JP2013028647A - 苦味を有する薬物を含有する口中溶解型又は咀嚼型固形内服医薬組成物 - Google Patents

苦味を有する薬物を含有する口中溶解型又は咀嚼型固形内服医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 苦味のある薬物を含有する服用し易い医薬製剤を提供する。
【解決手段】 苦味を有する薬物と、0.1〜2.25重量%のメントールとを含有する口中溶解型又は咀嚼型の固形内服医薬組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、服薬が容易な溶解型又は咀嚼型の固形内服医薬組成物に関する。
近年、生活の質(QOL; Quality of life)の向上の必要性が重要視されている。医療の分野では、患者のQOLの向上と関連して、医薬に安全性及び有効性に加えて服薬し易さが求められるようになっている。従来は、苦い薬や服用し難い形態の薬であっても患者は我慢して服用するのが当然とされていた。しかし、そのような服用に際して患者に負担を強いるような医薬の場合、服薬指示が守られない恐れがあり、適切な治療効果を得られない場合がある。従って、薬効が同等であれば、服用し易い製剤の方が望ましいのは、単に、患者の負担を軽減するだけでなく、コンプライアンス(服薬遵守)を向上し、予定の治療効果を達成するという点からも当然のことである。このような理由から、患者のQOLのみならずコンプライアンスを高め、適切な治療を行うためにも、服用し易い医薬製剤を提供する必要がある。
通常の固形内服薬は、多量の水又は温湯と一緒に服用しなければならず、高齢者や起き上ることができない患者の場合、服用が困難である。また、水が簡単に手に入らない場合にも服用指示が守られ難いという問題がある。これに対して口中溶解型又は咀嚼型の固形製剤であれば、高齢者でも服用が容易であり、また、どのような姿勢であっても服用が可能である。しかも、水が不要であることから、水の有無と関係無く服用時間を確実に守ることができる。しかし、これらの口中で徐々に溶解させるか、又は咀嚼するタイプの製剤は、薬物の口中滞留時間が長いために、苦みに代表される不快な刺激を伴う薬物を含有する場合には、服用指示を守ることが困難である。
しかるに、多くの薬物が苦味、酸味、渋み等の不快な味又は刺激を有することから、口中溶解型又は咀嚼型の製剤に適用できる薬物には制限があった。
従来、ある薬効成分の苦味などをマスキングする方法として、物理的に担体吸着させる方法や、薬効成分をマイクロカプセル化したり、被膜する方法が知られている。しかし、これらの方法では製剤が大型化する傾向にあり、また担体や被膜による薬効成分の消化管吸収阻害が起こったり、製剤化工程が複雑になるという問題があった。
また、薬効成分に甘味剤や矯味剤を添加して製剤化する方法があるが、薬物ごとに不快感の種類(苦味、酸味、渋み等)が相違し、苦味の閾値の大きさが異なるなどの理由から苦味等を充分に抑制できない場合があり、マスキングの効果は必ずしも充分でなかった。
さらに、内服固形製剤である以上、服用の簡便さや不快な味の解消とは別に、消化管での薬物の放出、吸収、効果の発現など、薬物の体内挙動の点で優れた性質を具備していなければならない。例えば、メントールは固形医薬組成物に爽快感や清涼感を与える目的で配合されることが多いが、配合量の増加にともない、(1)それ自身が苦味を有することから、製剤の苦味を増強させる(特開平4−228033);(2)製剤からの薬物溶出を妨げ結果的に薬効を低下させる;又は(3)保存中にウイスカーを析出させる、等の不都合があることが知られている。従来は、このような不都合を避けるために、メントールの配合量を少量に抑える必要があるとされており、通常の配合量は、0.1重量%未満であった。このように、薬物の苦味をマスキングするためにメントールを増量することには弊害があると考えられていたのである。
