JP2017171797A - 加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定する方法を提供する。【解決手段】 加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定する方法であって、該方法は、前記加硫開始温度域中の温度T(℃)における、前記未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性を測定する工程(A)、前記工程(A)の測定結果から、貯蔵弾性率が略一定値となる最小時間t(秒)を決定する工程(B)、前記工程(B)で決定した時間t(秒)以上、T(℃)で前記未加硫ゴム組成物を加熱した後、T(℃)以下の複数の温度で、弾性率の周波数依存性を測定する工程(C)、前記工程(C)の測定結果から、合成曲線を作成する工程(D)、及び、前記工程(D)で得られた合成曲線から複素粘度のせん断速度依存性を算出する工程(E)を含み、前記温度T(℃)が、80〜150℃である方法。【選択図】なし
Description
本発明は、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定する方法に関する。
ゴム製品の品質や性能、特に加工性は、原料となるゴム材料(ゴム組成物)の粘度に大きく依存することが知られている。そのため、ゴム材料(ゴム組成物)の粘度を測定し、その加工性を評価することが行われており、加工性評価の指標として、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度測定が広く用いられている。
しかしながら、一般的に、ゴム製品はゴム材料(ゴム組成物)が様々な加工過程を経ることで得られるものであることから、その加工過程でのゴム材料(ゴム組成物)の粘度を測定し、ゴム組成物の加工性についてより正確な情報を得ることが求められる。
ここで、加硫剤を含まない未加硫ゴムの粘弾性測定は、内容物の熱分解が起こらない180℃程度までであれば、例えば、講座・レオロジー(高分子刊行会)、1992年に記載されるような既知の手法で問題なく測定でき、合成曲線の作成、及び合成曲線に対応する粘度の算出が可能である。
しかしながら、加硫剤を含み、かつ加熱による加硫処理を経ていないゴムでは、80℃程度以上では、粘弾性測定は可能であるが、合成曲線を作成することができず、従って対応する粘度を算出することもできない。これは、80℃程度以上となるとゴムの加硫が進行し、架橋構造が変化することにより、合成曲線作成の原理である時間温度換算則が適用できなくなるためである。
このように、加硫剤を含み、かつ加熱による加硫処理を経ていないゴムにおいて、80℃程度以上の加硫反応の進行してしまう温度域での粘度を測定する方法は知られていなかった。
ゴム製品の原料となるゴム材料(ゴム組成物)には通常加硫剤が含まれており、ゴム組成物を加工する過程において、加硫処理を行う前までの加工過程(例えば、ゴム組成物の配合物を混練する混練工程や、混練物を成型する成型工程などが通常行われる)で80℃程度以上の熱が加わることは通常有り得ることである。したがって、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物において、加硫反応の進行してしまう温度域(加硫開始温度域)で粘度を測定することができれば、ゴム組成物を加工する過程における、加硫処理を行う前までの加工過程の各工程での加工性についてより正確な情報を得ることが可能となるものと考えられ、そのような情報はゴム組成物を加工する過程における各工程の工程条件の最適化や品質管理、また物性から逆算しての設備の改良設計等において有益な情報となると考えられる。しかしながら、そのような粘度の測定方法はこれまで知られていなかった。
本発明は、前記課題を解決し、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定する方法を提供することを目的とする。
本発明は、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定する方法であって、該方法は、前記加硫開始温度域中の温度T(℃)における、前記未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性を測定する工程(A)、前記工程(A)の測定結果から、貯蔵弾性率が略一定値となる最小時間t(秒)を決定する工程(B)、前記工程(B)で決定した時間t(秒)以上、T(℃)で前記未加硫ゴム組成物を加熱した後、T(℃)以下の複数の温度で、弾性率の周波数依存性を測定する工程(C)、前記工程(C)の測定結果から、合成曲線を作成する工程(D)、及び、前記工程(D)で得られた合成曲線から複素粘度のせん断速度依存性を算出する工程(E)を含み、前記温度T(℃)が、80〜150℃である方法に関する。
