かしめ打点71と第2かしめ打点72とで引っ張られるため、図示のように径方向に傾きが生じるように弾性変形する。
例えば、図5において、積層方向の略中央に位置する鋼板41(a)は、第1かしめ打点71では、図において左方向に引っ張られ、第2かしめ打点72では、図において右方向に引っ張られる。その隣の鋼板41(b)、41(c)は、それとは逆に、第1かしめ打点71では、図において右方向に引っ張られ、第2かしめ打点72では、図において左方向に引っ張られる
この結果、鋼板積層体400は、引張荷重の入力時に破壊されることなく図示のように、積層方向に蛇腹状に伸び、鋼板41同士の間に隙間400aを形成することができる。
なお、この引張荷重入力工程の実施前、あるいは、引張荷重入力工程実施後であって、後述の接着剤供給工程の実施前に、共用穴45のスロット用穴45aに永久磁石50を挿入する。
(接着剤供給工程)
接着剤供給工程は、鋼板積層体400の鋼板41同士の間の隙間400aであって、共用穴45の外周部に接着剤gを供給する工程である。
この接着剤供給工程では、図5に示すように、積層方向に引張荷重を入力して蛇腹状とした鋼板積層体400の外周部を、液状の接着剤gを充填した接着剤バスBに浸け入れる。さらに、この鋼板積層体400を積層方向に引き伸ばした状態を維持したまま、ロータシャフト30、鋼板積層体400、端面吸着体101,102を一体的に回転させる。これにより、鋼板積層体400は、周方向の全周に亘り、かつ、積層方向の全長に亘り、各鋼板41の間の隙間400aに接着剤gを供給する。
このように、引張荷重入力工程の実施により、鋼板41同士の間に隙間400aを形成しているため、鋼板41同士の間に、液状の接着剤gを確実に供給することができる。
(引張荷重解除工程、圧縮工程)
引張荷重解除工程、圧縮工程は、端面吸着体101,102により鋼板積層体400に入力していた引張荷重を取り去る工程、および、鋼板積層体400の積層方向に圧縮荷重を入力する工程である。
すなわち、両端面吸着体101,102を、積層方向で両者が近付く方向に移動させ、鋼板積層体400に対する引張荷重を取り去り、さらに、両端面吸着体101,102を、積層方向に近付けることにより、鋼板積層体400に圧縮荷重を入力する。
したがって、鋼板41同士の間の隙間400aに供給された接着剤gが、鋼板41同士の間において、径方向および周方向に拡がる。
このとき、内径方向に向かう接着剤gを、確実に永久磁石50および共用穴45よりも内径方向位置に達するようにでき、これにより、共用穴45の全周に供給することができる。また、永久磁石50の外周位置では、積層方向に隣り合う鋼板41と鋼板41との間において、永久磁石50に沿って接着剤gを供給することができる。なお、図2において、二点鎖線gLは、この時の接着剤gの内径方向位置を示している。
さらに、圧縮工程の実施により、鋼板41の外周方向に拡がった余剰分の接着剤gは、鋼板積層体400から排出され、接着剤バスBに落下する。
なお、余剰分の接着剤gは、エアブローを用いて落下させたり、重力により垂れ落ちる時間を確保したりするなどの簡易な除去工程を実施することで除去することができる。そして、この除去した接着剤gは、再利用可能であり、接着剤gの無駄を省くことができる。
また、上記のように接着剤gを、共用穴45の全周を囲むように、共用穴45の内径方向位置まで供給するのにあたり、上記の接着剤供給工程において、鋼板積層体400を共用穴45の位置まで接着剤バスBに浸漬させることでも可能である。この場合、圧縮工程において、余剰分となる接着剤gの量が増すとともに、鋼板41の間に介在される量も増す。そこで、圧縮工程の実施後に、接着剤gが適正範囲(例えば、二点鎖線gLに示すように共用穴45の僅かに内周側に達するように、接着剤供給工程における供給量を最適設定するのが好ましい。なお、適正範囲とは、後述する必要な鋼板41同士の接着強度を得ることができるとともに、必要なシール性を確保できる範囲である。
