JP2017039099A - カーボンナノチューブ合成用触媒 - Google Patents

カーボンナノチューブ合成用触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2017039099A
JP2017039099A JP2015163502A JP2015163502A JP2017039099A JP 2017039099 A JP2017039099 A JP 2017039099A JP 2015163502 A JP2015163502 A JP 2015163502A JP 2015163502 A JP2015163502 A JP 2015163502A JP 2017039099 A JP2017039099 A JP 2017039099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
carbon nanotube
carbon
nanotube synthesis
carbon nanotubes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015163502A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6531560B2 (ja
Inventor
増田 幹
Miki Masuda
幹 増田
渡辺 克己
Katsumi Watanabe
克己 渡辺
雄 森田
Takeshi Morita
雄 森田
信之 名畑
Nobuyuki Nahata
信之 名畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2015163502A priority Critical patent/JP6531560B2/ja
Publication of JP2017039099A publication Critical patent/JP2017039099A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6531560B2 publication Critical patent/JP6531560B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】導電性に優れたカーボンナノチューブを製造するためのカーボンナノチューブ合成用触媒およびその製造方法を提供すること。【解決手段】Co、MgおよびMnを含有し、触媒表面が0.2〜10μm2の平面面積を有しており、かつ、触媒中のMn含有量が1〜5モル%であることを特徴とするカーボンナノチューブ合成用触媒。また、前記カーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法であって、CoHO2を含む触媒前駆体を焼成することを特徴とするカーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明はカーボンナノチューブ合成用触媒に関する。更に詳しくは、カーボンナノチューブ合成用触媒と、それを用いて製造されるカーボンナノチューブに関する。
直径が1μm以下のカーボンナノチューブは、例えば樹脂へ配合され、導電性や強度等の特性を付与するフィラーとして、種々の検討がなされている。そして、このようなカーボンナノチューブは、従来、主にアーク放電法、レーザー蒸着法、気相成長法などで製造されていた。
その中でも、気相成長法は、アーク放電法やレーザー蒸着法に比べて効率良く不純物の少ないカーボンナノチューブが得られるという利点がある。また、気体状態の原料を使用することによって、連続反応が可能であり、更には原料ガスとなる炭化水素や一酸化炭素等の炭素を含むガスが安価に入手できるので、カーボンナノチューブの量産化に適した技術といえる。
気相成長法によりカーボンナノチューブを得る際に使用される触媒(以下、カーボンナノチューブ合成用触媒と称する)は、例えばシリカ、アルミナ、マグネシア、ゼオライト等の担持成分に、鉄、コバルト、ニッケル等の活性成分の金属を担持させたもの等が提案されている。(例えば特許文献1参照)
このようにして製造される微粒子状の触媒を用いて炭素繊維を気相成長させた場合、炭素繊維は曲がりくねって互いに絡み合った状態で成長する。カーボンナノチューブを樹脂中に分散させることにより絶縁性の樹脂に導電性を付与させることができることが一般に知られているが、このようにして得られる炭素繊維の絡まり凝集体は樹脂中での分散が悪く、その結果、所望の導電性を得るためには多量の炭素繊維を混入させる必要が生じることが多い。また、分散性の悪い多量の炭素繊維の絡まり凝集体を樹脂に混入させると、樹脂の強度劣化を引き起こすという課題を有していた。
また、このように強固に凝集した炭素繊維の分散性を改良するために、粉砕等の後処理によって微細化を行う方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、粉砕処理はコスト増加及び炭素繊維の切断等を招く可能性がある。
これに対して、炭素繊維が1本1本独立しているか、或いは複数本が寄り集まって束状に集合したものであれば、樹脂への分散性が良く、少ない分散量で導電性に優れた樹脂成形体を供給することができると紹介されている(特許文献3)。