前記工程(E)は、工程(D)で得られた合成曲線のG′、G′′から、Cox−Merz則にしたがい、下記式(1)を用いて、複素粘度のせん断速度依存性を算出する工程であることが好ましい。
本発明によれば、加硫開始温度域中の温度T(℃)(T(℃)は、80〜150℃)における、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性を測定し、その測定結果から、貯蔵弾性率が略一定値となる最小時間t(秒)を決定する。そして、決定した時間t(秒)以上、T(℃)で加硫剤を含む未加硫ゴム組成物を加熱した後、T(℃)以下の複数の温度で、弾性率の周波数依存性を測定し、その測定結果から、合成曲線を作成して、複素粘度のせん断速度依存性を算出する方法であるので、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定(算出)することができ、ゴム組成物を加工する過程における、加硫処理を行う前までの加工過程の各工程での加工性についてより正確な情報を得ることが可能となる。
本発明の加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定する方法は、前記加硫開始温度域中の温度T(℃)における、前記未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性を測定する工程(A)、前記工程(A)の測定結果から、貯蔵弾性率が略一定値となる最小時間t(秒)を決定する工程(B)、前記工程(B)で決定した時間t(秒)以上、T(℃)で前記未加硫ゴム組成物を加熱した後、T(℃)以下の複数の温度で、弾性率の周波数依存性を測定する工程(C)、前記工程(C)の測定結果から、合成曲線を作成する工程(D)、及び、前記工程(D)で得られた合成曲線から複素粘度のせん断速度依存性を算出する工程(E)を含み、前記温度T(℃)が、80〜150℃であることを特徴とする。
通常、加硫剤を含み、かつ加熱による加硫処理を経ていないゴムでは、80℃程度以上の加硫反応の進行してしまう温度域(加硫開始温度域)で粘弾性測定を行うと、ゴムの加硫が進行してしまい、架橋構造が変化してしまうことから、合成曲線作成の原理である時間温度換算則が適用できなくなるため、粘弾性測定自体は可能であっても、合成曲線を作成することができず、従って対応する粘度を算出することができなかった。このように、加硫剤を含み、かつ加熱による加硫処理を経ていないゴムにおいて、80℃程度以上の加硫反応の進行してしまう温度域での粘度を測定する方法は知られていなかった。
このような状況下、本発明者は、加硫開始温度域でも150℃以下のあまり高温ではない温度で加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性を測定したところ、一定の時間経過後、貯蔵弾性率が略一定の値をとることを見出した。ゴム組成物の貯蔵弾性率はゴム組成物の弾性成分を表し、ゴム状領域においてはゴムの架橋構造の変化と1対1に対応することが知られている。したがって、貯蔵弾性率が略一定の値をとるということは、ゴムの架橋構造が変化しなくなっていることを示している。これらのことから、本発明者は、加硫開始温度域でも150℃以下のあまり高温ではない温度で加硫剤を含む未加硫ゴム組成物を加熱すると、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫反応は加硫反応が完了するまで進行してしまわずに、加硫反応が少し進行したところでそれ以上は加硫反応が進行せずに架橋構造が変化しない定常状態となることを見出した。このことから、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物を、加硫開始温度域中の温度T(℃)(T(℃)は、80〜150℃)で架橋構造が変化しない定常状態まで加熱した後に、T(℃)以下の複数の温度で、弾性率の周波数依存性を測定することとすれば、T(℃)以下の温度ではゴムは架橋構造の変化しない定常状態になっていることから、合成曲線作成の原理である時間温度換算則を適用できるため、合成曲線を作成することが可能となり、従って、得られた合成曲線から複素粘度のせん断速度依存性を算出することで対応する粘度を算出でき、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定できることに想到し、本発明は完成したものである。
本発明において、加硫開始温度域とは、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫反応が進行し始める(開始される)温度範囲を意味し、一般的に80℃程度以上である。
本発明における工程(A)では、加硫開始温度域中の温度T(℃)における、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性を測定する。