(接着剤硬化工程)
接着剤硬化工程は、接着剤gを硬化させる工程であり、接着剤gの性質に基づいて硬化させる。例えば、接着剤gが熱硬化性であれば加熱し、接着剤gが空気接触により硬化する性質であれば、常温で硬化時間を待つ。
この接着剤gの硬化により、軸方向に積層した鋼板41同士が接着剤gにより積層方向および周方向に固着される。このため、ロータコア40の捩じり剛性を確保できる。
さらに、永久磁石50と、鋼板41,41との間で接着剤gが硬化するため、永久磁石50を鋼板41,41に対して確実に固定することができ、これによってもロータコア40の捩じり剛性が向上する。
また、共用穴45の外周側であって、ロータコア40の周方向の全周および積層方向の全長に亘って接着剤gが配置されるため、冷媒流路62のシール性を確保できる。しかも、本実施の形態1では、接着剤gが共用穴45の全周を囲んで配置されるため、さらに、冷媒流路62のシール性を確保できる。
(実施の形態1のロータコアの製造方法により製造したロータコアの作用)
<実施の形態1が解決する課題>
実施の形態1のロータコアの製造方法により製造したロータコア40の作用を説明するのにあたり、まず、比較例のロータコアにおける課題を説明する。
ここで比較例は、特許文献1に記載されたロータコアのように、鋼板を積層するとともに、キャビティ内に配置した永久磁石と樹脂部材とにより冷媒供給路を形成したものとする。
この課題として、捩じり剛性、冷却性能、コストが挙げられる。
まず、捩じり剛性について説明する。
比較例では、ロータコアの捩じり剛性が低く、捩じり共振周波数が低いことによる振動・騒音が起きやすいという問題点がある。
ここでロータコアの捩じり剛性は一般的に以下の(イ)(ロ)(ハ)3つの要因に支配される。
(イ)ロータコアと永久磁石間の固着力
(ロ)ロータコアの積層した鋼板間の固着力
(ハ)ロータコア及びエンドプレートと回転軸間の固定力
上記比較例にあっては、(イ)のロータコアと永久磁石との間の固着力は、樹脂部材により得られる。この樹脂部材は、ロータコアに対する永久磁石の固定と、冷媒流路の構成と、を行っているため、永久磁石とロータコアとの間の強力な接着力を期待することが難しい。
また、(ロ)のロータコアの鋼板間の固着力に関しては、樹脂部材として樹脂モールド実施時に鋼板の積層体を積層方向に型締めし、溶融樹脂が意図した部位以外へ漏出しないようにするのが一般的である。このため、溶融樹脂は、積層した鋼板どうしの間に供給されにくく、この溶融樹脂により鋼板同士を接着することによる捩じり剛性向上を期待することはできない。
したがって、(イ)(ロ)の観点からロータコアの捩じり剛性を高める効果を得ることができない。
そして、ロータコアの捩じり剛性を十分に得られない場合、車両では、回転電機を接続する減速機や変速機などの共振が起こりやすく、振動や騒音の問題を引き起こす可能性が高いという問題がある。
さらに、ロータコア自体の捩じり剛性が不十分である場合(ロ)のロータコアをロータシャフトに一体的に固定する際の固着力を強力なものにすることでロータ全体の捩じり固有値を向上することも可能である。しかしながら、この固着力を得るには、ロータコアとロータシャフトとを径方向に収縮締結することや、軸方向に強力な挟み込み力で固定するなどの必要性が生じ、その結果、コストアップを招くという問題点が発生する。
以上のことから、樹脂により磁石固定と冷却液路を構成する比較例では、安価にロータコアの捩じり剛性を高めることが難しく、電動機に接続した減速機や変速機との共振による振動・騒音を起こしやすい問題がある。
次に、冷却性能の課題を説明する。
比較例では、永久磁石を収容するキャビティ内に樹脂による隔壁を設けるため、ロータコアで生じる鉄損発熱を、冷却液に直接伝達するのと比較して、熱伝導率が悪い。このため、永久磁石の発熱およびロータの鉄損発熱の両方を抜熱しにくいという問題がある。
次に、製造コストの課題を説明する。
