JP2017043546A - 感冒用医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩を含有する感冒用医薬組成物において、配合変化を抑制し、かつ溶出性に優れた感冒用医薬組成物を提供すること。【解決手段】イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウムを含有することを特徴とする感冒用医薬組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感冒用医薬組成物に関し、更に詳細には、イブプロフェン及びアンブロキソール塩酸塩の変色を抑制し、かつ溶出性に優れた感冒用医薬組成物に関する。
イブプロフェンと医療用去痰成分アンブロキソール塩酸塩を配合したスイッチOTC感冒薬は、2007年12月26日にエスタックイブファイン(エスエス製薬社製)として発売されたものである。風邪をひいたかなと感じる諸症状である「のどの痛み・はれ」、「さむけ・悪寒」、「鼻水」をはじめ、風邪をこじらせたと感じる諸症状である「熱」、「のどの痛み・はれ」、「せき・たん」にも優れた効果を発揮する。一般臨床試験の試験成績では、症状別改善度で、「鼻水:85%」、「鼻づまり:78.3%」、「くしゃみ:88%」、「咳:76.8%」、「頭痛92.5%」、「咽頭痛:75.4%」、「痰の吐き出しにくさ:71.9%」、「関節痛:100%」、「筋肉痛:90.3%」、「発熱:77.9%」、「悪寒:96.2%」の成績を示し、さらに、全般改善度の軽度改善以上の改善率が100%と非常によく効く感冒薬として汎用されている。
ところで、感冒薬などのOTC医薬品は、家庭内に保管しておくため、低温から高温まで、湿度も低湿度から高湿度まで様々な温度や湿度の環境にさらされてしまうこともある。そのため、非常に過酷な条件で変色をきたしてしまうこともあり、変色などの外観の変化は、活性成分の定量値に変化がなくても、商品価値の低下をきたしてしまうことがある。特に、イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩を同一製剤中に配合すると継時的に安定性がそこなわれ、変色が生じることが知られている。このように不安定な活性医薬品成分であるイブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩の配合変化を防止するために、以下のような試みが報告されている。
例えば、ポリエチレングリコールと、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ジブチルヒドロキシアニソール)、安息香酸またはその塩類、没食子酸プロピル、ヒドロキノン、dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム及びレシチンなどの還元剤とを配合すること(特許文献1)や、アスパラギン酸、グルタミンおよびタウリンなどのアミノ酸またはアスパルテームなどのペプチドを配合すること(特許文献2)、更に、タルクを含有するコーティング液を用いてフィルムコーティングしたイブプロフェン顆粒とアンブロキソール塩酸塩顆粒を別々に調製し、配合すること(特許文献3)等が報告されている。このように、それぞれの活性医薬品成分を別々の顆粒などに製し、さらに、必要に応じて被膜を施したのち単一の製剤とする方法や添加剤により配合変化を防止することが行われているが、これらの方法では、非常に過酷な環境にさらされた場合、効果が不十分であることが多く、また、変色を防止するために十分な被膜を施すと、活性医薬品成分の溶出が遅延し、効果の発現が遅れたり、不十分になったりすることもあった。
特開平10−101581号公報 特開2005−350448号公報 特開2007−55924号公報
従って、本発明は、イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩を含有する感冒用医薬組成物において、配合変化を抑制し、かつ溶出性に優れた感冒用医薬組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行っていたところ、イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩を含有する感冒用医薬組成物について、さらに酸化マグネシウムを含有させることにより、イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩の配合変化を抑制するだけでなく、イブプロフェンやアンブロキソール塩酸塩の溶出性をも向上させ、感冒薬としての効果を減じることなく、ひいては、イブプロフェンやアンブロキソール塩酸塩の効果の発現を早め、感冒薬としての効果の発現をより強力なものにすることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウムを含有することを特徴とする感冒用医薬組成物である。
本発明によれば、イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩の配合変化を抑制することができ、さらに、感冒薬の効果の発現を早く確実なものとすることができるため、この感冒用医薬組成物を用いた医薬品の商品価値を高めることができるものである。
本発明の感冒用医薬組成物は、イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウムを含有するものであり(以下、「本発明組成物」という)、必要に応じてその他の活性医薬品成分や製剤添加物を含有してもよい。
本発明組成物に含有するイブプロフェンは、その化学名が、(2RS)−2−[4−(2−メチルプロピル)フェニル]プロパン酸(英名:(2RS)−2−[4−(2−Methylpropyl) phenyl] propanoic acid)であり、分子式は、C1318で、その分子量は、206.28、融点は、75〜77℃であるフェニルプロピオン酸系の非ステロイド抗炎症薬で、プロスタグランジン生合成阻害作用により、抗炎症・鎮痛・解熱作用を発揮するものである。
また、本発明組成物に含有するアンブロキソール塩酸塩は、その化学名が、トランス ―4−[(2−アミノ−3, 5−ジブロモベンジル) アミノ]シクロヘキサノール ハイドロクロライド(英名:trans ―4−[(2−amino−3, 5−dibromobenzyl) amino]cyclohexanol hydrochloride)であり、分子式は、C1318BrO・HClで、その分子量は、414.56、融点は、約235℃の去痰薬で、肺表面活性物質の分泌促進作用、気道液の分泌促進作用、線毛運動亢進作用により、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、手術後の喀痰喀出困難などの疾患の去痰や慢性副鼻腔炎の排膿に用いられるものである。
