JP7028126B2 - 積層ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、接着層を介して複数の板ガラスが貼り合わされた積層ガラスの製造方法に関する。
特許文献1には、加熱により溶融する接着シートを介して複数の板ガラスを積層してなる積層体を、一対の押圧板の間に挟んで袋体内に収容し、袋体内を減圧にした状態として加熱することによって、複数の板ガラスが貼り合わされた積層ガラスを製造する方法が開示されている。上記方法によれば、積層体における板ガラスの間に存在する空気を脱気しながら、板ガラス同士が接着されることにより、リボイル泡の発生を抑制できる。
特開2015-104845号公報
ところで、図4に示すように、積層体30の脱気を行う際には、不織布等の通気性を有する通気性シート31で積層体30を覆った状態とすることが好ましい。この場合には、袋体32内が減圧状態となって袋体32が圧縮された後も、袋体32と積層体30との間に配置された通気性シート31の内部が気体の経路として機能することにより積層体30の脱気が好適に進行する。しかしながら、通気性シート31を用いて積層ガラスを製造した場合には、得られた積層ガラスに透過像を歪ませてしまう部分が局所的に生じることがあった。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、積層ガラスに生じる局所的な歪みを抑制することにある。
本発明者らは、製造された積層ガラスに生じる透過像の歪みの原因が、積層体の下面側に配置される板ガラスの表面形状の歪みにあり、その表面形状の歪みを抑制することにより透過像の歪みを抑制できることを見出した。
すなわち、上記課題を解決する積層ガラスの製造方法は、接着層を介して複数の板ガラスが貼り合わされた積層ガラスの製造方法であって、加熱により前記接着層となる中間層を介して複数の前記板ガラスが積層された積層体を袋体の内部に収容し、前記袋体の内部を減圧した状態として、前記積層体を加熱及び加圧する熱圧着工程を有し、前記熱圧着工程において、最外層の前記板ガラスの主表面により構成される前記積層体の下面に前記袋体を接触させた状態として、前記積層体の前記下面が下側を向くように前記袋体を載置台の上に載置し、前記下面を除く前記積層体の表面と前記袋体との間、及び前記袋体と前記載置台との間に通気性を有する多孔質シートを配置する。
上記構成によれば、積層体の下面(積層体の下面側に配置される板ガラスの表面)と袋体との間に多孔質シートを配置せずに、積層体の下面と袋体とを接触させた状態としている。これにより、袋体内を減圧したことにより圧縮されて嵩密度が上昇した多孔質シートが積層体の下面に圧接されることがなくなり、嵩密度の上昇により多孔質シートに生じた皺が積層体の下面に転写されてしまうことを抑制できる。
また、袋体と載置台との間に多孔質シートを配置したことにより、載置台の表面の凹凸が積層体の下面に転写されてしまうことを抑制できる。加えて、袋体と載置台との間に配置された多孔質シートは、積層体と載置台との間の熱の伝導を抑制する断熱材としても機能する。これにより、冷却時において、積層体の下面側の板ガラスと載置台との間で熱の伝導が行われることにより、積層体の下面側の板ガラスが他の板ガラスと異なる冷却効率で冷却されて積層体の下面の表面形状に歪みが生じてしまうことを抑制できる。
したがって、上記構成によれば、積層体の下面の表面形状の歪みを抑制することができ、その結果、製造された積層ガラスにおける透過像の歪みを抑制することができる。
上記積層ガラスの製造方法において、前記多孔質シートは、嵩密度100×10-3g/cm以下の不織布であることが好ましい。
上記構成によれば、積層体をより効率的に脱気することができる。また、積層体の下面の表面形状の歪みをより効果的に抑制することができる。
上記積層ガラスの製造方法において、前記積層体の表面と前記袋体との間に配置する前記多孔質シートと、前記袋体と前記載置台との間に配置する前記多孔質シートは同じであることが好ましい。
上記構成によれば、積層ガラスの製造に要する部材の種類が減ることにより、製造コストを削減することができる。
上記積層ガラスの製造方法において、前記積層体の下面を構成する前記板ガラスの厚さは、2.5mm以下であることが好ましい。
積層体の下面の表面形状の歪みは、当該板ガラスが薄い場合に特に生じやすい。そのため、厚さが2.5mm以下の薄板ガラスを用いた積層ガラスの製造に本製造方法を適用した場合には、透過像の歪みを抑制する効果がより顕著に得られる。
