JP2017039220A - ボード部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】箔状物を板状基材に精度よく配置して、意匠性に優れたボード部材の製造方法を提供する。
【解決手段】ボード部21を一対のプレス型40によってプレス成形する二次成形工程であって上型41の型面41Aに静電気を帯電させることで、静電気力により箔状物15を型面41Aに付着させ、箔状物15が付着した状態で一対のプレス型40を型閉じして、ボード部21の表面に箔状物15を配置する二次成形工程を含む繊維ボードの製造方法。前記成形工程の後において、熱可塑性樹脂繊維ウェブを、箔状物15を被覆する形で板状基材21の型面と対向する面側に配し、前記熱可塑性樹脂繊維ウェブが溶融する温度に加熱して、箔状物15をコーティングするコーティング工程を含むボード部材21の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、ボード部材の製造方法に関する。
従来、金属箔張り積層板の製造方法として、下記特許文献1のものが知られている。下記特許文献1には、金属箔の端部を外方に引っ張ってシワを延ばしつつ、樹脂含浸基材の表面に配することが記載されている。
特開平5−293905号公報
ところで、本願発明者は、プレス成形されたボード部材において、その板面を箔状物で加飾することで、ボード部材が優れた意匠を呈することを見出した。
しかしながら、箔状物をボード部材の板面に配置する工程においては、次のような問題があった。特許文献1に開示の方法では、箔状物を配置しようとすると、その性状から、静電気や気流の影響で所定の位置に配置することが難しく、また、一度、箔状物を所定の位置とは異なる位置に配置してしまうと、これを剥がして、所定の位置に再度配置することが困難である。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、箔状物を板状基材に精度よく配置して、意匠性に優れたボード部材を製造することができるボード部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のボード部材の製造方法は、板状基材を一対のプレス型によってプレス成形する成形工程であって、前記一対のプレス型のうち少なくともいずれか一方の型面に静電気を帯電させることで、静電気力により箔状物を前記型面に付着させ、前記箔状物が付着した状態で前記一対のプレス型を型閉じして、前記板状基材の前記型面と対向する面に前記箔状物を配置する成形工程を含むことに特徴を有する。
本発明のボード部材の製造方法によれば、箔状物を板状基材に精度よく配置して、意匠性に優れた繊維ボードを製造することができる。具体的には、箔状物は、その性状から、自重により所定の位置に撒くことが難しく、また、配置する際及び配置後に静電気の影響を受けて変位しやすく、その取扱いが難しい。一方、本発明によれば、静電気の影響を受け易い特性を活かして、静電気力により箔状物を型面に付着させ、板状基材の型面と対向する面に箔状物を配置するから、板状基材の成形と同時に、箔状物を板状基材の表面に精度よく配置することができる。
上記したボード部材の製造方法では、前記成形工程の後において、熱可塑性樹脂繊維ウェブを、前記箔状物を被覆する形で前記板状基材の前記型面と対向する面側に配し、前記熱可塑性樹脂繊維ウェブが溶融する温度に加熱して、前記箔状物をコーティングするコーティング工程を含むものであってもよい。
このような構成によれば、板状基材に配された箔状物を熱可塑性樹脂でコーティングすることができ、箔状物が板状基材から剥がれる事態を抑制することができる。さらに、そのようなコーティングを熱可塑性樹脂繊維ウェブを用いて行うから、コーティングされた熱可塑性樹脂と板状基材との間に気泡が生じ難く、箔状物の意匠が際立ったクリアな意匠面を実現することができる。
上記したボード部材の製造方法においては、前記成形工程では、前記一対のプレス型の型閉じ方向を上下方向と一致させるとともに、前記一対のプレス型のうち上方に配されたプレス型の前記型面に前記箔状物を付着させるものであってもよい。
このような構成によれば、箔状物を型面に付着させる際に、不要な箔状物は自重により下方に留まるから、型面における静電気が帯電していない領域に、不測に箔状物が付着する事態を抑制することができる。
本発明によれば、箔状物を板状基材に精度よく配置して、意匠性に優れたボード部材を製造することができるボード部材の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る繊維ボードの一部を示す斜視図 二次成形工程における箔状物付着工程前の状態を示す説明図 二次成形工程における箔状物付着工程後の状態を示す説明図 二次成形工程におけるプレス工程を示す説明図 二次成形工程におけるプレス工程後の状態を示す説明図 本発明の実施形態2に係る一次成形工程における箔状物付着工程後の状態を示す説明図 二次成形工程を示す説明図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。本実施形態では、ボード部11(板状基材の一例)をプレス成形する成形工程において、ボード部11の表面11A(型面41Aと対向する面)に箔状物15を配置する繊維ボード10(ボード部材の一例)の製造方法について例示する。