比較例では、樹脂部材により隔壁を構成するため、永久磁石の周辺のほぼ全域であって、冷媒流路の全長に亘って樹脂を注入する必要がある。この場合、大量の樹脂材を必要とすることから、製造コストが高くなる。
<実施の形態1におけるロータコアの作用>
・ロータコアの捩じり剛性
実施の形態1では、ロータコア40の捩じり剛性が向上し、捩じり共振周波数が高く振動、騒音の発生を抑えることができる。
すなわち、実施の形態1では、上述した(イ)のロータコア40と永久磁石50との間の固着力を比較例よりも向上できる。
つまり、実施の形態1では、ロータコア40の鋼板41同士と永久磁石50との間で、積層方向に接着剤gを供給し硬化させた。
したがって、ロータコア40と永久磁石50との間の固着力が比較例よりも向上し、その結果、ロータコア40の捩じり剛性が比較例よりも向上した。
また、実施の形態1では、上述した(ロ)のロータコア40の積層した鋼板41間の固着力を、比較例よりも向上できる。
つまり、実施の形態1では、鋼板41同士の間において広範囲に接着剤gを供給し、硬化した。しかも、接着剤gは、ロータコア40の全周に亘って、図2に示す範囲で鋼板41同士の間に介在させている。
したがって、ロータコア40の積層した鋼板41間の固着力が比較例よりも向上し、その結果、ロータコア40の捩じり剛性が比較例よりも向上した。
さらに、実施の形態1では、上述のように、ロータコア40自体の捩じり剛性が向上するため、高価な構成を用いてロータコア40とロータシャフト30との間の固定力を向上させる必要が無くなり、製造コストを抑えることができる。
・冷却性能
ロータコア40の冷却は、冷媒流路62に冷媒液を供給して行う。
この冷媒流路62は、永久磁石50および鋼板41に接して流れる。したがって、冷媒液は、永久磁石50および鋼板41と直接熱交換でき、従来技術のように、冷媒液と永久磁石50との間に樹脂部材を介在させたものと比較して、熱伝導率が高く、永久磁石50の発熱およびロータコア40の鉄損発熱の両方を抑えることができる。
よって、ロータコア40では、冷却性能の向上を図ることができる。
・製造コスト
ロータコア40では、上記のように、接着剤gにより、鋼板41同士、および、鋼板41と永久磁石50とを接着して、ロータコア40の捩じり剛性を向上させた。
したがって、ロータコア40とロータシャフト30との結合強度を高める高価な手段を用いることが不要であり、製造コストを抑えることができる。
加えて、接着剤gは、鋼板41同士の間に介在している。したがって、従来技術のように、永久磁石50の周辺のほぼ全域、全長にわたって樹脂を注入した場合と比較して、樹脂部材(接着剤g)の容積を抑えることができ、これによっても製造コストを抑えることができる。
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1の効果を列挙する。
1)実施の形態1のロータコアの製造方法は、
鋼板41を積層して形成され、内部に永久磁石50が挿入されるスロット61と、冷媒液が流通する冷媒流路62と、を備えたロータコア40の製造方法であって、
スロット用穴45aと、冷媒流路用穴45bと、が形成された複数の鋼板41を積層し、かつ、隣り合う鋼板41同士をかしめにより結合し鋼板積層体400を作成する積層工程と、
鋼板積層体400に対して鋼板41の積層方向に引張荷重を入力し鋼板積層体400を積層方向に引き伸ばす引張荷重入力工程と、
引張荷重を入力して引き伸ばした状態の鋼板積層体400の鋼板41間に生じた隙間400aから冷媒流路62の外周側に接着剤gを供給する接着剤供給工程と、
引張荷重を解除する引張荷重解除工程と、
を有することを特徴とする。
したがって、鋼板積層体400を、破壊することなく積層方向に引き伸ばして鋼板41同士の間に隙間400aを形成し、この隙間400aに接着剤gを確実に供給できる。
