JP2019142840A - 固形医薬製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】疾患治療成分等は、経時的に吸湿する。固形医薬製剤中の疾患治療成分等が吸湿すると、服用後に、固形医薬製剤中の疾患治療成分等が分散しにくくなったり(分散性の低下)、固形医薬製剤が崩壊しにくくなったり(崩壊性の低下)する。分散性や崩壊性が低下すると、医薬製剤による薬理作用が即時に現れにくい。そこで、吸湿しにくい固形医薬製剤を目的とする。【解決手段】消化器官及び消化系統の双方もしくはいずれか一方の疾患治療成分(A)と、メロキシカム及びその医薬的に許容可能な塩から選ばれる少なくとも1種の薬物(B)とを含有することよりなる。前記(A)成分が特定の物質であり、かつ(A)成分に対する(B)成分の含有量が特定の範囲であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、固形医薬製剤に関する。
解熱鎮痛薬等の医薬製剤は、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)等が解熱鎮痛成分として汎用されている。
NSAIDsは、胃荒れ(胃障害)の原因となることがある。胃障害の抑制を図るために、制酸剤を配合した医薬製剤が知られている。例えば、特許文献1には、NSAIDsと制酸剤との組み合わせからなる配合物が開示されている。
特開平4−230330号公報
ところで、消化器官及び消化系統の双方もしくはいずれか一方の疾患治療成分(例えば、制酸剤、胃酸分泌抑制剤、ムスカリン受容体拮抗剤、防御因子促進剤等)は、経時的に吸湿する。固形医薬製剤中の疾患治療成分等が吸湿すると、服用後に、固形医薬製剤中の疾患治療成分等が分散しにくくなったり(分散性の低下)、固形医薬製剤が崩壊しにくくなったり(崩壊性の低下)する。分散性や崩壊性が低下すると、医薬製剤による薬理作用が即時に現れにくい。
そこで、本発明は、吸湿しにくい固形医薬製剤を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]消化器官及び消化系統の双方もしくはいずれか一方の疾患治療成分(A)と、メロキシカム及びその医薬的に許容可能な塩から選ばれる少なくとも1種の薬物(B)とを含有する固形医薬製剤。
[2]前記(A)成分は、乾燥水酸化アルミニウムゲル、グリシン、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム−炭酸マグネシウム共乾燥ゲル、水酸化アルミニウム−重炭酸ナトリウム共沈殿物、水酸化アルミニウム−炭酸カルシウム−炭酸マグネシウム共沈殿物、水酸化マグネシウム−硫酸アルミニウムカリウム共沈殿物及び炭酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である第一の制酸剤(a1)であり、
前記(B)成分/前記(a1)成分で表される質量比は、0.01〜0.25である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[3]前記(A)成分は、酸化マグネシウム(a2)であり、
前記(B)成分/前記(a2)成分で表される質量比は、0.02〜0.4である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[4]前記(A)成分は、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(a3)であり、
前記(B)成分/前記(a3)成分で表される質量比は、0.0067〜0.25である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[5]前記(A)成分は、合成ケイ酸アルミニウム(a4)であり、
前記(B)成分/前記(a4)成分で表される質量比は、0.0033〜0.067である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[6]前記(A)成分は、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸(a5)であり、
前記(B)成分/前記(a5)成分で表される質量比は、0.0067〜0.33である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[7]前記(A)成分は、合成ヒドロタルサイト(a6)であり、
前記(B)成分/前記(a6)成分で表される質量比は、0.0025〜0.1である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[8]前記(A)成分は、防御因子促進剤(a10)である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[9]前記(A)成分は、アルミノケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウムアルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈殿炭酸カルシウム、無水第二リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムから選ばれる少なくとも1種である第二の制酸剤(a7)である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[10]前記(A)成分は、胃酸分泌抑制剤(a8)である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[11]前記(A)成分は、ムスカリン受容体拮抗剤(a9)である、[1]に記載の固形医薬製剤。