上記温度T(℃)は、加硫開始温度域内の温度であるが、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫反応が完了してしまうほどには高くない温度であり、具体的には、80〜150℃である。150℃を超えると、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫反応が上述したゴムの架橋構造が変化しない定常状態で止まらずに、加硫反応が完了するまで進行してしまうため、未加硫ゴム組成物の粘度を測定することができなくなってしまう。上記温度T(℃)は、85〜145℃であることが好ましく、90〜140℃であることがより好ましい。
上記未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性は、温度T(℃)での加熱時間に対する弾性率の変化を通常公知の方法で測定することにより測定でき、例えば、ARES(TA instruments社製)、RSA(TA instruments社製)、Metra Vib(01dB−METRA VIB社製)、GABO(GABO社製)等のレオメーターを用いて測定することができる。
本発明における工程(B)では、前記工程(A)の測定結果から、貯蔵弾性率が略一定値となる最小時間t(秒)を決定する。具体的には、前記工程(A)では、加硫開始温度域中の温度T(℃)(T(℃)は、80〜150℃)における、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性を測定するため、測定開始から温度T(℃)での加熱による影響、及び、加硫反応の進行に伴う架橋構造の変化による影響を受けて、貯蔵弾性率の値は変化していく。ただし、上記温度T(℃)で加熱しているので、該未加硫ゴム組成物の加硫反応は加硫反応が完了するまで進行してしまわずに、加硫反応が少し進行したところでそれ以上は加硫反応が進行せずに架橋構造が変化しない定常状態となることから、測定開始からある一定時間経過後、貯蔵弾性率は略一定値に収束していく。そこで、貯蔵弾性率が略一定値となった最小時間t(秒)を決定する。すなわち、前記工程(A)の測定結果として得られる貯蔵弾性率の時間依存性のグラフから、貯蔵弾性率の値が、300秒前の貯蔵弾性率の値から常に±3%以内に収まる、すなわち、「a±(0.03×a)(ただし、aは300秒前の貯蔵弾性率の値を表す。)」の範囲に常に収まるようになる最小時間t(秒)を決定する。
本発明における工程(C)では、前記工程(B)で決定した時間t(秒)以上、T(℃)で加硫剤を含む未加硫ゴム組成物を加熱した後、T(℃)以下の複数の温度で、弾性率の周波数依存性を測定する。具体的には、まず、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物を、前記工程(B)で決定した時間t(秒)以上、T(℃)で加熱する。これにより、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物を架橋構造の変化しない定常状態とすることができる。こうして調製されたゴム組成物の弾性率の周波数依存性をT(℃)以下の複数の温度で(例えば、T−10(℃)、T−30(℃)、T−50(℃)、T−70(℃)など複数の温度条件で)測定する。当該複数の温度条件の個数は特に制限されず、後述する工程(D)で合成曲線を作成することができる範囲で適宜設定できるが、例えば、3〜10個の異なる温度条件で測定するなどすればよい。
上記ゴム組成物の弾性率の周波数依存性は、上述のレオメーターなどを用いて、上記複数の各温度において、周波数に対する弾性率の変化を通常公知の方法で測定することにより測定できる。
本発明における工程(D)では、前記工程(C)の測定結果から合成曲線を作成する。前記工程(C)の測定結果からの合成曲線の作成は、時間温度換算則を用いて従来公知の方法により作成することができる。
本発明における工程(E)では、前記工程(D)で得られた合成曲線から複素粘度のせん断速度依存性を算出する。前記工程(D)で得られた、上記ゴム組成物の弾性率の周波数依存性についての合成曲線から、複素粘度のせん断速度依存性を算出する方法は特に限定されず、通常行われる方法により算出することができるが、例えば、前記工程(D)で得られた合成曲線の貯蔵弾性率G′、損失弾性率G′′から、Cox−Merz則にしたがい、下記式(1)を用いて、複素粘度のせん断速度依存性を算出する方法が好適な方法として挙げられる。
(ゴム組成物)
本発明における未加硫ゴム組成物は、加硫剤を含むものであるが、加硫剤を含む限り、ゴム成分の他、ゴム工業分野で一般に配合される配合剤を配合することができる。このようなゴム組成物としては、例えば、タイヤ用ゴム組成物などが挙げられる。
