JP2014183120A - 半導体装置およびその製造方法並びに半導体ウェハ - Google Patents

半導体装置およびその製造方法並びに半導体ウェハ Download PDF

Info

Publication number
JP2014183120A
JP2014183120A JP2013055565A JP2013055565A JP2014183120A JP 2014183120 A JP2014183120 A JP 2014183120A JP 2013055565 A JP2013055565 A JP 2013055565A JP 2013055565 A JP2013055565 A JP 2013055565A JP 2014183120 A JP2014183120 A JP 2014183120A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleavage
semiconductor
laser
regions
cleavage introduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013055565A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuki Matsudate
みつき 松舘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Electronics Corp
Original Assignee
Renesas Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Electronics Corp filed Critical Renesas Electronics Corp
Priority to JP2013055565A priority Critical patent/JP2014183120A/ja
Publication of JP2014183120A publication Critical patent/JP2014183120A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dicing (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】半導体装置の性能を向上する。
【解決手段】例えば、複数のリッジストライプRSが形成されたレーザ形成領域LFRを複数有する半導体レーザにおいて、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRが設けられており、この劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILが設けられている。これにより、半導体レーザの劈開面を形成する際、予め、劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILが形成されているため、良好な劈開面を形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置およびその製造技術並びに半導体ウェハに関し、例えば、窒化物半導体材料を構成材料とする半導体装置およびその製造技術並びに半導体ウェハに適用して有効な技術に関する。
特開2002−185082号公報(特許文献1)には、単一の半導体チップ内に、例えば、4μm幅のリッジストライプが20μm間隔で5つ形成されている例が記載されている。
特開2003−69152号公報(特許文献2)には、単一の半導体チップ内に、例えば、1.6μm幅のレーザストライプを4つ並べた構造が記載されている。
特開2003−31905号公報(特許文献3)には、端面からレーザ光を出射するビームを半導体基板の一面に並んで複数配置し、各ビームが半導体基板の一面に設けられた分離溝によって、互いに電気的に分離されている構造が記載されている。
特開2008−135785号公報(特許文献4)には、レーザ照射により、半導体ウェハの表面に溝部と、溝部の内部に加工変質部と、からなるブレイクラインを形成し、このブレイクラインに沿って、半導体ウェハを分離する技術が記載されている。
特開2002−185082号公報 特開2003−69152号公報 特開2003−31905号公報 特開2008−135785号公報
窒化物半導体材料を利用した半導体レーザは、高密度光ディスク用などの光源として発展してきたが、近年では、プロジェクタ、照明、加工光源に代表される様々な応用領域への展開が期待されている。この点に関し、上述した様々な応用領域への半導体レーザの適用にあたって、半導体レーザには、さらなる高出力化が求められている。
一般的に、半導体レーザを光源とする装置において、光源の大幅な高出力化が必要とされる場合、単一の半導体チップ内に、複数のレーザ光を出射するレーザ形成領域を設けて、レーザアレイ化することが考えられ、例えば、窒化物半導体材料を利用した半導体レーザにおいても、レーザアレイ化が検討されている。
半導体レーザをレーザアレイ化する場合、単一の半導体チップ内に複数のレーザ形成領域を形成することから、半導体チップのサイズが大きくなる。一方、半導体レーザを形成した半導体チップでは、半導体レーザの共振器を構成するために、半導体ウェハを複数の半導体チップに分割する際、スクライブ領域に沿って劈開して、半導体チップの側面に劈開面を形成することが行なわれている。
この点に関し、半導体レーザをレーザアレイ化する場合、半導体チップのサイズが大きくなることから、単一の半導体レーザを形成した半導体チップに比べて、劈開する長さが長くなり、良好な劈開面を形成するために工夫が必要となる。特に、窒化物半導体材料は、硬くてもろいという性質があるため、劈開工程において、意図しない方向にクラックが入りやすく、良好な劈開面を形成する技術が望まれている。
つまり、窒化物半導体材料を利用した半導体レーザをレーザアレイ化する場合には、窒化物半導体材料自体の硬くてもろいという物性と、半導体チップのサイズの増大に伴う劈開の長さの増大との相乗要因によって、良好な劈開面を得るために、劈開工程において一層の工夫が必要とされるのである。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態における半導体装置は、複数のレーザ形成領域の間に設けられた複数の劈開導入領域を有し、複数の劈開導入領域のそれぞれには、劈開面に沿った劈開導入ラインが形成されている。
また、一実施の形態における半導体ウェハには、複数のレーザ形成領域の間に設けられた複数の劈開導入領域が形成され、複数の劈開導入領域のそれぞれと境界線領域との境界線上には、境界線に沿った劈開導入ラインが形成されている。
さらに、一実施の形態における半導体装置の製造方法は、複数の劈開導入領域のそれぞれと境界線領域との境界領域に、境界線領域に沿った劈開導入ラインを形成した後、劈開導入ラインを形成した境界線領域に沿って、複数のチップ領域を劈開するものである。
一実施の形態によれば、半導体装置の性能を向上することができる。
