JP2023081735A - 合わせガラスの製造方法、及び密封部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の板ガラスの間に樹脂製中間膜を介在させた積層体に対して、加熱・加圧処理を行うと同時に、積層体の周縁部に密封部材を嵌装して真空引き処理を行うことにより、合わせガラスを製造する製造方法、及び密封部材であって、樹脂製中間膜と板ガラスとの間に気泡等が残るのを防止し、高品質な合わせガラスを製造することが可能な、合わせガラスの製造方法、及び密封部材を提供する。【解決手段】密封部材は、ガラス積層体の端面と当接する基部と、基部の当接面から突出し、ガラス積層体の厚み方向に対向配置される一対の支持部とを備え、基部は、ガラス積層体の端面に沿った減圧通路を有し、支持部は、突出方向の中途部に設けられる挟持部と、支持部の端部に設けられるリップ部とを有し、挟持部は、基部側に位置する第1空間部と、リップ部側に位置する第2空間部とを連通する連通通路を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、合わせガラスの製造方法、及び当該製造方法に用いられる密封部材に関する。
従来より、耐貫通性及び耐衝撃性等に優れたガラスとして、合わせガラスが知られている。
上記の合わせガラスは一般的に、経時的に順に実施される積層工程、仮圧着工程、及び本圧着工程等からなるACV(オートクレーブ)法によって製造される。
具体的には、樹脂製中間膜を介在しつつ、少なくとも2枚の板ガラスを積層させてガラス積層体を形成し(積層工程)、形成されたガラス積層体を加熱して樹脂製中間膜を軟化させ、各々の板ガラスを仮圧着し(仮圧着工程)、仮圧着されたこれらの板ガラスをオートクレーブによって加熱・加圧処理することにより(本圧着工程)、合わせガラスは製造される。
ここで、上述した本圧着工程においては、例えば、樹脂製中間膜と板ガラスとの間に気泡等が残り、板ガラス(または樹脂製中間膜)の剥離や、作製された合わせガラスの外観不良などの品質不良が誘発されるのを防止するために、或いは、樹脂製中間膜と板ガラスとの密着性を高めるために、オートクレーブの炉内を加圧するのと同時に、当該炉内に投入されたガラス積層体の積層界面に対して、真空引き処理を行うこととしている。
このような真空引き処理を行うための技術の一例として、例えば特許文献1においては、形成された積層体(ガラス積層体)の周縁部に嵌装される、枠体形状の密封部材を用いた真空引き処理に関する技術が開示されている。
特開2016-210654号公報
前記特許文献1における密封部材は、ガラス積層体の端面の延出方向に見た断面視において、当該端面と当接する基部と、当該基部から密接部材の内周側に延出し、ガラス積層体の厚み方向に対向配置される一対の支持部とを備えている。
上記基部には、ガラス積層体の端面に沿って延出する減圧通路が形成されている。
また、上記各支持部の先端部(基部側とは反対側の端部)には、内側(各支持部の対向側)に向かって「レ」字状に屈曲する折り返し部(リップ部)が形成されている。
さらに、上記各支持部の中途部(基部とリップ部との間)には、内側(各支持部の対向側)に向かって突出する突出部(挟持部)が形成されている。
そして、密封部材は、ガラス積層体の端面に基部を当接させるとともに、一対の突出部によってガラス積層体を厚み方向に挟持し、且つ一対のリップ部を最外層側の板ガラスに接触させた状態で、当該ガラス積層体の周縁部に嵌設される。
これにより、ガラス積層体の積層界面に沿って減圧通路が配置されることとなり、当該減圧通路を介して真空引き処理を行うことにより、密封部材の内部(ガラス積層体の周縁部と、密封部材とによって囲まれた空間部)の空気も吸引されて、当該内部は真空状態となり、最外層側の板ガラスに対して、一対のリップ部が堅固に吸着される。
従って、減圧通路を介して、ガラス積層体の積層界面に対して真空引き処理を行う際、密封部材の内部は、一対のリップ部によって閉塞された状態となり、当該内部に外部(ガラス積層体の周囲)の空気が流入し、樹脂製中間膜と板ガラスとの間に気泡等が残るのを防止することができる。
しかしながら、上述したように、密封部材の内部には一対の突出部が存在していることから、ガラス積層体の厚みや樹脂製中間膜の特性(粘度等)などによっては、減圧通路を介して密封部材の内部の空気を吸引する際、減圧通路の近傍に位置する第1空間部(密封部材の内部において、突出部に対して基部側の空間部)においては、比較的容易に内部の空気を吸引し、所定の真空状態に到達させることが可能であるものの、第1空間部に比べて減圧通路と離間した位置にある第2空間部(密封部材の内部において、突出部に対してリップ部側の空間部)においては、挟持部が障害となって、内部の空気を吸引し難く、所定の真空状態に十分に到達させることが困難な場合があった。
その結果、最外層側の板ガラスに対して、一対のリップ部を十分に吸着させることができず、密封部材の内部に外部の空気が流入して、樹脂製中間膜と板ガラスとの間に気泡等が残り、作製された合わせガラスの品質不良を引き起こす要因となる虞があった。