一方で、気相成長法により束状に集合した炭素繊維を製造する従来の方法としては、基盤法による方法が知られている。即ち、基盤の表面に触媒をスパッタ等で添着し、この基盤面から炭素繊維を直線状に成長させるという方法である。このような基盤法により、長さが2.5mmで1ないし2層の炭素繊維のチューブ壁を形成した、カーボンナノチューブを製造した実施例が開示されている(非特許文献1)。同様にシリコンもしくは石英基盤に触媒成分をパターン化添着して行う実施例も開示されている(特許文献4)。しかし、これらの方法では、成長点となる触媒の面積が絶対的に少なく、そこを基盤として成長するカーボンナノチューブの量も少ないことから産業的な量産には不向きである。
これに対して、Co、Ni及びFeより選ばれる1種以上の金属を含む金属化合物と、Al及びMgより選ばれる1種以上の金属を含む金属化合物を、分解温度が300℃以下の有機化合物の存在下で焼成することで、表面に平面を有する金属含有材料から成る粉体を得る方法が提案されている。しかしながら、この方法では、多量の有機化合物を使用するため触媒焼成の際に高温になりやすく、焼結が進行してしまい、その結果、カーボンナノチューブの析出効率が低く、生成したカーボンナノチューブ中に触媒由来の不純物が多量に残留し、カーボンナノチューブの生産性が著しく低くなってしまうという問題があった。さらに、有機化合物が触媒焼成の際に灰分として残りやすいため、カーボンナノチューブ中に不純物として灰分が混入しやすいという問題があった(特許文献5)。
特表2010−540220号公報 特開平2−276839号公報 特開2004−230690号公報 特表2002−530805号公報 特開2009−090251号公報
Science、第306巻、November、19(2004)
本発明がしようとする課題は、導電性に優れたカーボンナノチューブを効率良く製造するためのカーボンナノチューブ合成用触媒およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明の実施態様は、Co、MgおよびMnを含有し、触媒表面が0.2〜10μm2の平面面積を有しており、かつ、触媒中のMn含有量が1〜5モル%であることを特徴とするカーボンナノチューブ合成用触媒に関する。
また、本発明の実施態様は、Co、MgおよびMnを含有し、触媒表面が0.2〜10μm2の平面面積を有しており、かつ、触媒中のMn含有量が1〜5モル%であるカーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法であって、CoHO2を含む触媒前駆体を焼成することを特徴とするカーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法に関する。
また、本発明の実施態様は、Mgを含む金属塩およびMnを含む金属塩と、CoHO2とを混合する工程を含む前記カーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法に関する。
また、本発明の実施態様は、MnCO3を含む触媒前駆体を焼成することを特徴とする前記カーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法に関する。
また、本発明の実施態様は、前記カーボンナノチューブ合成用触媒または前記方法により製造されたカーボンナノチューブ合成用触媒の存在下、炭化水素および/またはアルコールを含んでなる炭素源を接触反応させるカーボンナノチューブの製造方法に関する。
本発明のカーボンナノチューブ合成用触媒を用いることにより、導電性に優れたカーボンナノチューブを効率良く製造することができるようになった。よって、少ない配合量で、樹脂成形体における導電性発現性にも優れ、従って、樹脂の成型性や樹脂成形体の機械的特性を損なうことなく、優れた導電性樹脂成形体を実現することができる。この導電性樹脂成形体は、帯電防止用電子部材、静電塗装用樹脂成形体、導電性透明樹脂組成物等への応用が可能である。また、本発明のカーボンナノチューブは成形体以外にも、シート、テープ、透明フィルム、インキ、導電塗料などの樹脂組成物へ適用することができる。
以下に本発明の実施の態様を詳細に説明する。
本発明のカーボンナノチューブ合成用触媒は、Co、MgおよびMnを含むことを特徴とする。Co、MnおよびMgの原料としては、これら金属単体やその金属塩を用いることができる。具体的には、酢酸コバルト、酢酸コバルト・4水和物、水酸化コバルト、クエン酸コバルト・n水和物、硝酸コバルト・6水和物、硫酸コバルト、硫酸コバルト・7水和物、塩化マグネシウム、塩化マグネシウム・6水和物、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム・4水和物、クエン酸マグネシウム・9水和物、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム・7水和物、硝酸マグネシウム・6水和物、炭酸マンガン、酢酸マンガン・4水和物、二酸化マンガン、マンガン等が挙げられる。
また、本発明のカーボンナノチューブ合成用触媒は触媒中のMn含有量が1〜5モル%であることを特徴とする。Mn含有量が上記範囲であると、その触媒より製造されたカーボンナノチューブの導電性が良好となり、触媒活性が高くカーボンナノチューブの生産効率が高くなる。
