JP2017036543A - 注入構造及び注入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、注入圧に耐えうると共に、確実且つ速やかに充填材を注入させることができる注入構造及び注入方法を提供する。【解決手段】一形態に係る注入構造は、堰柱1と、堰柱1に巻き立てられた鋼板2との間に形成された隙間Sに、鋼板2の注入孔4から充填材Fを注入する注入構造10である。注入構造10は、注入孔4に挿入されて隙間Sに充填材Fを注入する筒状の注入パイプ11と、注入孔4と注入パイプ11との間に形成される隙間Kを塞ぐパッキン12と、注入パイプ11の外側に取り付けられると共に、パッキン12を鋼板2に押し付ける押さえ座金13と、を備える。注入パイプ11は、注入孔4内で回転されることによって注入孔4に嵌合する。【選択図】図4

Description

本発明は、コンクリート躯体に鋼板を巻き立てる鋼板巻き立て工法に用いられる充填材の注入構造及び注入方法に関する。
特開平9−170203号公報には、脚柱の外周に鋼板を巻き立てて脚柱の補強を行う高架橋の脚柱補強方法が記載されている。この脚柱補強方法では、上下に二分割されている鋼板を溶接によって一体化し、一体化した鋼板を脚柱の外周に立てて仮り止めさせる。この仮り止めでは、鋼板に形成された挿入孔にドリルを通して脚柱に形成したアンカー埋め込み穴に雌ねじコンクリートアンカーを埋め込み、その雌ねじコンクリートアンカーに仮り止め用のボルトを締め込んで鋼板を脚柱に仮り止めする。
仮り止めの後には、上記同様、雌ねじコンクリートアンカーを脚柱に埋め込み、その雌ねじコンクリートアンカーに鋼板の外側から皿ボルトをねじ込むことによって鋼板を脚柱に固定する。そして、周方向に4分割されている鋼板同士を溶接して鋼板を筒状に一体化すると共に、鋼板と脚柱との間に隙間を形成させる。その後、鋼板に形成された注入孔に中空の注入パイプを螺合し、この注入パイプから上記隙間にエポキシ樹脂を注入及び充填させて硬化させる。
特開平9−170203号公報
前述したように、鋼板とコンクリート躯体との間に形成された隙間にエポキシ樹脂等の充填材を注入する場合、注入孔と注入パイプとの間に形成される隙間を塞ぐシール材が用いられることがある。また、上記隙間への充填材の注入を行うと、隙間における注入圧が高まるが、上述したシール材は、注入圧力の高まりに応じて剥がれる可能性がある。更に、上記のシール材で隙間を塞ぐ場合には、手間や時間がかかる上に経年劣化等によってシール材が剥がれるという問題がある。このように上記のシール材は、注入圧に耐えきれない場合がある。
また、コンクリート躯体に鋼板を巻き立ててコンクリート躯体を補強する工事では、工期が限られていることもあり、一層の迅速化が求められている。従って、コンクリート躯体と鋼板との間の隙間に充填材を注入させる作業では、確実且つ速やかに充填材を注入させることが求められる。
本発明は、注入圧に耐えうると共に、確実且つ速やかに充填材を注入させることができる注入構造及び注入方法を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る注入構造は、コンクリート躯体と、コンクリート躯体に巻き立てられた鋼板との間に形成された隙間に、鋼板の注入孔から充填材を注入する注入構造であって、注入孔に挿入されて隙間に充填材を注入する筒状の注入パイプと、注入孔と注入パイプとの間に形成される隙間を塞ぐ液密部材と、注入パイプの外側に取り付けられると共に、液密部材を鋼板に押し付ける押し付け部材と、を備え、注入パイプは、注入孔内で回転されることによって注入孔に嵌合する。
この注入構造では、液密部材が注入孔と注入パイプとの間の隙間を塞ぎ、押し付け部材が液密部材を鋼板に押し付けている。この液密部材及び押し付け部材によって、充填材の注入時における液密性が確保されるので、注入圧に耐えうる構造とすることができると共に、確実に充填材を注入させることができる。また、注入パイプは、注入孔内で回転されることによって注入孔に嵌合するので、回転させるだけで注入パイプの装着及び取り外しを容易に行うことができ、液密部材及び押し付け部材の装着及び取り外しも容易に行うことができる。従って、注入パイプ、液密部材及び押し付け部材の使い回しを容易に行うことができると共に、充填材の注入作業を速やかに行うことができる。
本発明の別の形態に係る注入構造は、コンクリート躯体と、コンクリート躯体に巻き立てられた鋼板との間に形成された隙間に、鋼板の注入孔から充填材を注入する注入構造であって、注入孔に挿入され、注入孔に押し込まれたときに拡張する筒状の拡張部材と、拡張部材に挿入されて隙間に充填材を注入する筒状の注入パイプと、を備え、注入パイプは、拡張部材の内側でねじ込まれることによって拡張部材を拡張させることにより拡張部材を注入孔に固定させ、拡張部材の内側から引き抜かれることによって拡張部材を縮小させることにより注入孔への拡張部材の固定を解除する。
この注入構造は、注入パイプが拡張部材の内側にねじ込まれることによって拡張部材を拡張させて、拡張部材を注入孔に固定させる。従って、拡張された拡張部材が注入孔内で引っ掛かって拡張部材の引き抜き抵抗力を向上させることができるので、注入圧に耐えうる構造とすることができると共に、確実に充填材を注入させることができる。また、注入パイプは、拡張部材の内側から引き抜かれることによって拡張部材を縮小させ、注入孔への拡張部材の固定を解除する。従って、注入パイプのねじ込み及び引き抜きを行うだけで注入パイプ及び拡張部材の装着及び取り外しを容易に行うことができる。よって、注入パイプ及び拡張部材の使い回しを容易に行うことができると共に、充填材の注入作業を速やかに行うことができる。
また、拡張部材の外側面には、注入孔に対する拡張部材の回転位置を決定する位置決め部が設けられてもよい。この場合、位置決め部によって拡張部材の回転位置が定まるので、注入孔への拡張部材の挿入を容易に行うことができる。従って、注入孔への拡張部材の装着を迅速に行うことができるので、充填材の注入作業をより迅速に行うことができる。
