JP2017042978A - ゴム材料評価方法 - Google Patents

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中野 真也
Shinya Nakano
真也 中野
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Abstract

【課題】等価加硫量と架橋密度との相関関係を、高い精度で評価する評価方法の提供。
【解決手段】この評価方法は、組み合わせることにより、長さ方向に沿って深さが変化する収容室を形成することができる一対の部材を備えた金型を用いて、この収容室に収容した未加硫ゴムを加硫して、加硫ゴムからなるゴムブロックを得る第一工程、この収容室の深さ方向中線上に位置する複数の測定点において、加硫中の温度を測定することにより温度−時間曲線を作成し、各測定点について作成した温度−時間曲線に基づいて等価加硫量を算出する第二工程、及びこの収容室から取り出して急冷したゴムブロックから、複数の測定点のそれぞれを含む加硫ゴムを試験片として採取し、架橋密度測定試験に供することにより、各測定点に形成された加硫ゴムの架橋密度を測定する第三工程とを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム材料評価方法に関する。詳細には、本発明は、加硫ゴムの評価方法に関する。
加硫ゴムからなる成形品は、通常、未加硫ゴムが、所定の形状の金型内で加熱及び加圧されることにより製造される。加熱及び加圧によって生じる架橋反応により、未加硫ゴム中のゴム分子鎖内又はゴム分子鎖間に、多数の架橋点が形成される。未加硫ゴムが加熱及び加圧されて得られる加硫ゴムは、多数の架橋点を含む。
加硫ゴムの単位体積当たり又は単位質量当たりの架橋点の数は、架橋密度と称される。ゴム分野において、架橋密度は、加硫度とも称される。加硫ゴムの架橋密度は、加硫ゴム及び加硫ゴムからなる成形品の物性に大きく影響する。製品開発上及び品質保持の観点から、加硫ゴムの架橋密度を高い精度で把握し、かつ制御する技術が求められている。
架橋密度の指標として、JIS K6300−2「未加硫ゴム−物理特性−第2部:振動式加硫試験機による加硫特性の求め方」に記載の加硫特性値が用いられる場合がある。この加硫特性値と、ムーニー粘度特性及びムーニースコーチ特性とを測定するための装置が、特開平11−190690号公報に開示されている。この加硫特性値と、発泡特性とを測定する方法及び装置が、特開昭50−117487号公報に開示されている。
特開平11−190690号公報 特開昭50−117487号公報
加硫ゴムの架橋密度は、この加硫ゴムが、加硫中に受けた熱量に依存する。特開平11−190690号公報及び特開昭50−117487号公報において、架橋密度の指標とされた加硫特性値は、例えば、キュラストメーター等の加硫試験機により測定される。具体的には、加硫特性値は、加硫に伴うトルク(応力)やtanδ(損失正接)等の時間変化に基づいて算出される。この加硫特性値は、加硫ゴムが加硫中に受けた熱量を、直接反映するものではない。特開平11−190690号公報及び特開昭50−117487号公報で指標とされた加硫特性値によっては、加硫ゴムの架橋密度を、十分に高い精度で把握することができない。
加硫中に加硫ゴムが受けた熱量を反映すると考えられる指標として、等価加硫量が挙げられる。通常、等価加硫量を利用して、加硫ゴムの架橋密度又は他の物性を制御する場合、はじめに、基準となる加硫条件で加硫操作をおこなうことにより、基準となる温度−時間曲線が作成され、等価加硫量が算出される。次いで、別途配合された未加硫ゴムを用いて、等価加硫量の異なる複数の加硫ゴムが成形される。続いて、成形された加硫ゴムの架橋密度等が測定され、等価加硫量との相関関係が把握される。その後、把握された等価加硫量と架橋密度等との相関関係に基づいて、所望の架橋密度等が得られるように加硫条件が決定される。
この方法では、等価加硫量の異なる加硫ゴムを得るために、複数回のゴム配合作業及び加硫操作を要する。この方法で得られる等価加硫量と架橋密度等の測定値は、複数回のゴム配合作業及び加硫操作を要因とする測定誤差を含みうる。この方法で得られる等価加硫量によっては、加硫ゴムの架橋密度を十分に高い精度で把握し、かつ制御することができない。
熱源からの距離は、加硫ゴムが受ける熱量に影響する。複数回のゴム配合作業及び加硫操作を要することなく、等価加硫量と架橋密度等との相関関係を把握する方法として、熱源である金型からの距離が異なる領域から、複数の加硫ゴムを採取する方法が提案されている。具体的には、金型の中央付近に位置する加硫ゴムと、金型近傍に位置する加硫ゴムとを採取する方法が挙げられる。しかし、金型の中央付近に位置する加硫ゴムは、その周囲から均等に加熱されるが、金型近傍に位置する加硫ゴムには、熱源である金型からの距離に応じて温度勾配が形成される。金型の中央付近から採取した加硫ゴムと、金型近傍から採取した加硫ゴムとを対比して、十分に満足しうる精度で、等価加硫量と架橋密度との相関関係を把握することはできない。
