JP2017043799A - ロールトゥロール方式の真空蒸着装置および真空蒸着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スプラッシュを確実に低減させ、且つ蒸着材料の有効利用率の低減を抑制することが可能な真空蒸着方法とそれを実施可能な真空蒸着装置の提供。
【解決手段】蒸着材料を蒸発させることにより蒸着フラックス3を発生するための蒸発源1と、基材フィルム8を支持し、その上に蒸着フラックス3を受けて薄膜を形成するための成膜ローラ4と、蒸発源1と成膜ローラ4の間に蒸着フラックス3の一部を遮るための遮蔽板6と、を備えているロールトゥロール方式の真空蒸着装置10において、蒸発源1は、蒸発源1を駆動し、成膜ローラ4との距離を可変にするための蒸発源駆動手段2に備えられており、遮蔽板6は、遮蔽板6を駆動し、蒸着フラックスを遮る面積を可変とするための遮蔽板駆動手段7に備えられているとするロールトゥロール方式の真空蒸着装置。
【選択図】図1
【解決手段】蒸着材料を蒸発させることにより蒸着フラックス3を発生するための蒸発源1と、基材フィルム8を支持し、その上に蒸着フラックス3を受けて薄膜を形成するための成膜ローラ4と、蒸発源1と成膜ローラ4の間に蒸着フラックス3の一部を遮るための遮蔽板6と、を備えているロールトゥロール方式の真空蒸着装置10において、蒸発源1は、蒸発源1を駆動し、成膜ローラ4との距離を可変にするための蒸発源駆動手段2に備えられており、遮蔽板6は、遮蔽板6を駆動し、蒸着フラックスを遮る面積を可変とするための遮蔽板駆動手段7に備えられているとするロールトゥロール方式の真空蒸着装置。
【選択図】図1
Description
本発明はロールトゥロール方式の真空蒸着装置に関する。特に、スプラッシュを低減することが可能なロールトゥロール方式の真空蒸着装置と真空蒸着方法に関する。
基材に蒸着材料を真空蒸着する場合、それら基材と蒸着材料を高真空状態(〜10−3Pa以下)以上の減圧環境にした真空チャンバーの中に置き、蒸着材料を蒸発源の中に入れて加熱し蒸発させることによって真空蒸着を実施している。
高真空状態以上の減圧環境にする理由は、蒸着材料を加熱し蒸気圧を上昇させても、蒸着材料が置かれた周囲環境の圧力が蒸着材料の蒸気圧より高いと蒸発しないためである。例えば、大気中に蒸着材料を置き加熱した場合、その蒸気圧が1気圧(約1013hPa=1.013×105Pa)以上の圧力に達しなければ蒸発が起こらない。そのため、周囲環境を10−3Pa以下に減圧して置くことにより、より低温で蒸発させることが可能となる。例えば、アルミニウムでは約1200℃で1Pa、約1360℃で10Paの蒸気圧を持つ。そのため大気圧(約105Pa)下では蒸発することができないが、高真空状態(10−3Pa)以上の減圧環境にした真空チャンバーの中では、周囲環境の圧力より加熱されたアルミニウムの蒸気圧が高くなるため、蒸発することができるようになる。
また、蒸発した蒸着材料が被蒸着物である基材に到達し、その基材表面にて凝縮し、薄膜を形成するためには、蒸発源から蒸発した蒸着材料が、真空チャンバーの中に残留している気体分子と衝突せずに基材表面に到達する必要がある。気体分子が他の気体分子と衝突した後、次に気体分子と衝突するまでの平均距離を気体運動論では平均自由行程と呼ぶ。この概念を蒸着材料が蒸発した後、残留ガスの気体分子と衝突するまでの平均距離を平均自由行程で表わせるとすると、凡そ、真空度が10−3Paの時に、平均自由行程は数十cm程度になる。
従って、それより真空度が1桁悪い10−2Paの時は、平均自由行程は数cm、逆に真空度が1桁高い10−4Paの時は、平均自由行程は数mとなる。これは、真空度が粗引き状態の10−2Pa〜10−1Paである場合の平均自由行程は数mm〜数cmとなり、蒸発源から蒸発した蒸着物質は、例えば50cm程度の距離を進む間に多数の残留ガス分子と衝突することを示している。このことにより、蒸発源から蒸発した蒸着材料が基材表面で薄膜を形成できる割合が少なくなる。
