JP2017043590A - 新規な化合物、新規なポリマーおよびその利用 - Google Patents

新規な化合物、新規なポリマーおよびその利用 Download PDF

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慎彦 斎藤
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Itaru Ozaka
格 尾坂
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Kazuo Takimiya
和男 瀧宮
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Abstract

【課題】有機薄膜太陽電池に用いた時良好な開放電圧および/または良好な光電変換効率の達成に寄与し得るポリマーを与える化合物の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物。
Figure 2017043590

(Aは芳香環;X及びXは各々独立にS、O又はSe;Y及びYは各々独立にC又はN;R〜Rは各々独立に任意構造)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体材料として利用され得る新規な化合物、新規なポリマーおよびその利用等に関する。
再生可能なエネルギー源の一つとして、太陽電池は注目を集めている。中でも、有機薄膜太陽電池は、安価である、フレキシブルである、軽量である等の長所を有している。従来、有機薄膜太陽電池の電子供与体として使用される有機化合物として、ビチオフェンイミド(BTI)を含むポリマー等が知られている(特許文献1〜3および非特許文献1〜4)。また、BTIはトランジスタ材料としても利用されている(非特許文献5および6)。
国際公開第2014−089234号(2014年6月12日公開) 国際公開第2013−142845号(2013年9月26日公開) 米国特許第8,859,714号明細書(2014年10月14日)
Xugang Guo et al.,J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 18427-18439 Nanjia Zhou et al., Adv. Mater. 2012, 24, p2242-2248 Xugang Guo et al., Nature Photon. 2013, 7, p825-833 Xugang Guo et al.,Chem. Rev. 2014, 114 (18), 8943-9021 Joseph A. Letizia et.al., J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 9679-9694 Xugang Guo et. al.,J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 1405-1418
しかしながら、上述のポリマーは、有機薄膜太陽電池から得られる開放電圧が低く、光電変換効率の向上が難しいという問題がある。
そのため、良好な開放電圧および/または良好な光電変換効率の達成に寄与し得る新たな化合物および半導体ポリマーの開発が求められる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る化合物は、下記一般式(I)で示される。
Figure 2017043590
(一般式(I)において、
Aは芳香環を表し、
およびXはそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、またはセレン原子を表し、
およびYはそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、
、R、RおよびRはそれぞれ独立に任意の構造を表し、
が炭素原子である場合にはRは任意の構造を表し、RとRとが互いに結合して環を形成していてもよく、
が窒素原子である場合にはRは存在せず、
が炭素原子である場合にはRは任意の構造を表し、RとRとが互いに結合して環を形成していてもよく、
が窒素原子である場合にはRは存在しない)
本発明に係る化合物において、前記Aは、チエノチオフェン環、ナフタレン環、チオフェン環、またはベンゼン環であることが好ましい。
本発明に係る化合物において、前記XおよびXは、硫黄原子であることが好ましい。
本発明に係る化合物において、前記YおよびYは、炭素原子であることが好ましい。
本発明に係る化合物において、前記RおよびRは、アルキル基であることが好ましい。
本発明に係る化合物において、前記RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、−SnR22 (3つのR22は、それぞれ独立に、アルキル基を表す)、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、トリフルオロボレート塩基、またはトリオールボレート塩基であることが好ましい。
本発明に係る化合物において、前記YおよびYは炭素原子であり、前記RおよびRは水素原子であることが好ましい。
本発明に係るポリマーは、前記化合物と芳香族複素環化合物とが前記RおよびRの位置で重合されている構造である。
本発明に係るポリマーにおいて、前記芳香族複素環化合物は、下記一般式(II)〜(VI)で示されるいずれかの構造であることが好ましい。
Figure 2017043590
(一般式(II)〜(VI)において、R〜R12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、エステル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、*はRおよびRとの重合位置を示す)
本発明に係る太陽電池素子は、前記ポリマーを含んでいる。
本発明はまた、下記一般式(VII)で示される化合物
Figure 2017043590
(一般式(VII)において、A、X、X、Y、Y、RおよびRは、それぞれ一般式(I)におけるA、X、X、Y、Y、RおよびRと同一である)
を酸無水物に加えて加熱することによって、下記一般式(VIII)で示される化合物
Figure 2017043590
(一般式(VIII)において、A、X、X、Y、Y、RおよびRは、それぞれ一般式(I)におけるA、X、X、Y、Y、RおよびRと同一である)
を生成させる工程を含んでいる、前記化合物を製造する方法を提供する。
本発明は、良好な開放電圧および/または良好な光電変換効率の達成に寄与し得る新たな化合物および半導体ポリマーを提供するという効果を有する。
実施例における高分子化合物P1を用いた太陽電池素子の評価の結果を示す図である。 実施例における高分子化合物P2を用いた太陽電池素子の評価の結果を示す図である。である。 実施例における高分子化合物P5を用いた太陽電池素子の評価の結果を示す図である。 実施例における高分子化合物P6を用いた太陽電池素子の評価の結果を示す図である。 比較例における高分子化合物P8を用いた太陽電池素子の評価の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔1.一般式(I)で示される化合物〕
(一般式(I)で示される化合物の構造)
本発明に係る化合物は、以下の一般式(I)で表される。
Figure 2017043590
