JP2017043989A - 渡し板 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で人力で搬送できる渡し板を提供する。【解決手段】矩形の平板状である上板および下板を平行に配置し、前記上板と前記下板との間に柱状の補強材を複数本配置し、前記補強材は、前記上板および前記下板の長さ方向に平行に配置して、対向する2面をそれぞれ前記上板および前記下板に接合して構成し、前記上板、前記下板および前記補強材はいずれも繊維強化樹脂製である、渡し板。【選択図】図1

Description

本発明は、渡し板に関するものである。
平成7年兵庫県南部地震において、道路のジョイント部における開きの発生が見られた。このような開きが発生すると車両走行が不能になる。
このため、開き部分において緊急車両の通行を確保することは、迅速な道路復旧のためにも重要である。
ジョイント部の開きに対しては、覆工板を渡し板として使用したり、H鋼を渡してその上に鋼板を敷設したりすることにより、車両を通行できるようにする。
これらの覆工板やH鋼、鋼板などは重量があるため車両で搬送する必要がある。
しかし、市街地の直下で地震が発生した場合、特に通行車両の多い場合には大量の車両が立ち往生して放置される事態も想定され、現場まで車両で搬送することができない。
本発明は、この問題点を解決するためになされたものであり、軽量で人力で搬送できる渡し板を提供することを目的とする。
上記のような課題を解決する本願の第1発明は、矩形の平板状である上板および下板を平行に配置し、前記上板と前記下板との間に柱状の補強材を複数本配置し、前記補強材は、前記上板および前記下板の長さ方向に平行に配置して、対向する2面をそれぞれ前記上板および前記下板に接合して構成し、前記上板、前記下板および前記補強材はいずれも繊維強化樹脂製である、渡し板を提供する。
本願の第2発明は、第1発明の渡し板において、前記渡し板の長さ方向の端部の前記上板と前記下板との間に繊維強化樹脂製のチャンネル材を配置することを特徴とする、渡し板を提供する。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の渡し板において、前記上板および前記下板の長さ方向端部から所定の範囲の表面に、繊維強化樹脂製の平板を貼り付けることを特徴とする、渡し板を提供する。
本発明の渡し板は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1>全ての部材を繊維強化樹脂製にすることにより、軽量な渡し板とすることができる。
<2>渡し板が軽量であるため、人力による搬送ができ、大量の車両が立ち往生するなどして作業用車両が進めないような場合であっても現場に搬送することができる。
<3>渡し板が軽量であるため、車両のタイヤ位置に合わせた配置変更の変更が容易である。
本発明の渡し板の斜視図 本発明の渡し板の使用状態の説明図 その他実施例にかかる渡し板の斜視図(1) その他実施例にかかる渡し板の斜視図(2)
以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
[1]渡し板の構成。
<1>構成。
本発明の渡し板1は平行する2枚の上板2、下板3と、その間に配置する補強材4と、によって構成する(図1)。
渡し板1を構成する上板2、下板3および補強材4は全て繊維強化樹脂(FRP)を材質とする。
<2>上板、下板。
上板2および下板3は矩形の平板状であり、渡し板1の上面および下面を形成するものである。
上板2および下板3の寸法は、例えば長さ1.4m、幅0.5mとし、これが渡し板1の平面寸法となる。また上板2および下板3の厚さは5mmとする。
<3>補強材。
補強材4は柱状の部材であり、対向する2面を上板2および下板3にそれぞれ接着により接合する。
補強材4は角筒体やH型などの構造型材が適用できる。
補強材4の寸法は、例えば角筒体の場合には90mm角、厚み5mmとし、長さは上板2および下板3の長さと同じ1.4mとする。
補強材4は、上板2および下板3の長さ方向と平行に、幅方向の中央とその両端にそれぞれ配置する。補強材4の本数はさらに増やしてもよい。
<4>上板、下板、補強材の作用。
