JP2008305957A - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠視野像をガウシアン形状にできる半導体レーザ素子の提供。
【解決手段】n型のGaAs基板と、GaAs基板の第1の面に順次形成されるn型のクラッド層、n型の下ガイド層、活性層、p型の上ガイド層、p型の第1クラッド層、p型のエッチングストッパ層、p型の第2クラッド層及びp型のコンタクト層と、コンタクト層及び第2クラッド層に設けられ底面がエッチングストッパ層となる平行に延在する2本の溝とを有し、溝間にはメサ第2クラッド層及びメサコンタクト層によってメサが形成されている。溝間のメサコンタクト層の幅aはメサ第2クラッド層の幅(メサ幅W)よりも小さく、かつメサコンタクト層の縁の外側には所定長さ(b)に亘ってメサ第2クラッド層の上面が露出している。メサコンタクト層の側面から溝及び溝の外側に位置するコンタクト層上に掛けて絶縁膜が設けられている。メサコンタクト層の上面及び絶縁膜に掛けてp電極が形成され、GaAs基板の第2の面にはn電極が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は半導体レーザ素子及びその製造方法に係わり、特に、レーザ光の遠視野像がガウシアン形状となる半導体レーザ素子及びその製造方法に関する。
半導体レーザ素子において、キンクレベル改善、動作電流低減を図るため、電流狭窄制御と発振光の横モードの光閉じ込め制御をそれぞれ独立に制御している(例えば、特許文献1,2)。
特許文献1の半導体レーザは、ゲインガイド型の半導体レーザであり、活性層上に形成されるクラッド層の中央のストライプ状部分を除いてイオン注入がなされてクラッド層とは異なる導電型の電流狭窄層が形成されている。電流狭窄層に挟まれる前記ストライプ状部分が、電流注入部となる。この電流注入部は注入領域が異なる2回のイオン注入によって形成され、前記電流注入部は活性層に近い基部の幅に比較してクラッド層の上のキャップ層側に近い頂部の幅は狭くなっている。
特許文献2の半導体レーザは、発振光であるレーザ光の横モード制御及び電流狭窄のためにクラッド層にリッジ構造を形成した半導体レーザである。この半導体レーザは、電流狭窄幅と光閉込め幅とを各々独立に制御することによって、光閉込めの範囲内に電流狭窄を行う構造になっている。即ち、この半導体レーザは、クラッド層にリッジ構造が形成された半導体レーザにおいて、前記リッジ構造が、比較的幅の狭い第1リッジ部と、この第1リッジ部よりも活性層に近い側に形成され、該第1リッジ部とは幅が不連続でそれよりも広い幅とされた第2リッジ部とからなっている。
特開2001−320129号公報。
特開平11−354882号公報。
630nm帯のAlGaInP赤色半導体レーザ(レーザダイオード:LD)は、その視認性が良いという特徴を生かして、レベラ、ポインタ等の表示デバイスの光源として使用されている。このような用途に使用する場合には、可搬性が高いことが必須条件となるため、電池駆動によって動作させることが主であり、長時間の動作が可能となるようにできるだけ消費電力の小さい半導体レーザ(半導体レーザ素子)が必要とされている。また、レーザ光のビーム(レーザビーム)の質も重要な要素となっている。
人間の目は非常に感度が高く、目視確認を前提としたアプリケーションではビーム強度分布への要求が厳しく、ピーク強度の1%程度の部分までガウシアン形状であることが求められる。
しかし、実際の半導体レーザではホールバーニングにより、遠視野像(FFP:Far Field Pattern)の形状が完全なガウシアン形状とはならず、アプリケーションでの要求を満足することはきわめて難しい。即ち、遠視野像が完全なガウシアン形状とならない場合、投影画像が乱れ、例えば、レベラーの場合は水平な1本の線とならず、また、ポインタの場合には投影画像が歪む等の不具合が生じる。
表示デバイス用光源として使用される半導体レーザ素子は、キンクレベル改善、動作電流低減を図るため、一般にリッジ構造の半導体レーザ素子が使用される。
図14は本発明に先立って検討したリッジ構造の630nm帯赤色半導体レーザ(半導体レーザ素子)の模式的断面図である。また、図15は図14の一部の拡大断面図である。
半導体レーザ素子70は、図14に示すように、100μm程度の厚さのn型のGaAsからなる半導体基板71を基にして製造されている。半導体基板71の第1の面(図14では上面)には、n型のAlGaInPからなるn型クラッド層72、多重量子井戸構造(MQW)からなる活性層73、p型のAlGaInPからなるp型第1クラッド層74、p型のAlGaInPからなるp型第2クラッド層75及びp型のGaAsからなるコンタクト層76が設けられている。
半導体基板71の主面側には2本の溝77が平行に設けられている。この溝77はコンタクト層76の表面からp型第2クラッド層75の途中深さまで設けられている。この2本の溝77によって挟まれるストライプ状の突出部分はメサ(リッジ)78となる。また、メサ78の側面から溝77及び溝77の外側のコンタクト層76部分(フィールド部)に亘って絶縁膜79が設けられている。この結果、メサ78の上面、即ち、コンタクト層76の上面が絶縁膜79から露出することになる。そして、露出するコンタクト層76上にはアノード電極(p型電極)80が重ねて設けられている。このp型電極80は溝77を越えてフィールド部上にまで延在している。さらに、半導体基板71の第1の面の反対面となる第2の面(図14では下面)にはカソード電極(n型電極)81が重ねて形成されている。
このような半導体レーザ素子70においては、一対の電極であるp型電極80とn型電極81間に所定の電圧を印加することによって、メサ78に対応する活性層73部分が共振器となり、共振器の端面からレーザ光を出射するようになる。なお、図15に示すWはメサ幅である。
図16は、半導体レーザ素子70がレーザ発振した状態におけるメサ部分のキャリア密度及び光子密度の分布を示すグラフである。グラフは下から上に向かって1段目〜4段目と4グラフ表示してある。
最上段のグラフ(4段目のグラフ)は、レーザ発振していない状態から閾値(電流を増加させていったとき、レーザ発振が始まる電流値)でのレーザ発振までの間のキャリア密度の分布を示すグラフであり、メサ幅W全域においてキャリア密度はほぼ一定である。閾値以下の電流では光出力が小さいために、誘導放出によるキャリア減少の影響が小さいため、メサ幅全域においてキャリア密度はほぼ一定となる。
下から3段目となる3段目のグラフは、駆動電流が閾値近傍での光子密度分布を示すグラフである。光子密度分布はガウシアン形状となっている。
下から2段目となる2段目のグラフは出力増加時のキャリア密度分布を示すグラである。レーザ発振後はメサ幅Wの中央部分で光子密度が高く、誘導放出によるキャリア消費が多いため、メサ幅Wの中央部分のキャリア密度が減少し、キャリア密度分布は単峰形状とはならず双頭形状となる。
最下段となる1段目のグラフは出力増加時の光子密度分布を示すグラである。このグラフは2段目のグラフに対応するものである。即ち、メサ幅Wの中央部分では、キャリア密度減少により、利得も減少するため、光子密度も減少し、光子密度分布は中央がへこんだ形になる。
以上のように、図14に示すような半導体レーザ素子70では、レーザ発振時、メサ幅の中央部分では光子密度が高いためキャリアが減少し、メサの両脇部分は中央に比べてキャリア密度が高くなるため、利得が大きくなり遠視野像にサイドピークが現れる。
メサ幅Wを小さくすれば、出力増加時の光子密度分布を均一にでき、かつキャリア密度分布をガウシアン形状にすることができるが、抵抗が高くなるためWを小さくすることはできず、メサ幅Wは一般には3〜5μm程度が採用される。
図17(a),(b)は遠視野像(FFP)及び近視野像(NFP:Near Field Pattern)がガウシアン形状を示さない二つの不良半導体レーザ素子の例を示すグラフである。グラフは1段目がNFPを示すグラフである。3段目のグラフはリニア表示のFFPを示すグラフであり、2段目のグラフはLog表示のFFPを示すグラフである。二つの不良半導体レーザ素子のメサ幅Wは4μmである。
図17(a)で示す半導体レーザ素子の場合、リニア表示のFFPのグラフではガウシアン形状の両側の相対強度が低い部分では波状となっている。この波状部分が拡大して表示されるLog表示のFFPを示すグラフでは、Aに示すように、用途、顧客により不良品となるレベル(相対強度が0.01)でガウシアン形状に乱れが表れている。このような乱れは1段目のグラフで示すようにNFPではピークが中心からずれたパターンになる。
図17(b)で示す半導体レーザ素子の場合、リニア表示のFFPのグラフではガウシアン形状の両側の相対強度が低い部分ではさらに大きな波状となっている。この結果、2段目のLog表示のFFPパターンではパターンの両側にそれぞれ頂点を有する山が表れるパターンとなる。この山は、用途、顧客により不良品となるレベル(相対強度が0.01)において表れてしまう。両側に山が表れるようなFFPパターンでは、NFPでは中心からそれぞれ外れたピークを有する双頭のパターンとなってしまう。上記2例の半導体レーザ素子は不良品として廃棄される製品である。
そこで、本発明者は、ホールバーニング抑制のため、コンタクト層幅のみを狭窄して電流狭窄することを考えて本発明をなした。
本発明の目的は、遠視野像をガウシアン形状にすることができる半導体レーザ素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、電流狭窄及び光閉じ込めをそれぞれ独立して制御できる半導体レーザ素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、製造コストの低減が可能な半導体レーザ素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)半導体レーザ素子は、
第1導電型からなる半導体基板と、
前記半導体基板の第1の面に形成される第1導電型の半導体層からなるクラッド層と、
前記クラッド層に重ねて形成される半導体層からなる活性層と、
前記活性層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなる第1クラッド層と、
前記第1クラッド層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなる第2クラッド層と、
前記第2クラッド層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなるコンタクト層と、
前記半導体基板の一端から他端に亘りかつ前記コンタクト層の表面から前記第2クラッド層の所定深さに形成される2本の溝と、
前記2本の溝にそれぞれ挟まれ、かつ前記第2クラッド層で形成されるメサ第2クラッド層及び前記コンタクト層で形成されるメサコンタクト層からなり、かつ前記2本の溝に挟まれる前記メサ第2クラッド層の幅をメサ幅とし、前記溝の長さをメサ長さとするメサと、
前記メサの上面を除いて前記溝及び前記コンタクト層を覆う絶縁膜と、
前記半導体基板の前記第1の面の反対面となる裏面に重ねて形成される第1電極と、
前記メサの上面及び前記絶縁膜に重ねて形成される第2電極とを有し、
前記メサコンタクト層の前記溝間の幅は前記メサ幅よりも小さくなり、前記メサコンタクト層の前記溝に臨む両側縁は前記メサ第2クラッド層の前記溝に臨む両側縁よりも前記メサ中央側に所定距離引っ込み、かつ前記メサコンタクト層の縁から外れて露出する前記メサ第2クラッド層の上面は前記絶縁膜で覆われていることを特徴とする。
また、前記メサ第2クラッド層の前記溝間の幅は3.0μm以上であるとともに、前記メサコンタクト層の側縁から前記メサ第2クラッド層の側縁までの距離は0.5μm以上である。また、前記第1クラッド層と前記第2クラッド層との間には、前記第2クラッド層のエッチング速度よりもエッチング速度が遅い半導体層からなるエッチングストッパ層が形成され、かつ前記溝の底面は前記エッチングストッパ層で形成されている。前記活性層と前記クラッド層との間には、第1導電型の半導体層からなる下ガイド層が形成され、前記活性層と前記第1クラッド層との間には、第2導電型の半導体層からなる上ガイド層が形成されている。前記活性層は多重量子井戸構造である。
このような半導体レーザ素子の製造方法は、
(a)第1導電型からなる半導体基板を準備する工程、
(b)前記半導体基板の第1の面に、第1導電型からなるクラッド層、活性層(多重量子井戸構造)、第2導電型からなる第1クラッド層、第2導電型からなる第2クラッド層及び第2導電型からなるコンタクト層を順次積層形成する工程、
(c)前記コンタクト層上への酸化膜形成と前記酸化膜の選択的エッチングによって、前記コンタクト層上に1本のストライプ状のメサ形成用エッチングマスクと、このメサ形成用エッチングマスクの両側に所定の距離離れて位置するフィールド用エッチングマスクとからなる溝形成用マスクを並列に複数形成する工程、
(d)前記溝形成用マスクをエッチングマスクとして前記コンタクト層をウエットエッチングして少なくとも前記メサ形成用エッチングマスクの下に周縁が前記メサ形成用エッチングマスクの周縁から所定距離内側に位置するメサコンタクト層を形成する工程、
(e)前記溝形成用マスクをエッチングマスクとして前記第2クラッド層の表面から前記第2クラッド層の所定深さに至るまでドライエッチングを行い、前記メサ形成用エッチングマスクと前記フィールド用エッチングマスクとの間にそれぞれ溝を形成して前記メサ形成用エッチングマスク下にストライプ状のメサを形成する工程、
(f)前記半導体基板の前記第1の面側への絶縁層形成と前記絶縁層の選択的エッチングによって、少なくとも前記メサコンタクト層の上面を露出させ前記半導体基板の他の前記第1の面側を覆う絶縁層を形成する工程、
(g)前記半導体基板の前記第1の面側に前記各メサコンタクト層に電気的に接続される第2電極を形成する工程、
(h)前記半導体基板の前記第1の面の反対面となる第2の面に第1電極を形成する工程、
(i)前記メサの長手方向に直交する方向に前記半導体基板を所定間隔で劈開して複数の短冊体を形成する工程、
(j)前記短冊体を前記メサに沿う方向にかつ前記メサと前記メサとの間で分割して1本のメサを有する半導体レーザ素子を製造する工程、
によって製造される。
また、前記工程(b)では、前記半導体基板の前記第1の面に、第1導電型からなるクラッド層、第1導電型からなる下ガイド層、活性層、第2導電型からなる上ガイド層、第2導電型からなる第1のクラッド層、第2導電型からなるエッチングストッパ層、第2導電型からなる第2のクラッド層及び第2導電型からなるコンタクト層を順次積層形成し、かつ前記エッチングストッパ層は前記第2の第2導電型クラッド層のエッチング速度よりもエッチング速度が遅い材質で形成し、前記工程(e)では、前記溝の底を前記エッチングストッパ層で形成する。
(2)前記(1)の手段において、前記メサ長さの両端面において、少なくとも一端面(前方出射面)では前記端面から所定の長さに亘って前記メサコンタクト層が設けられていない部分が存在することを特徴とする。前記メサコンタクト層が設けられていない部分の長さは5〜10μmである。
(3)前記(1)の手段において、前記メサ長さの両端面において、少なくとも一端面(前方出射面)では前記端面から所定の長さに亘って前記メサコンタクト層の幅が他の前記メサコンタクト層部分の幅よりも一段細くなっていることを特徴とする。前記半導体レーザ素子のレーザ光を出射する出射面のうちの前方出射面側に設けられる前記一段細くなる前記メサコンタクト層の長さは30〜100μmである。
(4)半導体レーザ素子は、
第1導電型からなる半導体基板と、
前記半導体基板の第1の面に形成される第1導電型の半導体層からなるクラッド層と、
前記クラッド層に重ねて形成される半導体層からなる活性層と、
前記活性層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなる第1クラッド層と、