よって、鋼板41同士を接着剤gにより確実に接着固定でき、ロータコア40とロータシャフト30との固定強度を高めることでロータコア40の捩じり剛性を高める場合よりも低コストでロータコア40の捩じり剛性を向上できる。
これにより、ロータコア40を備えた回転電機Aの駆動時における振動および騒音の抑制を低コストで達成できる。
また、冷媒流路62の外周側に供給した接着剤gにより鋼板41同士を接着することにより、冷媒流路62の外周方向部分のシール性を確保することができる。
これにより、このシール性を確保できないものと比較して、ロータコア40を備えた回転電機Aの駆動時に、ロータコア40とステータ10との間のエアギャップにおける冷媒液の撹拌抵抗損失を抑制でき、回転電機Aの駆動効率向上を図ることができる。
2)実施の形態1のロータコアの製造方法は、
かしめにより結合するかしめ打点を周方向に複数(第1かしめ打点71、第2かしめ打点72)有するとともに、周方向および径方向に一致するかしめ打点を積層方向に不連続に配置し、引張荷重をかけて鋼板積層体400を積層方向に引き伸ばす工程では、各鋼板41に対して、周方向に異なるかしめ打点で引張荷重が積層方向に作用することを特徴とする。
したがって、引張荷重を加える工程では、鋼板41を積層方向の正逆方向に引っ張って、鋼板41を破壊することなく、鋼板41同士の間に隙間400aを容易かつ確実に形成することができる。これにより、接着剤gを、鋼板41同士の間に確実かつ広範囲に供給可能となり、上記1)の効果をさらに確実に得ることができる。
3)実施の形態1のロータコアの製造方法は、
引張荷重解除工程の後に、鋼板積層体400を積層方向に圧縮する圧縮工程を備えることを特徴とする。
したがって、引張荷重を解除するのみの場合よりも、鋼板41同士の間に供給した接着剤gを、より広範囲に拡げて鋼板41同士の固定強度を一層強固にできるとともに、シール性をより確実に高めることができる。
さらに、圧縮工程により生じた余剰分の接着剤gを除去する工程を実施することにより、余剰分の接着剤gを、より確実に鋼板積層体400の外部に排出することができる。
そして、鋼板積層体400の外部に排出した余剰分の接着剤gは、再利用することも可能であり、コスト低減を図ることが可能である。
4)実施の形態1のロータコアの製造方法は、
接着剤供給工程の後、接着剤gを硬化させる処理を行う接着剤硬化工程を備えることを特徴とする。
したがって、接着剤gを確実に硬化させることにより、鋼板41同士の結合をより確実なものとして、ロータコア40の捩じり剛性をより一層向上できる。
5)実施の形態1のロータコアの製造方法は、
接着剤供給工程では、接着剤gを、鋼板積層体400の外周部の周方向全周、かつ、積層方向全長に供給することを特徴とする。
したがって、鋼板41同士の結合を確実なものとしてロータコア40の捩じり剛性を向上させることができる。また、冷媒流路62の冷媒に対するロータコア40のシール性をより確実なものとすることができる。
さらに、これにより、冷媒の漏れが生じるものと比較して、ロータコア40とステータ10との間のエアギャップにおける冷媒液の撹拌抵抗損失を抑制でき、回転電機Aとして駆動した場合の駆動効率のさらなる向上を図ることができる。
6)実施の形態1のロータコアの製造方法は、
鋼板41は、外周部にスロット用穴45aと冷媒流路用穴45bとを共用する共用穴45を備えることを特徴とする。
したがって、永久磁石50を挿入したときに、冷媒流路62を、永久磁石50と鋼板41との両方に接して設けることができ、冷媒流路62を永久磁石50から離して設けた場合よりも、冷却性能を高めることができる。
また、スロット用穴45aに隣接する冷媒流路用穴45bは、上記のように永久磁石50の挿入後に空隙として残るため、磁束の通り方を制御するための空隙としての機能を持たせることができる。
7)実施の形態1のロータコアの製造方法は、
引張荷重入力工程では、引張荷重を入力する前後のいずれかに共用穴45に永久磁石50を挿入し、