[12]錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤又は細粒剤である、[1]〜[11]のいずれかに記載の固形医薬製剤。
[13]前記(B)成分の含有量が1〜25質量%である、[1]〜[12]のいずれかに記載の固形医薬製剤。
本発明の固形医薬製剤によれば、吸湿の抑制を図れる。
錠剤の一例(標準R錠又は糖衣R錠)を示す側面図である。 錠剤の他の例(2段R錠)を示す側面図である。 錠剤の他の例(円形スミ角平錠)を示す側面図である。 錠剤の他の例(円形スミ丸平錠)を示す側面図である。
(固形医薬製剤)
本発明の固形医薬製剤は、消化器官及び消化系統の双方もしくはいずれか一方の疾患治療成分(A)((A)成分)と、メロキシカム及びその医薬的に許容可能な塩から選ばれる少なくとも1種の薬物(B)((B)成分)とを含有する。
<(A)成分>
(A)成分は、消化器官及び消化系統の双方もしくはいずれか一方の疾患治療成分であり、胃腸薬成分ともいう。好ましい(A)成分は、制酸剤、胃酸分泌抑制剤、ムスカリン受容体拮抗剤、防御因子促進剤である。(A)成分は、第17改正日本薬局方又は日本薬局方外医薬品規格に収載されている化合物であればよい。
(A)成分としては、乾燥水酸化アルミニウムゲル、グリシン、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム−炭酸マグネシウム共乾燥ゲル、水酸化アルミニウム−重炭酸ナトリウム共沈殿物、水酸化アルミニウム−炭酸カルシウム−炭酸マグネシウム共沈殿物、水酸化マグネシウム−硫酸アルミニウムカリウム共沈殿物、炭酸マグネシウム(以上、第一の制酸剤(a1)((a1)成分)ということがある);酸化マグネシウム(a2)((a2)成分);メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(アルミノメタケイ酸マグネシウム)(a3)((a3)成分);合成ケイ酸アルミニウム(a4)((a4)成分);ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸(a5)((a5)成分);合成ヒドロタルサイト(a6)((a6)成分);アルミノケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウムアルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈殿炭酸カルシウム、無水第二リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム(以上、第二の制酸剤(a7)((a7)成分)ということがある);ラニチジン、ラニチジン塩酸塩、ファモチジン、シメチジン、塩酸ロキサチジンアセタート、ニザチジン、ラフチジン、ランソプラゾール、ラベプラゾール、オメプラゾール(以上、胃酸分泌抑制剤(a8)((a8)成分)ということがある));ピレンゼピン、アトロピン、スコポラミン(以上、ムスカリン受容体拮抗剤(a9)((a9)成分)ということがある));スクラルファート、アルジオキサ、アズレン、L−グルタミン、レバミピド(以上、防御因子促進剤(a10)((a10)成分)ということがある))が挙げられる。中でも、(A)成分としては、(a1)〜(a6)、(a8)〜(a10)成分が好ましい。
(A)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
固形医薬製剤中の(A)成分の含有量は、(A)成分の種類及び有効量、(B)成分の含有量等を勘案して決定される。
<(B)成分>
(B)成分は、メロキシカム(化学名:4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(5−メチル−2−チアゾリル)−2H−1,2−ベンゾチアジン−3−カルボキサミド−1,1−ジオキシド)及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の薬物である。メロキシカムの医薬的に許容可能な塩としては、例えば、欧州特許第0,002,482B1号明細書、米国特許第4,233,299号明細書及び国際公開第99/49867号に記載されているものが挙げられる。許容可能な塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、メグルミン塩、トリス塩等が挙げられる。
上記(B)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
固形医薬製剤は、(B)成分を含むことで、吸湿の抑制が図れる。従来、(B)成分は、選択的COX−2の抑制作用を有し、関節痛、腰痛、肩こり痛等に効能を持つオキシカム系非ステロイド性抗炎症薬として知られている。しかし、(B)成分が吸湿の抑制を図れることは、これまで知られていない。