実施の形態1における半導体レーザを形成した半導体チップを示す平面図である。 図1のA−A線で切断した断面図である。 実施の形態1における半導体チップにおいて、レーザ形成領域近傍の断面構造を示す断面図である。 実施の形態1における半導体チップに形成されている劈開導入領域の近傍領域を示す平面図である。 図4に示す半導体チップの長辺近傍の断面を示す断面図である。 実施の形態1における半導体ウェハを示す平面図である。 実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図7に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図8に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図9に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図10に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図11に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図12に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 劈開導入領域に劈開導入ラインを形成した後の半導体ウェハの一部領域を示す平面図である。 図14に続く半導体装置の製造工程を示す平面図である。 図15に続く半導体装置の製造工程を示す平面図である。 (a)は、レーザ光の照射パワーをIN側からOUT側にわたって一定に保ちながら、レーザ光をスキャンすることにより形成される劈開導入ラインを上面から見た図であり、(b)は、その劈開導入ラインの断面形状を示す図である。 (a)は、実施の形態1における調整型レーザスクライブ法で形成される劈開導入ラインを上面から見た図であり、(b)は、その劈開導入ラインの断面形状を示す図である。 実施の形態2における半導体チップの構成を示す平面図である。 図19のA−A線で切断した断面図である。 図19のB−B線で切断した断面図である。 実施の形態3における半導体チップを表面側(素子形成面側)から見た構成を示す平面図である。 実施の形態3における半導体チップを裏面側から見た構成を示す平面図である。 図22のA−A線で切断した断面図である。 実施の形態3における半導体チップの表面側(素子形成面側)にヒートシンクを取り付けた状態を示す断面図である。 実施の形態3における半導体チップの裏面に形成されている劈開導入領域の近傍領域を示す平面図である。 図26に示す半導体チップの長辺近傍の断面を示す断面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
<実施の形態1における特徴の概要>
本実施の形態1における技術的思想は、窒化物半導体材料を構成材料とし、かつ、複数のリッジストライプ(レーザストライプ)を有するアレイ型の半導体レーザに関する技術的思想である。そして、本実施の形態1における技術的思想では、複数のリッジストライプが形成されたレーザ形成領域を複数有する半導体レーザにおいて、互いに隣り合うレーザ形成領域の間に劈開導入領域が設けられており、この劈開導入領域に劈開導入ラインが設けられていることを特徴としている。
これにより、本実施の形態1における半導体レーザの劈開面を形成する際、予め、劈開導入領域に劈開導入ラインが形成されているため、良好な劈開面を形成することができる。つまり、本実施の形態1における技術的思想を利用することにより、従来技術よりも長さの長い半導体チップにおいて、良好な劈開面を形成することができる。すなわち、従来技術よりも長さの長い半導体チップにおいても、良好な劈開面を形成できるということは、互いに隣り合うリッジストライプの間隔を熱干渉の抑制可能な範囲に設定しながら、従来技術よりも多くのリッジストライプを有する半導体レーザを製造することができることを意味する。このことから、本実施の形態1における技術的思想を使用すれば、適切な間隔でリッジストライプを配置するとともに、リッジストライプの本数を増やした半導体レーザを製造することができ、これによって、数十ワット級の出力を有する窒化物半導体系の半導体レーザを提供することができる。以下に、本実施の形態1における技術的思想を適用した半導体装置(半導体レーザ)について、具体的に説明することにする。
<実施の形態1における半導体装置の構成>
図1は、本実施の形態1における半導体レーザを形成した半導体チップCHPを示す平面図である。図1において、本実施の形態1における半導体チップCHPは、長辺LSと短辺SSとを有する長方形形状をしており、例えば、長辺LSはX方向に延在し、短辺SSはX方向と直交するY方向に延在している。
長方形形状をした半導体チップCHPには、複数のレーザ形成領域LFRと、複数の劈開導入領域CIRが設けられている。複数のレーザ形成領域LFRは、長辺LSが延在するX方向に並ぶように配置されている。そして、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間には、劈開導入領域CIRが配置されており、本実施の形態1における半導体チップCHPには、複数の劈開導入領域CIRが設けられている。
例えば、図1においては、半導体チップCHPに5つのレーザ形成領域LFRがX方向に並んで配置されている。このとき、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRが設けられており、半導体チップCHP全体では、4つの劈開導入領域CIRが設けられている。
以上のことから,本実施の形態1における半導体チップCHPでは、レーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRが挿入されるようにして、5つのレーザ形成領域LFRと、4つの劈開導入領域CIRがX方向に並ぶように配置されていることになる。
次に、図1に示すように、複数のレーザ形成領域LFRのそれぞれには、複数のリッジストライプRSが形成されている。これらのリッジストライプRSのそれぞれは、例えば、図1に示すように、Y方向に延在するように形成され、Y方向に延在する複数のリッジストライプRSがX方向に並ぶように配置されていることになる。例えば、図1に示すように、1つのレーザ形成領域LFRには、3本のリッジストライプRSが配置されている。したがって、本実施の形態1における半導体チップCHPには、5つのレーザ形成領域LFRがあり、個々のレーザ形成領域LFRに3本のリッジストライプRSが形成されていることから、半導体チップCHP全体では、15本のリッジストライプRSが配置されていることになる。
続いて、図1に示すように、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRに挟まれるように、劈開導入領域CIRが配置されており、この劈開導入領域CIRとレーザ形成領域LFRの境界領域には、溝部DITが形成されている。この溝部DITは、半導体チップCHPの短辺SSが延びるY方向に延在するように形成されている。具体的には、図1に示すように、劈開導入領域CIRの左端部領域と右端部領域のそれぞれに、1本ずつ溝部DITが形成されており、それぞれの溝部DITは、短辺SSに沿って延在するように形成されていることになる。言い換えれば、図1に示すように、複数のレーザ形成領域LFRのそれぞれを挟むように溝部DITが形成されていることになる。
そして、劈開導入領域CIRにおいては、溝部DITの内側領域であって、半導体チップCHPの長辺LSで規定される上端部近傍および下端部近傍に劈開導入ラインCILが形成されている。具体的に、複数の劈開導入領域CIRのそれぞれには、一対の長辺LSのそれぞれに沿うように、劈開導入ラインCILが設けられていることから、1つの劈開導入領域CIRには、2本の劈開導入ラインCILが形成されていることになる。
本実施の形態1における半導体チップCHPでは、劈開導入ラインCILが形成されている長辺方向の側面が劈開面となっている。つまり、劈開面は、レーザ形成領域LFRに形成されているリッジストライプRSの延在方向であるY方向と直交する側面が劈開面を構成していることになる。この劈開面が半導体レーザのレーザ端面となる。
一方、本実施の形態1における半導体チップCHPにおいては、半導体チップCHPの短辺SSに沿ってブレイクラインBLが形成されている。このブレイクラインBLが形成されている短辺SSの側面は、劈開面とはなっていない。
以上のことから、本実施の形態1における半導体チップCHPにおいては、半導体チップCHPの短辺SSの側面は劈開面となっていない一方、半導体チップCHPの長辺LSの側面がレーザ端面として機能する劈開面となっている。このように、本実施の形態1における半導体チップCHPは、長方形形状をしており、長方形形状の長辺LSに沿って劈開面が形成されていることになる。この結果、本実施の形態1における半導体チップCHPでは、劈開面の長さが長くなるという特徴がある。
劈開導入ラインCILの長さは、良好な劈開面を形成する観点から、図1に示すレーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRを合わせた幅W2の30%程度よりも大きいことが望ましく、劈開導入領域CIRの幅W1よりも小さいことが望ましい。