本発明者らは、服用し易く製造工程が簡単で、有効な固形医薬組成物を提供することを目的として鋭意、研究を重ねた結果、口中溶解型又は口中咀嚼型固形製剤に特定量のメントールを配合した場合、薬物の不快な味が改善され、かつ製剤の性質や薬効発現には影響がないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、苦味を有する薬物と、0.1〜2.25重量%のメントールとを含有する口中溶解型又は咀嚼型の固形医薬組成物を提供するものである。
従って、本発明は以下を提供する。
(1)苦味を有する薬物と、0.1〜2.25重量%のメントールとを含有する口中溶解型又は咀嚼型の固形内服医薬組成物。
(2)メントール配合量が、1.0〜2.0重量%である項目(1)記載の医薬組成物。
(3)メントール配合量が、0.5〜2.0重量%である項目(1)記載の医薬組成物。
(4)1回服用量あたりのメントールの量が2〜9mgである項目(1)〜(3)のいずれかに記載の医薬組成物。
(5)苦味を有する薬物が中枢神経刺激薬、抗ヒスタミン・抗アレルギー薬、副交感神経遮断薬、交感神経興奮薬、生薬、鎮咳薬、解熱鎮痛薬及び制酸剤から選択されるものである項目(1)〜(4)のいずれかに記載の医薬組成物。
(6)口中咀嚼型製剤である項目(1)〜(5)のいずれかに記載の医薬組成物。
本発明の「口中溶解型又は咀嚼型の固形医薬組成物」とは、口腔内で唾液の存在下、瞬時又は漸次溶解させて服用する製剤、又は咀嚼、粉砕して唾液と混合することにより一部又は全部を溶解させてから服用する製剤である。
また、「苦味を有する薬物」とは、本発明の目的の1つである患者のコンプライアンスの向上という観点から、通常の感覚を有するヒトが、口中で咀嚼又は溶解させて服用することに困難又は抵抗を感じるような不快な味を有する薬物を指し、単に、文字通りの苦みを有する薬物のみならず、渋み、酸味等の刺激性の味を有する薬物をも包含し、薬物の種類は特に限定されない。また、苦味のマスキング、薬物溶出速度の制御のためのコーティングなどの処理を施した薬物もこの定義に含まれる。
後述の試験例に示すように、本発明の口中溶解型又は咀嚼型の医薬組成物は薬物の苦味が適切にマスキングされており、しかもウイスカーの発生もなく長期間安定である。予想外なことに、本発明組成物は、それ自身苦味を有するメントールを大量に含有しているにもかかわらず、薬物の苦味がマスキングされて服用し易く、薬物の崩壊・溶出も良好である。このように、本発明組成物は、コンプライアンスの向上に有効であり且つ、服用後の消化管における溶出、吸収性に優れ、予定された薬物挙動を達成して充分な薬理効果を発揮することができる優れた製剤である。
溶出性の向上は、口中で唾液と十分に混合されて溶出が促進された状態で消化管に達し、唾液との混合物として吸収されやすい状態で吸収部位に到達し、安定性を保って消化管から吸収されることに関連している。従って、本発明によれば、同量の薬物を口中で溶解又は咀嚼することなく内服錠剤として服用する場合に比較して、予想外に優れた治療効果を達成することが可能である。
本発明では、メントール及び薬物が鼻腔粘膜や気管支粘膜に直接作用することにより薬物治療効果を高めることができるため、苦味を呈する薬物のなかでも特に鼻炎症状治療用薬物、呼吸器症状治療用薬物とともに含有することがより好ましい。また、メントールの清涼感が胃のむかつきを除去するのに効果的であることから、胃腸治療用薬物をともに含有することも好ましい。
本発明に用いられるメントールは、文献(第13改正日本薬局方、D1050〜1058)に記載されており、市販のものを使用することも可能であり、天然精油及び合成品のいずれも使用することができる。本発明のメントールはl体、dl体のいずれでもよく、さらにペパーミント油、ミント油、スペアーミント油といったメントールを含有する精油なども本発明のメントールに含まれる。本発明組成物中にメントールを0.1〜2.25重量%の範囲で使用すると、苦味を伴うことなくすっきりとした清涼感を与え、患者のコンプライアンスの向上に有効である。この範囲を越えると、メントールの刺激が逆に不快感となりうる。一方、この範囲よりも少ないと、薬物の苦味を充分にマスキングすることができない恐れがある。
