JP7019660B2 - 軽量覆工板の設置構造 - Google Patents
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Description
そこで、近年、人力による搬送や施工が容易な軽量覆工板が開発されている。特許文献1には、木材や樹脂によって作製された軽量覆工板が開示され、特許文献2には、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)によって作製された軽量覆工板が開示されている。
また、軽量覆工板は、軽量であるため取り扱いは容易であるが、対象箇所に対して単に敷設するだけでは、人や車両の通行があったときに、重量覆工板に比して位置ずれが生じやすい場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、汎用性に優れて様々な場所で活用でき、覆工すべき対象箇所に対して位置ずれなく正確に設置しやすくすることである。
矩形平板状の上板と、
前記上板と平行に配置された矩形平板状の下板と、
前記上板と前記下板との間で、平行に配置されるとともに、上面及び下面がそれぞれ前記上板と前記下板に接合された柱状の複数の第一補強材と、
前記上板と前記下板との間で、前記上板及び前記下板の縁部に沿って、かつ前記複数の第一補強材に接して配置されるとともに、上面及び下面がそれぞれ前記上板と前記下板に接合された複数の第二補強材と、を備え、
前記上板と、前記下板と、前記複数の第一補強材と、前記複数の第二補強材が、いずれも繊維強化プラスチック製とされた軽量覆工板が、互いに間隔を空けて配置された複数の受部材間に架け渡されており、
前記下板の下面には、前記軽量覆工板が前記複数の受部材間に架け渡された場合の架け渡し方向において前記軽量覆工板の位置決めを行うための位置決め部が、前記複数の受部材に沿うようにして設けられ、
前記位置決め部は、前記下板の下面のうち前記受部材に近接した位置に設けられるとともに下方に突出して形成され、前記受部材の側面に対向し、
さらに、前記位置決め部は、前記下板の下面に接する第一板部と、前記第一板部の両側縁から下方に突出する一対の第二板部と、を備えて断面溝型に形成されており、
前記複数の受部材は、平行に配置された長尺な梁材であり、
前記軽量覆工板は、梁材である前記複数の受部材間に、前記位置決め部が前記受部材に被せられて当該位置決め部の溝に前記受部材が入れられた状態となるように架け渡されていることを特徴とする。
矩形平板状の上板と、
前記上板と平行に配置された矩形平板状の下板と、
前記上板と前記下板との間で、平行に配置されるとともに、上面及び下面がそれぞれ前記上板と前記下板に接合された柱状の複数の第一補強材と、
前記上板と前記下板との間で、前記上板及び前記下板の縁部に沿って、かつ前記複数の第一補強材に接して配置されるとともに、上面及び下面がそれぞれ前記上板と前記下板に接合された複数の第二補強材と、を備え、
前記上板と、前記下板と、前記複数の第一補強材と、前記複数の第二補強材が、いずれも繊維強化プラスチック製とされた軽量覆工板が、互いに間隔を空けて配置された複数の受部材間に架け渡されており、
前記下板の下面には、前記軽量覆工板が前記複数の受部材間に架け渡された場合の架け渡し方向において前記軽量覆工板の位置決めを行うための位置決め部が、前記複数の受部材に沿うようにして設けられ、
前記位置決め部は、前記下板の下面のうち前記受部材に近接した位置に設けられるとともに下方に突出して形成され、前記受部材の側面に対向し、
さらに、前記位置決め部は、前記下板の下面に接する第一板部と、前記第一板部の両側縁から下方に突出する一対の第二板部と、を備えて断面溝型に形成されており、
前記複数の受部材は、平行に配置された長尺なワイヤーであり、
前記軽量覆工板は、ワイヤーである前記複数の受部材間に、前記位置決め部が前記受部材に被せられて当該位置決め部の溝に前記受部材が入れられた状態となるように架け渡されていることを特徴とする。
