JP5593420B2 - イブプロフェンの昇華が抑制された固形製剤 - Google Patents

イブプロフェンの昇華が抑制された固形製剤 Download PDF

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Description

本発明は、イブプロフェン、特にイブプロフェン及びトラネキサム酸を含有する固形製剤であって、イブプロフェンの昇華が抑制された固形製剤に関する。
イブプロフェン(ibuprofen)は、慢性関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、脊腰痛等の疾患、症状の消炎、鎮痛に有効なほか、風邪症侯群、急性気管支炎、慢性気管支炎の急性増悪期の消炎、解熱などにも有効な非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)として広く使用されている薬物である。
しかしながら、イブプロフェンは昇華性物質のため、ガラス瓶等の密閉容器に保存した場合、経時的に内壁に曇りを生じることが知られており、様々な防止方法が検討されている(特許文献1〜4参照)。
一方で、イブプロフェンには胃腸障害などの副作用があることや、鎮痛効果が比較的弱いことから、種々の薬物との配合製剤が検討され、中でもトラネキサム酸は、抗プラスミン作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用などを有する薬物として使用されていることから、イブプロフェンとトラネキサム酸とを組み合わせた配合が多数開発されている。例えば、イブプロフェンとトラネキサム酸とを含む解熱鎮痛剤(特許文献6参照)、イブプロフェンとトラネキサム酸に、さらにカフェインを配合した解熱鎮痛剤(特許文献7参照)、アスコルビン酸を配合した解熱鎮痛組成物(特許文献8参照)、アセトアミノフェンなどの非ピリン系解熱鎮痛薬と組み合わせた医薬製剤(特許文献9参照)、プソイドエフェドリン及び/又はフェニレフリンを配合した鼻炎用医薬組成物(特許文献10参照)、フェニルプロパノールアミンやプソイドエフェドリンなどのα受容体刺激剤及びフラボノイドとをさらに配合してなる感冒用医薬組成物(特許文献11参照)、クレマスチン及び/又はブロムヘキシンを配合した医薬組成物(特許文献12参照)などが報告されている。
特開平8−193027号公報 特開2002−179559号公報 特開2002−241275号公報 特開2005−162619号公報 特許第3897367号公報 特開平9−48728号公報 特許第3667381号公報 特開2006−1920号公報 特開2005−187328号公報 特開2005−232128号公報 特開2005−194269号公報 特開2006−124380号公報
本発明者らは、イブプロフェンとトラネキサム酸を含む固形製剤の研究開発を鋭意行ってきた。そしてこの固形製剤を種々検討している最中、イブプロフェンにトラネキサム酸を配合すると、イブプロフェン単独時に比べ、イブプロフェンの昇華が著しく増大することを見出した。
本発明はイブプロフェン、特にイブプロフェン及びトラネキサム酸を含む固形製剤において、イブプロフェンの昇華が抑制される固形製剤を提供することを課題とする。
本発明者らはイブプロフェン、特にイブプロフェン及びトラネキサム酸を含む固形製剤にポリビニルアルコール及びケイ酸を配合するとイブプロフェンの昇華が抑制されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下のものに関する。
(1)イブプロフェン、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含有する固形製剤。
(2)イブプロフェンを含む内層と、ポリビニルアルコールを含む外層を有することを特徴とする(1)に記載の固形製剤。
(3)少なくとも前記外層中にケイ酸を含有することを特徴とする(2)に記載の固形製剤。
(4)更に、トラネキサム酸を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の固形製剤。
(5)前記トラネキサム酸を内層中に含有することを特徴とする(4)に記載の固形製剤。
(6)密閉系保存容器に封入され、密閉保存されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の固形製剤。
本発明によれば、後記実施例からも明らかなように、イブプロフェンの昇華が抑制される、イブプロフェン、特にイブプロフェンとトラネキサム酸を含む固形製剤を提供することができる。また、密閉系保存容器内にイブプロフェン、特にイブプロフェンとトラネキサム酸を含む固形製剤を密閉保存することによる保存容器内壁の曇り防止方法も提供することができる。
本発明の製剤はイブプロフェンを含む固形製剤であって、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含有することを特徴とする。
本発明の好ましい形態においては、薬効成分として、イブプロフェンに加え更にトラネキサム酸を含有する。
イブプロフェンを含有する固形製剤は、固形製剤中のイブプロフェンが昇華して、密閉系保存容器の内壁に曇りが生じることが知られているが、ポリビニルアルコール及びケイ酸を配合することにより、イブプロフェンの昇華を抑制することができる。昇華とは、固体から気体、又は気体から固体へと、液体を経ずに相転移する現象である。本発明においては、固体から気体、又は気体から固体への相変化のいずれかの抑制であるかにかかわらず、ウイスカーの発生、及び/又は保存容器の内壁の曇りが抑制されれば、「イブプロフェンの昇華の抑制」に含まれる。
イブプロフェン自体、昇華しやすい成分であるが、イブプロフェンとトラネキサム酸の両方が製剤に含まれると、イブプロフェンはより昇華し易くなる。イブプロフェンを含有する固形製剤にポリビニルアルコール及びケイ酸を配合すると、イブプロフェンの昇華は抑制されるが、特にイブプロフェンとトラネキサム酸の両成分を含む場合において、昇華の抑制効果は顕著である。
本発明の固形製剤に含まれるイブプロフェンは、イブプロフェンのみならず、イブプロフェンの製薬上許容される塩をも使用することができ、特に限定されるものではない。これらは公知の方法により製造することができ、また、市販のものを使用することができる