一方、高真空状態では、殆どの蒸着材料の原子や原子が幾つか集まったクラスタが残留ガスと衝突することなく、または高々1回の衝突をした後、基材表面に到達し、薄膜を形成することができる。
また、基材表面では、蒸着材料の原子やクラスタが飛来し凝縮することで薄膜を形成するのであるが、同時に真空チャンバー中の残留ガス分子も、基材表面に飛来し、薄膜中に取り込まれて行く。高真空状態の残留ガスの分子は、殆どが水分子である。この水分子が薄膜中に不純物として取り込まれるため、蒸着材料と化学反応を引き起こしたり、膜中の空洞であるボイドを形成し、膜の密度を低下させるため、できるだけ高い真空度が望ましい。
また、大気中には窒素が約80%、酸素が約20%存在する。そのため蒸着材料が大気中で加熱されると酸素と化合してしまう。また、大気中には水分をはじめ、各種のハイド
ロカーボンなども存在するため、純粋な蒸着材料からなる薄膜を形成するためには、それらを除外した環境で成膜することが必要である。
ロカーボンなども存在するため、純粋な蒸着材料からなる薄膜を形成するためには、それらを除外した環境で成膜することが必要である。
以上から、蒸着材料が効率的に基材表面に到達し、薄膜を形成することに加えて、形成される薄膜の品質を高めるために、10−3Pa以下の圧力である高真空状態を使用している。
次に、真空蒸着に使用される蒸着材料としては、金属をはじめ、金属の酸化物、窒化物などの金属化合物や半導体、絶縁体などの無機物や有機物の真空蒸着も行うことができる。またそれらの蒸着材料には、様々な形態が存在する。例えば、粉末状、粒状(ペレット状)、線状、などを挙げることができる。
また、蒸発源における蒸着材料の加熱方法にも様々な方法がある。例えば、抵抗加熱方式、電子ビーム加熱方式、誘導加熱方式などを挙げることができる。
抵抗加熱方式は、タンタル、タングステン、チタンなどの高融点金属で作製した蒸着ボートやボロンナイトライド、グラファイトなどの高融点材料で作製した蒸着ボートが知られている。これらの蒸着ボートに数十A(アンペア)から数百Aの大電流を流すことによって、蒸着ボートを加熱し、その中に入れた蒸着材料を蒸発させることができる。また、蒸着ボートが高温になると蒸着材料と反応してしまい、蒸着ボートが断線したりして使用できなくなる場合がある。例えば、タングステンやタンタルで作製した蒸着ボートは、アルミニウムと合金を形成して破断してしまうため使用できない。
電子ビーム加熱方式は、水冷されたハースと呼ばれるルツボを装着する手段と、電子ビーム源と、電子ビームを加速する高圧電源と、電子ビームを偏向させる電磁石、が真空チャンバーの中に備えられており、電子ビーム源から出てくる電子ビームを電磁石で180°〜270°程度に偏向させてルツボの中の蒸着材料に当てるようになっている。電磁石の偏向により、電子ビームが当たる位置や電子ビームの集束度も調整可能になっている。電子ビーム加熱方式は、抵抗加熱方式より蒸着材料を高温に加熱することができる特徴がある。
誘導加熱方式は、例えば高融点金属やグラファイト製のルツボを誘導コイルの中に設置し、誘導コイルに高周波電流を流す事によって、電磁誘導によりルツボに渦電流を発生させることによって、蒸着材料を加熱する方式である。
加熱方式によらず、真空蒸着において共通した問題として、スプラッシュによる薄膜の品質が低下する問題ある。スプラッシュとは、蒸着材料の供給時の衝突や突沸によって、蒸着材料の微小な欠片や溶融した蒸着材料の液滴が蒸発源から飛び出し、基材の被蒸着面に飛来し付着して突起状の欠陥になるものを指す。このスプラッシュはピンホール欠陥の原因にもなる。