本発明における未加硫ゴム組成物は、加硫剤を含むものであるが、加硫剤を含む限り、ゴム成分の他、ゴム工業分野で一般に配合される配合剤を配合することができる。このようなゴム組成物としては、例えば、タイヤ用ゴム組成物などが挙げられる。
上記加硫剤としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等の硫黄加硫剤などが挙げられる。
上記ゴム成分としては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)等の改質天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体の臭素化物、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム共重合ゴム(SIBR)、イソプレン−ブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO、GECO)、多硫化ゴム(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ウレタンゴム(U)などを用いることができる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記未加硫ゴム組成物には、カーボンブラック、シリカ等の充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、オイル、石油樹脂等の軟化剤、加硫促進剤など、従来公知のゴム分野の配合物を適宜配合できる。
上記未加硫ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練する方法などにより製造できる。
以上のとおり、本発明の方法を採用することにより、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定することが可能となる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B
オイル:出光興産社製のダイアナプロセスオイルNH−60
石油樹脂:丸善石油(株)製のマルカレッツT100AS
カーボンブラック:東海カーボン社製のシーストSO(FEFカーボン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
老化防止剤:フレキシス社製のサントフレックス13
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
加硫剤:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末硫黄(オイル分5質量%含む可溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B
オイル:出光興産社製のダイアナプロセスオイルNH−60
石油樹脂:丸善石油(株)製のマルカレッツT100AS
カーボンブラック:東海カーボン社製のシーストSO(FEFカーボン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
老化防止剤:フレキシス社製のサントフレックス13
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
加硫剤:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末硫黄(オイル分5質量%含む可溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
(製造例)
バンバリーミキサーを用いて、ゴム成分(NR 40質量部、及び、BR 60質量部)100質量部に対して、オイル6.9質量部、石油樹脂3質量部、カーボンブラック53質量部、ワックス1.2質量部、老化防止剤2.4質量部、酸化亜鉛3質量部、及びステアリン酸2質量部を混練りし、混練物を得た。次に、オープンロールを用いて、この混練物に、加硫剤1.58質量部及び加硫促進剤0.71質量部を混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。
バンバリーミキサーを用いて、ゴム成分(NR 40質量部、及び、BR 60質量部)100質量部に対して、オイル6.9質量部、石油樹脂3質量部、カーボンブラック53質量部、ワックス1.2質量部、老化防止剤2.4質量部、酸化亜鉛3質量部、及びステアリン酸2質量部を混練りし、混練物を得た。次に、オープンロールを用いて、この混練物に、加硫剤1.58質量部及び加硫促進剤0.71質量部を混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。
(実施例1)
