JP2000095707A - 苦味を有する薬物を含有する口中溶解型又は咀嚼型固形内服医薬組成物 - Google Patents

苦味を有する薬物を含有する口中溶解型又は咀嚼型固形内服医薬組成物

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JP2000095707A
JP2000095707A JP10268000A JP26800098A JP2000095707A JP 2000095707 A JP2000095707 A JP 2000095707A JP 10268000 A JP10268000 A JP 10268000A JP 26800098 A JP26800098 A JP 26800098A JP 2000095707 A JP2000095707 A JP 2000095707A
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Seiji Azuma
清次 東
Masashi Mizutani
誠志 水谷
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 苦味のある薬物を含有する服用し易い医薬製
剤を提供する。 【解決手段】 苦味を有する薬物と、0.1〜2.25重
量%のメントールとを含有する口中溶解型又は咀嚼型の
固形内服医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、服薬が容易な溶解
型又は咀嚼型の固形内服医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活の質(QOL; Quality of lif
e)の向上の必要性が重要視されている。医療の分野で
は、患者のQOLの向上と関連して、医薬に安全性及び
有効性に加えて服薬し易さが求められるようになってい
る。従来は、苦い薬や服用し難い形態の薬であっても患
者は我慢して服用するのが当然とされていた。しかし、
そのような服用に際して患者に負担を強いるような医薬
の場合、服薬指示が守られない恐れがあり、適切な治療
効果を得られない場合がある。従って、薬効が同等であ
れば、服用し易い製剤の方が望ましいのは、単に、患者
の負担を軽減するだけでなく、コンプライアンス(服薬
遵守)を向上し、予定の治療効果を達成するという点か
らも当然のことである。このような理由から、患者のQ
OLのみならずコンプライアンスを高め、適切な治療を
行うためにも、服用し易い医薬製剤を提供する必要があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常の固形内服薬は、
多量の水又は温湯と一緒に服用しなければならず、高齢
者や起き上ることができない患者の場合、服用が困難で
ある。また、水が簡単に手に入らない場合にも服用指示
が守られ難いという問題がある。これに対して口中溶解
型又は咀嚼型の固形製剤であれば、高齢者でも服用が容
易であり、また、どのような姿勢であっても服用が可能
である。しかも、水が不要であることから、水の有無と
関係無く服用時間を確実に守ることができる。しかし、
これらの口中で徐々に溶解させるか、又は咀嚼するタイ
プの製剤は、薬物の口中滞留時間が長いために、苦みに
代表される不快な刺激を伴う薬物を含有する場合には、
服用指示を守ることが困難である。しかるに、多くの薬
物が苦味、酸味、渋み等の不快な味又は刺激を有するこ
とから、口中溶解型又は咀嚼型の製剤に適用できる薬物
には制限があった。
【0004】従来、ある薬効成分の苦味などをマスキン
グする方法として、物理的に担体吸着させる方法や、薬
効成分をマイクロカプセル化したり、被膜する方法が知
られている。しかし、これらの方法では製剤が大型化す
る傾向にあり、また担体や被膜による薬効成分の消化管
吸収阻害が起こったり、製剤化工程が複雑になるという
問題があった。また、薬効成分に甘味剤や矯味剤を添加
して製剤化する方法があるが、薬物ごとに不快感の種類
(苦味、酸味、渋み等)が相違し、苦味の閾値の大きさ
が異なるなどの理由から苦味等を充分に抑制できない場
合があり、マスキングの効果は必ずしも充分でなかっ
た。
【0005】さらに、内服固形製剤である以上、服用の
簡便さや不快な味の解消とは別に、消化管での薬物の放