前記位置決め部の溝に前記受部材が入れられた状態で、前記一対の第二板部における下端部間に、前記受部材よりも下方に配置される外れ止め部材が架け渡されて設けられていることを特徴とする。
前記位置決め部は、繊維強化プラスチック製とされていることを特徴とする。
まず、互いに間隔を空けて配置された複数の受部材間に架け渡されて設置される軽量覆工板1の構成について説明する。
図1において符号1は、軽量覆工板を示す。この軽量覆工板1は、平行する上板2及び下板3と、その間に配置される複数の第一補強材4及び複数の第二補強材5、によって構成されている。上板2、下板3、複数の第一補強材4、複数の第二補強材5は、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)を材料として構成されている。繊維強化プラスチックを材料として軽量覆工板1が構成されているため、軽量覆工板1は、耐候性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、電波透過性、断熱性、防食性を有する。また、着色も自由で、軽量(比重も軽い)かつ強度にも優れる。さらに、丸鋸などの工具を使用すれば、現場での加工も容易であり、現場でのサイズ調整も可能となる。
上板2及び下板3の寸法は、実施形態においては長さ2000mm、幅700mmとされており、これが軽量覆工板1の平面寸法となる。
また、複数の第一補強材4及び複数の第二補強材5を間に挟み込んだ場合の上板2上面から下板3下面までの長さは110mmとされており、これが軽量覆工板1の厚さ寸法となる。
なお、寸法設定は適宜変更可能である。特に、複数の第一補強材4の使用本数が増えれば、軽量覆工板1の幅寸法は変更される場合がある。
第一補強材4は、角筒体(角パイプ)やH型などの構造型材が適用でき、実施形態においては、角筒体が適用されている。
第一補強材4は、上板2及び下板3の長さ方向と平行に、かつ、上板2及び下板3の幅方向両端部と幅方向中央部にそれぞれ配置されている。図1に示す例においては、三本の第一補強材4が用いられ、これら第一補強材4は等間隔に配置されているが、使用本数は三本に限られないし、間隔についても必ずしも等間隔でなくてよい。
第二補強材5は、断面コ字状のチャンネル材であり、軽量覆工板1の幅方向に亘って設けられている。複数の第一補強材4の長さは、第二補強材5におけるフランジの幅の分だけ短く設定されており、上板2及び下板3の端部からはみ出ないようになっている。
このような第二補強材5は、ウェブが上板2と下板3との間で複数の第一補強材4と接する配置となっていることにより、上下のフランジ間に空間ができ、軽量覆工板1を使用する際の持ち手となる。
第二補強材5は、上板2及び下板3に対しては接着により接合されている。なお、第一補強材4に対しては、単に接するだけでもよいし、接着により接合されてもよい。
なお、第二補強材5は、軽量覆工板1の幅方向側端部に設けられてもよい。その場合、三方又は四方に持ち手が形成されることとなる。
また、実施形態における第二補強材5はとしては、上記のようにチャンネル材が用いられているが、角筒体やH型などの構造型材でもよい。
連結ボルトは、隣り合う軽量覆工板1同士を並列方向に貫通する長ボルト(特許文献2参照)でもよいし、隣り合う軽量覆工板1の隣り合う第一補強材4同士を連結する短ボルト7でもよい(図3参照)。短ボルト7によって連結する場合は、上板2又は下板3、第一補強材4に対し、ボルト7・ナット8や工具などを入れられる作業用の孔2a,4aを形成する。
連結用ワイヤー62は、隣り合う軽量覆工板1同士の間に撓み(可撓性・柔軟性)が必要な場合に用いられる(図13参照)。
図4に示す位置決め部10は、上板2等の基本構成と同様に、繊維強化プラスチック製とされており、直方体ブロック状に形成され、かつ、下板3の下面に接着により接合されている。
このような位置決め部10は、下板3の下面のうち複数の受部材9に近接した位置に設けられている。より具体的には、下板3の下面における四隅に設けられている。また、位置決め部10は、下板3の下面から下方に突出して形成されている。そして、軽量覆工板1は、互いに間隔を空けて配置された複数の受部材9間に架け渡されて設置されており、位置決め部10は、受部材9の側面に対向した状態となっている。