繊維ボード10は、図1に示すように、主体をなすボード部11の表面11Aに箔状物15が配置されてなる。なお、図1では、ボード部11の一部のみを示している。ボード部11は、プレボード21をプレス加工することで、所定の板厚及び形状に成形されてなる。本実施形態では、ボード部11は、平板状をなす平面部11Bと、平面部11Bから立ち上がる外壁部11Cとを有する構成とされている(図5参照)。繊維ボード10は、箔状物15が配された平面部11Bが意匠面を構成する態様で、建材、家具、車両用内装材等の種々の用途に用いられる。
プレボード21は、植物性繊維と熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂)とを含んで構成されている。植物性繊維としては、繊維木材等を解織して得た木質繊維、あるいはケナフ等の靭皮植物繊維を例示することができる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されず種々のものを用いることができる。例えば、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル樹脂(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエチレン樹脂)、ポリスチレン、ポリアクリル樹脂(メタアクリレート、アクリレート等)、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 これらのなかでは、ポリオレフィン及びポリエステル樹脂のうちの少なくとも一方であることが好ましく、更には、ポリオレフィンのなかではポリプロピレンがより好ましい。プレボード21を形成する態様については、後に説明する。
箔状物15は、図1に示すように、金箔、銀箔等の金属箔や、鉱物、植物、羽毛、合成樹脂等の素材を薄い小片に加工したものとされる。箔状物15は、上記した1種又は2種以上からなる多数の小片が、ボード部11における所定領域11D内に配置されることで、所定の意匠を構成する。本実施形態では、箔状物15は、ボード部11の平面部11Bに、ランダムに配置されている。この箔状物15が配置される領域11Dは、後述する静電気帯電装置45の帯電面45Aの形状を適宜設定することで、容易に設計可能となっている。箔状物15としては、金属箔を用いることが好ましく、特に、金箔又は/及び銀箔を用いることが好ましい。このような構成によれば、ボード部11の粗面的でマットな板面に、箔状物15の金属光沢が映える、審美性に優れた繊維ボード10を提供することができる。
次に、繊維ボード10を成形する成形装置M1について説明する。本実施形態における成形装置M1は、一対のプレス型40と、静電気帯電装置45とを備えて構成されている。
一対のプレス型40は、上型41と下型42とで構成され、上型41が、上方に凹んだ形状をなし、下型42が型閉じに伴って上型41に受け入れられるように上方に突出した形状をなしている。そして、上型41及び下型42の成形位置では、上型41と下型42はボード部11の板厚だけ離間して対向配置されている。すなわち、上型41と下型42との間には繊維ボード成形空間S1が形成されており、この繊維ボード成形空間S1にプレボード21が圧縮されて挟まれることにより繊維ボード10が成形される。
静電気帯電装置45は、上型41の型面41A、つまり、下型42と対向する面に設置されている。そして、静電気帯電装置45は、その帯電面45Aが型面41Aの一部を構成する形で配されている。なお、静電気帯電装置45の設置態様、帯電方式等は特に限定されず、種々の態様、方式とすることができる。例えば、静電気帯電装置45としては、図示しない電源に接続されたいわゆる静電チャックと呼ばれるものであってもよく、また、上型41の型面41Aに埋め込まれた絶縁部材に、外部から帯電させる方式のものであってもよい。また、上型41して導電性に優れた金型を用いる場合には、静電気帯電装置45の帯電面45Aと上型41との間に図示しない絶縁層を設けて、絶縁してもよい。
次に、繊維ボード10を製造する製造方法について説明する。繊維ボード10の製造方法は、プレボード21を形成する一次成形工程と、プレボード21から繊維ボード10(ボード部11)を形成する二次成形工程(成形工程の一例)と、を備えている。
一次成形工程では、ケナフ繊維とポリプロピレン繊維とを混合してウェブを形成し、その後、ウェブを構成する繊維同士を交絡させて繊維マットを形成し、次いで、繊維マットを加熱圧縮して平板状のプレボード21を形成する。一次成形工程で成形されるプレボード21は、後の二次成形工程で成形されるボード部11に比べて、圧縮率が小さい構成とされている。