式(I)中のAは芳香環を表す。芳香環としては、単環構造であっても、多環(縮合環)構造であってもよい。また、芳香環は、芳香族炭化水素であってもよいし、芳香族複素環であってもよい。複素環に含まれ得る原子としては、硫黄原子、窒素原子、酸素原子およびセレン原子等が挙げられる。また、芳香環は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。芳香環が置換されている場合、当該置換基としては、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、置換または無置換の芳香族炭化水素および芳香族複素環等が挙げられる。なお、本願明細書において、「エステル基」とは、一般式:−COO−R(Rはアルキル基)で表される基を指す。芳香族炭化水素の単環としては、ベンゼン環が挙げられる。芳香族複素環の単環としては、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、およびピロール環等が挙げられる。芳香族炭化水素の多環としては、ナフタレン環およびアントラセン環等が挙げられる。芳香族複素環の多環としては、チエノチオフェン環、ジチエノチオフェン環、ベンゾジチオフェン環、およびナフトジチオフェン環等が挙げられる。チエノチオフェン環は、なかでも、[3,2−b]チエノチオフェン環が好ましい。一実施形態において、Aはチエノチオフェン環、ナフタレン環、チオフェン環、またはベンゼン環であることが好ましく、チエノチオフェン環、ナフタレン環、またはベンゼン環であることがより好ましく、チエノチオフェン環であることがさらに好ましい。式中の残余の構造と結合する位置は特に限定されないが、例えば、Aがチエノチオフェン環である場合、2、3位および5、6位の炭素原子であることが好ましい。また、Aがナフタレン環である場合、2、3位および5、6位の炭素原子であることが好ましい。Aがチオフェン環である場合、2、3位および4、5位の炭素原子であることが好ましい。Aがベンゼン環である場合、1、2位および4、5位の炭素原子であることが好ましい。一実施形態において、Aはチエノチオフェン環であり、2、3位および5、6位の炭素を介して式中の残余の構造と結合している。Aは、点対称である骨格構造を有し、且つ、点対称となるように式中の残余の構造と結合していることが好ましい。この場合、本発明に係る化合物を他の化合物と重合した際に直線的なポリマーを得ることができるため、結晶性がより高くなる。そのため、より良好な光電子特性を有するポリマーを得ることができると考えられる。
式(I)中のXおよびXは、それぞれ独立に、硫黄原子、セレン原子または酸素原子を表す。XおよびXは同一であってもよいし、異なっていてもよいが、合成の容易性の観点から同一であることが好ましい場合がある。XおよびXは、硫黄原子であることが好ましい。
式(I)中のYおよびYは、それぞれ独立に、炭素原子または窒素原子を表す。YおよびYは同一であってもよいし、異なっていてもよいが、合成の容易性の観点から同一であることが好ましい場合がある。YおよびYは、炭素原子であることが好ましい。
式(I)中のRおよびRは、それぞれ独立に、任意の構造を表す。RおよびRにおける任意の構造としては、例えば、アルキル基、アリール基等が挙げられる。アルキル基は、直鎖、分岐鎖、および環状のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば1〜42であり、8〜30であることが好ましく、8〜24であることがより好ましい。アリール基としては、例えば、ベンゼン、チオフェン、およびチアゾール等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、またはエステル基等で置換されていてもよい。RおよびRは同一であってもよいし、異なっていてもよいが、合成の容易性の観点から同一であることが好ましい場合がある。RおよびRは、アルキル基であることが好ましく、分岐鎖のアルキル基であることがより好ましく、炭素数8〜24の分岐鎖のアルキル基であることがさらに好ましい。
式(I)中のRおよびRは、それぞれ独立に、任意の構造を表す。RおよびRにおける任意の構造としては、水素原子、ハロゲン原子、−SnR22 (3つのR22は、それぞれ独立にアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を表す)、−SiR23 (3つのR23は、それぞれ独立にアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を表す)、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、トリフルオロボレート塩基、トリオールボレート塩基、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、エステル基(−COO−R;Rはアルキル基を表す)、または置換もしくは無置換のアリール基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、臭素原子が好ましい。RおよびRは同一であってもよいし、異なっていてもよいが、合成の容易性の観点から同一であることが好ましい場合がある。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、−SnR22 (3つのR22はそれぞれ独立に、アルキル基を表す)、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、トリフルオロボレート塩基、またはトリオールボレート塩基であることが好ましい。
が炭素原子である場合、Rは任意の構造を表す。Rにおける任意の構造としては、RおよびRにおける任意の構造と同様のものが挙げられる。また、RとRは互いに結合して環を形成していてもよい。Rは水素原子であることが好ましい。Yが窒素原子である場合、Rは存在しない。
が炭素原子である場合、Rは任意の構造を表す。Rにおける任意の構造としては、RおよびRにおける任意の構造と同様のものが挙げられる。また、RとRは互いに結合して環を形成していてもよい。Rは水素原子であることが好ましい。Yが窒素原子である場合、Rは存在しない。
およびYがともに炭素原子である場合、RおよびRは同一であってもよいし、異なっていてもよいが、合成の容易性の観点から同一であることが好ましい場合がある。
一般式(I)で示される化合物は骨格が大きいため、結晶性が高い。そのため、より良好な光電子特性を有するポリマーを得ることができると考えられる。
(一般式(I)で示される化合物の製造方法)
一般式(I)で示される化合物(以下「化合物(I)」という)の製造方法は特に限定されないが、一例として以下のスキームに沿って製造することができる。より具体的な例は、後述の実施例に記載されている。
Figure 2017043590
<工程A>
まず、工程Aでは、一般式(IX)で示される化合物(以下「化合物(IX)」という)から、一般式(X)で示される化合物(以下「化合物(X)」という)を製造する。
一般式(IX)において、Aは一般式(I)におけるものと同一であり、R13およびR14はハロゲン原子である。R13およびR14は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。化合物(IX)は、任意の公知の方法に基づき製造すればよい。また、一般式(X)において、Aは一般式(I)におけるものと同一である。
工程Aは具体的には、不活性ガス雰囲気下、溶媒中で化合物(IX)とドライアイスを反応させて化合物(X)を生成させる。溶媒としてはTHF、またはエーテル等が使用できる。触媒として、n−ブチルリチウム、またはグリニャール試薬等を用いてもよい。反応温度は例えば−40〜−80℃である。反応時間は例えば1〜6時間である。化合物(X)は、工程Bの前に精製することが好ましい。
<工程B>
工程Bは、化合物(X)をメタノールに加え、硫酸を滴下し、還流することによって、一般式(XI)で示される化合物(以下「化合物(XI)」という)を生成させる。
一般式(XI)において、Aは一般式(I)におけるものと同一である。この方法によれば、良好な収率で化合物(XI)を得ることができる。化合物(XI)は、工程Cの前に精製することが好ましい。
<工程C>
工程Cでは、不活性ガス雰囲気下で溶媒に化合物(XI)を溶解させ、金属ハロゲン化物およびハロゲンの単体を加え、攪拌することにより、一般式(XII)で示される化合物(以下「化合物(XII)」という)を生成させる。一般式(XII)において、R15およびR16は、ハロゲン原子である。
一実施形態において、金属ハロゲン化物は塩化鉄(III)、または塩化アルミニウムである。一実施形態において、ハロゲンの単体は臭素である。反応温度は例えば0〜60℃である。反応時間は例えば1〜6時間である。化合物(XII)は、工程Eの前に精製することが好ましい。
<工程D>
工程Dでは、溶媒にアミンおよび触媒を加え、さらに一般式(XIII)で示される化合物(以下「化合物(XIII)」という)を加え、塩化トリメチルスズを加え、攪拌することによって、一般式(XIV)で示される化合物(以下「化合物(XIV)」という)を生成させる。