なお、下板3及び第一補強材4には、アイボルト12の雄ネジ部が通される通し孔が形成されているものとする。
作業用の孔2a,4aやボルトの通し孔は、工具で加工すれば形成できるため、軽量覆工板1を加工してサイズ調整を現場で行う場合でも、位置決め部20の付け替えを行うことができる。
次に、軽量覆工板1の設置構造の第1実施形態について説明する。
より詳細には、複数の軽量覆工板1における長さ方向両側縁部が、互いに間隔を空けて配置された複数の受部材30(一方及び他方の受部材30)間に載せられることで、軽量覆工板1が、複数の受部材30間に架け渡されて設置されている。また、複数の軽量覆工板1は、一方及び他方の受部材30の長さ方向に並べられている。さらに、位置決め部20は、一枚の軽量覆工板1の下板3における下面の四隅近傍にそれぞれ設けられている。
位置決め部20は、下板3の下面に対し、接着により接合固定されてもよいし、ボルト・ナット等の取付具により固定することもできる。取付具を用いる場合は、軽量覆工板1に形成された作業用の孔H(上記の孔2a,4a及びボルトの通し孔)を通じて作業が行われる。
なお、本実施形態の位置決め部20は、断面溝型に形成されるものとしたが、これに限られるものではなく、図4に示した位置決め部10のように直方体ブロック状に形成されてもよいし、その他の形状であってもよい。
なお、本実施形態における受部材30は、H形鋼などの鋼材によって構成された梁材であるが、これに限られるものではなく、H形鋼と同様の形状に形成された繊維強化プラスチック製の梁材を採用してもよい。
また、本実施形態における受部材30は、上記のように、H形鋼などの鋼材によって構成された梁材であるため、十分な構造強度を有しており、そのまま、本設の梁材とされる場合がある。
また、軽量覆工板1は、一方及び他方の受部材30における上面の長さ方向に沿ってスライド移動が可能となっている。したがって、軽量覆工板1を一方及び他方の受部材30上の所定の箇所に設置する場合は、上から一方及び他方の受部材30における上面にそのまま載せるか、一方及び他方の受部材30における上面に沿ってスライドさせて所定の箇所まで移動させる。
なお、複数の受部材30の長さ方向における軽量覆工板1の位置は、ストッパーとして機能する部材(図示省略)によって位置決めされるものとする。ストッパーとして機能する部材は、特に限定されるものではなく、例えば受部材30から軽量覆工板1側に突出する突状体(例えばボルトなど)を設けてもよいし、軽量覆工板1と受部材30と部分的に挟み込むクリップなどを採用してもよい。
さらに、軽量覆工板1における下板3の下面には、軽量覆工板1が複数の受部材30間に架け渡された場合の架け渡し方向において軽量覆工板1の位置決めを行うための位置決め部20が、複数の受部材30に沿うようにして設けられているので、隣り合う受部材30同士間の架け渡し方向において軽量覆工板1の位置決めを確実に行うことができ、覆工すべき対象箇所に対して位置ずれなく正確に設置しやすくすることができる。
次に、軽量覆工板1の設置構造の第2実施形態について説明する。
なお、上記の第1実施形態と共通する要素については共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
なお、本実施形態における受部材31は、金属製の角筒体によって構成された梁材であるが、これに限られるものではなく、角筒体と同様の形状に形成された繊維強化プラスチック製の梁材を採用してもよい。
すなわち、受部材31の幅寸法は、位置決め部20における一対の第二板部22間の間隔寸法と略等しいか、もしくは短く設定されている。また、第一板部21は、受部材31の上面に載る状態となる。そのため、一対の第二板部22は、受部材31の側面にそれぞれ対向している。