ところで、一次成形工程で成形されたプレボード21は、繊維の間に隙間を有することで、その板面が凹部を有する粗面とされてなる。このため、例えば、プレボード21の板面における所定の領域11Dに予め粘着剤等を塗布しておき、板面の全域に箔状物15を撒いた後に、当該領域11D以外の領域に撒かれた箔状物15を取り除く態様で、箔状物15を配置しようとしても、箔状物15が所定の領域11D外においても凹部に嵌り込み、箔状物15を所定の領域11Dにのみ精度よく配置することができない。一方、本実施形態では、二次成形工程において箔状物15を配置することで、上述のような問題が生じることがない。
二次成形工程は、プレボード21を一対のプレス型40にセットするプレボード配置工程と、箔状物15を上型41(上方に配されたプレス型)の型面41Aに付着させる箔状物付着工程と、一対のプレス型40でプレス加工して、プレボード21から繊維ボード10(ボード部11)を成形するプレス工程と、を含んでいる。なお、二次成形工程は、この順で順次に行ってもよく、また、プレボード配置工程の前に箔状物付着工程を行ってもよい。
プレボード配置工程では、図2に示すように、一次成形工程によって成形されたプレボード21を再度ポリプロピレンが溶融軟化する程度に加熱し、上型41が開型位置にある状態で下型42上にセットする。本実施形態では、上型41に静電気帯電装置45が設置されているから、例えば、下型に静電気帯電装置45を設置して、箔状物15を型面に付着した後に、プレボード21を下型にセットする場合に比べて、プレボード21と箔状物15とが干渉する虞がない。
箔状物付着工程では、図3に示すように、上型41の型面41A(一対のプレス型40のうち少なくともいずれか一方の型面)である静電気帯電装置45の帯電面45Aに静電気を帯電させることで、静電気力により箔状物15を型面41Aに付着させる。具体的には、例えば、開型位置にある上型41の帯電面45Aにトレイ状の容器(図2においては図示しない)に収容された箔状物15を近づけて、静電気力により箔状物15を浮かせるようにして、上型41側に移動させる。本実施形態では、静電気帯電装置45の帯電面45Aが上型41の型面41Aを構成するから、例えば、帯電面45Aが下型42の型面を構成する場合等に比べて、箔状物15が型面における帯電面45A以外の部分に落ちるなどして、不測に型面41Aに付着する事態を抑制することができる。
プレス工程では、図4に示すように、箔状物15が付着した状態の上型41を成形位置へ移動させる。すると、プレボード21は、繊維ボード成形空間S1の成形面により圧縮されることで繊維ボード10(ボード部11)に成形される。この過程で、型面41Aに付着した箔状物15はプレボード21側に移動する。そして、プレボード21に含まれる溶融状態の熱可塑性樹脂が冷却され、固化することにより、箔状物15はボード部11の表面11Aに接着された状態となる。この際、箔状物15は、プレス工程の過程でフラット状の型面41A(帯電面45A)でプレボード21(ボード部11)側に押圧されるから、箔状物15の一部がボード部11に埋め込まれるような態様で、繊維ボード10の意匠面が平坦化される。このような態様により、繊維ボード10は、箔状物15が摩擦等により剥がれにくく、また、箔状物15とボード部11とが一体感のある意匠を呈する。本実施形態では、箔状物15として、熱や圧力の影響により変質し難い金箔又は/及び銀箔を用いるから、従来と同様の加熱プレスと冷却プレスによる方法で繊維ボード10を成形することができる。
二次成形工程において、箔状物15が移動する態様について説明する。まず、箔状物15は、静電気力により型面41Aの帯電面45Aに付着する。静電気力は、一の箔状物15に全体的に作用するから、例えば箔状物15の一部を把持する態様で箔状物15を移動する場合のように箔状物15に局所的な力が作用して、箔状物15が破れる等の事態が生じ難くなっている。また、静電気力は、所定の領域11Dの全域に亘って作用するから、複数の箔状物15を一括して移動することが可能となっている。そして、型面41Aに付着した箔状物15は、プレボード21に含まれる熱可塑性樹脂を接着剤としてボード部11に接着される。この際、箔状物15に作用する静電気力による上型41への付着力は、熱可塑性樹脂によるプレボード21への接着力より十分に小さい。このため、箔状物15が型面41A上からボード部11の表面11Aに移動する過程で、静電気力と接着力との相互作用により、箔状物15が破れる等の事態が生じ難くなっている。なお、静電気帯電装置45が、静電チャックのような構成とされる場合には、プレス工程においては、これを操作して帯電面45Aの帯電状態を解除して、静電気力を小さくしておいてもよい。
以上説明したように、本実施形態の繊維ボード10の製造方法は、ボード部11を一対のプレス型40によってプレス成形する二次成形工程であって上型41の型面41Aに静電気を帯電させることで、静電気力により箔状物15を型面41Aに付着させ、箔状物15が付着した状態で一対のプレス型40を型閉じして、ボード部11の表面11Aに箔状物15を配置する二次成形工程を含むことに特徴を有する。