本発明の組成物中のメントール配合量は、上記の通り0.1〜2.25重量%の範囲が適当である。この範囲で用いると薬物の苦味をマスキングし、かつウイスカーの発現を回避し安定な組成物を得ることができる。しかし、ウイスカーの発現回避とマスキング効果をより充分に達成するためには、メントールの量が0.5〜2.0重量%であることが好ましく、1.0%〜2.0重量%であることがより好ましい。
本発明組成物は、成人のメントールの1回服用量が、2〜9mg、好ましくは3〜9mg、より好ましくは4〜9mgの範囲となるように製造する。なお、成人1日当たりの投与量は6〜27mg、好ましくは9〜27mg、より好ましくは12〜27mgである。
本発明の医薬組成物には、任意の「苦味を有する薬物」を、それぞれの薬物のついて規定された量、含有させることができる。
そのような薬物として、中枢神経刺激薬、抗ヒスタミン・抗アレルギー薬、副交感神経遮断薬、交感神経興奮薬(血管収縮薬)、消炎酵素、抗炎症薬、生薬、鎮咳薬、去痰薬、喀痰溶解薬、鎮暈薬、解熱鎮痛薬、制酸剤、粘膜修復剤、整腸剤、健胃剤、消化剤、鎮痛鎮痙剤、止瀉剤等が例示される。中でも、中枢神経刺激薬、抗ヒスタミン・抗アレルギー薬、副交感神経遮断薬、交感神経興奮薬、生薬、鎮咳薬、解熱鎮痛薬及び制酸剤には以下に例示するように、苦味を呈する薬物が知られており、本発明組成物に用いることが好ましい。
中枢神経刺激薬としては、カフェイン類が例示され、具体的には無水カフェイン、カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等が挙げられる。
抗ヒスタミン・抗アレルギー薬としては、塩酸イソチペンジル、塩酸プロメタジン、メチレンジサリチル酸プロメタジン、カルビノキサミン、アステミゾール、フマル酸クレマスチン、メキタジン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、イブジラスト、アンレキサノクス、シプロヘプタジン、フマル酸ケトチフェン、酒石酸アリメマジン、トラニラスト、ペミロラストカリウム、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、フマル酸エメダスチン、塩酸エピナスチン等又はそれらの塩類が挙げられる。
副交感神経遮断薬としては、ダツラエキス、ベラドンナアルカロイド、ベラドンナ総アルカロイド、ベラドンナエキス、ロートエキス、ヨウ化イソプロパミド等が挙げられる。
交感神経興奮薬としては、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸エフェドリン、塩酸メトキシフェナミン、ノルエピネフリン、硝酸ナファゾリン、ジャイロメタゾリン、ミドドリン、メトキサミン、テトラハイドロゾリン等又はそれらの塩類が挙げられる。
生薬としては、アロエ、ウイキョウ、ウコン、ウヤク、エンゴサク、エイジツ、オウギ、オウセイ、オンジ、ガラナ、クコシ、ジオウ、トウキ、トチュウ、ニンジン、アマロゲンチン、オウゴン、オウバク、オウレン、ガジュツ、カスカラサグラダ、カッコウ、カスカリラノキ、カノコ草、カロウコン、キキョウ、キジツ、キョウニン、キハダ、クコ、クジン、ケイガイ、ケイヒ、ケツメイシ、ケンゴシ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウジン、コウブシ、コウボク、ゴオウ、ゴシツ、ゴシュユ、ゴミシ、コロンボ、コンズランゴ、サイコ、サンシシ、サフラン、サンズコン、ジオウ、シコン、シソシ、シャクヤク、シャジン(ツリガネニンジン)、シャゼン(オオバコ)、ジャ香、ショウキョウ、ショウマ、セイヒ、セキショウコン、センキュウ、センコツ、センタウリウム草、センブリ、センボウ、センソ、センナ、ソウジュツ、ソウハクヒ、ソヨウ、ダイオウ、竹節人参、チモ、チレッタ草、チンピ、トウヒ、トウニン、トコン、ニガキ、ニンジン、ビャクシャク、ビャクジュツ、ベラドンナコン、ヘノポジ油、ヤクチ、ユウタン、ヨモギ、ニガヨモギ、苦味チンキ、ジシュユ、ホップ、ホミカ、ボウイ、マオウ、モクツウ、モッコウ、リュウタン、リンドウ、ルソンカ、レンギョウ等が挙げられる。