また、注入孔と拡張部材との間に形成された隙間を塞ぐ液密部材を備えてもよい。この場合、液密部材が注入孔と拡張部材との間の隙間を塞ぐこととなるので、この液密部材により、充填材の注入時における液密性を一層確実に確保することができ、速やかに充填材の注入を行うことができる。
本発明の更に別の形態に係る注入構造は、コンクリート躯体と、コンクリート躯体に巻き立てられた鋼板との間に形成された隙間に、鋼板の注入孔から充填材を注入する注入構造であって、注入孔に挿入されて隙間に充填材を注入する筒状の注入パイプと、注入パイプに設けられた張り出し部と鋼板との間に入り込み、張り出し部で鋼板に押し込まれることによって注入孔と注入パイプとの間に形成される隙間を塞ぐ液密部材と、注入パイプが注入孔に挿入された状態で注入パイプを鋼板に固定させる固定手段と、を備える。
この注入構造では、液密部材が注入孔と注入パイプとの間の隙間を塞ぎ、注入パイプに設けられた張り出し部が液密部材を鋼板に押し付けている。この液密部材及び張り出し部によって、充填材の注入時における液密性が確保されるので、注入圧に耐えうる構造とすることができると共に、確実に充填材を注入させることができる。また、注入パイプは、注入孔に挿入された状態で固定手段によって鋼板に固定されるので、固定手段による注入パイプの固定及び当該固定の解除を行うことによって注入パイプの装着及び取り外しを容易に行うことができる。従って、注入パイプ及び液密部材の使い回しを容易に行うことができると共に、充填材の注入作業を速やかに行うことができる。
また、固定手段は、磁力によって注入パイプを鋼板に固定させる磁力固定部材であってもよい。この場合、鋼板への注入パイプの固定及び当該固定の解除を容易に行うことができる。
また、固定手段は、注入孔に対する注入パイプの螺合によって注入パイプを鋼板に固定させてもよい。この場合、鋼板の注入孔に対する注入パイプの螺合によって、鋼板に対する注入パイプの着脱を一層容易に行うことができる。
また、鋼板の挿入孔及びコンクリート躯体の削孔穴に挿入された状態で鋼板とコンクリート躯体との間に隙間を形成する隙間形成部材を備えてもよい。この場合、隙間形成部材が鋼板の挿入孔及びコンクリート躯体の削孔穴に挿入された状態で隙間を形成するので、隙間の間隔を一定にすることができ、注入圧で鋼板が膨れ上がる事態を回避することができる。
本発明の一形態に係る注入方法は、前述の注入構造を用いて行われる充填材の注入方法であって、注入孔は、互いに高さが異なる複数の位置に配置されており、一の注入孔から充填材を注入し、一の注入孔よりも高所に位置する他の注入孔から充填材が漏れた後に当該他の注入孔を封止して、充填材の注入を継続する。
本発明の一形態に係る注入方法では、前述の注入構造を用いて充填材の注入が行われるので、注入圧に耐えうると共に、確実且つ速やかに充填材を注入させることができ、前述の注入構造と同様の効果が得られる。また、この注入方法では、一の注入孔から充填材を注入し、一の注入孔よりも高所に位置する他の注入孔から充填材が漏れたことを確認することにより、注入された充填材の高さを把握することができる。そして、当該他の注入孔を封止して充填材の注入を継続することにより、高所に向かって確実に充填材を充填させていくことができる。
また、充填材の充填を行う前に、鋼板の挿入孔及びコンクリート躯体の削孔穴に隙間形成部材を挿入し、鋼板とコンクリート躯体との間に隙間を形成してもよい。この場合、隙間形成部材が鋼板の挿入孔及びコンクリート躯体の削孔穴に挿入されることによって上記隙間が形成されるので、隙間の間隔を一定にすることができ、注入圧で鋼板が膨れ上がる事態を回避することができる。
本発明によれば、注入圧に耐えうると共に、確実且つ速やかに充填材を注入させることができる。
実施形態に係る注入構造が適用されるコンクリート躯体及び鋼板の一例を示す側面図である。 図1の鋼板を拡大させることによって鋼板に形成された各孔を示す図である。 コンクリート躯体と鋼板との間に隙間を形成するアンカーの一例を示す縦断面図である。 第1実施形態に係る注入構造を示す縦断面図である。 図4の注入構造における注入パイプ及び注入孔を示す図であり、(a)は注入パイプを注入孔に挿入した図、(b)は注入パイプを注入孔に嵌合させた図である。 (a)は、鋼板の上端とコンクリート躯体とを示す縦断面図である。(b)は、鋼板の下端とコンクリート躯体とを示す縦断面図である。 第2実施形態に係る注入構造を示す縦断面図である。 第3実施形態に係る注入構造を示す縦断面図である。 (a)は、図8の固定手段を示す斜視図である。(b)は、図8の固定手段を示す底面図である。 第4実施形態に係る注入構造を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る充填材の注入構造、及び充填材の注入方法について詳細に説明する。本実施形態に係る注入構造及び注入方法は、例えば、図1に示されるように、河川に設けられた堰柱1に用いられる。
コンクリート躯体である堰柱1には、複数の鋼板2が巻き立てられることによって耐震補強が行われる。このように堰柱1には鋼板巻き立て工法が施工される。この鋼板2の巻き立ては、河川が締め切られて堰柱1の周囲の河川水が除去されて形成された作業空間内で行われる。この鋼板巻き立て工法は、堰柱1に剪断力を持たせ、地震等による座屈を防止するために行われる。すなわち、鋼板2の耐剪断力によって堰柱1を補強する。
堰柱1には、例えば四角形状の複数の鋼板2が上下左右に巻き立てられる。鋼板2は、予め工場で加工された後に現場に搬送され、鋼板2の巻き立て時には複数の鋼板2が溶接によって接合される。具体的には、堰柱1の表面の古いコンクリートが斫られた後に、鋼板2がクレーン等によって吊り上げられて堰柱1に固定され、複数の鋼板2が溶接されて貼り合されることによって鋼板2の巻き立てが行われる。
図2に示されるように、各鋼板2には、固定用のアンカーが挿入される挿入孔3と、樹脂等で構成される充填材が注入されると共に空気抜きを兼ねる注入孔4と、仮設用のアンカーボルトが挿入される仮設アンカーボルト用孔5が形成されている。仮設アンカーボルト用孔5には、鋼板2をクレーン等で吊り上げて鋼板2を堰柱1に据え付けるときに、鋼板2を堰柱1に仮固定させる仮設用のアンカーボルトが挿入される。
