JP2018095500A - 合わせガラスの製造方法 - Google Patents

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伸一 金子
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Abstract

【課題】少なくとも二枚の板ガラスの間に熱可塑性樹脂シートを介在させて積層させたガラス積層体に対して、加熱・加圧処理を行うことにより当該ガラス積層体を熱圧着する、合わせガラスの製造方法であって、亀裂等の発生を伴うことなく高品質な合わせガラスを製造することが可能な、合わせガラスの製造方法を提供する。【解決手段】圧着工程において、加熱処理により、ガラス積層体2Aが到達温度(所定温度)Hまで昇温される間、加圧処理により、ガラス積層体2Aを、熱圧着に必要な第一到達圧力(所定圧力)Paに比べて低圧の第二到達圧力(予備圧力)Pbにて加圧する。【選択図】図4

Description

本発明は、少なくとも二枚の板ガラスに熱可塑性の樹脂製シートを介装させたガラス積層体からなる合わせガラスの製造方法の技術に関し、より詳しくは、当該ガラス積層体を挟持しつつ保持した状態によって熱圧着することにより、亀裂等の発生を伴うことなく高品質な合わせガラスを製造する、合わせガラスの製造方法の技術に関する。
従来から、耐火性、耐貫通性、および耐衝撃性等に優れたガラスとして、合わせガラスが知られている。
合わせガラスは一般的に、積層工程、および圧着工程等からなるACV法(オートクレーブ法)により製造される。
具体的には、先ず積層工程において、熱可塑性の樹脂製シートを介在させつつ少なくとも二枚の板ガラスを積層してガラス積層体を形成し、続いて圧着工程において、オートクレーブ(加圧装置)によって前記ガラス積層体を加熱・加圧処理して熱圧着することで、合わせガラスは製造される(例えば、「特許文献1」を参照)。
ここで、前記圧着工程においては、加熱・加圧処理を行う間、ガラス積層体の積層状態を保持しておく必要があり、例えば、「特許文献2」に開示されるような、オートクレーブの炉内を加圧するのと同時に、板ガラスと樹脂製シートとの間の積層界面を真空引きするための密封部材を用いて、当該ガラス積層体の周縁部を厚み方向に挟持する技術が知られている。
特開2016−88813号公報 特開2015−171983号公報
ところで、前述の圧着工程においては、合わせガラスの生産性の向上を目的として、オートクレーブの炉内を加熱して所定温度にまで昇温する以前に当該炉内を予め加圧しておき、前記炉内の空気の密度を十分に高めておくことにより、当該空気を媒体とする伝熱速度を速め、ガラス積層体の加熱時間の短縮を図る技術が知られている。
ここで、密封部材によって常に真空引きされた状態にあるガラス積層体に対して、オートクレーブの炉内を十分に加圧した後に当該炉内を加熱することとした場合、樹脂製シートが前記炉内の空気によって加熱されて軟化する過程において、前記ガラス積層体は、全体的に常に高圧力が加えられた状態となる。
よって、樹脂製シートの溶融過程において、少なくとも二枚の板ガラスの周縁部には、溶融された硬度の低い領域と、未だ溶融されずに硬度の高い領域とが混在した状態にある溶融途中の樹脂製シートを介在しつつ、密封部材による挟持および真空引きによって常に厚み方向の外力が加えられることとなる。その結果、樹脂製シートの硬度の高い領域と板ガラスとが当接する周縁部において過度の応力(曲げ応力)が生じ、板ガラスに亀裂を招く場合があった。
本発明は、以上に示した現状の問題点を鑑みてなされたものであり、少なくとも二枚の板ガラスの間に熱可塑性樹脂シートを介在させて積層させたガラス積層体に対して、加熱・加圧処理を行うことにより当該ガラス積層体を熱圧着する、合わせガラスの製造方法であって、亀裂等の発生を伴うことなく高品質な合わせガラスを製造することが可能な、合わせガラスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明に係る合わせガラスの製造方法は、熱可塑性樹脂シートと、該熱可塑性樹脂シートを介在させて積層された少なくとも二枚の板ガラスとによりガラス積層体を形成し、該ガラス積層体を保持手段によって挟持する積層工程と、該保持手段によって挟持された前記ガラス積層体に対して加熱・加圧処理を行うことにより、前記ガラス積層体を熱圧着する圧着工程と、を備える合わせガラスの製造方法であって、前記圧着工程において、前記加熱処理により、前記ガラス積層体を所定温度まで昇温する間、前記加圧処理により、前記ガラス積層体を、熱圧着に必要な所定圧力に比べて低圧の予備圧力にて加圧することを特徴とする。
このように、本発明においては、加圧処理を行う際の到達圧力を、所定圧力および当該所定圧力に比べて低圧の予備圧力の二段階に分け、加熱処理よって温度が所定温度にまで昇温される間、前記予備圧力を維持することとしている。
これにより、熱可塑性樹脂シートは、両側に積層された一対の板ガラスを介して、前記予備圧力を厚み方向に受けながら十分に軟化あるいは溶融された状態となり、その後、熱圧着に必要な所定圧力を厚み方向に受けることとなる。
その結果、熱可塑性樹脂シートの溶融過程において、一対の板ガラスに加えられる、厚み方向への曲げ応力を低減することができ、たとえ板ガラスに発生する、曲げ応力による厚み方向への変形に追従して、熱可塑性樹脂シートが均一に変形することが難しく偏って変形することが多い場合であっても、当該板ガラスの一部に集中する曲げ応力を低減することが可能であり、製造される合わせガラスに対して亀裂の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法は、前記圧着工程において、前記加熱処理によって前記ガラス積層体を前記熱可塑性樹脂シートの軟化点を超える温度まで昇温した後、前記加圧処理によって前記ガラス積層体を前記所定圧力にて加圧することを特徴とするのが好ましい。
このような構成を有することにより、熱可塑性樹脂シートが軟化点を越えて確実に溶融された後に、熱圧着に必要な所定圧力が、一対の板ガラスに対して厚み方向に加えられることとなり、当該板ガラスの一部に集中する曲げ応力をより確実に低減することが可能となり、製造される合わせガラスに対して亀裂の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法は、前記ガラス積層体において、前記熱可塑性樹脂シートはフッ素樹脂からなり、且つ前記板ガラスは板厚1.0mm〜10.0mmの結晶化ガラスからなることを特徴とするのが好ましい。
このような構成のガラス積層体からなる合わせガラスに対して、本発明はより一層効果的に亀裂の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法は、前記加熱処理において、前記所定温度は140℃以上であり、また前記加圧処理において、前記所定圧力は1.0MPa以上であり、且つ前記予備圧力は0.6MPa以下であることを特徴とするのが好ましい。
このような所定温度、所定圧力、および予備圧力に設定することにより、本発明によれば、製造される合わせガラスに対して、より一層効果的に亀裂の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法において、前記保持手段は、前記ガラス積層体の外形に即した矩形枠体形状の弾性部材からなり、内周側に開口するコ字状の断面形状を有することを特徴とするのが好ましい。
このような構成を有することにより、ガラス積層体の積層状態を保持するために当該ガラス積層体を挟持する際、平面の大部分を避けた周縁部において挟持することができ、保持部材によってガラス積層体が不意に傷付けられたりするのを、防止することができる。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法は、前記圧着工程において、前記加熱・加圧処理はオートクレーブによって行われ、前記ガラス積層体を、縦置きの姿勢にて該オートクレーブの炉内に投入することを特徴とするのが好ましい。
このように、ガラス積層体の姿勢を縦置きにすることにより、複数のガラス積層体を、一度に纏めてオートクレーブの炉内に投入することが可能となり、製造される合わせガラスの生産性の向上を図ることができる。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る合わせガラスの製造方法によれば、亀裂等の発生を伴うことなく高品質な合わせガラスを製造することができる。
本発明に係る合わせガラスの製造方法に用いられる、密封部材の全体的な構成を示した一部断面正面図。 密封部材の断面形状を示した図であって、図1中の矢印Xの方向から見た拡大断面図。 本発明に係る合わせガラスの製造方法に用いられる、縦置き治具の全体的な構成を示した斜視図。 本発明に係る合わせガラスの製造方法において加熱・加圧処理を行う際の各条件を示した図表であって、温度、圧力、および真空度と、時間との関係を示したグラフ。 従来の合わせガラスの製造方法において加熱・加圧処理を行う際の各条件を示した図表であって、温度、圧力、および真空度と、時間との関係を示したグラフ。
次に、発明の実施形態について、図1乃至図5を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1および図2の上下方向を密封部材1の上下方向と規定して記述する。
また、図3においては、図中に示した矢印の方向によって、縦置き治具3の上下方向、前後方向、左右方向を規定して記述する。
[合わせガラスの製造方法]
先ず、本実施形態によって具現化される合わせガラスの製造方法について、図1乃至図3を用いて説明する。
本実施形態における合わせガラスの製造方法は、例えば、保持手段の一例としての密封部材1(図1を参照)を用いて合わせガラス2を製造する方法であって、後述するように、加熱圧着する際の加圧のタイミングを制御することにより、亀裂等の発生を伴うことなく合わせガラス2を製造することを可能とする方法である。
ここで図2に示すように、合わせガラス2は、樹脂製シート21、および当該樹脂製シート21を介在させて積層された少なくとも二枚(本実施形態においては二枚)の板ガラス22・22により形成されたガラス積層体2Aにより構成される。
また、樹脂製シート21は、例えば、耐熱性や耐燃性等に優れたフッ素樹脂からなる熱可塑性樹脂により形成される熱可塑性樹脂シートの一例であるが、これに限定されることはなく、例えばPVB(ポリビニルブチラール)等からなる熱可塑性樹脂シートや、EVA(エチレンビニルアセテート)等からなる熱硬化性樹脂によって構成することとしてもよい。
そして、合わせガラス2は、積層工程および圧着工程からなるACV法(オートクレーブ法)により製造される。
具体的には、積層工程において、樹脂製シート21を介在させつつ一対の板ガラス22・22を積層してガラス積層体2Aを形成し、続いて圧着工程において、形成された複数のガラス積層体2A・2A・・・をオートクレーブ4(図3を参照)の炉内に纏めて投入し、一対の板ガラス22・22の積層界面23・23に対して真空引きを行うのと同時に、前記炉内を加熱・加圧処理してこれらのガラス積層体2A・2A・・・を各々熱圧着させることにより、合わせガラス2は製造される。
ここで、積層工程において形成されたガラス積層体2Aには、当該ガラス積層体2Aの積層状態を保持するための密封部材1が装着され、当該密封部材1を用いて、圧着工程における真空引きが行われる。
密封部材1は、例えばフッ素ゴム、シリコンゴム、またはアクリルゴム等のような、耐熱性を有する弾性部材からなり、図1に示すように、ガラス積層体2Aの外形に即した矩形枠体形状に形成される。
また、密封部材1は、内周側に開口する略「コ」字状の断面形状を有して形成される。
具体的には、図2に示すように、密封部材1は、各々の板ガラス22・22の端面22a・22a(図2においては、上端面)と当接しつつ当該端面22a・22aに沿って延設される基部11と、基部11における板ガラス22・22との当接面11aから密封部材1の内周側(図2における下側)へ延出し、且つ板ガラス22・22の厚み方向に所定の間隔を有して対向配置される一対の支持部12・12とにより構成される。
当接面11aにおける、ガラス積層体2Aの厚み方向の中央部には、断面視半円形状の溝形状からなる減圧通路11bが、基部11の延設方向に沿って形成されている。
そして、一対の板ガラス22・22の周縁部に沿って密封部材1が装着された状態において、基部11の当接面11aが板ガラス22・22の端面22a・22aに密着することにより、減圧通路11bは、一対の板ガラス22・22と樹脂製シート21との積層界面23・23と連通するようになっている。
一方、一対の支持部12・12において、各支持部12の内側面(対向面)には、突出部12aが形成される。
突出部12aは、支持部12の延設方向に沿って延設される。
また、突出部12aの突出端面は、基部11の当接面11aに対して直交し、且つ支持部12の延設方向に対して平行な平面形状に形成される。
なお、一対の支持部12・12において、各々の突出部12a・12a間の間隙は、ガラス積層体2Aの厚みと同程度以下となっている。
そして、このような形状からなる密封部材1がガラス積層体2Aの周縁部に装着されることにより、当該ガラス積層体2Aは、周縁部にて厚み方向に挟持された状態にて保持される。
具体的には、ガラス積層体2Aの周縁部に沿って密封部材1を装着する場合、基部11の当接面11aをガラス積層体2Aの側端面に当接させて位置を規制しつつ、一対の支持部12・12の突出部12a・12aによって、一対の板ガラス22・22の周縁部を挟持する。
これにより、ガラス積層体2Aは、密封部材1によって周縁部を厚み方向に挟持されつつ、積層状態を保持される。
なお、ガラス積層体2Aの積層状態を保持することを目的とする限りにおいては、本実施形態の密封部材1に限定されることはなく、例えば、ガラス積層体2Aの周縁部を厚み方向に挟持可能とするクリップやチャック装置等によって保持手段を構成することとしてもよい。
ところで、図1に示すように、密封部材1がガラス積層体2Aの周縁部に沿って装着された状態において、当該密封部材1の減圧通路11bは、配管部材5を介して真空ポンプ6等と連結される。
これにより、一対の板ガラス22・22と樹脂製シート21との積層界面23・23は、減圧通路11bおよび配管部材5を介して、真空ポンプ6と連結される。
そして、このような状態にセットされた複数のガラス積層体2A・2A・・・は、図3に示すように、縦置き治具3によって縦置きの姿勢にて纏めて保持され、オートクレーブ4の炉内へと投入される。
その後、図2に示すように、オートクレーブ4(図3を参照)の炉内において、後述する加圧タイミングの制御方法に基づき加熱・加圧処理が行われるのと同時に、真空ポンプ6(図1を参照)によって、一対の板ガラス22・22と樹脂製シート21との積層界面23・23に対する真空引きが行われ、これらの板ガラス22・22が圧着される。
オートクレーブ4の炉内の温度が所定の温度に到達した後、所定の時間の経過を待って、加熱・加圧処理が停止される。
その後、図3に示すように、前記炉内の温度が所定の温度以下にまで低下したのを確認した後、オートクレーブ4の炉内より複数のガラス積層体2A・2A・・・が縦置き治具3とともに取出され、真空ポンプ6による真空引きが停止される。
こうして、合わせガラスの製造工程は終了し、完成された複数の合わせガラス2・2・・・が纏めて得られる。
[圧着工程における各条件(温度、圧力、真空度)の制御方法]
次に、圧着工程において、オートクレーブ4の炉内に投入されたガラス積層体2Aに対して加熱・加圧処理を行う際の各条件(温度、圧力、真空度)の制御方法について、図4および図5を用いて説明する。
前述したように、圧着工程においては、複数のガラス積層体2A・2A・・・が、密封部材1・1・・・を各々装着した状態にてオートクレーブ4の炉内に纏めて投入され、その後、真空引きと同時に加熱・加圧処理が実施される。
ここで、オートクレーブ4の炉内にて加熱処理を行う場合、樹脂製シート21の素材である熱可塑性樹脂の軟化点が約110〜120[℃]であることから、従来からの経験則なども踏まえ、一般的には、140[℃]以上の温度(到達温度)を30[min]以上且つ2[hr]以内の時間(持続時間)に渡って持続するように設定することが好ましい。
また、オートクレーブ4の炉内にて加圧処理を行う場合、樹脂製シート21の物理的性質や従来からの経験則などに基づき、一般的には、1.0[MPa]以上の圧力(到達圧力)を加えるように設定することが好ましい。
さらに、一対の板ガラス22・22と樹脂製シート21との積層界面23・23に対して、継続的に真空引きを行う場合、従来からの経験則などに基づき、常に−0.1[MPa]の真空度となるように設定することが好ましい。
なお、加圧処理を行う場合の圧力(到達圧力)については、製造される合わせガラス2の外形サイズや、当該合わせガラス2を構成する板ガラス22の厚みに基づき設定されるものであり、本実施形態においては、例えば1220[mm]×2438[mm]の外形サイズからなり、板厚1.0[mm]〜10.0[mm]の結晶化ガラスからなる板ガラス22を有する合わせガラス2を対象とする。
そして、オートクレーブ4の炉内を加圧して当該炉内の空気の密度を十分に高めた後に、前記炉内の加熱を開始することとすれば、前記空気を媒体とする伝熱速度が速まり、ガラス積層体2Aの加熱時間が短縮されると考えられる。
このようなことから、従来においては、オートクレーブ4の炉内にて加熱・加圧処理を行う場合、図5に示されるような制御方法によって、各条件(温度、圧力、真空度)を制御することとしていた。
具体的には、図5は、縦軸にオートクレーブ4の炉内の温度(単位[℃])および圧力(単位[MPa])を表し、横軸に時間(単位[min])を表すこととして、従来の加熱・加圧処理を行う場合の、温度と時間との関係(図5中の破線Lt1にて記載)、圧力と時間との関係(図5中の実線Lp1にて記載)、および真空引きの真空度についての圧力と時間との関係(図5中の一点鎖線Lv1にて記載)をそれぞれ表したグラフである。
そして、例えば従来においては、加熱処理において熱圧着に必要な所定温度(到達温度H1)および持続時間(T2−T1)を、約150[℃]にて100[min]程度に設定し(H1=150[℃]、(T2−T1)=100[min])、熱圧着に必要な所定圧力(到達圧力P1)を、約1.3[MPa]に設定し(P1=1.3[MPa])、且つ積層界面23・23に対して行われる真空引きの真空度V1を、−0.1[MPa]に設定していた(V1=−0.1[MPa])。
本図に示すように、従来においては、加熱・加圧処理の開始直後より直ちにオートクレーブ4の炉内の加圧を開始し、炉内の圧力が所定の圧力P2[MPa](但し、P2=1.0[MPa])に到達した時間T3より、オートクレーブ4の炉内の加熱を開始することとしていた。
また、真空引きについては、加熱・加圧処理の開始直後から終了直前に至るまで、継続的に行うこととしていた。
このような従来の制御方法に基づき、オートクレーブ4の炉内にて複数のガラス積層体2A・2A・・・を一度に纏めて加熱・加圧処理した場合、製造された複数の合わせガラス2・2・・・の内の一部の合わせガラス2において、亀裂の発生が見られる場合があった。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、発生した亀裂の形状が、主に合わせガラス2の周端部より、装着された密封部材1の内側端部付近に渡って延出している場合が多いことを突き止め、亀裂の発生要因として以下の仮説を導き出した。
即ち、周縁部に密封部材1が装着されたガラス積層体2Aに対して、従来の制御方法に基づき加熱・加圧処理を行う場合、樹脂製シート21は、両側に積層された一対の板ガラス22・22を介して、常に圧力P2=1.0[MPa]以上の高圧力を厚み方向に受けながら、徐々に溶融されることとなる。
換言すると、樹脂製シート21の溶融過程において、一対の板ガラス22・22は、完全に溶融された硬度の低い領域と、未だ溶融されずに硬度の高い領域とが混在した状態にある溶融途中の樹脂製シート21を介在しつつ、常に厚み方向への応力を加えられることとなり、特に密封部材1が装着された周縁部においては、当該密封部材1の真空引きによる影響も相まって、他の領域以上の厚み方向への応力が、曲げ応力となって加えられることとなる。
