JP2017033969A - 半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好な劈開面を得ることができ、また、得られる半導体レーザ素子のFFPのリップルを低減することができる半導体レーザ素子の製造方法を提供する。【解決手段】 基板の上に活性層を有する半導体積層体が形成されたウェハを準備する工程と、半導体積層体に、X方向に延伸するリッジと、リッジから離間し、X方向と交差するY方向に延伸する複数の第1凹部と、第1凹部よりもリッジに接近して配置される複数の第2凹部と、を形成する工程と、ウェハを、複数の第1凹部に沿って劈開することで光出射面を形成する劈開工程と、を備える半導体レーザ素子の製造方法であって、第2凹部は、光出射面の近傍に位置するように形成し、第2凹部のY方向の長さをL、第2凹部の、Y方向における座標であるY座標が第1凹部と一致する部分のY方向の長さをLa(0<La)としたときに、La<(L−La)の関係を満たす。【選択図】図2A

Description

本発明は、半導体レーザ素子の製造方法に関する。
半導体レーザ素子の製造方法としては、半導体層に劈開を補助する溝を形成し、その溝に沿ってウエハを劈開する手法がある(例えば、特許文献1、2)。また、半導体レーザ素子の遠視野像(Far Field Pattern:FFP)におけるリップルの発生を抑制するために、半導体レーザ素子の光導波路領域の両脇に溝を設けた構造がある(例えば、特許文献3)。このような溝は、半導体レーザ素子の内部の迷光を反射ないしは散乱することで、水平方向(半導体層の面方向)のFFPのリップルを低減している。
特開2009−200478号公報 特開2011−211244号公報 特開2010−003806号公報
しかしながら、さらなる歩留り向上ためには未だ改善の余地がある。例えば、劈開を補助する溝を用いて劈開を行う場合、溝の終端同士を結ぶ線に沿って割れやすくなるものの、溝には幅があるため、溝の終端同士を結ぶ線が劈開面と一致するとは限らない。したがって、劈開面以外の方向にクラックが生じたり、劈開面からずれた方向で割断される虞がある。また、リップル低減用の溝は劈開位置の近くに設けるため、劈開の際に悪影響を及ぼし、形成する位置によっては、安定した劈開端面が得られにくくなる。
本開示は、以下の発明を含む。
基板の上に活性層を有する半導体積層体が形成されたウェハを準備する工程と、
前記半導体積層体に、X方向に延伸するリッジと、前記リッジから離間し、前記X方向と交差するY方向に延伸する複数の第1凹部と、前記第1凹部よりも前記リッジに接近して配置される複数の第2凹部と、を形成する工程と、
前記ウェハを、複数の前記第1凹部に沿って劈開することで光出射面を形成する劈開工程と、
を備える半導体レーザ素子の製造方法であって、
前記第2凹部は、前記光出射面の近傍に位置するように形成し、
前記第2凹部の前記Y方向の長さをL、前記第2凹部の、前記Y方向における座標であるY座標が前記第1凹部と一致する部分の前記Y方向の長さをL(0<L)としたときに、L<(L−L)の関係を満たす半導体レーザ素子の製造方法。
上記の製造方法によれば、良好な劈開面を得ることができ、また、得られる半導体レーザ素子のFFPのリップルを低減することができる。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を説明する模式的な平面図である。 図1Bは、図1AのA−A線における断面図である。 図2Aは、本発明の一実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を説明する模式的な平面図である。 図2Bは、図2AのB−B線における断面図である。 図2Cは、図2AのC−C線における断面図である。 図3Aは、本発明の一実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を説明する模式的な平面図である。 図3Bは、図3AのD−D線における断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を説明する模式的な平面図である。 図5Aは、本発明の一実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を説明する模式的な平面図である。 図5Bは、図5AのE−E線における断面図である。 図6は、実施例及び比較例の半導体レーザ素子群における水平方向のFFP光軸ずれ角度のばらつきを示すグラフである。 図7は、実施例及び比較例の半導体レーザ素子群における垂直方向のFFP光軸ずれ角度のばらつきを示すグラフである。