挿入孔3は、鋼板2を貫通して形成されており、複数の挿入孔3が鋼板2に格子状に形成されている。挿入孔3及び注入孔4は例えば円形である。注入孔4も、鋼板2を貫通して複数形成されており、挿入孔3を避ける位置に格子状に形成されている。仮設アンカーボルト用孔5は、鋼板2の上端及び下端のそれぞれに鋼板2を貫通して形成されている。なお、鋼板2における挿入孔3、注入孔4及び仮設アンカーボルト用孔5の個数及び配置態様については、図2に示す例に限定されず、適宜変更可能である。
図3に示されるように、鋼板2は、挿入孔3に挿入されたアンカー6によって堰柱1に固定される。アンカー6は、鋼板2と堰柱1との間に隙間Sを形成する隙間形成部材である。挿入孔3に対向する堰柱1の部分には、アンカー6が挿入される削孔穴7が形成される。削孔穴7は、例えばドリルによって形成され、この削孔穴7にアンカー6が打ち込まれる。
アンカー6は、内側に雌螺子を有する円筒状の雌螺子部材6aと、雌螺子部材6aの内側に収容され雌螺子部材6aの軸線方向の一方側に突出するコーン部材6bと、雌螺子部材6aの軸線方向の他方側からねじ込まれる皿ボルト6cとを備えている。
雌螺子部材6aは、その軸線方向の一方側に複数の拡径部8を有する。拡径部8は、軸線方向に延びる切り込み6dが雌螺子部材6aに設けられることによって拡径可能となっている。切り込み6dは、例えば、雌螺子部材6aの周方向で等間隔に4つ配置されている。また、拡径部8の外側面には、軸線方向に並んで複数の凹凸部8aが形成されている。この凹凸部8aによって、拡径部8は削孔穴7の壁面に食い込みやすくなっている。
コーン部材6bは、雌螺子部材6aの軸線方向の一端に向かうにつれて拡径された截頭錐体状となっている。このコーン部材6bに対して雌螺子部材6aは軸線方向に移動可能となっている。雌螺子部材6aがコーン部材6bに対して底面6e側に移動するにつれて、拡径部8はコーン部材6bの外表面で押し広げられて拡張する。
皿ボルト6cは、鋼板2の挿入孔3に挿入されて削孔穴7に位置する雌螺子部材6aにねじ込まれる。皿ボルト6cは、雌螺子部材6aにねじ込まれる円柱状の雄螺子部と、雄螺子部の軸線方向の一端に設けられる截頭円錐状の頭部6gとを有する。ここで、挿入孔3は、頭部6gの截頭円錐形状に対応した形状となっており、具体的には、堰柱1側に向かうにつれて縮径した形状となっている。
従って、挿入孔3に皿ボルト6cを挿入すると、鋼板2の表面と頭部6gの表面6hとが一致することとなり、皿ボルト6cの挿入後に鋼板2の表面を滑らかにすることができる。よって、皿ボルト6cの挿入後における鋼板2の表面の塗装等を容易に行うことができるので、施工が容易になると共に、皿ボルト6c周辺の劣化を抑制することも可能となる。また、挿入孔3に皿ボルト6cを挿入して皿ボルト6cの雄螺子部を雌螺子部材6aに螺合させると、拡径部8が削孔穴7の内壁に食い込む。これにより、アンカー6は、鋼板2と堰柱1との間に隙間Sを形成した状態で固定される。
図4に示されるように、隙間Sには、注入孔4から注入構造10によって充填材Fが注入される。充填材Fは、隙間Sに入り込む程度の高い粘度を有する材料で構成されており、例えばエポキシ樹脂である。ただし、充填材Fとしては、例えばアクリル樹脂等、エポキシ以外の樹脂を用いることも可能であり、更に、樹脂以外の材料(例えば、セメントミルク等の各種グラウト材)を用いることも可能である。
注入構造10は、前述のアンカー6と、隙間Sに充填材Fを注入する筒状の注入パイプ11と、注入孔4と注入パイプ11との間に形成される隙間Kを塞ぐパッキン(液密部材)12と、パッキン12を鋼板2に押し付ける押さえ座金(押し付け部材)13と、注入パイプ11に充填材Fを供給する注入用ホース14とを備えている。
注入パイプ11は、例えば円筒状を呈しており、注入孔4に挿入される。注入パイプ11は、その軸線方向の一端に形成された突出部11aと、軸線方向の他端に形成された環状凹凸部11bと、突出部11aの根元から軸線方向に延びて形成された雄螺子部11cとを有する。
図4及び図5に示されるように、注入パイプ11には、一対の突出部11aが形成されており、例えば、突出部11aは注入パイプ11の周方向二等配の位置に設けられている。2つの突出部11aは、注入パイプ11の表面から径方向外側に突出している。一方、注入パイプ11が挿入される注入孔4の形状は、2つの突出部11aに対応した形状となっている。
すなわち、注入孔4は、径方向外側に延びて形成された一対の切り欠き4aを有しており、これらの切り欠き4aも周方向二等配の位置に形成されている。2つの切り欠き4aには、注入パイプ11の軸線方向に、2つの突出部11aを共に挿入可能となっている。なお、注入パイプ11に形成される突出部11aの数及び配置態様、並びに、注入孔4に形成される切り欠き4aの数及び配置態様は、上記の例に限定されず適宜変更可能である。
パッキン12は、例えば円環状に形成されており、注入パイプ11を挿通させるための円形の挿通孔を有する。パッキン12は、注入孔4の内壁と注入パイプ11の外周との間に形成された隙間Kを封止することによって、隙間Kからの充填材Fの漏れを抑制する。パッキン12は、例えばゴムパッキンであり、比較的柔軟性の高い材料によって構成されている。
押さえ座金13は、注入パイプ11の外側に取り付けられた状態で注入パイプ11を保持する。押さえ座金13は、パッキン12を鋼板2に押し付ける押さえ部13bと、押さえ座金13の径方向外側に延びるハンドル部13cと、押さえ部13bとハンドル部13cとを連結する連結部13dとを備えている。押さえ部13bは例えば円環状となっており、押さえ部13bの内周には注入パイプ11の雄螺子部11cに螺合される雌螺子部13aが形成されている。この雌螺子部13aが雄螺子部11cに螺合されることによって、押さえ座金13は注入パイプ11に取り付けられる。