そして、樹脂製シート21は、板ガラス22の周縁部にて発生する、曲げ応力による厚み方向への変形に追従して、均一に変形することが難しく、偏って変形することが多い。
その結果、当該板ガラス22の周縁部の一部に曲げ応力が集中することとなり、亀裂が発生すると考えられる。
このような仮説に基づき、本発明者らは、オートクレーブ4の炉内を加圧する際の到達圧力を二段階に分けることで、製造された合わせガラス2に発生する亀裂を抑制することが可能となることを見出し、本実施形態に示すような各条件(温度、圧力、真空度)の制御方法を構築するに至った。
即ち、本実施形態においては、オートクレーブ4の炉内にて加熱・加圧処理を行う場合、図4に示されるような制御方法によって、各条件(温度、圧力、真空度)を制御することとしている。
具体的には、図4は、縦軸にオートクレーブ4の炉内の温度(単位[℃])および圧力(単位[MPa])を表し、横軸に時間(単位[min])を表すこととして、加熱・加圧処理を行う場合の温度と時間との関係(図4中の破線Ltにて記載)、圧力と時間との関係(図4中の実線Lpにて記載)、および真空引きの真空度についての圧力と時間との関係(図4中の一点鎖線Lvにて記載)をそれぞれ表したグラフである。
そして、例えば本実施形態では、加熱処理において熱圧着に必要な所定温度(到達温度H)および持続時間(Tb−Ta)を、約150[℃]にて100[min]程度に設定し(H=150[℃]、(Tb−Ta)=100[min])、加圧処理において熱圧着に必要な所定圧力(第一到達圧力Pa)および当該第一到達圧力Paに比べて低圧の予備圧力(第二到達圧力Pb)を、各々約1.3[MPa]および約0.4[MPa]に設定し(Pa=1.3[MPa]、Pa=0.4[MPa])、且つ積層界面23・23に対して行われる真空引きの真空度V1を、常に−0.1[MPa]に設定している(V=−0.1[MPa])。
なお、加圧処理を行う場合の第二到達圧力Pbについては、製造される合わせガラス2の外形サイズや、当該合わせガラス2を構成する板ガラス22の厚みに基づき設定されるのが好ましく、前述したように、本実施形態においては、例えば1220[mm]×2438[mm]の外形サイズからなり、板厚4.0[mm]〜5.0[mm]の結晶化ガラスからなる板ガラス22を有する合わせガラス2を対象とすることから、0.6[MPa]以下に設定するのが好ましい。
本図に示すように、本実施形態においては、加熱・加圧処理の開始直後より直ちにオートクレーブ4の炉内の加圧を開始し、当該炉内の圧力が第二到達圧力Pbに到達した時間Tcより、当該第二到達圧力Pbにて前記炉内の圧力を一旦維持する。
その後、所定時間が経過し(即ち、時間Td(Td>Tc)に到達し)、オートクレーブ4の炉内の圧力が第二到達圧力Pbにて安定すると、当該オートクレーブ4の炉内の加熱を開始し、前記炉内の温度が到達温度Hに到達した時間Ta(Ta>Td)より、当該到達温度Hにて前記炉内の温度を維持する。
オートクレーブ4の炉内の温度が到達温度Hとなって所定時間が経過した後(即ち、時間Te(Te>Ta)に到達すると)、再び当該炉内の圧力の増圧を開始する。
そして、オートクレーブ4の炉内の圧力が第一到達圧力Paに到達した時間Tf(Tf>Te)より、当該第一到達圧力Paにて前記炉内の圧力を維持する。
つまり、加熱処理によってガラス積層体2Aが樹脂製シート21の軟化点(約110〜120[℃])を超える温度まで昇温された後、加圧処理によってガラス積層体2Aを第一到達圧力Paにて加圧する。
その後、時間Tb(Tb>Tf)にて、オートクレーブ4の炉内の加熱を停止するとともに、時間Tg(Tb<Tg)にて、オートクレーブ4の炉内の加圧を停止する。