鎮咳薬としては、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロメトルファン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸メトキシフェナミン等が挙げられる。
去痰薬としては、塩酸ブロムヘキシン、塩酸アンブロキソール等が挙げられる。
解熱鎮痛薬としては、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サリチルアミド、イブプロフェン、フェナセチン、ジクロフェナクナトリウム、プラノプロフェン等が挙げられる。
制酸剤としては、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン等のH受容体拮抗薬等が挙げられる。
以上の薬物は例示にすぎず、本発明の目的に適う限り、任意の苦味を有する薬物を本発明組成物中に含有させることができることは、当業者にとって明らかである。
本発明組成物は任意の疾患の治療に適した薬物を含有させることができるが、口中溶解型又は咀嚼型の製剤であることから、鼻腔、口腔、気道などに直接作用してこれらの部位における疾患に有効な薬物を含有させると即効性、持続作用が得られるので好ましい。
これらの薬物の配合量は、通常使用される用量で適宜配合される。さらに、本発明の組成物は、苦味を有する薬物以外の薬物を含んでいてもよい。また、ミネラル類、ビタミン類、アミノ酸類などを必要に応じて配合することができる。
本発明の医薬組成物は、口中で溶解又は咀嚼することにより服用するための形態であれば、剤形は任意であり、錠剤(素錠、糖衣錠)、キャンディー(飴)、グミ剤、ヌガー剤等が例示される。形や大きさは口中にて服用することに不都合がない範囲で適宜選択される。また、製造に際しては、当該技術分野で同様の形態の組成物を製造する場合に用いられている既知の方法をそのまま、又は適宜応用して用いれば良い。
錠剤は、粉末状の薬物と製薬上許容される賦形剤とを混合して圧縮成形することにより、また、キャンディー(飴)、グミ剤、ヌガー剤等は、製菓の分野で既知の方法で調製することができる。
例えば、錠剤は、当該技術分野で既知の押しだし造粒法、粉砕造粒法、乾式圧密造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、高速攪拌造粒法、湿式打錠法、直接打錠法等を、目的に応じて適宜組み合わせて製造すればよい。
本発明の実施に好ましい剤形は、錠剤であり、特に口中咀嚼型の錠剤である。
本発明製剤には、本発明の効果に影響を与えない限り、一般的に医薬品添加剤として使用されている任意の成分を添加することができる。そのような添加剤として、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、白糖、タルク、カオリン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、結晶セルロース等の賦形剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、等の滑沢剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシメチルセルロース等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロース高分子、アクリル酸系高分子、メチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール等の結合剤、その他の甘味剤、着香剤、着色剤、矯味剤、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1〜2 錠剤
Figure 2013028647