なお、図4に示される例では、雄螺子部11cは、注入パイプ11の一端(突出部11aが形成された部分)から雌螺子部13aに対向する部分の全体に亘って形成されている。しかしながら、雄螺子部11cは、上記のように全体に形成されていなくてもよく、例えば、雌螺子部13aに対向する部分のみに形成されていてもよい。
連結部13dは、例えば、押さえ部13bから軸線方向に延びる円筒状となっている。ハンドル部13cは、連結部13dを介して押さえ部13bに連続している。ハンドル部13cは押さえ座金13の外側に張り出した形状となっているので、押さえ座金13はハンドル部13cを持って回転させやすい形状となっている。この押さえ座金13の回転によって、押さえ座金13が注入パイプ11に対して軸線方向に移動することとなるので、押さえ座金13によるパッキン12の確実な押え付けが可能となる。なお、図4に示される例では、ハンドル部13cが連結部13dから上下方向に延びているが、ハンドル部13cの形状はこれに限定されず、適宜変更することが可能である。
注入用ホース14は、例えば注入パイプ11に充填材Fを供給するゴムホースである。注入用ホース14の内径は、注入パイプ11の外径と同程度、又は注入パイプ11の外径よりも若干小さい程度となっている。従って、注入用ホース14は、その内周面を注入パイプ11の環状凹凸部11bに嵌め込むことによって、注入パイプ11に取り付けられる。なお、環状凹凸部11bは無くてもよく、例えばホースクランプによって注入用ホース14を注入パイプ11に取り付けてもよいし、更に別の手段で注入用ホース14を注入パイプ11に取り付けてもよい。
次に、注入構造10を用いて隙間Sに充填材Fを注入させる注入方法について説明する。まず、充填材Fを注入する前に、鋼板2の現場への搬入、及び堰柱1の外周への鋼板2の配置を行い、溶接により複数の鋼板2を互いに接合して複数の鋼板2を堰柱1の外周を覆う筒状とし、堰柱1に対する鋼板2の巻き立てを行う。そして、鋼板2の挿入孔3にドリル等を通して削孔穴7を堰柱1に形成し、雌螺子部材6a及びコーン部材6bを削孔穴7に埋め込んだ後に、雌螺子部材6aに皿ボルト6cを螺合させることによって、堰柱1及び鋼板2に対するアンカー6の取り付けを行う。このようにアンカー6の取り付けを行うことによって、堰柱1と鋼板2との間に隙間Sが形成され、隙間Sの間隔が一定に保持される。
また、アンカー6の取り付けによる鋼板2の堰柱1への固定作業の前後に、鋼板2に対する注入構造10の設置を行う。すなわち、複数の注入孔4のうち、鋼板2の下端に位置する注入孔4に注入パイプ11を差し込んで注入パイプ11を注入孔4に取り付ける。具体的には、注入孔4の切り欠き4aに対して注入パイプ11の突出部11aを軸線方向に挿入し、突出部11aが注入孔4の内側(堰柱1側)に位置した状態で注入パイプ11を注入孔4に対して回転させる。すると、注入パイプ11が注入孔4に嵌合することとなり、注入孔4からの注入パイプ11の抜けが阻止された状態となる。
上記のように注入パイプ11を下端の注入孔4に嵌合させた後には、注入パイプ11の径方向外側へのパッキン12の配置と、注入パイプ11に対する押さえ座金13の取り付けを行って、押さえ座金13でパッキン12を鋼板2に押し付けて液密性を確保する。そして、図6(b)に示されるように、鋼板2の下端をシール材Aで封止する。シール材Aは、例えばエポキシ樹脂で構成された接着剤である。
その後は、注入パイプ11に注入用ホース14を取り付けて、注入用ホース14から注入パイプ11への充填材Fの圧入を行う。こうして、注入パイプ11から下端の注入孔4を介して隙間Sに充填材Fが注入されていく。そして、隙間Sに注入された充填材Fの高さが上昇し、この高さが所定高さに到達したときに隙間S内の充填材Fを硬化させる。このように、隙間Sへの充填材Fの注入及び硬化を繰り返す。また、隙間Sに注入された充填材Fの高さが上昇すると、上方の注入孔4から隙間Sの空気が抜けることとなり、その後、上方の注入孔4から充填材Fが漏れてくる。この上方の注入孔4からの充填材Fの漏れを検出することによって、隙間Sにおける充填材Fの高さを把握することができる。そして、充填材Fが漏れた上方の注入孔4をシールする。
そして、隙間Sにおける充填材Fの高さが鋼板2の上端にまで到達したときには、図6(a)に示されるように、予め隙間Sの上端に通していた空気抜きパイプPに充填材Fが入り込むこととなる。従って、充填材Fの鋼板2の上端への到達を把握することができる。このように、充填材Fが鋼板2の上端に到達したときには、シール材Aを鋼板2の上端に被せて隙間Sの上端をシール材Aでシールする。
以上のように、第1実施形態の注入構造10では、パッキン12が注入孔4と注入パイプ11との間の隙間Kを塞ぎ、押さえ座金13がパッキン12を鋼板2に押し付けている。このパッキン12及び押さえ座金13によって、充填材Fの注入時における液密性が確保されるので、注入圧に耐えうる構造とすることができると共に、確実に充填材Fを注入させることができる。
また、注入パイプ11は、注入孔4内で回転されることによって注入孔4に嵌合するので、回転させるだけで注入パイプ11の装着及び取り外しを容易に行うことができ、パッキン12及び押さえ座金13の装着及び取り外しも容易に行うことができる。従って、注入パイプ11、パッキン12及び押さえ座金13の使い回しを容易に行うことができると共に、充填材Fの注入作業を速やかに行うことができる。
また、第1実施形態の充填材Fの注入方法では、注入構造10を用いて充填材Fの注入が行われるので、注入圧に耐えうると共に、確実且つ速やかに充填材Fを注入させることができ、注入構造10と同様の効果が得られる。更に、第1実施形態の注入方法では、一の注入孔4(下端の注入孔4)から充填材Fを注入し、一の注入孔4よりも高所に位置する他の注入孔4から充填材Fが漏れたことを確認することにより、注入された充填材Fの高さを把握することができる。そして、当該他の注入孔4を封止して充填材Fの注入を継続することにより、高所に向かって確実に充填材Fを充填させていくことができる。
