JP2017035853A - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、熱プレス工程を含む積層体の製造方法において、積層体を汚染することなく、機能層の積層から後処理までの一連の工程を、単一の粘着性基材上に固定させた状態で簡便に行うことが可能な積層体の製造方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、基材および上記基材の一方の面上に形成された粘着層を有する粘着性基材を準備する準備工程と、上記粘着性基材の上記粘着層上に複数の機能層を積層して、粘着性基材付き積層体を形成する積層工程と、上記粘着性基材付き積層体を加熱および加圧する熱プレス工程と、上記粘着性基材付き積層体から上記粘着性基材を剥離する剥離工程と、を有することを特徴とする積層体の製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱プレス工程を含む積層体の製造方法に関するものである。
多層配線基板のように、複数の機能層を積層させてなる積層体の製造方法としては、例えば、各種機能層を順に積層し、積層体を熱プレス機に載置して積層方向上下から加熱および加圧(以下、熱圧または熱プレスと称する。)することで、各機能層の層間密着性を高める方法が用いられる(例えば、特許文献1)。このときの熱圧条件により、積層体の最表層と上下プレス板とが接着して積層体が破損したり、上記最表層上に配置された配線や素子等が損傷を受けるのを防ぐために、通常、熱プレス機の下プレス板と積層体との間には離型シート等の支持層が配置され、上プレス板と積層体との間には保護フィルムが配置される。
特開2014−220544号公報
熱プレスによる積層体の製造に際し、通常、積層体の最表層となる機能層は、粘着層等を介さずに上記支持層上に配置される。熱プレス後に熱プレス機から積層体を取出して支持層を剥離する際に、上記支持層上の粘着剤によりアウトガスや糊残りが生じて積層体が汚染されるのを防ぐためである。しかし、粘着層等を介さずに機能層を配置する場合、支持層と接する最下層の機能層は支持層に固定されていないため、上記最下層の機能層上に他の機能層を積層すると、各機能層の積層位置や熱プレス時の支持層に対する積層体の配置位置に、ズレが生じる等の問題がある。
また、熱プレス後の積層体に対して所望の形状および大きさに裁断する場合、積層体から支持層を剥離した後、別途、ダイシングテ―プ等を介して上記積層体を別の支持層上に固定させて裁断する必要がある。熱プレス後の積層体に対して薬液処理等を施す場合も同様に、積層体から支持層を剥離した後、別途、上記積層体上に保護層を配置する必要がある。このため、積層体の製造において、機能層の積層から熱プレス後の後処理までの一連の工程を、単一の支持層上に固定させた状態で行うことができず、製造工程が煩雑であるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、熱プレス工程を含む積層体の製造方法において、積層体を汚染することなく、機能層の積層から後処理までの一連の工程を、単一の粘着性基材上に固定させた状態で簡便に行うことが可能な積層体の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基材および上記基材の一方の面上に形成された粘着層を有する粘着性基材を準備する準備工程と、上記粘着性基材の上記粘着層上に複数の機能層を積層して、粘着性基材付き積層体を形成する積層工程と、上記粘着性基材付き積層体を加熱および加圧する熱プレス工程と、上記粘着性基材付き積層体から上記粘着性基材を剥離する剥離工程と、を有することを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
上記発明によれば、上記粘着性基材の粘着層が、熱プレス工程における熱圧条件に耐え得る耐熱性を有することで、上記粘着層上に積層体を固定させた状態で熱プレスすることができる。また、上記粘着層が再剥離性を示すことで、熱プレス工程後の積層体から上記粘着性基材を剥離する際に、上記積層体側に糊残りが生じることなく剥離することが可能となり、上記積層体への汚染の発生を防止することができる。さらに、熱プレス工程後に任意の工程を行う場合において、上記粘着性基材を、例えば積層体を薬液等から保護する保護層として、または、積層体を裁断する際の支持層として機能させることで、粘着性基材上に積層体が固定された状態で、熱プレス工程後の任意の工程を行うことが可能となる。
このように、熱プレス工程を含む積層体の製造方法において、積層体の汚染を抑制し、機能層の積層から後処理までの一連の工程を、単一の粘着性基材上に固定させた状態で簡便に行うことができる。
上記発明においては、上記粘着層が、微粘着性を示すことが好ましい。また、上記発明においては、上記粘着層が、エネルギー線照射により剥離することが好ましい。粘着層をこれらの種類のものとすることで、積層工程時に機能層の積層位置を精度よく決め、積層体を十分に固定することが可能であり、また、剥離工程において積層体側に糊残りが生じることなく粘着性基材を容易に剥離することが可能となるからである。
上記発明においては、上記熱プレス工程と上記剥離工程との間に、上記粘着性基材付き積層体を裁断する裁断工程を有していてもよい。粘着性基材の粘着層上に機能層を積層し、熱プレスにより各機能層の層間密着性を高め、熱プレス後の積層体を所望の形状に精度良く裁断し、粘着性基材を剥離するという一連の工程を、単一の粘着性基材上に固定させた状態で行うことができ、工程の簡略化を図ることができるからである。
上記発明においては、上記熱プレス工程と上記剥離工程との間に薬液処理工程を有していてもよい。熱プレス工程後の積層体に対し、粘着性基材に固定された状態で薬液処理を行うことで、上記粘着性基材は保護層として機能し、薬液による積層体への侵食や汚染を防止することができるからである。また、薬液処理後には、積層体側に糊残りが生じることなく上記粘着性基材を容易に剥離することが可能であることから、積層工程から薬液処理工程を含めた剥離工程までの一連の工程を、単一の粘着性基材上に固定させた状態で行うことができ、工程の簡略化が図れるからである。
本発明においては、積層体を汚染することなく、機能層の積層から後処理までの一連の工程を、単一の粘着性基材上に固定させた状態で行うことができ、簡便な工程で積層体の製造が可能であるという効果を奏する。
本発明の積層体の製造方法の一例を示す工程図である。 粘着性基材付き積層体の態様の一例を示す概略断面図である。 本発明の積層体の製造方法の他の例の一部を示す工程図である。
以下、本発明の積層体の製造方法について説明する。本発明の積層体の製造方法は、基材および上記基材の一方の面上に形成された粘着層を有する粘着性基材を準備する準備工程と、上記粘着性基材の上記粘着層上に複数の機能層を積層して、粘着性基材付き積層体を形成する積層工程と、上記粘着性基材付き積層体を加熱および加圧する熱プレス工程と、上記粘着性基材付き積層体から上記粘着性基材を剥離する剥離工程と、を有することを特徴とする製造方法である。
本発明の積層体の製造方法について、図を参照して説明する。図1は本発明の積層体の製造方法の一例を示す工程図である。
まず、基材11およびその一方の面上に形成された粘着層12を有する粘着性基材20を準備する(図1(a)、準備工程)。次に、粘着性基材20の粘着層12上に複数の機能層1a〜1cを積層し、粘着性基材付き積層体30を形成する(図1(b)、積層工程)。なお、本工程において粘着層12上に形成される複数の機能層1a〜1cから構成される積層体を、熱プレス前の積層体10’とする。
次に、粘着性基材付き積層体30を熱プレス板41および42の間に配置する。粘着性基材付き積層体30の粘着性基材20が配置されていない側には、保護フィルム13が配置されている。粘着性基材付き積層体30を積層方向に熱プレスXをした後(図1(c)、熱プレス工程)、粘着性基材20を剥離することで、積層体10を得ることができる(図1(d)、剥離工程)。
本発明によれば、上記粘着性基材の粘着層が、熱プレス工程における熱圧条件に耐え得る耐熱性を有することで、上記粘着層上に積層体を固定させた状態で熱プレスすることができる。また、上記粘着層が再剥離性を示すことで、熱プレス工程後の積層体から上記粘着性基材を剥離する際に、上記積層体側に糊残りが生じることなく剥離することが可能となり、上記積層体への汚染の発生を防止することができる。さらに、熱プレス工程後に任意の工程を行う場合において、上記粘着性基材を、例えば積層体を薬液等から保護する保護層として、または、積層体を裁断する際の支持層として機能させることで、粘着性基材上に積層体が固定された状態で、熱プレス工程後の任意の工程を行うことが可能となる。
このように、熱プレス工程を含む積層体の製造方法において、積層体の汚染を抑制し、機能層の積層から後処理までの一連の工程を、単一の粘着性基材上に固定させた状態で簡便に行うことができる。
以下、本発明の積層体の製造方法について、工程ごとに説明する。
A.準備工程
本発明における準備工程は、基材および上記基材の一方の面上に形成された粘着層を有する粘着性基材を準備する工程である。
1.粘着層
上記粘着層は、後述する熱プレス工程における熱圧条件に耐え得る耐熱性を有し、剥離工程において粘着性基板を容易に剥離可能となる再剥離性を示す。
