JP2006169630A - 基体上への材料の陰極アーク堆積方法 - Google Patents

基体上への材料の陰極アーク堆積方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高堆積速度で作動可能な、材料を基体上へ陰極アーク蒸着するための方法が提供される。
【解決手段】陰極アークにより被覆を施す方法が提供される。方法は、a) 第一の端部表面(26)と第二の端部表面(28)との間に延在する蒸発表面(24)であって所定の面積を有する蒸発表面(24)を有する円板状カソード(16)を利用しかつ電源(20)を含む陰極アーク被覆装置(10)を用意し、b) 蒸発表面(24)に対する最大許容電力密度を決定し、c) 所定の大きさの電流を電源(20)からカソード(16)に印加する、ステップを含み、所定の面積で割った電流の大きさが、蒸発表面(24)に対する最大許容電力密度に等しいかそれより小さい。
【選択図】図2

Description

本発明は、一般に被覆の蒸着装置に関し、特に陰極アーク蒸着装置に関する。
基体(substrate)上に被覆を施す手段としての蒸着は、化学蒸着、物理蒸着、および陰極アーク蒸着などのプロセスを含む既知の技術である。化学蒸着は、反応性気体状元素を、被覆される一つまたは複数の基体を収容する堆積チャンバー内へ導入することを含む。物理蒸着は、原料物質と、被覆される基体とを、真空排気された堆積チャンバー内へ提供することを含む。原料物質は、抵抗、誘導、または電子ビーム手段による加熱などといったエネルギー入力により蒸気へ変換される。
陰極アーク蒸着は、真空排気された堆積チャンバー内に配置された、原料物質と、被覆される基体とを含む。チャンバーは、ほんの相対的に小量の気体を含む。直流(DC)電源の負の導線が、原料物質(以下、「カソード」と呼ぶ)に取り付けられ、正の導線が、陽極(アノード)部材に取り付けられる。アノードと同じ電位にあるかまたは同じ電位近くにあるアーク開始トリガーが、カソードに接触し、その後、カソードから離れる。トリガーが、カソードになおきわめて接近していると、トリガーとカソードとの間の電位差によって、これらの間に延びる電気アークが生じる。トリガーがさらに離れると、アークは、カソードと陽極チャンバーとの間を跳躍する。アークがカソード表面に接触する正確な一つの点または複数の点は、アークスポットと呼ばれる。操縦機構がないと、アークスポットは、カソード表面をランダムに移動することになる。
アークによってアークスポットに与えられるエネルギーは強く、2、3から数マイクロ秒の間に105から107アンペア毎平方センチメートル程度である。エネルギー強度は、アークスポットの局所温度を、カソード材料の沸点(真空排気されたチャンバー圧力において)とほぼ等しい温度に上昇させる。その結果、アークスポットにおけるカソード材料は、原子、分子、イオン、電子、および粒子を含有するプラズマへと蒸発する。カソードから遊離した正に帯電したイオンは、正に帯電したイオンに対して負の電位を有する堆積チャンバー内の任意の物体へと引き付けられる。いくつかの堆積プロセスは、被覆される基体をアノードと同じ電位に維持する。別のいくつかのプロセスは、基体の電位を低下させ、それによって、基体を正に帯電したイオンに相対的にいっそう引き付けられるものとするようにバイアス源を用いる。いずれの場合も、基体は、カソードから遊離した蒸発した材料で被覆されることになる。
米国特許第6,036,828号明細書
陰極アーク堆積は歴史的に、相対的に薄い被覆(2〜5ミル; 1ミル=25.4ミクロン=25.4×10-6m)を基体に施すのに用いられてきた。陰極アーク被覆装置(coater)の堆積速度は一般に、相対的に遅い(例えば、0.3ミル/hr)が、しかしながら、薄い被覆を考慮すると実質的に問題になっていなかった。相対的に厚い被覆(10〜200ミル)を施すことは、現在利用可能な陰極アーク被覆装置の堆積速度で被覆を施すのにかなりの時間が必要となる(例えば、0.3ミル/hrなら、150ミルの厚みの被覆では、少なくとも500時間がかかることになる)ので、これまで実際的ではなかった。