また、第1実施形態では、鋼板2の挿入孔3及び堰柱1の削孔穴7に挿入された状態で鋼板2と堰柱1との間に隙間Sを形成するアンカー6が設けられている。従って、アンカー6が鋼板2の挿入孔3及び堰柱1の削孔穴7に挿入された状態で隙間Sを形成するので、隙間Sの間隔を一定にすることができ、注入圧で鋼板2が膨れ上がる事態を回避することができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態に係る注入構造20について説明する。以降の説明では、前述した第1実施形態と重複する内容についての説明を省略する。また、第1実施形態と同一又は相当する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7に示されるように、第2実施形態の注入構造20は、注入孔4に挿入される円筒状の拡張部材21と、拡張部材21に挿入される円筒状の注入パイプ22と、注入孔4と拡張部材21との間に形成される隙間Kを封止するパッキン(液密部材)23と、パッキン23を鋼板2に押し付ける押さえ金具24と、注入パイプ22の外表面に形成された雄螺子部22aに螺合するハンドル付きナット25と、注入用ホース14とを備える。注入用ホース14は、注入パイプ22の雄螺子部22aに嵌め込まれることによって、注入パイプ22に固定される。なお、図7では、注入構造20の各構成要素を簡略化して図示している。
注入パイプ22は、隙間Sに充填材Fを注入する。注入パイプ22の雄螺子部22aは、注入パイプ22の一端から軸線方向に延びて形成されている。また、注入パイプ22は、径方向外側に延びる拡張用ハンドル22bを備える。拡張用ハンドル22bをハンドル付きナット25に対して回転させることにより、注入パイプ22を軸線方向に移動させることができ、拡張部材21の拡張度合を調整することが可能となる。
拡張部材21は、注入孔4に押し込まれたときに拡張する。また、第2実施形態において、注入孔4は、拡張部材21の拡張に対応した形状となっており、具体的には、堰柱1側に向かうにつれて拡径した傾斜面4bを有する。拡張部材21は、円筒状の本体部21aと、本体部21aの軸線方向の一端に位置する拡径部21bとを有する。拡径部21bは、複数本の切り込みを備えることによって拡径可能となっており、例えば、当該切り込みは周方向に等間隔に配置されている。
拡張部材21は、その外側面に、注入孔4に対する拡張部材21の回転位置を決める位置決め部21eを備える。位置決め部21eは、注入孔4に対する拡張部材21の回転位置を示す指標であり、この位置決め部21eを注入孔4の所定位置に整合させることによって、拡張部材21の回転位置を定める。
位置決め部21eは、例えば、拡張部材21の外表面から径方向外側に突出するフランジ状の突出部である。しかしながら、位置決め部21eは、拡張部材21の回転位置が把握できれば如何なる形状とすることも可能である。例えば、径方向に突出する位置決め部21eに代えて、平坦面となっている位置決め部、マークが付されている位置決め部、又は凹状に凹んでいる位置決め部を用いることも可能である。
また、拡張部材21は、拡径部21bを縮径させる方向に付勢する付勢手段21dを備える。この付勢手段21dにより、拡張部材21は、押し込まれたときにのみ拡張するようになっており、押し込まれていないときには拡張しないように構成されている。付勢手段21dとしては、例えばスプリングワッシャを用いることが可能である。
パッキン23の形状及び材料は、例えば第1実施形態のパッキン12の形状及び材料と同一とすることができる。図7に示される例では、パッキン23は、鋼板2の表面に設けられているが、パッキン23の配置場所及び大きさは適宜変更することが可能である。例えば、隙間Kからの充填材Fの漏れを防止すべく一層大型としたパッキン23を配置してもよいし、パッキン23を拡張部材21の外周面に巻き付けておいて隙間Kに埋め込まれるようにパッキン23を配置してもよい。
押さえ金具24は、例えば円筒状に形成されている。押さえ金具24は、その軸線方向に延びる側部24aと、側部24aの軸線方向の一端で径方向内側に突出する突出部24bとを有する。押さえ金具24の側部24aによってパッキン23は鋼板2に押し付けられる。また、突出部24bの軸線方向内側には拡張部材21の端面が接触し、突出部24bの軸線方向外側にはハンドル付きナット25が接触する。
ハンドル付きナット25は、例えば円環状に形成されている。ハンドル付きナット25は、径方向外側に延びるハンドル部25aと、内周に形成されており注入パイプ22の雄螺子部22aに螺合される雌螺子部25bとを有する。ハンドル部25aは、径方向外側に張り出した形状となっているので、ハンドル付きナット25は手で持って回転させやすい形状となっている。この回転によって、ハンドル付きナット25は注入パイプ22に対して軸線方向に移動することとなるので、ハンドル付きナット25及び押さえ金具24によるパッキン23の確実な押え付けが可能となる。なお、押さえ金具24及びハンドル付きナット25の形状は、図7に示される例に限定されず適宜変更可能である。
また、ハンドル付きナット25の雌螺子部25bが雄螺子部22aに螺合されることによって、ハンドル付きナット25は注入パイプ22に取り付けられる。なお、図7に示される例では、雄螺子部22aは、注入パイプ22の一端から軸線方向に延びて形成されているが、雄螺子部22aは、雌螺子部25bに対向する部分のみに形成されていてもよい。
以上のように構成される注入構造20の注入孔4への設置方法について説明する。まず、拡張部材21を注入孔4に挿入すると共に、注入パイプ22を拡張部材21に挿入し、パッキン23を押さえ金具24で鋼板2に押し付けた状態でハンドル付きナット25を注入パイプ22の雄螺子部22aに螺合させる。そして、ハンドル付きナット25を回転させて押さえ金具24でパッキン23を鋼板2に更に押し付けて液密性を確保する。
