JP6654426B2 - 医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、鎮痛用医薬組成物に関し、更に詳細には、頭痛の鎮痛作用に優れた鎮痛用医薬組成物に関する。
ロキソプロフェン又はその塩は、フェニルプロピオン酸系の非ステロイド性抗炎症薬であり、発熱や炎症を引き起こす原因となるプロスタグランジンの生合成を抑制することによって、抗炎症、鎮痛、解熱作用を有する。特に、ロキソプロフェンの塩であるロキソプロフェンナトリウムを活性成分として配合された解熱鎮痛消炎剤は、頭痛にもよく効く薬として汎用されている。
これまで、ロキソプロフェン又はその塩は、その優れた薬理作用から、様々な薬剤と組み合わせることが報告されている。例えば、去痰薬であるブロムヘキシン塩酸塩やアンブロキソール塩酸塩と、ロキソプロフェンナトリウムとを組み合わせることにより、咳嗽症状に対する効果が増強されることが報告されている(特許文献1)。また、ロキソプロフェンナトリウムと、抗ヒスタミン薬とを組み合わせることにより、風邪による症状の鼻閉(鼻づまり)に対する効果が増強されることが報告されている(特許文献2)。さらに、ロキソプロフェンナトリウムを、カフェインやアセトアミノフェン等と組み合わせることにより、ロキソプロフェンナトリウムの有する消炎、解熱効果を相乗させる作用が報告されている(特許文献3)。
上記ように、ロキソプロフェン又はその塩と他の薬剤を組み合わせることにより、新たな薬理効果が生じることや、ロキソプロフェン自体の有する解熱効果等を増強させることが知られているが、ロキソプロフェン又はその塩の有する頭痛鎮痛作用自体を高める方法は報告されていない。
特開2001−172175号公報 特開2001−199882号公報 特開平11−139971号公報
従って、本発明は、ロキソプロフェン又はその塩を含有する鎮痛用医薬組成物において、頭痛の軽減作用をより高めた鎮痛用医薬組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行っていたところ、通常、単独使用のみでは頭痛に対する効能を有さない中枢性筋弛緩薬を、ロキソプロフェン又はその塩と組み合わせて使用することにより、ロキソプロフェン又はその塩の有する頭痛軽減効果が増強されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ロキソプロフェン又はその塩と、中枢性筋弛緩薬とを含有することを特徴とする鎮痛用医薬組成物である。
本発明によれば、ロキソプロフェン又はその塩の有する頭痛の軽減効果を高めることができるため、優れた頭痛鎮痛作用を有する鎮痛用医薬組成物を提供することができるものである。さらに、この鎮痛用医薬組成物を用いた医薬品の商品価値を高めることができるものである。
試験薬投与直前の頭痛スコアを示した図面。 試験薬投与1時間後の頭痛スコアを示した図面。
本発明の鎮痛用医薬組成物は、ロキソプロフェン又はその塩と、中枢性筋弛緩薬とを含有するもの(以下、「本発明組成物」という)である。
本発明組成物で用いられるロキソプロフェン又はその塩は、ロキソプロフェン、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩及びロキソプロフェンやその薬学上許容される塩と水やアルコール等との溶媒和物も含まれる。ロキソプロフェンは、その化学名が、(RS)−2−{4−[(2−oxocyclopentyl)methyl]phenyl}propanoic acidであり、分子式がC1518で、その分子量は246.302である。
上記ロキソプロフェンの塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩やカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。本発明組成物で使用するロキソプロフェン又はその塩としては、ロキソプロフェン塩が好ましく、ロキソプロフェンナトリウムがより好ましく、ロキソプロフェンナトリウム水和物がさらに好ましい。
一方、本発明組成物で用いられる中枢性筋弛緩薬は、脊髄及び脳幹の介在ニューロンを遮断し、骨格筋の弛緩、鎮痛作用を示す薬物であれば特に限定されるものではない。中枢性筋弛緩薬としては、具体的には、メトカルバモール、トルペリゾン、クロルゾキサゾン、プリジノールメシル酸塩、クロルフェネシンカルバミン酸エステル、エペリゾン塩酸塩、アフロクアロン、チザニジン、バクロフェン等が例示でき、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、メトカルバモールが、ロキソプロフェンの頭痛軽減効果を高めることに優れているため好ましい。
本発明組成物は、ロキソプロフェン又はその塩と、中枢性筋弛緩薬に、必要に応じてその他の活性医薬品成分や製剤添加剤を加え、均一に混合して得られるものである。
本発明組成物におけるロキソプロフェン又はその塩(以下、単に「ロキソプロフェン」という)の配合量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等によって適宜決定すればよい。例えば、成人1回当たりの投与量が、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で10〜180mg、好ましくは30〜120mg、より好ましくは50〜70mgとなるように配合することが好ましい。また、本発明組成物の全質量に対するロキソプロフェンの含有量は、例えば、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1〜60質量%(以下、「%」という)が好ましく、3〜30%がより好ましい。