日本薬局方 製剤総則「錠剤」に準じて、錠剤を製した。具体的には、d−マレイン酸クロルフェニラミンからマンニットまでの成分をとり、湿式造粒法により、顆粒(A)を調製する。他方、メントールとアビセルを混合して、メントール倍散(B)を調製する。次に、顆粒(A)、メントール倍散(B)、及びステアリン酸マグネシウムを混合して、打錠用顆粒とし、これを重量400mg/錠ととして、打錠機でチュアブル錠を製した。実施例1の咀嚼錠のメントール含量は、1.0重量%であり、1日量にして12mgである。実施例2の咀嚼錠のメントール含量は2.0重量%であり、1日量にして24mgである。
実施例3 錠剤
Figure 2013028647
実施例1と同様に、メキタジンからマンニットまでの成分を用いて顆粒(A)を調製し、他方、アビセルからミントオイル又はハッカ油までの成分を混合して、メントール倍散(B)を調製し、1錠500mgの錠剤を製した。
実施例4 錠剤
Figure 2013028647
実施例1と同様に、フマル酸ケトチフェンからソルビットまでの成分を用いて顆粒(A)を調製し、他方、L−HPCとメントールからメントール倍散(B)を調製し、1錠250mgの錠剤を製した。
実施例5 錠剤
Figure 2013028647
実施例1と同様に、シメチジンからマンニットまでの成分を用いて顆粒(A)を調製し、他方、アビセルからメントールまでの成分を混合して、メントール倍散(B)を調製し、1錠400mgの錠剤を製した。
実施例6 錠剤
Figure 2013028647
実施例1と同様に、ファモチジンからマンニットまでの成分を用いて顆粒(A)を調製し、他方、他方、アビセルからメントールまでの成分を混合して、メントール倍散(B)を調製し、1錠400mgの錠剤を製した。
試験例1 溶出試験
実施例1及び2の錠剤を用い、日本薬局方の一般試験法である溶出試験法(パドル法)に従って試験を行った。試験溶液として、日本薬局方の一般試験法である崩壊試験にある胃液を想定したpH1.2又は腸液を想定したpH6.8の試験液を用いた。
試験は、試験溶液500ml中、37℃で、パドルの回転数100rpmとして行った。各錠剤を、口中で約5から15回かみ砕いた後、試料として試験溶液に添加した。試験開始後、経時的に溶出液を採取し、チュアブル錠に配合されているマレイン酸クロルフェニラミンを指標成分として薬物溶出量を測定した。マレイン酸クロルフェニラミンは常法のHPLC法にて測定した。結果を表6に示す。
Figure 2013028647
表6から、それぞれ、1.0%、及び2.0%のメントールを含有する実施例1及び2のチュアブル錠からの薬物の溶出は、メントールによる阻害を受けていないことが分かる。薬物の溶出は素早く、しかも短時間で完全溶出を示しており試験溶液のpHにも左右されていない。この結果は指標成分であるマレイン酸クロルフェニラミン以外の他の成分である、塩酸フェニルプロパノールアミン、ベラドンナ総アルカロイドに関しても同様であった。
薬物放出速度とその変動は、消化管内での薬物吸収の速度、吸収量と密接に関連しており、薬物治療の効果の発現に大きい影響を及ぼすことが知られている。上記の試験結果は、本発明の製剤が従来の製剤に比較して優れた溶出速度を示すものであることを明らかにし、本発明製剤が即効性であると同時に生物学的利用率が高く、確実に持続して高い効果を発揮しうる有用な製剤であることを証明するものである。
試験例2 有効性試験
Figure 2013028647
Figure 2013028647
鼻炎症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、涙目、頭重)の治療効果を、表7に示す試験薬剤を用いて試験した。一方、胃痛、胃のむかつき等に対する治療効果を、表8に示す試験薬剤を用いて試験した。試験薬剤の調製は実施例1に記載の方法に従って行った。
これらの製剤は、いずれも、含量試験、崩壊試験(JP)、含量均一性試験(JP)に適合することを確認した。