触媒中のMn含有量(モル%)はMn/(Co+Mg+Mn)の元素比で表わされる。
上記マンガン塩の内、酢酸マンガン好ましく、炭酸マンガンはさらに好ましい。その理由として、焼成の際に炭酸マンガンは発泡するためより均一に触媒中に分布することが挙げられる。
また、本発明のカーボンナノチューブ合成用触媒は触媒表面が0.2〜10μm2の平面面積を有していることを特徴とする。その平面の平坦さの程度は、本発明のカーボンナノチューブが得られる程度であれば任意である。尚、ここでいう「平面」とは、数学における厳密な平面のことではなく、巨視的な視点で見た時の、平面が平らな状態を有する面のことを指す。
触媒のXY平面面積(平面方向、「表面面積」ともいう)は、0.2〜10μm2であることが好ましく、Z軸(厚み方向)は100nm以下であることが好ましい。上記範囲内であれば、触媒が平面となり、かつ効率的に原料が触媒に接触できるため、カーボンナノチューブの生産効率が向上するため好ましい。
触媒平面上の任意の軸をX軸、同一平面上のX軸と直交する軸をY軸、X軸およびY軸と直交する軸をZ軸とした際、X軸、Y軸およびZ軸を測定し、その平均値をそれぞれX軸平均(μm)、Y軸平均(μm)、Z軸平均(μm)として求めた。またX軸平均(μm)とY軸平均(μm)の積を、XY平面面積(μm2)とした。
カーボンナノチューブ合成用触媒前駆体とは、コバルト成分を30%以上含有する金属、金属酸化物、金属窒化物、金属ハロゲン化物、金属水酸化物、金属塩、およびそれらの混合物であり、焼成によってカーボンナノチューブ合成用触媒として機能するものであれば、特に限定されない。
本発明のカーボンナノチューブ製造用触媒は、下記の工程(1)〜(2)を順次行い製造することが好ましい。
(1)コバルト塩、マグネシウム塩、マンガン塩を混合を行い触媒前駆体を得る工程。
(2)カーボンナノチューブ触媒前駆体を、焼成してカーボンナノチューブ合成用触媒を得る工程。
上記コバルト塩、マグネシウム塩、マンガン塩は水和物が好ましく、その理由として、融点が低く焼成の際に他の金属塩と混ざり易く均一な触媒が製造できるためである。
上記コバルト塩、マグネシウム塩、マンガン塩が水和物の場合、100℃以上で乾燥を行うのが好ましい。また、減圧化で行う場合100℃以下で行っても良い。その理由として、焼成前に脱水を行うことで焼成時間を短くするためである。
上記乾燥はコバルト塩として水酸化コバルトを使用する場合、150℃以上で行い、触媒前駆体としてCoHO2を含むコバルト組成物を得ることが好ましい。その理由として、段階的に酸化を進めることにより、コバルト塩の結晶構造を壊さずに触媒を得ることができるため、触媒上に平面を得られやすくなる。
上記コバルト組成物はCoHO2を主成分として含有するコバルト金属、コバルト酸化物、コバルト水酸化物、コバルト塩、およびそれらの混合物である。
上記混合はコバルト塩として水酸化コバルトを使用する場合、乾燥によりCoHO2を含むコバルト組成物を得た後に行うのが好ましい。その理由として、水酸化コバルトからCoHO2に変化する際、他の化合物と作用し、結晶構造が変化することで平板構造が壊れるのを防ぐためである。
「混合」は、ミキサー等を使用して乾式で行ってもよく、湿式で行っても良い。湿式で混合する場合、上記前駆体を混合した後、水等の溶媒に溶解および/または分散させてもよく、また、予め各々の前駆体を水等の溶媒に溶解させた後に混合してもよい。また、水等の溶媒に溶解させる場合には加熱してもよい。湿式で混合する場合、上記で得られる溶液および/または分散液は、乾燥させることによりカーボンナノチューブ合成用触媒前駆体を得ることができる。乾燥させる際の雰囲気は、空気あるいは、窒素、アルゴン等の不活性ガス下のいずれでもよい。また、乾燥温度は、特に限定されるものではないが、溶媒として水を使用する場合、150〜200℃が好ましく、さらに好ましくは180〜200℃がさらに好ましい。
上記の如く乾式または湿式により得られるカーボンナノチューブ合成用触媒前駆体は、さらに粉砕機等を用いて粉砕して微細化処理を行なうのが好ましい。微細化処理することにより、適度な空隙を含むことになるため、後述の工程(2)において、触媒前駆体を焼成する際に、粒径を小さく均一に制御できるようになるためである。
次に、工程(2)について説明する。工程(2)は、カーボンナノチューブ触媒前駆体を、焼成してカーボンナノチューブ合成用触媒を得る工程である。
触媒前駆体を焼成するとき、焼成する際の雰囲気は、酸素の存在下であれば良いが、空気あるいは、空気と窒素との混合ガスであることが好ましい。また、焼成温度は、450〜550℃の範囲であることが好ましい。焼成温度が450〜550℃の範囲であれば、過度の焼結が起きにくいため一次粒子が大きくなりにくく、また、炭素質不純物が触媒中に残りにくいため好ましい。
上記で得られた焼成物は、さらに微細化処理を行なうのが好ましい。焼成物を粉砕する場合、カーボンナノチューブ合成用触媒と、炭化水素および/またはアルコールを含んでなる炭素源とを接触させて、カーボンナノチューブを合成する際に、カーボンナノチューブ製造用触媒に炭素源が十分に接触することが出来るため好ましい。