スプラッシュを低減する方法として、特許文献1には、粒状(ペレット状)の蒸着材料を蒸発源のルツボに供給する際に、溶融した蒸着材料の液面上を固体の蒸着材料やその微小な欠片が走り回る事が無いようにするため、衝撃を生じないようにルツボに入れる手段を備えた技術が開示されている。また特許文献2には、ルツボに仕切り板を設けることで、溶融した蒸着材料の液面上を固体の蒸着材料やその欠片が走り回る事が無いようにした技術が開示されている。また特許文献3には、蒸着材料を溶融専用の電子ビームで溶融し、ルツボに供給することで、供給時に発生する蒸着材料の欠片や突沸を防止する技術が開示されている。
しかしながら、どの技術もスプラッシュの低減には効果があるが、それらによってスプラッシュを著しく低減または皆無にできるまでに至っていないのが現状である。
このような状況の中、スプラッシュを確実に低減できる方法として、蒸発源と被蒸着面との距離を引き離す方法が知られている。しかしながら、蒸発源と被蒸着面との距離を引き離すことによって被蒸着面に蒸着される蒸着材料が少なくなり、蒸着材料の有効利用率が低下する問題がある。この2つの問題を同時に解決する技術が待望されている。
上記の事情を鑑み本発明は、蒸発源と被蒸着面との距離を引き離すことによって、スプラッシュを確実に低減させ、且つ蒸着材料の有効利用率の低減を抑制することが可能な真空蒸着方法とそれを実施可能な真空蒸着装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、請求項1に記載の発明は、蒸着材料を蒸発させることにより蒸着フラックスを発生するための蒸発源と、基材フィルムを支持し、その上に蒸着フラックスを受けて薄膜を形成するための成膜ローラと、蒸発源と成膜ローラの間に蒸着フラックスの一部を遮るための遮蔽板と、を備えているロールトゥロール方式の真空蒸着装置において、
蒸発源は、蒸発源を駆動し、成膜ローラとの距離を可変にするための蒸発源駆動手段に備えられており、
遮蔽板は、遮蔽板を駆動し、蒸着フラックスを遮る面積を可変とするための遮蔽板駆動手段に備えられていることを特徴とするロールトゥロール方式の真空蒸着装置である。
蒸発源は、蒸発源を駆動し、成膜ローラとの距離を可変にするための蒸発源駆動手段に備えられており、
遮蔽板は、遮蔽板を駆動し、蒸着フラックスを遮る面積を可変とするための遮蔽板駆動手段に備えられていることを特徴とするロールトゥロール方式の真空蒸着装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロールトゥロール方式の真空蒸着装置を使用した真空蒸着方法であって、
前記成膜ローラと前記蒸発源との距離を設定する蒸発源位置設定工程と、
前記遮蔽板が前記蒸着フラックスを遮る面積を設定する蒸着フラックス遮蔽面積設定工程とを備えており、
蒸発源位置設定工程において前記成膜ローラと前記蒸発源との距離を長くする設定を行う場合には、前記蒸着フラックス遮蔽面積設定工程において蒸着フラックスを遮る面積を広くする設定を行うことを特徴とする真空蒸着方法である。
前記成膜ローラと前記蒸発源との距離を設定する蒸発源位置設定工程と、
前記遮蔽板が前記蒸着フラックスを遮る面積を設定する蒸着フラックス遮蔽面積設定工程とを備えており、
蒸発源位置設定工程において前記成膜ローラと前記蒸発源との距離を長くする設定を行う場合には、前記蒸着フラックス遮蔽面積設定工程において蒸着フラックスを遮る面積を広くする設定を行うことを特徴とする真空蒸着方法である。
本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置によれば、蒸発源と成膜ロール間の距離が可変であることから、その距離を長く設定することによってスプラッシュの発生を抑制することが可能である。
また、同時に蒸発源と成膜ロール間の距離を長く設定した場合、遮蔽板が遮蔽する蒸着フラックスの面積を増大させる事が可能であるため、蒸発源と成膜ロール間の距離を長くすることによる蒸着材料の利用効率の低下を抑制することが可能である。
また、本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置を用いることによって、スプラッ