一般式(XIII)および(XIV)において、X、Y、およびR17の説明は、それぞれ、一般式(I)のX・X、Y・Y、およびR・Rと同様である。化合物(XIII)は、任意の公知の方法に基づき製造すればよい。
一実施形態において、溶媒はジエチルエーテルである。一実施形態において、アミンはジイソプロピルアミン、またはテトラメチルピペリジンである。一実施形態において、試薬はn−ブチルリチウムである。化合物(XIII)を加える際、化合物(XIII)は予め溶媒、例えばTHFに溶解されていてもよい。反応温度は例えば−80〜−40℃である。反応時間は例えば1〜6時間である。化合物(XIV)は、工程Eの前に精製することが好ましい。
<工程E>
工程Eでは、反応容器に化合物(XII)、化合物(XIV)、触媒、および溶媒を加え、不活性ガスで置換した後、密封し、反応させることによって、一般式(XV)で示される化合物(以下「化合物(XV)」という)を生成させる。
一般式(XV)において、A、X、Y、およびR17の説明は、それぞれ、一般式(I)のA、X・X、Y・Y、およびR・Rと同様である。
一実施形態において、触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。一実施形態において、溶媒はDMF、またはトルエンである。一実施形態において、不活性ガスはアルゴンである。反応温度は例えば100〜180℃である。反応時間は例えば1〜12時間である。化合物(XV)は、工程Fの前に精製することが好ましい。
<工程F>
工程Fでは、不活性ガス雰囲気下で、反応容器に化合物(XV)、塩基、溶媒、および水を加え、還流することによって、一般式(XVI)で示される化合物(以下「化合物(XIV)」という)を生成させる。
一般式(XVI)において、A、X、Y、およびR17の説明は、それぞれ、一般式(I)のA、X・X、Y・Y、およびR・Rと同様である。
一実施形態において、塩基は水酸化リチウム、または炭酸カリウムである。一実施形態において、溶媒はTHFである。反応温度は例えば40〜60℃である。反応時間は例えば6〜30時間である。
<工程G>
工程Gでは、化合物(XVI)を酸無水物に加えて加熱することによって、一般式(XVII)で示される化合物(以下「化合物(XVII)」という)を生成させる。
一般式(XVII)において、A、X、Y、およびR17の説明は、それぞれ、一般式(I)のA、X・X、Y・Y、およびR・Rと同様である。
一実施形態において、酸無水物は無水酢酸である。反応温度は例えば60〜100℃である。反応時間は例えば1〜6時間である。化合物(XVII)は、工程Hの前に精製することが好ましい。
<工程H>
工程Hでは、不活性ガス雰囲気下で、反応容器に化合物(XVII)、アミン、および溶媒を加え還流した後、減圧下で溶媒を留去し、得られた液体に脱水剤を加え還流することによって、一般式(XVIII)で示される化合物(以下「化合物(XVIII)」という)を生成させる。化合物(XVIII)は、化合物(I)に包含される化合物である。
一般式(XVIII)において、A、X、Y、R17、およびR19の説明は、それぞれ、一般式(I)のA、X・X、Y・Y、R・RおよびR・Rと同様である。
一実施形態において、不活性ガスは窒素である。一実施形態において、アミンは2−デシルテトラデシルアミン、2−オクチルドデシルアミン、2−ヘキシルデシルアミン、2−ブチルオクチルアミン、または2−エチルヘキシルアミンである。一実施形態において、脱水剤は塩化チオニルである。一実施形態において、化合物をアミンと共に還流する工程の反応温度は例えば40〜75℃であり、反応時間は例えば1時間である。一実施形態において、得られた液体を脱水剤と共に還流する工程の反応温度は例えば20〜100℃であり、反応時間は例えば1〜6時間である。化合物(XVIII)は、その後精製してもよい。
<工程I>
工程Iでは、化合物(XVIII)から、一般式(XX)で示される化合物(以下「化合物(XX)」という)を生成させる。化合物(XX)は、化合物(I)に包含される化合物である。一般式(XX)においてA、X、Y、R17、およびR19の説明は、それぞれ、一般式(I)のA、X・X、Y・Y、R・RおよびR・Rと同様である。R18はハロゲン原子を表す。化合物(XX)は、化合物(I)に包含される化合物である。
工程Iは具体的には、例えば、溶媒中でFeClを触媒として化合物(XVIII)と臭素、塩素、またはヨウ素とを反応させて化合物(XX)を生成させる。溶媒としては、クロロホルム、およびジクロロメタン等が挙げられる。また、触媒として、塩化鉄(III)等を用いてもよい。反応温度は、例えば20〜60℃とすることができる。
また、工程Iは具体的には、例えば、溶媒中で化合物(I)にリチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムテトラメチルピペラジン等を作用させた後に、R26 SnCl(3つのR26は、それぞれ独立に、アルキル基を表す)、R27 SiCl(3つのR27は、それぞれ独立に、アルキル基を表す)や(R28O)BR29(R28はアルキル基を表し、R29は水素原子、アルキル基、またはボロン酸エステル基を表す)を反応させて化合物(XX)を生成させることもできる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、およびジエチルエーテル等が挙げられる。反応温度は、例えば−40〜80℃とすることができる。
18が他の構造、例えば−SnR22 、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、トリフルオロボレート塩基、またはトリオールボレート塩基等である場合にも、公知技術および上記のスキームに基づき、当該化合物を容易に製造することができる。
また、別の一例として以下のスキームに沿って製造することができる。
Figure 2017043590
<工程F’>
工程F’では、不活性ガス雰囲気下で、反応容器に一般式(XIX)で示される化合物(以下「化合物(XIX)」という)、塩基、溶媒、および水を加え、還流することによって、一般式(VII)で示される化合物(以下「化合物(VII)」という)を生成させる。一般式(XIX)および(VII)において、A、X、X、Y、Y、RおよびRは、一般式(I)におけるものと同一である。また、具体的な一実施形態は、工程Fと同様である。化合物(XIX)は、例えば、工程A〜Eを参考に合成すればよい。
<工程G’>
工程G’では、化合物(VII)を酸無水物に加えて加熱することによって、一般式(VIII)で示される化合物(以下「化合物(VIII)」という)を生成させる。一般式(VIII)において、A、X、X、Y、Y、RおよびRは、一般式(I)におけるものと同一である。また、具体的な一実施形態は、工程Gと同様である。
<工程H’>
工程H’では、不活性ガス雰囲気下で、反応容器に化合物(VIII)、アミン、および溶媒を加え還流した後、減圧下で溶媒を留去し、得られた液体に脱水剤を加え還流することによって、一般式(XXII)で示される化合物(以下「化合物(XXII)」という)を生成させる。一般式(XXII)において、A、X、X、Y、Y、R、R、RおよびRは、一般式(I)におけるものと同一である。また、具体的な一実施形態は、工程Hと同様である。
<工程I’>
工程I’では、化合物(XXII)から、一般式(XXIV)で示される化合物(以下「化合物(XXIV)」という)を生成させる。一般式(XXIV)において、A、X、X、Y、Y、R、R、RおよびRは、一般式(I)におけるものと同一である。R18は、一般式(XX)におけるものと同一である。また、具体的な一実施形態は、工程Iと同様である。
〔2.ポリマー〕
(ポリマーの構造)
本発明に係るポリマーは、化合物(I)と芳香族複素環化合物とが、RおよびRの位置で重合されている構造であるポリマーである。すなわち、下記の一般式(I’)と芳香族複素環化合物とが結合した構造を複数含むポリマーである。一般式(I’)において、*は芳香族複素環化合物との結合位置を表す。
Figure 2017043590