また、位置決め部20は、上記のように、第一板部21が、受部材31の上面に載る状態となる。そのため、取付具としてボルト・ナットを用いる場合は、第一板部21の上面に、上方に突出する雄ネジ部を一体に形成し、当該雄ネジ部を下板3及び第一補強材4に貫通させ、軽量覆工板1の内部側においてナットで締め付けて取り付ける。これにより、ボルトやナットが、位置決め部20の溝(第一板部21の下面)から下方に突き出ないようにすることができるので好ましい。もしくは、図9を参照して説明する構成(後述)を採用してもよい。
次に、軽量覆工板1の設置構造の第3実施形態について説明する。
なお、上記の第1及び第2実施形態と共通する要素については共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
すなわち、受部材31の幅寸法は、位置決め部20における一対の第二板部22間の間隔寸法よりも短く設定されている。また、第一板部21は、受部材32に載る状態となる。そのため、一対の第二板部22は、受部材32の側面(外周面)にそれぞれ対向している。
本実施形態における外れ止め部材23は、ボルト・ナットとされているが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
しかも、軽量覆工板1を、複数の受部材32の長さ方向にスライド移動させる必要がある場合に、例えば位置決め部20と受部材32とが強固に係合しているとスライド移動しにくいが、受部材32がワイヤーであれば、当該ワイヤーに沿ってスライド移動しやすくなる。
次に、軽量覆工板1の設置構造の第4実施形態について説明する。
なお、上記の第1~第3実施形態と共通する要素については共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
本実施形態における位置決め部20は、一対の第二板部22における下端部に、内側に突出する突部22aが一体形成された状態となっている。一対の第二板部22の下端部には突部22aが一体形成されているので、一対の第二板部22の剛性を向上させることができる。さらに、一対の第二板部22における下端部間には、外れ止め部材23が、突部22aよりも上方であって、かつ受部材31よりも下方に配置され、一対の第二板部22における下端部間に架け渡されて設けられている。
また、複数の受部材31の長さ方向と直交する方向に並ぶ複数の軽量覆工板1同士は、ボルト・ナット等の連結具24によって連結されている。
また、吊りステージ設備自体が、吊梁33の長さ方向に沿って移動できるようにしてもよい。
また、複数の受部材31の長さ方向に沿って並べられ、かつ吊りワイヤー34によって吊り下げられた複数の軽量覆工板1は、複数の受部材31によって連結された状態となっており、一対の第二板部22が、受部材31の側面に対向しているので、隣り合う受部材31同士間の架け渡し方向において軽量覆工板1の位置決めを確実に行うことができ、覆工すべき対象箇所に対して位置ずれなく、より正確に設置しやすくなる。
続いて、以上の第1~第4実施形態のうち、いずれかの実施形態が適用されて実施される例について説明する。
なお、上記の第1~第4実施形態と共通する要素については共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
浮体デッキ設備40は、複数の軽量覆工板1によって構成される床部の高さが、水位に応じて変わるもので、海、河川、湖沼、プール等に設置される。
また、浮体デッキ設備40には、手摺40aも設けられており、手摺40aも同時に移動する。
また、擁壁42によって囲まれたスペースの中央側には、浮体デッキ設備40と共に上下に移動するガイド部材43aを有する振れ止めガイド設備43が設けられている。浮体デッキ設備40は、ガイド部材43aによってガイドされながら、擁壁42に沿って上下に移動することになる。
続いて、以上の各実施形態のいずれかが適用されて実施される例について説明する。
なお、上記の第1~第4実施形態と共通する要素については共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
覆工道路50は、例えば地震による液状化現象や河川の氾濫による浸水で地盤が軟弱化した場合、地震によって道路に隆起が見られる場合などに緊急的に敷設される。