シュを低減した真空蒸着方法が実現可能となる。
シュを低減した真空蒸着方法が実現可能となる。
本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置および真空蒸着方法について説明する。
<ロールトゥロール方式の真空蒸着装置>
図1に、本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置の実施形態の例を示す。
本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置10は、蒸着材料を蒸発させることにより蒸着フラックス3を発生するための蒸発源1と、基材フィルム8を支持し、その上に蒸着フラックス3を受けて薄膜を形成するための成膜ローラ4と、蒸発源1と成膜ローラ4の間に蒸着フラックス3の一部を遮るための遮蔽板6と、を備えている。
図1に、本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置の実施形態の例を示す。
本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置10は、蒸着材料を蒸発させることにより蒸着フラックス3を発生するための蒸発源1と、基材フィルム8を支持し、その上に蒸着フラックス3を受けて薄膜を形成するための成膜ローラ4と、蒸発源1と成膜ローラ4の間に蒸着フラックス3の一部を遮るための遮蔽板6と、を備えている。
蒸発源1は、蒸発源1を駆動し、成膜ローラ4との距離を可変にするための蒸発源駆動手段2に備えられている。
遮蔽板6は、遮蔽板6を駆動し、蒸着フラックス3を遮る面積を可変とするための遮蔽板駆動手段7に備えられている。
本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置10には、図示していない巻き出しロールと巻き取りロールが備えられている。図1の左側のテンションロール5の更に先には幾つかのロールを介して巻き出しロールが備えられている。また右側のテンションロール5の更に先には幾つかのロールを介して巻き出しロールが備えられている。
(成膜ローラ)
成膜ローラ4は、温度制御されているのが通常である。これは例えば蒸発源1から発せられる輻射熱を受ける事によって、成膜ローラ4や基材フィルム8が加熱されるため、温度が上昇する。そのまま温度上昇が続けば、基材フィルム8が熱的な損傷を受けるため、それを防止する目的で、例えば冷却水を成膜ローラ4の内部に流して、冷却する。冷却の手段は冷却水を通水することに限定する必要はない。また、成膜ローラ4の温度制御は冷却だけでなく、加熱することも含めて良い。
成膜ローラ4は、温度制御されているのが通常である。これは例えば蒸発源1から発せられる輻射熱を受ける事によって、成膜ローラ4や基材フィルム8が加熱されるため、温度が上昇する。そのまま温度上昇が続けば、基材フィルム8が熱的な損傷を受けるため、それを防止する目的で、例えば冷却水を成膜ローラ4の内部に流して、冷却する。冷却の手段は冷却水を通水することに限定する必要はない。また、成膜ローラ4の温度制御は冷却だけでなく、加熱することも含めて良い。
(遮蔽板)
遮蔽板6は、図1に示すように円柱状の成膜ローラ4が円柱の軸方向に平行に延在する、一対の平板状の障害物を例として挙げることができる。遮蔽板6は、蒸発源1から発せられる蒸着材料の蒸着フラックス3を遮ることができれば良く、蒸発源1からの輻射熱による影響に耐えるものであれば、特にその形状や材質を限定する必要はないが、通常は同じ形状、例えば長方形の平板状の遮蔽板を使用する。耐熱性やそれらの表面に付着した蒸着材料の被膜をサンドブラストや、酸や高温のアルカリ溶液を使用した処理液に浸漬するなどの剥離処理を行うため、各種のステンレス鋼をはじめ、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、などの金属が使用される。