上記積層ガラスの製造方法において、前記袋体と前記載置台との間に配置する前記多孔質シートの主表面の面積は、前記積層体の主面の面積よりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、袋体における積層体の下面に接触する部分の全体を、多孔質シートの上に位置させることが容易であり、積層体の下面の表面形状に歪みが生じることを抑制する効果が向上する。
本発明によれば、積層ガラスに生じる局所的な歪みを抑制することができる。
積層ガラスの説明図。 熱圧着工程の説明図。 実施例2に用いた板ガラスの正面図。 従来の積層ガラスの製造方法の説明図。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態の積層ガラスの製造方法は、加熱により接着層となる中間層を介して複数の板ガラスが積層された積層体に対して、加熱及び加圧を行う熱圧着工程を経ることにより、接着層を介して複数の板ガラスが貼り合わされた積層ガラスを製造するものである。
図1に示すように、積層体10は、複数の板ガラス11を積層したものであり、板ガラス11の間には中間層12が配置されている。板ガラス11の積層数は、例えば、2~3枚である。図面では、一例として、3枚の板ガラス11が積層されるとともに、各板ガラス11間に中間層12が配置された積層体10を図示している。
板ガラス11としては、例えば、無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライム、鉛ガラス等の公知のガラスを用いることができる。なお、積層体10を構成する板ガラス11は、全て同じであってもよいし、一部又は全部が異なっていてもよい。
板ガラス11の厚さは、例えば、0.5~50mmである。また、積層体10を構成する板ガラス11のうち、後述する熱圧着工程において下側に配置される板ガラス11(積層体10の下面を構成する板ガラス11)は、その厚さが2.5mm以下の薄板ガラスであることが好ましい。
中間層12は、加熱により接着性が発現する接着剤により構成されている。中間層12を構成する接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性接着剤、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、環状オレフィンポリマー(COP)等の熱可塑性接着剤を用いることができる。なお、中間層12を構成する接着剤は、全て同じであってもよいし、一部又は全部が異なっていてもよい。また、2種以上の接着剤を組み合わせた中間層12としてもよい。
中間層12の厚さは、例えば、0.2~2.0mmである。
中間層12は、例えば、上記接着剤からなる接着シートを板ガラス11の間に挟み込むことや、板ガラス11の表面に液体状の上記接着剤を膜状に塗布することにより、板ガラス11の間に配置される。
次に、熱圧着工程について説明する。以下、積層体10に関して、最外層に位置する板ガラス11の主表面により構成される2つの表面部分をそれぞれ上面10a及び下面10bとし、各板ガラス11の端面の組み合わせにより構成される表面部分を周面10cとして説明する。
図2に示すように、積層体10を袋体20の内部に収容し、積層体10の下面10bが下側を向くようにして、袋体20を載置台21の上に載置する。このとき、袋体20の内部において、積層体10の上面10aと袋体20との間、及び積層体10の周面10cと袋体20との間に通気性を有する多孔質シート22aを配置する。これにより、積層体10は、その上面10a及び周面10cが多孔質シート22aに覆われるとともに、その下面10bが袋体20に接触する状態となる。
また、袋体20の外部において、袋体20と載置台21との間に通気性を有する多孔質シート22bを配置する。多孔質シート22bは、その主表面の面積が積層体10の下面10b(主面)の面積よりも大きくなるように形成されており、袋体20における積層体10の下面10bに接触する部分の全体を、多孔質シート22bの上に位置させる。
袋体20は、内部を減圧可能な非通気性の袋体(所謂、真空バッグ、パッキングフィルム)である。袋体20としては、真空引きに用いられる公知の袋体を用いることができる。
通気性を有する多孔質シート22a,22bとしては、例えば、ポリエステルやポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂からなる不織布、木綿や麻等の天然繊維からなる不織布、ポリエステルやポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂からなる連続気泡の発泡シートを用いることができる。不織布により構成される多孔質シート22a,22bの嵩密度は、例えば、100×10-3g/cm以下であり、1~100×10-3g/cmであることが好ましい。また、多孔質シート22a,22bの厚さは、例えば、0.5~3mmである。
袋体20の内部に配置される多孔質シート22a、及び袋体20の外部に配置される多孔質シート22bは、同じものを用いてもよいし、その材質や厚さ等の構成の一部又は全部が異なるものを用いてもよい。製造コストの観点においては、多孔質シート22a,22bとして同じものを用いることが好ましい。
載置台21としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、銅等からなる金属製の定盤を用いることができる。
次に、袋体20に接続された真空ポンプ23を用いて、袋体20の内部の気体を排出し、袋体20の内部を減圧する。減圧時の袋体20の内部の圧力は、例えば、ゲージ圧で-0.3MPa以下に設定され、より好ましくは-0.6MPa以下に設定される。この減圧処理により、積層体10における板ガラス11の間に存在する空気が脱気される。このとき、積層体10と袋体20との間に配置された多孔質シート22aの内部が、脱気される気体の経路として機能することにより脱気が好適に進行する。また、減圧処理は、例えば、0.25~2時間行うことが好ましい。
次に、袋体20の内部の減圧状態を保持したまま、袋体20の外部から積層体10を加熱しつつ、積層方向に加圧する。そして、所定時間が経過した後、常温、常圧に戻す。この加熱処理及び加圧処理によって、積層体10の中間層12が接着層となり、板ガラス11同士が強固に貼り合わされた積層ガラスが得られる。
加熱処理の加熱温度は、中間層12を構成する接着剤の種類に応じて適宜、設定することができ、例えば、100~180℃に設定される。加圧処理の圧力は、例えば、ゲージ圧で10~15MPaに設定される。また、加熱処理及び加圧処理は、例えば、0.5~3時間行うことが好ましい。
加熱処理及び加圧処理の方法としては、例えば、オートクレーブを用いて、袋体20及び載置台21を収容する所定の収容空間(オートクレーブ内)を高温・高圧状態とする方法が挙げられる。この場合、上記の減圧処理、加熱処理及び加圧処理をオートクレーブ内で連続的に行ってもよいし、オートクレーブ外において減圧処理を行った後、減圧状態にある袋体20及び載置台21をオートクレーブ内に移して加熱処理及び加圧処理を行ってもよい。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)積層ガラスの製造方法は、加熱により接着層となる中間層12を介して複数の板ガラス11が積層された積層体10を袋体20の内部に収容し、袋体20の内部を減圧した状態として、積層体10を加熱及び加圧する熱圧着工程を有する。熱圧着工程において、最外層の板ガラス11の主表面により構成される積層体10の下面10bに袋体20を接触させた状態として、積層体10の下面10bが下側を向くように袋体20を載置台21の上に載置する。下面10bを除く積層体10の表面と袋体20との間、及び袋体20と載置台21との間に通気性を有する多孔質シート22a,22bを配置する。
上記構成によれば、積層体10の下面10bと袋体20との間に多孔質シートを配置せずに、積層体10の下面10b(積層体10の下面10b側に配置される板ガラス11の表面)と袋体20とを接触させた状態としている。これにより、袋体20内を減圧したことにより圧縮されて嵩密度が上昇した多孔質シートが積層体10の下面10bに圧接されることがなくなり、嵩密度の上昇により多孔質シートに生じた皺が積層体10の下面10bに転写されてしまうことを抑制できる。
また、袋体20と載置台21との間に多孔質シート22bを配置したことにより、載置台21の表面の凹凸が積層体10の下面10bに転写されてしまうことを抑制できる。加えて、袋体20と載置台21との間に配置された多孔質シート22bは、積層体10と載置台21との間の熱の伝導を抑制する断熱材としても機能する。これにより、冷却時において、積層体10の下面10b側の板ガラス11と載置台21との間で熱の伝導が行われることにより、積層体10の下面10b側の板ガラス11が他の板ガラス11と異なる冷却効率で冷却されて積層体10の下面の表面形状に歪みが生じてしまうことを抑制できる。この抑制効果は、金属等の熱伝導率が高い材質の載置台21が用いられている場合に顕著に得られる。
したがって、上記構成によれば、積層体10の下面10bの表面形状の歪みを抑制することができ、その結果、製造された積層ガラスにおける透過像の歪みを抑制することができる。
(2)多孔質シート22a,22bは、嵩密度100×10-3g/cm以下の不織布である。
袋体20の内部に配置される多孔質シート22aを上記不織布で構成することにより、積層体10をより効率的に脱気することができる。また、袋体20の外部に配置される多孔質シート22bを上記不織布で構成することにより、積層体10の下面10bの表面形状の歪みをより効果的に抑制することができる。
(3)多孔質シート22a,22bは同じものを用いている。
上記構成によれば、積層ガラスの製造に要する部材の種類が減ることにより、製造コストを削減することができる。
(4)積層体10の下面10bを構成する板ガラス11の厚さは、2.5mm以下である。
積層体10の下面10bの表面形状の歪みは、当該板ガラス11が薄い場合に特に生じやすい。そのため、厚さが2.5mm以下の薄板ガラスを用いた積層ガラスの製造に本製造方法を適用した場合には、透過像の歪みを抑制する効果がより顕著に得られる。
(5)多孔質シート22bの主表面の面積は、積層体10の下面10b(主面)の面積よりも大きい。
上記構成によれば、袋体20における積層体10の下面10bに接触する部分の全体を、多孔質シート22bの上に位置させることが容易であり、積層体10の下面10bの表面形状に歪みが生じることを抑制する効果が向上する。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・積層体10は、最外層の少なくとも一方が板ガラス11により構成されるものであれば、板ガラス11に加えて、板ガラス11以外の板状部材(例えば、樹脂板)を積層してなるものであってもよい。積層体10における板ガラス11及び板状部材の積層数は、4枚以上であってもよく、また、2枚であってもよい。特に5枚以上を積層した場合には、熱圧着工程において反りが生じやすくなり、その反りに起因して積層体10の下面10bの表面形状に歪みが生じやすくなる。そのため、5枚以上を積層した場合には、上記製造方法による歪みを抑制する効果が更に顕著に得られる。
・積層体10を構成する板ガラス11の形状は特に限定されるものではない。例えば、コーナー部分が切り欠かれた形状の板ガラス11であってもよい。板コーナー部分が切り欠かれた形状の板ガラス11を用いた場合には、熱圧着工程において反りが生じやすくなり、その反りに起因して積層体10の下面10bの表面形状に歪みが生じやすくなる。そのため、コーナー部分が切り欠かれた形状の板ガラス11を用いた場合には、上記製造方法による歪みを抑制する効果が更に顕著に得られる。
・袋体20の内部に配置する多孔質シート22aは、下面10bを除く積層体10の表面と袋体20との間の少なくとも一部に配置すればよい。例えば、積層体10の周面10cと袋体20との間のみに多孔質シート22aを配置してもよい。
・多孔質シート22bは、積層体10の下面10bと同じ大きさであってもよいし、積層体10の下面10bよりも小さくてもよい。
以下に実施例を挙げ、上記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すように、中間層を介して、第1の板ガラスの両面に第2の板ガラスが積層された3枚の板ガラスからなる積層体を作製した。そして、積層体の上面及び周面を多孔質シートで覆った状態として積層体を袋体に収容し、積層体が収容された袋体を、アルミニウム製の載置台に敷かれた多孔質シートの上に載置した。
第1の板ガラス:縦1000mm×横1000mm×厚さ7mmの鉛ガラス
第2の板ガラス:縦1000mm×横1000mm×厚さ2mmのフロートガラス
中間層:厚さ0.76mmのポリビニルブチラール層
多孔質シート:嵩密度5×10-3g/cmのポリエステル製不織布
次に、真空ポンプを用いて袋体の内部を-1MPaまで減圧し、減圧状態を保持したまま、オートクレーブを用いて袋体20の外部から積層体10を150℃に加熱するとともに、10MPaに加圧した。そして、袋体の外部からの加熱及び加圧状態を1時間、保持した。その後、袋体の外部の温度及び圧力を常温及び常圧に戻すとともに、袋体の内部の圧力を常圧に戻し、板ガラス同士が貼り合わされた積層ガラスを袋体から取り出した。
多孔質シートを繰り返し使用しつつ、上記の積層ガラスを製造する操作を10回行った。そして、1回目、5回目、10回目に得られた積層ガラスをターゲットに重ねて目視観察し、ターゲットの透過像を歪ませる部分が生じているか否かを評価した。その結果を表1に示す。なお、表1では、歪みが確認されなかった場合を「○」、歪みが確認された場合を「×」で示している。
(実施例2)
中間層を介して積層された第1~5の板ガラスからなる積層体を作製した。そして、積層体の上面及び周面を多孔質シートで覆った状態として積層体を袋体に収容し、積層体が収容された袋体を、アルミニウム製の載置台に敷かれた多孔質シートの上に載置した。
第1~5の板ガラス:縦1000mm×横600mm×厚さ2mmのフロートガラス
中間層:厚さ0.38mmのポリビニルブチラール層
多孔質シート:嵩密度5×10-3g/cmのポリエステル製不織布