印加する電流を増加させるだけで、既存の陰極アーク被覆装置の堆積速度を少しばかり増加させることが可能となり得る。しかしながら、堆積速度の増加は、現在利用可能な装置によって制限される。現在利用可能な陰極アーク被覆装置で電流を大幅に増加させることで、アークのすぐ近くのカソードの部分が望ましくないことには、溶融しがちになり、または好ましくない肉眼で見える(macroscopic)粒子が遊離されることになる機会を増加させがちになる。さらに、最も現在利用可能な陰極アーク被覆装置は、かなりの損傷を受けずに電流の大幅な増加に対応することができなかった。
要約すれば、必要とされているのは、高堆積速度で作動可能な、材料を基体上へ陰極アーク蒸着するための装置および方法である。
本発明に従うと、陰極アークにより被覆を施す方法が提供される。方法は、a) 第一の端部表面と第二の端部表面との間に延在する蒸発表面であって所定の面積を有する蒸発表面を有する円板状カソードを利用しかつ電源を含む陰極アーク被覆装置を用意し、b) 蒸発表面に対する最大許容電力密度を決定し、c) 所定の大きさの電流を電源からカソードに印加する、ステップを含み、所定の面積で割った電流の大きさが、蒸発表面に対する最大許容電力密度に等しいかそれより小さい。
本発明の方法の利点は、商業的に実行可能な長さの時間で厚い被覆(例えば、10〜200ミル)を基体に施すことができる陰極アーク堆積プロセスが可能となることである。本発明の方法および装置によって、4.0ミル毎時以下またはそれを超える堆積速度が可能となり、それによって、我々が知っている現在利用可能な陰極アーク被覆装置で可能な堆積速度の二倍を上回るものとなる。
本発明の装置および方法の別の利点は、カソードの完全性(integrity)が、侵食プロセス中に維持されることである。本発明によって、カソードの望ましくない溶融を引き起こさずに、また、かなりの望ましくない肉眼で見える粒子の形成を引き起こさずに、大電流を用いてカソードを侵食できる。
本発明のこれらと他の目的、特徴、および利点は、添付の図面に例示されるような、本発明の最良の形態の実施態様の詳細な説明に照らして明らかになるであろう。
図1を参照すると、容器12と、容器12内の真空を維持する手段14と、カソード16と、接触器18と、カソード16とアノードとの間に電気エネルギーのアークを持続させる手段20とを有する、基体上への陰極アーク蒸着のための装置、以下「陰極アーク被覆装置」10と呼ぶ、が提供される。冷却剤供給装置22が、容器12および接触器18内の冷却通路を通して冷却剤を循環させることで、許容可能な温度内に被覆装置10を維持する。好ましい実施態様においては、容器12内の真空を維持する手段14は、容器12の内部へと配管された機械式低真空ポンプと大容量拡散型真空ポンプとを含む。他の真空手段も代替として使用できる。この段落で記載したような陰極アーク被覆装置10は、参照することによってここに組み込まれる米国特許第6,036,828号に開示される。
図1〜図3を参照すると、カソード16は、一対の端部表面26、28間に延在する軸方向に延在する蒸発表面24を有する実質的に円柱状の円板である。堆積される被覆が、カソード16の材料組成を規定する。端部表面26、28は、互いに実質的に平行である。カソード16の軸方向長さ30は、カソード16の蒸発表面24に沿った侵食パターン32(仮想線で示す)の予想最終幅に等しいかまたはそれより大きい。端部表面間の侵食パターン32を維持することによって、カソード16の蒸発表面24からアークが離れてしまう可能性が最小限に抑えられる。