固形医薬製剤中の(B)成分の含有量は、服用1回当たりの(B)成分の量が0.5〜〜70mgとなる量が好ましく、2.5〜50mgがより好ましく、5〜10mgがさらに好ましく、10mgが最も好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、錠剤製造時の障害(例えば、打錠機の盤や杵に対する医薬組成物の付着等)を生じにくい。
固形医薬製剤中の(B)成分の含有量は、例えば、1〜25質量%が好ましく、1.5〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
固形医薬製剤中、(A)成分の含有量は、(A)成分の種類等を勘案して決定される。
固形医薬製剤中、(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下、B/A比)は、(A)成分の種類等を勘案して適宜決定される。なお、B/A比は、(A)成分に対する(B)成分の質量比である。
(A)成分が(a1)成分である場合、(a1)成分の含有量は、40〜1000mgが好ましく、60〜350mgがより好ましく、70〜350mgがさらに好ましい。(a1)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a1)成分の含有量が上記下限値以上であれば、胃障害をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a1)成分で表される質量比(B/a1比)の下限値は、0.01以上が好ましく、0.014以上がより好ましく、0.029以上がさらに好ましい。B/a1の上限値は、0.25以下が好ましく、0.17以下がより好ましく、0.14以下がさらに好ましい。B/a1比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a1比が上記上限値以下であれば、胃障害をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
(A)成分が(a2)成分である場合、(a2)成分の含有量は、25〜500mgが好ましく、30〜65mgがより好ましく、33〜60mgがさらに好ましい。(a2)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a2)成分の含有量が上記下限値以上であれば、胃障害をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a2)成分で表される質量比(B/a2比)の下限値は、0.02以上が好ましく、0.083以上がより好ましく、0.15以上がさらに好ましく、0.17以上が最も好ましい。B/a2比の上限値は、0.4以下が好ましく、0.33以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい。B/a2比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a2比が上記上限値以下であれば、胃障害をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
(A)成分が(a3)成分である場合、(a3)成分の含有量は、40〜1500mgが好ましく、80〜200mgがより好ましく、90〜150mgがさらに好ましい。(a3)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a3)成分の含有量が上記下限値以上であれば、胃障害をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a3)成分で表される質量比(B/a3比)の下限値は、0.0067以上が好ましく、0.033以上がより好ましく、0.05以上がさらに好ましく、0.067以上が最も好ましい。B/a3比の上限値は、0.25以下が好ましく、0.13以下がより好ましく、0.11以下がさらに好ましい。B/a3比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a3比が上記上限値以下であれば、胃障害をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
(A)成分が(a4)成分である場合、(a4)成分の含有量は、150〜3000mgが好ましく、190〜2000mgがより好ましく、250〜400mgがさらに好ましい。(a4)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a4)成分の含有量が上記下限値以上であれば、胃障害をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a4)成分で表される質量比(B/a4比)の下限値は、0.0033以上が好ましく、0.00125以上がより好ましく、0.005以上がさらに好ましく、0.025以上が最も好ましい。B/a4比の上限値は、0.067以下が好ましく、0.053以下がより好ましく、0.04以下がさらに好ましい。B/a4比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a4比が上記上限値以下であれば、胃障害をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