このような複数の保持部51によって保持されるワイヤー32は、強く張った状態に維持され、複数の軽量覆工板1は、複数のワイヤー32間に架け渡されて設けられている。
また、このような覆工道路50は、人の通行はもちろんのこと、車両(軽自動車)の通行も可能となっている。軽量覆工板1は絶縁性能を有するため、内部に電力ケーブルを通してもよい。電力ケーブルを通さない場合は給水配管を通してもよい。
続いて、以上の各実施形態のいずれかが適用されて実施される例について説明する。
なお、上記の第1~第4実施形態と共通する要素については共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
ワイヤーブリッジ60は、橋の崩落や河川の氾濫による浸水で道が水没した場合などに緊急的に設置される。
このような複数の保持部61によって保持されるワイヤー32は、強く張った状態に維持されて河川や水没した道の上空に設けられ、複数の軽量覆工板1は、複数のワイヤー32間に架け渡されて設けられている。
また、複数の軽量覆工板1は、連結用ワイヤー62によって連結されており、隣り合う軽量覆工板1同士の間に撓みを生じさせることができる。
また、ワイヤーブリッジ60には、手摺60aも設けられている。
ガイドフレーム63は、図示しない車両(トラックや建設機械などが好ましい)によって引っ張られる。
このようなワイヤーブリッジ60は、簡易的な人道橋として用いられる。また、軽量覆工板1は絶縁性能を有するため、内部に電力ケーブルを通してもよい。電力ケーブルを通さない場合は給水配管を通してもよい。
続いて、以上の各実施形態のいずれかが適用されて実施される例について説明する。
なお、上記の第1~第4実施形態と共通する要素については共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
図14に示す実施例は、プラットホームにおける仮設の覆工床部70であり、上記の第1実施形態又は第2実施形態における軽量覆工板1の設置構造が適用されている。
覆工床部70は、プラットホームの新設や改修工事、ホームドア等の設備の設置工事などに設置される。
複数の軽量覆工板1は、複数の柱71に架け渡された受部材30(梁)に対して架け渡されて設けられている。
図15に示す実施例は、プラットホームの新設や改修工事における覆工床部72の他の一例であり、上記の第1実施形態における軽量覆工板1の設置構造が適用されている。
覆工床部72を構成する複数の軽量覆工板1は、梁材(桁材)である複数の受部材30間に架け渡されて設けられている。
複数の受部材30は、線路R脇に設置された土留め用の一方及び他方の擁壁ブロック73の背面に一体的に設けられた桁受ブラケット74間に架け渡されて設けられている。
なお、複数の軽量覆工板1のうち、一方及び他方の擁壁ブロック73に隣接する軽量覆工板1は、擁壁ブロック73側の端部が現場加工されてサイズ調整されている。
また、複数の軽量覆工板1上面には、擁壁ブロック73の庇部73aとの間に跨るゴムマット75が敷かれている。
図16に示す実施例は、プラットホームの床部77におけるホームドア78の設置工事における覆工床部76の例であり、上記の第1実施形態又は第2実施形態における軽量覆工板1の設置構造が適用されている。
覆工床部76を構成する複数の軽量覆工板1は、梁材(桁材)である複数の受部材31間に架け渡されて設けられている。
より詳細に説明すると、当該支持構造は、既設擁壁79の内側における下端部に設けられたベース部80と、ベース部80における線路Rとは反対側の端部から上方に立ち上がる立ち上がり部81と、ベース部80の上面に設けられた複数の支柱82と、複数の支柱82に架け渡された受部材31と、を備える。
このような支持構造は、プラットホームの延在方向に連続し、梁材である受部材31は、プラットホームの延在方向に間隔を空けて複数配置されている。軽量覆工板1は、このような複数の受部材31間に架け渡されて設けられている。