上記粘着層が再剥離性を示すとは、上記粘着層上に直接形成される機能層を粘着または密着させることができ、剥離工程において積層体を破壊せず、積層体側への糊残りの発生を抑制して剥離が可能であることをいう。
また、上記粘着層が熱プレス工程における熱圧条件に耐え得る耐熱性を示すとは、上記粘着層が熱プレス工程を含む剥離工程までの各種工程において、上記粘着層上に固定された積層体が剥離しない程度の粘着性を維持することができ、且つ、剥離工程において上記積層体を剥離する際に、上記積層体への糊残りによる汚染が殆どなく容易に剥離が可能となる粘着性を示すことをいう。
上記粘着層の耐熱性としては、具体的には、上記粘着層の重量減少率が1%〜10%の範囲内、好ましくは2.5%未満であることをいう。上記重量減少率は、粘着層の単体について熱重量−示差熱装置(TG−DTA)を用いて測定し算出される値であり、具体的には、窒素雰囲気下(ガス流量:150ml/min)で、昇温速度10℃/minで30℃から250℃まで昇温させた時点での重量変化量を測定し、下記式から重量減少率を算出した。30℃での粘着層の重量(W1)と、250℃での粘着層の重量(W2)とを測定し、下記式から算出される。
重量減少率(%)=[(W1(g)−W2(g))/W1(g)]×100
粘着性基材を剥離した後の積層体表面の糊残りの有無については、剥離後の積層体の表面をIR測定や光学顕微鏡等を用いた表面観察により確認することができる。
上記粘着層は、熱プレス工程における熱圧条件に対して低アウトガス性を示すことが好ましい。具体的には、上記粘着層を200℃で0.5時間加熱したときのアウトガス発生量が15μg/cm以下であることが好ましく、中でも10μg/cm以下、特に5μg/cm以下であることが好ましい。アウトガスの発生により、積層体表層が汚染され、後続の工程の際に不具合が生じる可能性があるからである。例えば、シリコーン等は、発生したアウトガスが電気特性に影響を及ぼしたり、その後の工程でハジキ等の発生の要因になり、工程上問題が生じてしまうからである。
上記アウトガス発生量は、基材としてポリイミドフィルムを用いた本発明における粘着性基材を、幅10mm、長さ10mmのサイズに切断して測定サンプルとして以下の方法にて測定および算出した値である。なお、同条件下におけるポリイミドフィルム単体からのアウトガス発生量は0.3μg/cm未満であり無視できる量であるため、上記測定サンプルでのアウトガス発生量を、粘着層のアウトガス発生量とする。
(測定方法および算出方法)
パージ&トラップヘッドスペースサンプラーにより、上記測定サンプルを200℃で0.5時間加熱し、発生したガス(アウトガス)をトラップした後、このトラップされた成分についてガスクロマトグラフ質量分析計により分離測定を行った。
発生したガスの量を、n−ヘキサデカン標準による換算値として粘着層の単位面積当たりの値に換算し、粘着層のアウトガス発生量(200℃にて0.5時間加熱した際に発生するアウトガス発生量、単位:μg/cm)として算出した。
このような粘着層としては、微粘着性を示す粘着層(粘着層の第1態様)、エネルギー線照射により剥離する粘着層(粘着層の第2態様)が挙げられる。これらの粘着層を用いることで、積層工程時に機能層の積層位置を精度よく決めることができ、積層体を十分に固定することが可能である。また、剥離工程において積層体側に糊残りが生じることなく粘着性基材を容易に剥離することが可能となる。
以下、粘着層について、態様ごとに説明する。
(1)粘着層の第1態様
本態様の粘着層は、微粘着性を示す。
本態様の粘着層は、その初期粘着力により、一連の工程において積層体を十分に固定することが可能であり、また、初期粘着力が低いため、剥離工程において積層体側への糊残りの発生を抑制し、粘着性基材を容易に剥離することができる。
ここで、本態様の粘着層が示す微粘着性とは、熱プレス前後で積層体の固定が可能であり、且つ、剥離に際して積層体側に糊残りが生じない程度の粘着力を示すことをいう。具体的には、本態様の粘着層の初期粘着力が、6N/25mm以下、好ましくは3N/25mm以下、より好ましくは2N/25mm以下である。また、本態様の粘着層の初期粘着力は、0.05N/25mm以上であることが好ましい。
上記粘着力は、基材としてポリイミドフィルム(厚さ25μm、東レ・デュポン製、製品名:100H)を用い、上記基材の片面に本態様の粘着層を後述する厚さの範囲内となるように形成した粘着性基材を用い、巾25mm×長さ150mmの大きさの短冊状の試験片をカットし、次にJIS Z0237の規格に準拠した条件でステンレス板にラミネートし、最後に、試験片を剥離角180°、剥離速度300mm/分、室温下の条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより測定することができる。また、このような180°剥離強度測定には、例えば、インストロン社製の万能試験機5565を用いることができる。
本態様の粘着層の組成としては、上述の初期粘着力を示すことが可能な組成であれば特に限定されないが、中でもアクリル系樹脂を少なくとも含むことが好ましく、アクリル系樹脂および硬化樹脂を含むことがより好ましい。本態様の粘着層がアクリル系樹脂および硬化樹脂を含むことで、初期粘着力が低く、熱プレス工程の熱圧条件に耐え得る高耐熱性、さらには低アウトガス性を発揮することができるからである。
ここで、本態様の粘着層がアクリル系樹脂を含むとは、上記粘着層内において、アクリル系樹脂が架橋を形成せずに単体で存在していてもよく、アクリル系樹脂間もしくはアクリル系樹脂と他の樹脂との間で架橋形成されてなる架橋体として存在していてもよく、上記単体および上記架橋体の両方が存在していてもよい。
また、本態様の粘着層に含まれる硬化樹脂とは、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が熱や光照射を受けて硬化されたものをいう。
アクリル系樹脂および硬化樹脂を含む本態様の粘着層の形成に用いられる粘着剤組成物としては、アクリル系樹脂および硬化性樹脂を含むものであればよく、中でも以下に述べる2態様のうち一方を好適に用いることができる。
すなわち、本態様の粘着層の形成に用いられる粘着剤組成物の第1態様は、アクリル系樹脂、エポキシ熱硬化性樹脂、および硬化剤を含み、上記エポキシ熱硬化性樹脂が、上記アクリル系樹脂100重量部に対して20重量部〜60重量部の範囲内で含まれているものである。
また、本態様の粘着層の形成に用いられる粘着剤組成物の第2態様は、アクリル系樹脂、架橋剤、光硬化性樹脂、および光開始剤を含むものである。
本態様の粘着層が上述の各態様の粘着剤組成物により形成されることで、所望の初期粘着力を示すとともに、粘着層の凝集力が向上して熱圧条件下での粘着力の昂進が抑制されて優れた剥離性を示すことができる。このため、剥離工程において、積層体側への糊残りの発生や、密着性、変形等による積層体への負担を低減することができ、粘着性基材を容易に剥離することが可能となる。また、上述の各態様の粘着剤組成物により形成される上記粘着層は、エポキシ熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が硬化した硬化樹脂を含むことから、アクリル系樹脂単独よりも高耐熱性を示すことができ、より高い低アウトガス性を発揮することができる。
加えて、上述の各態様の粘着剤組成物により形成される粘着層は、高耐薬品性を示すことができ、任意の工程として薬液を用いる工程を行う場合であっても、薬品による粘着力の低下や粘着性基材からの積層体の剥離を防ぐことができる。
以下、本態様の粘着層の形成に用いられる粘着剤組成物について、態様ごとに説明する。
(a)粘着剤組成物の第1態様
本態様の粘着剤組成物は、アクリル系樹脂、エポキシ熱硬化性樹脂、および硬化剤を含み、上記エポキシ熱硬化性樹脂が、上記アクリル系樹脂100重量部に対して20重量部〜60重量部の範囲内で含まれている。
本態様の粘着剤組成物により形成される粘着層は、アクリル系樹脂の単体およびエポキシ硬化樹脂を含む。また、アクリル系樹脂の架橋体や、アクリル系樹脂とエポキシ熱硬化性樹脂とが反応した架橋体を含む場合もある。
(i)アクリル系樹脂
上記アクリル系樹脂については、特に限定されず、例えば(メタ)アクリル酸エステルを単独重合させた(メタ)アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させた(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。中でも(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。
ここで、(メタ)アクリル酸エステル共重合体において(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするとは、共重合体中の(メタ)アクリル酸エステルの割合(共重合割合)が30質量%よりも多いこと、好ましくは上記共重合割合が51質量%以上であることをいう。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方をいうものとする。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1〜30の直鎖状または分岐状のアルキルエステル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル等を使用することができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えば、特開2014−101457号公報等で開示されるものが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルは1種または2種以上を含んでいてもよい。