遮蔽板6は、図1に示すように円柱状の成膜ローラ4が円柱の軸方向に平行に延在する、一対の平板状の障害物を例として挙げることができる。遮蔽板6は、蒸発源1から発せられる蒸着材料の蒸着フラックス3を遮ることができれば良く、蒸発源1からの輻射熱による影響に耐えるものであれば、特にその形状や材質を限定する必要はないが、通常は同じ形状、例えば長方形の平板状の遮蔽板を使用する。耐熱性やそれらの表面に付着した蒸着材料の被膜をサンドブラストや、酸や高温のアルカリ溶液を使用した処理液に浸漬するなどの剥離処理を行うため、各種のステンレス鋼をはじめ、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、などの金属が使用される。
この様な金属板からなる一対の遮蔽板6が、成膜ローラ4と蒸発源1の間に、成膜ローラ4に近接させて設置され、平行な一対の遮蔽板6からなる開口部9を形成している。また、それぞれの遮蔽板6には、遮蔽板駆動手段7が備えられている。例えば、成膜ローラ
4が延在する軸方向に沿って、成膜ローラ4の表面の蒸発源1に最も近い位置を中心線にして、その中心線に接する平面に平行に、平行な一対の遮蔽板6からなる開口部9が形成されるように遮蔽板駆動手段7が一対の遮蔽板6を駆動し、固定する。
4が延在する軸方向に沿って、成膜ローラ4の表面の蒸発源1に最も近い位置を中心線にして、その中心線に接する平面に平行に、平行な一対の遮蔽板6からなる開口部9が形成されるように遮蔽板駆動手段7が一対の遮蔽板6を駆動し、固定する。
この遮蔽板駆動手段7は、図1の遮蔽板駆動方向で示した矢印の方向、即ち平行な一対の遮蔽板6が互いに近接または離間する方向に移動可能である。また、図2の遮蔽板駆動方向で示した矢印の方向のように、成膜ローラ4に対して近接または離間する方向に移動可能としても良い。
(蒸発源)
蒸発源1は、図1に示すように蒸発源駆動手段2の上に備えられている。蒸発源移動手段2は、蒸発源1の中心軸が、成膜ローラ4の中心軸と平行になるように設置するのが通常であるが、意図的にずらして設置してもかまわない。
蒸発源1は、図1に示すように蒸発源駆動手段2の上に備えられている。蒸発源移動手段2は、蒸発源1の中心軸が、成膜ローラ4の中心軸と平行になるように設置するのが通常であるが、意図的にずらして設置してもかまわない。
蒸発源移動手段2は、蒸発源1を成膜ローラ4に対して離間または接近させることが可能な駆動手段である。
次に、図2が図1と異なる点は、蒸発源1と成膜ローラ4との距離が離れている点である。このようにすることで、蒸発源1から成膜ローラ4に飛来するスプラッシュの原因が少なくなる。しかしながら、同時に成膜に寄与できる蒸着材料の比率が低下してしまう。
そのため、本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置10では、遮蔽板6の開口部9の幅(平行な一対の遮蔽板6間の距離)を広げることによって、蒸発源1から発する蒸着フラックス3が成膜ローラ4に達する量を増加させることができる。このようにすることで、蒸着材料の利用効率が低下することを抑制することができる。
<真空蒸着方法>
本発明の真空蒸着方法は、本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置10を使用した真空蒸着方法である。
本発明の真空蒸着方法は、本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置10を使用した真空蒸着方法である。
成膜ローラ4と蒸発源1との距離を設定する蒸発源位置設定工程と、遮蔽板6が蒸着フラックス3を遮る面積を設定する蒸着フラックス遮蔽面積設定工程とを備えている真空蒸着方法である。ここで、蒸発源位置設定工程において、成膜ローラ4と蒸発源1との距離をより長く設定する場合は、蒸着フラックス遮蔽面積設定工程において蒸着フラックス3を遮る面積を広くする設定を行うことによって、蒸着材料の利用効率の低下を抑制することができる。