鼻炎症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、涙目、頭重)を有する被験者14名に薬剤A〜Dを投与(一回一錠)し、症状の改善度を、薬剤服用10分後と4時間後に評価した。同様に、胃痛、胃のむかつきを訴える被験者10名に薬剤E、Fを投与(一回一錠)し、症状の改善度を、薬剤服用10分後と4時間後に評価した。
咀嚼剤A、B、E、F、は口中で咀嚼(5から15回)して服用し、溶解剤Cは咀嚼せず口中で溶解させ、服用した。また、錠剤Dは、150mlの水で、口中で咀嚼又は溶解せずに内服した。試験結果を表9及び表10に示す。
Figure 2013028647
Figure 2013028647
本発明の咀嚼型、溶解型製剤であるA、C及びEはメントールを配合しない咀嚼型製剤B及びFと同様もしくはそれ以上に鼻炎症状又は胃痛、胃のむかつき症状を即効的に改善し、高い改善率を示している。特に本発明製剤の即効性は、それぞれの対照製剤B及びFよりもはるかに高く、咀嚼型又は溶解型製剤にメントールを含有させると、即効性が顕著に増強されることを示している。
また、これらの結果は、多量のメントールの存在によっても、鼻炎治療薬、胃腸症状治療薬の効果に影響が無く、むしろ、即効性を増大し、持続的な効果も増強することを意味している。
さらに、非−咀嚼型の錠剤Dと比較すると、本発明製剤は10分後の改善率が有意に高く、4時間後の改善率においても優れており、即効性と持続性の両方を兼ね備えていることが分かる。
以上の結果から、本発明の溶解型、咀嚼型製剤は、メントールを配合していない同じ剤形の製剤、及びメントールを含有する通常の錠剤に比較して即効性であり、かつ持続的な効果を有することが明らかである。投与から4時間後においても、対応する錠剤に比較して高い効果を示すことから、本発明の組成物は、高い即効性と高い生物学的利用率を兼ね備えた、治療効果が増強された優れた製剤であるといえる。
試験例3 メントール配合量と効果
表11に示す試験製剤(G〜N)を用いた。鼻炎症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み)を有する被験者14名に薬剤を投与(一回一錠)し、症状の改善度及び刺激性を、薬剤服用10分後に評価した。なお、試験薬剤は、口中で5〜15回かみ砕いて服用した。
また、各製剤を3ヶ月間、室温で保存した後、ウイスカーの発生を確認した。
Figure 2013028647
製剤Gでは、服用10分後の鼻炎症状の改善は認められなかったが製剤H〜Nでは、鼻炎症状の改善が認められた。 しかし、試験薬剤M及びNで、服用時に粘膜刺激の発現が認められ、試験薬剤Nでは粘膜刺激が極めて強く、安全性にやや問題が認められた。
また、各製剤を3ヶ月間、室温で保存した後、ウイスカーの発生を確認したところ、製剤M、Nにウイスカーが検出された。製剤G〜Lではウイスカーは観察されなかった。
本発明の医薬組成物は、服用形態、味ともに服用し易く、コンプライアンスの向上に有効であると共に、ウイスカーの発現も抑制されて安定であり、消化管における溶出、吸収性にも優れて、同量の活性成分を含有する通常の内服用錠剤に比較して十分に高い生物学的利用率を達成できる。その結果、薬物の有効利用が可能となり投与量の減少等を通して、患者の負担を軽減すると共に、生活の質を向上させることも可能である。

Claims (1)

  1. (a)苦味を有する薬物と、(b)0.1〜2.25重量%のメントールとを含有する、口中溶解型又は咀嚼型の固形内服医薬組成物[但し、塩酸フェニルプロパノールアミン、ベラドンナ総アルカロイド、ダツラエキス、ベラドンナアルカロイド、ベラドンナエキス、ロートエキス、及び無水カフェインからなる群より選択される少なくとも1種と、マレイン酸クロルフェニラミンと、0.1〜2.25重量%のメントールとを含有する、口中溶解型又は咀嚼型の固形内服医薬組成物である場合を除く]。
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