本実施形態の繊維ボード10の製造方法によれば、箔状物15をボード部11に精度よく配置して、意匠性に優れた繊維ボード10を製造することができる。具体的には、箔状物15は、その性状から、自重により所定の位置に撒くことが難しく、また、配置する際及び配置後に静電気の影響を受けて変位しやすく、その取扱いが難しい。一方、本実施形態によれば、静電気の影響を受け易い特性を活かして、静電気力により箔状物15を型面41Aに付着させ、ボード部11の表面11Aに箔状物15を配置するから、ボード部11の成形と同時に、箔状物15をボード部11の表面11Aに精度よく配置することができる。また、この結果、所定の領域11D以外の位置に配置され、廃棄せざるを得ない箔状物15の量を低減することができ、繊維ボード10の製造に係る材料費を低減する効果も期待できる。特に、本実施形態では、例えば、プレボード21を介して箔状物15を吸引する技術に比べて、通気性がそれほど高くない、または、通気性を有しない板状基材に対しても適用することができ、好適である。
さらに、本実施形態では、箔状物15の配置精度が高いから、その他の位置に配される箔状物15を再度領域11D内に配置する手間が少ない。また、本実施形態では、静電気力により複数の箔状物15を一括して配置することができるから、箔状物15の各々を一つ一つを把持して、配置するような手間が掛からない。これらの結果、繊維ボード10の製造に掛かる時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、二次成形工程では、一対のプレス型40の型閉じ方向を上下方向と一致させるとともに、一対のプレス型40のうち上方に配された上型41の型面41Aに箔状物を付着させる。このような構成によれば、箔状物15を型面41Aに付着させる際に、不要な箔状物は自重により下方に留まるから、型面41Aにおける静電気が帯電していない領域に、不測に箔状物15が付着する事態を抑制することができる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図6及び図7を用いて説明する。この実施形態2では、実施形態1における二次成形工程に替えて、一次成形工程が箔状物付着工程を含み、二次成形工程において、箔状物15をコーティングするコーティング工程を更に含む繊維ボード110(ボード部材の一例)の製造方法を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
繊維ボード110は、図7の(C)に示すように、主体をなすボード部11の表面に箔状物15が配置されるとともに、箔状物15及びボード部11の表面が被膜12でコーティングされてなる。ボード部11は、プレボード21(板状基材の一例)から形成されており(図7参照)、プレボード21は、繊維マット31から形成されている(図6参照)。繊維マット31は、ケナフ繊維とポリプロピレン繊維(第1の熱可塑性樹脂)とを混合してウェブを形成し、その後、ウェブを構成する繊維同士を交絡させて形成される。
被膜12は、透光性を有し、箔状物15及びボード部11の表面11Aに露出する繊維を保護するとともに、クリア塗装のような効果を奏して、繊維ボード110の意匠性を高める機能を有する。被膜12は、図7に示すように、熱可塑性樹脂(第2の熱可塑性樹脂)のウェブ22を加熱プレスすることで形成されている。被膜12を形成する工程については、後に説明する。被膜12を構成する熱可塑性樹脂繊維ウェブ22としては、特に限定されず種々のものを用いることができる。例えば、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル樹脂(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエチレン樹脂)、ポリアクリル樹脂(メタアクリレート、アクリレート等)、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等を、ウェブ状に成形したものが挙げられる。これらのなかでは、プレボード21となじみ易いという観点から、プレボード21に含まれる熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂)と同種の樹脂であることが好ましく、本実施形態では、ポリプロピレンを用いたものを例示する。
次に、プレボード21を成形する成形装置M2について説明する。本実施形態における成形装置M2は、一対のプレス型50と、静電気帯電装置45とを備えて構成されている。一対のプレス型50は、上型51及び下型52で構成され、上型51及び下型52の各々が平板状をなしている。そして、上型51及び下型52の成形位置では、上型51と下型52はプレボード21の板厚だけ離間して対向配置されている。すなわち、上型51と下型52との間にはプレボード成形空間が形成されており、このプレボード成形空間にマット21が圧縮されて挟まれることによりプレボード21が成形される。なお、静電気帯電装置45の構成は実施形態1と同様の構成であり、説明を省略する。
次に、繊維ボード110を製造する製造方法について説明する。繊維ボード110の製造方法は、プレボード21を形成する一次成形工程(成形工程の一例)と、プレボード21から繊維ボード110(ボード部11)を形成する二次成形工程と、を備えている。