中でも炭素数1〜18、特に炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。アクリル系樹脂のガラス転移点(℃)を後述する範囲内とすることができ、粘着層の粘着性および耐熱性が向上するからである。
上記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルとモノマーまたはオリゴマーとの共重合体であってもよい。(メタ)アクリル酸エステルの他に必要に応じて他のモノマーまたはオリゴマーを共重合成分として含むことで、凝集力、耐熱性等の改質を図ることができる。上記共重合成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な官能基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
また、共重合成分として、シアノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー等の窒素含有モノマーを用いてもよい。
上記共重合成分は、アクリル酸エステル重合体に共重合成分として含まれてもよい。
アクリル系樹脂の質量平均分子量としては、10万〜200万の範囲内であることが好ましく、より好ましくは20万〜100万の範囲内である。質量平均分子量が上記範囲よりも小さいと、粘着層の粘着力が劣る場合があり、一方、上記範囲よりも大きいと、粘着剤組成物の塗工性が悪化したり、エポキシ熱硬化性樹脂との相溶性が低下して、粘着層において所望の粘着性を得ることが困難となる場合がある。
なお、本明細書内において、質量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際のポリスチレン換算値であり、例えば、測定装置に東ソー株式会社製のHLC−8220GPCを、カラムに東ソー株式会社製のTSKGEL−SUPERMULTIPORE−HZ−Mを、溶媒にTHFを、標準品として分子量が1050、5970、18100、37900、96400、706000の標準ポリスチレンを用いることで測定することができる。
アクリル系樹脂は、ガラス転移点が−20℃以上30℃以下であることが好ましく、中でも−15℃〜20℃の範囲内であることが好ましい。ガラス転移点が上記範囲にあるアクリル系樹脂を粘着剤組成物の主剤として用いることにより、凝集力を維持しながら、アクリル系樹脂と他の成分との相溶性を向上させることができるからである。
アクリル系樹脂のガラス転移点は、使用するモノマー単位の種類や、組み合わせるモノマー単位の比率等を変更することにより、適宜調整することができる。アクリル系樹脂は、モノマーを単独重合した重合体(ホモポリマー)の場合であってもガラス転移点が上記した範囲となるものもあるが、ホモポリマーのガラス転移点が上記した範囲にないようなモノマー単位の使用が制限されるわけではなく、種々のモノマー単位を組み合わせて共重合した共重合体のガラス転移点が上記の範囲内にあればよい。
なお、本明細書内において、ガラス転移点は、損失正接(tanδ)のピークトップの値に基づく方法(DMA法)により測定された値を意味する。また、損失正接は、損失弾性率/貯蔵弾性率の値により決定される。これら弾性率は、重合体または共重合体に対して一定の周波数で力を付与したときの応力を、動的粘弾性測定装置を用いて測定される。
アクリル系樹脂は、上述した(メタ)アクリル酸エステル、モノマー、オリゴマー等の単量体を、通常の溶液重合、塊状重合、乳化重合または懸濁重合等の方法により重合させることにより得ることができる。
(ii)エポキシ熱硬化性樹脂
エポキシ熱硬化性樹脂は、少なくとも1つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有する。エポキシ熱硬化性樹脂は、後述する硬化剤との併用により架橋重合反応により硬化して、エポキシ硬化樹脂となる。
エポキシ熱硬化性樹脂は、エポキシ当量が100g/eq.〜2000g/eq.の範囲内であることが好ましい。エポキシ熱硬化性樹脂のエポキシ当量が上記範囲に満たないと、硬化に際し架橋密度が高くなりすぎて粘着層の粘着力が所望の範囲から低下してしまう場合があり、一方、上記範囲を超えると、粘着層の耐熱性が不十分となる場合がある。
なお、エポキシ当量は、JIS K7236に準拠した方法により測定した1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数である。
エポキシ熱硬化性樹脂の質量平均分子量は、特に制限はないが、アクリル系樹脂との相溶性の観点から、一般的には300〜5000の範囲内であることが好ましい。粘着層の耐熱性等の観点からは、上記範囲内において高分子量のエポキシ熱硬化性樹脂を使用することがより好ましい。
エポキシ熱硬化性樹脂としては、例えば特開2011−202045号公報に開示されるエポキシ系樹脂が挙げられる。中でも、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格などの剛直構造を主鎖に持つエポキシ系樹脂が好ましく、より好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂、特に好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
エポキシ熱硬化性樹脂のうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格の繰り返し単位の数によって、常温で液体のものと常温で固体のものとが存在する。主鎖の炭素数が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で液体であり、主鎖の炭素数が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で固体である。常温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、機械的強度および耐熱性の観点から、ガラス転移点が50℃〜150℃の範囲内にあるものが好ましい。
常温で液体である主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂、および常温で固体である主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば特開2011−202045号公報に開示されるものが挙げられる。
初期粘着力が低く、且つ、熱圧環境下において粘着力を維持でき、糊残りの少ない粘着層を形成するためには、エポキシ熱硬化性樹脂は、アクリル系樹脂に100重量部に対して20重量部〜60重量部の範囲内で含まれていればよく、中でも30重量部〜50重量部の範囲内で含まれていることが好ましい。エポキシ熱硬化性樹脂の配合量が上記範囲よりも少ないと、粘着層の初期粘着力が増加したり、熱圧環境下において粘着力が増加する傾向にあるからである。一方、エポキシ熱硬化性樹脂の配合量が上記範囲を超えると、初期粘着力が低下して、積層体を構成する各機能層と常温で貼合することが困難となる場合がある。
(iii)硬化剤
上記エポキシ熱硬化性樹脂は、加熱等により反応が進行して硬化するが、通常は、硬化反応を促進するための硬化剤が粘着剤組成物中に含まれる。
上記硬化剤としては、エポキシ熱硬化性樹脂と当量で反応可能なものであればよく、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤を好適に使用することができる。また、エポキシ熱硬化性樹脂を単独で硬化(重合)させることが可能な硬化剤としては、例えばイミダゾール系硬化剤やカチオン系硬化剤等が挙げられる。中でも、エポキシ熱硬化性樹脂の骨格由来の性能を期待でき、添加量が少なくてもエポキシ熱硬化性樹脂を単独で硬化させ得るイミダゾール系硬化剤やカチオン系硬化剤を使用することが好ましい。
硬化剤の配合量としては、エポキシ熱硬化性樹脂の重合態様に応じて適宜設定することができる。例えば、エポキシ熱硬化性樹脂を単独で重合させ硬化させる場合、硬化剤の配合量としては、エポキシ熱硬化性樹脂100重量部に対して1重量部〜20重量部の範囲内であることが好ましい。一方、エポキシ熱硬化性樹脂と硬化剤とを当量で重合反応させて硬化させる場合、硬化剤の配合量としては、エポキシ熱硬化性樹脂のエポキシ当量に対して0.7〜1.2の割合となることが好ましい。
エポキシ熱硬化性樹脂に対しての硬化剤の配合量が少ないと、粘着剤組成物を硬化させて粘着層を形成する際に、エポキシ熱硬化性樹脂の硬化時間が長くなる等の硬化不足が生じ、所望の粘着性を得ることが困難となる場合がある。一方、硬化剤の配合量が過剰になると、粘着剤組成物の保存安定性が低下したり、エポキシ熱硬化性樹脂の硬化密度が高くなり過ぎて、粘着層が所望の粘着性を示さない場合がある。