更に、本発明組成物に含有する酸化マグネシウム(英名:Magnesium Oxide)は、分子式が、MgO、その分子量は、40.30の制酸剤で、胃・十二指腸潰瘍、急・慢性胃炎、薬剤性胃炎などの胃炎、神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症などの上部消化管機能異常などの疾患における制酸作用と症状の改善に用いられるものである。
本発明組成物は、上記したように、イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウムを単位製剤中に含有するものである。本発明組成物においては、イブプロフェン:アンブロキソール塩酸塩:酸化マグネシウム=10〜70:1〜5:2〜60の質量比で単位製剤中に含有することが好ましく、4〜27:1〜2:2〜23の質量比で含有することがより好ましく、20〜27:1〜2:4〜23の質量比で配合することがさらに好ましい。具体的には、例えば、錠剤やカプセル剤の剤型で、1錠又は1カプセル中にイブプロフェン150〜200mg及びアンブロキソール塩酸塩15mgに対し、酸化マグネシウムを33〜167mg含有する。また、1錠又は1カプセル中にイブプロフェン75〜100mg及びアンブロキソール塩酸塩7.5mgに対し、酸化マグネシウムを16〜84mg含有し、1錠又は1カプセル中にイブプロフェン50〜66.7mg及びアンブロキソール塩酸塩5mgに対し、酸化マグネシウムを11〜56mg含有する。また、例えば、顆粒剤などの分包製剤では、一包中にイブプロフェン150〜200mg及びアンブロキソール塩酸塩15mgに対し、酸化マグネシウムを33〜167mg含有する。
本発明組成物は、イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウムの他に、通常、感冒薬に配合される成分をさらに添加しても良い。そのような成分としては、抗炎症・解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、鎮咳去痰薬、中枢神経興奮薬、制酸剤、ビタミン及び生薬等が挙げられる。
本発明組成物にさらに添加することのできる抗炎症・解熱鎮痛薬の具体例としては、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エアンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イソプロピルアンチピリン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、グリチルリチン、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルリチン酸カリウム、グリチルリチン酸二カリウム等のグリチルリチン酸及びその類縁物質若しくはその塩、トラネキサム酸等が挙げられる。なお、これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできる抗ヒスタミン薬及び抗アレルギー薬の具体例としては、アゼラスチン塩酸塩、アリメマジン酒石酸塩、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、エバスチン、エメダスチンフマル酸塩、オキサトミド、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルピノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、セチリジン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩水和物、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェキソフェナジン、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、ベポタスチンベシル酸塩、ホモクロルシクリジン塩酸塩、メキタジン、メトジラジン塩酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできる鎮咳去痰薬の具体例としては、塩酸アロクラミド、クエン酸チペピジン、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩水和物、ジブナートナトリウム、チペピジンヒベンズ酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、ペントキシベリンクエン酸塩、ジメモルファンリン酸塩、ノスカピン、ノスカピン塩酸塩水和物、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾールスルホン酸カリウム、ブロムヘキシン塩酸塩、L-カルボシステイン、L-エチルシステイン塩酸、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、エプラジノン塩酸塩等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできる中枢神経興奮薬の具体例としては、安息香酸ナトリウムカフェイン、無水カフェイン、カフェイン水和物が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできる制酸剤の具体例としては、グリシン、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミーウム、合成ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート (アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシワム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできるビタミンとしては、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等が挙げられ、また、生薬としては、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セキサン、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、カジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、ジリュウ、チクセツニンジン、ニンジン、葛根湯、葛根湯加桔梗、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物を用いた感冒薬は、イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウムに加えて、上記の抗炎症・解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬及び抗アレルギー薬、鎮咳去痰薬、中枢神経興奮薬、制酸剤、ビタミン及び生薬等の医薬品成分を必要に応じて添加し、さらに、製剤分野で一般的に使用され得る賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の製剤添加剤を添加して製造される。