このとき、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRを合わせた幅W2は、良好な劈開面を形成する観点から、例えば、半導体チップCHPの厚さが100μmの場合、400μm程度以下であることが望ましい。一方、半導体レーザの動作時の発熱に起因する各レーザ形成領域LFR間の熱干渉を抑制する観点から、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRを合わせた幅W2は、例えば、100μm以上あることが望ましい。この幅W2は、素子収量等も含めたこれらの関係を考慮して決定される。また、溝部DITの幅WDは、例えば、1μm以上あればよい。
これらの関係から、レーザ形成領域LFRの幅W3が決定される。例えば、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRを合わせた幅W2=300μm、溝部DITの幅WD=5μm、劈開導入ラインCILの長さ=90μm、劈開導入領域CIRの幅W1=110μmとした場合、レーザ形成領域LFRの幅W3=W2−W1=190μmとなる。このように決定されるレーザ形成領域LFR内に、単一または複数のリッジストライプRSを形成することができる。
溝部DITとリッジストライプRSとの間の間隔L1(後述する図3を参照)は、半導体レーザの発振特性への影響を避ける観点から、リッジストライプRSの幅WSよりも大きくすることが望ましい。本実施の形態1では、例えば、幅WS=5μmのリッジストライプRSを70μm間隔で3本配置し、リッジストライプRSと溝部DITの間の間隔は、17.5μmとすることができる。ただし、リッジストライプRSの幅WS、本数および間隔は、半導体レーザの所望の発振特性等を考慮して選択することができる。また、各リッジストライプRSの幅WSや間隔は、均一であってもよいし、不均一であってもよい。同様に、レーザ形成領域LFRの幅W3や、劈開導入領域CIRの幅W1等についても、それぞれの値が上述した条件を満たしていれば、均一であっても、不均一であってもよい。なお、半導体レーザの共振器長である半導体チップCHPの長辺LS間の距離についても、所望のデバイス特性を考慮して適切な値を選択することができる。
次に、図2は、図1のA−A線で切断した断面図である。図2に示すように、本実施の形態1における半導体チップCHPは、半導体基板1Sを有しており、この半導体基板1Sに複数のレーザ形成領域LFRと、複数の劈開導入領域CIRが形成されている。具体的に、本実施の形態1における半導体チップCHPでは、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRが交互に配置されており、個々のレーザ形成領域LFRには、半導体基板1Sから突出する3本のリッジストライプRSが形成され、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRの境界領域には、溝部DITが形成されている。一方、半導体基板1Sには、半導体レーザの発光層として機能する活性層MQWが形成されており、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRの境界領域に設けられている溝部DITは、この活性層MQWを貫くように形成されている。
本実施の形態1における半導体チップCHPは、上記のように構成されており、次に、半導体チップCHPに形成されているレーザ形成領域LFRの詳細な構成について説明することにする。
<レーザ形成領域の構成>
半導体チップCHPに形成されているレーザ形成領域LFRは、半導体レーザとして機能する領域である。以下では、レーザ形成領域LFRにおいて、半導体レーザとして機能する構成について説明し、その後、半導体レーザの簡単な動作について説明する。
図3は、本実施の形態1における半導体チップにおいて、レーザ形成領域LFR近傍の断面構造を示す断面図である。図3において、劈開導入領域CIRに挟まれるように、レーザ形成領域LFRが形成されている。このレーザ形成領域LFRには、例えば、n型GaNからなる半導体基板1Sが形成され、この半導体基板1S上にn型クラッド層NCLDが形成されている。そして、n型クラッド層NCLD上に光導波路層OWG1が形成され、この光導波路層OWG1上に活性層MQWが形成されている。さらに、活性層MQW上には、光導波路層OWG2が形成され、この光導波路層OWG2上に、電流狭窄層を構成するp型クラッド層PCLDおよびp型コンタクト層PCNTが形成されている。
図3に示すように、p型クラッド層PCLDと、p型クラッド層PCLD上に設けられたp型コンタクト層PCNTは、リッジストライプ形状に加工されており、例えば、レーザ形成領域LFRには、p型クラッド層PCLDと、p型クラッド層PCLD上に設けられたp型コンタクト層PCNTからなるリッジストライプRSが3本形成されている。このリッジストライプRSは、電流狭窄層と機能するとともに、水平方向の屈折率導波機構としても機能する。そして、リッジストライプRSの一部を構成するp型コンタクト層PCNT上にp側電極PEが設けられており、このp側電極PEは、3本のリッジストライプRSにわたって形成されている。したがって、p側電極PEは、3本のリッジストライプRSに共通の電極となっている。一方、半導体基板1Sの裏面には、n側電極NEが形成されている。
また、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRの境界領域には、溝部DITが形成されており、この溝部DITは、光導波路層OWG2、活性層MQW、光導波路層OWG1を貫通し、溝部DITの底部がn型クラッド層NCLDに達するように形成されている。そして、レーザ形成領域LFRにおいて、リッジストライプRSが形成されていない表面領域には、絶縁膜IF1が形成されており、この絶縁膜IF1は、溝部DITの内壁も覆うように形成されている。
図3において、n型クラッド層NCLDは、例えば、厚さが3μmで、かつ、n型不純物であるシリコン(Si)が導入されたAlGaN層から構成されている。一方、光導波路層OWG1および光導波路層OWG2は、例えば、厚さが0.1μm程度のGaN層から構成されている。また、活性層MQWは、InGaN層からなる量子井戸層と、InGaN層からなる障壁層(バリア層)を交互に積層した量子井戸構造から構成されている。そして、量子井戸層を構成するInGaN層のインジウム組成と、障壁層を構成するInGaN層のインジウム組成は異なっており、所望の発振波長に応じて、インジウム組成と層厚が調整される。p型クラッド層PCLDは、例えば、厚さが0.5μmで、かつ、p型不純物であるマグネシウム(Mg)が導入されたAlGaN層から構成される。p型コンタクト層PCNTは、例えば、厚さが0.1μmで、かつ、p型不純物であるマグネシウムが導入されたGaN層から構成される。また、p側電極PEは、例えば、パラジウム(Pd)とプラチナ(Pt)の積層膜から構成される一方、n側電極NEは、例えば、チタン(Ti)と金(Au)の積層膜から構成される。さらに、絶縁膜IF1は、例えば、酸化シリコン膜(SiO)から構成される。なお、これらの層や膜の厚さや組成等は、半導体レーザの所望の特性等を考慮して適宜変更することが可能である。また、図示していないが、レーザ端面(劈開面)には、反射率の調整やレーザ端面を保護するための誘電体多層膜を形成することもできる。
<半導体レーザの動作>
レーザ形成領域LFRに形成されている半導体レーザは上記のように構成されており、以下に、その動作について簡単に説明する。
まず、p側電極PEに正電圧を印加するとともに、半導体基板1Sの裏面に形成されたn側電極NEに負電圧を印加する。これにより、本実施の形態1における半導体レーザでは、p側電極PEからn側電極NEに向かって順方向電流が流れる。これにより、p側電極PEからリッジストライプ(p型コンタクト層PCNTおよびp型クラッド層PCLD)および光導波路層OWG2を介して活性層MQWに正孔が注入される。一方、n側電極NEからは、半導体基板1Sに電子が注入され、注入された電子は、n型クラッド層NCLDおよび光導波路層OWG1を介して、活性層MQWに注入される。
活性層MQWでは、注入された正孔と電子によって反転分布が形成され、電子が伝導帯から価電子帯に誘導放出によって遷移することにより、位相の揃った光が発生する。そして、活性層MQWで発生した光は、活性層MQWよりも屈折率の低い周囲の半導体層(p型クラッド層PCLDおよびn型クラッド層NCLD)により、活性層MQW内に閉じ込められる。そして、活性層MQW内に閉じ込められている光は、半導体レーザに形成されている劈開面(レーザ端面)からなる共振器を往復することにより、さらなる誘導放出によって増幅される。その後、活性層MQW内でレーザ光が発振して、半導体チップCHPからレーザ光が射出される。このとき、リッジストライプRSが形成されていることにより、活性層MQWで発振するレーザ光の光モード(横モード)が基本モードとなる。このようにして、本実施の形態1における半導体レーザが動作することになる。つまり、本実施の形態1における半導体レーザでは、リッジストライプRSの下部に存在する活性層MQWの領域からレーザ光が射出される。
この点に関し、本実施の形態1における半導体チップCHPでは、図1に示すように、5つのレーザ形成領域LFRが形成され、かつ、個々のレーザ形成領域LFRには、3本のリッジストライプRSが形成されている。このことから、本実施の形態1における半導体チップCHPにおいては、15本のリッジストライプRSに対応して、レーザ光が射出されるレーザスポットが形成されることになり、本実施の形態1における半導体チップCHPからは、高出力のレーザ光を射出することができることがわかる。
<劈開導入領域の構成>
次に、レーザ形成領域LFRで挟まれた劈開導入領域CIRの構成について説明する。
図4は、本実施の形態1における半導体チップに形成されている劈開導入領域CIRの近傍領域を示す平面図である。図4に示すように、レーザ形成領域LFRで挟まれた劈開導入領域CIRの左端部近傍および右端部近傍には、溝部DITが形成されており、劈開導入領域CIRの下端部が、半導体チップの長辺LSで規定されている。そして、この劈開導入領域CIRの下端部の長辺LSには、劈開導入領域CIRの左端部近傍に形成されている溝部DITと、劈開導入領域CIRの右端部近傍に形成されている溝部DITに挟まれるように、劈開導入ラインCILが形成されている。なお、図4では、劈開導入領域CIRの下端部近傍について図示されているが、図示されていない劈開導入領域CIRの上端部近傍についても同様の構成をしている。つまり、劈開導入領域CIRの下端部と、劈開導入領域CIRの上端部とは、同様の構成をしているため、主に、劈開導入領域CIRの下端部近傍に着目して説明することにする。
次に、図5は、図4に示す半導体チップの長辺LS近傍の断面を示す断面図である。図5において、劈開導入領域CIRには、例えば、n型GaNからなる半導体基板1Sが形成され、この半導体基板1S上にn型クラッド層NCLDが形成されている。そして、n型クラッド層NCLD上に光導波路層OWG1が形成され、この光導波路層OWG1上に活性層MQWが形成されている。さらに、活性層MQW上には、光導波路層OWG2が形成され、この光導波路層OWG2上に、p型クラッド層PCLDが形成されている。一方、半導体基板1Sの裏面には、n側電極NEが形成されている。
また、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRの境界領域には、溝部DITが形成されており、この溝部DITは、光導波路層OWG2、活性層MQW、光導波路層OWG1を貫通し、溝部DITの底部がn型クラッド層NCLDに達するように形成されている。そして、劈開導入領域CIRの表面領域には、絶縁膜IF1が形成されており、この絶縁膜IF1は、溝部DITの内壁も覆うように形成されている。
そして、本実施の形態1では、劈開導入領域CIRの左端部近傍に形成されている溝部DITと、劈開導入領域CIRの右端部近傍に形成されている溝部DITに挟まれるように、劈開導入ラインCILが形成されている。この劈開導入ラインCILの断面形状(側面形状)は、舟形をしており、この劈開導入ラインCILは、劈開導入領域CIRの表面から、絶縁膜IF1、p型クラッド層PCLD、光導波路層OWG2、活性層MQW、光導波路層OWG1、n型クラッド層NCLDを貫通し、劈開導入ラインCILの底部が半導体基板1Sに達するように形成されている。すなわち、本実施の形態1において、劈開導入ラインCILは、半導体チップの上面から露出し、かつ、劈開導入ラインCILの深さは、半導体チップの厚さよりも小さくなるように構成されていることになる。
この劈開導入ラインCILは、例えば、レーザスクライブ法を使用することにより形成されており、劈開面に相当する部分が最も深くなるようなV字型形状となっている。この劈開導入ラインCILに沿って劈開面が形成される結果、図4に示すように、劈開導入ラインCILの一部が半導体チップCHPに残存することになる。そして、この半導体チップCHPに残存する劈開導入ラインCILの底部は、図5に示すように、活性層MQWよりも下部に達している。
<実施の形態1における半導体装置の製造方法>
本実施の形態1における半導体装置は、上記のように構成されており、以下に、その製造方法について、図面を参照しながら説明する。
まず、図6に示すように、略円盤形状をした窒化物半導体材料を構成材料とする半導体ウェハWFを用意する。この半導体ウェハWFには、複数のチップ領域CRが形成されており、複数のチップ領域CRは、境界線領域BORで区画されている。そして、複数のチップ領域CRのそれぞれは、長辺と短辺とを有する長方形形状をしている。
以下に示す図7〜図13においては、1つのチップ領域CR内の一部領域を図示して説明することにする。具体的には、図7〜図13では、チップ領域CR内において、1つの劈開導入領域CIRと、この劈開導入領域CIRを挟む一対のレーザ形成領域LFRを図示して説明することにする。
図7に示すように、例えば、n型GaN基板からなる半導体基板(半導体ウェハ)1S上に、例えば、有機金属気相成長法(MOVPE法)等を使用することにより、n型クラッド層NCLD、光導波路層OWG1、活性層MQW、光導波路層OWG2、p型クラッド層PCLD、p型コンタクト層PCNTを順次積層する。
このとき、n型クラッド層NCLDは、例えば、n型不純物であるシリコン(Si)が導入されたAlGaN層から形成され、光導波路層OWG1および光導波路層OWG2は、例えば、GaN層から形成される。また、活性層MQWは、InGaN層からなる量子井戸層と、InGaN層からなる障壁層を交互に積層した量子井戸構造から形成されている。そして、量子井戸層を構成するInGaN層のインジウム組成と、障壁層を構成するInGaN層のインジウム組成は異なっており、所望の発振波長に応じて、インジウム組成と層厚が調整される。p型クラッド層PCLDは、例えば、p型不純物であるマグネシウム(Mg)が導入されたAlGaN層から構成され、p型コンタクト層PCNTは、例えば、p型不純物であるマグネシウムが導入されたGaN層から形成されている。
次に、図8に示すように、フォトリソグラフィ技術を使用することにより、溝部形成領域以外を覆うエッチングマスクを形成する。そして、このエッチングマスクを形成した状態で、例えば、塩素系ガスを使用したドライエッチング技術により、n型クラッド層NCLDの途中までエッチングする。これにより、溝部DITが形成される。この溝部DITは、図8に示すように、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRとの境界領域に接する劈開導入領域CIRの端部領域に形成される。
続いて、図9に示すように、フォトリソグラフィ技術を使用することにより、所望の幅を有するストライプ形状のエッチングマスクを形成する。そして、このエッチングマスクを形成した状態で、例えば、塩素系ガスを使用したドライエッチング技術により、p型クラッド層PCLDの途中までエッチングする。これにより、レーザ形成領域LFRに、所望の幅のリッジストライプRSが形成される。例えば、図9では、各レーザ形成領域LFRに3本のリッジストライプRSが形成されている様子が示されている。このとき、p型クラッド層PCLDをエッチングする深さは、半導体レーザの水平横モード特性、電流−光出力特性、電流−電圧特性等に影響を与えるため、要求されるデバイス特性等を考慮して、最適な値を選択する。