その後、拡張用ハンドル22bを回転させて注入パイプ22を拡張部材21の内側でねじ込み、これにより注入パイプ22を堰柱1側に移動させ、拡張部材21を付勢手段21dの付勢力に抗して拡張させる。このように拡張部材21を注入孔4内で拡張させることにより、注入孔4からの拡張部材21の引っ張り抵抗力を高めることができ、拡張部材21は注入孔4に固定される。そして、拡張部材21を注入孔4に固定させる前後に注入用ホース14を注入パイプ22に取り付ける。このように、注入パイプ22への注入用ホース14の取り付け、及び注入孔4への拡張部材21の固定が完了すると、注入構造20から隙間Sに対して充填材Fを注入可能な状態となる。
第2実施形態及び以降の実施形態の注入構造を用いて充填材Fの注入を行う注入方法は、第1実施形態と同様であるため、以降では詳細な説明を省略する。また、注入孔4から注入構造20を外す方法としては、拡張用ハンドル22bを前述と逆方向に回転させることによって、注入パイプ22を拡張部材21の内側から引き抜き、これにより付勢手段21dで拡張部材21を縮小させて拡張部材21の注入孔4に対する固定を解除する。そして、拡張部材21を注入孔4から引き抜くことによって注入構造20の取り外しが完了する。
以上、第2実施形態の注入構造20では、注入パイプ22が拡張部材21の内側でねじ込まれることによって拡張部材21を拡張させて、拡張部材21を注入孔4に固定させる。従って、拡張された拡張部材21が注入孔4内で引っ掛かって拡張部材21の引き抜き抵抗力を向上させることができる。よって、注入圧に耐えうる構造とすることができると共に、確実に充填材Fを注入させることができる。
また、注入パイプ22は、拡張部材21の内側から引き抜かれることによって拡張部材21を縮小させ、注入孔4への拡張部材21の固定を解除する。従って、注入パイプ22のねじ込み及び引き抜きを行うだけで注入パイプ22及び拡張部材21の装着及び取り外しを容易に行うことができる。よって、拡張部材21、注入パイプ22、パッキン23、押さえ金具24及びハンドル付きナット25の使い回しを容易に行うことができると共に、充填材Fの注入作業を速やかに行うことができる。
また、拡張部材21の外表面には、注入孔4に対する拡張部材21の回転位置を決定する位置決め部21eが設けられている。この位置決め部21eによって拡張部材21の回転位置が定まるので、注入孔4への拡張部材21の挿入を容易に行うことができる。従って、注入孔4への拡張部材21の装着を迅速に行うことができるので、充填材Fの注入作業をより迅速に行うことができる。
また、注入構造20は、注入孔4と拡張部材21との間に形成された隙間Kを塞ぐパッキン23を備えている。従って、パッキン23が注入孔4と拡張部材21との間の隙間Kを塞ぐこととなるので、このパッキン23により、充填材Fの注入時における液密性を一層確実に確保することができる。
(第3実施形態)
次に第3実施形態に係る注入構造30について説明する。図8に示されるように、注入構造30は、注入孔4に挿入される円筒状の注入パイプ31と、注入孔4と注入パイプ31との間に形成される隙間Kを封止するパッキン12と、注入パイプ31を鋼板2に固定させる固定手段33と、を備えている。なお、注入パイプ31の軸線方向の一端には、注入用ホース14が取り付けられているが、注入用ホース14の取付構造は第1実施形態と同様であるため説明及び図示を省略する。また、パッキン12についても第1実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。
注入パイプ31は、隙間Sに充填材Fを注入する点で第1実施形態の注入パイプ11及び第2実施形態の注入パイプ22と共通するが、雄螺子部を有しない点で注入パイプ11及び注入パイプ22とは異なっており、注入パイプ11及び注入パイプ22よりも簡易な構造となっている。注入パイプ31は、径方向外側に延びる張り出し部31aを有する。張り出し部31aは、例えばフランジ状となっている。この張り出し部31aによってパッキン12が鋼板2に押し付けられる。また、張り出し部31aの軸線方向外側には固定手段33が当接する。
図8及び図9に示されるように、固定手段33は、例えば、リフティングマグネットであり、磁力によって注入パイプ31を鋼板2に固定させる磁力固定部材である。固定手段33は、注入パイプ31の張り出し部31aを挟み込んだ状態で磁力によって鋼板2に吸着される。固定手段33は、底面33eに十字状の溝33aを有する直方体状の本体部33bと、本体部33bの一側面から外方に延びるハンドル部33cと、本体部33bの頂面33fに固定されたリング状の引掛部33dとを備える。
本体部33bは、例えば、N極及びS極が互いに対向した状態で配置された永久磁石と、永久磁石を回転させる磁性部材とを内蔵している。ハンドル部33cは、固定手段33における吸着力のON/OFF操作を可能としており、ハンドル部33cを一方向に揺動させると固定手段33の吸着力がONとなり、ハンドル部33cを他方向に揺動させると固定手段33の吸着力がOFFとなる。
具体的には、例えば、ハンドル部33cの揺動に応じて、本体部33b内の磁性部材が永久磁石を回転させて磁性部材に対する磁力線の作用方向を切り替えることにより、吸着力のON/OFF切り替えが行われる。また、引掛部33dには、クレーン等のフックを引っ掛けることが可能となっており、フックを引掛部33dに引っ掛けることによってクレーン等で固定手段33を吊り上げ可能となっている。
次に、注入構造30の注入孔4への設置方法について説明する。まず、注入パイプ31を注入孔4に挿入し、パッキン12を張り出し部31aで鋼板2に押し付けた状態とする。そして、固定手段33の吸着力をONにして固定手段33の溝33aに張り出し部31aを被せた状態で固定手段33を鋼板2に吸着させ、上下一対の固定手段33で張り出し部31aを固定させることにより、注入パイプ31を固定手段33で鋼板2に固定させる。このように、上下一対の固定手段33で注入パイプ31を鋼板2に固定させると、注入構造30から隙間Sに対して充填材Fを注入可能な状態となる。
注入孔4から注入構造30を取り外す方法としては、例えば引掛部33dにクレーン等のフックを引っ掛けた状態で固定手段33の吸着力をOFFにし、固定手段33による固定を解除した状態で2個の固定手段33を鋼板2から引き離す。そして、パッキン12及び注入パイプ31を注入孔4から外せば注入構造30の取り外しが完了する。このように、第3実施形態では、注入孔4からの注入構造30の取り外しを一層容易に行うことができる。