以下、本件発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための方法を例示するものであって、本発明を以下の実施形態に特定するものではない。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
図1Aから図5Bは本実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を説明する模式図である。図1A、図2A、図3A、図4、図5Aはウェハの上面図である。なお、図2A及び図3Aは図1Aと同様にウェハ1の一部を拡大した図である。図1Bは図1AのA−A線における断面図である。図2Bは図2AのB−B線における断面図であり、図2Cは図2AのC−C線における断面図である。図3Bは図3AのD−D線における断面図である。図5Bは図5AのE−E線における断面図である。
図1Aから図5Bに示すように、本実施形態に係る半導体レーザ素子100の製造方法は、基板10の上に活性層22を有する半導体積層体20が形成されたウェハ1を準備する工程と、半導体積層体20に、X方向に延伸するリッジ20aと、リッジ20aから離間し、X方向と交差するY方向に延伸する複数の第1凹部31と、第1凹部31よりもリッジ20aに接近して配置される複数の第2凹部32と、を形成する工程と、ウェハ1を、複数の第1凹部31に沿って劈開することで光出射面71を形成する劈開工程と、を備える。第2凹部32は、光出射面71の近傍に位置するように形成する。第2凹部32のY方向の長さをL、第2凹部32の、Y方向における座標であるY座標が第1凹部31と一致する部分のY方向の長さをL(0<L)としたときに、L<(L−L)の関係を満たす。以下、詳細に説明する。
(第1工程)
まず、図1A及び図1Bに示すように、ウェハ1を準備する。ウェハ1は、基板10と、基板10の上に形成された半導体積層体20を有する。半導体積層体20は、少なくとも活性層22を有し、例えば基板10側からn側半導体層21、活性層22、p側半導体層23の順に形成されている。後述する工程でウェハ1を劈開するため、基板10には劈開性を有する材料を用いることが好ましい。劈開性を有する基板としては、例えばGaN等の窒化物半導体基板など、半導体積層体20と同様の結晶構造を有するものを用いることができる。n側半導体層21、活性層22、p側半導体層23は例えばGaN、InGaN、AlGaN等の窒化物半導体を用いて形成される。n側半導体層21はn型半導体層を含み、アンドープの層を含んでもよい。p側半導体層23はp型半導体層を含み、アンドープの層を含んでもよい。活性層22は、多重量子井戸構造または単一量子井戸構造とすることができる。半導体積層体20は、例えば、基板10側から順に、n側クラッド層、n側光ガイド層、活性層22、p側電子閉じ込め層、p側光ガイド層、p側クラッド層、p側コンタクト層を有する。
(第2工程)
次に、図2A〜図2Cに示すように、半導体積層体20に、X方向に延伸するリッジ20aと、第1凹部31と、第2凹部32と、を形成する。ここで、リッジ20aは、後にリッジとなる部分を残してp側半導体層23の一部をウェハ1の上方から除去することにより得ることができる。また、第1凹部31と第2凹部32とはそれぞれ、後に第1凹部と第2凹部となる部分以外を残して、ウェハ1の上方からp側半導体層23、活性層22、一部のn側半導体層21を除去することにより得ることができる。
ウェハ1を上方から見た場合、第1凹部31と第2凹部32はリッジ20aから離間して形成され、第1凹部31はX方向と交差するY方向に延伸しており、第2凹部32は第1凹部31よりもリッジ20aに接近して配置される。後述するように第1凹部31をガイドとして劈開するため、第1凹部31は劈開予定位置に形成される。第2凹部32は、後に得られる半導体レーザ素子それぞれの光出射面の近傍に位置するように形成する。なお、後述するようにウェハ1を劈開方向と垂直な方向に分割して個片化することができるが、ウェハ1における分割する位置に第3凹部33を形成してもよい。第3凹部33はリッジ20aと平行な方向に伸びる線状の凹部である。