。本発明の固形製剤中に含まれるイブプロフェンの割合は、固形製剤全体に対してイブプロフェンとして1〜70質量%が好ましく、5〜60質量%が更に好ましく、7〜50質量%が特に好ましい。
本発明の固形製剤に含まれるトラネキサム酸は、トラネキサム酸のみならず、トラネキサム酸の製薬上許容される塩をも使用することができ、特に限定されるものではない。これらは公知の方法により製造することができ、また、市販のものを使用することができる。本発明の固形製剤中に含まれるトラネキサム酸の割合は、固形製剤全体に対してトラネキサム酸として1〜70質量%が好ましく、5〜60質量%が更に好ましく、7〜50質量%が特に好ましい。
本発明の固形製剤に含まれるポリビニルアルコールは、公知の方法により製造することができ、また、市販のものを使用することができる。ポリビニルアルコールの原料となる酢酸ビニルの重合度は適宜調整することができ、また部分けん化物でもよく、完全けん化物でもよい。本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されるものではない。酢酸ビニルの重合度は200〜1500が好ましく、特に300〜1000が好ましい。また、ポリビニルアルコールのけん化度は80〜95mol%が好ましく、特に85〜90mol%が好ましい。本発明の固形製剤中に含まれるポリビニルアルコールの割合は、固形製剤全体に対して0.01〜40質量%が好ましく、0.1〜20質量%が更に好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
本発明の固形製剤に含まれるケイ酸としては、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、無水ケイ酸水加物が挙げられる。これらのケイ酸は、公知の方法により製造することができ、また市販のものを使用することができ、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されるものではない。本発明の固形製剤中に含まれるケイ酸の割合は、固形製剤全体に対して0.01〜40質量%が好ましく、0.05〜20質量%が更に好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。
本発明の固形製剤におけるイブプロフェンとトラネキサム酸の配合比は、イブプロフェン1質量部に対してトラネキサム酸0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜2.5質量部が更に好ましい。なお、本発明の固形製剤の投与量は、経口投与の場合、1日投与量として、イブプロフェンとして1日あたり300〜600mgが好ましく、トラネキサム酸として1日あたり400〜750mgが好ましい。
本発明の固形製剤におけるイブプロフェンと、ポリビニルアルコール及びケイ酸の配合比はイブプロフェン1質量部に対してポリビニルアルコール及びケイ酸の合計質量が0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部が更に好ましい。
本発明の固形製剤におけるポリビニルアルコール及びケイ酸の配合比は、ポリビニルアルコール1質量部に対してケイ酸0.1〜1質量部が好ましく、0.2〜1質量部が更に好ましい。
本発明の固形製剤は、イブプロフェンとトラネキサム酸以外の薬効成分、例えば、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、ノスカピン類、気管支拡張剤、去痰剤、催眠鎮静剤、ビタミン類、抗炎症剤、胃粘膜保護剤、生薬類、漢方処方、カフェイン類等からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでいても良い。
解熱鎮痛剤としては、例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、サリチル酸ナトリウム等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば、アゼラスチン塩酸塩、イソチペンジル塩酸塩、クレマスチンフマル酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェテロール塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェネタジン塩酸塩、メトジラジン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、アリメマジン酒石酸塩、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、 dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、メキタジン、ジフェテロールリン酸塩等が挙げられる。
鎮咳剤としては、例えば、アロクラミド塩酸塩、クロペラスチン塩酸塩、クエン酸カルベタペンタン、クエン酸チペピジン、ジブナートナトリウム、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、チペピジンヒベンズ酸塩、フェンジゾ酸クロペラスチン、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩等が挙げられる。
ノスカピン類としては、例えば、ノスカピン塩酸塩、ノスカピン等が挙げられる。
気管支拡張剤としては、例えば、dl−メチルエフェドリン塩酸塩や、 dl−メチルエフェドリンサッカリン塩等が挙げられる。
去痰剤としては、例えば、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、カルボシステイン等が挙げられる。
催眠鎮静剤としては、ブロムワレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等が挙げられる。
抗炎症剤としては、塩化リゾチーム、セラプターゼ、グリチルリチン酸及びその類縁物質等が挙げられる。
胃粘膜保護剤としては、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム等が挙げられる.