(A)成分が(a5)成分である場合、(a5)成分の含有量は、30〜1500mgが好ましく、50〜120mgがより好ましく、70〜110mgがさらに好ましい。(a5)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a5)成分の含有量が上記下限値以上であれば、胃障害をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a5)成分で表される質量比(B/a5比)の下限値は、0.0067以上が好ましく、0.045以上がより好ましく、0.083以上がさらに好ましく、0.091以上が最も好ましい。B/a5比の上限値は、0.33以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.14以下がさらに好ましい。B/a5比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a5比が上記上限値以下であれば、胃障害をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
(A)成分が(a6)成分である場合、(a6)成分の含有量は、100〜4000mgが好ましく、200〜1000mgがより好ましく、250〜400mgがさらに好ましい。(a6)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a6)成分の含有量が上記下限値以上であれば、胃障害をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a6)成分で表される質量比(B/a6比)の下限値は、0.0025以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.0125以上がさらに好ましく、0.025以上が最も好ましい。B/a6比の上限値は、0.1以下が好ましく、0.05以下がより好ましく、0.04以下がさらに好ましい。B/a6比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a6比が上記上限値以下であれば、胃障害をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
(A)成分が(a7)成分である場合、(a7)成分の含有量は、30〜2000mgが好ましく、60〜1000mgがより好ましく、80〜500mgがさらに好ましい。(a7)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a7)成分の含有量が上記下限値以上であれば、胃障害をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a7)成分で表される質量比(B/a7比)の下限値は、0.005以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.02以上がさらに好ましい。B/a7比の上限値は、0.33以下が好ましく、0.17以下がより好ましく、0.125以下がさらに好ましい。B/a7比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a7比が上記上限値以下であれば、胃障害をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
(A)成分が(a8)成分である場合、(a8)成分の含有量は、1〜500mgが好ましく、5〜400mgがより好ましい。(a8)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a8)成分の含有量が上記下限値以上であれば、胃酸の分泌をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a8)成分で表される質量比(B/a8比)の下限値は、0.00625以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.025以上がさらに好ましい。上限としては、10以下が好ましく、2以下がより好ましい。B/a8比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a8比が上記上限値以下であれば、胃酸の分泌をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
(A)成分が(a9)成分である場合、(a9)成分の含有量は、0.01〜100mgが好ましく、0.1〜50mgがより好ましい。(a9)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a9)成分の含有量が上記下限値以上であれば、ムスカリン受容体の刺激が阻害されやすくなり消化液の分泌をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a9)成分で表される質量比(B/a9比)の下限値は、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.2以上がさらに好ましい。B/a9の上限値は、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、100以下がさらに好ましい。B/a9比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a9比が上記上限値以下であれば、ムスカリン受容体の刺激が阻害されやすくなり消化液の分泌をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