微粉化処理する手段は、特に制限はないが、少量の場合は乳鉢を用いて、一度に多量を処理する場合は、ピンミル、ハンマーミル、パルペライザー、ジェットミル等を用いることができる。
(カーボンナノチューブとその製造方法)
次に、本発明のカーボンナノチューブ合成用触媒を用いたカーボンナノチューブの製造方法について説明する。
カーボンナノチューブを製造するためには、触媒として前記カーボンナノチューブ合成用触媒を用いて、炭素源としての原料ガスを加熱下、この触媒に接触反応させて、カーボンナノチューブを製造する。
炭素源としての原料ガスとしては、従来公知の任意のものを使用でき、例えば、炭素を含むガスとしてメタンやエチレン、プロパン、ブタン、アセチレンなどの炭化水素や、一酸化炭素、アルコールなどを用いることが出来るが、特に使い易さの理由により、炭化水素および/またはアルコールが好ましい。
また、必要に応じて、還元雰囲気下で触媒を活性化した後、又は還元性ガスと共にカーボンナノチューブ原料ガスと接触させて製造することが好ましい。活性化時における還元性ガスは、水素、アンモニア等を用いることができるが、水素が好ましく、その濃度は、原料ガス濃度100体積%に対して0.1〜100体積%が好ましく、1〜100体積%であることがより好ましい。1〜100体積%の範囲であれば、還元性ガスとしての効果が期待でき、かつ原料ガスのも適切な濃度となり、カーボンナノチューブが効率よく回収できるため好ましい。
製造時の温度や原料ガスの供給量は、従来公知の任意の値から、適宜選択し決定すれば良いが、本発明の触媒においては、600〜850℃、特に650〜750℃が好ましく、反応圧力は大気圧以上40kPa以下、特に常圧以上30kPa以下とすることが好ましい。反応時間は反応温度や触媒と原料ガスとの触媒比率に応じて任意に設定されるが、通常0.5〜6時間程度である。本発明での反応速度は反応開始から約20分で最大となり、その後、徐々に失速して反応開始から5〜5.5時間で停止する。従って、反応時間は0.5〜6時間の範囲で管理することが好ましい。
反応終了後の原料ガス置換には、アルゴンガスや窒素等の不活性ガスを用いることが好ましい。
このような本発明のカーボンナノチューブ製造用触媒を用いるカーボンナノチューブの製造方法によれば、担持部分に均一に担持された微粒子の酸化コバルト部分を核として、触媒の平面部分よりカーボンナノチューブが析出、成長しカーボンナノチューブが得られる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、「カーボンナノチューブ」を「CNT」と略記することがある。
[カーボンナノチューブ合成用触媒(触媒)の製造]
(実施例1)[触媒(a)の製造]
水酸化コバルト(II)37g耐熱性容器に秤取り、電気オーブンを用いて、雰囲気温度170±5℃の温度で1時間乾燥させCoHO2を含むコバルト組成物(A)を得た。酢酸マグネシウム・4水和物86g、酢酸マンガン・4水和物5gを耐熱性容器に秤取り、電気オーブンを用いて、雰囲気温度170±5℃の温度で1時間乾燥させた後、CoHO2を含むコバルト組成物(A)を36gと混合し触媒(a)の前駆体を得た。得られた触媒(a)前駆体50gを耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500℃±5℃雰囲気下で30分焼成した後、乳鉢で粉砕して触媒(a)を得た。
(実施例2〜6)[触媒(b)〜(f)の製造]
表1に掲載した原料と仕込み量に変更した以外は、実施例1と同様の方法により触媒(b)〜(f)を製造した。
(実施例7)[触媒(g)の製造]
水酸化コバルト(II)37g、酢酸マグネシウム・4水和物86g、酢酸マンガン・4水和物5gを耐熱性容器に秤取り、混合した後、マッフル炉にて、空気中500℃±5℃雰囲気下で30分焼成した後、乳鉢で粉砕して触媒(g)を得た。
(実施例8)[触媒(h)の製造]
水酸化コバルト(II)37g、酢酸マグネシウム・4水和物86g、酢酸マンガン・4水和物5gを混合後、同じ耐熱性容器に移し、電気オーブンを用いて、雰囲気温度170±5℃の温度で1時間乾燥させ触媒(h)の前駆体を得た。得られた触媒(h)前駆体50gを耐熱容器に秤取り、マッフル炉にて、空気中500℃±5℃雰囲気下で30分焼成した後、乳鉢で粉砕して触媒(h)を得た。
(比較例1)[触媒(i)の製造]
表1に掲載した仕込み量に変更した以外は、実施例1と同様の方法により触媒(i)を製造した。
<XRD測定>
水酸化コバルト(II)を170℃で1時間乾燥させた物についてXRD測定(理学電気工業社製、Ultima2100)を行った。19.8°、36.8°、50.3°にピークが観測され、CoHO2を含有することが確認された。
<走査型電子顕微鏡による形状観察とXY平面面積の測定>
走査型電子顕微鏡(日本電子(JEOL)社製、JSM−6700M))によって、カーボンナノチューブ合成用触媒の形態観察を実施した。観察は、カーボンナノチューブ合成用触媒をカーボンペーパー上にそのままの状態で散布して実施した。
さらに、カーボンナノチューブ合成用触媒について、走査型電子顕微鏡(株式会社エリオニクス社製ERA―9000)による三次元解析を行い、9個のカーボンナノチューブ合成用触媒について、触媒平面上の任意の軸をX軸、同一平面上のX軸と直交する軸をY軸、X軸およびY軸と直交する軸をZ軸とした際、X軸、Y軸およびZ軸を測定し、その平均値をそれぞれX軸平均(μm)、Y軸平均(μm)、Z軸平均(μm)を求めた。またX軸平均(μm)とY軸平均(μm)の積を、XY平面面積(μm2)として求めた。