芳香族複素環化合物とは、1つの芳香族複素環からなる単環構造を含む化合物、2つ以上の芳香族複素環が縮合した多環(縮合環)構造を含む化合物、および1つ以上の芳香族複素環と1つ以上の他の芳香環とが縮合した多環(縮合環)構造を含む化合物等が挙げられる。芳香族複素環は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。置換されている場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、エステル基、および置換または無置換のアリール基等が挙げられる。
芳香族複素環化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。各式において、*はRおよびRとの重合位置を示す。
Figure 2017043590
式(II)において、RおよびRは、特に限定されないが、例えば、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、エステル基、または置換もしくは無置換のアリール基等であり得る。アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、およびエステル基のアルキル部位は、直鎖、分岐鎖、および環状のいずれであってもよい。アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、およびエステル基のアルキル部位の炭素数は特に限定されないが、例えば、1〜42であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。RおよびRは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(III)において、RおよびR10は、特に限定されないが、例えば、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、エステル基、または置換もしくは無置換のアリール基等であり得る。アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、およびエステル基のアルキル部位は、直鎖、分岐鎖、および環状のいずれであってもよい。アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、およびエステル基のアルキル部位の炭素数は特に限定されないが、例えば、1〜42であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。RおよびR10は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(IV)において、R11およびR12は、特に限定されないが、例えば、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、エステル基、または置換もしくは無置換のアリール基等であり得る。アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、およびエステル基のアルキル部位は、直鎖、分岐鎖、および環状のいずれであってもよい。アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、およびエステル基のアルキル部位の炭素数は特に限定されないが、例えば、1〜42であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。R11およびR12は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
芳香族複素環化合物としては、上記以外に、例えば、以下のものが挙げられる。各式において、*はRおよびRとの重合位置を示す。
Figure 2017043590
上記各式において、Rは、特に限定されないが、例えば、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、エステル基、または置換もしくは無置換のアリール基等であり得る。アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、およびエステル基のアルキル部位は、直鎖、分岐鎖、および環状のいずれであってもよい。アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、およびエステル基のアルキル部位の炭素数は特に限定されないが、例えば、1〜42であることが好ましく、6〜24であることがより好ましい。各式において、2つのRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
さらに、芳香族複素環化合物としては、特許文献1〜3および非特許文献1〜6に記載の化合物が挙げられる。
芳香族複素環の好ましい一例としては、例えば、チオフェン環またはチアゾール環を含む化合物が挙げられる。
本発明に係るポリマーの分子量は、特に限定されないが、一実施形態において、数平均分子量は例えば10〜120kDaであり、重量平均分子量は例えば30〜500kDaである。一実施形態において、重合度(繰り返しの回数)は、例えば5〜200である。
薄膜の吸収スペクトルから求められるバンドギャップは、特に限定されないが、一実施形態において、例えば1.2〜2.0eVである。大気中光電子分光法によって求められるHOMOレベルは、特に限定されないが、一実施形態において、例えば5.0〜6.5eVである。
(ポリマーの製造方法)
本発明に係るポリマーは、例えば、化合物(I)と芳香族複素環化合物とを、RおよびRの位置で重合することによって製造することができる。なお、本発明に係るポリマーの構造が得られる限り、これに限定されない。
化合物(I)と芳香族複素環化合物とを重合する場合、特に限定されないが、一例として以下のスキームに従って製造することができる。より具体的な一例は、後述の実施例に記載されている。
Figure 2017043590
<工程J>
工程Jでは、化合物(I)の一例である上記一般式(XXI)で示される化合物(以下「化合物(XXI)」という)から、一般式(XXIII)で示される化合物(以下「化合物(XXIII)」という)を製造する。一般式(XXI)および(XXIII)において、A、X、X、Y、Y、R、R、R、およびRは、一般式(I)におけるものと同一であり、R24およびR25は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、Zは芳香族複素環化合物を表す。なお、化合物(XXIII)は、本発明に係るポリマーである。
工程Jは具体的には、例えば、溶媒中で化合物(XX)と一般式(XXII)で示される化合物(以下「化合物(XXII)」という)とを反応させて、化合物(XXI)を生成させる。一般式(XXII)において、Zは一般式(XXI)におけるものと同一であり、R20およびR21はそれぞれ独立にメチル基またはブチル基を表す。溶媒としては、トルエン等が挙げられる。また、触媒として、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、またはトリ(o−トリル)ホスフィン等を用いてもよい。反応温度は、例えば100〜180℃とすることができる。また、化合物(XXII)の代わりに、Zにボロン酸基、ボロン酸エステル基、トリフルオロボレート基、またはトリオールボレート塩基が結合した化合物を使用してもよい。化合物(XXI)は、その後精製してもよい。
また、工程Jにおいて、化合物(XXI)の代わりに、R24およびR25が、−SnR22 、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、トリフルオロボレート基、またはトリオールボレート塩基である化合物を使用し、化合物(XXIV)の代わりに、Zにハロゲンが結合した化合物を使用してもよい。
他の化合物(I)を用いた場合においても、上記のスキームおよび公知技術に基づき、容易にポリマーを製造することができる。
〔3.太陽電池〕
本発明の一実施形態に係るポリマーは、p型半導体材料および/またはn型半導体材料として利用され得る。そのため、本発明の一実施形態に係るポリマーは、例えば、太陽電池素子の材料として利用され得る。太陽電池素子は、有機薄膜太陽電池素子であり得る。