本発明の目的は、等価加硫量と架橋密度との相関関係を高い精度で把握することが可能な評価方法の提供にある。
本発明に係るゴム材料評価方法は、
(1)組み合わせることにより、長さ方向に沿って深さが変化する収容室を形成することができる一対の部材を備えた金型を用いて、この収容室に収容した未加硫ゴムを加硫して、加硫ゴムからなるゴムブロックを得る第一工程、
(2)この収容室の深さ方向中線上に位置する複数の測定点において、加硫中の温度を測定することにより温度−時間曲線を作成し、各測定点について作成した温度−時間曲線に基づいて等価加硫量を算出する第二工程
及び
(3)この収容室から取り出して急冷したゴムブロックから、これら複数の測定点のそれぞれを含む加硫ゴムを試験片として採取して、架橋密度測定試験に供することにより、各測定点に形成された加硫ゴムの架橋密度を測定する第三工程
を含む。
好ましくは、この架橋密度測定試験は、トルエン膨潤法である。
本発明に係る評価方法では、一度の加硫操作によって、等価加硫量が異なる加硫ゴムからなる複数の試験片を作成することができる。この評価方法では、等価加硫量を算出するためにその温度変化を測定した領域に形成された加硫ゴムから、架橋密度測定用の試験片を得ることができる。この評価方法では、ゴム配合作業及び加硫操作を要因とする測定誤差が低減される。この評価方法によれば、等価加硫量と架橋密度との相関関係を、高い精度で把握することができる。さらに、この評価方法によれば、等価加硫量と架橋密度との相関関係の把握に要する時間及び費用を、大幅に削減できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る評価方法に用いる金型の断面図である。 図2は、図1の金型を用いた評価方法を説明するための概略図である。 図3(a)は、図1の金型を用いて得られるゴムブロックの斜視図であり、図3(b)は、このゴムブロックの正面図であり、図3(c)は、このゴムブロックの側面図である。 図4(a)は、図3のゴムブロックから採取されるゴムシートの平面図であり、図4(b)は、このゴムシートの側面図である。 図5は、実施例1の評価方法において作成される温度−時間曲線である。 図6は、実施例1の評価方法による評価結果が示されたグラフである。 図7は、比較例1の評価方法による評価結果が示されたグラフである。 図8は、本発明の他の実施形態に係る評価方法で得られるゴムブロックの正面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。この実施形態に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。なお、本願明細書において、加硫とは、ゴム分子鎖内又はゴム分子鎖間に架橋点を形成して、三次元網目構造を形成する反応を意味する。本願明細書における加硫には、所謂硫黄加硫の他に、金属酸化物、有機過酸化物、有機アミン化合物等による架橋も含まれる。
本発明の一実施形態に係る評価方法は、第一工程、第二工程及び第三工程からなる。第一工程では、後述する金型2を用いて、予め配合された未加硫ゴムが加硫されることにより、加硫ゴムからなるゴムブロックが成形される。第二工程では、第一工程での加硫中に得られた温度−時間曲線に基づいて、等価加硫量が算出される。第三工程では、第一工程で得られたゴムブロックから採取した加硫ゴムの架橋密度が測定される。本発明の目的が達成される限り、この評価方法は、他の工程を含みうる。
この評価方法の第一工程では、はじめに、金型2が準備される。この金型2は、組み合わせることにより、その長さ方向に沿って深さが変化するテーパー型の収容室8を形成することができる一対の部材を備えている。この評価方法において準備された金型2の断面図が、図1に示されている。図1において、上下方向は鉛直方向であり、左右方向は金型2の長さ方向であり、紙面との垂直方向は金型2の幅方向である。本発明において、金型2全体の外観形状は、特に限定されず、円柱状、角柱状等適宜選択される。
金型2は、上金型4及び下金型6を備える。図示される通り、下金型6は、鉛直上向きに開口している。上金型4の下面の一部は、鉛直下向きに突出している。
上金型4及び下金型6が組み合わせられた状態を示す断面図が、図2に示されている。図2において、上下方向は鉛直方向であり、収容室8の深さ方向である。左右方向は収容室8の長さ方向であり、紙面との垂直方向は収容室8の幅方向である。図示される通り、鉛直下向きに突出した上金型4と、鉛直上向きに開口した下金型6とが嵌合することにより、収容室8が形成される。