(iv)その他の材料
本態様の粘着剤組成物には、架橋剤が含まれていてもよい。本態様の粘着剤組成物により形成される粘着層内において、アクリル系樹脂は、通常、架橋を形成せずに単体として存在するが、上記粘着剤組成物に架橋剤を添加することにより、得られる上記粘着層は、アクリル系樹脂間で架橋形成された架橋体を一部に含むものとなる。これにより、粘着力を維持しながらベタつきが改善された粘着層とすることができる。架橋剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、多官能エポキシ化合物やイソシアネート化合物が挙げられる。
さらに、本態様の粘着剤組成物は、必要に応じて、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤等の任意の添加剤を含んでいてもよい。また、必要に応じて、シラン系、チタン系、アルミニウム系などのカップリング剤を含むことができる。
(b)粘着剤組成物の第2態様
本態様の粘着剤組成物は、アクリル系樹脂、架橋剤、光硬化性樹脂、および光開始剤を含むものである。
本態様の粘着剤組成物により形成される粘着層は、アクリル系樹脂の架橋体および光硬化性樹脂が硬化してなる硬化樹脂を少なくとも含む。上記粘着層は、アクリル系樹脂の架橋体と共にアクリル系樹脂の単体を含んでいてもよい。
本態様の粘着剤組成物は、光硬化性樹脂が含まれることにより、粘着層の形成に際し、エネルギー線の照射によって粘着剤組成物の塗布層中で光硬化性樹脂が硬化して硬化樹脂となるため、上記塗布層が適度に硬くなり、アクリル系樹脂の架橋反応が進行しても、糊残りが生じにくく剥離性に優れる粘着層になると考えられる。
なお、光硬化性樹脂の硬化の際に用いられるエネルギー線の種類については、後述する「(2)粘着層の第2態様」の項で説明するものと同様とすることができる。
(i)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂については、特に限定されず、「(a)粘着剤組成物の第1態様」の項におけるアクリル系樹脂と同様に、アクリル酸エステル重合体や(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする(メタ)アクリル酸エステル共重合体が用いられる。中でも(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。
アクリル系樹脂の重量平均分子量は、粘着性および塗工性の観点から5万〜100万の範囲内が好ましく、より好ましくは10万〜80万の範囲内である。
アクリル系樹脂における(メタ)アクリル酸エステル、モノマー、およびオリゴマー、ならびにこれらの重合方法等については「(a)粘着剤組成物の第1態様」の項で説明した内容と同様とすることができる。
アクリル系樹脂のガラス転移点、および上記ガラス転移点を示すことによる効果については、「(a)粘着剤組成物の第1態様」の項で説明したアクリル系樹脂のガラス転移点およびそれによる効果と同様とすることができる。
(ii)光硬化性樹脂
光硬化性樹脂としては、所望のエネルギー線の照射により重合可能なラジカル重合性の化合物であれば特に制限なく使用することができ、例えば、アクリレート基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等のラジカル重合性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマー等が挙げられる。このような化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系の光硬化性化合物を好ましく使用することができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも2官能性のモノマーまたはオリゴマーを好適に使用することができる。
また、アクリル系樹脂との相溶性の観点から、例えば、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシ(メタ)アクリレート類や、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタン(メタ)アクリレートを好適に使用することができる。
光硬化性樹脂は、アクリル系樹脂100重量部に対して5重量部〜60重量部の範囲内、中でも5重量部〜40重量部の範囲内で含まれることが好ましい。光硬化性樹脂を上記の範囲で含むことにより、粘着層の初期粘着力、凝集力、および熱圧環境下に置かれた場合の粘着力の変化を、より向上させることができるからである。
(iii)光開始剤
光開始剤としては、光照射によりリビングラジカル重合開始能を発揮することができ、光硬化性樹脂を硬化させることが可能なものであれば特に限定されず、公知の光開始剤から光硬化性樹脂の種類に応じて、1種または2種以上を適宜選択することができる。具体的には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、ベンジルメチルケタール類、α−アミノケトン類、ビスアシルフォスフィンオキサイド類が挙げられる。
光硬化性樹脂としてウレタンアクリレートを使用する場合には、光開始剤がビスアシルフォスフィン系光開始剤であることが好ましい。上記光開始剤は耐熱性を有し、基材に粘着剤組成物を塗布して光照射を行う際に、基材を介して光照射を行う場合であっても確実に光硬化性樹脂を硬化させることができるからである。
(iv)架橋剤
架橋剤としては、アクリル系樹脂を架橋させることが可能なものであればよく、多官能エポキシ系化合物やイソシアネート系化合物等の従来公知の架橋剤を用いることができる。具体的には、例えば特開2012−177084号公報に開示される多官能エポキシ系化合物やイソシアネート系化合物が挙げられる。
架橋剤は、アクリル系樹脂100重量部に対して0.1重量部〜20重量部の範囲内、中でも0.5重量部〜10重量部の範囲内で含まれることが好ましい。得られる粘着層の初期粘着力を抑えながら凝集性を高めることができ、容易に貼り直しが可能であり、また、熱プレスする際に浮きや剥がれの発生を防ぐことができるからである。
さらに、本態様の粘着剤組成物は、必要に応じて、「(a)粘着剤組成物の第1態様」の項で説明した任意の添加剤やカップリング剤を含むことができる。
(c)粘着剤組成物の調製方法
各態様の粘着剤組成物は、上記した各成分を混合し、必要に応じて混練ないし分散して調製することができる。混練ないし分散方法は、特に限定されるものではなく、例えば特開2014−234460号公報等で開示される従来公知の混練分散機などが適用できる。
また、粘着剤組成物は、粘度調整のために希釈溶媒を加えて各成分を混合してもよい。
(d)その他
本態様の粘着層の厚さとしては、所望の粘着力を示すことが可能な大きさであればよく、例えば3μm〜50μmの範囲内、中でも5μm〜30μmの範囲内が好ましい。
(2)粘着層の第2態様
本態様の粘着層は、エネルギー線照射により剥離する。本態様の粘着層は、一連の工程において積層体を十分に固定することが可能であり、また、剥離工程においてエネルギー線を照射することで、粘着力が低下して剥離性が向上するため、積層体側に糊残りが生じにくく、粘着性基材を容易に剥離することができる。
ここで、本態様の粘着層がエネルギー線照射により剥離するとは、エネルギー線照射を受ける前は、強粘着性を示して対象物を固定させることができ、一方、エネルギー線照射を受けると、粘着力が著しく低下して上記対象物から容易に剥離可能となる物性を有することをいう。具体的には、エネルギー線照射前の本態様の粘着層の粘着力が、0.5N/25mm以上20N/25mm以下であり、エネルギー線照射後の本態様の粘着層の粘着力が2.0N/25mm以下であることが好ましい。
上記粘着力は、ポリエステルフィルム(厚さ50μm)を基材とし、上記基材の片面に本態様の粘着層を後述する厚さの範囲内となるように形成した粘着性基材を用い、「(1)粘着層の第1態様」の項で説明した粘着力の測定方法と同様の方法で測定される。
エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。中でも汎用性等の観点から紫外線が好ましく、上記紫外線は150nm〜450nmの波長域が好ましい。
本態様の粘着層の組成としては、エネルギー線照射前後で上述の粘着力を示すものであればよく、例えば樹脂(粘着主剤)、エネルギー線重合性オリゴマー、および重合開始剤を少なくとも含む組成とすることができる。このような組成とすることで、エネルギー線の照射により本態様の粘着層に含まれるエネルギー線重合性オリゴマーが硬化して、粘着力を低下させることができるからである。また、このとき凝集力が高まるため、積層体への転着が生じにくくなり、本態様の粘着層の剥離が容易になるからである。
上記樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等、一般に粘着剤の主剤として用いられる樹脂が挙げられるが、中でもアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂の耐熱性により、本態様の粘着層が、熱プレス工程における熱圧環境に十分に耐え得る高耐熱性や低アウトガス性を示すことができるからである。