生薬類としては、オキソアミヂン、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、石蒜、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆(ユウタンを含む)、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、地竜、チクセツニンジン、ニンジン等が挙げられる。
漢方処方としては、葛根湯、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯等が挙げられる。
カフェイン類としては、例えば、無水カフェインや、カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等が挙げられる。
本発明の固形製剤には、製剤添加物として、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等をさらに含んでいても良い。
賦形剤としては、乳糖、デンプン類、結晶セルロース、蔗糖、マンニトール等が挙げられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、プルラン等が挙げられる。崩壊剤としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。滑沢剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
本発明の固形製剤の剤形としては、例えば、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、錠剤、散剤等が挙げられるが、特に錠剤が好ましい。
本発明の固形製剤の形状としては、本発明の固形製剤にかかる成分が均一に固形製剤中に混在していてもよいが、イブプロフェンを含有する内層と、ポリビニルアルコールを含有する外層とを有することが望ましく、少なくとも前記外層中にケイ酸を含有させる場合がより好ましい。本発明において内層とは、固形製剤が多層構造をとる場合の内側の層をいい、内層が核であってもかまわない。また、内層が固形製剤であってもよく、その場合には、更に外層を形成することで本発明の固形製剤を構成する。
本発明では、予め製造したイブプロフェンとトラネキサム酸を含有する固形製剤を内層とし、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含む外層を更に形成させるのが好ましい。具体的には、糖衣層やフィルムコーティング層として、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含む外層を形成させたり、または核錠中にイブプロフェン及びトラネキサム酸を含有し、外殻にポリビニルアルコール及びケイ酸を含む有核錠とすること等が挙げられる。
本発明の固形製剤は公知の方法、例えば日本薬局方製剤総則等に記載の方法に従って製造することができる。例えば剤形が錠剤の場合、イブプロフェン、トラネキサム酸及び各種薬物や通常用いられる各種製剤添加物を用いて、公知の方法に基づき、混合または造粒し、得られた混合物または造粒物を、所望により滑沢剤を混合した後に打錠して素錠を製造し、ついで、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含む糖衣液またはフィルムコーティング液を用いて、公知の方法に基づき、糖衣またはフィルムコーティングを施すことにより、本発明の固形製剤を製造することができる。
なお、イブプロフェンとトラネキサム酸を分けて別々に造粒し、これら造粒物を一緒に打錠して、上述の素錠を製造してもよく、素錠として、イブプロフェンを核錠中に含みトラネキサム酸を外殻に含む有核錠、又はトラネキサム酸を核錠中に含みイブプロフェンを外殻に含む有核錠とすることもできる。トラネキサム酸によるイブプロフェンの昇華増大を避けるという観点から、イブプロフェンとトラネキサム酸を別々の造粒物として製造した素錠や上述の有核錠を素錠とするのが好ましい。
また、本発明においては、工程やコストなどの面で製造上優れていることから、フィルムコーティング錠とするのが好ましい。
本発明の固形製剤は、後記実施例からも明らかなように、密閉系保存容器内に封入され、密閉保存しても保存容器内壁に曇りは発生しない。ここで密閉系保存容器としては、密閉可能な保存容器(包装)であれば特に限定されるものではなく、例えば、瓶、缶、箱、袋(ピロー包装、スティック包装など)、PTP包装等の形態のものを挙げることができ、例えば、ガラス、樹脂、金属等を材料としたものを挙げることができ、これらの材料を複合構造や多層構造としたものも使用可能である。また、容器は不透明、半透明、又は透
明のいずれでもよいが、特に半透明又は透明の容器の場合には、容器内部の固形製剤の形状変化が目視できることから、目に見えて本発明の効果を把握することが可能である。