本発明の一実施形態に係るポリマーをp型半導体材料として用いる場合において、共に用いるn型半導体材料としては、例えば、フラーレンおよびフラーレン誘導体が挙げられる。フラーレンとしては、C60フラーレン、C70フラーレン、C84フラーレン等が挙げられる。フラーレン誘導体としては、例えば、フラーレンの炭素原子の一部に、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基;エポキシ基;1〜2個程度のジオキソラン構造(ジオキソラン基);インドリン基、ベンゾフラン基等の縮環有機基;等の置換基が結合した化合物が挙げられる。フラーレン誘導体として具体的には、各種のフラーレンエポキシド、1,3−ジオキソラン−フラーレン誘導体、フェニルC61酪酸メチルエステル(PC61BM)、フェニルC61酪酸ブチルエステル(PCBB)、フェニルC61酪酸オクチルエステル(PCBO)、インデン付加型フラーレン誘導体、シリルメチル付加型フラーレン誘導体、インドリノ−フラーレン誘導体、ベンゾフラノ−フラーレン誘導体等が挙げられる。n型半導体材料として他には、例えば、ActivInk N2200(Polyera製)等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係るポリマーをn型半導体材料として用いる場合において、共に用いるp型半導体材料としては、例えば、ポリチオフェンおよびチオフェン系化合物のポリマーが挙げられる。本願明細書において、チオフェン系化合物のポリマーとは、主鎖にチオフェン骨格を有する繰返し単位を含み、さらに主鎖にチオフェン骨格以外の構造を有する繰り返し単位を含んでいてもよいポリマー(但しポリチオフェンを除く)を指す。ここで、チオフェン骨格以外の構造を有する繰り返し単位として、例えば、カルバゾール骨格を有する繰返し単位、ベンゾチオフェン骨格を有する繰返し単位、p−フェニレンビニレン骨格を有する繰返し単位等が挙げられる。なお、これらの繰返し単位は何れも、当該繰返し単位中に含まれる水素原子の一部が、例えば、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、ベンジル基等の単環系の芳香族置換基(狭義のアリール基)、その他の芳香族置換基;等で置換されていてもよい。
チオフェン系化合物のポリマーとしては、例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[[9−(1−オクチルノニル)−9H−カルバゾール−2,7−ジイル]−2,5−チオフェンジイル−2,1,3−ベンゾチアヂアゾール−4,7−ジイル−2,5−チオフェンジイル](PCDTBT)、ポリ(3−オクチルチオフェン)(P3OT)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)(P3DDT)、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,8−ジイル)](F8BT)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−ビチオフェン](F8T2)、およびポリ(3−オクチルチオフェン−2,5−ジイル−co−3−デシルオキシチオフェン−2,5−ジイル)(POT−co−DOT)等が挙げられる。p型半導体材料として他には、例えば、ポリ{4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル−alt−3− フルオロ−2−[(2−エチルへキシル)カルボニル]チエノ[3,4−b]チオフェン−4,6−ジイル}](PTB7)等が挙げられる。
太陽電池素子は、例えば、公知の方法に基づき製造すればよい。
太陽電池素子は、例えば、基板上に電極層、電子取り出し層、光活性層、正孔取り出し層、および電極層を順に積層した構造を有する。基板としては、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、シリコン基板等が挙げられる。電極としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)電極、アルミニウム電極、金電極、銀電極、クロム電極、酸化チタン電極、酸化亜鉛電極等が挙げられる。本発明に係るポリマーは、光活性層に含まれる。なお、太陽電池素子は、上記の構造に限らず、太陽電池素子として機能する限り、他の構造であってもよい。
〔4.その他の応用〕
本発明の一実施形態に係る化合物(I)および本発明の一実施形態に係るポリマーは、光電子特性に優れ得るため、トランジスタ(光トランジスタ等)、EL素子、センサ(光センサ等)、メモリ、電子写真用感光体、コンデンサ、および/またはバッテリー等においても使用することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例に基づき、各種高分子化合物(有機半導体材料)の合成、高分子化合物を用いた有機薄膜太陽電池の特性について説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(合成例)
原料となる3,6−ブロモ−チエノチオフェン(化合物1)は、文献:L. S. Fulleretal., J. Chem. Soc. PerkinTrans.1, 1997, 3465-3470を参考に合成できる。
Figure 2017043590
(化合物3の合成)
窒素雰囲気下、反応容器にTHF(200ml)を加え、−78℃まで冷却した。その後、n−Buli(60mmol,37.8ml,1.60M)を滴下した。その後、化合物1(8.0g,26.6mmol)をTHF(100ml)に溶解させ、2時間かけて反応溶液に滴下した。その後1時間同温で攪拌し、ドライアイス(5.6g,120mmol)を加え室温まで昇温しさらに1時間攪拌した。その後、反応溶液を減圧下で留去し0℃まで冷却させ、塩酸(50ml)を加え、析出してきた白色個体を濾過することで化合物2(7.6g)を得た。その後、化合物2をメタノール(250ml)に加え、その後、硫酸(5ml)を滴下した。その後、反応溶液を18時間還流させた後、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物を、塩化メチレン溶媒を移動層とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製後、ヘキサンで1回再結晶することで化合物3を白色固体で得た(4.8g,収率70%)。
得られた化合物3の物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=8.26(s,2H),3.96(s,6H)
MS(EI) m/z=256(M
(化合物4の合成)
窒素雰囲気下、反応容器に化合物3(2.5g,10mmol)を塩化メチレン(100ml)に加え溶解させた。その後、FeCl(160mg,1mmol)、Br(3.5g,22mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。その後、反応溶液にチオ硫酸ナトリウム水溶液(30ml)を加え、30分撹拌した。その後、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物を塩化メチレン溶媒を移動層とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製後、酢酸エチルで1回再結晶することで化合物4を白色固体で得た(3.5g,収率85%)。
得られた化合物4の物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=3.96(s,6H)
MS(EI) m/z=412(M
(化合物6の合成)
窒素雰囲気下、反応容器にジエチルエーテル(200ml)を加え、−78℃まで冷却した。その後、ジイソプロピルアミン(5.77ml,40mmol)を加え、n−Buli(40mmol,25.2ml,1.60M)を滴下した。その後、化合物5(5.7g,40mmol)をTHF(100ml)に溶解させ、2時間かけて反応溶液に滴下した。その後1時間同温で攪拌し、塩化トリメチルスズ(8.8g,44mmol)を加え室温まで昇温しさらに1時間攪拌した。その後反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去することで化合物6を白色固体で得た(9.5g,収率78%)。