一方、本発明組成物における中枢性筋弛緩薬の配合量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等によって適宜決定すればよい。例えば、成人1回当たりの投与量が、0.1〜1500mg、好ましくは0.2〜1000mg、より好ましくは0.5〜600mgとなるように配合することが好ましい。また、本発明組成物の全質量に対する中枢性筋弛緩薬の含有量は、10〜90質量%(以下、「%」という)が好ましく20〜80%がより好ましい。
上記中枢性筋弛緩薬として、メトカルバモールを用いる場合、例えば、成人1回当たりの投与量が、100〜1500mg、好ましくは250〜1000mg、より好ましくは400〜600mgとなるように配合することが好ましい。
上記中枢性筋弛緩薬として、トルペリゾン塩酸塩を用いる場合、例えば、成人1回当たりの投与量が、20〜300mg、好ましくは50〜200mg、より好ましくは80〜120mgとなるように配合することが好ましい。
上記中枢性筋弛緩薬として、クロルゾキサゾンを用いる場合、例えば、1成人1回当たりの投与量が、30〜900mg、好ましくは75〜600mg、より好ましくは100〜400mとなるように配合することが好ましい。
上記中枢性筋弛緩薬として、プリジノールメシル酸塩を用いる場合、例えば、成人1回当たりの投与量が、0.5〜12mg、好ましくは2〜8mg、より好ましくは3〜5mgとなるように配合することが好ましい。
上記中枢性筋弛緩薬として、クロルフェネシンカルバミン酸エステルを用いる場合、例えば、成人1回当たりの投与量が、50〜750mg、好ましくは125〜500mg、より好ましくは200〜300mgとなるように配合することが好ましい。
上記中枢性筋弛緩薬として、エペリゾン塩酸塩を用いる場合、例えば、成人1回当たりの投与量が、10〜150mg、好ましくは25〜100mg、より好ましくは40〜60mgとなるように配合することが好ましい。
上記中枢性筋弛緩薬として、アフロクアロンを用いる場合、例えば、成人1回当たりの投与量が、4〜60mg、好ましくは10〜40mg、より好ましくは15〜30mgとなるように配合することが好ましい。
上記中枢性筋弛緩薬として、チザニジン塩酸塩を用いる場合、例えば、成人1回当たりの投与量が、0.1〜10mg、好ましくは0.2〜5mg、より好ましくは0.5〜2mgとなるように配合することが好ましい。
上記中枢性筋弛緩薬として、バクロフェンを用いる場合、例えば、成人1回当たりの投与量が、0.5〜50mg、好ましくは1〜30mg、より好ましくは5〜15mgとなるように配合することが好ましい。
本発明組成物におけるロキソプロフェン及び中枢性筋弛緩薬の含有比は特に限定されず、上述した各成分の成人1回当たりの投与量に応じて、適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェンを、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、中枢性筋弛緩薬を0.001〜1000質量部含有するものが好ましく、0.01〜100質量部含有するものがより好ましく、0.1〜20質量部含有するものがさらに好ましい。
本発明組成物は、上記したようにロキソプロフェンと中枢性筋弛緩薬とを含有するものであるが、活性医薬成分として、例えば、ロキソプロフェン以外の抗炎症・解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、鎮咳去痰薬、中枢神経興奮薬、制酸剤、ビタミン及び生薬等を添加してもよい。
本発明組成物にさらに添加することのできるロキソプロフェン以外の抗炎症・解熱鎮痛薬の具体例としては、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エアンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イソプロピルアンチピリン、グリチルリチン、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルリチン酸カリウム、グリチルリチン酸二カリウム等のグリチルリチン酸及びその類縁物質若しくはその塩、トラネキサム酸等が挙げられる。なお、これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできる抗ヒスタミン薬及び抗アレルギー薬の具体例としては、アゼラスチン塩酸塩、アリメマジン酒石酸塩、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、エバスチン、エメダスチンフマル酸塩、オキサトミド、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルピノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、セチリジン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩水和物、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェキソフェナジン、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、ベポタスチンベシル酸塩、ホモクロルシクリジン塩酸塩、メキタジン、メトジラジン塩酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩、レボセチリジン塩酸塩等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできる鎮咳去痰薬の具体例としては、アンブロキソール塩酸塩、塩酸アロクラミド、クエン酸チペピジン、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩水和物、ジブナートナトリウム、チペピジンヒベンズ酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、ペントキシベリンクエン酸塩、ジメモルファンリン酸塩、ノスカピン、ノスカピン塩酸塩水和物、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾールスルホン酸カリウム、ブロムヘキシン塩酸塩、L−カルボシステイン、L−エチルシステイン塩酸、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、エプラジノン塩酸塩等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできる中枢神経興奮薬の具体例としては、安息香酸ナトリウムカフェイン、無水カフェイン、カフェイン水和物が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできる制酸剤の具体例としては、グリシン、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミーウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート (アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシワム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできるビタミンとしては、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等が挙げられ、また、生薬としては、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セキサン、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、カジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、ジリュウ、チクセツニンジン、ニンジン、葛根湯、葛根湯加桔梗、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
本発明組成物にさらに添加することのできる製剤添加剤としては、一般的に使用され得る賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤の他、各種担体、安定(化)剤、界面活性剤、可塑剤、滑沢化剤、可溶(化)剤、還元剤、緩衝剤、甘味剤、基剤、吸着剤、矯味剤、懸濁(化)剤、抗酸化剤、光沢化剤、コーティング剤、剤皮、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、清涼化剤、着色剤、着香剤、香料、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、粘稠化剤、粘稠剤、発泡剤、pH調整剤、稀釈剤、分散剤、崩壊補助剤、崩壊延長剤、芳香剤、防湿剤、防腐剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤、溶剤、流動化剤、帯電防止剤、増量剤、保湿剤、付湿剤等を挙げることができる。該添加剤の例は、薬食発1204第1号(薬事行政法令)、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)及び第8版食品添加物公定書(日本食品添加物協会)に記載されている。
上記製剤添加剤のうち、賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、糖アルコール類、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの賦形剤は1種または2種以上を使用することができる。
また、結合剤としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、プルラン、デキストリン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メタクリル酸コポリマー等のアクリル酸誘導体、セラック、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等が挙げられる。これらの結合剤は1種または2種以上を使用することができる。
更に、崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、クロスリンクドインソルブルポリビニルピロリドン、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、バレイショデンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン等が挙げられる。これらの崩壊剤は1種または2種以上を使用することができる。
また更に、滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの滑沢剤は1種または2種以上を使用することができる。