その後、図10に示すように、半導体基板1Sの主面である素子形成面の全面に絶縁膜IF1を形成する。絶縁膜IF1は、例えば、酸化シリコン膜等から形成され、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を使用することにより形成することができる。図10に示すように、絶縁膜IF1は、例えば、レーザ形成領域LFRに形成されているリッジストライプRSを覆うように形成されるとともに、劈開導入領域CIRの端部領域に形成されている溝部DITの内壁にも形成される。
次に、図11に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、p側電極形成領域に形成されている絶縁膜IF1を除去した後、パラジウム膜およびプラチナ膜を、例えば、蒸着法で積層形成する。そして、積層したパラジウム膜およびプラチナ膜をパターニングした後、適当な条件で加熱してアロイ処理(合金処理)することにより、p側電極PEを形成する。このp側電極PEは、例えば、図11に示すように、3本のリッジストライプRSにわたって形成される。この結果、p側電極PEは、3本のリッジストライプRSの共通電極となる。さらに、p側電極PE上には、カバー電極やメッキパッド等を形成することができる。
続いて、図12に示すように、半導体基板1Sの裏面を研磨して、例えば、100μm程度まで薄板化した後、半導体基板1Sの裏面に、チタン膜および金膜を、例えば、蒸着法で積層形成する。その後、適当な条件で加熱してアロイ処理することにより、n側電極NEを形成する。
次に、図13に示すように、まず、レーザスクライブ法を使用することにより、劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILを形成する。レーザスクライブ法では、高エネルギーのレーザ光を半導体層に吸収させ、吸収によって発生する熱により半導体層を溶融して、劈開導入ラインCILを形成する。レーザスクライブ法で使用されるレーザは、GaN層のバンドギャップ(3.4eV)よりも大きいエネルギーを有するレーザ、例えば、YAGレーザや、YVOレーザ等の固体レーザの3倍または4倍の高調波を用いることができる。レーザの照射パワーとしては、例えば、1〜1000J/cm以下である。
劈開導入ラインCILは、劈開面とほぼ平行な方向として、例えば、c面基板上レーザの場合は、<11−20>方向に形成する、劈開導入ラインCILの端部は、レーザスクライブによるダメージ等のレーザ形成領域LFRへの影響を避ける観点から、劈開導入領域CIRからはみ出さないように形成される。劈開導入ラインCILの上部の幅は、例えば、1μm以上10μm以下であり、劈開導入ラインCILの深さは、例えば、素子を形成した半導体基板1Sの厚さに対して10%以上50%以下であることが望ましく、所望の深さに対応して、レーザの照射パワー等の条件が調整される。
また、劈開導入ラインCILは、良好な劈開面を得る観点から、断面形状が左右非対称の舟形形状であることが望ましく、レーザスキャン時に、レーザの照射パワーを変化させることにより、所望の角度の舟形形状となるように、レーザの照射パワーを調整する。
図14は、劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILを形成した後の半導体ウェハWFの一部領域を示す平面図である。図14に示すように、半導体ウェハWFには、複数のチップ領域CRが形成されており、チップ領域CRは境界線領域BORで区画されている。図14に示すように、チップ領域CRのそれぞれは、長辺と短辺とを有する長方形形状をしており、チップ領域CRの長辺方向であるX方向に沿って、複数の劈開導入ラインCILが形成されていることがわかる。すなわち、本実施の形態1では、図14に示すように、長辺方向であるX方向に延在する境界線領域BORに沿って、複数の劈開導入ラインCILが形成されている。
続いて、図15に示すように、劈開導入ラインCILが形成された境界線領域BORに沿って半導体ウェハを分割する。これにより、長辺方向であるX方向の側面に劈開面が形成されたレーザバーLBを得ることができる。このとき、本実施の形態1では、劈開面を形成する際、予め、劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILが形成されているため、良好な劈開面を形成することができる。つまり、本実施の形態1のように劈開面の長さの長いレーザバーLBにおいても、良好な劈開面を形成することができる。
なお、レーザバーLBに形成された両劈開面に低反射膜および高反射膜を形成してもよい。低反射膜としては、例えば、酸化アルミニウム膜(Al膜)を挙げることができ、高反射膜としては、例えば、酸化シリコン膜(SiO膜)と酸化ジルコニウム膜(ZrO膜)の多層膜を挙げることができる。反射率は、所望の発振波長において、例えば、低反射膜が10%、高反射膜が90%とすることができる。
次に、図16に示すように、レーザスクライブ法を使用することにより、劈開面を形成したX方向と直交するY方向の境界線領域BORに沿って、ブレイクラインBLを形成する。c面基板上レーザの場合、この方向は、<1−100>方向となるが、この分割面は、劈開容易面ではないため、分割面に沿ってなるべく長くブレイクラインBLを形成する。ただし、ブレイクラインBLを形成する際の劈開面への汚染や劣化を防止するため、ブレイクラインBLと劈開面との間には、例えば、20μm以下の間隙を設けることが望ましい。ブレイクラインBLの深さは、例えば、素子を形成した半導体基板の厚みに対して、30%以上70%以下であることが望ましく、半導体基板にまで達していることが望ましい。このとき、所望の深さに対応して、レーザの照射パワー等の条件が調整される。その後、ブレイクラインBLが形成された境界線領域BORに沿ってレーザバーLBを分割することにより、図1に示すような半導体チップCHPを得ることができる。以上のようにして、本実施の形態1における半導体装置を製造することができる。
<実施の形態1の特徴>
続いて、本実施の形態1の特徴について説明する。本実施の形態1の第1特徴点は、例えば、図1に示すように、複数のリッジストライプRSが形成されたレーザ形成領域LFRを複数有する半導体レーザにおいて、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRが設けられており、この劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILが設けられている点にある。
これにより、本実施の形態1における半導体レーザの劈開面を形成する際、予め、劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILが形成されているため、良好な劈開面を形成することができる。つまり、本実施の形態1のように劈開面の長さの長い半導体チップCHPにおいても、良好な劈開面を形成することができる。
例えば、一般的な窒化物半導体系の半導体レーザでは、半導体チップに形成される劈開面の長さが小さいため、半導体チップ内に形成されるリッジストライプの本数が少なく、レーザ加工用途等に必要とされる数十ワット級の充分な光出力を得ることが困難である事情が存在する。
この点に関し、半導体レーザの光出力を向上させるために、まず、半導体チップに形成される劈開面の長さを維持して、リッジストライプの本数を増やすことが考えられる。ところが、この場合、リッジストライプ間の間隔が狭くなることから、半導体チップの発熱が大きくなり、リッジストライプ間の熱干渉の影響が顕著となる。この結果、半導体レーザの高出力化が困難となる。
そこで、半導体チップに形成される劈開面の長さを長くして、リッジストライプ間の間隔を広げた上で、リッジストライプの本数を増やすことが考えられる。この場合、リッジストライプ間の間隔が広くなることから、リッジストライプ間の熱干渉の影響を低減することができ、かつ、リッジストライプの本数を増加させることができることから、半導体レーザの高出力化を図ることができると考えられる。