本発明は、以上に示した現状の問題点を鑑みてなされたものであり、少なくとも2枚の板ガラスの間に樹脂製中間膜を介在して積層させた積層体に対して、オートクレーブによる加熱・加圧処理を行うと同時に、前記積層体の周縁部に対して、前記積層体の外形に沿った枠体形状からなる密封部材を嵌装して、真空引き処理を行うことにより、前記板ガラスを互いに圧着させて合わせガラスを製造する、合わせガラスの製造方法、及び当該製造方法に用いられる密封部材であって、樹脂製中間膜と板ガラスとの間に気泡等が残るのを防止し、高品質な合わせガラスを製造することが可能な、合わせガラスの製造方法、及び密封部材を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明に係る合わせガラスの製造方法は、少なくとも2枚の板ガラスの間に樹脂製中間膜を介在して積層させた積層体に対して、オートクレーブによる加熱・加圧処理を行うと同時に、前記積層体の周縁部に対して、前記積層体の外形に沿った枠体形状からなる密封部材を嵌装して、真空引き処理を行うことにより、前記板ガラスを互いに圧着させて合わせガラスを製造する、合わせガラスの製造方法であって、前記密封部材は、前記積層体の周縁部に嵌装させた状態において、前記積層体の端面と当接しつつ、当該端面に沿って延出する基部と、前記基部に沿って延出するとともに、前記基部における前記端面との当接面から前記密封部材の内周側に突出し、且つ前記積層体の厚み方向に所定の間隔を有して対向配置される一対の支持部とを備え、前記基部は、前記積層体の端面に沿って延出する減圧通路を有し、前記支持部は、当該支持部の突出方向の中途部において前記基部に沿って延出し、前記積層体を厚み方向に挟持する挟持部と、前記支持部の突出方向の端部において前記基部に沿って延出し、前記積層体の最外層側に位置する前記板ガラスである外側板ガラスの板面に密着可能なリップ部とを有し、前記挟持部は、前記基部の前記当接面、前記支持部の内側面、及び前記外側板ガラスの板面によって囲まれた空間部において、当該挟持部に対して前記基部側に位置する第1空間部と、当該挟持部に対して前記リップ部側に位置する第2空間部とを連通する連通通路を有することを特徴とする。
また、本発明に係る密封部材は、少なくとも2枚の板ガラスの間に樹脂製中間膜を介在して積層させた積層体の、外形に沿った枠体形状からなり、当該積層体に対して、その周縁部に嵌装されて真空引き処理を行うための密封部材であって、前記積層体の周縁部に嵌装させた状態において、前記積層体の端面と当接しつつ、当該端面に沿って延出する基部と、前記基部に沿って延出するとともに、前記基部における前記端面との当接面から前記密封部材の内周側に突出し、且つ前記積層体の厚み方向に所定の間隔を有して対向配置される一対の支持部とを備え、前記基部は、前記積層体の端面に沿って延出する減圧通路を有し、前記支持部は、当該支持部の突出方向の中途部において前記基部に沿って延出し、前記積層体を厚み方向に挟持する挟持部と、前記支持部の突出方向の端部において前記基部に沿って延出し、前記積層体の最外層側に位置する前記板ガラスである外側板ガラスの板面に密着可能なリップ部とを有し、前記挟持部は、前記基部の前記当接面、前記支持部の内側面、及び前記外側板ガラスの板面によって囲まれた空間部において、当該挟持部に対して前記基部側に位置する第1空間部と、当該挟持部に対して前記リップ部側に位置する第2空間部とを連通する連通通路を有することを特徴とする。
このような構成を有することにより、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材によれば、減圧通路を介して密封部材の内部の空気を吸引する際、連通通路を介して、第2空間部の内部の空気を確実に吸引し、所定の真空状態に到達させることが可能である。
従って、積層体における外側板ガラスの板面に対して、リップ部を十分に密着させて、密封部材の内部における密封状態を保持することが可能であり、加圧処理時において、当該密封部材の内部に外部の空気が流入するのを確実に防止することができる。
その結果、作製された合わせガラスにおいて、樹脂製中間膜と板ガラスとの間に気泡等が残るようなこともなく、当該合わせガラスの品質向上を図ることができる。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材においては、第1空間部と第2空間部とを連通させるための手段として、障害となり得る挟持部自身を取り除くのではなく、当該挟持部の一部に連通通路を設け、その他の領域においては、挟持部を残存させることから、密封部材の剛性が極端に低下することもなく、積層体の周縁部に密封部材を嵌装させる際の、作業性の低下を引き起こすこともない。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材において、前記連通通路は、複数設けられることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材によれば、減圧通路を介して密封部材の内部の空気を吸引する際、複数の連通通路を介して、より効率良く、且つ確実に第2空間部の内部の空気を吸引し、当該第2空間を所定の真空状態に到達させることが可能である。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材において、前記連通通路は、前記密封部材の全周に亘って設けられ、前記挟持部の延出方向に沿って等間隔に配置されることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材によれば、減圧通路を介して密封部材の内部の空気を吸引し、積層体の真空引き処理を行う際、例えば密封部材の全周における何れかの領域において、第2空間部の内部の空気が十分に吸引しきれず、真空引き不良が発生し得る場合であっても、その他の領域において確実に第2空間部の内部の空気を吸引し、密封部材全体として、当該第2空間を所定の真空状態に到達させることができる。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材において、前記連通通路は、少なくとも、前記密封部材の角部に設けられることが好ましい。
このような構成を有することにより、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材によれば、真空引き不良を誘発し易い、密封部材の角部においても、確実に第2空間部の内部の空気を吸引し、当該第2空間を所定の真空状態に到達させることができる。
また、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材において、当該密封部材は、前記真空引き処理を行う真空引き手段を前記減圧通路に接続して、前記真空引き手段と前記減圧通路とを連通する接続箇所を有し、前記連通通路は、少なくとも、前記接続箇所から最も離間する位置に設けられることが好ましい。
本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び密封部材によれば、密封部材において、このような接続箇所から最も離間する位置においても、確実に第2空間部の内部の空気を吸引し、当該第2空間を所定の真空状態に到達させることができる。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る合わせガラスの製造方法、及び当該製造方法に用いられる密封部材によれば、樹脂製中間膜と板ガラスとの間に気泡等が残るのを防止し、高品質な合わせガラスを製造することができる。
本発明の一実施形態に係る密封部材の全体的な構成を示した一部断面正面図である。 密封部材の断面形状を示した図であって、図1中の矢印Aの方向に見た拡大断面図である。 密封部材における連通通路が設けられた箇所の構成を示した図であって、図1中の領域Bによって示された箇所の一部断面拡大正面図である。 密封部材における連通通路が設けられた箇所の構成を示した図であって、図1中の領域Cによって示された箇所の一部断面拡大正面図である。 積層体を保持する縦置き治具、及びオートクレーブの構成を示した斜視図である。
次に、本発明の実施形態について、図1乃至図5を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1乃至図4の上下方向を、密封部材1の上下方向と規定して記述する。
[合わせガラスの製造方法]
先ず、本発明に係る合わせガラスの製造方法の実施形態について、図1、図2、及び図5を用いて説明する。
図2において、本実施形態における合わせガラスの製造方法は、ACV法(オートクレーブ法)によって合わせガラス50を製造する方法であって、オートクレーブ100(図5を参照)による加熱・加圧処理を行うと同時に、ガラス積層体50Aの周縁部に嵌装された密封部材1を用いて真空引き処理を行うことにより、高品質な合わせガラス50を製造することを可能とする方法である。
ここで、合わせガラス50は、樹脂製中間膜51、及び当該樹脂製中間膜51を介在して積層された少なくとも2枚(本実施形態においては2枚)の板ガラス52・52からなるガラス積層体50Aによって構成される。
なお、ガラス積層体50Aは、本発明に係る積層体の一例である。
また、樹脂製中間膜51は、例えば、耐熱性や耐燃性等に優れたフッ素樹脂からなる熱可塑性樹脂により形成される。
なお、樹脂製中間膜51の素材については、本実施形態に限定されることはなく、例えば、PVB(ポリビニルブチラール)等からなる熱可塑性樹脂や、EVA(エチレンビニルアセテート)等からなる熱硬化性樹脂などを採用することとしてもよい。
そして、合わせガラス50は、経時的に順に実施される積層工程S01、仮圧着工程S02、及び本圧着工程S03等からなる製造工程によって製造される。
具体的には、積層工程S01において、樹脂製中間膜51を介在しつつ、2枚(一対)の板ガラス52・52を積層させてガラス積層体50Aを形成し、続いて、仮圧着工程S02において、形成された複数のガラス積層体50A・50A・・・をオートクレーブ100の炉内に纏めて投入した後、所定の第1温度及び第1圧力によって、各ガラス積層体50Aを加熱・加圧処理することにより、樹脂製中間膜51を軟化させて各々の板ガラス52・52を仮圧着し、その後、本圧着工程S03において、第1温度に比べて高温の第2温度、及び第1圧力に比べて高圧の第2圧力によって、仮圧着された一対の板ガラス52・52をさらに加熱・加圧処理することにより、各ガラス積層体50Aの板ガラス52・52は互いに圧着(熱圧着)され、合わせガラス50が製造される。
ここで、積層工程S01によって形成された各ガラス積層体50Aの周縁部には、当該ガラス積層体50Aの積層状態を保持するための密封部材1が嵌装され、当該密封部材1を用いて、本圧着工程S03における加熱・加圧処理を行うと同時に、各ガラス積層体50Aの周縁部(より具体的には、ガラス積層体50Aの積層界面53・53)に対して、真空引き処理が行われる。
密封部材1は、詳細は後述するが、内周側が開口した断面視略「コ」字状の枠体形状からなり、当該開口部を介して、一対の板ガラス52・52の周縁部に沿って嵌装された状態において、当該一対の板ガラス52・52と、樹脂製中間膜51との境界部(積層界面53・53)が、一対の溝部11b1・11b1からなる減圧通路11bと、連通される構成となっている。
そして、図1に示すように、ガラス積層体50Aに嵌装された状態において、密封部材1に設けられる減圧通路11b(図1においては、基部11の延出方向と平行の仮想断面によって示されることから、一方の溝部11b1のみ記載)は、配管部材21を介して真空ポンプ22等と連結される。
これにより、ガラス積層体50Aの積層界面53・53(図2を参照)は、減圧通路11b、及び配管部材21を介して、真空ポンプ22と連結される。
密封部材1に真空ポンプ22が連結された、複数のガラス積層体50A・50A・・・は、図5に示すように、例えば縦置き治具101によって、縦置き姿勢の状態で纏めて保持され、オートクレーブ100の炉内に投入される。
その後、オートクレーブ100の炉内において、仮圧着工程S02が行われ、続いて、本圧着工程S03によって、加熱・加圧処理が行われるのと同時に、真空ポンプ22によって、一対の板ガラス52・52と、樹脂製中間膜51との積層界面53・53に対する真空引き処理が行われ、各ガラス積層体50Aの板ガラス52・52が互いに熱圧着される。
そして、本圧着工程S03が終了し、オートクレーブ100の炉内の温度が、所定の温度以下にまで低下したのを確認した後、当該炉内より、複数のガラス積層体50A・50A・・・が、縦置き治具101とともに取り出され、真空ポンプ22による真空引き処理が停止される。
こうして、合わせガラスの製造工程は終了し、完成された複数の合わせガラス50・50・・・が、纏めて同時に得られる。
[密封部材1]
次に、本発明に係る密封部材1の実施形態について、図1乃至図4を用いて詳述する。
密封部材1は、図2に示すように、一対の板ガラス52・52の間に樹脂製中間膜51を介在して積層させた、ガラス積層体50Aの周縁部に嵌装され、当該周縁部を密封するとともに、ガラス積層体50Aの積層状態を保持するための部材である。
密封部材1は、例えば、フッ素ゴム、シリコンゴム、またはアクリルゴム等の、耐熱性を有する弾性部材により形成される。
また、密封部材1は、ガラス積層体50A(より具体的には、一対の板ガラス52・52)の外形に沿った枠体形状に構成され、例えば図1に示すように、本実施形態においては、矩形状の枠体形状に構成されている。
なお、密封部材1の形状については、本実施形態に限定されるものではなく、ガラス積層体50Aの外形に沿った形状である限りにおいて、例えば円形状や、矩形状以外の多角形状等からなる枠体形状であってもよい。
密封部材1は、枠体形状の内周側に開口する、略「コ」字状の断面形状を有するように構成されている。
具体的には図2に示すように、密封部材1は、ガラス積層体50Aの周縁部に嵌装させた状態において、ガラス積層体50Aの端面(より具体的には、一対の板ガラス52・52の端面52a・52a)と当接しつつ、当該端面52a・52aに沿って延出する基部11と、基部11におけるガラス積層体50Aの端面との当接面11aから、密封部材11の内周側(枠体形状の内周側であって、図2中においては下側)に突出し、当該基部11に沿って延出するとともに、ガラス積層体50Aの厚み方向に所定の間隔を有して対向配置される一対の支持部12・12とを備えている。
基部11は、ガラス積層体50Aの端面に沿って延出する減圧通路11bを有する。
減圧通路11bは、例えば断面視略半円形状に形成された一対の溝部11b1・11b1からなり、一対の板ガラス52・52の端面52a・52aに対して、各々対向配置されている。
そして、これら一対の溝部11b1・11b1によって、基部11の当接面11aにおける上記厚み方向の中央には、断面視略矩形状のリブ部11cが、ガラス積層体50Aの端面に沿って延出するように構成される。
リブ部11cは、樹脂製中間膜51を跨いで、当該樹脂製中間膜51を介在する一対の板ガラス52・52の端面52a・52aと当接可能な、当接面11c1を有する。
当接面11c1は、基部11の当接面11aと略同一平面上に位置するように形成されており、当該当接面11c1を介して、リブ部11cが一対の板ガラス52・52の端面52a・52aと当接することにより、当該一対の板ガラス52・52の間に介在する樹脂製中間膜51が閉塞されるようになっている。
なお、当接面11c1を介して、リブ部11cが一対の板ガラス52・52の端面52a・52aと当接した状態において、これら当接面11c1と端面52aとの間には、例えば、許容範囲内におけるリブ部11cの製作誤差や、当接面11c1及び端面52aの表面粗さ等に起因する僅かな隙間(図示せず)が存在し、当該隙間を通じて、樹脂製中間膜51の流出を許容することなく、気体のみが通気可能な構成となっている。
そして、リブ部11cは、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させた状態において、一対の板ガラス52・52の端部52a・52aと当接するとともに、当該一対の板ガラス52・52に介在された樹脂製中間膜51を閉塞する。
この状態において、減圧通路11bは、リブ部11cの当接面11c1と、板ガラス52の端面52aとの間に生じる僅かな隙間を介して、一対の板ガラス52・52と、樹脂製中間膜51との間に存在する積層界面53・53と連通される。
また、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させた状態において、リブ部11cの当接面11c1、及び基部11の当接面11aは、一対の板ガラス52・52の端面52a・52aと当接し、これら一対の板ガラス52・52の板面方向(厚み方向との直交方向)における位置ズレを規制する。
なお、当接面11aを介して、基部11が一対の板ガラス52・52の端面52a・52aと当接した状態においても、上述したリブ部11cの場合と同様に、これら当接面11aと端面52aとの間には、例えば、許容範囲内における基部11の製作誤差や、当接面11a及び端面52aの表面粗さ等に起因する僅かな隙間(図示せず)が存在し、当該隙間を通じて、樹脂製中間膜51の流出を許容することなく、気体のみが通気可能な構成となっている。
従って、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させた状態において、減圧通路11bは、基部11の当接面11aと、板ガラス52の端面52aとの間に生じる僅かな隙間を介して、当該板ガラス52の板面(周縁部における平面)と、支持部12の内側面(対向面)との間の空間部(より具体的には、後述する第1空間部13)と連通する。
一方、互いに対向して配置される一対の支持部12・12において、各支持部12は、当該支持部12の突出方向(密封部材1の内周側の方向)の中途部に位置する挟持部12aと、前記支持部12の突出方向の端部に位置するリップ部12bとを有する。
挟持部12aは、各支持部12の内側面(対向面)において、ガラス積層体50A側(対向方向側)に突出し、且つ基部11に沿って延出するように形成されている。
また、挟持部12aの突出端面12a1は、基部11の当接面11aに対して直交し、且つ支持部12の延出方向に対して平行な平面形状に形成されている。
さらに、一対の挟持部12a・12a(より具体的には、一対の突出端面12a1・12a1)の離間間隔は、ガラス積層体50Aの厚み(図2中の寸法W)と比べて同程度、または若干小さくなるように設定されている。
そして、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させた状態において、一対の突出端面12a1・12a1が、一対の板ガラス52・52の周縁部と当接することで、一対の挟持部12a・12aは、一対の板ガラス52・52の周縁部を挟持する。
これにより、ガラス積層体50Aは、一対の挟持部12a・12aによって、厚み方向に挟持され、一対の板ガラス52・52の厚み方向における位置ズレが規制される。
なお、一対の板ガラス52・52の周縁部に対して、一対の挟持部12a・12aの突出端面12a1・12a1が当接した状態においても、上述したリブ部11cの場合と同様に、各挟持部12aの突出端面12a1と、各板ガラス52の板面との間には、例えば、許容範囲内における挟持部12aの製作誤差や、突出端面12a1及び板ガラス52の表面粗さ等に起因する僅かな隙間(図示せず)が存在し、当該隙間を通じて、樹脂製中間膜51の流出を許容することなく、気体のみが通気可能な構成となっている。
従って、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させた状態において、板ガラス52の板面と、支持部12の内側面(対向面)との間の空間部は、挟持部12aに対して基部11側に位置する第1空間部13、及び当該挟持部12aに対してリップ部12b側に位置する第2空間部14に略隔絶された状態となるが、これらの第1空間部13及び第2空間部14は、挟持部12aの突出端面12a1と、板ガラス52の板面との間に生じる僅かな隙間を介して連通する。
リップ部12bは、各支持部12の先端部(基部11側とは反対側の端部)において、当該支持部12の内側(対向方向側)、且つ基部11側に向かって「レ」字状に屈曲し、基部11に沿って延出するように形成されている。
また、一対のリップ部12b・12b(より具体的には、一対のリップ部12b・12bの先端部12b1・12b1)の離間間隔は、ガラス積層体50Aの厚み(寸法W)と比べて十分小さくなるように設定されている。
そして、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させる際、一対の板ガラス52・52の周縁部は、一対のリップ部12b・12bに沿って摺動しながら、一対の支持部12・12の間隙に挿入される。
これにより、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させた状態において、一対のリップ部12b・12bは、ガラス積層体50Aの最外層側に位置する板ガラスである外側板ガラス(本実施形態においては、2枚(一対)の板ガラス52・52)の板面に密着され、基部11に形成される減圧通路11bを、密封部材1の外部に対して密封(シール)し、当該減圧通路11bの気密性を高めるとともに、一対の板ガラス52・52の周縁部を挟持することができる。
このように、本実施形態における密封部材1は、ガラス積層体50Aの周縁部に沿って嵌装されることにより、樹脂製中間膜51の端面を跨いで(覆って)、当該樹脂製中間膜51が介在する板ガラス52・52の間を塞ぐように、リブ部11cの当接面11c1を介して、ガラス積層体50Aの端面と当接し、且つ一対の挟持部12a・12aの突出端面12a1・12a1を介して、ガラス積層体50Aの周縁部を挟持する。
従って、前述した本圧着工程S03における加熱・加圧処理時において、樹脂製中間膜51が軟化して減圧通路11bに流入し、合わせガラス50の周縁部に偏肉が生じることを抑えることができる。
その結果、樹脂製中間膜51によって減圧通路11b内が封鎖されるのを防止し、減圧通路11bによって安定して真空引き処理を行うことができる。
また、本実施形態における密封部材1は、各板ガラス52の周縁部において、板ガラス52の厚み方向への歪みや、板面方向(厚み方向との直交方向)への位置ズレなどを規制可能な断面形状(基部11の当接面11a、リブ部11cの当接面11c1、及び支持部12における挟持部12aの突出端面12a1を参照)を有している。
よって、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させることにより、一対の板ガラス52・52の積層姿勢は、堅固に保持される。
従って、本実施形態における密封部材1によれば、例えば、一対の板ガラス52・52の積層姿勢を保持するための治具などを別途設けるような必要もなく、ガラス積層体50Aの周縁部において、一対の板ガラス52・52の位置ズレを生じさせることなく、当該ガラス積層体50Aに対して、容易に嵌装させることができる。
さらに、本実施形態における密封部材1は、ガラス積層体50Aの周縁部に沿って嵌装されることにより、当該密封部材1の内部(基部11の当接面11a、支持部12の内側面(対向面)、及び板ガラス12の板面によって囲まれた空間部)の気密性を確保可能な、断面形状(支持部12のリップ部12bを参照)を有している。
従って、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1が嵌装された後、例えば粘着テープ等を用いて、一対の板ガラス52・52と、一対の支持部12・12との隙間を封着する必要もなく、ガラス積層体50Aの周縁部(より具体的には、一対の板ガラス52・52の間隙)を、容易にシール(密封)することができる。
特に、密封部材1においては、当該密封部材1の上記内部における気密性を確保するために、リップ部12bを形成しているが、これに加えて、挟持部12aも上記内周部の気密性を確保するための機能を有するため、2重のシール機能を備えていることとなり、減圧通路11bの気密性をより確実に確保することができる。
ところで、上述したように、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させた状態において、減圧通路11bは、基部11の当接面11aと、板ガラス52の端面52aとの間に生じる僅かな隙間を介して第1空間部13と連通し、また、当該第1空間部13は、挟持部12aの突出端面12a1と、板ガラス52の板面との間に生じる僅かな隙間を介して、第2空間部14と連通する。
ここで、本圧着工程S03において、密封部材1を用いて、ガラス積層体50Aの積層界面53・53に対して真空引き処理を行う場合、密封部材1の内部における全体の空気は、一対の溝部11b1・11b1からなる減圧通路11bのみを介して吸引される。
この際、ガラス積層体50Aの厚みや、樹脂製中間膜51の特性(粘度等)などによっては、挟持部12aの突出端面12a1と、板ガラス52の板面との間において、上述した僅かな隙間が生じ難い場合がある。
このような場合、減圧通路11bの近傍に位置する第1空間部13においては、比較的容易に内部の空気を吸引し、当該第1空間部13の内部を所定の真空状態に到達させることが可能であるものの、第1空間部13に比べて減圧通路11bと離間した位置にある第2空間部14においては、挟持部12aが障害となって、内部の空気を吸引して所定の真空状態に十分に到達させることが困難となる。
その結果、各板ガラス52の板面に対して、リップ部12bを十分に密着させて、密封部材1の内部の気密性を確保することが不可能となる虞があった。また、リップ12bにおいても一対の板ガラス52・52の周縁部を挟持できない虞があった。
そこで、本実施形態においては、挟持部12aの突出端面12a1に、第1空間部13と第2空間部14とを連通する連通通路15を設けることとしており、これにより、上述したような、ガラス積層体50Aの厚みや、樹脂製中間膜51の特性(粘度等)などによる影響を受けることなく、第2空間部14の内部を所定の真空状態に十分に到達させることを可能とし、各板ガラス52の板面に対して、リップ部12bを十分に密着させて、密封部材1の上記内部の気密性を確実に確保することができる構成となっている。
即ち、本実施形態における密封部材1によれば、このような障害となり得る挟持部12aに、第1空間部13と第2空間部14とを連通する連通通路15が設けられていることから、減圧通路11bを介して密封部材1の内部の空気を吸引する際、当該連通通路15を介して、第2空間部14の内部の空気を確実に吸引し、所定の真空状態に到達させることが可能である。
従って、ガラス積層体50Aにおける板ガラス52の板面に対して、リップ部12bを十分に密着させて、密封部材1の内部における密封状態を保持することが可能であり、本圧着工程S03における加圧処理時において、当該密封部材1の内部に外部の空気が流入するのを確実に防止することができる。
その結果、作製された合わせガラス50において、樹脂製中間膜51と板ガラス52との間に気泡等が残るようなこともなく、当該合わせガラス50の品質向上を図ることができる。
また、本実施形態における密封部材1においては、第1空間部13と第2空間部14とを連通させるための手段として、障害となり得る挟持部12a自身を取り除くのではなく、当該挟持部12aの一部に連通通路15を設け、その他の領域においては、挟持部12aを残存させることから、密封部材1の剛性が極端に低下することもなく、ガラス積層体50Aの周縁部に密封部材1を嵌装させる際の、作業性の低下を引き起こすこともない。
連通通路15は、例えば図3に示すように、所定の幅寸法X(例えば、本実施形態においては約1mm)を有して一方(図3中においては上下方向)に延出する溝形状からなり、その一端側(図3中においては上側)において第1空間部13と連通し、且つその他端側(図3中においては下側)において第2空間部14と連通する。
また、図1に示すように、連通通路15・15・・・は、1個の密封部材1において複数箇所に設けられている。
具体的には、連通通路15・15・・・は、密封部材1における、長手方向に延出する一対の長辺部位1A・1Aにおいて、各長辺部位1Aを構成する一対の支持部12・12の挟持部12a・12aに、各々形成されている。
また、連通通路15・15・・・は、密封部材1における、短手方向(長手方向との直交方向)に延出する一対の短辺部位1B・1Bにおいて、各短辺部位1Bを構成する一対の支持部12・12の挟持部12a・12aに、各々形成されている。
さらに、連通通路15・15・・・は、密封部材1の角部に位置する4個所の角部位1C・1C・1C・1Cにおいて、各角部位1Cを構成する一対の支持部13・13の挟持部12a・12aに、各々形成されている。