カソード16は、特定の電力密度値を受けるときに生じる最大許容蒸発表面24熱伝達フラックス(flux)を有する。「熱伝達フラックス値」という用語は、カソード16の単位量の蒸発表面24の面積から出る平均熱伝達値として定義される。「電力密度」という用語は、蒸発表面24の面積で割ったカソード16内へ導入される電力の大きさ(すなわち、「カソードアンペア数」)として定義される。カソード16内へ導入されたカソードアンペア数/電気エネルギーの一部は、カソード16とアノードとの間に延在する電気アークを介してカソード16から出るが、しかしながら、大部分のエネルギーは、熱エネルギーの形態でカソード16から出る。熱エネルギーは、カソード材料により与えられる電気抵抗の関数である(例えば、より電気伝導性であるカソードは、より電気伝導性でないカソードより少ない熱エネルギーを生成することになる)。本発明に従うと、蒸発表面24から出る熱フラックス(熱エネルギー/単位面積)は、特定の値より低い必要がある。この値は、主にカソード材料に依存することになり、特定の電力密度値に関連するものであり、また、肉眼で見える粒子の生成を許容できるレベルに維持しながらこのカソード材料に対して生じ得る熱伝達の最大量によって規定されるものである。許容レベルは、用途に依存することになるが、しかしながら、全ての場合、許容できるレベルは、生じることができ、かつ、企図される用途に対して実施可能な被覆を依然として生成できるものである。一例を以下に与える。
カソード蒸発表面24は、次には、与えられたカソードアンペア数に対して最大許容熱伝達フラックス値に等しいかそれより少ない平均熱伝達フラックスを蒸発表面24を通して生成する電力密度を生成するような大きさとされる。アークの点における熱伝達は、最大許容熱伝達フラックス値より大きい。
被覆される基体82は、好ましくは回転により容器12内へと入れられまたそこから取り出されるプラッター(platter)34上に搭載される。プラッター34は、基体82を回転させる手段(図示せず)を含む。
接触器18は、シャフト38に取り付けられたヘッド36を含む。ヘッド36は、容器12の内部に配置され、シャフト38は、ヘッド36から容器12の外部へと延在する。絶縁円板40(図1参照)が、接触器18を容器12から電気的に絶縁する。接触器18は好ましくはさらに、シャフト38内に同軸に配置された冷却管42と、冷却管42に接続された冷却剤入口ポート44(図1参照)と、同軸の冷却剤管42とシャフト38との間に形成された通路48に接続された冷却剤出口ポート46とを含む。冷却管42とシャフト38との間の同軸の構成によって、冷却剤供給装置22からの冷却剤が、冷却管42へ入り、シャフト38と冷却管42との間の通路48を介して戻ること、またはその逆が可能となる。
接触器18は、カップ50と、シャフトフランジ52と、磁場発生装置54とを含む。シャフトフランジ52は、シャフト38に固定されており、カップ50は、取り外し可能にシャフトフランジ52に取り付けられる。カップ50、シャフトフランジ52、およびシャフトは、銅合金などの電気伝導性材料から製作される。
磁場発生装置54は、強磁性中心部材56と、複数の磁石58とを含む、中心部材56は、二つの端部表面62間に延在する少なくとも一つの側面60を含む。磁石38は好ましくは永久磁石であるとはいえ、電磁石などの代替の磁場源も使用できる。磁石38は、中心部材56に取り付けられる。全ての実施態様において、磁石38の数は、考慮中のプロセスに適合するように変えることができる。
図1および図2を参照すると、磁場発生装置54を回転させる装置64が含まれる。回転装置64は、冷却剤管42を通ってヘッド36内へと延在し、そこで強磁性中心部材56と接続するロッド66を含む。ロッド66の反対側の端部は、駆動ベルト70を介して可変速駆動モータ68に接続される。
いくつかの実施態様において、陰極アーク被覆装置10は、接触器18をカソード16との電気的接触へと選択的に駆動するアクチュエータ72を含む。アクチュエータ72は、接触器シャフト38に取り付けられたシャフトフランジ76と容器12との間で作動する一対の二方向(two−way)駆動シリンダ74(例えば、液圧式または空気圧式)を含む。機械式装置を駆動シリンダ74の代わりに使用できる。商業的に利用可能な制御装置(図示せず)を、シリンダ(または機械式装置)の位置と力とを制御するのに使用できる。