図2に示された両矢印Lは、この収容室8の長さである。図2に示された両矢印h1はこの収容室8の深さの最小値であり、両矢印h2はこの収容室8の深さの最大値である。図2の断面図において、収容室8の深さは、この収容室8の上面をなす上金型4の表面と、この収容室8の下面をなす下金型6の表面との鉛直距離である。図示される通り、この収容室8の深さは、この収容室8の長さ方向に沿って、深さh1から深さh2まで直線的に増加する。この収容室8の深さは、収容室8の幅方向に沿っては変動しない。本願明細書において、この収容室8の形状は、テーパー型と称される。
図2に示された一点鎖線c1は、この収容室8の深さ方向中線である。本発明に係る評価方法では、深さ方向中線c1上に位置する複数の点に、それぞれ温度測定装置が設置されて、各点の温度変化が測定される。温度測定装置の種類は、特に限定されず、熱電対、測温抵抗体等既知の装置が適宜選択されて用いられる。この実施形態に係る評価方法では、図2の記号A1−A7で示された7つの測定点に、それぞれ1本の熱電対11−17が設置される。
図示されないが、金型2は、加熱装置を備えている。加熱装置は、上金型4及び下金型6を加熱する。加熱装置の種類は特に限定されず、電熱装置等既知の加熱装置が、適宜選択されて用いられる。
次に、予め配合された未加硫ゴム20が、テーパー型の収容室8に収容される。収容室8に収容された未加硫ゴム20は、この収容室8を形成する上金型4及び下金型6と接触する。前述した通り、上金型4及び下金型6は、加熱装置により加熱される。この収容室8において、未加硫ゴム20は、上金型4及び下金型6からの熱伝導によって加熱されつつ、上金型4及び下金型6によって加圧される。加熱及び加圧によって未加硫ゴム20が加硫されて、加硫ゴム20からなるゴムブロック22が成形される。
この評価方法では、収容室8の深さ方向中線c1上に位置する7つの測定点A1−A7のそれぞれにおいて、加硫開始時から加硫終了時までの温度が測定され、記録される。測定された加硫中の温度変化に基づいて、各測定点における温度−時間曲線(加硫曲線)が作成される。本願明細書において、加硫開始時とは、未加硫ゴム20が収容室8に投入された時点であり、加硫終了時とは、加硫ゴム20からなるゴムブロック22を収容室8から取り出した時点を意味する。
図5は、測定点A1において作成された加硫開始時から加硫終了時までの温度−時間曲線である。前述した通り、本発明に係る評価方法では、複数の測定点A1−A7が、テーパー型の収容室8の深さ方向中線c1上に位置するように配置される。深さ方向中線c1上を占める未加硫ゴム20は、加熱された上金型4及び下金型6からの熱伝導によって加熱される。テーパー型の収容室8において、熱源である上金型4及び下金型6から各測定点までの距離は、測定点A1から測定点A7に向かって増加する。各測定点における昇温速度は、測定点A1から測定点A7に向かって、減少する。この評価方法では、測定点A1−A7において、それぞれ異なる温度−時間曲線が作成される。
本発明に係る評価方法では、作成された温度−時間曲線に基づいて等価加硫量が算出される。等価加硫量とは、基準温度及び基準時間における加硫の程度(加硫量)を1としたときの、ある加硫温度及び加硫時間による加硫量として定義される。温度−時間曲線に基づいて算出された等価加硫量は、この温度−時間曲線が作成された測定点に形成された加硫ゴムが加硫中に受けた熱量と相関する。
具体的には、等価加硫量は、アレニウスの反応速度式から導かれる下記(式1)を、前述の温度−時間曲線に適用することにより算出される。
等価加硫量=(t/t)×exp[(−E/R)×(1/T−1/T)]
・・・ (式1)
(式1)中、tは基準時間(分)であり、tは加硫時間(分)であり、Eは活性化エネルギー(kcal/mol)であり、Rは気体定数(1.987×10−3kcal/mol/deg)であり、Tは基準温度(K)であり、Tは加硫中の加硫ゴムの測定温度(K)である。なお、ゴムの加硫反応の場合の活性化エネルギーEは、通常、20kcal/molである。
前述した通り、本発明に係る評価方法では、複数の測定点A1−A7において、異なる温度−時間曲線が作成される。この評価方法では、複数の測定点A1−A7において異なる等価加硫量が算出される。この評価方法では、各測定点において算出された等価加硫量が、測定点A1から測定点A7に向かって減少する。換言すれば、この評価方法では、未加硫ゴム20が加硫されて得られるゴムブロック22の測定点A1−A7を含む領域に、等価加硫量の異なる加硫ゴム20が形成される。
本発明に係る評価方法において、加硫ゴム20からなるゴムブロック22は、金型2の収容室8から取り出された後、冷水等に浸漬されることにより、急冷される。急冷されたゴムブロック22では、架橋反応の進行が停止される。架橋反応の進行が停止することにより、加硫終了時の加硫ゴム20の物性や構造が保持される。本発明の目的が達成される限り、ゴムブロック22を冷却する方法は、特に限定されず、既知の冷却装置が用いられ得る。