一次成形工程は、マット31を一対のプレス型50にセットするマット配置工程と、箔状物15を上型51の型面51Aに付着させる箔状物付着工程と、一対のプレス型50でプレス加工して、マット31からプレボード21を成形するプレス工程と、を含んでいる。なお、一次成形工程は、この順で順次に行ってもよく、また、マット配置工程の前に箔状物付着工程を行ってもよい。なお、一次成形工程は、箔状物付着工程を含む点を除いて、実施形態1と同様であり、その説明を省略する。また、箔状物付着工程は実施形態1における箔状物付着工程と同様の態様であり、その説明を省略する。
二次成形工程では、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22を、箔状物15を被覆する形でプレボード21の表面21A側に配し、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22が溶融する温度に加熱するとともに、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22及びプレボード21を一体的にプレス成形する。本実施形態では、箔状物15として、熱や圧力の影響により変質し難い金箔又は/及び銀箔を用いるから、従来と同様の加熱プレスと冷却プレスによる方法で繊維ボード110を成形することができる。
詳細には、図3の(A)に示すように、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22を、箔状物15が配置されたプレボード21の表面21Aの全域を覆うようにして配する。この際、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22を均一な厚さとしておくことで、これを単にプレボード21の表面21Aに載置するだけで、例えば、液状の熱可塑性樹脂をプレボード21の表面21Aに塗布する態様で配する構成に比べて、被膜12を構成する熱可塑性樹脂をムラなく配置することができる。
続いて、図3の(B)に示すように、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22を構成するポリプロピレンが溶融する温度、つまり、プレボード21に含まれるポリプロピレンも溶融する温度にて、加熱プレスする。すると、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22が溶融して、箔状物15とプレボード21の表面21Aとの間のわずかな段差や、プレボード21の表面に露出した繊維の隙間に入りこみ、プレボード21の表面が平坦化された状態となる。熱可塑性樹脂繊維ウェブ22が溶融しつつプレスされる過程で、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22とプレボード21との間の空気は、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22の空隙からプレボード21とは反対側に抜けてゆく。このため、コーティングされた被膜12と成形されたボード部11との間に気泡等が生じ難い構成となっている。加熱プレスの過程では、プレボード21側の熱可塑性樹脂も溶融するから、これらの樹脂の一部が互い混ざり合う状態となっている(渾然一体となっている)。この状態から、さらに、冷却プレスして、平滑な被膜12を有する繊維ボード110(ボード部11)を成形する。
また、図7の(B)に示すように、二次成形工程に用いられる成形装置M3は一対のプレス型140を備えている。一対のプレス型140は、上型141が、上方に凹んだ形状をなし、下型142が型閉じに伴って上型141に受け入れられるように上方に突出した形状をなしている。そして、上型141及び下型142の成形位置では、上型141と下型142は繊維ボード110の板厚だけ離間して対向配置されている。すなわち、上型141と下型142との間には繊維ボード成形空間S3が形成されており、この繊維ボード成形空間S3に熱可塑性樹脂繊維ウェブ22及びプレボード21が圧縮されて挟まれることにより繊維ボード110が成形される。このようにして成形された繊維ボード110は、図7の(C)に示すように、平面部11Bと、その平面部11Bの外周部分を下方に折り曲げることにより平面部11Bから立ち上がる外壁部11Cとを備えた構成である。平面部11Bと外壁部11Cとの間の角部においては、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22に面方向に引き伸ばすような力が作用するが、ウェブ状の樹脂は、例えばフィルム状の樹脂に比べて引き伸ばされ易いから、本実施形態では、被膜12に引き伸ばしによるひび割れや白化が生じ難い構成となっている。なお、プレボード21の両端部は、上型141と下型142の型閉じに伴ってせん断により切除されるため、繊維ボード110を正規の長さ寸法に成形することができる。