表2に触媒の形状、X軸平均(μm)、Y軸平均(μm)、Z軸平均(μm)、XY平面面積(μm2)を示す。
表2より、触媒(a)〜(i)は表面に平面を有することが明らかとなった。
(実施例9)[カーボンナノチューブの製造]
加圧可能で、外部ヒーターで加熱可能な、内容積が10リットルの横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒(a)1gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。アルゴンガスを注入しながら排気を行い、反応管内の空気をアルゴンガスで置換し、横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、外部ヒーターにて加熱し、横型反応管内の中心部温度が700℃になるまで加熱した。700℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入し、触媒を活性化処理した。その後、炭素源としてエタノールを毎分1リットルの流速で反応管内に導入し、4時間接触反応させた。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換し、反応管内の温度を100℃以下になるまで冷却し、得られたカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブは、導電性、分散性を比較するため、80メッシュの金網で粉砕ろ過した。
(実施例10〜16、比較例2)
実施例9で使用したカーボンナノチューブ合成用触媒(a)の代わりに表3に掲載したカーボンナノチューブ合成用触媒に変更した以外は、実施例9と同様な方法によりそれぞれカーボンナノチューブを得た。
<物性の測定方法>
カーボンナノチューブ合成用触媒およびカーボンナノチューブの物性は、以下の方法により測定した。
<カーボンナノチューブ含有塗膜の体積抵抗率とカーボンナノチューブの導電性評価>
カーボンナノチューブの導電性を評価するために、カーボンナノチューブを分散した塗膜を作成し、その体積抵抗率を測定することにより導電性評価を行った。
三菱化学社製エポキシ樹脂グレード1256を、ブチルカルビトールアセテートに溶解して、固形分40%のエポキシ樹脂溶液を作製し、エポキシ樹脂溶液の固形分15gに対して、評価用のカーボンナノチューブ0.789gを混合し、フーバーマーラーで150lb、100回転の条件でそれぞれ3回練り、評価用のカーボンナノチューブ分散体を得た。その後、東洋紡績社製ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、アプリケーターを用いて、乾燥後の塗膜厚さが10±1μmとなるように塗工後、電気オーブン中で150±5℃にて60分間乾燥させて、カーボンナノチューブを含有する塗膜を得た。(株)三菱化学アナリテック社製:ロレスターGP粉体抵抗率測定システムMCP−PD−51を用いて、上記塗膜の体積抵抗率(Ω・cm)とした。
カーボンナノチューブの導電性の評価基準は、上記3回練りの塗膜の表面抵抗が、3×100(Ω・cm)以下の場合を◎(優良)、3×100(Ω・cm)を超えて6×100(Ω・cm)以下の場合を○(良)、6×100(Ω・cm)を超える場合を×(不良)とした。
表3より、比較例2のMn含有量が多い触媒より製造されたカーボンナノチューブと比較して、実施例9、11、13、15および16は優れた導電性を有している。
表3より、実施例15の水酸化コバルトを含む前駆体を焼成して作製した触媒から製造されたカーボンナノチューブと比較して、実施例9のCoHO2を含む前駆体を焼成して作製した触媒から製造されたカーボンナノチューブは優れた導電性を有することが明らかとなった。
表3より、実施例16と比較して、実施例9のマグネシウムとマンガンを含む金属塩をCoHO2と混合する工程を含む製造方法にて作製された触媒より製造されたカーボンナノチューブは優れた導電性を有している。
表3より、実施例9、11および13のマンガン成分の原料として酢酸マンガン・4水和物を使用して作製した触媒から製造されたカーボンナノチューブと比較して、実施例10、12および14の炭酸マンガンを使用して作製した触媒から製造されたカーボンナノチューブは優れた導電性を有している。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (5)

  1. Co、MgおよびMnを含有し、触媒表面が0.2〜10μm2の平面面積を有しており、かつ、触媒中のMn含有量が1〜5モル%であることを特徴とするカーボンナノチューブ合成用触媒。
  2. Co、MgおよびMnを含有し、触媒表面が0.2〜10μm2の平面面積を有しており、かつ、触媒中のMn含有量が1〜5モル%であるカーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法であって、CoHO2を含む触媒前駆体を焼成することを特徴とするカーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法。