接着剤供給工程では、永久磁石50を挿入状態の共用穴45の周囲に最終的に接着剤gが行きわたるように供給することを特徴とする。
すなわち、接着剤供給工程では、引張荷重解除工程、圧縮工程などの実施後を含んで最終的に接着剤gが共用穴45の周囲に行きわたる量および位置に接着剤gを供給する。
したがって、最終的に接着剤gを、積層方向で鋼板41同士の間と、永久磁石50との間に供給でき、鋼板41と永久磁石50とを、確実に接着して、さらに確実にロータコア40の捩じり剛性を向上できる。
また、冷媒流路62の周囲にも確実に接着剤gを配置して、シール性能をより確実に得ることができる。
8)実施の形態1のロータコアの製造方法により製造した回転電機Aのロータコア40は、
鋼板41を積層して形成するとともに、積層方向(軸方向)に延びる冷媒流路62を備えた回転電機Aのロータコア40であって、
冷媒流路62の外周方向位置で、積層方向に隣り合う鋼板41同士の間に接着剤gが充填され、
鋼板41は、積層方向に隣り合う鋼板41同士をかしめ結合するかしめ打点(第1かしめ打点71および第2かしめ打点72)を備え、
かしめ打点は、周方向に異なる位置に配置された複数のかしめ打点としての第1かしめ打点71および第2かしめ打点72を備え、
周方向に同一位置に配置された第1かしめ打点71および第2かしめ打点72は、それぞれ、積層方向に不連続に配置したことを特徴とする。
したがって、回転電機Aのロータコア40は、上記1)2)で述べた効果を奏する。
(他の実施の形態)
次に、他の実施の形態のロータコアの製造方法について説明する。
なお、他の実施の形態は、実施の形態1の変形例であるため、実施の形態1と共通する構成には実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点のみ説明する。
(実施の形態2)
実施の形態2は、引張荷重入力工程および接着剤供給工程の変形例である。
(引張荷重入力工程)
引張荷重入力工程では、実施の形態1とは異なる図6に示す一対の引張装置200を用いて鋼板積層体400を積層方向に引き伸ばす。
引張装置200は、鋼板41に形成した穴(例えば、共用穴45)に対して軸方向に係合する係合軸201a,202aを複数有する一対の係合部材201,202を備える。
また、係合部材201,202は、湾曲用支持軸203の両端部の直線部203aに対して、軸方向に移動可能に支持されている。
湾曲用支持軸203は、鋼板積層体400のシャフト挿通穴44に挿通し、鋼板積層体400を相対回転可能な外径を有し、かつ、図示のように軸直交方向に湾曲可能な弾性を備える。
実施の形態2では、引張荷重入力工程では、まず、鋼板積層体400を湾曲用支持軸203の外周に装着する。なお、このとき、永久磁石50は、鋼板積層体400に対して未装着とする。
次に、係合部材201,202の係合軸201a,202aを、鋼板積層体400の積層方向両端の鋼板41の穴(共用穴45)に対し軸方向に係合した後、両係合部材201,202を、両者の間隔を拡げるよう軸方向に移動させる。これにより、鋼板積層体400は、実施の形態1と同様に、破壊されることなく軸方向(積層方向)に蛇腹状に引き伸ばされる。
(接着剤供給工程)
次に、接着剤供給工程では、まず、湾曲用支持軸203を図示のように、その軸方向中央部が、接着剤バスBに近付く方向に湾曲させる。この湾曲により、鋼板積層体400は、接着剤バスBに近い側の外周部では、鋼板41同士の間隔が拡がり、鋼板41同士の間の隙間400aが生じる。
この状態で、鋼板積層体400の外周部を、その積層方向全長に亘り図示のように接着剤バスBの接着剤gに浸漬させ、さらに、両係合部材201,202を湾曲用支持軸203の直線部203aに対して矢印Mに示すように回転させる。
これにより、鋼板積層体400も湾曲用支持軸203に対して回転し、鋼板積層体400の外周部が全周に亘り、かつ、積層方向全長に亘り、接着剤gに浸漬され、鋼板41同士の隙間400aに接着剤gを供給する。