その際使用し得る製剤添加剤としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤の他、各種担体、安定(化)剤、界面活性剤、可塑剤、滑沢化剤、可溶(化)剤、還元剤、緩衝剤、甘味剤、基剤、吸着剤、矯味剤、懸濁(化)剤、抗酸化剤、光沢化剤、コーティング剤、剤皮、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、清涼化剤、着色剤、着香剤、香料、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、粘稠化剤、粘稠剤、発泡剤、pH調整剤、稀釈剤、分散剤、崩壊補助剤、崩壊延長剤、芳香剤、防湿剤、防腐剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤、溶剤、流動化剤、帯電防止剤、増量剤、保湿剤、付湿剤等の製剤添加物を挙げることができる。該添加剤の例は、薬食発1204第1号(薬事行政法令)、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)及び第8版食品添加物公定書(日本食品添加物協会)に記載されている。
上記製剤添加剤のうち、賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、糖アルコール類、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの賦形剤は1種または2種以上を使用することができる。
また、結合剤としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、プルラン、デキストリン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メタクリル酸コポリマー等のアクリル酸誘導体、セラック、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等が挙げられる。これらの結合剤は1種または2種以上を使用することができる。
更に、崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、クロスリンクドインソルブルポリビニルピロリドン、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、バレイショデンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン等が挙げられる。これらの崩壊剤は1種または2種以上を使用することができる。
更にまた、滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの滑沢剤は1種または2種以上を使用することができる。
以上説明した本発明組成物を用いた感冒薬は、錠剤の他、カプレット、硬カプセル剤、軟カプセル剤、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップ剤などの内服固形製剤や経口液剤として提供される。また、必要に応じてフィルムコーティングや糖衣を施し、上記製剤のコーティング製剤とすることもできる。これらの剤型には、通常行われている製剤化方法(津田恭介・上野寿著、「医薬品開発基礎講座XI 薬剤製造法(上)(下)」、地人書館、1971年発行;仲井由宣著、「製剤工学ハンドブック」、地人書館、1983年発行;仲井由宣著、「医薬品の開発11 製剤の単位操作と機械」、廣川書店、1989年発行;橋田充著、「経口投与製剤の設計と評価」、薬業時報社、1995年発行;橋田充著、「経口投与製剤の処方設計」、薬業時報社、1995年発行)により製造することができる。また、マイクロカプセル、ナノカプセル、マイクロスフィアー、ナノスフィアー等の微小粒子を用いてもよい。また、ガラス瓶、プラスチックボトル、PTP包装、アルミヒートシール包装等の密閉容器に保存することでき、その際、必要に応じて、シリカゲルなどの乾燥剤を同封しても良い。
本発明組成物を用いた感冒薬は、通常、1日3回水又はぬるま湯で服用するのが好ましい。場合によっては、有効成分の一部に徐放化処理を行い、1日2回或いは1日1回服用の感冒薬としても良い。
斯くして得られる本発明組成物を用いた感冒薬は、イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩を同一製剤中に配合しているにも関わらず、変色などの外観の変化が防止されるため、商品価値がそこなわれることのない医薬品を提供することが可能である。さらに酸化マグネシウムを配合することにより、イブプロフェンやアンブロキソール塩酸塩の溶出が促進されるだけでなく他の成分の溶出も促進され、早く効果が表れる医薬品の提供が可能である。
次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
変色試験:
表1示す処方に従い、イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウムを秤量し、全重量の10%の精製水を添加して混練した。得られた混合物をそれぞれ調製後、ガラス瓶に入れ70℃で保存し、24時間後の混合物の状態を下記評価基準により評価し、変色の有無を確認した。結果を併せて表1に示す。
Figure 2017043546
<評価基準>
(評価) (内容)
−: 変色が全くない
±: 変色がほとんどない
+: 変色がある
イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩に、さらに、酸化マグネシウムを配合した発明品1〜11は、配合変化を生じなかった。一方、酸化マグネシウムを含有しない比較品1及び比較品2は、配合変化を生じた。したがって、イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩の配合変化は、酸化マグネシウムにより防止することができることが示された。
実 施 例 2
溶出試験:
(イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウム含有感冒薬1)