  3. Mgを含む金属塩およびMnを含む金属塩と、CoHO2とを混合する工程を含む請求項2記載のカーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法。
  4. MnCO3を含む触媒前駆体を焼成することを特徴とする請求項2または3記載のカーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法。
  5. 請求項1記載のカーボンナノチューブ合成用触媒または請求項2〜4いずれか記載の方法により製造されたカーボンナノチューブ合成用触媒の存在下、炭化水素および/またはアルコールを含んでなる炭素源を接触反応させるカーボンナノチューブの製造方法。
JP2015163502A 2015-08-21 2015-08-21 カーボンナノチューブ合成用触媒 Expired - Fee Related JP6531560B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015163502A JP6531560B2 (ja) 2015-08-21 2015-08-21 カーボンナノチューブ合成用触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015163502A JP6531560B2 (ja) 2015-08-21 2015-08-21 カーボンナノチューブ合成用触媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017039099A true JP2017039099A (ja) 2017-02-23
JP6531560B2 JP6531560B2 (ja) 2019-06-19

Family

ID=58203509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015163502A Expired - Fee Related JP6531560B2 (ja) 2015-08-21 2015-08-21 カーボンナノチューブ合成用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6531560B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018168833A1 (ja) * 2017-03-15 2018-09-20 東洋インキScホールディングス株式会社 多層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブの製造方法、分散液、樹脂組成物、および塗膜
CN109718802A (zh) * 2017-10-31 2019-05-07 Sk新技术株式会社 用于合成碳纳米管的催化剂和合成碳纳米管的方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002321922A (ja) * 2001-04-23 2002-11-08 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 酸化水酸化コバルト板状粒子及びその製造方法
JP2002338221A (ja) * 2001-03-14 2002-11-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 配向性カーボンナノチューブ膜の製造方法
JP2009090251A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Mitsubishi Chemicals Corp 触媒及びそれを利用した微細中空状炭素繊維の製造方法
JP2009526726A (ja) * 2006-02-16 2009-07-23 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 触媒の連続製造方法
JP2015123410A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 東洋インキScホールディングス株式会社 カーボンナノチューブ合成用触媒

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002338221A (ja) * 2001-03-14 2002-11-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 配向性カーボンナノチューブ膜の製造方法
JP2002321922A (ja) * 2001-04-23 2002-11-08 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 酸化水酸化コバルト板状粒子及びその製造方法
JP2009526726A (ja) * 2006-02-16 2009-07-23 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 触媒の連続製造方法