第2凹部32のY方向の長さをL、第2凹部32のY座標が第1凹部31と一致する部分のY方向の長さをL(0<L)としたときに、L<(L−L)の関係を満たす。すなわち、第2凹部32のY座標が第1凹部31と一致する部分の長さ(Y方向に垂直をなす方向において第2凹部32が第1凹部31と重複する部分の長さ)は、第2凹部32の長さの半分以下であることが好ましい。
第1凹部31のリッジ20aからの離間距離は第2凹部32のリッジ20aからの離間距離よりも大きい。したがって、劈開に用いる第1凹部31を第2凹部32との重なりが小さくなるように配置することで、リッジ20aを挟んだ2つの第1凹部31間の距離を大きくできる。これにより、ウェハ1を構成する結晶の劈開面(典型的には基板10の劈開面)に沿って割断しやすくなる。これは、第1凹部31には一定の幅があるため、実際に割れる面が必ずしも劈開面と一致するとは限らないからである。そこで、リッジ20aを挟んで隣り合う第1凹部31同士を離すことにより、実際に割れる面と劈開面とのずれを小さくできる。加えて、第2凹部32は第1凹部31とY座標が一致する部分があると劈開の際に悪影響を及ぼし、劈開端面に段差が生じたり、第1凹部31と第2凹部32の間にクラックが発生することがある。L<(L−L)とすることで、これを抑制することができる。このように劈開面に段差を伴う異常が発生しにくくなり、平坦な劈開端面を得ることが可能となることで、垂直方向の光軸ずれを低減することができ、また、発光効率を向上させることができる。また、上面視においてリッジ20aに対して安定して略垂直に割れることにより、水平方向のFFPの光軸ずれを小さくすることができる。
具体的には、リッジ20aを挟んでY方向に隣り合う第1凹部31間の距離Dは、第1凹部31の長さLよりも大きいことが好ましい。さらには、距離Dは、第1凹部31の長さLの2倍よりも大きいことが好ましい。第1凹部31に劈開のガイドの役目を持たせるために、1つの半導体レーザ素子となる領域に第1凹部31が一方向において少なくとも1つ、好ましくは2つが含まれるように距離Dを設定することが好ましい。この場合、距離Dの上限は、1つの半導体レーザ素子のY方向の長さよりも小さい程度とすることができる。また、距離Dは、130μm以上であることが好ましい。また、第1凹部31のY方向の長さLは、第2凹部のY方向の長さLより小さいことが好ましい。長さLは例えば2μm以上とすることができる。第1凹部31は溝状であり、その平面視形状は、Y方向に延伸した形状であることが好ましい。このような形状としては、例えばY方向に沿った辺を長辺とする長方形が挙げられる。第1凹部31の幅(X方向の長さ)は、例えば0.5μm〜2μm程度である。第1凹部31のリッジ20aから遠い側の終端が、半導体レーザ素子の側面(上面視においてはY方向に延伸する辺)となる部分に位置していることが好ましい。図2Aに示すように第3凹部33を設ける場合は、第1凹部31と第3凹部33が連結されていることが好ましい。このようにすれば、距離Dを大きくしやすい。また、このとき、第3凹部33を挟んで隣り合う2つの第1凹部31の一端から他端までの長さ(図2Aに示す例においては第1凹部の長さLの2倍に第3凹部33の幅を加えたもの)が、第2凹部32の長さLより小さくなる程度に距離Dを大きくすることが好ましい。なお、Y方向はX方向に対して略垂直な方向であることが好ましい。
また、第1凹部31間の距離を大きくすることで第1凹部31がリッジ20aから遠ざかり、リップル低減用の溝と光出射面の間に凹部が存在しない隙間が生じると、水平方向のFFPにリップルが発生することが確認された。これは、凹部が存在しない隙間から漏れ出た迷光によるものと考えられる。このため、第2凹部32は、Y座標が第1凹部31と一致する部分の長さLが0<Lであることが好ましい。これにより、半導体レーザ素子の光導波路領域(リッジ20a)からの光の漏出を第1凹部31と第2凹部32の両方によって抑制することができるので、リップルを低減することができる。