本発明の固形製剤は、薬効成分としてイブプロフェンに加え、更にトラネキサム酸を含むこともあるので、炎症の予防及び/又は治療用、解熱・鎮痛薬や風邪薬として用いられるものである。風邪薬の効能・効果としては、かぜの諸症状(のどの痛み、発熱、悪寒、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛みなど)の緩和が挙げられる。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[試験例1]
ガラス瓶(10K規格瓶)にシリカゲル(2g)と下記試料1と2をそれぞれ充填し密栓した後、60℃の条件下で保存した。保存から1週、2週、3週後の各時点でシリカゲルを取り出して重量を測定し、シリカゲルに吸着されたイブプロフェン重量のシリカゲル重量に対する相対値を算出した。結果を表1に示す。
試料1:イブプロフェン1g
試料2:イブプロフェン1g+トラネキサム酸1g
重量変化(%)=(B−A)×100/A
A:保存開始時のシリカゲル重量
B:保存後のシリカゲル重量
Figure 0005593420
表1より、イブプロフェン単独に比べて、イブプロフェンにトラネキサム酸を混合した場合は、イブプロフェンの昇華量が著しく大きいことが判明した。
[実施例1]
イブプロフェン900g(米沢浜理製:商品名 日本薬局方イブプロフェン)、トラネキサム酸1499.4g(第一三共プロファーマ製:商品名 日本薬局方トラネキサム酸)、ヒドロキシプロピルセルロース106.2g、結晶セルロース1897.2g、クロスカルメロースナトリウム360gを高速攪拌造粒機(深江工業製:FS−10型)に投入して混合後、精製水466gを添加して練合した。この造粒物を流動層乾燥機(フロイント産業製:FLO−5型)に投入して乾燥後、整粒機(岡田精工製:ND−10型)を用いて整粒した。この整粒物4762.8g及びステアリン酸マグネシウム97.2gを混合機(コトブキ製:PM50型)に投入して混合した後、直径8.5mmの杵を取り付けた打錠機(畑鉄工所製:HT−AP18SS型)を用いて打錠し、1錠の質量が270mgの錠剤18000錠を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製:商品名 ポバール2
05S(重合度500、けん化度86.5〜89.0mol%))486g、軽質無水ケイ酸(日本アエロジル製:商品名 アエロジル300)243g、トリアセチン81g及び精製水10800gからなるフィルムコーティング液を調製した後、錠剤コーティング機(パウレック製:ドリアコーター650DS)によりコーティングし、1錠の質量が280mgのフィルムコーティング錠15000錠を得た。
[比較例1]
実施例1の軽質無水ケイ酸の代わりにタルク(日本タルク製:商品名 タルクMS)243gを添加し、その他は実施例1と同様にして錠剤を得た。
[比較例2]
実施例1のポリビニルアルコールの代わりにヒプロメロース(信越化学工業製:商品名TC−5R)486gを添加し、その他は実施例1と同様にして錠剤を得た。
[試験例2]昇華抑制の評価
実施例1、比較例1及び2で得た錠剤各20錠ずつガラス瓶(10K規格)に入れ、密栓した後、40℃で3箇月間保存した。保存期間経過後、目視によって、ガラス瓶内壁の曇りの有無を判定した。結果を表2に示す。
Figure 0005593420
表2から明らかなように、比較例1及び2ではガラス瓶内壁に曇りが認められた。一方、ポリビニルアルコール及びケイ酸を配合した実施例1では、ガラス瓶内壁に曇りは全く認められなかった。したがって、ポリビニルアルコール及びケイ酸を配合することにより、イブプロフェンの昇華を抑制することがわかった。
本発明によれば、イブプロフェンの昇華が抑制されるイブプロフェン、特にイブプロフェンとトラネキサム酸を含む固形製剤を提供することができる。

Claims (8)

  1. イブプロフェンを含む内層と、ポリビニルアルコール及びケイ酸を含む外層を有する固形製剤。
  2. イブプロフェンを1日投与量として300〜600mg含有する請求項1記載の固形製剤。
  3. 更に、トラネキサム酸を内層中に含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固形製剤。
  4. トラネキサム酸を1日投与量として400〜750mg含有する請求項3に記載の固形製剤。
  5. ケイ酸が、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、無水ケイ酸水加物から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形製剤。
  6. ポリビニルアルコールが、部分けん化物又は完全けん化物である請求項1〜のいずれか1項に記載の固形製剤。
  7. 密閉系保存容器に封入され、密閉保存されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の固形製剤。
  8. 剤形が錠剤である請求項1〜のいずれか1項に記載の固形製剤。
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