(A)成分が(a10)成分である場合、(a10)成分の含有量は、1〜3000mgが好ましく、10〜2000mgがより好ましい。(a10)成分の含有量が上記上限値以下であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。(a10)成分の含有量が上記下限値以上であれば、消化器粘膜が保護されやすくなるため胃障害をより良好に抑制できる。
固形医薬製剤中、(B)成分/(a10)成分で表される質量比(B/a10比)の下限値は、0.00125以上が好ましく、0.0033以上がより好ましく、0.005以上がさらに好ましい。B/a10の上限値は、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。B/a10比が上記下限値以上であれば、固形医薬製剤における吸湿のさらなる低減を図れる。B/a10比が上記上限値以下であれば、消化器粘膜が保護されやすくなるため胃障害をより良好に抑制でき、固形医薬製剤が錠剤である場合に、摩損度が抑えられる。
固形医薬製剤中の(A)成分と(B)成分との合計量は、1回の服用量(例えば1錠当たり)に対し、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。(A)成分と(B)成分との合計量が上記下限値以上であれば、1回の服用量が過剰になりにくい。(A)成分と(B)成分との合計量が上記上限値以下であれば、目的に応じて、後述の任意成分を充分量で配合しやすい。
<任意成分>
固形医薬製剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分及び(B)成分以外の他の成分(任意成分)をさらに含んでいてもよい。
任意成分としては、生理活性成分(ただし、(A)〜(B)成分を除く)、添加剤等が挙げられる。
生理活性成分の例としては、解熱鎮痛成分(ただし、(B)成分を除く。)(例えばピロキシカム、アンピロキシカム、セロコキシブ、ロフェコキシブ、チアラミド、ロキソプロフェンNa、エテンザミド、スルピリン、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸等)、鎮静催眠成分(例えば、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等)、抗ヒスタミン成分(例えば、塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等)、中枢興奮成分(例えば、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン等)、鎮咳去痰成分(コデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、dl−メチルエフェドリン、ブロムヘキシン塩酸塩、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン)、ビタミン成分(例えば、ビタミンB及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB12及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンD及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等)、生薬(イレイセン、エンゴサク、オウゴン、ガイハク、カンゾウ、キキョウ、シャクヤク、セネガ等、第十七改正日本薬局方 医薬品各条「生薬等」に収載の成分)等が挙げられる。これらの生理活性成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
添加剤の例としては、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、香料、色素、基材、甘味剤、酸味料等が挙げられる。
結合剤としては、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等が挙げられる。賦形剤としては、結晶セルロース、乳糖(水和物)、コーンスターチ、粉糖、マンニトール、L−システイン等が挙げられる。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。香料としては、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)等が挙げられる。
色素としては、三二酸化鉄等が挙げられる。基材としては、水、エタノール等が挙げられる。甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。
酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸及びそれらの塩等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、(A)〜(B)成分及び任意成分の合計は、100質量%を超えない。