長さLを0より大きくすることで、光の漏出をより確実に抑制することができる。一方で、長さLが大きくなると劈開端面に段差やずれが生じやすくなるため、第2凹部32の長さL(L)と長さLは、L<(L−L)の関係を満たすことが好ましい。また、長さLは10μm以下であることが好ましい。長さLの長さLに対する比率は14%以下であることが好ましい。
FFPのリップルを効果的に低減するためには、第2凹部32を光出射面の近傍に配置することが望ましい。したがって、第1凹部31と第2凹部32の距離(X方向の最短距離)は、30μm以下が好ましく、さらには10μm以下が好ましい。第1凹部31と第2凹部32の距離は例えば0.5μm以上とすることができる。図2Aに示すように、第2凹部32は、リッジ20aから遠い側の終端部がそれ以外の部分と比較して第1凹部31から遠くに位置するような形状としてもよい。第2凹部32は第1凹部31との距離が近いほど劈開端面に影響を及ぼしやすいが、このような形状とすることで劈開端面への影響を小さくすることができる。また、第2凹部32のリッジ20aから遠い側の終端は、半導体レーザ素子の側面(上面視においてはY方向に延伸する辺)となる部分に位置していてもよい。図2Aに示すように第3凹部33を設ける場合は、第2凹部32と第3凹部33が連結されていてもよい。
また、より効果的にリップルを低減するために、第2凹部32はリッジ20aの近傍に設けることが好ましい。第2凹部32とリッジ20aの最短距離は、15μm以下、より好ましくは10μm以下、より一層好ましくは2μm以下であることが望ましい。第2凹部32はリッジ20aと接していてもよいが、第2凹部32とリッジ20aの距離は、例えば0.5μm以上とすることができる。第2凹部32の幅は、例えば0.5μm〜2μm程度である。
第2凹部32の平面視形状は、光導波路領域から漏れて半導体レーザ素子内を導波している光をレーザ素子の主ビームと異なる方向に散乱/屈折しやすい形状が好ましい。具体的には、接線の方向が連続的に変化する円形や楕円形であるか、または光出射面に対して傾斜した構成辺を有する形状であることが好ましい。第2凹部32は、迷光の漏出を抑制しやすいように、連続した溝であることが好ましい。第2凹部32は、例えば、図2Aに示すように、その平面視形状が波線状である溝として形成することができる。このような波線状の溝である場合は、第1凹部31に最接近する角部の頂点と第1凹部31との間でクラックが発生しやすい。したがって、このような角部は、第1凹部31とY座標が一致する部分に設ける数を抑えることが好ましい。例えば図2Aに示すように2以下とする。また、第2凹部32は、リッジ20aに対して線対称な形状及び配置とすることができる。第2凹部32は、光出射面の近傍だけでなく、光反射面の近傍に設けてもよい。
第2凹部32の深さは、光導波路から漏れ出た光を散乱できるような程度であることが好ましい。第1凹部31も同様の深さが好ましい。第1凹部31と第2凹部32は、例えば、p側半導体層23と活性層22の一部とを除去してn側半導体層21を露出させることにより形成することができる。第2凹部32は、その底面が少なくともn側半導体層21に達する深さとすることで、活性層22から横方向に漏れた光を効果的に散乱することができる。特に、分離光閉込型(SCH型)の半導体レーザ素子の場合は、第2凹部32の底面がn側光ガイド層の下面よりも下方に到達していることが好ましい。第2凹部32の深さは、第2凹部32が基板10に達しない程度が好ましい。第2凹部32の深さは、例えば0.5μm〜10μm程度とすることができ、さらには1μm〜5μm程度とすることができる。
第2凹部32は、パターニングされたマスクを用いてエッチングにより形成することが好ましい。具体的には、第2凹部32を形成する位置が開口したマスクを半導体積層体20の上に形成し、ドライエッチング等のエッチングを行うことができる。第1凹部31も同様であり、これによって、レーザ加工により溝を形成する場合と比較して、より精度よく凹部を形成することができる。
リッジ20aは、例えばp側半導体層23の一部を除去して形成される。例えば、p側コンタクト層およびp側クラッド層の一部がリッジ状の部分を残してエッチング除去されることにより、光導波路形成用のリッジ20aを形成する。リッジ20aの幅は1μm〜100μm程度とすることができ、例えば1μm〜3μm程度とすることができる。リッジ20aの高さ(エッチング等で除去する深さ)は、例えば、0.1μm〜2μmが挙げられる。リッジ20aの共振器方向の長さ(X方向の長さ)は、100μm〜2000μm程度になるように設定することが好ましい。