以上、第3実施形態では、パッキン12が注入孔4と注入パイプ31との間の隙間Kを塞ぎ、注入パイプ31に設けられた張り出し部31aがパッキン12を鋼板2に押し付けている。このパッキン12及び張り出し部31aによって、充填材Fの注入時における液密性が確保されるので、注入圧に耐えうる構造とすることができると共に、確実に充填材Fを注入させることができる。
また、パッキン12は、注入パイプ31の張り出し部31aによって鋼板2に押し付けられるので、パッキン12が別部材で押し付けられる場合と比較して、部品の点数を減らすことができる。従って、注入パイプ31がパッキン12の押し付け部材として兼用されることにより、部品点数を増やすことなくパッキン12を確実に鋼板2に押し付けることができる。
また、注入パイプ31は、注入孔4に挿入された状態で固定手段33によって鋼板2に固定されるので、固定手段33による注入パイプ31の固定及び当該固定の解除を行うことによって注入パイプ31の装着および取り外しを容易に行うことができる。従って、注入パイプ31、固定手段33及びパッキン12の使い回しを容易に行うことができると共に、充填材Fの注入作業を速やかに行うことができる。
また、固定手段33は、磁力によって注入パイプ31を鋼板2に固定させる磁力固定部材である。よって、鋼板2への注入パイプ31の固定及び当該固定の解除を容易に行うことができる。具体的には、固定手段33の溝33aに張り出し部31aが挿入され、張り出し部31aが固定手段33と鋼板2に挟み込まれた状態で固定手段33が鋼板2に吸着されることにより、注入パイプ31が鋼板2に固定される。このように固定手段33で注入パイプ31を鋼板2に固定することにより、注入パイプ31の引き抜き抵抗力を向上させることができる。
なお、図8に示される例では、固定手段33が注入パイプ31に対して一対に設けられており、一対の固定手段33で注入パイプ31を固定しているので、注入パイプ31をバランスよく固定させることができる。しかしながら、固定手段33の配置態様及び個数は、図8に示される例に限定されず適宜変更可能である。また、磁力によって注入パイプ31を鋼板2に固定させる固定手段33に代えて、他の手段(例えばボルトナット接合等)によって注入パイプ31を鋼板2に固定させる固定手段を用いることも可能である。また、パイプジャッキや角材にくさびを打ち込む等して抜けに対する反力をとることによっても固定することが可能である。
(第4実施形態)
次に第4実施形態に係る注入構造40について説明する。図10に示されるように、注入構造40は、注入孔4に挿入される円筒状の注入パイプ41と、パッキン12と、注入用ホース14とを備えている。注入パイプ41は、その外表面に雄螺子部41aを備えており、注入孔4の内壁には雄螺子部41aに螺合する雌螺子部4cが形成されている。注入パイプ41は、その雄螺子部41aが雌螺子部4cに螺合することによって鋼板2に固定される。すなわち、第4実施形態では、雄螺子部41aと雌螺子部4cとによって構成される螺合部45が、注入パイプ41を鋼板2に固定する固定手段に相当する。
また、注入パイプ41は、径方向外側に延びる張り出し部41bと、張り出し部41bと異なる位置で径方向外側に延びるハンドル部41cとを有する。張り出し部41bは、第3実施形態の張り出し部31aと同様、例えばフランジ状となっており、この張り出し部41bによってパッキン12が鋼板2に押し付けられる。
ハンドル部41cは、例えば、フランジ状となっており、張り出し部41bよりも更に径方向外側に張り出している。このように、ハンドル部41cは、注入パイプ41の外側に張り出した形状となっているので、注入パイプ41はハンドル部41cを持って回転させやすい形状となっている。このハンドル部41cの回転によって、注入パイプ41は注入孔4に対して軸線方向に移動することとなるので、張り出し部41bによるパッキン12の確実な押え付けが可能となる。
なお、図10に示される例では、注入孔4の雌螺子部4cは鋼板2の厚さ方向の全体に形成されている。しかしながら、雌螺子部4cは、鋼板2の厚さ方向全体に形成されていなくてもよく、雄螺子部41aとの螺合が可能な範囲内において鋼板2の厚さ方向の一部のみに形成されていてもよい。また、張り出し部41b及びハンドル部41cの形状も、図10に示される例に限定されず適宜変更可能である。
注入構造40の注入孔4への設置方法については、まず、注入パイプ41の雄螺子部41aを注入孔4の雌螺子部4cに螺合させ、注入パイプ41の張り出し部41bと鋼板2とでパッキン12を挟み込んだ状態とし、注入パイプ41を鋼板2に固定させる。このとき、ハンドル部41cを回転させて注入パイプ41を注入孔4内にねじ込むと共に、張り出し部41bでパッキン12を鋼板2に押し付けて液密性を確保する。その前後で注入用ホース14を注入パイプ41に取り付けることによって、注入構造40から隙間Sに対して充填材Fを注入可能な状態となる。
注入孔4から注入構造40を取り外す方法としては、注入パイプ41を前述と逆方向に回転させて注入パイプ41を注入孔4から引き抜いていき、パッキン12及び注入パイプ41を注入孔4から外せば完了する。このように、第4実施形態においても、注入孔4からの注入構造40の取り外しを容易に行うことができる。
以上、第4実施形態では、パッキン12が注入孔4と注入パイプ41との間の隙間を塞ぎ、注入パイプ41に設けられた張り出し部41bがパッキン12を鋼板2に押し付けている。このパッキン12及び張り出し部41bによって、充填材Fの注入時における液密性が確保されるので、第3実施形態と同様の効果が得られる。