上板2、下板3および補強材4は全て繊維強化樹脂製であり、渡し板1はこれらを接着して構成する。
このため、渡し板1は軽量(上述の構成の場合約40kg)であり、人力で搬送することができる。
[2]使用方法。
<1>現場への設置。
渡し板1は開きSの生じたジョイント間に直接渡して使用する。(図2)
上述した渡し板1の長さは1.4mであるため、1m程度の開きSまで対応することができる。
本願においては上板2、下板3と表しているが、どちら側を上面にしても使用することができる。
渡し板1は軽量であるため人力で搬送することができ、大量の車両が立ち往生するなどして作業用車両が進めないような場合であっても現場に搬送することができる。
<2>車両の通行の確保。
渡し板1は車両のタイヤに対応する位置に配置する。このため通常は2枚セットで用いる。
渡し板1は軽量であるため、タイヤの位置に合わせた配置位置の変更が容易である。
渡し板1は上板2と補強材4、下板3を接着しているため厚み(上述の構成の場合100mm)を有する。渡し板1の両端には土嚢5を配置して路面と渡し板1との間の段差を解消し、車両のタイヤが渡し板1上に乗り上げやすくする。
渡し板1には長さ方向に平行に補強材4を配置することにより、車両の荷重が作用しても渡し板1が破断することがない。
[3]その他実施例。
<1>端部の補強。
渡し板1の長さ方向端部は、車両の乗降時に最も荷重が作用する部分である。
このため、渡し板1の長さ方向端部にさらに端部補強材6を設けてもよい。(図3)
端部補強材6は、上板2および下板3の間に配置するチャンネル状の補強チャンネル61と、上板2および下板3の表面に貼り付ける平板状の補強板62とからなる。どちらか一方を単体で使用しても端部を補強することができる。
補強チャンネル61および補強板62も繊維強化樹脂(FRP)を材質とし、上板2および下板3に接着して接合する。
補強チャンネル61は渡し板1の幅方向に亘って設ける。このとき、補強材4の長さは補強チャンネル61のフランジの幅の分短くする。
補強チャンネル61の寸法は、例えばウェブ幅90mm、フランジ幅36mm、厚さ5mmとする。
補強チャンネル61はウェブが渡し板1内で補強材4と当接する配置とすることにより、上下のフランジ間に空間ができ、渡し板1を使用する際の持ち手となる。
補強板62は、渡し板1の端部から所定の範囲に亘って貼り付ける。
補強板62の寸法は、例えば長さ500mm、幅150mm、厚さ5mmとする。
<2>並列連結。
渡し板1は複数枚を並列に並べて使用することにより、ダブルタイヤを有する車両にも対応することができる。(図4)
このため、補強材4に渡し板1の幅方向に亘って貫通する連結ボルト貫通孔41を形成し、連結ボルト貫通孔41に挿通する連結ボルト7によって連結できるようにしてもよい。
連結ボルト7によって連結することにより、並列する渡し板1どうしのずれを防止することができる。
本発明の渡し板1は、車両通行の困難な開きSに渡して使用するのみでなく、車両通行の困難な段差が発生した場合の敷板として使用することもできる。
1 渡し板
2 上板
3 下板
4 補強材
41 連結ボルト貫通孔
5 土嚢
6 端部補強材
61 補強チャンネル
62 補強板
7 連結ボルト

Claims (3)

  1. 矩形の平板状である上板および下板を平行に配置し、
    前記上板と前記下板との間に柱状の補強材を複数本配置し、
    前記補強材は、前記上板および前記下板の長さ方向に平行に配置して、対向する2面をそれぞれ前記上板および前記下板に接合して構成し、
    前記上板、前記下板および前記補強材はいずれも繊維強化樹脂製である、渡し板。
  2. 請求項1に記載の渡し板において、
    前記渡し板の長さ方向の端部の前記上板と前記下板との間に繊維強化樹脂製のチャンネル材を配置することを特徴とする、渡し板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の渡し板において、
    前記上板および前記下板の長さ方向端部から所定の範囲の表面に、繊維強化樹脂製の平板を貼り付けることを特徴とする、渡し板。
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