リッジ20a、第1凹部31、第2凹部32の形成順序は問わないが、第1凹部31及び第2凹部32を一括で形成すれば工程の増加を抑制することができる。この場合、第1凹部31及び第2凹部32は同じ深さとなる。
後述する劈開工程を行う前に、半導体レーザ素子に必要な各部材を適宜形成してよい。例えば、図3Aおよび図3Bに示すように、絶縁膜40、p電極51、パッド電極52、n電極60、などを形成することができる。なお、図3Aにおいて各部材は絶縁膜40を透過した状態で示す。絶縁膜40は、例えばリッジ20aの上面を除く半導体積層体20の表面のほぼすべてに形成することができる。絶縁膜40は、第1凹部31及び第2凹部32の内部に形成してもよいが、第1凹部31及び第2凹部32を除く領域に形成してもよい。第1凹部31及び第2凹部32の内部には電極が形成されていないことが好ましい。p電極51は、例えばリッジ20aの絶縁膜40から露出した表面に接触するように形成することができる。p電極51の上にはパッド電極52を形成することができる。基板10の裏面にはn電極60を形成することができる。なお、本実施形態は基板10をn型半導体として説明したが、これに限るものではない。
(第3工程;劈開工程)
次に、図4に示すように、ウェハ1を、複数の第1凹部31に沿って劈開することで光出射面71を形成する。ウェハ1は例えばバー状の小片に劈開される。光出射面71の反対側の面は光反射面72である。
劈開は、例えば、第1凹部31内やウェハの端などに劈開面に沿った溝(例:レーザ照射により形成する溝)を形成し、基板10の下面に押圧部材を押し当てて圧力をかけることにより行う。押圧部材にはブレード(刃)やローラーなどを用いることができる。光出射面71や光反射面72には、誘電体多層膜等のミラーを形成することができる。
(第4工程;個片化工程)
次に、図5A及び図5Bに示すように、劈開により得られたウェハの小片を劈開面と略垂直な方向(リッジ20aの延伸方向と略平行な方向)に分割し、個々の半導体レーザ素子100へと個片化する。このような分割はたとえばレーザスクライブやカッタースクライブを行いウェハの小片をブレイクすることにより行う。なお、第3工程と第4工程の順番は入れ替えることも可能である。すなわち、リッジ20aの延伸方向と略平行な方向に分割した後に劈開を行うこともできる。ミラーを形成する場合には、バー状の小片の状態で形成することが好ましい。したがって、劈開工程においてウェハ1を劈開してバー状の小片を得て、その後、小片をX方向に分離する個片化工程をさらに備えることが好ましい。
以上説明した実施形態に係る製造方法によれば、劈開に用いる第1凹部31を、第2凹部32との重なりが小さくなる程度にリッジ20aから離して設けるため、ウェハ1を構成する結晶の劈開面に沿って割断されやすく、良好な劈開面を得ることができる。また、第2凹部32によって半導体レーザ素子100の内部の迷光が外部に取り出されることを抑制できるため、得られる半導体レーザ素子100のFFPのリップルを低減することができる。
実施例の半導体レーザ素子として、以下のとおりに作製した。
まず、ウェハを準備する。ウェハは、n型GaN基板を有し、その上に、n側GaN系半導体層と、活性層と、p側GaN系半導体層が順に積層されている。
次に、リッジと、第1凹部と、第2凹部と、を形成する。第2凹部は、図2Aに示すように、波線状であり、リッジの延伸方向をX方向としたときにY方向の座標であるY座標が第1凹部と部分的に一致するように配置している。第1凹部の長さは10μmであり、第2凹部の長さは72μmである。第2凹部の第1凹部とY座標が一致する部分の長さは10μmであり、すなわち第2凹部全体の長さの約14%を占める。第1凹部と第2凹部の最短距離は0.5μmである。また、第1凹部間の距離は130μmである。
次に、ウェハを、第1凹部に沿って劈開する。劈開によって得られた劈開端面のうち、第2凹部が設けられている側が光出射面となり、その反対側が光反射面となる。その後、劈開面と略垂直な方向に割断し、個片化された半導体レーザ素子を得る。
また、比較例として、第1凹部の長さを60μm、第1凹部間の距離を10μmとし、第2凹部の長さを27μm、第2凹部の第1凹部とY座標が一致する長さを25μmとした以外は実施例と同様である半導体レーザ素子を作製した。