前記第1クラッド層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなる第2クラッド層と、
前記第2クラッド層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなるコンタクト層と、
前記半導体基板の一端から他端に亘りかつ前記コンタクト層の表面から前記第2クラッド層の所定深さに形成される2本の溝と、
前記2本の溝にそれぞれ挟まれ、かつ前記第2クラッド層で形成されるメサ第2クラッド層及び前記コンタクト層で形成されるメサコンタクト層からなり、かつ前記2本の溝に挟まれる前記メサ第2クラッド層の幅をメサ幅とし、前記溝の長さをメサ長さとするメサと、
前記メサの上面を除いて前記溝及び前記コンタクト層を覆う絶縁膜と、
前記半導体基板の前記第1の面の反対面となる裏面に重ねて形成される第1電極と、
前記メサの上面及び前記絶縁膜に重ねて形成される第2電極とを有し、
前記メサコンタクト層の前記溝間の幅は、前記メサ長さの両端面の少なくとも一端面側(前方出射面)では前記メサ幅よりも小さくなり、他の部分のメサコンタクト層の幅は前記メサ幅と同じになり、前記メサ幅よりも小さい前記メサコンタクト層の前記溝に臨む両側縁は前記メサ第2クラッド層の前記溝に臨む両側縁よりも前記メサ中央側に所定距離引っ込み、かつ前記メサコンタクト層の縁から外れて露出する前記メサ第2クラッド層の上面は前記絶縁膜で覆われていることを特徴とする。また、前記半導体レーザ素子のレーザ光を出射する出射面のうちの前方出射面側に設けられる前記メサ幅よりも小さくなる前記メサコンタクト層の長さは30〜100μmである。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
前記(1)の手段によれば、(a)半導体レーザ素子は、メサ幅を形成するメサ第2クラッド層で光の閉じ込めを行い、メサ第2クラッド層の中央部分に重ねて設けるメサ幅よりも幅が狭いメサコンタクト層で電流狭窄を行う構造になっている。即ち、光の閉じ込め及び電流狭窄をそれぞれ別々に制御することが可能になる。従って、レーザ発振時、電流狭窄制御によりメサ中央部のみ、注入キャリア密度を大きくし、メサ中央部分でのキャリア密度低下を抑制することができることから遠視野像の形状をピーク強度の1%程度の部分までガウシアン形状にすることができ、表示デバイスの光源として十分使用できるようになる。
即ち、活性層内での誘導放出によるキャリア消費は光子密度と利得の積であることから、キャリアの注入が一定である場合には、光子密度の高い領域でキャリアが減少するため、利得分布及び屈折率分布が変動する。従って、メサ幅(メサ第2クラッド層の幅に相当)の中央にメサ幅よりも幅が小さいメサコンタクト層を有する本発明の半導体レーザ素子では、メサコンタクト層のみに電流が給電される。この結果、メサ幅中央に対応する光子密度が高い領域の活性層には注入キャリアを多くし、メサコンタクト層から外れたメサ幅両側に対応する光子密度が低い領域の活性層には注入キャリアを少なくすることができる。従って、キャリア分布の変動を抑制することができる。この結果、安定した導波モードが得られ、遠視野像形状の改善が達成できることになる。
このような本発明の半導体レーザ素子をレベラー、ポインター等の表示デバイスの光源として使用した場合、半導体レーザの遠視野像の形状をピーク強度の1%程度の部分までガウシアン形状にすることができるため、スクリーン等に投影したラインあるいはスポットの形状が改善され、十分使用に供することができるようになる。
(b)メサはメサ第2クラッド層とこのメサ第2クラッド層上のメサコンタクト層で形成されている。そして、メサコンタクト層はメサ第2クラッド層よりも幅が狭く、かつメサ第2クラッド層の中央に位置する構造になっている。このようなメサコンタクト層の幅がメサ第2クラッド層の幅よりも狭いメサの形成方法は、メサコンタクト層の幅がメサ第2クラッド層の幅と同じ幅となる従来のメサの形成方法に比較して工程数が増大することもなく製造コストの高騰を招くことがない。
即ち、従来のメサ形成ではコンタクト層をウエットエッチング後にドライエッチングを実施する。そこで、本発明の半導体レーザ素子の製造方法では、コンタクト層をエッチングする時間を1分程度と長く変更するのみでコンタクト層の狭窄化が可能になる。これにより、エッチングマスクの縁下までエッチング(サイドエッチング)がなされる。従って、その後、前記エッチングマスクをマスクとしてドライエッチングを行うことによって溝が形成される。ドライエッチングであることから、溝の縁はエッチングマスクの縁に略対応する。この結果、メサコンタクト層の幅よりも広い幅(メサ幅)を有するメサ第2クラッド層を形成することができる。本発明は、コンタクト層の狭小化を図る構造になるが、製造工程も増えることがなく、再現性も良好であることから、製造コスト高騰を抑えることができる。
前記(2)の手段によれば、前記(1)の手段による効果に加えて下記の効果を有する。即ち、前記メサ長さの両端面において、少なくとも一端面では前記端面から所定の長さに亘って前記メサコンタクト層が設けられていない部分が存在することから、端面部分への注入電流が減少するため、レーザ光を出射する出射面部分の電流密度を低くでき、安定したレーザ発振が可能になり、信頼性が高くなる。前記効果を得るためには、前記メサコンタクト層が設けられていない部分の長さdを5〜10μmにする必要がある。
前記(3)の手段によれば、前記(1)の手段による効果に加えて下記の効果を有する。即ち、前記メサ長さの両端面において、少なくとも一端面(前方出射面)では前記端面から所定の長さに亘って前記メサコンタクト層の幅が他の前記メサコンタクト層部分の幅よりも一段細くなっていることから、前方出射面部のNFPが改善され、この結果FFPが改善される。なお、前方出射面側でのFFP改善を図るためには、一段と細くなるメサコンタクト層10aの長さを30〜100μmにする必要がある。
前記(4)の手段によれば、素子抵抗を高くしないでFFPを改善できる。前記効果を得るためには、FFP改善効果と素子抵抗値を考慮すると、前記メサ幅よりも小さくなる前記メサコンタクト層の長さを30〜100μm程度にする必要がある。
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1乃至図10は本発明の実施例1である半導体レーザ素子及びその製造方法に係わる図である。図1乃至図3は半導体レーザ素子の構造に係わる図、図4乃至図9は半導体レーザ素子の製造方法に係わる図、図10は半導体レーザ素子の光子密度分布及びキャリア密度を示すグラフである。
本実施例1では、0.6μm帯(発振波長が630〜640nm)の半導体レーザ素子(赤色半導体レーザ)の製造に本発明を適用した例について説明する。
本実施例1の半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)1は、図1乃至図3に示す構造になっている。図1は半導体レーザ素子1の外観を示す模式的斜視図、図2(a)〜(c)は、図1のA−A線、B−B線及びC−C線に沿う各断面図である。図3は半導体レーザ素子1のメサ部分の拡大断面図である。
半導体レーザ素子1は、図1及び図2に示すように、100μm程度の厚さの半導体基板2を基にして製造されている。半導体基板2は、例えば、第1導電型(n型)からなるGaAs基板である。半導体基板2の第1の面(図1乃至図3においては上面)には、図3に示すように、多層半導体層が形成されている。多層半導体層は、それぞれ半導体層からなり、n型のクラッド層3、n型の下ガイド層4、活性層5、第2導電型(p型)の上ガイド層6、p型の第1クラッド層7、p型のエッチングストッパ層8、p型の第2クラッド層9、p型のコンタクト層10と順次重なる構造になっている。