得られた未加硫ゴム組成物について、110℃で弾性率の時間依存性を測定した。測定結果を図1に示す。なお、図1中、縦軸G′は貯蔵弾性率〔Pa〕を、G′′は損失弾性率〔Pa〕を表している。また、横軸は測定時間〔s〕を表している。
測定条件は以下のとおりである。
得られた未加硫ゴム組成物について、110℃で弾性率の時間依存性を測定した。測定結果を図1に示す。なお、図1中、縦軸G′は貯蔵弾性率〔Pa〕を、G′′は損失弾性率〔Pa〕を表している。また、横軸は測定時間〔s〕を表している。
測定条件は以下のとおりである。
装置:ARES(TA instruments社製)
試験冶具:パラレルプレート
サンプル形状:25mmΦ円形プレート
測定モード:時間分散
ひずみ:0.5%
周波数:15.9Hz
温度:110℃
試験冶具:パラレルプレート
サンプル形状:25mmΦ円形プレート
測定モード:時間分散
ひずみ:0.5%
周波数:15.9Hz
温度:110℃
上述のようにして得られた110℃での弾性率の時間依存性測定結果から、貯蔵弾性率の値が、300秒前の貯蔵弾性率の値から常に±3%以内に収まる、すなわち、「a±(0.03×a)(ただし、aは300秒前の貯蔵弾性率の値を表す。)」の範囲に常に収まるようになる最小時間を600(秒)と決定した。
得られた未加硫ゴム組成物を110℃で600秒加熱した後、40℃、60℃、80℃、100℃、110℃の各温度で弾性率の周波数依存性を測定した。
測定条件は以下のとおりである。
測定条件は以下のとおりである。
装置:ARES(TA instruments社製)
試験冶具:パラレルプレート
サンプル形状:25mmΦ円形プレート
測定モード:周波数分散
ひずみ:0.5%
周波数:0.0159〜15.9Hz
温度:40℃、60℃、80℃、100℃、110℃
試験冶具:パラレルプレート
サンプル形状:25mmΦ円形プレート
測定モード:周波数分散
ひずみ:0.5%
周波数:0.0159〜15.9Hz
温度:40℃、60℃、80℃、100℃、110℃
上述のようにして得られた40℃、60℃、80℃、100℃、110℃の各温度での弾性率の周波数依存性測定結果から、時間温度換算則を用いて合成曲線を作成した。作成された合成曲線を図2に示す。なお、図2中、縦軸G′は貯蔵弾性率〔Pa〕を、G′′は損失弾性率〔Pa〕を表している。また、横軸は周波数〔s−1〕を表している。
上述のようにして得られた合成曲線のG′、G′′から、Cox−Merz則にしたがい、下記式(1)を用いて、複素粘度のせん断速度依存性を算出した。算出結果を図3に示す。なお、図3中、縦軸は複素粘度〔Pas〕を表している。また、横軸はせん断速度〔s−1〕を表している。
この結果から、加硫開始温度域中の温度T(℃)(T(℃)は、80〜150℃)における、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性を測定し、その測定結果から、貯蔵弾性率が略一定値となる最小時間t(秒)を決定し、そして、決定した時間t(秒)以上、T(℃)で加硫剤を含む未加硫ゴム組成物を加熱した後、T(℃)以下の複数の温度で、弾性率の周波数依存性を測定し、その測定結果から、合成曲線を作成して、複素粘度のせん断速度依存性を算出する方法を実施した実施例1では、加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定(算出)することができた。そしてこれにより、ゴム組成物を加工する過程における、加硫処理を行う前までの加工過程の各工程での加工性についてより正確な情報を得ることが可能となった。
Claims (2)
- 加硫剤を含む未加硫ゴム組成物の加硫開始温度域での粘度を測定する方法であって、該方法は、前記加硫開始温度域中の温度T(℃)における、前記未加硫ゴム組成物の弾性率の時間依存性を測定する工程(A)、
前記工程(A)の測定結果から、貯蔵弾性率が略一定値となる最小時間t(秒)を決定する工程(B)、
前記工程(B)で決定した時間t(秒)以上、T(℃)で前記未加硫ゴム組成物を加熱した後、T(℃)以下の複数の温度で、弾性率の周波数依存性を測定する工程(C)、
前記工程(C)の測定結果から、合成曲線を作成する工程(D)、及び、
前記工程(D)で得られた合成曲線から複素粘度のせん断速度依存性を算出する工程(E)を含み、
前記温度T(℃)が、80〜150℃である方法。
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KR20210086100A (ko) * | 2019-12-31 | 2021-07-08 | 넥센타이어 주식회사 | 황 기반 타이어 재료 분석 방법 및 타이어 제조 방법 |
JP7428883B2 (ja) | 2020-02-17 | 2024-02-07 | 横浜ゴム株式会社 | ゴムの流動特性推定方法および装置 |
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