以上によって得られた実施例及び比較例の半導体レーザ素子の特性を図6及び図7に示す。図6及び図7は、1つのウェハから得られた複数の半導体レーザ素子についてそれぞれFFPを測定し、縦軸をFFPにおける光軸ずれ角度、横軸を累積分布確率としてプロットしたものである。すなわち、図6及び図7からは、1つのウェハから得られる複数の半導体レーザ素子についての光軸ずれ角度のばらつき度合を読み取ることができる。図6は水平方向のFFPにおける光軸ずれ角度を、図7は垂直方向のFFPにおける光軸ずれ角度を示す。図6及び図7において、実施例の半導体レーザ素子群を黒色の丸で示し、比較例の半導体レーザ素子群を灰色の三角で示す。
図6に示すように、水平方向の光軸ずれについて、実施例の半導体レーザ素子群は、比較例の半導体レーザ素子群よりも0°に近いものが多く存在している。これは、リッジの延伸方向に対して垂直により近い角度で劈開できたためと考えられる。各半導体レーザ素子群から複数個抜き取り、リッジに対する光出射面の角度を測定したところ、比較例の半導体レーザ素子は85°〜87°の間でばらついていたが、実施例の半導体レーザ素子は89°〜90°の間に収まっていることが確認できた。
また、図7において、それぞれの半導体レーザ素子群について近似線を引き、その傾きと切片を求めた。実施例の半導体レーザ素子群は、傾きが0.40、切片が+0.34であり、比較例の半導体レーザ素子群は、傾きが0.61、切片が−0.23であった。実施例の半導体レーザ素子群は、比較例の半導体レーザ素子群よりもばらつきが小さいことがわかる。垂直方向のFFPにおける光軸ずれ角度は、劈開端面に段差等が生じることでばらつきが大きくなる。したがって、実施例の製造方法を用いることで、劈開端面における段差等の発生が抑制でき、その結果、垂直方向のFFPにおける光軸ずれのばらつきが小さくできたものと考えられる。
1 ウェハ
10 基板
20 半導体積層体
20a リッジ
21 n側半導体層
22 活性層
23 p側半導体層
31 第1凹部
32 第2凹部
33 第3凹部
40 絶縁膜
51 p電極
52 パッド電極
60 n電極
71 光出射面
72 光反射面
100 半導体レーザ素子

Claims (6)

  1. 基板の上に活性層を有する半導体積層体が形成されたウェハを準備する工程と、
    前記半導体積層体に、X方向に延伸するリッジと、前記リッジから離間し、前記X方向と交差するY方向に延伸する複数の第1凹部と、前記第1凹部よりも前記リッジに接近して配置される複数の第2凹部と、を形成する工程と、
    前記ウェハを、複数の前記第1凹部に沿って劈開することで光出射面を形成する劈開工程と、
    を備える半導体レーザ素子の製造方法であって、
    前記第2凹部は、前記光出射面の近傍に位置するように形成し、
    前記第2凹部の前記Y方向の長さをL、前記第2凹部の、前記Y方向における座標であるY座標が前記第1凹部と一致する部分の前記Y方向の長さをL(0<L)としたときに、L<(L−L)の関係を満たす半導体レーザ素子の製造方法。
  2. 前記リッジを挟んで前記Y方向に隣り合う前記第1凹部間の距離は、前記第1凹部の長さよりも大きい請求項1に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  3. 前記リッジを挟んで前記Y方向に隣り合う前記第1凹部間の距離は、130μm以上である請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 前記長さLは、10μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  5. 前記劈開工程において前記ウェハを劈開してバー状の小片を得て、その後、前記小片を前記X方向に分離する個片化工程をさらに備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  6. 前記第1凹部の前記Y方向の長さは、前記第2凹部の前記Y方向の長さより小さい請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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