ホームドア78は、床仕上げ材83及び軽量覆工板1と、梁材である受部材31の上面板部と、を貫通する固定ボルト84によって固定されている。
プラットホームの改修工事やホームドアの設置工事は、日中は、軽量覆工板1によって構成された覆工床部70,72,76上を駅の利用者が通行するため、夜間に集中して行われることが多い。そのため、夜間は、軽量覆工板1は、複数の受部材30,31から取り外される。覆工床部70,72,76に用いられる軽量覆工板1が繊維強化プラスチック製であれば、人力による搬送や施工が可能となるので、夜間工事における作業性を大幅に向上できる利点がある。
また、軽量覆工板1は、上記のように絶縁性能を有しており、線路Rを通る電気を絶縁できるため、鋼製の覆工板を用いる場合に比して、プラットホームに仮設される覆工床部70,72,76として相応しい。
軽量覆工板1による覆工床部70,72,76を本設としてそのまま残す場合は、梁材である受部材30,31は鋼製のものが好適に用いられる。
軽自動車よりも重量のある車両(4トントラックなど)や、フォークリフト、高所作業車等の各種車両が走行可能で、作業も可能な作業用構台設備に対し、上記の第1実施形態における軽量覆工板1の設置構造が適用されている。
高圧線近傍での作業用構台設備に対し、上記の第2実施形態における軽量覆工板1の設置構造が適用されている。この場合、梁材である受部材31は、繊維強化プラスチック製とされている。
ビル等の建設時において使用される吊構台に対し、上記の第4実施形態における軽量覆工板1の設置構造が適用されている。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。また、以下の各変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
本変形例は、プラットホームにおける仮設の覆工床部90であり、覆工床部90は、プラットホームの新設や改修工事、ホームドア等の設備の設置工事などに設置される。
なお、本変形例における孔91は、第一補強材4の位置にも対応しているため、下板3だけでなく、第一補強材4の下面板部も貫通して形成されている。
このような受部材92は、下方に設けられた複数の支柱93に架け渡されて設けられている。
一つの受部材92の長さ方向と直交する方向に、複数の軽量覆工板1が隣り合って設けられたら、図21に示すように、隣り合う軽量覆工板1同士の隙間を粘着テープ96によって閉塞する。
以上のような手順を繰り返して覆工床部90の施工を進めることができる。
また、軽量覆工板1が、例えば振動等によって位置ずれを起こそうとしても、孔91が差込ピン92aに接触するため、覆工すべき対象箇所に対して位置ずれなく正確に設置しやすくなる。
さらに、位置決め部が孔91であるため、軽量覆工板1の下面から下方に突出しない状態となる。そのため、複数の軽量覆工板1を輸送する際に、これら複数の軽量覆工板1を積み重ねても嵩張りにくい。
下板3の下面に接する第一板部21と、第一板部21の両側縁から下方に突出する一対の第二板部22と、を備えて断面溝型に形成された位置決め部20は、下板3の四隅に設けられるものとした。すなわち、位置決め部20の長さは、軽量覆工板1における短辺の長さよりも短い。
これに対し、本変形例における位置決め部は、図示はしないが、軽量覆工板1における短辺の長さと略等しく設定されている。なお、軽量覆工板1の架け渡し向きによっては、位置決め部は、軽量覆工板1における長辺の長さと略等しく設定されてもよい。
このような位置決め部は、少なくとも軽量覆工板1における短辺の長さと略等しい程度に長尺であるため、両端部が軽量覆工板1に対して固定される。これにより、位置決め部が軽量覆工板1の下面に沿って回転することがない。
2 上板
2a 作業用の孔
3 下板
4 第一補強材
4a 作業用の孔
5 第二補強材
9 受部材
10 位置決め部
20 位置決め部
21 第一板部
22 第二板部
23 外れ止め部材
24 連結具
30 受部材
31 受部材
32 受部材
33 吊梁
34 吊りワイヤー
35 押さえプレート
36 雄ネジ部
37 アイナット
40 浮体デッキ設備
41 受部材