したがって、本態様の粘着層の好適な組成としては、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤および架橋剤を含むものが好ましい。
本態様の粘着層において、上記アクリル系樹脂は、通常、上記架橋剤によりアクリル系樹脂間が架橋されてなる架橋体として存在するが、上記架橋体と共にアクリル系樹脂の単体が含まれていてもよい。
また、本態様の粘着層の形成に用いられる粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤、および架橋剤を含むものが挙げられる。
(a)粘着剤組成物
本態様の粘着層の形成に用いられる粘着剤組成物は、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤、および架橋剤を含むことが好ましい。
以下、上記粘着剤組成物に含まれる各組成について説明する。
(i)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂については、特に限定されず、例えば(メタ)アクリル酸エステルを単独重合させた(メタ)アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させた(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。中でも(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルおよび他の単量体の具体例としては、例えば特開2012−31316号公報等に開示されるものが挙げられる。他の単量体は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ここでの主成分とは、共重合割合が51質量%以上であることを意味し、好ましくは65質量%以上である。
中でも上記アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体、または(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好適に用いることができる。
共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとしては、特に限定されず、例えば特開2012−31316号公報に開示される水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーが用いられる。
上記アクリル系樹脂の質量平均分子量(Mw)としては、20万〜100万の範囲内であることが好ましく、中でも20万〜80万の範囲内であることが好ましい。アクリル系樹脂の質量平均分子量を上記範囲内とすることで、十分な初期粘着力を発揮でき、熱圧環境に対して高耐熱性および低アウトガス性を示すことが可能な粘着層とすることができるからである。
また、上記アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーと、の(メタ)アクリル酸エステル共重合体である場合、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比としては、51:49〜100:0の範囲内であることが好ましく、中でも75:25〜100:0であることが好ましい。各モノマーの重量比が上記範囲内であれば、剥離工程においてエネルギー線照射による効果的な粘着力の低下が期待でき、積層体側に糊残りが生じるのを抑制することができるからである。また、熱プレス工程における熱圧条件に対して高耐熱性を示すことができるからである。
(ii)エネルギー線重合性オリゴマー
エネルギー線重合性オリゴマーは、エネルギー線の照射を受けて重合するものであれば特に限定されず、例えば、光ラジカル重合性、光カチオン重合性、光アニオン重合性等のオリゴマーが挙げられる。中でも、光ラジカル重合性オリゴマーが好ましい。硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができ、更には、硬化前の粘着性や硬化後の剥離性等の物性を容易に制御することができるからである。
光ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば特開2012−31316号公報に開示されるものが挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エネルギー線重合性オリゴマーの質量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、例えば250〜8000の範囲内、中でも250〜5000の範囲内であることがより好ましい。質量平均分子量が上記範囲内であれば、本態様の粘着層がエネルギー線照射前には所望の粘着性を示し、エネルギー線照射後には、積層体側への糊残りの発生が抑制され、容易に剥離可能となるからである。
粘着剤組成物は、エネルギー線重合性オリゴマーの量を調整することにより、エネルギー線照射後の粘着層の粘着力の制御が可能となる。粘着剤組成物中のエネルギー線重合性オリゴマーの含有量としては、アクリル系樹脂100重量部に対して10重量部〜60重量部であることが好ましく、中でも20重量部〜50重量部であることが好ましい。上記含有量が上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の本態様の粘着層の架橋密度が十分となるので、所望の剥離性を実現することができる。また、粘着剤組成物の凝集力の低下により積層体側へ糊残りが発生するのを抑制することができる。
(iii)重合開始剤
上記重合開始剤としては、一般的な光重合開始剤を用いることができるが、中でも、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下、特に20%以下である光重合開始剤が好ましい。このような光重合開始剤を選択することで、本態様の粘着層が熱プレス工程における熱圧条件下に曝されても、粘着力の低下を防ぐことができる。
上記重量減少率は、市販の熱重量測定装置、例えば、島津製作所社製のDTG−60Aを用いて重量を測定することにより求めることができる。具体的には、上記重合開始剤を分析(雰囲気ガス:窒素、ガス流量:50ml/min、温度範囲:30℃〜190℃、昇温条件:10℃/min)し、30℃における上記重合開始剤の重量(W1)と、190℃に到達して30分経過後における上記重合開始剤の重量(W2)とを測定し、下記式から算出される。
重量減少率(%)=[(W1(g)−W2(g))/W1(g)]×100
このような重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE754、IRGACURE2959、IRGACURE819(以上、BASFジャパン社製)等が挙げられる。
粘着剤組成物中の重合開始剤の含有量としては、アクリル系樹脂およびエネルギー線重合性オリゴマーの合計100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部の範囲内、中でも0.5重量部〜3重量部の範囲内であることが好ましい。重合開始剤の含有量が上記範囲に満たないと、エネルギー線重合性オリゴマーの重合反応が十分起こらず、エネルギー線照射後の本態様の粘着層の粘着力が過剰に高くなり、剥離性を実現することができない場合がある。一方、上記含有量が上記範囲を越えると、エネルギー線照射面の近傍にしかエネルギー線が届かず、本態様の粘着層の硬化が不十分となる場合や、粘着剤組成物の凝集力が低下し、糊残りの発生の原因となる場合もある。
なお、粘着剤組成物に、エネルギー線重合性オリゴマーと後述するエネルギー線重合性モノマーとを含有する場合には、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、およびエネルギー線重合性モノマーの合計100重量部に対して、重合開始剤の含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(iv)架橋剤
上記架橋剤は、少なくともアクリル系樹脂間を架橋するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤の具体例としては、例えば特開2012−31316号公報に開示されるものが挙げられる。
上記架橋剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができ、アクリル系樹脂の種類等に応じて、適宜選択することができる。
粘着剤組成物中の架橋剤の含有量としては、架橋剤の種類に応じて適宜設定することができるが、例えばアクリル系樹脂100重量部に対して0.01重量部〜15重量部の範囲内、中でも0.01重量部〜10重量部の範囲内が好ましい。
架橋剤の含有量が上記範囲に満たないと、本態様の粘着層と積層体との密着性が劣り、熱プレス時に積層体の位置ズレが生じる場合や、積層体を剥離する際に本態様の粘着層が凝集破壊を起こし、積層体側へ糊残りが生じる場合がある。一方、架橋剤の含有量が上記範囲を超えると、エネルギー線照射後の本態様の粘着層中に上記架橋剤が未反応モノマーとして残留し、凝集力の低下により糊残りの発生の原因となる場合がある。
(v)任意の組成
上記粘着剤組成物は、上述のエネルギー線重合性オリゴマーに加えてエネルギー線重合性モノマーを含有してもよい。本態様の粘着層にエネルギー線を照射する際に、粘着剤組成物を3次元架橋により硬化させて粘着力を低下させるとともに、粘着剤組成物の凝集力を高めて積層体側へ転着させないようにすることができるからである。
エネルギー線重合性モノマーとしては、光ラジカル重合性モノマーが好ましく、中でも一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能性アクリレートや多官能性メタクリレートが好ましい。具体的には、特開2010−173091号公報に記載のエネルギー線重合性モノマーが挙げられる。
粘着剤組成物中に、上記エネルギー線重合性オリゴマーと上記エネルギー線重合性モノマーとが含有される場合には、その合計含有量としては、アクリル系樹脂100重量部に対して、10重量部〜60重量部の範囲内、中でも20重量部〜50重量部の範囲内であることがより好ましい。エネルギー線照射後の架橋密度が十分になり、適正な剥離性を実現することができ、また、粘着剤組成物の凝集力の低下による積層体側に糊残りが生じるのを抑制することができるからである。
粘着剤組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、粘着付与剤、金属キレート剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、着色剤、耐電防止剤、防腐剤、消泡剤、ぬれ性調整剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
また、本態様の粘着層の再剥離性を向上させるために、フッ素系樹脂等の樹脂を含んでいてもよい。
(vi)好ましい粘着剤組成物
本態様の粘着層を形成する粘着剤組成物としては、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤、および架橋剤を含むことが好ましいが、中でも、以下に示す特定の粘着剤組成物であることが好ましい。
すなわち、第1の粘着剤組成物としては、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤、および架橋剤を含み、上記アクリル系樹脂が、質量平均分子量が20万〜100万の範囲内であり、且つ、アクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られるものであり、上記重合開始剤は、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下であることが好ましい。
また、第2の粘着剤組成物としては、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤、および架橋剤を含み、上記アクリル系樹脂が、質量平均分子量が20万〜100万の範囲内であり、且つ、アクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られるものであり、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比が51:49〜100:0の範囲内であり、上記重合開始剤は、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下であることが好ましい。
粘着剤組成物を上記の特定のものとすることで、本態様の粘着層が、熱プレス工程における熱圧条件に十分に耐えうる高耐熱性や優れた低アウトガス性を示すことができる。このため、各層の積層位置のズレや剥離時の積層体側への糊残りの発生を抑制するだけでなく、熱プレス時に本態様の粘着層から発生したガスが積層体の層間に入りこむことによる積層不良や外観不良等の発生も防ぐことが可能となる。
(vii)調製方法
粘着剤組成物の調製方法としては、上述の微粘着性を示す粘着層を形成する粘着剤組成物の調製方法と同様とすることができる。
(b)その他
本態様の粘着層は、十分な粘着力が得られ、且つ、エネルギー線が内部まで透過することが可能な厚さであればよく、具体的には、3μm〜50μmの範囲内、中でも5μm〜30μmの範囲内が好ましい。
2.基材
上記基材としては、粘着層および複数の機能層からなる積層体を支持でき、熱プレス工程における熱圧条件に対して高耐熱性を示すものが好ましい。
基材が高耐熱性を示すとは、150℃から250℃の範囲内における上記基材の熱膨張係数が5ppm/℃〜50ppm/℃の範囲内であることをいい、中でも10ppm/℃〜30ppm/℃の範囲内であることが好ましい。
このような基材としては、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の無機基材、樹脂フィルム、エポキシガラス(ガラエポ)、光学用樹脂板等の樹脂基材等を挙げることができる。
上記基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。可撓性を有する基材を用いる場合は、例えば、基材の面方向に張力を掛けることで、粘着性基材全体の平面性を保持することが可能となる。これにより、機能層の積層に際し、機能層ごとの平面性も保持されるため、粘着性基材付き積層体全体として平面性を有することができる。
樹脂基材に用いられる樹脂としては、所望の耐熱性を示すものであれば特に限定されず、樹脂基材上に形成される粘着層の種類に応じて適宜選択することができる。
例えば、粘着層が第2態様である場合、上記樹脂としては、エネルギー線を透過するものが好ましい。粘着層の粘着力を低下させるのに十分なエネルギー線を、樹脂基材を介して照射可能となるからである。
中でも、耐熱性や強度を有すると共に、寸法安定性、エネルギー線透過性、剛性、伸長性、積層適性、耐薬品性にも優れる点から、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエステル系樹脂であることが好ましい。
樹脂基材は、1種の樹脂により構成された単層であってもよく、2種以上の樹脂基材が積層された多層体であってもよい。
基材は、粘着層との密着性を高めるため、コロナ処理やプライマー処理等の表面処理が施されていてもよい。
基材の厚さについては、特に限定されず、材質や可撓性の有無に応じて適宜選択することができる。
基材の形態としては特に限定されず、可撓性の有無に応じて、例えば板状、シート状、フィルム状、テープ状等が挙げられる。また、上記基材は、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。
基材は、透明性を有していてもよく有していなくてもよいが、粘着層が第2態様である場合は、上記基材は透明性を有することが好ましい。基材側から粘着力を低下させるのに十分なエネルギー線を照射することができるからである。
中でも、粘着層が第2態様である場合の上記基材は、波長400nm以下のエネルギー線を透過することが好ましい。粘着層に対して剥離性を発現させるに十分なエネルギー線を、基材を介して照射することができるからである。
基材が透明性を有する場合のエネルギー線の透過率については、エネルギー線の種類等に応じて適宜設定することができる。
3.粘着性基材の形成方法
本工程における粘着性基材は、粘着層の種類にもよるが、通常、基材の一方の面上に粘着剤組成物を塗布して形成することができる。粘着剤組成物の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば特開2014−234460号公報で開示される塗布方法を適用することができる。
基材上に第1態様の粘着層を形成する場合であれば、粘着剤組成物の種類に応じて粘着剤組成物の塗布後、加熱や光照射により硬化させる方法が用いられる。
第1態様の粘着剤組成物を用いて形成する場合、上記粘着剤組成物を塗布し、加熱により塗布層内のエポキシ熱硬化性樹脂を硬化させる。加熱温度は、例えば50℃〜150℃程度、好ましくは90℃〜120℃程度である。また、加熱時間は、加熱温度により適宜調整することができる。例えば、加熱温度が90℃〜150℃の範囲内であれば、加熱時間は1分〜240分の範囲内、好ましくは数分〜60分の範囲内とすることができる。また、加熱温度が50℃〜90℃の範囲内であれば、加熱時間は24時間〜168時間の範囲内、好ましくは48時間〜120時間の範囲内とすることができる。
また、第2態様の粘着剤組成物を用いて形成する場合、粘着剤組成物の塗布後、上記塗布層に光を照射して光硬化性樹脂を硬化させる。光照射の条件については、光硬化性樹脂の種類に応じて適宜設定される。第2態様の粘着剤組成物は架橋剤を含むことから、塗布層の乾燥に際し、層内にてアクリル系樹脂間で架橋が形成される。上記塗布層は加熱してもよい。アクリル系樹脂の架橋反応を促進させることができるからである。加熱温度については適宜設定することができる。
一方、基材上に第2態様の粘着層を形成する場合は、粘着剤組成物を塗布後、乾燥させる。塗布層の乾燥に際し、層内にてアクリル系樹脂間で架橋が形成される。乾燥条件等については特に限定されない。
B.積層工程
本発明における積層工程は、上記粘着性基材の上記粘着層上に複数の機能層を積層して、粘着性基材付き積層体を形成する工程である。