JP2009090251A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Mitsubishi Chemicals Corp 触媒及びそれを利用した微細中空状炭素繊維の製造方法
JP2015123410A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 東洋インキScホールディングス株式会社 カーボンナノチューブ合成用触媒

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018168833A1 (ja) * 2017-03-15 2018-09-20 東洋インキScホールディングス株式会社 多層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブの製造方法、分散液、樹脂組成物、および塗膜
CN109718802A (zh) * 2017-10-31 2019-05-07 Sk新技术株式会社 用于合成碳纳米管的催化剂和合成碳纳米管的方法
CN109718802B (zh) * 2017-10-31 2023-11-07 Sk新技术株式会社 用于合成碳纳米管的催化剂和合成碳纳米管的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6531560B2 (ja) 2019-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6131516B2 (ja) カーボンナノチューブ製造用触媒及びこれを用いて製造されたカーボンナノチューブ
KR101446116B1 (ko) 탄소나노튜브 제조용 금속촉매의 제조방법 및 이를 이용한 탄소나노튜브의 제조방법
JP5250535B2 (ja) 薄型多層カーボンナノチューブ製造用触媒組成物
KR101303061B1 (ko) 다중벽 탄소나노튜브 제조용 촉매조성물
KR101535387B1 (ko) 담지촉매, 탄소나노튜브 집합체 및 그 제조방법
KR101241034B1 (ko) 분무 열분해 방법을 이용한 고수율 탄소나노튜브 합성용 촉매조성물의 제조 방법
JP6369048B2 (ja) カーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法、及びカーボンナノチューブ集合体の製造方法
EP3156125B1 (en) Method for manufacturing carbon nanotube agglomerate having controlled bulk density
JP2010137222A (ja) 金属ナノ触媒およびその製造方法、ならびにこれを用いて製造されたカーボンナノチューブの成長形態の調節方法
KR101357628B1 (ko) 금속나노촉매, 그 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 탄소나노튜브
JP6237225B2 (ja) カーボンナノチューブ合成用触媒
JP6890187B2 (ja) 多重壁カーボンナノチューブの大量生産のための触媒
JP6237311B2 (ja) カーボンナノチューブ合成用触媒
KR100962171B1 (ko) 탄소나노튜브 합성용 금속나노촉매 및 이를 이용한탄소나노튜브의 제조방법
KR20150007266A (ko) 탄소나노튜브 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 탄소나노튜브
JP6531560B2 (ja) カーボンナノチューブ合成用触媒
KR101241035B1 (ko) 높은 겉보기밀도를 지닌 탄소나노튜브 합성용 촉매조성물의 제조 방법
JP2017196579A (ja) カーボンナノチューブ製造用触媒前駆体の製造方法
JP4639798B2 (ja) 気相成長法炭素繊維製造用触媒および炭素繊維の製造方法
JP2013166140A (ja) カーボンナノチューブ合成用触媒の製造方法、それを用いたカーボンナノチューブ集合体の製造方法、およびカーボンナノチューブ集合体
KR101608477B1 (ko) 탄소나노튜브 제조용 금속촉매의 제조방법 및 이를 이용한 탄소나노튜브의 제조방법
JP2009041127A (ja) 気相成長炭素繊維の製造方法および気相成長炭素繊維
KR101180435B1 (ko) 고전도 고분산성 다발형 다층벽 탄소나노튜브 합성을 위한 촉매 및 그 제조 방법
JP2017177053A (ja) カーボンナノチューブ合成用触媒とその製造方法
JP2016140781A (ja) 微細中空状炭素繊維製造用の触媒及びその製造方法並びに微細中空状炭素繊維の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180509

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190506

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6531560

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees