JP2017036181A - ガラス積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも二枚の板ガラス52の間に樹脂製中間膜51を介在させて積層したガラス積層体50Aを袋部材10に収容し、オートクレーブによる加熱・加圧処理を行うと同時に、袋部材10の真空引き処理を行うことにより、板ガラス52を互いに圧着させてガラス積層体50を製造する、ガラス積層体50の製造方法であって、二つの隣接する側面部に当て部材31、32を当接した状態でガラス積層体50Aを袋部材10に収容する。
【選択図】図1
Description
ガラス積層体は、一般的に、積層工程、袋収容工程、および圧着工程などからなるACV法(オートクレーブ法)によって製造される。
具体的には、樹脂製中間膜を介在させつつ少なくとも二枚の板ガラスを積層し(積層工程)、積層された板ガラスを脱気用の袋部材に収容し(袋収容工程)、板ガラスを収容した袋部材を真空引きするとともにオートクレーブによって加熱・加圧処理することで(圧着工程)、ガラス積層体は製造される。
そして、このようなガラス積層体を製造する際の技術として、例えば、合わせガラスの製造方法および製造装置に関する技術が「特許文献1」によって開示されている。
具体的には、「特許文献1」においては、二枚以上の板ガラスの間に樹脂製中間膜を介在させたガラス積層体を、真空状態にすることが可能な領域内に配設し、その後、当該領域内を真空状態にするとともに、前記ガラス積層体に対して、前記樹脂製中間膜が軟化するように加熱しつつ、板ガラス間の間隙を狭める方向に圧縮することによって脱気を行い、板ガラス間を接着する合わせガラスの製造方法および製造装置が開示されている。
その結果、ガラス積層体は、各板ガラスが水平且つ任意の方向にずれ、平面視における縦・横の寸法が均一とならないため、縦・横の寸法を同一寸法とするようにトリミング加工を施すことが必要となり、工程数が増加し、ガラス積層体のコスト低減を図ることが困難であった。
従って、寸法が均一なガラス積層体を製造することができる。
その結果、トリミング加工を施すことなく寸法が均一なガラス積層体を製造することが可能となり、工程数が増加することもなく、ガラス積層体のコスト低減を図ることができる。
即ち、本発明におけるガラス積層体の製造方法によれば、少なくとも二枚の板ガラスの間に樹脂製中間膜を介在させて積層したガラス積層体に対して、オートクレーブによる加熱・加圧処理を行うと同時に真空引き処理を行う場合において、板ガラス同士の位置ずれが生じることを抑えることができる。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1乃至図3の上下方向をガラス積層体50(50A)の上下方向と規定して記述する。
先ず、本実施形態によって具現化されるガラス積層体50の製造方法について説明する。
本実施形態におけるガラス積層体50の製造方法は、例えば、袋部材10(図2を参照)を用いて、オートクレーブ法によりガラス積層体50を製造するための方法である。
ガラス積層体50は、図1に示すように、複数の樹脂製中間膜51・51・・・と、各樹脂製中間膜51を介在させて積層される少なくとも2枚以上(本実施形態では、5枚)の板ガラス52・52・・・とを備えるガラス積層体50Aからなる。
また、オートクレーブ法による加熱・加圧処理後のガラス積層体をガラス積層体50と呼ぶ。
即ち、板ガラス52・52・・・の貼り合わせが完了し、製品となったものをガラス積層体50と呼ぶ。
先ず、図1(a)に示すように、積層工程において、定盤40の上面に、樹脂製中間膜51・51・・・を各々介在させつつ、複数の板ガラス52・52・・・を積層する。
これにより、ガラス積層体50Aが形成される。
具体的には、図1(b)に示すガラス積層体50AのY−Z面に当て部材31を取り付け、且つX−Z面に当て部材32を取り付ける。
また、積層工程において、樹脂製中間膜51が外部に出てこないように、ガラス積層体50Aの側面部にマスキング用のテープ部材を貼る工程を加えてもよい。
さらに、樹脂製中間膜51としては、例えば、PVB(ポリビニルブチラール)やEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。
当て部材31、32は、例えば、ガラス、または金属などの、耐熱性と所定の強度を有する剛性部材により形成することができる。
また、当て部材32は側面視において略長方形状であり、ガラス積層体50Aの側面部の一部であるX−Z面よりも縦横寸法がやや小さい。
即ち、当て部材31、32は、ガラス積層体50Aの二つの隣接する各側面部(例えば、Y−Z面、X−Z面)に当接する当接面がガラス積層体50Aの各側面部よりも小さい面積である。
これにより、最下段の板ガラス52から最上段の板ガラス52を当て部材31、32により覆って、ガラス積層体50Aの側面部を位置決めすることができる。
即ち、当て部材の当接面を除く外形形状については特に限定するものではない。
即ち、ガラス積層体は直方体以外の形状、例えば円柱体等であってもよく、その場合は当て部材の形状もその側面部の面形状に沿った形状となる。
その後、袋部材10の開口部10aを、配管部材21を介して真空ポンプ22などと連結する。
これにより、袋部材10は、開口部10aおよび配管部材21を介して、真空ポンプ22と連結される。
そして、炉内温度が所定の温度以下にまで低下したのを確認した後、オートクレーブの炉内よりガラス積層体50Aが収容された袋部材10を取り出し、真空ポンプ22による真空引きを停止する。
これにより、板ガラス52・52・・・は、樹脂製中間膜51・51・・・によって各々接着され、貼り合わせが完了する。
こうして、図3に示すように、ガラス積層体50の製造工程は終了し、縦、横、高さ寸法が均一なガラス積層体50が得られる。
これにより、ガラス積層体50Aの側面部に当て部材31、32を当接した状態で袋部材10に入れ易くなり、作業性を向上させることができる。
ここで、当て部材31、32は、ガラス積層体50Aの側面部において隣接する二面(例えば、Y−Z面、X−Z面)に当接される。
一方、ガラス積層体50Aの側面部において隣接する二面に当接される当て部材31、32が袋部材10の収縮による圧力により押圧される。
31、32 当て部材
50 ガラス積層体(加熱・加圧処理後)
50A ガラス積層体(加熱・加圧処理前)
51 樹脂製中間膜
52 板ガラス
Claims (2)
- 少なくとも二枚の板ガラスの間に樹脂製中間膜を介在させて積層したガラス積層体を袋部材に収容し、オートクレーブによる加熱・加圧処理を行うと同時に、袋部材の真空引き処理を行うことにより、前記板ガラスを互いに圧着させてガラス積層体を製造する、ガラス積層体の製造方法であって、
二つの隣接する側面部に当て部材を当接した状態で前記ガラス積層体を前記袋部材に収容する、
ことを特徴とするガラス積層体の製造方法。 - 前記当て部材は、前記ガラス積層体の側面部に当接する当接面の面積が前記ガラス積層体の側面部の面積よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載のガラス積層体の製造方法。
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