この評価方法において、金型2の収容室8から取り出され、急冷されたゴムブロック22の斜視図が、図3(a)に示されている。このゴムブロック22の長さ、幅及び厚さは、このゴムブロック22の成形に用いられた金型2の収容室8の長さ、幅及び深さと略同じである。
図3(b)は、このゴムブロック22の正面図である。図3(b)の左右方向は、ゴムブロック22の長さ方向であり、上下方向はゴムブロック22の厚さ方向であり、紙面との垂直方向は、ゴムブロック22の幅方向である。ゴムブロック22の厚さ方向中線が、一点鎖線c2として示されている。このゴムブロック22の形状は、正面視台形状である。
図3(c)は、このゴムブロック22の右側面図である。図3(c)の左右方向は、ゴムブロック22の幅方向であり、上下方向はゴムブロック22の厚さ方向であり、紙面との垂直方向は、ゴムブロック22の長さ方向である。ゴムブロック22の厚さ方向中線が、一点鎖線c3として示されている。このゴムブロック22の形状は、側面視矩形状である。
図3(b)及び図3(c)に示された記号S1及びS2は、ゴムブロック22の切削面である。この評価方法では、金型2から取り出され急冷されたゴムブロック22が、切削面S1及びS2で切削される。図示される通り、切削面S1と切削面S2とは、平行である。切削面S1及びS2での切削により、略均一な厚さのゴムシート24が得られる。本発明の評価方法において、ゴムブロック22の切削方法は特に限定されず、スライサー、カッター等既知の手段が用いられ得る。
図3(b)に示された厚さ方向中線c2及び図3(c)に示された厚さ方向中線c3を含む面がS0とされたとき、切削面S1と面S0とのなす距離が、両矢印d1として示されている。切削面S2と面S0とのなす距離が、両矢印d2として示されている。図示される通り、切削面S1及びS2は、ともに、面S0と平行である。本発明の目的が達成される限り、距離d1と距離d2とが同じであってもよく、距離d1と距離d2とが異なっていてもよい。距離d1と距離d2とが略同じであることが好ましい。
切削面S1及びS2で切削されて得られるゴムシート24の平面図が、図4(a)に示されている。図4(a)において、左右方向はこのゴムシート24の長さ方向であり、上下方向はゴムシート24の幅方向であり、紙面との垂直方向はゴムシート24の厚さ方向である。一点鎖線c4は、このゴムシート24の幅方向中線である。このゴムシート24の正面図が、図4(b)に示されている。図4(b)に示された両矢印tは、このゴムシート24の厚さである。厚さtは、前述した距離d1と距離d2との和と、ほぼ等しい。
図4(a)に示された記号A1−A7は、収容室8の深さ方向中線c1上に位置する複数の測定点A1−A7である。この評価方法では、ゴムブロック22から、測定点A1−A7の近傍に形成された加硫ゴムを含むゴムシート24が切り出される。図示される通り、測定点A1−A7は、切り出されたゴムシート24の幅方向中線c4上に位置している。
本発明に係る評価方法では、このゴムシート24から、各測定点を含む領域に形成された加硫ゴムが、架橋密度測定用の試験片31−37として採取される。ゴムシート24から、試験片31−37を採取する方法は、特に限定されない。カッター、ハサミ、スライサー等既知の手段が適宜選択されて用いられる。
図4(a)において、測定点A1を含む加硫ゴムからなる試験片31の形状が、記号B1として示されている。測定点A2を含む加硫ゴムからなる試験片32の形状が、記号B2として示されている。測定点A3を含む加硫ゴムからなる試験片33の形状が、記号B3として示されている。測定点A4を含む加硫ゴムからなる試験片34の形状が、記号B4として示されている。測定点A5を含む加硫ゴムからなる試験片35の形状が、記号B5として示されている。測定点A6を含む加硫ゴムからなる試験片36の形状が、記号B6として示されている。測定点A7を含む加硫ゴムからなる試験片37の形状が、記号B7として示されている。
図4(a)において、記号B1−B7で示された試験片31−37の形状は、略矩形状である。本発明の目的が達成される限り、試験片31−37の形状は、特に限定されない。後述する架橋密度測定試験おける誤差低減のため、各測定点が試験片31−37の略中央部に位置するような形状に採取されることが好ましい。
ゴムシート24から採取された試験片31−37は、架橋密度測定試験に供される。架橋密度測定試験では、試験片31−37の主成分である加硫ゴムの架橋密度が測定される。本発明の目的が達成される限り、架橋密度の測定方法は特に限定されない。例えば、試験片31−37を有機溶媒に浸漬させた時の膨潤度を測定する方法、溶媒に膨潤させた試験片31−37をNMRで測定する方法等が挙げられる。種々の配合の加硫ゴムに適用可能との観点から、トルエンを用いた膨潤度測定による方法(以下、トルエン膨潤法とも称される)が好ましい。
トルエン膨潤法では、試験片31−37のSwellが測定される。Swellとは、トルエン浸漬前後の試験片31−37の質量比(百分率)を意味する。この実施形態に係る評価方法では、各試験片31−37について測定されたSwellに基づいて、この試験片31−37をなす加硫ゴムの架橋密度が評価される。