ところが、窒化物半導体系の半導体レーザにおいては、以下に示すような特別な事情が存在する。すなわち、窒化物半導体材料は、硬くてもろいという性質がある。このため、窒化物半導体系の半導体レーザにおいては、レーザの反射面としての良好な劈開面を形成するためには、必然的に、半導体チップのサイズが限定されてしまうのである。すなわち、半導体チップのサイズが大きくなるということは、形成する劈開面の長さが長くなることを意味する。この結果、窒化物半導体系の半導体レーザでは、窒化物半導体材料の硬くてもろいという性質から、劈開面の長さが長くなると、劈開面の方向が不安定となり、意図した方向の均一な劈開面を得ることが困難となるのである。
ここで、予め、半導体チップに適切な間隔および数の劈開導入ラインを設けることが考えられる。この場合、劈開導入ラインを設けることにより、半導体チップのサイズが大きくなって、劈開面の長さが長くなっても、劈開導入ラインを起点や中継点として良好な劈開面が形成されやすくなると考えられる。この結果、半導体チップのサイズが大きくなって、劈開面の長さが長くなることに起因して良好な劈開面を形成することが困難になるという改善の余地は、一見、劈開導入ラインを形成することによって解決されるように思われる。
ところが、半導体チップのレーザ形成領域を拡大して、半導体レーザの光出力を向上させることを考えると、半導体チップ内には、レーザ形成領域しか存在しないため、必然的に、レーザ形成領域内に劈開導入ラインを設ける必要性が生じることになる。このとき、劈開導入ラインを形成すると、その形成領域では、結晶劣化を引き起こすおそれがある。このことから、レーザ形成領域に劈開導入ラインを形成することは回避する必要がある。つまり、単純に、半導体チップのレーザ形成領域を拡大するだけで、半導体レーザの光出力を向上させる構成では、良好な劈開面を得るために、レーザ形成領域に劈開導入ラインを形成する構成は、劈開導入ラインに起因する結晶劣化に基づく半導体レーザの性能低下を招くことから採用することができなくなるのである。だからといって、半導体チップのレーザ形成領域を拡大して、半導体レーザの光出力を向上させる構成では、劈開面の長さが長くなるため、劈開導入ラインを形成しない場合、良好な劈開面を得ることが困難となる。良好な劈開面が得られず、劈開面の不均一性が顕在化すると、個々のリッジストライプの特性に不均一性が生じて、アレイ型の半導体レーザの性能劣化を招くことになる。
そこで、本実施の形態1では、半導体レーザの性能低下を招くことなく、良好な劈開面を形成する工夫を施しているのである。具体的に、本実施の形態1の第1特徴点は、例えば、図1に示すように、複数のリッジストライプRSが形成されたレーザ形成領域LFRを複数有する半導体レーザにおいて、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRを設け、この劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILを形成する点にある。この場合、本実施の形態1においては、まず、図1に示すように、劈開面が形成される半導体チップCHPの長辺LSに沿って、複数の劈開導入ラインCILが設けられることになる。この結果、本実施の形態1によれば、長方形形状の半導体チップCHPの長辺LSの長さが長くなって、長辺方向であるX方向に延在する劈開面の長さが長くなっても、複数の劈開導入ラインCILを起点や中継点として良好な劈開面を形成することができる。
具体的に、本実施の形態1では、例えば、図1に示すように、複数のレーザ形成領域LFRが形成されており、半導体チップCHPに形成されるリッジストライプRSの本数が増加している。例えば、本実施の形態1では、図1に示すように、5つのレーザ形成領域LFRが設けられ、かつ、個々のレーザ形成領域LFRに3本のリッジストライプRSが形成されている。このことから、本実施の形態1における半導体チップCHPには、合計で15本のリッジストライプRSが形成されていることになる。これにより、本実施の形態1における半導体チップCHPには、数十ワット級の大きな光出力の半導体レーザを形成することができる。さらに、本実施の形態1における半導体チップCHPでは、隣り合うレーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRが設けられており、半導体チップCHP内に4つの劈開導入領域CIRが配置されている。
以上のことから、本実施の形態1における半導体チップCHPは、長方形形状しており、必然的に、劈開面が形成される長辺方向の長さが長くなる。この点に関し、本実施の形態1における半導体チップCHPでは、劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILが設けられている。この結果、本実施の形態1によれば、長方形形状の半導体チップCHPの長辺LSの長さが長くなって、長辺方向であるX方向に延在する劈開面の長さが長くなっても、複数の劈開導入ラインCILを中継点として良好な劈開面を形成することができる。
そして、本実施の形態1では、例えば、図1に示すように、劈開導入ラインCILが劈開導入領域CIRに形成されている。言い換えれば、本実施の形態1において、複数の劈開導入ラインCILは、リッジストライプRSが形成されるレーザ形成領域LFRには形成されていない。このため、本実施の形態1によれば、たとえ、半導体チップCHPの長辺方向であるX方向に沿って、複数の劈開導入ラインCILを設けても、レーザ形成領域LFRには、劈開導入ラインCILが形成されないため、劈開導入ラインCILを設けることにより引き起こされる可能性のある結晶劣化を生じさせなくすることができる。
すなわち、本実施の形態1によれば、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRを設け、この劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILを形成する構成を採用している。これにより、本実施の形態1によれば、レーザ形成領域LFRに形成される半導体レーザの性能低下を招くことなく、半導体チップCHPの長辺方向であるX方向全体にわたって、良好な劈開面を形成できるという顕著な効果が得られるのである。
このように、本実施の形態1では、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRを設けている。この主な理由は、レーザ形成領域LFRとは異なる領域に劈開導入ラインCILを形成して、劈開導入ラインCILを設けることにより引き起こされる可能性のある結晶劣化をレーザ形成領域LFRで生じさせないようにするためである。
この点に関し、さらに、本実施の形態1では、劈開導入領域CIRを設けることにより、以下に示す利点も得られる。
例えば、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRを設けずに、図1に示す15本のリッジストライプRSを配置する場合を考える。この場合、15本のリッジストライプRSが密に配置されるため、半導体チップでの発熱が大きくなり、リッジストライプRS間の熱干渉の影響が顕著となる。この結果、半導体レーザの高出力化が困難となると考えられる。
これに対し、本実施の形態1では、図1に示すように、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRが設けられている。この結果、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間の距離を離すことができる。このことは、レーザ形成領域LFRに形成されているリッジストライプRSと、劈開導入領域CIRを介して、隣りに配置されているレーザ形成領域LFRのリッジストライプRSとの間の距離を離すことができることを意味する。このことは、リッジストライプRSの密度が大きくなることを抑制できることを意味し、これによって、リッジストライプRS間の熱干渉を抑制しながら、多くのリッジストライプRSを有する半導体レーザを製造することができることを意味する。