出、吸収、効果の発現など、薬物の体内挙動の点で優れ
た性質を具備していなければならない。例えば、メント
ールは固形医薬組成物に爽快感や清涼感を与える目的で
配合されることが多いが、配合量の増加にともない、 (1)それ自身が苦味を有することから、製剤の苦味を
増強させる(特開平4−228033);(2)製剤か
らの薬物溶出を妨げ結果的に薬効を低下させる;又は
(3)保存中にウイスカーを析出させる、等の不都合が
あることが知られている。従来は、このような不都合を
避けるために、メントールの配合量を少量に抑える必要
があるとされており、通常の配合量は、0.1重量%未
満であった。このように、薬物の苦味をマスキングする
ためにメントールを増量することには弊害があると考え
られていたのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、服用し易
く製造工程が簡単で、有効な固形医薬組成物を提供する
ことを目的として鋭意、研究を重ねた結果、口中溶解型
又は口中咀嚼型固形製剤に特定量のメントールを配合し
た場合、薬物の不快な味が改善され、かつ製剤の性質や
薬効発現には影響がないことを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、苦味を有する薬物と、
0.1〜2.25重量%のメントールとを含有する口中溶
解型又は咀嚼型の固形医薬組成物を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の「口中溶解型又は咀嚼型
の固形医薬組成物」とは、口腔内で唾液の存在下、瞬時
又は漸次溶解させて服用する製剤、又は咀嚼、粉砕して
唾液と混合することにより一部又は全部を溶解させてか
ら服用する製剤である。また、「苦味を有する薬物」と
は、本発明の目的の1つである患者のコンプライアンス
の向上という観点から、通常の感覚を有するヒトが、口
中で咀嚼又は溶解させて服用することに困難又は抵抗を
感じるような不快な味を有する薬物を指し、単に、文字
通りの苦みを有する薬物のみならず、渋み、酸味等の刺
激性の味を有する薬物をも包含し、薬物の種類は特に限
定されない。また、苦味のマスキング、薬物溶出速度の
制御のためのコーティングなどの処理を施した薬物もこ
の定義に含まれる。
【0008】後述の試験例に示すように、本発明の口中
溶解型又は咀嚼型の医薬組成物は薬物の苦味が適切にマ
スキングされており、しかもウイスカーの発生もなく長
期間安定である。予想外なことに、本発明組成物は、そ
れ自身苦味を有するメントールを大量に含有しているに
もかかわらず、薬物の苦味がマスキングされて服用し易
く、薬物の崩壊・溶出も良好である。このように、本発
明組成物は、コンプライアンスの向上に有効であり且
つ、服用後の消化管における溶出、吸収性に優れ、予定
された薬物挙動を達成して充分な薬理効果を発揮するこ
とができる優れた製剤である。溶出性の向上は、口中で
唾液と十分に混合されて溶出が促進された状態で消化管
に達し、唾液との混合物として吸収されやすい状態で吸
収部位に到達し、安定性を保って消化管から吸収される
ことに関連している。従って、本発明によれば、同量の
薬物を口中で溶解又は咀嚼することなく内服錠剤として
服用する場合に比較して、予想外に優れた治療効果を達
成することが可能である。
【0009】本発明では、メントール及び薬物が鼻腔粘
膜や気管支粘膜に直接作用することにより薬物治療効果
を高めることができるため、苦味を呈する薬物のなかで
も特に鼻炎症状治療用薬物、呼吸器症状治療用薬物とと
もに含有することがより好ましい。また、メントールの
清涼感が胃のむかつきを除去するのに効果的であること
から、胃腸治療用薬物をともに含有することも好まし
い。
【0010】本発明に用いられるメントールは、文献
(第13改正日本薬局方、D1050〜1058)に記
載されており、市販のものを使用することも可能であ
り、天然精油及び合成品のいずれも使用することができ
る。本発明のメントールはl体、dl体のいずれでもよ
く、さらにペパーミント油、ミント油、スペアーミント
油といったメントールを含有する精油なども本発明のメ
ントールに含まれる。本発明組成物中にメントールを
0.1〜2.25重量%の範囲で使用すると、苦味を伴う