クラッド層3及び下ガイド層4はいずれもAlGaInPからなっている。クラッド層3は厚さ500nmとなり、下ガイド層4は厚さ50nmとなっている。活性層5は、厚さ6nmのAlGaInPからなるバリア層(障壁層)と、厚さ12nmのInGaPからなるウェル層(井戸層)が交互に積層された多重量子井戸構造となっている。実施例では、バリア層は3層、ウェル層は2層になっている。上ガイド層6、第1クラッド層7、エッチングストッパ層8及び第2クラッド層9はいずれもAlGaInPからなっている。厚さは、上ガイド層6が50nm、第1クラッド層7が100nm、エッチングストッパ層8が20nm、第2クラッド層9が1μmとなっている。コンタクト層10は厚さ0.2μmのGaAsからなっている。多層成長層は、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD)によって形成される。
一方、多層成長層の上面(半導体基板2の第1の面側)には、図1及び図2(c)に示すように、平行に2本の溝(分離溝)13a,13bが設けられている。溝13a,13bは、図1に示すように、直交するXY方向のうちのY方向に沿って延在している。また、図3に示すように、溝13a,13bは、溝底がエッチングストッパ層8になるように設けられている。従って、一対の溝13a,13b間には第2クラッド層9及びコンタクト層10が位置することになる。一対の溝13a,13bに挟まれる部分は、半導体基板2の一端から他端に亘って延在する帯状(ストライプ状)の突出したメサ(リッジ)14を構成する。説明の便宜上、メサ14の下部を形成する第2クラッド層9をメサ第2クラッド層9aと呼称し、メサ14の上部を形成するコンタクト層10をメサコンタクト層10aと呼称する。
メサ第2クラッド層9aの幅は一対の溝13a,13b間の間隔と一致しメサ幅Wとなる。これに対して、一対の溝13a,13b間に挟まれたメサコンタクト層10aの幅aはメサ幅Wよりも小さく(狭く)なり、かつメサコンタクト層10aの縁の外側には所定長さに亘ってメサ第2クラッド層9aの上面が露出する構造になっている。換言するならば、メサコンタクト層10aの溝13a,13bに臨む両側縁はメサ第2クラッド層9aの溝13a,13bに臨む両側縁よりもメサ14のメサ中央側に所定距離引っ込んでいる。
メサ14において、例えば、メサ幅Wは4〜5μmであり、メサコンタクト層10aの幅(メサコンタクト層幅)aは2〜3μmである。また、メサコンタクト層10aの縁から外れて露出するメサ第2クラッド層9aの露出長さb、即ち、メサコンタクト層10aの引っ込む長さbは0.5μmである。メサ第2クラッド層9aの露出長さbは0.5μm以上が必要である。また、溝13a,13bの幅はそれぞれ10μm程度になっている。
半導体レーザ素子1の上面側には絶縁膜15が設けられている。この絶縁膜15は、図2(c)に示すように、メサ14の側面及び溝13a,13b並びに溝13a,13bの外側に位置するコンタクト層10を覆っている。メサ14の側面とは、メサ第2クラッド層9aの側面及びメサコンタクト層10aの側面である。従って、メサコンタクト層10aの縁から外れて露出するメサ第2クラッド層9aの上面も絶縁膜15によって覆われている。図2(c)及び図3に示すように、メサ14の上面、即ち、メサコンタクト層10aの上面は絶縁膜15から露出する。
一方、絶縁膜15上には、所定パターンに導体層が設けられている。導体層は、図1では点々を施した領域で示してある。導体層の一つは、図1に示すように、メサ14の上面に重なり、メサ14に電気的に接続された状態になる第2電極(p電極)17を形成する。p電極17は一対の溝13a,13bの外側のコンタクト層10の途中部分まで延在している。また、溝13bの外側の平坦部分(フィールド部)にも広い面積で導体層が設けられている。この広い面積の導体層は、ワイヤを接続するボンディングパッド18を構成する。このボンディングパッド18とp電極17は細い連結部19で電気的に接続されている。従って、ボンディングパッド18及び連結部19もp電極17となる。また、溝13aから外れた左側の絶縁膜15上にも独立して導体層が形成されている。この導体層は固定用導体部20となる。固定用導体部20とp電極17は、半導体レーザ素子1をジャンクションダウン(pn接合を下側にする状態)でヒートシンク等の基板に固定する際、固定用の導体層として使用される。
また、半導体レーザ素子1の両端近傍には、三角形状に導体層が形成されている。この導体層はマーク21となる。このマーク21は、半導体レーザ素子1の製造において、半導体ウエハを劈開して半導体レーザ素子1を製造するときの目安として使用されるとともに、このマーク21が存在する端面側がレーザ光を出射する前方出射面となる。図1では手前側の面が前方出射面となる。
他方、図1及び図2に示すように、半導体基板2の第1の面の反対面となる第2の面(図1及び図2では下面)には第1電極(n電極)22が形成されている。
このような半導体レーザ素子1において、メサ14に対応する活性層5部分及びその活性層5の上下の層部分によって形成される細長い領域が共振器を形成することになる。共振器は図1においてY方向に沿って延在することになる。従って、p電極17とn電極22間に所定の電圧を印加することによって、図2(a)に示すように、共振器の両端面(出射面)からレーザ光23を出射する。
また、図示しないが、一般に両出射面には所定の屈折率の膜がそれぞれ形成され、出射されるレーザ光の出力が異なるようになっている。出力の大きい側を前方出射面とし、出力の小さい側を後方出射面としてレーザ光強度をモニターする光を取り出す面として使用している。
このような半導体レーザ素子1において、メサ幅Wが4〜5μmとなる場合、効果的に電源を給電するためにはメサコンタクト層幅aは2〜3μmが必要になる。また、メサコンタクト層10aの縁側に露出するメサ第2クラッド層9aの露出長さbは、クラッド層9での横方向電流広がりを考慮すると、少なくとも0.5μmは必要である。
つぎに、半導体レーザ素子1の製造方法について、図4乃至図9を参照しながら説明する。半導体レーザ素子1の製造においては、半導体基板25が準備される。この半導体基板25は、その第1の面に多層成長層が形成され、かつ各加工処理がなされ、製造の最終段階において劈開と分割がなされる。この劈開と分割によって複数の半導体レーザ素子1が製造される。このような半導体基板25は、一般に半導体ウエハ26と呼称される。半導体ウエハ26は最初は半導体基板25そのものであるが、製造各工程を経た段階では多層成長層を有し、各部が順次加工処理された構造となる。説明においては、劈開と分割がなされるまで半導体ウエハ26と呼称する。劈開と分割がなされて形成される半導体レーザ素子1においては、半導体基板25は半導体基板2となる。また、以下の説明では、半導体ウエハ26の単一の半導体レーザ素子部分を図示しながら説明する。
最初に半導体ウエハ26を準備する。図9は加工処理が進んだ半導体ウエハ26を示す模式的平面図である。円形の半導体ウエハ26の一部は直線的に切り欠かれてオリエンテーションフラット27が形成されている。このオリエンテーションフラット27はX方向に沿って延在している。このX方向に対して直交する方向がY方向である。図9のXY方向は図1のXY方向に対応している。半導体ウエハ26は、厚さ数百μmの第1導電型(n導電型)のGaAsからなる半導体基板25で構成されている。この半導体基板25はSiを不純物とし、不純物濃度が2.0×1018cm−3程度となっている。半導体基板25の第1の面、即ち、半導体ウエハ26の第1の面は(100)結晶面となっている。
つぎに、半導体ウエハ26の第1の面にMOCVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法で順次半導体層を形成し、多層成長層を形成する。これら半導体層は、図4(a)に示すように、半導体基板25の第1の面上に順次重ねて形成されるn型のクラッド層3、n型の下ガイド層4、活性層5、p型の上ガイド層6、p型の第1クラッド層7、p型のエッチングストッパ層8、p型の第2クラッド層9、p型のコンタクト層10となる。
クラッド層3は厚さ500nmのAlGaInPで形成する。下ガイド層4は厚さ50nmのAlGaInPで形成する。活性層5は、厚さ6nmのAlGaInPからなるバリア層(障壁層)と、厚さ12nmのInGaPからなるウェル層(井戸層)が交互に積層された多重量子井戸構造となっている。実施例では、バリア層は3層、ウェル層は2層になっている。上ガイド層6は厚さ50nmのAlGaInPで形成する。第1クラッド層7は厚さ100nmのAlGaInPで形成する。エッチングストッパ層8は厚さ20nmのAlGaInPで形成する。第2クラッド層9は厚さ1μmのAlGaInPで形成する。コンタクト層10は厚さ0.2μmのGaAsで形成する。
つぎに、多層半導体層上にエッチングマスク30を形成する。エッチングマスク30を形成するため、図4(b)に示すように、コンタクト層10上に厚さ0.3μmの絶縁膜(例えば、SiO膜)31及びホトレジスト膜32を形成する。ついで、ホトレジスト膜32を選択的にエッチングして1本のストライプ状のメサ形成用ホトレジスト膜33と、このメサ形成用ホトレジスト膜33の両側に所定の距離離れて位置するフィールド形成用ホトレジスト膜34とからなるホトレジストマスク35を並列に複数形成する。その後、このホトレジストマスク35をエッチング用マスクとしてSiO膜からなる絶縁膜31を常用のエッチャントを用いてエッチングして選択的に除去する。この結果、図4(C)に示すように、メサ形成用ホトレジスト膜33の下にはメサ形成用エッチングマスク37が形成され、フィールド形成用ホトレジスト膜34の下にはフィールド形成用エッチングマスク38が形成される。メサ形成用エッチングマスク37とフィールド形成用エッチングマスク38とによってエッチングマスク30が形成される。エッチングマスク30を形成した後はホトレジストマスク35を除去する。
メサ形成用エッチングマスク37の幅は、例えば、メサ幅Wと同じ寸法である。メサ形成用エッチングマスク37とフィールド形成用エッチングマスク38との間の距離は溝13a,13bの幅と同じ寸法である。例えば、メサ形成用エッチングマスク37とフィールド形成用エッチングマスク38との間の距離は10μm程度である。図4〜図7において示す一点鎖線間が単一の半導体レーザ素子1が製造される部分(製品形成部)である。図4(b)に示すように、フィールド形成用ホトレジスト膜34は隣接する製品形成部のフィールド形成用ホトレジスト膜34と一体となるように連なって形成されるため、図4(c)に示すように、フィールド形成用エッチングマスク38も隣接する製品形成部のフィールド形成用エッチングマスク38と一体となり連なっている。
つぎに、図5(a)に示すように、エッチングマスク30をマスクとし、ウエットエッチングによってコンタクト層10をエッチングする。このウエットエッチングにおいては、エッチングマスク30の縁から内側に向かってサイドエッチングされるようにエッチング時間を長くする。サイドエッチは、エッチングマスク30の縁から内側に向かって、寸法bの長さのサイドエッチングをする。サイドエッチ長さは、例えば、0.5μm程度である。エッチング時間はサイドエッチングさせないエッチング時間1分に対して2分と長くなる。しかし、このエッチング時間の増大は半導体レーザ素子の製造コストを上昇させるほどの時間でもない。
つぎに、図5(b)に示すように、エッチングマスク30をマスクとし、ドライエッチングによって第2クラッド層9をエッチングする。エッチングは第2クラッド層9の下層となるエッチングストッパ層8が現れるまで行う。ドライエッチングによるため、エッチングマスク30の下奥に引っ込んだコンタクト層10はエッチングされない。これにより、メサ形成用エッチングマスク37とフィールド形成用エッチングマスク38との間の間隔を幅とする溝13a,13bが形成できる。メサ形成用エッチングマスク37の下の一対の溝13a,13b間の第2クラッド層9及びコンタクト層10がメサ14を形成することになる。説明の便宜上、メサ形成用エッチングマスク37の下に形成される第2クラッド層9をメサ第2クラッド層9aと呼称し、コンタクト層10をメサコンタクト層10aと呼称する。
一対の溝13a,13bで両側を規定されるメサ第2クラッド層9aの幅がメサ幅Wとなる。また、メサコンタクト層10aの縁とメサ第2クラッド層9aの縁との間隔はサイドエッチの長さbとなる。メサ幅Wと、メサコンタクト層10aの縁とメサ第2クラッド層9aの縁との間隔b及びメサコンタクト層10aの幅aは既に説明した図3のようになる。溝13a,13bを形成した後、メサ形成用エッチングマスク37及びフィールド形成用エッチングマスク38からなるエッチングマスク30を除去する。
図9は溝13a,13bを形成することによってメサ14が複数並列に形成されたことを示す模式的平面図である。メサ14はそれぞれY方向に沿って延在している。
つぎに、半導体ウエハ26(半導体基板25)の第1の面側への絶縁層形成と前記絶縁層の選択的エッチングによって、少なくともメサコンタクト層10aの上面を露出させ半導体ウエハ26の他の第1の面側を覆う絶縁層を形成する。この絶縁膜の形成においては、図5(c)に示すように、半導体ウエハ26の第1の面側全域に絶縁膜15を形成する。また、図6(a)に示すように、絶縁膜15上全域にホトレジスト膜42を形成する。つぎに、このホトレジスト膜42を常用のホトリソグラフィ技術によって露光・現像を行って、図6(b)に示すように、エッチングマスク43を形成する。エッチングマスク43では各メサ14の真上が開口(開口部44)される。つぎに、半導体ウエハ26の第1の面側はウエットエッチングされる。この結果、エッチングマスク43の開口部44に露出する絶縁膜15部分がエッチング除去されるため、図6(c)に示すように、メサ14上のメサコンタクト層10aの上面が絶縁膜15から露出するようになる。
絶縁膜15は、図6(c)に示すように、メサ14の側面及び溝13a,13b並びに溝13a,13bの外側に位置するコンタクト層10を覆っている。メサ14の側面とは、メサ第2クラッド層9aの側面及びメサコンタクト層10aの側面である。従って、メサコンタクト層10aの縁から外れて露出するメサ第2クラッド層9aの上面も絶縁膜15によって覆われている。絶縁膜15は、例えば、厚さ0.5μmのSiO膜で形成される。
つぎに、半導体ウエハ26(半導体基板25)の第1の面側に選択的に導体層を形成する。この導体層によって図1を用いて説明した第2電極(p電極)17、ボンディングパッド18、連結部19及び固定用導体部20を形成する。各メサコンタクト層10aはp電極17に電気的に接続される。また、図示はしないが、半導体ウエハ26を劈開及び分割して半導体レーザ素子1とする素子領域の表面には、マーク21が導体層によって形成される(図1参照)。マーク21は半導体ウエハを劈開して半導体レーザ素子1を製造するときの目安として使用されるとともに、このマーク21が存在する端面側がレーザ光を出射する前方出射面となる。
つぎに、数百μmの厚さの半導体基板25の第2の面を研削して全体の厚さを100μm程度の厚さにした後、図7(b)に示すように、半導体基板25の第2の面に第1電極(n電極)22を形成する。
つぎに、半導体ウエハ26をメサ14の延在方向であるY方向に直交するX方向に沿って劈開する。劈開ピッチは半導体レーザ素子1の共振器長さとなる。これにより、図8(a)に示すような短冊体50が複数形成される。図8(a)で示す1本の短冊体50は説明用の模式図である。
つぎに、図示はしないが、短冊体50の両劈開面に所定の屈折率を有する膜をそれぞれ形成する。出射されるレーザ光の光出力が大きい前方出射面には反射率の小さい膜が形成され、光出力の小さい後方出射面には反射率の大きい膜を形成する。
つぎに、短冊体50をメサ14(図8では省略、図7(b)参照)とメサ14との間で分割して1本のメサ14を中央に有する半導体レーザ素子1を製造する。分割は、図8(a)に示すように、Y方向に沿って行われる。図8(a)で示す点線部分は分割する面(分割面51)を示すものである。そして、隣接する一対の分割面51の間の部分が半導体レーザ素子1となる素子部分52である。分割処理によって、図8(b)に示すように半導体レーザ素子1が複数形成される。図8(b)に示す半導体レーザ素子1は、共振器11の両端の出射面からレーザ光23を出射するようになる。図8(b)は半導体レーザ素子1の模式図である。半導体レーザ素子1は図1に示すような外観となる。