本実施形態の繊維ボード110の製造方法では、一次成形工程の後において、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22を、箔状物15を被覆する形でプレボード21の表面21A(型面と対向する面)側に配し、熱可塑性樹脂繊維ウェブ22が溶融する温度に加熱して、箔状物15をコーティングするコーティング工程を含んでいる。このため、ボード部11に配された箔状物15を被膜12でコーティングすることができ、箔状物15がボード部11から剥がれる事態を抑制することができる。さらに、そのようなコーティングを熱可塑性樹脂繊維ウェブ22を用いて行うから、被膜12(コーティングされた熱可塑性樹脂)とボード部11との間に気泡が生じ難く、箔状物15の意匠が際立ったクリアな意匠面を実現することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、板状基材として、実施形態1ではボード部を、実施形態2ではプレボード、をそれぞれ例示したが、板状基材の構成はこれに限られない。
(2)上記実施形態では、繊維ボード(ボード部)が平面部と外壁部を有する構成を例示したが、繊維ボードの形状はこれに限られない。例えば、繊維ボードは、屈曲形状を有しない平板状であってもよい。
(3)上記実施形態では、ボード部材として、熱可塑性樹脂を含む繊維ボードを例示したが、これに限られない。例えば、ボード部材は、熱硬化性樹脂を含む繊維ボードであってもよい。
(4)上記実施形態では、ボード部材として、繊維を含む繊維ボードを例示したが、これに限られない。例えば、ボード部材は、繊維を含まず樹脂のみで構成されたものであってもよい。
(5)上記実施形態では、箔状物が多数の小片からなる構成を例示したが、箔状物の構成はこれに限られない。例えば、箔状物は、所定の形状をなす一枚の片からなる構成であってもよい。
(6)上記実施形態以外にも成形装置としては、種々の構成のものを用いることができる。例えば、一対のプレス型はその型閉じ方向を水平方向と一致させるものであってもよい。また、成形装置は、静電気帯電装置が下型に設定されていてもよい。
(7)上記実施形態2では、板状基材を構成する第1の熱可塑性樹脂と、被膜を構成する第2の熱可塑性樹脂が、ともにポリプロピレンであるものを例示したが、第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂はこれらに限られない。例えば、第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂は、別の種類の同種の樹脂であってもよく、また、互いに異なる種類の樹脂を適宜組み合わせて用いてもよい。
(8)上記実施形態2では、被膜が熱可塑性樹脂繊維ウェブを用いてコーティングされる繊維ボードを例示したが、被膜の形成態様は、これに限られない。例えば、被膜は、塗布する態様や、熱可塑性樹脂フィルムを用いてコーティングされる態様であってもよい。
(9)上記実施形態1において、繊維ボードの製造方法は、二次成形工程の後において、箔状物をコーティングする工程を更に備えていてもよい。
(10)上記実施形態以外にも、繊維ボードは、各種機能を有する機能膜を、その表面側又は/及び裏面側に更に備えていてもよい。
(11)上記実施形態以外にも、箔状物が呈する意匠は適宜設計可能である。例えば、箔状物の種類、形状、大きさ、配置、及びその密度を適宜設定することで、繊維ボードにおける多様な意匠を設計することができる。
10,110…繊維ボード(ボード部材)、15…箔状物、11…ボード部(板状基材)、11A…表面(型面と対向する面)、21…プレボード(板状基材)、40…一対のプレス型、41…上型(上方に配されたプレス型)、41A…型面、50…一対のプレス型、51…上型(上方に配されたプレス型)、51A…型面

Claims (3)

  1. 板状基材を一対のプレス型によってプレス成形する成形工程であって、前記一対のプレス型のうち少なくともいずれか一方の型面に静電気を帯電させることで、静電気力により箔状物を前記型面に付着させ、前記箔状物が付着した状態で前記一対のプレス型を型閉じして、前記板状基材の前記型面と対向する面に前記箔状物を配置する成形工程を含むことを特徴とするボード部材の製造方法。
  2. 前記成形工程の後において、熱可塑性樹脂繊維ウェブを、前記箔状物を被覆する形で前記板状基材の前記型面と対向する面側に配し、前記熱可塑性樹脂繊維ウェブが溶融する温度に加熱して、前記箔状物をコーティングするコーティング工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のボード部材の製造方法。
  3. 前記成形工程では、前記一対のプレス型の型閉じ方向を上下方向と一致させるとともに、前記一対のプレス型のうち上方に配されたプレス型の前記型面に前記箔状物を付着させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボード部材の製造方法。
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