得られた化合物6の物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.68(d,J=5.2Hz,1H),7.56(d,J=5.2Hz,1H),3.86(s,3H),0.38(s,9H)
MS(EI) m/z=306(M
(化合物7の合成)
反応容器に化合物4(416mg,1mmol)、化合物6(915mg,3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18mg,2mol%)、DMF(20ml)を加えた。反応容器をアルゴン置換した後に密封し、μ−ウェーブリアクターを用いて150℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物を、塩化メチレン溶媒を移動層とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製後、酢酸エチルで1回再結晶することで化合物7を白色固体で得た(369mg,収率69%)。
得られた化合物7の物性データは次の通りである。
HNMR(400MHZ,CDCl3,TMS)δ=7.58(d,J=5.6Hz,1H),7.43(d,J=5.6Hz,1H),3.79(s,3H),3.73(s,3H)
MS(EI) m/z=536(M
(化合物8の合成)
窒素雰囲気下、反応容器に化合物7(536mg,1mmol)、LiOH・H0(300mg,7.5mmol)、THF(50ml)、水(2.5ml)を加え、24時間還流させた。その後、反応溶液を減圧下で留去し0℃まで冷却させ、塩酸(50ml)を加え、析出してきた白色個体を濾過することで化合物8(450mg)を得た。
(化合物9の合成)
化合物8を無水酢酸(20ml)に加え100℃で6時間加熱した。反応後、室温まで冷却後、析出してきた褐色固体を濾過し、水、エタノール、アセトンで洗浄後乾燥させることで化合物9を橙色固体で得た(355g,収率80%)。
得られた化合物9の物性データは次の通りである。
MS(EI) m/z=444(M
(化合物10aの合成)
窒素雰囲気下、反応容器に化合物9(600mg,1.35mmol)、2−デシルテトラデシルアミン(1.05g,3mmol)を塩化メチレン(50ml)に加え、4時間還流させた。その後、反応溶液を減圧下で留去し乾燥後、得られた液体を塩化チオニル(10ml)に加え、1時間還流させた。その後、反応溶液を0℃まで冷却させ、水(20ml)、エタノール(10ml)を加えた。その後、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物を、塩化メチレン溶媒を移動層とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製後、酢酸エチルで1回再結晶することで化合物10aを黄色固体で得た(878mg,収率76%)。
得られた化合物10aの物性データは次の通りである。
HNMR(400MH,CDCl,TMS)δ=7.84(d,J=5.6Hz,2H),7.34(d,J=5.6Hz,2H),4.33(d,J=7.2Hz,4H),1.93(m,2H),1.25(m,48H),0.88(m,12H)
MS(EI) m/z=890(M
(化合物10bの合成)
化合物10aと同様の合成方法で合成を行った(収率81%)。
得られた化合物10bの物性データは次の通りである。
HNMR(400MHZ,CDCl,TMS)δ=7.84(d,J=5.6Hz,2H),7.34(d,J=5.6Hz,2H),4.33(d,J=7.2Hz,4H),1.93(m,2H),1.25(m,80H),0.88(m,12H)
MS(EI) m/z=1115(M
(化合物11aの合成)
窒素雰囲気下、反応容器に化合物11a(890mg,1mmol)をクロロホルム(100ml)に加え溶解させた。その後、FeCl(16mg,0.1mmol)、Br(350g,2.2mmol)を加え、室温で8時間撹拌した。その後、反応溶液にチオ硫酸ナトリウム水溶液(10ml)を加え、30分撹拌した。その後、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後溶媒を減圧下で留去した。得られた反応混合物を、クロロホルム溶媒を移動層とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製後、酢酸エチルで1回再結晶することで化合物11を黄色固体で得た(870mg,収率83%)。
得られた化合物11aの物性データは次の通りである。
HNMR(400MHZ,CDCl,TMS)δ=7.76(s,2H),4.28(d,J=7.2Hz,4H),1.93(m,2H),1.25(m,48H),0.88(m,12H)
MS(EI) m/z=1046(M
(化合物11bの合成)
化合物11aと同様の合成方法で合成を行った(収率81%)。
得られた化合物11bの物性データは次の通りである。
HNMR(400MHZ,CDCl,TMS)δ=7.84(d,J=5.6Hz,2H),7.34(d,J=5.6Hz,2H),4.33(d,J=7.2Hz,4H),1.93(m,2H),1.25(m,80H),0.88(m,12H)
MS(EI) m/z=1115(M
(高分子化合物P1の合成)
Figure 2017043590
反応容器に化合物11a(63.6mg,0.05mmol)、化合物12(24.5mg,0.05mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2mg,2mol%)、トリ(o−トリル)ホスフィン(4mg,8mol%)、トルエン(0.5ml)を加えた。反応容器をアルゴン置換した後に密封し、μ−ウェーブリアクターを用いて180℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液をメタノール(50ml)と塩酸(2ml)の混合溶液に注ぎ再沈殿させた。沈殿物をろ過した後、ソックスレー抽出器を用いてメタノール、ヘキサン、クロロホルムにて洗浄後、クロロベンゼンにて抽出を行った。クロロベンゼン溶液を濃縮した後、メタノールを用いて再沈殿させることで高分子化合物P1(56mg,87%)を暗紫色固体として得た。
高分子化合物P1の数平均分子量は95000、重量平均分子量は272000、薄膜の吸収スペクトルから求められるバンドギャップは1.78eV、大気中光電子分光法によって求められるHOMOレベルは−5.70eVであった。
(高分子化合物P2の合成)
Figure 2017043590
反応容器に化合物11b(52.3mg,0.05mmol)、化合物13(54.5mg,0.05mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2mg,2mol%)、トリ(o−トリル)ホスフィン(4mg,8mol%)、トルエン(0.5ml)を加えた。反応容器をアルゴン置換した後に密封し、μ−ウェーブリアクターを用いて180℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液をメタノール(50ml)と塩酸(2ml)の混合溶液に注ぎ再沈殿させた。沈殿物をろ過した後、ソックスレー抽出器を用いてメタノール、ヘキサンにて洗浄後、クロロホルムにて抽出を行った。クロロホルム溶液を濃縮した後、メタノールを用いて再沈殿させることで高分子化合物P2(58mg,83%)を暗紫色固体として得た。
高分子化合物P1の数平均分子量は65000、重量平均分子量は198000、薄膜の吸収スペクトルから求められるバンドギャップは1.71eV、大気中光電子分光法によって求められるHOMOレベルは−5.58eVであった。
(高分子化合物P3の合成)
Figure 2017043590
反応容器に化合物11b(52.3mg,0.05mmol)、化合物14(43.0mg,0.05mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2mg,2mol%)、トリ(o−トリル)ホスフィン(4mg,8mol%)、トルエン(0.5ml)を加えた。反応容器をアルゴン置換した後に密封し、μ−ウェーブリアクターを用いて180℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液をメタノール(50ml)と塩酸(2ml)の混合溶液に注ぎ再沈殿させた。沈殿物をろ過した後、ソックスレー抽出器を用いてメタノール、ヘキサンにて洗浄後、クロロホルムにて抽出を行った。クロロホルム溶液を濃縮した後、メタノールを用いて再沈殿させることで高分子化合物P2(61mg,82%)を暗紫色固体として得た。