例えば、図1に示すように、3本のリッジストライプRSが配置されたレーザ形成領域LFRが5つ形成されているが、これらの5つのレーザ形成領域LFRは、劈開導入領域CIRによって離間されている。この結果、本実施の形態1によれば、3本のリッジストライプRSが形成されているレーザ形成領域LFR間の熱干渉を効果的に抑制できることを意味している。したがって、本実施の形態1における半導体チップCHPによれば、15本のリッジストライプRSを形成しても、リッジストライプRS間の熱干渉を充分に抑制することができる。このことから、本実施の形態1によれば、適切な間隔でリッジストライプRSを配置するとともに、リッジストライプRSの本数を増やした半導体レーザを製造することができ、これによって、数十ワット級の出力を有する窒化物半導体系の半導体レーザを提供することができるのである。
次に、本実施の形態1における第2特徴点について説明する。本実施の形態1における第2特徴点は、例えば、図5に示すように、劈開導入領域CIRに形成されている劈開導入ラインCILの断面形状が左右非対称の舟形形状をしている点にある。
以下では、まず、レーザスクライブ法によって劈開導入ラインCILを形成する方法について簡単に説明した後、本実施の形態1における第2特徴点による利点について説明することにする。
レーザスクライブ法で劈開導入ラインCILを形成するには、例えば、図5において、レーザ光を半導体基板1Sに照射し、このレーザ光をスクライブ方向に沿って移動(スキャン)させることにより実施される。すなわち、図5において、IN側からレーザ光を照射しながら、レーザ光を半導体基板1Sに照射する。この場合、レーザ光が照射された半導体層では、レーザ光が吸収され、この吸収によって発生する熱により半導体層が溶融する。そして、レーザ光をIN側からOUT側までスキャンすることにより、IN側からOUT側にわたってレーザ光が照射された半導体層が溶融して、1本の劈開導入ラインCILが形成されることになる。
ここで、まず、劈開導入ラインCILの断面形状を垂直形状にする場合を考える。この場合は、レーザ光の照射パワーをIN側からOUT側にわたって一定に保ちながら、レーザ光をスキャンすることになる。具体的に、図17(a)は、レーザ光の照射パワーをIN側からOUT側にわたって一定に保ちながら、レーザ光をスキャンすることにより形成される劈開導入ラインCILを上面から見た図であり、(b)は、その劈開導入ラインCILの断面形状を示す図である。図17(b)に示すように、レーザ光の照射パワーをIN側からOUT側にわたって一定に保ちながら、レーザ光をスキャンすると、劈開導入ラインCILの断面形状が垂直形状になることがわかる。これは、レーザ光の照射パワーが一定であることから、レーザ光によって溶融する半導体層の深さがIN側からOUT側にわたって一定となるためと考えられる。
この場合、レーザ光の照射開始点および照射終了点においては、レーザ光のスキャンを停止した状態で大きな照射パワーのレーザ光が照射されることになる。このことから、例えば、図17(a)に示すように、レーザ光の照射開始点および照射終了点においては、劈開導入ラインCILの形状が照射されるレーザ光の平面形状を反映する結果、極端にいうと略円形形状となる。このため、劈開導入ラインCILにおいて、劈開が進行する方向に形成される微小クラックCLKの方向が一意的に決まらず、劈開面の曲がりや欠けが発生しやすくなる。すなわち、レーザ光の照射パワーをIN側からOUT側にわたって一定に保ちながら、レーザ光をスキャンすることにより形成される劈開導入ラインCILでは、劈開導入ラインCILを設けたとしても、劈開導入ラインCILを起点や中継点として良好な劈開面を形成しにくくなるのである。
そこで、本実施の形態1では、劈開導入ラインCILの形成方法にさらなる工夫を施している。つまり、本実施の形態1では、レーザ光の照射開始点からレーザ光をスキャンするにしたがって、レーザ光の照射パワーを徐々に増加させる。その後、レーザ光の照射開始点から所定距離(第1距離)だけスキャンした位置からレーザ光の照射パワーを一定に保つ。そして、レーザ光の照射終了点までの距離が所定距離(第2距離)になった位置からレーザ光の照射終了点までスキャンするにしたがって、レーザ光の照射パワーを徐々に減少させる。このように、本実施の形態1では、レーザ光の照射パワーを調整しながら、レーザ光をスキャンすることにより劈開導入ラインCILを形成する点に第2特徴点がある。以下では、上述した本実施の形態1におけるレーザスクライブ方法を、便宜上、調整型レーザスクライブ法と呼ぶことにする。
具体的に、図18(a)は、本実施の形態1における調整型レーザスクライブ法で形成される劈開導入ラインCILを上面から見た図であり、(b)は、その劈開導入ラインCILの断面形状を示す図である。
図18(a)に示すように、本実施の形態1における調整型レーザスクライブ法を使用すると、平面視において、劈開導入ラインCILの端部が先細り形状となることがわかる。言い換えれば、本実施の形態1で形成される劈開導入ラインCILの先端形状がシャープになることがわかる。このとき、図18(b)に示すように、劈開導入ラインCILの断面形状は、舟形形状となる。
このように本実施の形態1における調整型レーザスクライブ法を使用する場合には、図18(a)に示すように、劈開導入ラインCILの先端形状がシャープになる。このため、本実施の形態1においては、レーザスクライブ時に形成される微小クラックCLKの形成方向が、劈開面に沿った方向になりやすくなると考えられる。このことから、本実施の形態1によれば、劈開導入ラインCILを起点や中継点として良好な劈開面を形成しやすくなると考えられるのである。
さらに、本実施の形態1では、レーザ光の照射パワーを増加させるIN側の第1距離と、レーザ光の照射パワーを減少させるOUT側の第2距離が異なっている。これにより、図18(b)に示すように、本実施の形態1で形成される劈開導入ラインCILの左辺LTSの傾き角度と、右辺RTSの傾き角度が異なることになる。すなわち、本実施の形態1では、図18(b)に示すように、劈開導入ラインCILの左辺LTSの傾き角度は、劈開導入ラインCILの右辺RTSの傾き角度よりも小さくなっている。このため、本実施の形態1における劈開導入ラインCILの断面形状は、左右非対称となる。
以下では、この理由について説明する。例えば、IN側は、何も形成されていない状態から初めて劈開導入ラインCILを形成するため、なるべく余計な方向の微小クラックCLKが入りにくくして、劈開面に沿った方向の微小クラックCLKだけを発生させて、劈開面の曲がりを防止する必要がある。このため、レーザ光の照射パワーを増加させるIN側の第1距離を大きくして、劈開導入ラインCILの先端形状をできるだけシャープにすることが望ましいのである。
一方、OUT側は、所望の分割ラインと、結晶としての劈開ラインが微妙にずれている場合、劈開導入ラインCILによって、このずれを吸収することになるが、実験結果によると、OUT側の第2距離を短くした方が劈開導入ラインCILによって吸収しやすくなるのである。さらに、OUT側を形成する場合には、すでにIN側で微小クラックCLKが形成されているため、劈開導入ラインCILの先端形状がある程度シャープになっていれば、IN側ほど劈開導入ラインCILの先端形状をシャープにする必要はないことも、OUT側の第2距離をIN側の第1距離よりも短くする理由の1つとして挙げることができる。以上のことから、本実施の形態1によれば、調整型レーザスクライブ法を使用して劈開導入ラインCILを形成するとともに、レーザ光の照射パワーを増加させるIN側の第1距離を、レーザ光の照射パワーを減少させるOUT側の第2距離よりも大きくしている。この結果、本実施の形態1によれば、劈開導入ラインCILを起点や中継点として良好な劈開面を形成しやすくすることができる。
続いて、本実施の形態1における第3特徴点について説明する。本実施の形態1における第3特徴点は、例えば、図13に示すように、劈開導入ラインCILとレーザ形成領域LFRの間に溝部DITが形成されている点にある。そして、この溝部DITの底部は、活性層MQWを貫通し、n型クラッド層NCLDまで達するように形成されている。
これにより、本実施の形態1によれば、以下に示す複数の利点を得ることができる。まず、第1の利点について説明する。例えば、図13に示すように、劈開導入領域CIRに形成されている劈開導入ラインCILは、レーザ光が照射された半導体層でレーザ光が吸収され、この吸収によって発生する熱により半導体層が溶融することにより形成される。この結果、劈開導入ラインCILは、半導体レーザの層構造が溶融して一体化した半導体層から形成されることになる。