その後、鋼板積層体400を接着剤バスBから引き上げ、湾曲用支持軸203を真っすぐな状態に戻すとともに、引張荷重入力を解除し、実施の形態1と同様に、引張荷重解除工程および圧縮工程を実施する。
なお、実施の形態2では、湾曲用支持軸203を真直ぐな状態に戻した時点で、共用穴45のスロット用穴45aに永久磁石50を挿入し、その後、引張荷重解除工程および圧縮工程を実施する。これにより、鋼板41同士の間の接着剤gと永久磁石50との固着を確実なものとすることができる。
(実施の形態2の作用)
実施の形態2のロータコアの製造方法では、鋼板積層体400を湾曲させ、鋼板積層体400の外周部の鋼板41同士の隙間400aを拡げた部位に接着剤gを供給するため、接着剤gを、鋼板41同士の間に、より確実に供給することができる。
なお、実施の形態2は、実施の形態1の一部の変形例であり、実施の形態1で述べた1)〜8)の効果を奏する。
(実施の形態3)
実施の形態3は、図7に示すように、鋼板341に、スロット用穴345aおよび冷媒流路用穴345bをそれぞれ独立して設けた例である。
図7は実施の形態3のロータコアの製造方法に用いる鋼板341を示す正面図である。
鋼板341は、外周部に、実施の形態1と同様に周方向等間隔で8箇所にスロット用穴345aを備える。さらに、鋼板341は、スロット用穴345aの内径方向位置であって、周方向でスロット用穴345a同士の間に配置されるように周方向の位相をずらした位置の8箇所に冷媒流路用穴345bを備えている。
この実施の形態3では、接着剤供給工程では、実施の形態1と同様に蛇腹状に伸ばした鋼板積層体400に対して、冷媒流路用穴345bの内周の全周に液状の接着剤gを供給する。
その後、引張荷重解除工程および圧縮工程では、余剰分の接着剤gを除去する。この場合も、実施の形態1と同様に、エアブローを用いてもよいし、あるいは、鋼板積層体400の軸方向を上下方向に向けて、重力により接着剤gを鋼板積層体400から垂れ落として除去してもよい。
この実施の形態3のロータコア製造方法により製造したロータコアでは、接着剤gが冷媒流路の内壁全周および鋼板341間に配置されて固化するため、冷媒液のシール性を確実に得ることができる。
3-1)実施の形態3のロータコアの製造方法において、
鋼板341は、外周部にスロット用穴345aを備えるとともに、スロット用穴345aよりも内径方向位置に冷媒流路用穴345bを備え、
接着剤供給工程では、接着剤gを、冷媒流路用穴345bの内周の全周に供給する
ことを特徴とする。
したがって、実施の形態3にあっても、鋼板41同士を接着剤gにより接着でき、また、冷媒流路62のシール性を接着剤gにより確保することができる。
また、実施の形態3にあっても、上記1)〜5)の効果を得ることができる。
以上、本発明のロータコアの製造方法およびロータコアを実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、同一周方向および径方向に配置するかしめ打点の数を2とした例を示したが、その数は、複数であれば、3以上としてもよい。すなわち、実施の形態で示したかしめ打点を、鋼板に位相を異ならせて配置し、積層方向に複数の鋼板おきに配置して不連続な配置とすることで、構成することができる。
また、冷媒流路への冷媒の供給は、実施の形態で示したように、エンドプレートから供給するものに限らない。例えば、ロータコアの軸方向の中間位置で、ロータシャフトおよびロータコアを貫通させて供給することが可能である。あるいは、ロータコアの周囲に冷媒液を満たし、ロータコアの端面から直接冷媒流路に供給するようにしてもよい。
30 ロータシャフト
40 ロータコア
41 鋼板
45 共用穴
45a スロット用穴
45b 冷媒流路用穴
50 永久磁石
61 スロット
62 冷媒流路
71 第1かしめ打点
71a かしめ突起
71b かしめ圧入穴
72 第2かしめ打点
72a かしめ突起
72b かしめ圧入穴