図10は実施例1による半導体レーザ素子1がレーザ発振した状態におけるメサ部分(メサ幅W)のキャリア密度及び光子密度の分布を示すグラフである。グラフは下から上に向かって1段目、2段目、3段目及び4段目と示してある。
最上段のグラフ(4段目のグラフ)は、閾値付近のキャリア密度の分布を示すグラフである。このグラフからわかるように、閾値付近のキャリア密度分布はメサ中央部のキャリア密度が高くなる。そして、キャリアは拡散によって横方向に広がる。この結果、キャリア密度分布はガウシアン形状となる。
3段目のグラフは、閾値近傍の光子密度分布を示すグラフである。閾値近傍では誘導放出によるキャリア減少分が小さいため、キャリア変動による屈折率変動を考慮する必要がないので、光子密度分布はほぼガウシアンとなる。
2段目のグラフ及び1段目のグラフは出力増加時のキャリア密度分布及び光子密度分布を示すグラである。2段目のキャリア密度分布及び1段目の光子密度分布も共に分布はガウシアン形状となる。これは、中央部分の電流が大きいため、出力増加時のキャリア密度分布変動が小さいことによる。
本実施例1によれば以下の効果を有する。
(1)半導体レーザ素子1は、メサ幅Wを形成するメサ第2クラッド層9aで光の閉じ込めを行い、メサ第2クラッド層9aの中央部分に重ねて設けるメサ幅よりも幅が狭いメサコンタクト層10aで電流狭窄を行う構造になっている。即ち、光の閉じ込め及び電流狭窄をそれぞれ別々に制御することが可能になる。従って、レーザ発振時、電流狭窄制御によりメサ中央部のみ、注入キャリア密度を大きくし、メサ中央部分でのキャリア密度低下を抑制することができることから遠視野像の形状をピーク強度の1%程度の部分までガウシアン形状にすることができ、表示デバイスの光源と十分使用できるようになる。
即ち、活性層内での誘導放出によるキャリア消費は光子密度と利得の積であることから、キャリアの注入が一定である場合には、光子密度の高い領域でキャリアが減少するため、利得分布及び屈折率分布が変動する。従って、メサ幅(メサ第2クラッド層9aの幅)の中央にメサ幅Wよりも幅が小さいメサコンタクト層10aを有する本発明の半導体レーザ素子1では、メサコンタクト層10aのみに電流が給電されることから、メサ幅中央に対応する光子密度が高い領域の活性層5には注入キャリアを多くし、メサ幅両側に対応する光子密度が低い領域の活性層5には注入キャリアを少なくすることができるため、キャリア分布の変動を抑制することができる。この結果、安定した導波モードが得られ、遠視野像形状の改善が達成できることになる。
このような本発明の半導体レーザ素子をレベラー、ポインター等の表示デバイスの光源として使用した場合、半導体レーザの遠視野像の形状をピーク強度の1%程度の部分までガウシアン形状にすることができるため、スクリーン等に投影したラインあるいはスポットの形状が改善され、十分使用に供することができるようになる。
ここで、本発明と特許文献2(特開平11−354882号公報)に記載の発明(半導体レーザ)との違いについて説明する。
特許文献2の発明(半導体レーザ)は、クラッド部を2段メサ構造とすることで電流狭窄するという発明である。しかし、この発明では、コンタクト層のみの狭窄によって電流狭窄を行うことについては記載されておらず、かつ上述した効果については触れられていない。
また、特許文献2の発明では、クラッドを2段メサ構造としているが、この構造では、レーザ内部の光はクラッドへ広がるため、上部の幅の狭いリッジの影響を受ける可能性が高い。しかし、本発明では光の広がりに対してクラッドを十分厚くできるため、このようなことは起きない。
また、特許文献2には、「電極幅のみを狭くした場合には、十分な電流狭窄効果が得られない。」と記載されている。コンタクト層はGaAsであり、他の層よりも低抵抗である。従って、メサ第2クラッド層の幅(メサ幅)よりもメサコンタクト層の幅を小さくした本発明の構造の場合、コンタクト層内での電流広がりが大きいため、電極幅のみの狭窄化では効果が小さいが、コンタクト層の狭窄化であれば一定の電流狭窄効果が得られることになる。
(2)メサ14はメサ第2クラッド層9aとこのメサ第2クラッド層9a上のメサコンタクト層10aで形成されている。そして、メサコンタクト層10aはメサ第2クラッド層9aよりも幅が狭く、かつメサ第2クラッド層9aの中央に位置する構造になっている。このようなメサコンタクト層10aの幅がメサ第2クラッド層9aの幅よりも狭いメサ14の形成方法は、メサコンタクト層10aの幅がメサ第2クラッド層9aの幅と同じ幅となる従来のメサの形成方法に比較して大幅に工程数が増大することもなく製造コストの高騰を招くことがない。
即ち、従来のメサ形成ではコンタクト層をウエットエッチング後にドライエッチングを実施する。そこで、コンタクト層をエッチングする時間を変更するのみでコンタクト層の狭窄化が可能になる。本発明の半導体レーザ素子1の製造方法においては、コンタクト層10をサイドエッチングするため、ウエットエッチング時間を、例えば、従来の1分程度から2分程度と増大させる。これにより、エッチングマスク30の縁下までエッチング(サイドエッチング)がなされる。その後前記エッチングマスク30をマスクとしてドライエッチングして溝13a,13bを形成することによってメサコンタクト層10aの幅よりも広い幅(メサ幅)を有するメサ第2クラッド層9aを形成することができる。従って、本発明は、コンタクト層の狭小化を図る構造になるとは言え、製造工程も増えることがなく、製造コスト高騰を抑えることができる。
図11は本発明の実施例2である半導体レーザ素子におけるメサを構成するメサ第2クラッド層及びメサコンタクト層の配置関係を示す模式的平面図である。
実施例1の半導体レーザ素子1においては、メサ14のメサ長さの全長に亘ってメサコンタクト層10aを設けている。実施例2の半導体レーザ素子1は、メサ長さの両端面において、少なくとも一端面では端面から所定の長さdに亘ってメサコンタクト層10aが設けられていない部分が存在することが特徴である。メサコンタクト層10aを設けない端面は前方出射面である。図11(a)はメサ長さの両端側にメサコンタクト層10aを設けない構成であり、図11(b)はメサ長さの一端側にメサコンタクト層10a(図において点々を付して示す部分)を設けない構成である。メサ幅W(メサ第2クラッド層9aの幅)、メサコンタクト層10aの幅a及びメサコンタクト層10aの端側に露出するメサ第2クラッド層9aの長さbの関係は実施例1と同様である。
実施例2の半導体レーザ素子1は実施例1の半導体レーザ素子1が有する効果に加えて下記の効果を有する。即ち、前記メサ長さの両端面において、少なくとも一端面では前記端面から所定の長さに亘って前記メサコンタクト層が設けられていない部分が存在することから、端面部分への注入電流が減少するため、信頼性が高くなる。前記効果を得るためには、クラッドでの電流広がりよりもdの十分長くしなければならない。故に前記メサコンタクト層が設けられていない部分の長さdを5〜10μmにする必要がある。
図12は本発明の実施例3である半導体レーザ素子におけるメサを構成するメサ第2クラッド層及びメサコンタクト層の配置関係を示す模式的平面図である。
実施例3の半導体レーザ素子1は、実施例1の半導体レーザ素子1において、一端面側、例えば、前方出射面側ではメサコンタクト層10a(図において点々を付して示す部分)の幅を他の前記メサコンタクト層部分の幅よりもfと一段細くしてある。FFP改善のためには、前方出射面部のNFPのみを改善すれば良いため、前方出射面側のみメサコンタクト層10aをf(例えば、f=1μm)と細くする。そして、図12(a)の例では、後方出射面側は素子抵抗低減のために、メサコンタクト層10aの幅はaと広くなっている。なお、前方出射面側でのFFP改善を図るためには、導波モードを変換するための長さとして、fと細くなるメサコンタクト層10aの長さを30〜100μmにする必要がある。