50 覆工道路
51 保持部
60 ワイヤーブリッジ
61 保持部
62 連結用ワイヤー
70 覆工床部
71 柱
72 覆工床部
73 擁壁ブロック
74 桁受ブラケット
76 覆工床部
78 ホームドア
79 既設擁壁
82 支柱
90 覆工床部
91 位置決め部
92 受部材
92a 差込ピン
H 作業用の孔
R 線路
Claims (4)
- 矩形平板状の上板と、
前記上板と平行に配置された矩形平板状の下板と、
前記上板と前記下板との間で、平行に配置されるとともに、上面及び下面がそれぞれ前記上板と前記下板に接合された柱状の複数の第一補強材と、
前記上板と前記下板との間で、前記上板及び前記下板の縁部に沿って、かつ前記複数の第一補強材に接して配置されるとともに、上面及び下面がそれぞれ前記上板と前記下板に接合された複数の第二補強材と、を備え、
前記上板と、前記下板と、前記複数の第一補強材と、前記複数の第二補強材が、いずれも繊維強化プラスチック製とされた軽量覆工板が、互いに間隔を空けて配置された複数の受部材間に架け渡されており、
前記下板の下面には、前記軽量覆工板が前記複数の受部材間に架け渡された場合の架け渡し方向において前記軽量覆工板の位置決めを行うための位置決め部が、前記複数の受部材に沿うようにして設けられ、
前記位置決め部は、前記下板の下面のうち前記受部材に近接した位置に設けられるとともに下方に突出して形成され、前記受部材の側面に対向し、
さらに、前記位置決め部は、前記下板の下面に接する第一板部と、前記第一板部の両側縁から下方に突出する一対の第二板部と、を備えて断面溝型に形成されており、
前記複数の受部材は、平行に配置された長尺な梁材であり、
前記軽量覆工板は、梁材である前記複数の受部材間に、前記位置決め部が前記受部材に被せられて当該位置決め部の溝に前記受部材が入れられた状態となるように架け渡されていることを特徴とする軽量覆工板の設置構造。 - 矩形平板状の上板と、
前記上板と平行に配置された矩形平板状の下板と、
前記上板と前記下板との間で、平行に配置されるとともに、上面及び下面がそれぞれ前記上板と前記下板に接合された柱状の複数の第一補強材と、
前記上板と前記下板との間で、前記上板及び前記下板の縁部に沿って、かつ前記複数の第一補強材に接して配置されるとともに、上面及び下面がそれぞれ前記上板と前記下板に接合された複数の第二補強材と、を備え、
前記上板と、前記下板と、前記複数の第一補強材と、前記複数の第二補強材が、いずれも繊維強化プラスチック製とされた軽量覆工板が、互いに間隔を空けて配置された複数の受部材間に架け渡されており、
前記下板の下面には、前記軽量覆工板が前記複数の受部材間に架け渡された場合の架け渡し方向において前記軽量覆工板の位置決めを行うための位置決め部が、前記複数の受部材に沿うようにして設けられ、
前記位置決め部は、前記下板の下面のうち前記受部材に近接した位置に設けられるとともに下方に突出して形成され、前記受部材の側面に対向し、
さらに、前記位置決め部は、前記下板の下面に接する第一板部と、前記第一板部の両側縁から下方に突出する一対の第二板部と、を備えて断面溝型に形成されており、
前記複数の受部材は、平行に配置された長尺なワイヤーであり、
前記軽量覆工板は、ワイヤーである前記複数の受部材間に、前記位置決め部が前記受部材に被せられて当該位置決め部の溝に前記受部材が入れられた状態となるように架け渡されていることを特徴とする軽量覆工板の設置構造。 - 前記位置決め部の溝に前記受部材が入れられた状態で、前記一対の第二板部における下端部間に、前記受部材よりも下方に配置される外れ止め部材が架け渡されて設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽量覆工板の設置構造。
- 前記位置決め部は、繊維強化プラスチック製とされていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の軽量覆工板の設置構造。
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