400 鋼板積層体
400a 隙間
A 回転電機
B 接着剤バス
g 接着剤

Claims (9)

  1. 鋼板を積層して形成され、内部に永久磁石が挿入されるスロットと、冷却媒体が流通する冷媒流路と、を備えたロータコアの製造方法であって、
    前記スロット用の穴と、前記冷媒流路用の穴と、が形成された複数の前記鋼板を積層し、かつ、隣り合う前記鋼板同士をかしめにより結合し鋼板積層体を作成する工程と、
    前記鋼板積層体に対して前記鋼板の積層方向に引張荷重を入力し前記鋼板積層体を積層方向に引き伸ばす工程と、
    前記引張荷重を入力して引き伸ばした状態の前記鋼板積層体の前記鋼板間に生じた隙間から前記冷媒流路の外周側に接着剤を供給する工程と、
    前記引張荷重を解除する工程と、
    を有することを特徴とするロータコアの製造方法。
  2. 請求項1に記載のロータコアの製造方法において、
    前記かしめにより結合するかしめ打点を周方向に複数有するとともに、周方向および径方向に一致するかしめ打点を積層方向に不連続に配置し、前記引張荷重をかけて前記鋼板積層体を積層方向に引き伸ばす工程では、各鋼板に対して、周方向に異なるかしめ打点で引張荷重が積層方向に作用する
    ことを特徴とするロータコアの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のロータコアの製造方法において、
    前記引張荷重を解除する工程の後に、前記鋼板積層体を前記積層方向に圧縮する工程を備える
    ことを特徴とするロータコアの製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法において、
    前記接着剤を供給する工程の後、前記接着剤を硬化させる工程を備える
    ことを特徴とするロータコアの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法において、
    前記接着剤を供給する工程では、前記接着剤を、前記鋼板積層体の外周部の周方向全周、かつ、積層方向全長に供給する
    ことを特徴とするロータコアの製造方法。
  6. 請求項5に記載のロータコアの製造方法において、
    前記鋼板は、前記外周部に前記スロット用の穴と前記冷媒流路用の穴とを共用する共用穴を備える
    ことを特徴とするロータコアの製造方法。
  7. 請求項6に記載のロータコアの製造方法において、
    前記引張荷重をかける工程では、前記共用穴に前記永久磁石を挿入し、
    前記接着剤を供給する工程では、前記永久磁石を挿入状態の前記共用穴の周囲に最終的に前記接着剤が行きわたるよう供給する
    ことを特徴とするロータコアの製造方法。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法において、
    前記鋼板は、外周部に前記スロット用の穴を備えるとともに、前記スロット用の穴よりも内径方向位置に前記冷媒流路用の穴を備え、
    前記接着剤を供給する工程では、前記冷媒流路用の穴の内周の全周に最終的に前記接着剤が行きわたるよう供給する
    ことを特徴とするロータコアの製造方法。
  9. 鋼板を積層して形成するとともに、積層方向に延びる冷媒流路を備えた回転電機のロータコアであって、
    前記冷媒流路の外周方向位置で、積層方向に隣り合う前記鋼板同士の間に接着剤が充填され、
    前記鋼板は、積層方向に隣り合う前記鋼板同士をかしめ結合するかしめ打点を備え、
    前記かしめ打点は、周方向に異なる位置に配置された複数のかしめ打点を備え、
    前記かしめ打点のうち、周方向および径方向に同一位置に配置されたかしめ打点は、積層方向に不連続に配置した
    ことを特徴とする回転電機のロータコア。
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