ことなくすっきりとした清涼感を与え、患者のコンプラ
イアンスの向上に有効である。この範囲を越えると、メ
ントールの刺激が逆に不快感となりうる。一方、この範
囲よりも少ないと、薬物の苦味を充分にマスキングする
ことができない恐れがある。
【0011】本発明の組成物中のメントール配合量は、
上記の通り0.1〜2.25重量%の範囲が適当である。
この範囲で用いると薬物の苦味をマスキングし、かつウ
イスカーの発現を回避し安定な組成物を得ることができ
る。しかし、ウイスカーの発現回避とマスキング効果を
より充分に達成するためには、メントールの量が0.5
〜2.0重量%であることが好ましく、1.0%〜2.0
重量%であることがより好ましい。本発明組成物は、成
人のメントールの1回服用量が、2〜9mg、好ましく
は3〜9mg、より好ましくは4〜9mgの範囲となるよ
うに製造する。なお、成人1日当たりの投与量は6〜2
7mg、好ましくは9〜27mg、より好ましくは12〜2
7mgである。
【0012】本発明の医薬組成物には、任意の「苦味を
有する薬物」を、それぞれの薬物のついて規定された
量、含有させることができる。そのような薬物として、
中枢神経刺激薬、抗ヒスタミン・抗アレルギー薬、副交
感神経遮断薬、交感神経興奮薬(血管収縮薬)、消炎酵
素、抗炎症薬、生薬、鎮咳薬、去痰薬、喀痰溶解薬、鎮
暈薬、解熱鎮痛薬、制酸剤、粘膜修復剤、整腸剤、健胃
剤、消化剤、鎮痛鎮痙剤、止瀉剤等が例示される。中で
も、中枢神経刺激薬、抗ヒスタミン・抗アレルギー薬、
副交感神経遮断薬、交感神経興奮薬、生薬、鎮咳薬、解
熱鎮痛薬及び制酸剤には以下に例示するように、苦味を
呈する薬物が知られており、本発明組成物に用いること
が好ましい。
【0013】中枢神経刺激薬としては、カフェイン類が
例示され、具体的には無水カフェイン、カフェイン、安
息香酸ナトリウムカフェイン等が挙げられる。抗ヒスタ
ミン・抗アレルギー薬としては、塩酸イソチペンジル、
塩酸プロメタジン、メチレンジサリチル酸プロメタジ
ン、カルビノキサミン、アステミゾール、フマル酸クレ
マスチン、メキタジン、マレイン酸クロルフェニラミ
ン、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒド
ラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒド
ラミン、イブジラスト、アンレキサノクス、シプロヘプ
タジン、フマル酸ケトチフェン、酒石酸アリメマジン、
トラニラスト、ペミロラストカリウム、塩酸アゼラスチ
ン、オキサトミド、フマル酸エメダスチン、塩酸エピナ
スチン等又はそれらの塩類が挙げられる。
【0014】副交感神経遮断薬としては、ダツラエキ
ス、ベラドンナアルカロイド、ベラドンナ総アルカロイ
ド、ベラドンナエキス、ロートエキス、ヨウ化イソプロ
パミド等が挙げられる。交感神経興奮薬としては、塩酸
フェニルプロパノールアミン、塩酸フェニレフリン、塩
酸メチルエフェドリン、塩酸エフェドリン、塩酸メトキ
シフェナミン、ノルエピネフリン、硝酸ナファゾリン、
ジャイロメタゾリン、ミドドリン、メトキサミン、テト
ラハイドロゾリン等又はそれらの塩類が挙げられる。
【0015】生薬としては、アロエ、ウイキョウ、ウコ
ン、ウヤク、エンゴサク、エイジツ、オウギ、オウセ
イ、オンジ、ガラナ、クコシ、ジオウ、トウキ、トチュ
ウ、ニンジン、アマロゲンチン、オウゴン、オウバク、
オウレン、ガジュツ、カスカラサグラダ、カッコウ、カ
スカリラノキ、カノコ草、カロウコン、キキョウ、キジ
ツ、キョウニン、キハダ、クコ、クジン、ケイガイ、ケ
イヒ、ケツメイシ、ケンゴシ、ゲンチアナ、ゲンノショ
ウコ、コウジン、コウブシ、コウボク、ゴオウ、ゴシ
ツ、ゴシュユ、ゴミシ、コロンボ、コンズランゴ、サイ
コ、サンシシ、サフラン、サンズコン、ジオウ、シコ
ン、シソシ、シャクヤク、シャジン(ツリガネニンジ
ン)、シャゼン(オオバコ)、ジャ香、ショウキョウ、
ショウマ、セイヒ、セキショウコン、センキュウ、セン
コツ、センタウリウム草、センブリ、センボウ、セン
ソ、センナ、ソウジュツ、ソウハクヒ、ソヨウ、ダイオ
ウ、竹節人参、チモ、チレッタ草、チンピ、トウヒ、ト
ウニン、トコン、ニガキ、ニンジン、ビャクシャク、ビ
ャクジュツ、ベラドンナコン、ヘノポジ油、ヤクチ、ユ
ウタン、ヨモギ、ニガヨモギ、苦味チンキ、ジシュユ、