なお、連通通路15が設けられる箇所については、上記のような複数箇所に限定されるものではなく、例えば、長辺部位1A、短辺部位1B、及び角部位1Cにおける、何れかの所定の1個所にのみ設けられていてもよい。
しかしながら、本実施形態のように、密封部材1の複数箇所に、連通通路15・15・・・が設けられることにより、本圧着工程S03において、密封部材1を用いて、ガラス積層体50Aの積層界面53・53に対して真空引き処理を行う場合、複数の連通通路15・15・・・を介して、より効率良く、且つ確実に第2空間部14(図2を参照)の内部の空気を吸引し、当該第2空間部14を所定の真空状態に到達させることができるため、より好ましい。
密封部材1の各長辺部位1Aにおいて、複数の連通通路15・15・・・は、挟持部12aの延出方向(基部11の延出方向であって、本実施形態においては、長手方向)に対して、各々直交するように形成されるとともに、当該延出方向に沿って、平行且つ等間隔(図1中の間隔La)に、各々配置されている。
また、密封部材1の各短辺部位1Bにおいて、複数の連通通路15・15・・・は、挟持部12aの延出方向(基部11の延出方向であって、本実施形態においては、短手方向)に対して、各々直交するように形成されるとともに、当該延出方向に沿って、平行且つ等間隔(図1中の間隔Lb)に、各々配置されている。
なお、各長辺部位1Aにおける複数の連通通路15・15・・・の間隔La、及び各短辺部位1Bにおける複数の連通通路15・15・・・の間隔Lbについては、各長辺部位1A及び各短辺部位1Bの延出方向の寸法や、連通通路15・15・・・の個数等によって、適宜設定されるものであり、互いに同程度であってもよく(La=Lb)、或いは互いに相違してもよい(La>LbまたはLa<Lb)。
このように、本実施形態においては、密封部材1の全周に亘って、複数の連通通路15・15・・・が設けられており、これら複数の連通通路15・15・・・は、各長辺部位1Aにおける一対の挟持部12a・12aの延出方向、及び各短辺部位1Bにおける一対の挟持部12a・12aの延出方向に沿って、等間隔に各々配置されている。
このような構成を有することにより、本圧着工程S03において、密封部材1を用いて、ガラス積層体50Aの積層界面53・53に対して真空引き処理を行う場合、例えば密封部材1の全周における何れかの領域において、第2空間部14の内部の空気が十分に吸引しきれず、真空引き不良が発生し得る場合であっても、その他の領域において確実に第2空間部14の内部の空気を吸引し、密封部材1全体として、当該第2空間部14を所定の真空状態に到達させることができる。
図4に示すように、密封部材1の各角部位1Cには、1本の連通通路15が設けられ、当該連通通路15は、例えば、密封部材1の角部の頂点から、当該密封部材1の内周側の中心部に向かって斜方向(図4においては、右斜め上方)に延出するように形成される。
ここで、密封部材1における各角部位1Cにおいては、長辺部位1Aに設けられる減圧通路11b(以下、適宜「長辺側減圧通路11b2」と記載する)と、短辺部位1Bに設けられる減圧通路11b(以下、適宜「短辺側減圧通路11b3」と記載する)とが所定の角度(例えば90°)をもって連通していることから、当該減圧通路11bを介して、密封部材1の内部の空気を吸引する際、これら長辺側減圧通路11b2と短辺側減圧通路11b3との連通箇所では、空気の流れ方向が急激に変更される。
その結果、上記連通箇所では、密封部材1の内部の空気の吸引力が低下し易く、第2空間部14の内部の空気が十分に吸引しきれずに、真空引き不良を誘発し易い。
本実施形態においては、少なくとも密封部材1の角部(角部位1C)においても、連通通路15が設けられることから、このような、真空引き不良を誘発し易い、密封部材1の角部であっても、確実に第2空間部14の内部の空気を吸引し、当該第2空間部14を所定の真空状態に到達させることができる。
ところで、前述したように、減圧通路11bは、配管部材21を介して真空ポンプ22と連結されており、例えば図1に示すように、本実施形態においては、密封部材1における所定の角部位1C(図1中において、右斜め上方に位置する角部位1C1)において、減圧通路11bが真空ポンプ22と連結されている。
つまり、密封部材1は、配管部材21を介して、真空引き処理を行う真空ポンプ22を減圧通路11bに接続し、当該真空ポンプ22と減圧通路11bとを連通する接続箇所(密封部材1における角部位1C1)を有する。
一方、本実施形態においては、少なくとも、上記接続箇所(角部位1C1)から最も離間する位置にある角部位1C(図1中において、左斜め下方に位置する角部位1C2)に、連通通路15が設けられている。
ここで、密封部材1において、真空ポンプ22と減圧通路11bとを連通する接続箇所(角部位1C1)から最も離間する位置(角部位1C2)においては、当該減圧通路11bを介して密封部材1の内部の空気を吸引する際の吸引力が低下し易く、第2空間部14(図2を参照)の内部の空気が十分に吸引しきれず、真空引き不良を誘発し易い。
このようなことから、本実施形態においては、上述したように、少なくとも、上記接続箇所(角部位1C1)から最も離間する角部位1C2に、連通通路15が設けられており、当該接続箇所から最も離間する位置においても、確実に第2空間部14の内部の空気を吸引し、当該第2空間部14を所定の真空状態に到達させることが可能である。
以上、本発明を具現化する一実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内の全ての変更を含む。
1 密封部材