これに対して図12(b)で示す例では、後方出射面側もfと狭くしてある。マスク設計上、前端面と後方端面の幅が同じであったほうが都合がいいためである。
図13は本発明の実施例4である半導体レーザ素子におけるメサとメサを構成するメサコンタクト層の配置関係を示す模式的平面図である。
実施例4の半導体レーザ素子1は、メサ14の一端側(前方出射面側)または両端側(前方出射面側及び後方出射面側)でメサコンタクト層10a(図において点々を付して示す部分)がメサ第2クラッド層9aよりもfと幅が狭くなるが、他の部分ではメサ第2クラッド層9aの幅とメサコンタクト層10aの幅は同じでかつ一致して重なりあっている。メサコンタクト層10aの幅がメサ第2クラッド層9aの幅よりも小さい端面側では注入電流が減少するため端面劣化の可能性が小さくなり、信頼性が改善される。また、メサコンタクト層10aの幅とメサ第2クラッド層9aの幅が同じ幅でかつ一致して重なっている部分では、注入電流がメサ第2クラッド層9aの全幅に供給できる効果がある。
図13(a)の例では、後方出射面側も素子抵抗低減のためにメサコンタクト層10aの幅をメサ第2クラッド層9aの幅に一致させてある。なお、前方出射面側でのFFP改善を図るためには、導波モードを変換するための長さとして、fと細くなるメサコンタクト層10aの長さを30〜100μmにする必要がある。
これに対して図13(b)で示す例では、後方出射面側もfと狭くしてある。これはマスク設計上、前端面と後方端面の幅が同じであったほうが都合がいいためである。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。実施例では、多層半導体層に下ガイド層、上ガイド層及びエッチングストッパ層を含んでいるが、他の層構成であってもよい。しかし、半導体レーザ素子1の製造のためには、多層半導体層として、第1導電型のクラッド層、活性層、第2導電型の第1クラッド層、第2導電型の第2クラッド層、第2導電型のコンタクト層が少なくとも必要である。
本発明の実施例1である半導体レーザ素子の模式的斜視図である。 図1のA−A線、B−B線及びC−C線に沿う断面図である。 前記半導体レーザ素子のメサ部分の拡大断面図である。 本発明の実施例1である半導体レーザ素子の製造方法において、ウエハの第1の面に多層半導体層を形成する工程から多層半導体層の最上層のコンタクト層をエッチングする際使用するエッチングマスクを形成する工程までを示すウエハの一部を示す模式的断面図である。 前記半導体レーザ素子の製造方法において、コンタクト層をエッチングする工程、溝形成によってリッジを形成する工程及び絶縁膜を形成する工程を示すウエハの一部を示す模式的断面図である。 前記半導体レーザ素子の製造方法において、前記絶縁膜を選択的にエッチングしてコンタクト層を露出させる工程を示すウエハの一部を示す模式的断面図である。 前記半導体レーザ素子の製造方法において、ウエハの第1の面側に第2の電極を形成する工程からウエハの第2の面に第1の電極を形成する工程までを示すウエハの一部を示す模式的断面図である。 前記半導体レーザ素子の製造方法において、ウエハを所定間隔で劈開して短冊体を形成し、さらに短冊体を分割して半導体レーザ素子を形成する工程を示す斜視図である。 前記半導体レーザ素子の製造方法において、溝を形成した後のウエハの第1の面側を示す模式的平面図である。 前記半導体レーザ素子の光子密度分布及びキャリア密度を示すグラフである。 本発明の実施例2である半導体レーザ素子におけるメサとメサを構成するメサコンタクト層の配置関係を示す模式的平面図である。 本発明の実施例3である半導体レーザ素子におけるメサとメサを構成するメサコンタクト層の配置関係を示す模式的平面図である。 本発明の実施例4である半導体レーザ素子におけるメサとメサを構成するメサコンタクト層の配置関係を示す模式的平面図である。 本発明に先立って検討した半導体レーザ素子の模式的断面図である。 図14の一部を示す拡大断面図である。 本発明に先立って検討した前記半導体レーザ素子の光子密度分布及びキャリア密度を示すグラフである。 本発明に先立って検討した前記半導体レーザ素子の2例における、遠視野像の相対強度分布及び近視野像の強度分布を示すグラフである。
符号の説明
1…半導体レーザ素子、2…半導体基板、3…クラッド層、4…下ガイド層、5…活性層、6…上ガイド層、7…第1クラッド層、8…エッチングストッパ層、9…第2クラッド層、9a…メサ第2クラッド層、10…コンタクト層、10a…メサコンタクト層、11…共振器、13a,13b…溝、14…メサ、15…絶縁膜、17…第2電極(p電極)、18…ボンディングパッド、19…連結部、20…固定用導体部、21…マーク、22…第1電極(n電極)、23…レーザ光、25…半導体基板、26…半導体ウエハ、27…オリエンテーションフラット、30…エッチングマスク、31…絶縁膜、32…ホトレジスト膜、33…メサ形成用ホトレジスト膜、34…フィールド形成用ホトレジスト膜、35…ホトレジストマスク、37…メサ形成用エッチングマスク、38…フィールド形成用エッチングマスク、39…溝形成用マスク、42…ホトレジスト膜、43…エッチングマスク、44…開口部、50…短冊体、51…分割面、52…素子部分、70…半導体レーザ素子、71…半導体基板、72…n型クラッド層、73…活性層、74…p型第2クラッド層、75…p型第1クラッド層、76…コンタクト層、77…溝、78…メサ、79…絶縁膜、80…アノード電極(p型電極)、81…カソード電極(n型電極)。

Claims (16)

  1. 第1導電型からなる半導体基板と、
    前記半導体基板の第1の面に形成される第1導電型の半導体層からなるクラッド層と、
    前記クラッド層に重ねて形成される半導体層からなる活性層と、
    前記活性層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなる第1クラッド層と、
    前記第1クラッド層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなる第2クラッド層と、
    前記第2クラッド層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなるコンタクト層と、
    前記半導体基板の一端から他端に亘りかつ前記コンタクト層の表面から前記第2クラッド層の所定深さに形成される2本の溝と、
    前記2本の溝にそれぞれ挟まれ、かつ前記第2クラッド層で形成されるメサ第2クラッド層及び前記コンタクト層で形成されるメサコンタクト層からなり、かつ前記2本の溝に挟まれる前記メサ第2クラッド層の幅をメサ幅とし、前記溝の長さをメサ長さとするメサと、
    前記メサの上面を除いて前記溝及び前記コンタクト層を覆う絶縁膜と、
    前記半導体基板の前記第1の面の反対面となる裏面に重ねて形成される第1電極と、
    前記メサの上面及び前記絶縁膜に重ねて形成される第2電極とを有し、
    前記メサコンタクト層の前記溝間の幅は前記メサ幅よりも小さくなり、前記メサコンタクト層の前記溝に臨む両側縁は前記メサ第2クラッド層の前記溝に臨む両側縁よりも前記メサ中央側に所定距離引っ込み、かつ前記メサコンタクト層の縁から外れて露出する前記メサ第2クラッド層の上面は前記絶縁膜で覆われていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 前記メサ長さの両端面において、少なくとも一端面では前記端面から所定の長さに亘って前記メサコンタクト層が設けられていない部分が存在することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記メサコンタクト層が設けられていない部分は5〜10μmであることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記メサ長さの両端面において、少なくとも一端面では前記端面から所定の長さに亘って前記メサコンタクト層の幅が他の前記メサコンタクト層部分の幅よりも一段細くなっていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記半導体レーザ素子のレーザ光を出射する出射面のうちの前方出射面側に設けられる前記一段細くなる前記メサコンタクト層の長さは30〜100μmであることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ素子。