イブプロフェン300g、アンブロキソール塩酸塩30g、酸化マグネシウム200g、クロルフェニラミンマレイン酸塩5g、ジヒドロコデインリン酸塩16g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩40g、無水カフェイン50g、ヨウ化イソプロパミド4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース454g、D−マンニトール197g、トウモロコシデンプン40g、及び、乳糖水和物4gに精製水1380gを添加し、常法により湿式造粒後、乾燥・整粒し、造粒末を得た。この造粒末1273gに、結晶セルロース228g、軽質無水ケイ酸、7.6g、タルク15.2g及びステアリン酸マグネシウム405gを添加し均一に混合し、打錠用粉末を得た。この打錠用粉末を9.5mmφの臼杵を用いて1錠あたり405mgになるように、常法によりロータリー打錠機で圧縮成型し、素錠を得た。この素錠にヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール、タルク及び精製水(8.6:1.5:1.45:4.5:88)からなるフィルムコーティング剤を通気式コーティング装置にて噴霧し、425mg/錠のフィルムコーティング錠として発明品12を得た。
(イブプロフェン及びアンブロキソール塩酸塩を含有し、酸化マグネシウムを含有しない感冒薬)
イブプロフェン300g、アンブロキソール塩酸塩30g、クロルフェニラミンマレイン酸塩5g、ジヒドロコデインリン酸塩16g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩40g、無水カフェイン50g、ヨウ化イソプロパミド4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース454g、D−マンニトール197g、トウモロコシデンプン40g、及び、乳糖水和物204gをに精製水1380gを添加し、常法により湿式造粒後、乾燥・整粒し、造粒末を得た。この造粒末1273gに、結晶セルロース228g、軽質無水ケイ酸、7.6g、タルク15.2g及びステアリン酸マグネシウム405gを添加し均一に混合し、打錠用粉末を得た。この打錠用粉末を9.5mmφの臼杵を用いて1錠あたり405mgになるように、常法によりロータリー打錠機で圧縮成型し、素錠を得た。この素錠に上記同様のフィルムコーティング剤を通気式コーティング装置にて噴霧し、425mg/錠のフィルムコーティング錠として比較品3を得た。
上記発明品12及び比較品3の溶出試験は、日本薬局方第16改正の溶出試験法に準じて実施した。試験条件は、パドル法、回転数50rpm、試験液量500mLにて、試験液として溶出試験第1液を用い、試験開始30分後のイブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、無水カフェイン、ヨウ化イソプロパミドのそれぞれの溶出率を測定した。その結果を、表2に示す。発明品12は、イブプロフェンだけでなく、いずれの成分も比較品3より溶出性が優れていた。
Figure 2017043546
実 施 例3
(イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウム含有感冒薬2)
イブプロフェン400g、アンブロキソール塩酸塩30g、酸化マグネシウム200g、クロルフェニラミンマレイン酸塩、5g、ジヒドロコデインリン酸塩16g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩40g、無水カフェイン50g、ヨウ化イソプロパミド4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース452g、D−マンニトール197g、トウモロコシデンプン40g、及び、乳糖水和物4gをに精製水1420gを添加し、常法により湿式造粒後、乾燥・整粒し、造粒末を得た。この造粒末1368gに、結晶セルロース228g、軽質無水ケイ酸、7.6g、タルク15.2g及びステアリン酸マグネシウム405gを添加し均一に混合し、打錠用粉末を得た。この打錠用粉末を9.5mmφの臼杵を用いて1錠あたり430mgになるように、常法によりロータリー打錠機で圧縮成型し、素錠を得た。この素錠に上記同様のフィルムコーティング剤を通気式コーティング装置にて噴霧し、450mg/錠のフィルムコーティング錠として発明品13を得た。
実 施 例4
(イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウム含有感冒薬3)
イブプロフェン200g、アンブロキソール塩酸塩15g、酸化マグネシウム100g、クロルフェニラミンマレイン酸塩2.5g、ジヒドロコデインリン酸塩8g、dl−メチルエフェドリン塩酸塩20g、無水カフェイン25g、ヨウ化イソプロパミド2g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース460g、カルメロースカルシウム368.6g、及び、酒石酸35gに精製水1880gを添加し、常法により湿式造粒後、乾燥・整粒し、造粒末を得た。この造粒末1174.3gに、サッカリンナトリウム57g、軽質無水ケイ酸1.235g、タルク1.235g及び香料1.235gを添加し均一に混合し、1包あたり1300mgになるようにアルミ3方シールで分包し、顆粒剤として発明品14を得た。
本発明によれば、イブプロフェンとアンブロキソール塩酸塩を含有する感冒用医薬組成物において、さらに酸化マグネシウムを含有することで、配合変化による変色を抑制し、さらに活性成分の溶出性を向上することができる。
従って、本発明により簡単に変色を防ぐことができるため、商品価値の低下を防止することが可能となり、感冒薬の製造において広く利用することができるものである。さらに、各活性成分の溶出性が向上することで、確実に、早く効果が出現するため、薬理効果を最大限に利用することができる感冒薬の提供が可能である。

Claims (5)

  1. イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウムを含有することを特徴とする感冒用医薬組成物。
  2. イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩及び酸化マグネシウムをそれぞれ質量比で10〜70:1〜5:2〜60の割合で含有する請求項1記載の感冒用医薬組成物。
  3. さらに抗炎症・解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、鎮咳去痰薬、中枢神経興奮薬、制酸剤、ビタミン及び生薬から選ばれる1種以上を含有する請求項1又は2に記載の感冒用医薬組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の感冒用医薬組成物を含有する内服固形製剤。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の感冒用医薬組成物を含有する経口液剤。

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