陰極アーク被覆装置10は、基体82に電気的にバイアスを掛けるバイアス源78を含む。基体82にアノードに対して負にバイアスを掛けることによって、基体82は、カソード16から遊離した正のイオンを電気的に引き付けるものとなる。接触子が、バイアス源78をプラッター34に電気的に接続する。基体82は、プラッター22に電気的に接続され、その結果、バイアス源78に電気的に接続される。基体82をバイアス源78に電気的に接続する他の手段も代替として使用できる。
デフレクターシールド80が、基体82の領域内に蒸発されたカソード材料を制限するように被覆装置10の全体に亘って使用される。容器12、プラッター、および接触器18にそれぞれ取り付けられたデフレクターシールド80はまた、これらの表面上への望ましくない材料付着を最小限に抑える。好ましい実施態様において、容器12に取り付けられたデフレクターシールド80は、容器12に電気的に接続されており、ステンレス鋼などの耐食性で電気的に導電性の材料で作成される。
カソード16とアノードとの間に電気エネルギーのアークを保持する手段20は、直流(D.C.)電源を含む。好ましい実施態様において、電源の正の導線が、容器12に接続され、それによって、容器12はアノードとして機能する。電源の負の導線が、接触器シャフト38に電気的に接続される。代替の実施態様は、容器12の内部に配置されたアノード(図示せず)を使用できる。容器12の電位にまたは電位近くに維持されたアーク開始装置81が、アークを開始させるのに使用される。
図1を参照すると、本発明の陰極アーク被覆装置10の作動において、複数の基体82とカソード16とが、プラッター34に取り付けられ、容器12内へ装入される。基体82は、先に脱脂され、実質的に清浄化されているとはいえ、それぞれは、その外部表面上に残留するいくらかの分子汚染物質および酸化を有しがちである。駆動シリンダ74が次いで、カソード16との電気的接触へと接触器18を駆動し、容器12が閉じられる。
機械式低真空ポンプが、容器12を所定の圧力まで真空排気するように作動される。一旦この圧力が到達されると、大容量拡散真空ポンプがさらに、容器12を近真空状態(near vacuum condition)まで真空排気する。基体82は次いで、「スパッター清浄化」などの方法により清浄化してどのような残留汚染物質および/または酸化物も取り去る、スパッター清浄化は、当業技術内でよく知られたプロセスであり、ここでは詳細には説明しない。他の清浄化方法も代替として使用できる。基体82を清浄化した後、汚染物質は、一般に不活性ガスを用いてパージされる。
アークを開始させる前に、いくつかのステップが実施される。基体82は、バイアス源78を介して電気的にバイアスを掛けられ、それらは、カソード16から放出される正のイオンを電気的に引き付けるようになる。基体82は、所定の回転速度で回転される。電源は、所定の電流を有するアークを確立するカソードアンペア数を生成するように調節されるとはいえ、アークは開始されない。真空ポンプが、容器12内の気体の所定の真空圧力を確立しかつ維持するように作動される。冷却剤が、容器12および接触器18内の冷却通路を通って循環される。特定の圧力パラメータは、基体材料、被覆される材料、および被覆の所望の特性などといった要因に依存することになる。
一旦、上述したステップが完了すると、アーク開始装置81が、カソード16の蒸発表面24と接触されかつ離されて、アーク開始装置81と蒸発表面24との間をアークが跳躍するようにさせる。アーク開始装置81は次いで、カソード16から離れて、好ましくは基体82の径方向外側へと、所定距離だけ移動する。一旦、アーク開始装置81が、もはやカソード16のすぐ近くでなくなると、アークは、カソード16と、容器12に電気的に接続されたデフレクターシールド80との間(または直接カソード16と容器12との間)を跳躍する。