本工程において、粘着性基材上に積層される複数の機能層のうち、粘着層上に直に配置される機能層は、上記粘着層の粘着力により固定されるため、平面性を有することができる。また、他の機能層を積層する際の位置ズレの発生を防止することができる。これにより、熱プレス工程前の積層体の平面性を保持することができる。また、熱プレス時に粘着性基材に対する積層体の配置位置にズレが生じるのを防止することができる。
本工程において積層される機能層としては、積層体の用途等により適宜選択することができる。例えば、本発明により得られる積層体を多層プリント配線板として用いる場合であれば、上記機能層は、例えば、絶縁層、配線パターン層等となる。なお、各種機能層の材料や形成方法等は特に限定されず、従来公知の材料および形成方法を適用することができる。
粘着性基材付き積層体においては、熱プレス工程前の積層体の積層方向の少なくとも一方の面上に粘着性基材が配置されていればよいが、図2で例示するように熱プレス工程前の積層体10’の積層方向の両面上に粘着性基材20がそれぞれ配置されていてもよい。
積層体の積層方向の両面上に粘着性基材がそれぞれ配置されることで、積層体をより強固に固定することができる。また、通常、積層体を熱プレスする場合、熱プレス用の保護フィルムを介して行うところ、本工程において、熱プレス工程前の積層体が積層方向において対向する一対の粘着性基材により挟持されることで、一方の粘着性基材を熱プレス用の保護フィルムとして機能させることができる。
C.熱プレス工程
本発明における熱プレス工程は、上記粘着性基材付き積層体を加熱および加圧する工程である。
本工程における加熱温度、加圧力等の熱圧条件については、熱プレス前の積層体を構成する各機能層の層間密着性を向上させることが可能な条件であればよく、各機能層の材質等に応じて適宜設定することができる。
D.剥離工程
本発明における剥離工程は、上記粘着性基材付き積層体から上記粘着性基材を剥離する工程である。
剥離方法については、粘着性基材の粘着層と積層体との層間で剥離可能な方法であればよく、粘着層の組成等に応じて適宜選択することができる。第1態様の粘着層あれば、その微粘着性を利用して、積層体および粘着層の層間に力を加える方法が挙げられる。具体的には、粘着層を手や機械で剥離する方法、粘着性基材をエア等で吸着して剥離する方法、粘着層よりも粘着力の強い強粘着層を有する被転写体を貼合し、粘着層と強粘着層との粘着力の差を利用して、粘着性基材を剥離する方法等を用いることができる。
一方、第2態様の粘着層であれば、エネルギー線を照射することで、積層体を容易に剥離することが可能となる。エネルギー線の照射条件については、粘着力を低下させるのに十分なエネルギー線の照射が可能な条件であれば特に限定されず、例えば特開2012−031316号公報に記載の照射条件を適用することができる。
E.任意工程
本発明の積層体の製造方法は、上述した工程の他に、積層体の用途等に応じて任意工程を有していてもよい。以下、本発明において想定される任意工程について説明する。
1.裁断工程
本発明においては、上記熱プレス工程と上記剥離工程との間に、上記粘着性基材付き積層体を裁断する裁断工程を有していてもよい。
従来、熱プレス工程を経た積層体を裁断する場合、別途ダイシングテープを用いて支持層上に固定させた状態で裁断する必要がある。ここで、積層工程に際し、ダイシングテープを用いて熱プレス工程前の積層体を基材上に固定することも想定されるが、上記ダイシングテープは、通常、熱プレス工程における熱圧条件に耐え得る耐熱性を有さないため、積層体が粘着層上に十分に固定されず熱プレス工程時に位置ズレが生じる、粘着層の凝集が低下して剥離時に糊残りが生じる等の不具合が生じ、積層工程から裁断工程までの一連の工程を連続して行うことができないという問題がある。
これに対し、本発明によれば、粘着性基材の粘着層は、熱プレス工程における熱圧条件に耐え得る耐熱性を示し、また、積層体の固定に十分な粘着性を有することから、裁断工程においてダイシングテ―プとして機能することができる。さらに、本発明における粘着層は、剥離する際に積層体側に糊残りが生じにくいという特長を有する。これにより、積層工程から裁断工程を含めた剥離工程までの一連の工程を、単一の粘着性基材上に固定させた状態で連続して行うことができ、工程の簡略化を図ることができる。
図3は、本発明の積層体の製造方法の他の例の一部を示す工程図であり、図3(a)が熱プレス工程、図3(c)が裁断工程、図3(d)が剥離工程である。なお、図3において、準備工程、および積層工程については、図1(a)〜(b)と同様とすることができるため、図示を省略する。
積層体を裁断する場合、積層体のみを裁断してもよく、粘着性基材付き積層体全体を裁断してもよい。
積層体の裁断方法については、特に限定されず、積層体の材質等に応じて適宜選択することができる。
2.薬液処理工程
本発明においては、上記熱プレス工程と上記剥離工程との間に薬液処理工程を有していてもよい。
例えば、本発明を用いて多層配線基板用の積層体を製造する場合、熱プレス工程を経た積層体に対してスルーホールやビア等の貫通孔が形成され、上記貫通孔内に残存する金属や樹脂等の残渣(スミア)を除去するためのデスミア処理が施される。また、貫通孔の内壁上にめっき層を形成するために、めっき処理が施される。
しかし、これらの処理がウェットプロセスで行われる場合、使用される薬液により、積層体の最外層が侵食されて、侵食された機能層が異物となって積層体を汚染する等の不具合が生じる場合がある。
本発明によれば、熱プレス工程後の積層体に対し、粘着性基材に固定された状態で薬液処理を行うことで、上記粘着性基材は保護層として機能し、薬液による積層体への侵食や汚染を防止することができる。また、薬液処理後には、積層体側への糊残りの発生が抑制され、上記粘着性基材を容易に剥離することができることから、積層工程から薬液処理工程を含めた剥離工程までの一連の工程を、単一の粘着性基材上に固定させた状態で行うことができ、工程の簡略化を図ることができるからである。
本発明における薬液処理とは、例えば、ウェットプロセスで行われる処理をいう。具体的には、ウェットエッチングにより積層体に貫通孔を形成するエッチング処理、積層体に形成された貫通孔内のスミアを除去するためデスミア処理、貫通孔の内壁にめっき層を形成するめっき処理等が挙げられる。
薬液処理方法としては、粘着性基材が保護層として機能でき、薬液により積層体の最外層が侵食されるのを防ぐことが可能な方法であればよく、処理内容に応じて従来公知の方法を適用することができる。使用される薬液の種類については、処理内容に応じて適宜選択することができる。
また、本工程を行うにあたり、上記粘着性基材は、積層体の積層方向の表面(最外層)のうち、薬液処理から保護したい面(薬液非処理面)上に配置されていることが好ましい。積層体の最外層のうち、一方が薬液処理面であり他方が薬液非処理面である場合に、上記薬液非処理面上に粘着性基材が配置されていることで、上記薬液非処理面の汚染等を防ぎ、十分に保護することが可能となるからである。
また、積層体の積層方向の両面上にそれぞれ粘着性基材が配置されていてもよい。積層体が積層方向において対向する一対の粘着性基材で挟持されることで、積層体の両方の表面を薬液処理による汚染等から保護したい場合に、効率よく保護することができるからである。
3.位置決め工程
本発明においては、積層工程が、粘着性基板に対する積層体の平面視上の位置を決定する位置決め工程を含むことが好ましい。
粘着性基板に対する積層体の平面視上の位置決め精度が低いと、積層体を構成する各機能層の位置決め誤差に起因して、積層体上の所望の位置に印刷や部品等の配置を正確に行うことできない、上記積層体が多層配線基板等の電子部品用途で用いられる場合に上記積層体が有する端子間で導通する、等の不具合が生じる。
これに対し本発明では、積層工程において粘着性基板上に最下層の機能層が固定されることから、上記最下層の機能層に対する平面視上の位置を決定しながら他の機能層を積層することが可能である。
このように、粘着性基板に対する積層体の平面視上の位置を決定することで、粘着性基板に対する積層体の位置決め精度が向上するため、積層体内での導通を防ぎ、所望の位置に印刷や部品等の配置を正確に行うことが可能となる。
位置決めの方法としては、粘着性基板に対して各機能層および積層体の平面視上の位置を高精度に決定することが可能な方法であれば特に限定されない。例えば、粘着性基板上にアライメントマークを形成し、上記アライメントマークを基準に各機能層を配置し積層する方法等が用いられる。また、上記アライメントマークは、積層体上に印刷したり、部品等を配置する際の基準として用いることができる。
F.用途
本発明の積層体の製造方法は、熱プレス工程を経て積層体を製造する用途に広く用いることができる。中でも再剥離性および耐熱性を示す粘着層を有する粘着性基材を用いることで、製造工程の簡略化を図ることができ、また、製造過程における積層体の汚染を防止することができることから、電子部品に用いられる積層体の製造に用いることが好ましい。
また、本発明により得られる積層体は、例えば、多層チップアンテナ、多層コンデンサ、および、多層プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、ICパッケージ基板等のモジュー基板等として好適に用いることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(粘着剤組成物の調製)