固形医薬製剤の投与形態としては、経口投与が挙げられる。経口投与に用いられる固形医薬製剤としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、細粒剤等が挙げられる。錠剤としては、素錠、コーティング錠(フィルムコーティング錠、糖衣錠等)等が挙げられる。また、固形医薬製剤は、口腔崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠等でもよい。
錠剤の寸法は、本発明の効果の点では特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の点から、錠剤の直径φは、6〜14mmが好ましい。
錠剤の形状は、本発明の効果の点では特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の点から、円柱部及び前記円柱部より上下に膨出する膨出部とを有する形状が好ましい。前記の円柱部及び膨出部を有する形状の錠剤としては、R錠(標準R錠、糖衣R錠等)、2段R錠、スミ角平錠、スミ丸平錠等が挙げられる。これらの錠剤の膨出部は上下非対称であってもよいが、上下対称であることが好ましい。
以下に、図面を用いて、標準R錠又は糖衣R錠、2段R錠、円形スミ角平錠、円形スミ丸平錠の形状について詳細に説明する。
図1に示すように、標準R錠又は糖衣R錠100は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有し、第一の膨出部12、第二の膨出部22それぞれの表面の曲線の曲率半径Rが、膨出部表面の位置によらず一定である両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かうに従って膨出する。第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かうに従って膨出する。
ここで、「第一の膨出部12の表面の曲線の曲率半径」とは、天頂12Aを通るように、円柱部8の端面に対して垂直方向に切断した際の断面において、第一の膨出部12の表面が描く曲線を円の一部とみなした際のその円の半径をいう。
「第二の膨出部22の表面の曲線の曲率半径」とは、天頂22Aを通るように、円柱部8の端面に対して垂直方向に切断した際の断面において、第二の膨出部22の表面が描く曲線を円の一部とみなした際のその円の半径をいう。
第一の膨出部12における天頂12Aは、一方の端面に対して最も高いところに位置する点である。第二の膨出部22における天頂22Aは、他方の端面に対して最も低いところに位置する点である。
第一の膨出部12の曲率半径Rと第二の膨出部22の曲率半径Rとは、同じでもよく、異なってもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
図2に示すように、2段R錠200は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有し、第一の膨出部12、第二の膨出部22それぞれの周縁からの立ち上がり部の曲率半径R1と天頂12Aの曲率半径R2とが異なり、R1<R2である両凸面錠剤である。
ここで、「第一の膨出部12の表面の曲線の曲率半径」「第一の膨出部22の表面の曲線の曲率半径」とは、標準R錠又は糖衣R錠100と同様である。
第一の膨出部12の曲率半径R1と第二の膨出部22の曲率半径R1とは、同じであってもよく、異なっていてもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
第一の膨出部12の曲率半径R2と第二の膨出部22の曲率半径R2とは、同じであってもよく、異なっていてもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
図3に示すように、円形スミ角平錠300は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有する両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かい所定の立ち上がり角度θにて直線的に立ち上がり、天頂12Aを含む任意の領域が平面となる。
第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かい所定の立ち上がり角度θにて直線的に立ち上がり、天頂22Aを含む任意の領域が平面となる。
第一の膨出部12における立ち上がり角度θと、第二の膨出部22における立ち上がり角度θとは、同じであってもよく、異なっていてもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
図4に示すように、円形スミ丸平錠400は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有する両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かい所定のRにて立ち上がり、天頂12Aを含む任意の領域が平面となる。
第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かい所定のRにて立ち上がり、天頂22Aを含む任意の領域が平面となる。
第一の膨出部12の曲率半径Rと第二の膨出部22の曲率半径Rとは、同じであってもよく、異なっていてもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