以上説明した本発明組成物を用いた鎮痛剤、解熱剤等の製剤は、錠剤の他、カプレット、硬カプセル剤、軟カプセル剤、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップ剤などの内服固形製剤や経口液剤として提供される。また、必要に応じてフィルムコーティングや糖衣を施し、上記製剤のコーティング製剤とすることもできる。これらの剤型には、通常行われている製剤化方法(津田恭介・上野寿著、「医薬品開発基礎講座XI 薬剤製造法(上)(下)」、地人書館、1971年発行;仲井由宣著、「製剤工学ハンドブック」、地人書館、1983年発行;仲井由宣著、「医薬品の開発11 製剤の単位操作と機械」、廣川書店、1989年発行;橋田充著、「経口投与製剤の設計と評価」、薬業時報社、1995年発行;橋田充著、「経口投与製剤の処方設計」、薬業時報社、1995年発行)により製造することができる。また、マイクロカプセル、ナノカプセル、マイクロスフィアー、ナノスフィアー等の微小粒子を用いてもよい。また、ガラス瓶、プラスチックボトル、PTP包装、アルミヒートシール包装等の密閉容器に保存することできる。
本発明組成物を用いた製剤は、通常、1日3回水又はぬるま湯で服用するのが好ましい。場合によっては、有効成分の一部に徐放化処理を行い、1日2回或いは1日1回服用の鎮痛薬としてもよい。
斯くして得られる本発明組成物を用いた製剤は、ロキソプロフェンと中枢性筋弛緩薬を組み合わせて使用することによって、ロキソプロフェンの有する頭痛の軽減効果を増強することができるため、優れた頭痛改善の効能を有する医薬品として提供することが可能である。
次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
ロキソプロフェンとメトカルバモールの併用による頭痛軽減効果試験:
(1)ロキソプロフェン含有製剤の調整
秤量したロキソプロフェンナトリウム水和物6.81g及び乳糖(DMV製、200M)93.19gを、メカノミル(岡田精工製MM−20N型)に投入し、主軸回転数900rpmで3分混合した。この混合末1gを秤量後、ALヒートシールに充填し、1包1gのロキソプロフェン含有製剤を調整した。
(2)メトカルバモール含有製剤の調整
秤量したメトカルバモール50g及び乳糖(DMV製、200M)50gを、メカノミル(岡田精工製MM−20N型)に投入し、主軸回転数900rpmで3分混合した。この混合末1gを秤量後、ALヒートシールに充填し、1包1gのメトカルバモール含有製剤を調整した。
(3)頭痛の評価方法
過去に頭痛を発症した経験を持つ健常成人を被験者とした。頭痛を自覚した時、ロキソプロフェン含有製剤1包を経口投与した(以下、「単独投与」という)。次に、投与間隔を最低12時間以上あけて、再度、頭痛の自覚があった際、ロキソプロフェン含有製剤1包とメトカルバモール含有製剤1包を併用して経口投与した(以下、「併用投与」という)。頭痛の程度の評価は、最大の痛みを「10」、痛みなしを「0」とした評価スケールに従い、投与前及び投与1時間後に評価した。
(4)結果
投与前の頭痛スコアの平均は、単独投与と併用投与において同等であった(図1)。一方、併用投与1時間後の頭痛スコア平均は、単独投与1時間後の頭痛スコア平均に比べて有意に低く、ロキソプロフェンとメトカルバモールを併用することで、頭痛軽減の効果が高まることが示された(図2)。
実 施 例 2
ロキソプロフェンとメトカルバモールを含有する鎮痛剤の調整:
秤量したロキソプロフェンナトリウム水和物6.81g、メトカルバモール50g及び乳糖(DMV製、200M)43.19gを、メカノミル(岡田精工製MM−20N型)に投入し、主軸回転数900rpmで3分混合した。この混合末1gを秤量後、ALヒートシールに充填し、1包1gのロキソプロフェンとメトカルバモールを含有する鎮痛剤を調整した。
本発明によれば、ロキソプロフェン又はその塩と、中枢性筋弛緩薬とを組み合わせて使用することにより、ロキソプロフェン又はその塩の有する頭痛の軽減効果をより高めることができるため、優れた頭痛鎮痛作用を有する鎮痛用医薬組成物を提供することができるものである。さらに、この鎮痛用医薬組成物を用いた医薬品の商品価値を高めることができるものである。

Claims (7)

  1. ロキソプロフェン又はその塩と、メトカルバモールとを含有することを特徴とする鎮痛用医薬組成物。
  2. ロキソプロフェン又はその塩の成人1回あたりの投与量が、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で10〜180mgである請求項1記載の鎮痛用医薬組成物。
  3. メトカルバモールの成人1回あたりの投与量が、100〜1500mgである請求項1又は2に記載の鎮痛用医薬組成物。
  4. ロキソプロフェン又はその塩と、メトカルバモールの質量比が、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、メトカルバモール0.001〜1000質量部含有する請求項1〜3の何れかに記載の鎮痛用医薬組成物。
  5. ロキソプロフェン又はその塩が、ロキソプロフェンナトリウム水和物である請求項1〜の何れかに記載の鎮痛用医薬組成物。
  6. 頭痛の軽減作用を有するものである請求項1〜の何れかに記載の鎮痛用医薬組成物。
  7. 請求項1〜の何れかに記載の鎮痛用医薬組成物を含有する内服固形製剤。
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