以上に説明したように、本発明のロールトゥロール方式の真空蒸着装置10は、スプラッシュの発生を低減するために、成膜ローラ4と蒸発源1の距離をより長く設定し、且つそのことにより蒸着材料の利用効率の低下が起こるが、その利用効率の低下を抑制するために、遮蔽板6が蒸着フラックス3を遮蔽する面積を広くする設定することが可能である。
また、本発明の真空蒸着方法により、成膜ローラ4と蒸発源1との距離を設定する蒸発源位置設定工程と、遮蔽板6が蒸着フラックス3を遮る面積を設定する蒸着フラックス遮蔽面積設定工程とを備えているために、スプラッシュの発生を低減するのと同時に、蒸着材料の利用効率の低下を抑制した真空蒸着を実施することが可能である。
1・・・蒸発源
2・・・蒸発源駆動手段
3・・・蒸着フラックス
4・・・成膜ローラ
5・・・テンションロール
6・・・遮蔽板
7・・・遮蔽板駆動手段
8・・・基材フィルム
9・・・開口部
10・・・ロールトゥロール方式の真空蒸着装置
2・・・蒸発源駆動手段
3・・・蒸着フラックス
4・・・成膜ローラ
5・・・テンションロール
6・・・遮蔽板
7・・・遮蔽板駆動手段
8・・・基材フィルム
9・・・開口部
10・・・ロールトゥロール方式の真空蒸着装置
Claims (2)
- 蒸着材料を蒸発させることにより蒸着フラックスを発生するための蒸発源と、基材フィルムを支持し、その上に蒸着フラックスを受けて薄膜を形成するための成膜ローラと、蒸発源と成膜ローラの間に蒸着フラックスの一部を遮るための遮蔽板と、を備えているロールトゥロール方式の真空蒸着装置において、
蒸発源は、蒸発源を駆動し、成膜ローラとの距離を可変にするための蒸発源駆動手段に備えられており、
遮蔽板は、遮蔽板を駆動し、蒸着フラックスを遮る面積を可変とするための遮蔽板駆動手段に備えられていることを特徴とするロールトゥロール方式の真空蒸着装置。 - 請求項1に記載のロールトゥロール方式の真空蒸着装置を使用した真空蒸着方法であって、
前記成膜ローラと前記蒸発源との距離を設定する蒸発源位置設定工程と、
前記遮蔽板が前記蒸着フラックスを遮る面積を設定する蒸着フラックス遮蔽面積設定工程とを備えており、
蒸発源位置設定工程において前記成膜ローラと前記蒸発源との距離を長くする設定を行う場合には、前記蒸着フラックス遮蔽面積設定工程において蒸着フラックスを遮る面積を広くする設定を行うことを特徴とする真空蒸着方法。
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JP2015165802A JP2017043799A (ja) | 2015-08-25 | 2015-08-25 | ロールトゥロール方式の真空蒸着装置および真空蒸着方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107034437A (zh) * | 2017-05-27 | 2017-08-11 | 郑州华晶新能源科技有限公司 | 一种宽度自适应铝金属蒸汽导流窗 |
CN109536896A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-03-29 | 四川海格锐特科技有限公司 | 一种镀膜机展平辊布局结构及使用该结构的镀膜机 |
CN116875954A (zh) * | 2023-09-07 | 2023-10-13 | 纳狮新材料有限公司杭州分公司 | 一种制备锂电池复合集流体的装备与方法 |
-
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CN107034437B (zh) * | 2017-05-27 | 2024-01-30 | 郑州华晶新能源科技有限公司 | 一种宽度自适应铝金属蒸汽导流窗 |
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