接触器18内に配置された磁場発生装置54が、カソード16の蒸発表面24に沿ってアークスポットを駆動する。より詳細には、それぞれの側面の磁石が、カソード16を透過しかつカソード蒸発表面24に実質的に平行に走る磁場を生成する。磁場ベクトル57の方向は、磁石の両極の向きに依存し、全ての磁石58は、同様な仕方で配置される。これとは対照的に、電気アークを表すベクトル59は、実質的に垂直な方向に蒸発表面24から離れるように延びる。一緒に、磁場とアークの電流とは、アークに対して力(ホール効果)を生成し、この力によって、アークは、カソード16の周囲を回って所定の距離だけ移動する。任意の特定のアークスポットにおけるアークの滞在(dwell)時間は、ホール効果の力とは逆の関係にあり、すなわち、ホール効果の力の増大によって、滞在時間は低減される。当業者は、滞在時間の低減によって、堆積された被覆の均一性および表面仕上げに有害な影響を及ぼし得る肉眼で見える粒子の発生が低減されることを理解するであろう。
互いに周方向にきわめて近接して、強磁性中心部材56の一つまたは複数の側面に沿って配置された磁石58の個々の磁場は、共同して、アークに強いてアーク経路に沿ってカソード蒸発表面24の上を旋回させる。磁石58の数、磁石58から放射される磁場の相対的な間隔、およびこれら磁場の強度を、考慮中の用途を満足させるように調節できる。しかしながら、いくつかの用途において、強磁性中心部材56の中心に近接して配置された磁石84(図3参照のこと)をさらに含むのが有利である。中心に配置された磁石の磁場は、強磁性中心部材の側面60に沿って配置された磁石58から放射される磁場の形状寸法に好ましい影響を及ぼすように思われる。
アークにより供給されるエネルギーが、アークスポットの材料を蒸発させ、それによって、カソード16から原子、分子、イオン、電子、および粒子が遊離する。バイアスを掛けられた基体82は、イオンを引き付け、それらを基体82に向かって加速させる。イオンは、基体82の外部表面に衝突し、付着し、カソード材料の被覆を共同して形成する。
材料がカソード16から遊離しかつ容器12内の一つまたは複数の基体上に堆積する速度(すなわち、堆積速度)は主に、カソードアンペア数の大きさの関数である。与えられたカソード材料に対する最大堆積速度は、アーク電流の大きさの関数であるカソード16の蒸発表面24に対する最大許容熱伝達フラックス値により規定される。
特定の材料から成る与えられた円板状カソード16に対する最大許容熱伝達フラックスは、限定される訳ではないが、密度、結晶粒径、その他を確認するための施された被覆の検査を含め、経験的方法により決定できる。一旦、最大許容熱伝達フラックスが、従って電力密度が、与えられたカソード材料に対して知られると、決定された最大許容熱伝達フラックス値においてまたはそれより低く熱伝達フラックスを維持する割合で、カソードアンペア数およびカソード16の表面の面積両方を増加させることにより、堆積速度を増加できる。
一例として、4インチの直径と、2インチの軸方向高さとを有するチタン合金(例えば、Ti−8Al−1Mo−1V)から成るカソード16が提供される。カソードアンペア数が、カソード16に印加され、マクロ(macro)粒子およびカソード溶融の頻度および/または大きさが予め決められた許容レベルを超えるまで、増加される。異なるカソードアンペア数で施された被覆の分析は、予め決められた許容レベルを確立するのに必要な情報を与える。我々の実験では、上述した4インチの直径のチタン合金カソード16に印加された450アンペアの電力が、蒸発表面24のおよそ16アンペア毎平方インチの電力密度を生成し、これはまた、カソード16の蒸発表面24からの最大許容熱伝達フラックスを生成する。450アンペアのカソードアンペア数における堆積速度は、約1.5ミルから2.0ミル毎時の範囲である。同じカソード16の形状寸法に印加された電力密度の大きさを増加させることによって、より高い堆積速度を生成するとはいえ、施された被覆は、より望ましくないものとなる。