モノマー単位として、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、および2−ヒドロキシエチルアクリレートを、それぞれ質量基準で50:40:0.5:9.5の割合で含むアクリル共重合体(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度:6℃)を用いた。
このアクリル共重合体の酢酸エチル溶液(粘着剤、固形分35質量%)に、イソシアネート系架橋剤(L45、綜研化学社製)を3重量部(粘着剤に対する固形分比)添加し、更にエネルギー線重合性オリゴマー(NKオリゴU−10PA(ウレタンアクリレートオリゴマー)、新中村化学製)10重量部および光開始剤(紫外線硬化樹脂に対して3%)をMEKを希釈溶剤として添加して、粘着剤組成物を得た。
(粘着性基板の作製)
基材として厚さ25μmのポリイミドフィルム(IF70、SKCコーロン社製)に、乾燥後厚さが10μmとなるように粘着剤組成物を塗工し、110℃で2分間乾燥して、微粘着性を示す粘着層を形成した。厚さ38μmのPETセパレーターフィルム(SP−PET−O1、三井東セロ社製)を上記粘着層上にラミネートし、波長365nmの紫外線を積算照射量が300mJ/cmとなるように照射した。その後、40℃で3日間養生し、PETセパレーターフィルムを剥がして、粘着性基材を得た。上記粘着性基材は、アウトガス発生量が2.5μg/cm、粘着層の初期粘着力が1N/25mmであった。
(積層工程〜剥離工程)
上記粘着性基材の粘着層上に銅箔を貼合し、200℃、3MPaで熱プレス処理を1時間実施後、上記銅箔から粘着性基材を剥離した。
[実施例2]
実施例1の粘着剤組成物に、さらに紫外線硬化性樹脂(502H、荒川化学社製)を10質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして各工程を行った。
[実施例3]
銅箔にかえてエポキシ樹脂板を用い、熱プレス処理の条件を180℃、2MPaで2時間としたこと以外は、実施例1と同様にして各工程を行った。
[実施例4]
銅箔にかえてエポキシ樹脂板を用い、熱プレス処理の条件を180℃、2MPaで2時間としたこと以外は、実施例2と同様にして各工程を行った。
[実施例5]
(粘着剤組成物の調製)
モノマー単位として、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、および2−ヒドロキシエチルアクリレートを、それぞれ質量基準で50:40:0.5:9.5の割合で含むアクリル共重合体樹脂(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度:6℃)を用いた。このアクリル共重合体樹脂の酢酸エチル溶液(固形分35質量%)を100重量部と、固体状エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:480g/eq.、質量平均分子量:900、商品名:JER1001、三菱化学社製)を14重量部と、硬化剤として2−メチル−4−エチルイミダゾール(商品名:キャアゾール2E4MZ、四国化成社製)を0.35重量部と、を、トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT−11、質量比1:1、DICグラフィクス社製)に溶解させ、ディスパーにて回転数500rpmで30分間撹拌した後、常温で気泡がなくなるまで放置することにより粘着剤組成物を得た。
(粘着性基材の作製)
上記の得られた粘着剤組成物を、片面にシリコーン剥離剤による易剥離処理が施された厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名:SP−PET−01、三井化学東セロ社製)の易剥離処理面上にアプリケータを用いて全面塗工した後、乾燥オーブンにより110℃で1分間乾燥し、厚さ10μmの微粘着性を示す粘着層を形成した。粘着層上に、厚さ25μmのポリイミドフィルム基材(商品名:カプトン100H、東レ・デュポン社製)をラミネートし、60℃で120時間養生後、ポリエステルフィルムを剥離することにより、粘着性基材を得た。上記粘着性基材は、アウトガス発生量が2.2μg/cm、粘着層の初期粘着力が0.30N/25mmであった。
(積層工程〜剥離工程)
上記粘着性基材の粘着層上に銅箔を貼合し、200℃、3MPaで熱プレス処理を1時間実施後、上記銅箔から粘着性基材を剥離した。
[実施例6]
(粘着剤組成物の調製)
アクリル系粘着剤(商品名:N−4498、アクリル系ポリマー+エネルギー線重合性オリゴマー、アクリル系ポリマーの質量平均分子量:約40万、エネルギー線重合性オリゴマー:ポリウレタンアクリレートオリゴマー、アクリル系ポリマーにおける水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比:30/1、固形分:40%、日本合成化学社製)100重量部に対して、重合開始剤(商品名:IRGACURE754、光ラジカル発生剤、固形分:100%,BASFジャパン社製)を1.4重量部、および架橋剤(商品名:コロネートL、イソシアネート系架橋剤、固形分:75%、日本ポリウレタン社製)を1.5重量部配合し、トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT11、質量比1:1、DICグラフィックス株式会社製)180重量部で希釈し、ディスパーにて回転数500rpmで30分間撹拌した後、常温で気泡がなくなるまで放置することにより粘着剤組成物を得た。
(粘着性基材の作製)
得られた粘着剤組成物を、片面にシリコーン系剥離剤による易剥離処理が施された厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名:SP−PET−01、三井化学東セロ社製)の易剥離処理面上にアプリケータを用いて全面塗工した後、乾燥オーブンにより100℃で2分間乾燥し、厚さ10μmの粘着層を形成した。上記粘着層は、エネルギー線照射により剥離する粘着層であった。形成した粘着層の面に、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルム基材(商品名:ルミラーS56、加熱収縮率(JIS C2151準拠,150℃×30min):MDが0.5%、TDが0.3%、膜厚:50μm、東レ社製)をラミネートし、40℃で72時間養生し、易剥離処理が施されたポリエステルフィルムを剥離することにより、アウトガス発生量が10μg/cm、初期粘着力が0.40N/25mm、粘着層中の重合開始剤の重量減少率が12%である粘着性基材を得た。
(積層工程〜剥離工程)
上記粘着性基材の粘着層上に銅箔を貼合し、200℃、3MPaで熱プレス処理を1時間実施後、上記粘着性基材側からフュージョン社製のH・バルブランプを光源とする紫外線を照射(積算光量500mJ/cm)して、上記銅箔から上記粘着性基材を剥離した。
[比較例]
実施例1の粘着剤組成物から紫外線硬化性樹脂および開始剤を除いたこと以外は、実施例1と同様にして各工程を行った。
[評価]
実施例1〜6および比較例について、粘着性基材を剥離した後の銅箔またはエポキシ樹脂板の、粘着層と接触していた面上の糊残り(幅1mm以上)の有無を、光学顕微鏡(VHX−600、キーエンス社製、倍率200)にて確認した。
比較例では、銅箔の表面に糊残りが見られたが、実施例1〜6では、比較例よりも剥離面に糊残りがないことが確認された。以上より、本発明は剥離面の糊残りによる汚染を抑制することが可能であることが示唆された。
1a、1b、1c … 機能層
10 … 積層体(熱プレス後)
10’ … 積層体(熱プレス前)
11 … 耐熱基材
12 … 粘着層
20 … 粘着性基材
30 … 粘着性基材付き積層体

Claims (5)

  1. 基材および前記基材の一方の面上に形成された粘着層を有する粘着性基材を準備する準備工程と、
    前記粘着性基材の前記粘着層上に複数の機能層を積層して、粘着性基材付き積層体を形成する積層工程と、
    前記粘着性基材付き積層体を加熱および加圧する熱プレス工程と、
    前記粘着性基材付き積層体から前記粘着性基材を剥離する剥離工程と、
    を有することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 前記粘着層が、微粘着性を示すことを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記粘着層が、エネルギー線照射により剥離することを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記熱プレス工程と前記剥離工程との間に、前記粘着性基材付き積層体を裁断する裁断工程を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の積層体の製造方法。
  5. 前記熱プレス工程と前記剥離工程との間に薬液処理工程を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の積層体の製造方法。
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