高分子化合物P1の数平均分子量は14000、重量平均分子量は39000、薄膜の吸収スペクトルから求められるバンドギャップは1.44eV、大気中光電子分光法によって求められるHOMOレベルは−5.19eVであった。
(高分子化合物P4の合成)
Figure 2017043590
反応容器に化合物11b(52.3mg,0.05mmol)、化合物15(45.1mg,0.05mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2mg,2mol%)、トリ(o−トリル)ホスフィン(4mg,8mol%)、トルエン(0.5ml)を加えた。反応容器をアルゴン置換した後に密封し、μ−ウェーブリアクターを用いて180℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液をメタノール(50ml)と塩酸(2ml)の混合溶液に注ぎ再沈殿させた。沈殿物をろ過した後、ソックスレー抽出器を用いてメタノール、ヘキサンにて洗浄後、クロロホルムにて抽出を行った。クロロホルム溶液を濃縮した後、メタノールを用いて再沈殿させることで高分子化合物P2(65mg,85%)を暗紫色固体として得た。
高分子化合物P1の数平均分子量は15000、重量平均分子量は48000、薄膜の吸収スペクトルから求められるバンドギャップは1.83eV、大気中光電子分光法によって求められるHOMOレベルは−5.65eVであった。
(高分子化合物P5の合成)
Figure 2017043590
反応容器に化合物11b(52.3mg,0.05mmol)、化合物16(48.4mg,0.05mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2mg,2mol%)、トリ(o−トリル)ホスフィン(4mg,8mol%)、トルエン(0.5ml)を加えた。反応容器をアルゴン置換した後に密封し、μ−ウェーブリアクターを用いて180℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液をメタノール(50ml)と塩酸(2ml)の混合溶液に注ぎ再沈殿させた。沈殿物をろ過した後、ソックスレー抽出器を用いてメタノール、ヘキサンにて洗浄後、クロロホルムにて抽出を行った。クロロホルム溶液を濃縮した後、メタノールを用いて再沈殿させることで高分子化合物P2(56mg,71%)を暗紫色固体として得た。
高分子化合物P1の数平均分子量は37000、重量平均分子量は87000、薄膜の吸収スペクトルから求められるバンドギャップは1.73eV、大気中光電子分光法によって求められるHOMOレベルは−5.69eVであった。
(高分子化合物P6の合成)
Figure 2017043590
反応容器に化合物11a(63.6mg,0.05mmol)、化合物17(23.3mg,0.05mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2mg,2mol%)、トリ(o−トリル)ホスフィン(4mg,8mol%)、トルエン(0.5ml)を加えた。反応容器をアルゴン置換した後に密封し、μ−ウェーブリアクターを用いて180℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液をメタノール(50ml)と塩酸(2ml)の混合溶液に注ぎ再沈殿させた。沈殿物をろ過した後、ソックスレー抽出器を用いてメタノール、ヘキサンにて洗浄後、クロロホルムにて抽出を行った。クロロホルム溶液を濃縮した後、メタノールを用いて再沈殿させることで高分子化合物P2(56mg,71%)を暗紫色固体として得た。
高分子化合物P1の数平均分子量は56000、重量平均分子量は114000、薄膜の吸収スペクトルから求められるバンドギャップは1.73eV、大気中光電子分光法によって求められるHOMOレベルは−5.85eVであった。
(高分子化合物P7の合成)
Figure 2017043590
反応容器に化合物11a(63.6mg,0.05mmol)、化合物18(24.6mg,0.05mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2mg,2mol%)、トリ(o−トリル)ホスフィン(4mg,8mol%)、トルエン(0.5ml)を加えた。反応容器をアルゴン置換した後に密封し、μ−ウェーブリアクターを用いて180℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、反応溶液をメタノール(50ml)と塩酸(2ml)の混合溶液に注ぎ再沈殿させた。沈殿物をろ過した後、ソックスレー抽出器を用いてメタノール、ヘキサン、クロロホルムにて洗浄後、クロロベンゼンにて抽出を行った。クロロベンゼン溶液を濃縮した後、メタノールを用いて再沈殿させることで高分子化合物P7(28mg,44%)を暗紫色固体として得た。
高分子化合物P1の数平均分子量は114000、重量平均分子量は517000、薄膜の吸収スペクトルから求められるバンドギャップは1.91eV、大気中光電子分光法によって求められるHOMOレベルは−6.12eVであった。
続いて合成した高分子化合物P1を用いて太陽電池素子を作製し、光電変換効率を評価した。
(高分子化合物P1を用いた太陽電池素子の評価)
ITO膜がパターンニングされたガラス基板を十分洗浄後、UVオゾン処理を行った。次に、酢酸亜鉛(II)二水和物0.5gとエタノールアミン0.142mlを2−メトキシエタノール5mlに溶解した溶液を5000rpmで30秒間スピンコートした。180℃で30分間基板を加熱することで、電子取り出し層を形成した。電子取り出し層を成膜した基板をグローブボックス内に持ち込み、高分子化合物P1及びフラーレン誘導体であるPC61BM(フェニルC61−ブチル酸メチルエステル)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P1/PC61BMの重量比=1/2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した(膜厚100nm)。さらに、活性層上に、正孔取り出し層として厚さ7.5nmの三酸化モリブデン(MoO)膜を、次いで電極層として厚さ100nmの銀膜を、抵抗加熱型真空蒸着法により順次成膜し、4mm角の有機薄膜太陽電池素子を作製した。
得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーター(AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。図1(a)に電流密度−電圧特性のグラフを、図1(b)に分光感度特性を示す。
得られた図1から短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)、形状因子FFを求めたところ、Jsc=8.19mA/cm、Voc=1.05V、FF=0.66であった。光電変換効率(η)を、式η=(Jsc×Voc×FF)/100より算出したところ、5.6%であった。
(高分子化合物P2を用いた太陽電池素子の評価)
高分子化合物P2及びフラーレン誘導体であるPC61BM(フェニルC61−ブチル酸メチルエステル)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P2/PC61BMの重量比=1/2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は上記と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、その特性を評価した。図2(a)に示す電流密度−電圧特性が得られ、Jsc=10.9mA/cm、Voc=1.00V、FF=0.65、ηは7.1%であった。また、図2(b)に分光感度特性を示す。
(高分子化合物P3を用いた太陽電池素子の評価)