また、第4実施形態では、注入孔4に対する注入パイプ41の螺合によって注入パイプ41が鋼板2に固定される。従って、鋼板2の注入孔4に対する注入パイプ41の螺合によって、鋼板2に対する注入パイプ41の着脱を一層容易に行うことができる。より具体的には、注入孔4の雌螺子部4cに注入パイプ41の雄螺子部41aを螺合させることにより、注入パイプ41が鋼板2に固定される。このように雌螺子部4cと雄螺子部41aとで構成される螺合部45によって注入パイプ41を鋼板2に固定することにより、注入パイプ41の引き抜き抵抗力を向上させることができる。
以上、本発明に係る各実施形態について説明したが、本発明は前述の各実施形態に限定されない。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であり、このことは当業者によって容易に認識される。
例えば、第1実施形態では、注入パイプ11が径方向外側に突出する突出部11aを有し、注入孔4が径方向外側に延びる切り欠き4aを有し、切り欠き4aに突出部11aを挿入し注入パイプ11を回転させることで注入パイプ11を嵌合させた。しかしながら、注入パイプの嵌合構造は、上記の突出部11a及び切り欠き4aに限定されず適宜変更可能である。例えば、注入パイプ11は、突出部11aに代えて、径方向内側に凹む凹部を有していてもよいし、注入孔4は、切り欠き4aに代えて、径方向内側に突出する突出部を有していてもよい。
また、前述の実施形態では、堰柱1に注入構造を適用させる例について説明したが、本発明に係る注入構造及び注入方法は、堰柱以外のコンクリート躯体に対しても適用可能である。
1…堰柱(コンクリート躯体)、2…鋼板、3…挿入孔、4…注入孔、4a…切り欠き、4b…傾斜面、4c…雌螺子部、5…仮設アンカーボルト用孔、6…アンカー(隙間形成部材)、7…削孔穴、8…拡径部、10,20,30,40…注入構造、11,22,31,41…注入パイプ、12,23…パッキン(液密部材)、13…押さえ座金(押し付け部材)、13a…雌螺子部、13b…押さえ部、13c…ハンドル部、13d…連結部、14…注入用ホース、21…拡張部材、21a…本体部、21b…拡径部、21c…切り込み、21d…付勢手段、21e…位置決め部、22a…雄螺子部、22b…拡張用ハンドル、24…押さえ金具、25…ハンドル付きナット、31a…張り出し部、33…固定手段、33a…溝、33b…本体部、33c…ハンドル部、33d…引掛部、33e…底面、33f…頂面、41a…雄螺子部、41b…張り出し部、41c…ハンドル部。45…螺合部、A…シール材、F…充填材、K…隙間、P…空気抜きパイプ、S…隙間。

Claims (10)

  1. コンクリート躯体と、前記コンクリート躯体に巻き立てられた鋼板との間に形成された隙間に、前記鋼板の注入孔から充填材を注入する注入構造であって、
    前記注入孔に挿入されて前記隙間に前記充填材を注入する筒状の注入パイプと、
    前記注入孔と前記注入パイプとの間に形成される隙間を塞ぐ液密部材と、
    前記注入パイプの外側に取り付けられると共に、前記液密部材を前記鋼板に押し付ける押し付け部材と、を備え、
    前記注入パイプは、前記注入孔内で回転されることによって前記注入孔に嵌合する、
    注入構造。
  2. コンクリート躯体と、前記コンクリート躯体に巻き立てられた鋼板との間に形成された隙間に、前記鋼板の注入孔から充填材を注入する注入構造であって、
    前記注入孔に挿入され、前記注入孔に押し込まれたときに拡張する筒状の拡張部材と、
    前記拡張部材に挿入されて前記隙間に前記充填材を注入する筒状の注入パイプと、を備え、
    前記注入パイプは、前記拡張部材の内側でねじ込まれることによって前記拡張部材を拡張させることにより前記拡張部材を前記注入孔に固定させ、前記拡張部材の内側から引き抜かれることによって前記拡張部材を縮小させることにより前記注入孔への前記拡張部材の固定を解除する、
    注入構造。
  3. 前記拡張部材の外側面には、前記注入孔に対する前記拡張部材の回転位置を決定する位置決め部が設けられる、
    請求項2に記載の注入構造。
  4. 前記注入孔と前記拡張部材との間に形成された隙間を塞ぐ液密部材を備える、
    請求項2又は3に記載の注入構造。
  5. コンクリート躯体と、前記コンクリート躯体に巻き立てられた鋼板との間に形成された隙間に、前記鋼板の注入孔から充填材を注入する注入構造であって、
    前記注入孔に挿入されて前記隙間に前記充填材を注入する筒状の注入パイプと、
    前記注入パイプに設けられた張り出し部と前記鋼板との間に入り込み、前記張り出し部で前記鋼板に押し込まれることによって前記注入孔と前記注入パイプとの間に形成される隙間を塞ぐ液密部材と、
    前記注入パイプが前記注入孔に挿入された状態で前記注入パイプを前記鋼板に固定させる固定手段と、
    を備える注入構造。
  6. 前記固定手段は、磁力によって前記注入パイプを前記鋼板に固定させる磁力固定部材である、
    請求項5に記載の注入構造。
  7. 前記固定手段は、前記注入孔に対する前記注入パイプの螺合によって前記注入パイプを前記鋼板に固定させる、
    請求項5に記載の注入構造。
  8. 前記鋼板の挿入孔及び前記コンクリート躯体の削孔穴に挿入された状態で前記鋼板と前記コンクリート躯体との間に隙間を形成する隙間形成部材を備える、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の注入構造。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の注入構造を用いて行われる充填材の注入方法であって、
    前記注入孔は、互いに高さが異なる複数の位置に配置されており、
    一の注入孔から前記充填材を注入し、前記一の注入孔よりも高所に位置する他の注入孔から前記充填材が漏れた後に前記他の注入孔を封止して、前記充填材の注入を継続する、
    注入方法。
  10. 前記充填材の注入を行う前に、前記鋼板の挿入孔及び前記コンクリート躯体の削孔穴に隙間形成部材を挿入し、前記鋼板と前記コンクリート躯体との間に隙間を形成する、
    請求項9に記載の注入方法。
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