図1〜4に示すように、標準R錠又は糖衣R錠100、2段R錠200、円形スミ角平錠300、円形スミ丸平錠400はそれぞれ、第一の膨出部12の外周に平面視円環状の水平面(ランド部14)を有し、第二の膨出部22の外周に平面視円環状の水平面(ランド部24)を有する。
ランド部14の幅はWである。「ランド部14の幅」とは、第一の膨出部12の周縁から端面周縁までの距離のことである。
ランド部24の幅は、Wと同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、ランド部24の幅は、Wと同じであることが好ましい。
錠剤の大きさは、服用性の観点から、以下の範囲に含まれることが好ましい。
・標準R錠…R=4.0〜24.0mm、ランド部の幅W=0.05〜0.1mm。
・糖衣R錠…R=2.0〜18.5mm、ランド部の幅W=0.01〜0.1mm。
・2段R錠…R1=1.2〜8.0mm、R2=4.5〜33mm、ランド部の幅W=0.05〜0.1mm。
・円形スミ丸平錠…R=0.7〜5.0mm、ランド部の幅W=0.05〜0.1mm。
・円形スミ角平錠…立ち上り角度θ=25〜35°、ランド部の幅W=0.05〜0.1mm。
ただし、錠剤の形状は、上述の例には限定されない。錠剤は、例えば、ランド部を有さず、錠剤周縁部と膨出立ち上がり部とが接していてもよい。錠剤の形状が円形スミ角平錠又は円形スミ丸平錠の場合、第一の膨出部における天頂を含む任意の領域及び第二の膨出部における天頂を含む任意の領域のいずれか一方が平面でなくてもよい。錠剤の形状は、平面視円形でなくてもよく、平面視楕円形や、平面視方形、平面視円形と平面視方形とが複合した形状であってもよい。
錠剤の刻印はあってもなくてもよい。
第17改正日本薬局方によれば、錠剤の摩損度は1.0質量%以下が好ましいとされている。しかしながら、後述の理由から、本発明における錠剤の摩損度は、0.5質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。摩損度が上記上限値以下であれば、PTP(Press Through Pack)包装に充填して持ち歩いても、欠損等を生じにくい。なお、本発明における錠剤の摩損度は、第17改正日本薬局方に収載の錠剤の摩損度試験法に準じて行う。
(製造方法)
固形医薬製剤の製造方法は特に限定されず、公知の製造方法により製造できる。例えば(A)成分、(B)成分及び必要に応じて他の成分を粉体混合して、混合物を得る。錠剤(素錠、コーティング錠)を得る場合は、得られた混合物を打錠機で成形して素錠とし、必要に応じてコーティングを施すことで錠剤を製造する。好ましくは、(A)成分を(B)成分と共混合する。これにより、混合物中で(A)、(B)各成分が均一に分散しやすく、混合回数を減らしたり、混合時間を短くしたりできる。粉体同士が均一に混合されると、製造工程数を増やす必要がなくなり、生産コストを抑制できる。なお、共混合する場合の(A)成分と(B)成分の好適比率は、吸湿抑制のための好適比率と同様である。
以上説明した通り、本発明の固形医薬組成物によれば、(A)〜(B)成分を併有するため、吸湿の抑制を図れる。このため、本発明の固形医薬製剤は、吸湿の抑制が図られ、分散性、崩壊性が高まる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分>
a1−1:乾燥水酸化アルミニウムゲル(ALゲル、商品名:S−100、規格:日局、協和化学工業株式会社製)。
a1−2:グリシン(商品名:グリシン、規格:日局、和光純薬工業株式会社製)。
a2:酸化マグネシウム(MgO、商品名:日局酸化マグネシウム 重質、規格:日局、協和化学工業株式会社製)。
a3:メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(メタケイ酸ALMg、商品名:ノイシリン、規格:局外規、富士化学工業株式会社)。
a4:合成ケイ酸アルミニウム(合成ケイ酸AL、商品名:合成ケイ酸アルミニウム、規格:局外規、協和化学工業株式会社製)。
a5:ジヒドロキシアルミニウム酢酸(ジヒドロキシAL酢酸、商品名:グリシナール、規格:局外規、協和化学工業株式会社製)。
a6:合成ヒドロタルサイト(合成HT、商品名:アルカマックSN、規格:局外規、協和化学工業株式会社製)。
a8:ラニチジン塩酸塩(商品名:ラニチジン塩酸塩、規格:局外規、江▲蘇▼▲漢▼斯通▲薬▼▲業▼有限公司製)。
a10:スクラルファート(商品名:スクラルファート水和物、規格:局外規、富士化学工業株式会社製)。
<(B)成分>
b1:メロキシカム(商品名:メロキシカム、SUN Pharma社製)。
<任意成分>
コーンスターチ:(トウモロコシデンプン、松谷化学工業株式会社製)。
ステアリン酸マグネシウム:(ステアリン酸Mg、太平化学産業株式会社製)。
乳糖:(Pharmatose200M(商品名)、DMV社製)。
(例1〜9)
表1〜4に示す組成(単位:質量部)に基づき、(A)〜(B)成分をポリエチレン袋内で粉体混合して、200gの混合粉体を得た。
各例の混合粉体5gをガラス製ねじ口瓶(SV−50A)に入れて、測定試料とした。
ねじ口瓶の蓋をせずに、測定試料を40℃、75%RHの恒温恒湿槽で3日間保存した。保存前後の質量を測定し、その差を吸湿量(g)とした。求めた吸湿量に基づき、下記式(s)により、吸湿抑制率Qを求めた。その結果を表中に示す。
吸湿抑制率Q(%)=(N−M)÷N×100 …(s)