ホップ、ホミカ、ボウイ、マオウ、モクツウ、モッコ
ウ、リュウタン、リンドウ、ルソンカ、レンギョウ等が
挙げられる。
【0016】鎮咳薬としては、臭化水素酸デキストロメ
トルファン、デキストロメトルファン、塩酸ノスカピ
ン、ノスカピン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニ
ルプロパノールアミン、塩酸メトキシフェナミン等が挙
げられる。去痰薬としては、塩酸ブロムヘキシン、塩酸
アンブロキソール等が挙げられる。
【0017】解熱鎮痛薬としては、アスピリン、アスピ
リンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミ
ド、サリチルアミド、イブプロフェン、フェナセチン、
ジクロフェナクナトリウム、プラノプロフェン等が挙げ
られる。制酸剤としては、シメチジン、ラニチジン、フ
ァモチジン等のH2受容体拮抗薬等が挙げられる。以上
の薬物は例示にすぎず、本発明の目的に適う限り、任意
の苦味を有する薬物を本発明組成物中に含有させること
ができることは、当業者にとって明らかである。
【0018】本発明組成物は任意の疾患の治療に適した
薬物を含有させることができるが、口中溶解型又は咀嚼
型の製剤であることから、鼻腔、口腔、気道などに直接
作用してこれらの部位における疾患に有効な薬物を含有
させると即効性、持続作用が得られるので好ましい。こ
れらの薬物の配合量は、通常使用される用量で適宜配合
される。さらに、本発明の組成物は、苦味を有する薬物
以外の薬物を含んでいてもよい。また、ミネラル類、ビ
タミン類、アミノ酸類などを必要に応じて配合すること
ができる。
【0019】本発明の医薬組成物は、口中で溶解又は咀
嚼することにより服用するための形態であれば、剤形は
任意であり、錠剤(素錠、糖衣錠)、キャンディー
(飴)、グミ剤、ヌガー剤等が例示される。形や大きさ
は口中にて服用することに不都合がない範囲で適宜選択
される。また、製造に際しては、当該技術分野で同様の
形態の組成物を製造する場合に用いられている既知の方
法をそのまま、又は適宜応用して用いれば良い。錠剤
は、粉末状の薬物と製薬上許容される賦形剤とを混合し
て圧縮成形することにより、また、キャンディー
(飴)、グミ剤、ヌガー剤等は、製菓の分野で既知の方
法で調製することができる。例えば、錠剤は、当該技術
分野で既知の押しだし造粒法、粉砕造粒法、乾式圧密造
粒法、流動層造粒法、転動造粒法、高速攪拌造粒法、湿
式打錠法、直接打錠法等を、目的に応じて適宜組み合わ
せて製造すればよい。本発明の実施に好ましい剤形は、
錠剤であり、特に口中咀嚼型の錠剤である。
【0020】本発明製剤には、本発明の効果に影響を与
えない限り、一般的に医薬品添加剤として使用されてい
る任意の成分を添加することができる。そのような添加
剤として、トウモロコシデンプン、バレイショデンプ
ン、白糖、タルク、カオリン、硫酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、結晶セルロース等の賦形剤、ステアリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸カルシウム、等の滑沢剤、カ
ルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロ
キシメチルセルロース等の崩壊剤、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ゼラチン、セルロース高分子、ア
クリル酸系高分子、メチルセルロース、アラビアゴム、
ポリビニルアルコール等の結合剤、その他の甘味剤、着
香剤、着色剤、矯味剤、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電
防止剤等が挙げられる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。 実施例1〜2 錠剤
【表1】 日本薬局方 製剤総則「錠剤」に準じて、錠剤を製し
た。具体的には、d−マレイン酸クロルフェニラミンか
らマンニットまでの成分をとり、湿式造粒法により、顆
粒(A)を調製する。他方、メントールとアビセルを混
合して、メントール倍散(B)を調製する。次に、顆粒