1C 角部位(角部)
1C1 接続箇所の角部位(角部)
1C2 最も離間する角部位(角部)
11 基部
11a 当接面
11b 減圧通路
12 支持部
12a 挟持部
12b リップ部
13 第1空間部
14 第2空間部
15 連通通路
22 真空ポンプ(真空引き手段)
50 合わせガラス
50A ガラス積層体(積層体)
51 樹脂製中間膜
52 板ガラス
52a 端面

Claims (10)

  1. 少なくとも2枚の板ガラスの間に樹脂製中間膜を介在して積層させた積層体に対して、オートクレーブによる加熱・加圧処理を行うと同時に、前記積層体の周縁部に対して、前記積層体の外形に沿った枠体形状からなる密封部材を嵌装して、真空引き処理を行うことにより、前記板ガラスを互いに圧着させて合わせガラスを製造する、合わせガラスの製造方法であって、
    前記密封部材は、
    前記積層体の周縁部に嵌装させた状態において、
    前記積層体の端面と当接しつつ、当該端面に沿って延出する基部と、
    前記基部における前記積層体の端面との当接面から前記密封部材の内周側に突出し、前記基部に沿って延出するとともに、前記積層体の厚み方向に所定の間隔を有して対向配置される一対の支持部とを備え、
    前記基部は、
    前記積層体の端面に沿って延出する減圧通路を有し、
    前記支持部は、
    当該支持部の突出方向の中途部において前記基部に沿って延出し、前記積層体を厚み方向に挟持する挟持部と、
    前記支持部の突出方向の端部において前記基部に沿って延出し、前記積層体の最外層側に位置する前記板ガラスである外側板ガラスの板面に密着可能なリップ部とを有し、
    前記挟持部は、
    前記基部の前記当接面、前記支持部の内側面、及び前記外側板ガラスの板面によって囲まれた空間部において、
    当該挟持部に対して前記基部側に位置する第1空間部と、
    当該挟持部に対して前記リップ部側に位置する第2空間部とを連通する連通通路を有する、
    ことを特徴とする合わせガラスの製造方法。
  2. 前記連通通路は、複数設けられる、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の合わせガラスの製造方法。
  3. 前記連通通路は、
    前記密封部材の全周に亘って設けられ、
    前記挟持部の延出方向に沿って等間隔に配置される、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の合わせガラスの製造方法。
  4. 前記連通通路は、
    少なくとも、前記密封部材の角部に設けられる、
    ことを特徴とする、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
  5. 前記密封部材は、
    前記真空引き処理を行う真空引き手段を前記減圧通路に接続して、前記真空引き手段と前記減圧通路とを連通する接続箇所を有し、
    前記連通通路は、
    少なくとも、前記接続箇所から最も離間する位置に設けられる、
    ことを特徴とする、請求項1~請求項4の何れか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
  6. 少なくとも2枚の板ガラスの間に樹脂製中間膜を介在して積層させた積層体の、外形に沿った枠体形状からなり、当該積層体に対して、その周縁部に嵌装されて真空引き処理を行うための密封部材であって、
    前記積層体の周縁部に嵌装させた状態において、
    前記積層体の端面と当接しつつ、当該端面に沿って延出する基部と、
    前記基部に沿って延出するとともに、前記基部における前記端面との当接面から前記密封部材の内周側に突出し、且つ前記積層体の厚み方向に所定の間隔を有して対向配置される一対の支持部とを備え、
    前記基部は、
    前記積層体の端面に沿って延出する減圧通路を有し、
    前記支持部は、
    当該支持部の突出方向の中途部において前記基部に沿って延出し、前記積層体を厚み方向に挟持する挟持部と、
    前記支持部の突出方向の端部において前記基部に沿って延出し、前記積層体の最外層側に位置する前記板ガラスである外側板ガラスの板面に密着可能なリップ部とを有し、
    前記挟持部は、
    前記基部の前記当接面、前記支持部の内側面、及び前記外側板ガラスの板面によって囲まれた空間部において、
    当該挟持部に対して前記基部側に位置する第1空間部と、
    当該挟持部に対して前記リップ部側に位置する第2空間部とを連通する連通通路を有する、
    ことを特徴とする密封部材。
  7. 前記連通通路は、複数設けられる、
    ことを特徴とする、請求項6に記載の密封部材。
  8. 前記連通通路は、
    前記密封部材の全周に亘って設けられ、
    前記挟持部の延出方向に沿って等間隔に配置される、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の密封部材。
  9. 前記連通通路は、
    少なくとも、前記密封部材の角部に設けられる、
    ことを特徴とする、請求項6~請求項8の何れか一項に記載の密封部材。
  10. 前記真空引き処理を行う真空引き手段を前記減圧通路に接続して、前記真空引き手段と前記減圧通路とを連通する接続箇所を有し、
    前記連通通路は、
    少なくとも、前記接続箇所から最も離間する位置に設けられる、
    ことを特徴とする、請求項6~請求項9の何れか一項に記載の密封部材。
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