例えば、軸方向の高さを2インチに維持しながら直径を6インチに増加させることにより、カソード蒸発表面の面積を増加させることで、電力密度と、蒸発表面24からの熱伝達フラックスとが低減する。その結果として、カソード16に印加される電流を増加できる。上述したチタン合金から成る6インチの直径のカソード16に印加された約600アンペアの電流によって、4インチの直径のカソード16に対して450アンペアによって生成されるのと同じ電力密度と熱伝達フラックスとが生成される。しかしながら、600アンペアのカソードアンペア数において、堆積速度は、約3.5ミルから4.0ミル毎時の範囲に、すなわち4インチのカソード16で可能な堆積速度の少なくとも2倍に増加した。
図1を参照すると、十分な厚みの被覆が、基体82上に堆積されたときに、電源が遮断され、アークが消される。容器12は、不活性ガスでパージされ、周囲圧力にされる。接触器18が、カソード16との接触から離れるように駆動され、プラッターが、容器12から取り出される。基体82は次いで、プラッターから取り出され、新しい基体82が取り付けられる。装荷されたプラッターは次いで、先に説明した仕方で容器12内へと装入されて戻され、プロセスが繰り返される。
本発明は、その詳細な実施態様に関して図示しかつ説明したとはいえ、その形態および詳細のさまざまな変更が、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずになされ得ることは、当業者には理解されるであろう。
本発明の陰極アーク蒸着装置の概略図である。 カソードに接触する接触器の概略図である。磁場発生装置が、接触器の内部に配置される。 磁場構成を例示する、接触器、磁場発生装置、およびカソードの概略図である。
符号の説明
10…陰極アーク被覆装置
16…カソード
20…電源
24…蒸発表面
26、28…端部表面

Claims (6)

  1. 陰極アーク被覆装置により被覆を施す方法であって、
    第一の端部表面と第二の端部表面との間に軸方向に延在する蒸発表面であって所定の面積を有する蒸発表面を有する円板状カソードを利用しかつ電源を含む陰極アーク被覆装置を用意し、
    蒸発表面に対する最大許容電力密度を決定し、
    所定の大きさの電流を電源からカソードに印加する、
    ステップを含み、所定の面積で割った電流の大きさが、蒸発表面に対する最大許容電力密度に等しいかそれより小さいことを特徴とする方法。
  2. 前記の決定ステップは、カソードから遊離した材料の施された被覆を分析することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記施された被覆は、肉眼で見える粒子が存在するかが分析されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記の決定ステップは、円板状のカソードを分析することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記円板状のカソードは、カソード溶融の徴候がないかが分析されることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 陰極アーク被覆装置により被覆を施す方法であって、
    直径と、第一の端部表面と第二の端部表面との間に延在する蒸発表面とを有する円板状カソードを利用しかつ電源を含む陰極アーク被覆装置を用意し、
    蒸発表面に対する最大許容熱伝達フラックス値を決定し、
    電流を電源からカソードに印加する、
    ステップを含み、電流は、蒸発表面に対する最大許容熱伝達フラックス値に等しいかそれより少ない蒸発表面に対する熱伝達フラックスを生成するように作用する大きさを有することを特徴とする方法。
JP2005344902A 2004-12-13 2005-11-30 基体上への材料の陰極アーク堆積方法 Pending JP2006169630A (ja)

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