測定点A1−A7のそれぞれを含む加硫ゴムからなる試験片31−37について測定されたSwell(%)と、測定点A1−A7において算出された等価加硫量(ECU)とがプロットされたグラフが、図6に示されている。
図6において、横軸は等価加硫量であり、縦軸はSwellである。図6には、プロットされた各点のSwell及び等価加硫量に基づいて、回帰分析法によって得られる指数近似曲線も示されている。図示される通り、プロットされた7点は、指数近似曲線から大幅には乖離していない。換言すれば、この評価方法において得られる等価加硫量と、Swellを指標とする架橋密度とは、高い精度で相関する。
好ましくは、この評価方法では、等価加硫量と架橋密度とに基づいて得られる指数近似曲線のRが、0.960以上である。Rが0.960以上の場合、等価加硫量と架橋密度とが高い精度で相関することを意味する。Rが0.960以上の指数近似曲線を用いて加硫条件を設定することにより、高い精度で架橋密度が制御された加硫ゴムを製造することができる。この観点から、Rは0.965以上がより好ましく、0.970以上がさらに好ましく、0.980以上が特に好ましい。Rは、相関係数Rを二乗することで算出される。相関係数Rは、架橋密度と等価加硫量との共分散を、架橋密度の標準偏差及び等価加硫量の標準偏差で除することで算出される。
本発明に係る評価方法では、加硫中の温度変化が測定され、等価加硫量が算出された加硫ゴムからなる試験片31−37が、架橋密度測定試験に供される。この評価方法では、架橋密度測定用の加硫ゴムと、等価加硫量算出用の加硫ゴムとを、別の工程で製造することを要しない。この評価方法では、未加硫ゴム配合操作、加硫操作等を要因とする測定誤差が低減される。この評価方法で得られる架橋密度と等価加硫量とは、高い精度で相関する。
本発明に係る評価方法では、一度の加硫操作によって、等価加硫量が異なる加硫ゴムからなる複数の試験片31−37を得ることができる。この評価方法で得られた複数の試験片31−37によれば、配合操作及び加硫操作を繰り返すことにより発生しうる測定誤差が低減される。この評価方法によれば、複数の試験片31−37作成に要する時間及び費用が大幅に削減される。
本発明に係る評価方法において、未加硫ゴム20の配合は特に限定されず、通常ゴム分野で用いられる配合が適宜選択される。好ましくは、未加硫ゴム20は、基材ゴム、加硫剤、加硫促進剤、過酸化物等を含む。未加硫ゴム20が、シリカ、カーボンブラック等の充填剤を含んでもよい。代表的な基材ゴムとして、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリルブタジエンスチレンゴム(ABS)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)等が例示される。
本発明の目的が達成される限り、金型2の加熱温度は、特に限定されない。金型2の収容室8に収容される未加硫ゴム20の配合や量、金型2の形状等に応じて適宜選択される。例えばタイヤ用として配合された未加硫ゴム20の場合、好ましい加熱温度は、130℃以上200℃以下である。ゴムブロック22中に等価加硫量の大きな勾配が形成されるとの観点から、加熱温度は、190℃以上がより好ましく、180℃以上が特に好ましい。作業効率の観点から、より好ましい加熱温度は、150℃以上である。
金型2の加熱時間は、未加硫ゴム20の配合、金型(収容室)の形状、金型の加熱温度等により、適宜選択される。例えばタイヤ用として配合された未加硫ゴム20が、図1に示される金型で加熱される場合、好ましい加熱時間は、1分以上である。適正な温度−時間曲線(加硫曲線)が得られる、との観点から、より好ましい加熱時間は2分以上である。ゴムブロック22中に架橋密度の大きな勾配が形成される、との観点から、好ましい加熱時間は、60分以下であり、より好ましくは40分以下であり、特に好ましくは30分以下である。
本発明に係る評価方法において、テーパー型の収容室8が用いられる場合、収容室8の長さがL(mm)とされ、深さの最小値がh1(mm)とされ、深さの最大値がh2(mm)とされたとき、深さの最大値h2と最小値h1との差(h2−h1)の、長さLに対する比[(h2−h1)/L]が、下記(式2)を満たすことが好ましい。
0.007 < (h2−h1)/L < 0.150 (式2)
図2の断面図において、比[(h2−h1)/L]は、テーパー型の収容室8の上面及び下面の傾斜の度合いを表すテーパー比である。比[(h2−h1)/L]が0.007より大きい収容室8で加硫されて得られるゴムブロック22中には、等価加硫量の大きな勾配が形成される。この収容室8によれば、未加硫ゴム20が加硫反応速度の遅い配合とされた場合にも、架橋密度の大きな勾配が形成されたゴムブロック22が得られる。この収容室8によれば、加硫反応速度が遅い配合の未加硫ゴム20について、等価加硫量と架橋密度との相関関係を、より正確に把握することができる。この観点から、比[(h2−h1)/L]は、0.01以上がより好ましく、0.02以上が特に好ましい。
比[(h2−h1)/L]が0.150よりも小さい収容室8によれば、未加硫ゴム20の配合が加硫反応速度の速いものとされた場合にも、架橋密度の適正な勾配が形成されたゴムブロック22が得られる。この収容室8によれば、加硫反応速度が速い配合の未加硫ゴム20について、等価加硫量と架橋密度との相関関係をより正確に把握することができる。この観点から、より好ましい比[(h2−h1)/L]は、0.07以下であり、特に好ましくは、0.03以下である。
等価加硫量の大きな勾配が形成されるとの観点から、収容室8の長さLは、60mm以上が好ましく、80mm以上がより好ましい。作業効率の観点から、好ましい長さLは、300mm以下であり、より好ましくは、150mm以下である。
本発明に係る評価方法において、収容室8の深さは、その最小値h1と最大値h2とが上記(式2)を満たす限り、特に限定されない。最小値h1と最大値h2との平均値[(h2−h1)/2]が収容室8の深さhとされた場合、収容室8の深さhは4mm以上50mm以下が好ましい。架橋密度測定用試験片31−37の作成が容易であり、架橋密度と等価加硫量との高い相関性が得られる、との観点から、より好ましい収容室8の深さhは、5mm以上である。作業効率の観点から、より好ましい収容室8の深さhは、15mm以下である。
本発明の目的が達成される限り、収容室8の幅Wは特に限定されない。収容室8の上面及び下面以外からの熱伝導の影響が低減される、との観点から、好ましい幅Wは40mm以上であり、より好ましくは、50mm以上である。作業効率の観点から、幅Wは150mm以下が好ましく、80mm以下がより好ましい。
本発明に係る評価方法では、収容室8の深さ方向中線上に位置する複数の測定点において、加硫中の温度変化が測定される。複数の測定点の数Nは、特に限定されないが、等価加硫量と架橋密度との相関性向上との観点から、3以上が好ましく、4以上がより好ましい。作業効率の観点から、好ましい測定点の数Nは10以下である。
本発明に係る評価方法では、収容室8の深さ方向中線上における複数の測定点の位置は、特に限定されない。等価加硫量と架橋密度との相関性の観点から、複数の測定点が、それぞれ等間隔になるように配置されることが好ましい。作業性の観点から、隣接する測定点間の距離は、10mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましい。等価加硫量と架橋密度との高い相関性が得られるとの観点から、好ましい距離は、100mm以下であり、より好ましくは30mm以下である。本発明の目的が達成される限り、複数の測定点が、それぞれ隣接する測定点と、異なる距離に位置するように設定されてもよい。
等価加硫量と架橋密度との相関性向上との観点から、より好ましくは、複数の測定点が、収容室8の深さ方向中線上であって、かつ収容室8の幅方向中線上に位置するように、配置される。複数の測定点が、収容室8の深さ方向中線上であって、かつ幅方向中線上に位置するように配置されることにより、収容室8の上面及び下面以外からの熱伝導を要因とする測定誤差が低減される。
この実施形態に係る評価方法において、架橋密度測定試験に供される試験片31−37の厚さは、この試験片31−37が採取されるゴムシート24の厚さtと、略同じである。複数の測定点において形成された加硫ゴムを効率的に採取する、との観点から、試験片31−37の厚さtは、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましい。作業効率の観点から、好ましい試験片31−37の厚さtは、3.0mm以下である。
図8は、本発明の他の実施形態に係る評価方法で得られるゴムブロック40の正面図である。図8において、左右方向はゴムブロック40の長さ方向であり、上下方向はゴムブロック40の厚さ方向であり、紙面との垂直方向はゴムブロック40の幅方向である。このゴムブロック40は、組み合わせることにより、長さ方向に沿って深さが段階的に変化する収容室を形成することができる一対の部材を備えた金型を用いて、この収容室に収容した未加硫ゴムを加硫することにより得られる。図8に示された一点鎖線c5は、このゴムブロック40の厚さ方向中線である。この実施形態に係る評価方法では、図8に記号G1−G7として示された7つの測定点において、加硫中の温度が測定され、各点における等価加硫量が算出される。この評価方法では、このゴムブロック40から、測定点G1−G7のそれぞれを含む試験片が採取される。この評価方法において、測定点G1−G7のそれぞれを含む試験片について測定されたSwell(%)と、測定点G1−G7において算出された等価加硫量とは、高い精度で相関する。
本発明に係る評価方法では、ある配合の加硫ゴムについて、等価加硫量と架橋密度との相関関係を、高い精度で把握することができる。この評価方法で得られる等価加硫量と架橋密度との相関関係は、例えば、新規加硫ゴムの設計・開発における最適加硫条件の選択に、好適に用いられる。この評価方法で得られた高い相関関係に基づいて、最適加硫条件を設定することにより、加硫ゴム及び加硫ゴムからなる成形品の開発速度が向上する。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
表1に示された配合Pに従って、スチレンブタジエンゴム(JSR(株)製のSBR1502)、ブタジエンゴム(宇部興産(株)製のBR700)、カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330)、シリカ(日本シリカ(株)製のニプシルVN3)、オイル((株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140)、老化防止剤(大内新興化学工業(株)製のノクラック6C)、ワックス(日本精蝋(株)製のオゾエース0355)、酸化亜鉛(東邦亜鉛(株)製の銀嶺R)、ステアリン酸(日本油脂(株)製の椿)及びシランカップリング剤(Degussa社製のSi69)を配合し、充填率58%となるように、容量1.7Lのバンバリーミキサー((株)神戸製鋼製)に投入した。投入した材料の温度が140℃に到達するまで、回転速度80rpmで、加熱しながら混練した。取り出した混練物に、1.5質量部の硫黄(鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末硫黄)と2質量部の加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS)とを添加し、オープンロールを用いて、80℃で5分間混合して、未加硫ゴム(1)を得た。
次に、ハイスピードブローポイントテスター((株)東洋精機製作所製)に図1の金型を装着し、この金型の収容室に未加硫ゴム(1)を投入した。この収容室の長さLは140mmであり、幅Wは55mmである。この収容室の深さの最小値h1は、5.5mmであり、深さの最大値h2は9.5mmである。比[(h2−h1)/L]は、0.028である。
次に、この収容室の深さ方向中線上に位置する7箇所の測定点A1−A7に、それぞれ熱電対を設置した。隣接する測定点間の距離は、全て20mmである。続いて、金型の温度を160℃に設定し、測定点A1−A7における温度を測定しながら、8分間プレス加硫をおこなって、加硫ゴムからなるゴムブロック(1)を得た。各測定点A1−A7について温度−時間曲線を作成し、得られた温度−時間曲線に基づいて、等価加硫量(ECU)を算出した。各測定点について算出された等価加硫量(ECU)が、下表2に示されている。
次に、得られたゴムブロック(1)を金型から取り出し、冷水(20℃)で急冷した後、スライサーを用いて、ゴムブロック(1)の略中央部から、測定点A1−A7を含む厚さ2mmのゴムシート(1)を切り出した。このゴムシート(1)から、それぞれ1箇所の測定点を含む7枚の試験片を採取した。各試験片の寸法は、全て、長さ17mm、幅4mm、厚さ2mmである。ゴムブロックから7枚の試験片を採取するために要した時間は、総計で10分である。
次に、トルエン膨潤法により、採取した7枚の試験片について、架橋密度測定をおこなった。トルエンへの浸漬条件は25℃、24時間である。トルエン浸漬前の試験片の質量M0(g)とトルエン浸漬後の試験片の質量M1(g)とを測定し、下記(式3)に従って、架橋密度の指標であるSwell(%)を算出した。実施例1の各試験片について得られたSwell(%)が下表2に示されている。
Swell = M1/M0×100 (式3)
表2に示された実施例1の等価加硫量とSwellとをプロットしたグラフが、図6に示されている。等価加硫量とSwellとがプロットされたグラフにおいて、指数関数による回帰分析をおこなって得られた指数近似曲線のRが、下表3に示されている。実施例1の評価方法における加硫操作は、1回であった。実施例1の評価方法において、加硫及び試験片作成に要した時間が、総作業時間として下表3に示されている。
[比較例1]
表1に示された配合Pに従い、実施例1と同様の配合操作を7回繰り返すことにより、比較例1の未加硫ゴム(1a)−(1g)を得た。
次に、組み合わせることにより、略直方体状の収容室を形成することができる一対の部材を備えた、落し蓋金型を準備した。落し蓋金型の収容室の長さは135mmであり、幅は135mmであり、深さは10mmである。この収容室は、テーパー型ではない。この落し蓋金型を、前述のハイスピードブローポイントテスターに装着した後、落し蓋金型の収容室に未加硫ゴム(1a)を投入した。この収容室の略中央部に、前述の熱電対を設置した。金型の温度を160℃に設定して、加硫中の温度を測定しながら、8分間プレス加硫をおこなって、厚さ10mmの略直方体のゴムブロック(1a)を得た。