図3に示すように、第1~5の板ガラスは、2つのコーナー部分を切り欠いた矩形状のガラス板材であり、各切欠きは、縦方向100mm、横方向60mmである。
そして、実施例1と同様にオートクレーブを用いて積層体に対する加熱及び加圧処理を行った。多孔質シートを繰り返し使用しつつ、上記の積層ガラスを製造する操作を10回行った。そして、1回目、5回目、10回目に得られた積層ガラスを観察し、透過像を歪ませる部分が生じているか否かを評価した。その結果を表1に示す。
(比較例)
多孔質シートの配置を除いて、実施例1と同様にして積層ガラスを製造した。
図4に示すように、比較例では、実施例1と同じ第1の板ガラス、第2の板ガラス、及び中間層を用いて、3枚の板ガラスからなる積層体30を作製した。そして、積層体30の上面、下面、及び周面を実施例1と同じ多孔質シート(通気性シート31)で覆った状態として積層体30を袋体32に収容し、積層体30が収容された袋体32を実施例1と同じ載置台の上に直接、載置した。そして、実施例1と同様にオートクレーブを用いて積層体30に対する加熱及び加圧処理を行った。
多孔質シートを繰り返し使用しつつ、上記の積層ガラスを製造する操作を10回行った。そして、1回目、5回目、10回目に得られた積層ガラスを観察し、透過像を歪ませる部分が生じているか否かを評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0007028126000001
表1に示すように、実施例1及び実施例2の製造方法を用いた場合には、1回目、5回目、10回目に得られた積層ガラスの全てにおいて、透過像を歪ませる部分は確認されなかった。また、実施例1において、積層体の下側に配置された多孔質シート(袋体と載置台との間に配置された多孔質シート)について、10回目の製造後の嵩密度を測定したところ、嵩密度は、10~50×10-3g/cmであった。
一方、比較例の製造方法を用いた場合には、1回目に得られた積層ガラスには、透過像を歪ませる部分は確認されなかったものの、5回目、10回目に得られた積層ガラスには、透過像を歪ませる部分が確認された。また、積層体の下側に配置された多孔質シート(積層体の下面と袋体との間に配置された多孔質シート)について、10回目の製造後の嵩密度を測定したところ、嵩密度は、500×10-3g/cmであり、使用前の多孔質シートの嵩密度の約10~50倍であった。
これらの結果から、積層ガラスに透過像を歪ませる部分が生じる原因は、積層ガラスの下面と袋体との間に配置された多孔質シートの嵩密度の増加にあることが推測できる。そして、実施例のように、積層体の下面と袋体との間に多孔質シートを配置する構成に代えて、袋体と載置台との間に多孔質シートを配置することにより、製造される積層ガラスに透過像を歪ませる部分が生じ難くなることが分かる。
10…積層体、11…板ガラス、11a…上面、11b…下面、11c…周面、12…中間層、20…袋体、21…載置台、22a,22b…多孔質シート。

Claims (5)

  1. 接着層を介して複数の板ガラスが貼り合わされた積層ガラスの製造方法であって、
    加熱により前記接着層となる中間層を介して複数の前記板ガラスが積層された積層体を袋体の内部に収容し、前記袋体の内部を減圧した状態として、前記積層体を加熱及び加圧する熱圧着工程を有し、
    前記熱圧着工程において、
    最外層の前記板ガラスの主表面により構成される前記積層体の下面に前記袋体を接触させた状態として、前記積層体の前記下面が下側を向くように前記袋体を載置台の上に載置し、
    前記下面を除く前記積層体の表面と前記袋体との間、及び前記袋体と前記載置台との間に通気性を有する多孔質シートを配置することを特徴とする積層ガラスの製造方法。
  2. 前記多孔質シートは、嵩密度100×10-3g/cm以下の不織布であることを特徴とする請求項1に記載の積層ガラスの製造方法。
  3. 前記積層体の表面と前記袋体との間に配置する前記多孔質シートと、前記袋体と前記載置台との間に配置する前記多孔質シートは同じであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層ガラスの製造方法。
  4. 前記積層体の下面を構成する前記板ガラスの厚さは、2.5mm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の積層ガラスの製造方法。
  5. 前記袋体と前記載置台との間に配置する前記多孔質シートの主表面の面積は、前記積層体の主面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の積層ガラスの製造方法。
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