(A)、メントール倍散(B)、及びステアリン酸マグネ
シウムを混合して、打錠用顆粒とし、これを重量400
mg/錠ととして、打錠機でチュアブル錠を製した。実
施例1の咀嚼錠のメントール含量は、1.0重量%であ
り、1日量にして12mgである。実施例2の咀嚼錠のメ
ントール含量は2.0重量%であり、1日量にして24m
gである。
【0022】実施例3 錠剤
【表2】 実施例1と同様に、メキタジンからマンニットまでの成
分を用いて顆粒(A)を調製し、他方、アビセルからミ
ントオイル又はハッカ油までの成分を混合して、メント
ール倍散(B)を調製し、1錠500mgの錠剤を製し
た。
【0023】実施例4 錠剤
【表3】 実施例1と同様に、フマル酸ケトチフェンからソルビッ
トまでの成分を用いて顆粒(A)を調製し、他方、L−
HPCとメントールからメントール倍散(B)を調製
し、1錠250mgの錠剤を製した。
【0024】実施例5 錠剤
【表4】 実施例1と同様に、シメチジンからマンニットまでの成
分を用いて顆粒(A)を調製し、他方、アビセルからメ
ントールまでの成分を混合して、メントール倍散(B)
を調製し、1錠400mgの錠剤を製した。
【0025】実施例6 錠剤
【表5】 実施例1と同様に、ファモチジンからマンニットまでの
成分を用いて顆粒(A)を調製し、他方、他方、アビセ
ルからメントールまでの成分を混合して、メントール倍
散(B)を調製し、1錠400mgの錠剤を製した。
【0026】試験例1 溶出試験 実施例1及び2の錠剤を用い、日本薬局方の一般試験法
である溶出試験法(パドル法)に従って試験を行った。
試験溶液として、日本薬局方の一般試験法である崩壊試
験にある胃液を想定したpH1.2又は腸液を想定した
pH6.8の試験液を用いた。試験は、試験溶液500m
l中、37℃で、パドルの回転数100rpmとして行っ
た。各錠剤を、口中で約5から15回かみ砕いた後、試
料として試験溶液に添加した。試験開始後、経時的に溶
出液を採取し、チュアブル錠に配合されているマレイン
酸クロルフェニラミンを指標成分として薬物溶出量を測
定した。マレイン酸クロルフェニラミンは常法のHPL
C法にて測定した。結果を表6に示す。
【0027】
【表6】 表6から、それぞれ、1.0%、及び2.0%のメントール
を含有する実施例1及び2のチュアブル錠からの薬物の
溶出は、メントールによる阻害を受けていないことが分
かる。薬物の溶出は素早く、しかも短時間で完全溶出を
示しており試験溶液のpHにも左右されていない。この
結果は指標成分であるマレイン酸クロルフェニラミン以
外の他の成分である、塩酸フェニルプロパノールアミ
ン、ベラドンナ総アルカロイドに関しても同様であっ
た。薬物放出速度とその変動は、消化管内での薬物吸収
の速度、吸収量と密接に関連しており、薬物治療の効果
の発現に大きい影響を及ぼすことが知られている。上記
の試験結果は、本発明の製剤が従来の製剤に比較して優
れた溶出速度を示すものであることを明らかにし、本発
明製剤が即効性であると同時に生物学的利用率が高く、
確実に持続して高い効果を発揮しうる有用な製剤である
ことを証明するものである。
【0028】試験例2 有効性試験
【表7】
【表8】 鼻炎症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、涙
目、頭重)の治療効果を、表7に示す試験薬剤を用いて
試験した。一方、胃痛、胃のむかつき等に対する治療効
果を、表8に示す試験薬剤を用いて試験した。試験薬剤
の調製は実施例1に記載の方法に従って行った。これら
の製剤は、いずれも、含量試験、崩壊試験(JP)、含
量均一性試験(JP)に適合することを確認した。鼻炎
症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、涙目、
頭重)を有する被験者14名に薬剤A〜Dを投与(一回
一錠)し、症状の改善度を、薬剤服用10分後と4時間
後に評価した。同様に、胃痛、胃のむかつきを訴える被
験者10名に薬剤E、Fを投与(一回一錠)し、症状の
改善度を、薬剤服用10分後と4時間後に評価した。咀
嚼剤A、B、E、F、は口中で咀嚼(5から15回)し
て服用し、溶解剤Cは咀嚼せず口中で溶解させ、服用し
た。また、錠剤Dは、150mlの水で、口中で咀嚼又
は溶解せずに内服した。試験結果を表9及び表10に示