収容室の深さが異なる落し蓋金型を使用した以外は前述の未加硫ゴム(1a)と同様にして、未加硫ゴム(1b)−(1g)を加硫することにより、ゴムブロック(1b)−(1g)を得た。未加硫ゴム(1a)−(1g)の加硫中の温度変化に基づいて、実施例1と同様にして算出された等価加硫量(ECU)が下表2に示されている。
実施例1と同様にして、ゴムブロック(1a)−(1g)のそれぞれから、各1枚の試験片(長さ17mm、幅4mm、厚さ2mm)を採取した。試験片の作製に要した作業時間は、1枚につき10分である。比較例1の7枚の試験片について得られたSwell(%)が下表2に示されている。
表2に示された比較例1の等価加硫量とSwellとをプロットしたグラフが、図7に示されている。等価加硫量とSwellとがプロットされたグラフにおいて、指数関数による回帰分析をおこなって得られた指数近似曲線のRが、下表3に示されている。比較例1の評価方法における加硫操作は、計7回であった。比較例1の評価方法において、加硫及び試験片作製に要した時間が、総作業時間として下表3に示されている。
Figure 2017042978
表1に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
スチレンブタジエンゴム(SBR):JSR(株)製の商品名「SBR1502」(結合スチレン量:23.5質量%)
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製の商品名「BR700」
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製の商品名「ショウブラックN330」(NSA=79m/g)
シリカ粒子:日本シリカ(株)製の商品名「ニプシルVN3」
オイル:(株)ジャパンエナジー製の商品名「プロセスX−140」
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製の商品名「ノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)」
ワックス:日本精蝋(株)製の商品名「オゾエース0355」
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の商品名「銀嶺R」
ステアリン酸:日本油脂(株)製の商品名「椿」
シランカップリング剤:Degussa社製の商品名「Si69」(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末硫黄(オイル分5%質量%を含む可溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製の商品名「ノクセラーNS」(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
Figure 2017042978
Figure 2017042978
表2−3に示されるように、実施例1の評価方法では、比較例1の評価方法に比べて、等価加硫量と、架橋密度の指標であるSwellとの相関性が高い。実施例1の評価方法によると、等価加硫量に基づいて、加硫ゴムの架橋密度を、高い精度でコントロールできる。さらに、実施例1の評価方法に要する総作業時間は、比較例1の評価方法よりも短い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、ゴム材料の種々の物性と、等価加硫量との相関関係を評価するためにも適用されうる。
2・・・金型
4・・・上金型
6・・・下金型
8・・・収容室
11、12、13、14、15、16、17・・・熱電対
20・・・未加硫ゴム(加硫ゴム)
22、40・・・ゴムブロック
24・・・ゴムシート
31、32、33、34、35、36、37・・・試験片

Claims (2)

  1. 組み合わせることにより、長さ方向に沿って深さが変化する収容室を形成することができる一対の部材を備えた金型を用いて、この収容室に収容した未加硫ゴムを加硫して、加硫ゴムからなるゴムブロックを得る第一工程と、
    上記収容室の深さ方向中線上に位置する複数の測定点において、加硫中の温度を測定することにより温度−時間曲線を作成し、各測定点について作成した温度−時間曲線に基づいて等価加硫量を算出する第二工程と、
    上記収容室から取り出して急冷したゴムブロックから、上記複数の測定点のそれぞれを含む加硫ゴムを試験片として採取して、架橋密度測定試験に供することにより、各測定点に形成された加硫ゴムの架橋密度を測定する第三工程と
    を含むゴム材料評価方法。
  2. 上記架橋密度測定試験が、トルエン膨潤法である請求項1に記載の評価方法。
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