  6. 前記メサコンタクト層の側縁と前記メサ第2クラッド層の側縁との距離は0.5μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記メサ第2クラッド層の前記溝間の幅は3.0μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記第1クラッド層と前記第2クラッド層との間には、前記第2クラッド層のエッチング速度よりもエッチング速度が遅い半導体層からなるエッチングストッパ層が形成され、かつ前記溝の底面は前記エッチングストッパ層で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  9. 前記活性層と前記クラッド層との間には、第1導電型の半導体層からなる下ガイド層が形成され、
    前記活性層と前記第1クラッド層との間には、第2導電型の半導体層からなる上ガイド層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  10. 前記活性層は多重量子井戸構造であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  11. 第1導電型からなる半導体基板と、
    前記半導体基板の第1の面に形成される第1導電型の半導体層からなるクラッド層と、
    前記クラッド層に重ねて形成される半導体層からなる活性層と、
    前記活性層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなる第1クラッド層と、
    前記第1クラッド層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなる第2クラッド層と、
    前記第2クラッド層に重ねて形成される第2導電型の半導体層からなるコンタクト層と、
    前記半導体基板の一端から他端に亘りかつ前記コンタクト層の表面から前記第2クラッド層の所定深さに形成される2本の溝と、
    前記2本の溝にそれぞれ挟まれ、かつ前記第2クラッド層で形成されるメサ第2クラッド層及び前記コンタクト層で形成されるメサコンタクト層からなり、かつ前記2本の溝に挟まれる前記メサ第2クラッド層の幅をメサ幅とし、前記溝の長さをメサ長さとするメサと、
    前記メサの上面を除いて前記溝及び前記コンタクト層を覆う絶縁膜と、
    前記半導体基板の前記第1の面の反対面となる裏面に重ねて形成される第1電極と、
    前記メサの上面及び前記絶縁膜に重ねて形成される第2電極とを有し、
    前記メサコンタクト層の前記溝間の幅は、前記メサ長さの両端面の少なくとも一端面側では前記メサ幅よりも小さくなり、他の部分のメサコンタクト層の幅は前記メサ幅と同じになり、前記メサ幅よりも小さい前記メサコンタクト層の前記溝に臨む両側縁は前記メサ第2クラッド層の前記溝に臨む両側縁よりも前記メサ中央側に所定距離引っ込み、かつ前記メサコンタクト層の縁から外れて露出する前記メサ第2クラッド層の上面は前記絶縁膜で覆われていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  12. 前記半導体レーザ素子のレーザ光を出射する出射面のうちの前方出射面側に設けられる前記メサ幅よりも小さくなる前記メサコンタクト層の長さは30〜100μmであることを特徴とする請求項11に記載の半導体レーザ素子。
  13. (a)第1導電型からなる半導体基板を準備する工程、
    (b)前記半導体基板の第1の面に、第1導電型からなるクラッド層、活性層、第2導電型からなる第1クラッド層、第2導電型からなる第2クラッド層及び第2導電型からなるコンタクト層を順次積層形成する工程、
    (c)前記コンタクト層上への酸化膜形成と前記酸化膜の選択的エッチングによって、前記コンタクト層上に1本のストライプ状のメサ形成用エッチングマスクと、このメサ形成用エッチングマスクの両側に所定の距離離れて位置するフィールド用エッチングマスクとからなる溝形成用マスクを並列に複数形成する工程、
    (d)前記溝形成用マスクをエッチングマスクとして前記コンタクト層をウエットエッチングして少なくとも前記メサ形成用エッチングマスクの下に周縁が前記メサ形成用エッチングマスクの周縁から所定距離内側に位置するメサコンタクト層を形成する工程、
    (e)前記溝形成用マスクをエッチングマスクとして前記第2クラッド層の表面から前記第2クラッド層の所定深さに至るまでドライエッチングを行い、前記メサ形成用エッチングマスクと前記フィールド用エッチングマスクとの間にそれぞれ溝を形成して前記メサ形成用エッチングマスク下にストライプ状のメサを形成する工程、
    (f)前記半導体基板の前記第1の面側への絶縁層形成と前記絶縁層の選択的エッチングによって、少なくとも前記メサコンタクト層の上面を露出させ前記半導体基板の他の前記第1の面側を覆う絶縁層を形成する工程、
    (g)前記半導体基板の前記第1の面側に前記各メサコンタクト層に電気的に接続される第2電極を形成する工程、
    (h)前記半導体基板の前記第1の面の反対面となる第2の面に第1電極を形成する工程、
    (i)前記メサの長手方向に直交する方向に前記半導体基板を所定間隔で劈開して複数の短冊体を形成する工程、
    (j)前記短冊体を前記メサに沿う方向にかつ前記メサと前記メサとの間で分割して1本のメサを有する半導体レーザ素子を製造する工程、
    を有することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  14. 前記工程(b)では、
    前記半導体基板の前記第1の面に、第1導電型からなるクラッド層、活性層、第2導電型からなる第1のクラッド層、第2導電型からなるエッチングストッパ層、第2導電型からなる第2のクラッド層及び第2導電型からなるコンタクト層を順次積層形成し、かつ前記エッチングストッパ層は前記第2の第2導電型クラッド層のエッチング速度よりもエッチング速度が遅い材質で形成し、
    前記工程(e)では、
    前記溝の底を前記エッチングストッパ層で形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  15. 前記工程(b)では、
    前記半導体基板の前記第1の面に、第1導電型からなるクラッド層、第1導電型からなる下ガイド層、活性層、第2導電型からなる上ガイド層、第2導電型からなる第1のクラッド層、第2導電型からなるエッチングストッパ層、第2導電型からなる第2のクラッド層及び第2導電型からなるコンタクト層を順次積層形成し、かつ前記エッチングストッパ層は前記第2の第2導電型クラッド層のエッチング速度よりもエッチング速度が遅い材質で形成し、
    前記工程(e)では、
    前記溝の底を前記エッチングストッパ層で形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  16. 前記工程(b)では、前記活性層を多重量子井戸構造に形成することを特徴とする請求項13に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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