す。
【0029】
【表9】
【表10】
【0030】本発明の咀嚼型、溶解型製剤であるA、C
及びEはメントールを配合しない咀嚼型製剤B及びFと
同様もしくはそれ以上に鼻炎症状又は胃痛、胃のむかつ
き症状を即効的に改善し、高い改善率を示している。特
に本発明製剤の即効性は、それぞれの対照製剤B及びF
よりもはるかに高く、咀嚼型又は溶解型製剤にメントー
ルを含有させると、即効性が顕著に増強されることを示
している。また、これらの結果は、多量のメントールの
存在によっても、鼻炎治療薬、胃腸症状治療薬の効果に
影響が無く、むしろ、即効性を増大し、持続的な効果も
増強することを意味している。さらに、非−咀嚼型の錠
剤Dと比較すると、本発明製剤は10分後の改善率が有
意に高く、4時間後の改善率においても優れており、即
効性と持続性の両方を兼ね備えていることが分かる。以
上の結果から、本発明の溶解型、咀嚼型製剤は、メント
ールを配合していない同じ剤形の製剤、及びメントール
を含有する通常の錠剤に比較して即効性であり、かつ持
続的な効果を有することが明らかである。投与から4時
間後においても、対応する錠剤に比較して高い効果を示
すことから、本発明の組成物は、高い即効性と高い生物
学的利用率を兼ね備えた、治療効果が増強された優れた
製剤であるといえる。
【0031】試験例3 メントール配合量と効果 表11に示す試験製剤(G〜N)を用いた。鼻炎症状
(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み)を有する被
験者14名に薬剤を投与(一回一錠)し、症状の改善度
及び刺激性を、薬剤服用10分後に評価した。なお、試
験薬剤は、口中で5〜15回かみ砕いて服用した。ま
た、各製剤を3ヶ月間、室温で保存した後、ウイスカー
の発生を確認した
【0032】
【表11】
【0033】製剤Gでは、服用10分後の鼻炎症状の改
善は認められなかったが製剤H〜Nでは、鼻炎症状の改
善が認められた。 しかし、試験薬剤M及びNで、服用
時に粘膜刺激の発現が認められ、試験薬剤Nでは粘膜刺
激が極めて強く、安全性にやや問題が認められた。ま
た、各製剤を3ヶ月間、室温で保存した後、ウイスカー
の発生を確認したところ、製剤M、Nにウイスカーが検
出された。製剤G〜Lではウイスカーは観察されなかっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明の医薬組成物は、服用形態、味と
もに服用し易く、コンプライアンスの向上に有効である
と共に、ウイスカーの発現も抑制されて安定であり、消
化管における溶出、吸収性にも優れて、同量の活性成分
を含有する通常の内服用錠剤に比較して十分に高い生物
学的利用率を達成できる。その結果、薬物の有効利用が
可能となり投与量の減少等を通して、患者の負担を軽減
すると共に、生活の質を向上させることも可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苦味を有する薬物と、0.1〜2.25重
    量%のメントールとを含有する口中溶解型又は咀嚼型の
    固形内服医薬組成物。
  2. 【請求項2】 メントール配合量が、1.0〜2.0重量
    %である請求項1記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 メントール配合量が、0.5〜2.0重量
    %である請求項1記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 1回服用量あたりのメントールの量が2
    〜9mgである請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組
    成物。
  5. 【請求項5】 苦味を有する薬物が中枢神経刺激薬、抗
    ヒスタミン・抗アレルギー薬、副交感神経遮断薬、交感
    神経興奮薬、生薬、鎮咳薬、解熱鎮痛薬及び制酸剤から
    選択されるものである請求項1〜4のいずれかに記載の
    医薬組成物。
  6. 【請求項6】 口中咀嚼型製剤である請求項1〜5のい
    ずれかに記載の医薬組成物。
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