このように、本実施形態においては、オートクレーブ4の炉内を加圧する際の到達圧力を、第一到達圧力Paおよび第二到達圧力Pb(Pa>Pb)の二段階に分け、加熱処理により、ガラス積層体2Aが到達温度Hまで昇温される間、加圧処理により、ガラス積層体2Aを、熱圧着に必要な第一到達圧力Paに比べて低圧の第二到達圧力Pbにて加圧することとしている。
このようなオートクレーブ4の炉内における各条件(温度、圧力、真空度)の制御方法を用いることにより、樹脂製シート21は、両側に積層された一対の板ガラス22・22を介して、第二到達圧力Pbを厚み方向に受けながら十分に軟化あるいは溶融された状態となり、その後、熱圧着に必要な第一到達圧力Paを厚み方向に受けることとなる。
よって、樹脂製シート21の溶融過程において、一対の板ガラス22・22の周縁部、即ち密封部材1が装着された箇所に加えられる、厚み方向への曲げ応力を低減することができる。
その結果、たとえ板ガラス22の周縁部に発生する、曲げ応力による厚み方向への変形に追従して、樹脂製シート21が均一に変形することが難しく、偏って変形することが多い場合であっても、当該板ガラス22の一部に集中する曲げ応力を低減することが可能であり、製造される合わせガラス2に対して亀裂の発生を抑制することができる。
1 密封部材(保持手段)
2 合わせガラス
2A ガラス積層体
4 オートクレーブ
21 樹脂製シート(熱可塑性樹脂シート)
22 板ガラス
H 到達温度(所定温度)
Pa 第一到達圧力(所定圧力)
Pb 第二到達圧力(予備圧力)

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂シートと、
    該熱可塑性樹脂シートを介在させて積層された少なくとも二枚の板ガラスと
    によりガラス積層体を形成し、
    該ガラス積層体を保持手段によって挟持する積層工程と、
    該保持手段によって挟持された前記ガラス積層体に対して加熱・加圧処理を行うことにより、前記ガラス積層体を熱圧着する圧着工程と、
    を備える合わせガラスの製造方法であって、
    前記圧着工程において、
    前記加熱処理により、前記ガラス積層体を所定温度まで昇温する間、
    前記加圧処理により、前記ガラス積層体を、熱圧着に必要な所定圧力に比べて低圧の予備圧力にて加圧する、
    ことを特徴とする合わせガラスの製造方法。
  2. 前記圧着工程において、
    前記加熱処理によって前記ガラス積層体を前記熱可塑性樹脂シートの軟化点を超える温度まで昇温した後、
    前記加圧処理によって前記ガラス積層体を前記所定圧力にて加圧する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の合わせガラスの製造方法。
  3. 前記ガラス積層体において、
    前記熱可塑性樹脂シートはフッ素樹脂からなり、且つ
    前記板ガラスは板厚1.0mm〜10.0mmの結晶化ガラスからなる、
    ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の合わせガラスの製造方法。
  4. 前記加熱処理において、
    前記所定温度は140℃以上であり、また
    前記加圧処理において、
    前記所定圧力は1.0MPa以上であり、且つ
    前記予備圧力は0.6MPa以下である、
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
  5. 前記保持手段は、
    前記ガラス積層体の外形に即した矩形枠体形状の弾性部材からなり、
    内周側に開口するコ字状の断面形状を有する、
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
  6. 前記圧着工程において、
    前記加熱・加圧処理はオートクレーブによって行われ、
    前記ガラス積層体を、縦置きの姿勢にて該オートクレーブの炉内に投入する、
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
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