高分子化合物P3及びフラーレン誘導体であるPC61BM(フェニルC61−ブチル酸メチルエステル)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P3/PC61BMの重量比=1/2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は上記と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、太陽電池として作用することを確認した。
(高分子化合物P4を用いた太陽電池素子の評価)
高分子化合物P4及びフラーレン誘導体であるPC61BM(フェニルC61−ブチル酸メチルエステル)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P1/PC61BMの重量比=1/2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は上記と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、太陽電池として作用することを確認した。
(高分子化合物P5を用いた太陽電池素子の評価)
高分子化合物P5及びフラーレン誘導体であるPC61BM(Phenyl C61−butyric acid methyl ester)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P5/PC61BMの重量比=1/2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は上記と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、その特性を評価した。図3(a)に示す電流密度−電圧特性が得られ、Jsc=6.9mA/cm、Voc=1.04V、FF=0.67、ηは4.9%であった。また、図3(b)に分光感度特性を示す。
(高分子化合物P6を用いた太陽電池素子の評価)
高分子化合物P6及びフラーレン誘導体であるPC61BM(フェニルC61−ブチル酸メチルエステル)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P6/PC61BMの重量比=1/2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は上記と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、その特性を評価した。図4(a)に示す電流密度−電圧特性が得られ、Jsc=4.2mA/cm、Voc=1.07V、FF=0.53、ηは2.4%であった。また、図4(b)に分光感度特性を示す。
(高分子化合物P7を用いた太陽電池素子の評価)
高分子化合物P7及びp型半導体ポリマーであるP3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P7/P3HTの重量比=1/1)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は上記と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、太陽電池として作用することを確認した。
(比較例)
Figure 2017043590
(高分子化合物P8を用いた太陽電池素子の評価)
高分子化合物P8及びフラーレン誘導体であるPC61BM(フェニルC61−ブチル酸メチルエステル)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P8/PC61BMの重量比=1/2)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した以外は上記と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し(膜厚100nm)、その特性を評価した。図5(a)に示す電流密度−電圧特性が得られ、Jsc=4.1mA/cm、Voc=0.95V、FF=0.44、ηは1.7%であった。また、図5(b)に分光感度特性を示す。
本発明の高分子化合物を用いた実施例は比較例と比べて高い光電変換効率が得られることが示された。また、Voc(開放電圧)についても、実施例では、比較例よりもはるかに高い値が示された。
本発明は、例えば、有機薄膜太陽電池の分野などに利用することができる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(I)で示される化合物。
    Figure 2017043590
    (一般式(I)において、
    Aは芳香環を表し、
    およびXはそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、またはセレン原子を表し、
    およびYはそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表し、
    、R、RおよびRはそれぞれ独立に任意の構造を表し、
    が炭素原子である場合にはRは任意の構造を表し、RとRとが互いに結合して環を形成していてもよく、
    が窒素原子である場合にはRは存在せず、
    が炭素原子である場合にはRは任意の構造を表し、RとRとが互いに結合して環を形成していてもよく、
    が窒素原子である場合にはRは存在しない)
  2. 前記Aは、チエノチオフェン環、ナフタレン環、チオフェン環、またはベンゼン環である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記XおよびXは、硫黄原子である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 前記YおよびYは、炭素原子である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 前記RおよびRは、アルキル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 前記RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、−SnR22 (3つのR22は、それぞれ独立に、アルキル基を表す)、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、トリフルオロボレート塩基、またはトリオールボレート塩基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 前記YおよびYは炭素原子であり、前記RおよびRは水素原子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物と芳香族複素環化合物とが前記RおよびRの位置で重合されている構造であるポリマー。
  9. 前記芳香族複素環化合物は、下記一般式(II)〜(VI)で示されるいずれかの構造である、請求項8に記載のポリマー。
    Figure 2017043590
    (一般式(II)〜(VI)において、R〜R12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、エステル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、*はRおよびRとの重合位置を示す)
  10. 請求項8または9に記載のポリマーを含んでいる太陽電池素子。
  11. 下記一般式(VII)で示される化合物
    Figure 2017043590
    (一般式(VII)において、A、X、X、Y、Y、RおよびRは、それぞれ一般式(I)におけるA、X、X、Y、Y、RおよびRと同一である)
    を酸無水物に加えて加熱することによって、下記一般式(VIII)で示される化合物
    Figure 2017043590
    (一般式(VIII)において、A、X、X、Y、Y、RおよびRは、それぞれ一般式(I)におけるA、X、X、Y、Y、RおよびRと同一である)
    を生成させる工程を含んでいる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を製造する方法。
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