式(s)中、Nは(B)成分を抜いた配合における(A)成分1g当たりの吸湿量(g)である。Mは、各実施例における(A)成分1g当たりの吸湿量(g)である。例えば、実施例1−1〜1−3の吸湿抑制率の算出に際しては、Nは比較例1の(A)成分1g当たりの吸湿量(g)であり、Mは実施例1−1〜1−3における(A)成分1g当たりの吸湿量(g)である。
Figure 2019142840
Figure 2019142840
Figure 2019142840
Figure 2019142840
表1〜4に示すように、例1〜9の各実施例は、吸湿抑制率が25〜100%であった。
以上の結果から、本発明を適用することで、固形医薬製剤の吸湿性の抑制を図れることが確認された。
(例11)
表5に示す組成(単位:質量部)に基づき、(A)〜(B)成分及び任意成分をポリエチレン袋内で粉体混合して、3kgの混合粉体を得た。
ロータリー式打錠機(VIRG−2L、菊水製作所製)で、得られた混合粉体を杵直径φ8mm、R1=1.9mm、R2=25.35mm、W=0.1mm、打錠圧3kNにて打錠して、各例の錠剤(2段R錠)を得た。
各例の錠剤5gをガラス製ねじ口瓶(SV−50A)に入れて、測定試料とした。
ねじ口瓶の蓋をせずに、測定試料を40℃、75%RHの恒温恒湿槽で3日間保存した。保存前後の質量を測定し、その差を吸湿量(g)とした。求めた吸湿量に基づき、上記式(s)により、吸湿抑制率Qを求めた。その結果を表中に示す。
なお、式(s)中のNは、(B)成分を抜いた配合における(A)成分1g当たりの吸湿量(g)であり、Mは、各実施例における(A)成分1g当たりの吸湿量(g)である。
Figure 2019142840
表5に示すように、本発明を適用した実施例11−1〜11−2は、吸湿抑制率が45〜50%であった。
以上の結果から、本発明を適用することで、固形医薬製剤の吸湿性の抑制を図れることが確認された。
(例20)
表6に示す組成(単位:質量部)に基づき、例11と同様にして各例の錠剤を得た。得られた錠剤について、例11と同様にして吸湿抑制率を測定し、その結果を表中に示す。また、各例の錠剤について、第17改正日本薬局方の「錠剤の摩損度試験法」に則って摩損度(質量%)を測定し、その結果を表中に示す。
Figure 2019142840
表6に示すように、本発明を適用した実施例20−1〜20−5の吸湿抑制率は、26〜54%であった。以上の結果から、本発明を適用することで、固形医薬製剤の吸湿性の抑制を図れることが確認された。
また、実施例20−1〜20−5の摩損度は、0.05〜0.4質量%であった。

Claims (10)

  1. 消化器官及び消化系統の双方もしくはいずれか一方の疾患治療成分(A)と、メロキシカム及びその医薬的に許容可能な塩から選ばれる少なくとも1種の薬物(B)とを含有する固形医薬製剤。
  2. 前記(A)成分は、乾燥水酸化アルミニウムゲル、グリシン、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム−炭酸マグネシウム共乾燥ゲル、水酸化アルミニウム−重炭酸ナトリウム共沈殿物、水酸化アルミニウム−炭酸カルシウム−炭酸マグネシウム共沈殿物、水酸化マグネシウム−硫酸アルミニウムカリウム共沈殿物及び炭酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である第一の制酸剤(a1)であり、
    前記(B)成分/前記(a1)成分で表される質量比は、0.01〜0.25である、請求項1に記載の固形医薬製剤。
  3. 前記(A)成分は、酸化マグネシウム(a2)であり、
    前記(B)成分/前記(a2)成分で表される質量比は、0.02〜0.4である、請求項1に記載の固形医薬製剤。
  4. 前記(A)成分は、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(a3)であり、
    前記(B)成分/前記(a3)成分で表される質量比は、0.0067〜0.25である、請求項1に記載の固形医薬製剤。
  5. 前記(A)成分は、合成ケイ酸アルミニウム(a4)であり、
    前記(B)成分/前記(a4)成分で表される質量比は、0.0033〜0.067である、請求項1に記載の固形医薬製剤。
  6. 前記(A)成分は、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸(a5)であり、
    前記(B)成分/前記(a5)成分で表される質量比は、0.0067〜0.33である、請求項1に記載の固形医薬製剤。
  7. 前記(A)成分は、合成ヒドロタルサイト(a6)であり、
    前記(B)成分/前記(a6)成分で表される質量比は、0.0025〜0.1である、請求項1に記載の固形医薬製剤。
  8. 前記(A)成分は、防御因子促進剤(a10)である、請求項1に記載の固形医薬製剤。
  9. 錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤又は細粒剤である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の固形医薬製剤。
  10. 前記(B)成分の含有量が1〜25質量%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の固形医薬製剤。
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