ここで、例えば、劈開導入ラインCILとレーザ形成領域LFRの間に溝部DITが形成されていない場合を考える。この場合、レーザ形成領域LFRに形成されているp側電極とn側電極NEが劈開導入ラインCILで電気的に接続されてしまう。なぜなら、劈開導入ラインCILは、半導体基板1S上に形成された層構造が溶融して一体化した半導体層から構成されるため、この一体化した半導体層によって、p側電極とn側電極NEが電気的に接続されるからである。したがって、溝部DITを形成しない場合には、一体化した半導体層から構成される劈開導入ラインCILによって、レーザ形成領域LFRに形成されているp側電極とn側電極との間に電流リークパスが形成されてしまうことになる。
これに対し、本実施の形態1では、例えば、図13に示すように、劈開導入ラインCILとレーザ形成領域LFRの間に溝部DITを設け、この溝部DITが活性層MQWを貫通するように形成されている。この結果、本実施の形態1によれば、図13に示すように、p側電極PEと劈開導入ラインCILが溝部DITによって分断されることになる。つまり、本実施の形態1では、p側電極PEと劈開導入ラインCILが電気的に分離されることになる。一方で、劈開導入ラインCILとn側電極NEは電気的に接続されているままであるが、劈開導入ラインCILとp側電極PEが溝部DITによって電気的に絶縁されているため、結局、劈開導入ラインCILを介したp側電極PEとn側電極NEとの間の電流リークパスは、活性層MQWを貫くように形成された溝部DITによって遮断されることになる。これにより、本実施の形態1によれば、劈開導入ラインCILを形成することに起因する電流リークパスの発生を抑制することができる。
次に、第2の利点について説明する。例えば、レーザスクライブ法によって劈開導入ラインCILを形成する工程や、ドライエッチング技術によって溝部DITを形成する工程では、劈開導入領域CIRに形成されている活性層MQWに結晶欠陥が生じる場合がある。このとき、例えば、活性層MQWを貫通する溝部DITが形成されていない場合には、劈開導入領域CIRの活性層MQWに形成された結晶欠陥が、活性層MQW内を水平方向に伝播し、レーザ形成領域LFRの活性層MQWにまで結晶欠陥が形成される可能性があり、これによって、半導体レーザの性能低下を招くおそれが生じる。
これに対し、本実施の形態1では、劈開導入ラインCILとレーザ形成領域LFRの間に溝部DITが設けられており、この溝部DITが活性層MQWを貫通している。このことは、本実施の形態1によれば、劈開導入領域CIRに形成されている活性層MQWと、レーザ形成領域LFRに形成されている活性層MQWが、溝部DITによって物理的に分断されていることを意味する。これにより、本実施の形態1では、たとえ、劈開導入ラインCILの形成工程や溝部DITの形成工程に起因して、劈開導入領域CIRの活性層MQWに結晶欠陥が発生しても、この結晶欠陥がレーザ形成領域LFRの活性層MQWに伝播することを抑制することができるのである。この結果、本実施の形態1によれば、活性層MQWを分断する溝部DITを設けることにより、レーザ形成領域LFRの活性層MQWに結晶欠陥が発生するポテンシャルを低減することができ、これによって、半導体レーザの性能低下を抑制することができる。
続いて、第3の利点について説明する。例えば、半導体レーザでは、図13に示すように、半導体基板1S上に、n型クラッド層NCLD、光導波路層OWG1、活性層MQW、光導波路層OWG2、p型クラッド層PCLD、p型コンタクト層PCNTを順次積層して積層構造が形成される。この積層構造においては、それぞれの層の構成材料が異なることから、結晶の格子定数の相違に起因する歪が発生する。特に、本実施の形態1におけるアレイ型の半導体レーザでは、半導体チップのサイズが大きくなっているため、この歪が大きくなり、半導体チップが湾曲しやすくなる。
この点に関し、本実施の形態1では、溝部DITが形成されており、この溝部DITの存在によって、上述した積層構造が半導体チップの内部で、ある程度分断されることになる。つまり、本実施の形態1では、溝部DITを設けることにより、積層構造に起因する歪が緩和されるため、歪に起因する半導体チップの湾曲を抑制することができるのである。特に、溝部DITの底部をn型クラッド層NCLDのなるべく深い位置まで形成することによって、歪を効果的に緩和することができる。
以上のことから、本実施の形態1における第3特徴点によれば、上述した第1の利点から第3の利点を得ることができるため、本実施の形態1における半導体レーザの信頼性を向上することができる。
<本実施の形態1における代表的な効果>
本実施の形態1においては、例えば、図1に示すように、レーザ形成領域LFRの間に劈開導入領域CIRを設け、この劈開導入領域CIRに、窒化物半導体系の半導体レーザの劈開に必要な長さおよび間隔の劈開導入ラインCILを形成している。このため、幅の広い半導体チップCHPにおいても、良好な劈開面を形成することが可能となる。すなわち、本実施の形態1によれば、多数のリッジストライプRSを有するアレイ型の半導体レーザや、リッジストライプRS間の熱干渉を効果的に抑制することができるアレイ型の半導体レーザを製造することができる。つまり、本実施の形態1によれば、適切な間隔で、リッジストライプRSの本数を増やすことができ、これによって、数十ワット級の光出力を有する窒化物半導体系の半導体レーザを提供することができる。
(実施の形態2)
<実施の形態2における半導体装置の構成>
本実施の形態2では、溝部のパターンが相違する例について説明する。図19は、本実施の形態2における半導体チップCHPの構成を示す平面図である。図19に示すように、本実施の形態2における半導体チップCHPは、長辺LSと短辺SSとを有する長方形形状をしており、例えば、長辺LSはX方向に延在し、短辺SSはX方向と直交するY方向に延在している。
長方形形状をした半導体チップCHPには、複数のレーザ形成領域LFRと、複数の劈開導入領域CIRが設けられている。複数のレーザ形成領域LFRは、長辺LSが延在するX方向に並ぶように配置されている。そして、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間には、劈開導入領域CIRが配置されており、本実施の形態2における半導体チップCHPには、複数の劈開導入領域CIRが設けられている。
図19に示すように、複数のレーザ形成領域LFRのそれぞれには、複数のリッジストライプRSが形成されている。これらのリッジストライプRSのそれぞれは、例えば、図19に示すように、Y方向に延在するように形成され、Y方向に延在する複数のリッジストライプRSがX方向に並ぶように配置されていることになる。
続いて、図19に示すように、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRに挟まれるように、劈開導入領域CIRが配置されており、この劈開導入領域CIRにおいて、長辺LSに沿うように劈開導入ラインCILが設けられている。そして、平面視において、この劈開導入ラインCILを囲むように溝部DIT2が設けられている。一方、半導体チップCHPの短辺SSには、ブレイクラインBLが形成されており、このブレイクラインBLとレーザ形成領域LFRの間には、短辺方向であるY方向に延在する溝部DITが形成されている。この溝部DITは、ブレイクラインBLと、レーザ形成領域LFRに形成されているリッジストライプRSとを分離する機能を有している。
図20は、図19のA−A線で切断した断面図である。図20に示すように、本実施の形態2における半導体チップCHPは、半導体基板1Sを有しており、この半導体基板1Sに複数のレーザ形成領域LFRと、複数の劈開導入領域CIRが形成されている。具体的に、本実施の形態2における半導体チップCHPでは、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRが交互に配置されており、個々のレーザ形成領域LFRには、半導体基板1Sから突出する3本のリッジストライプRSが形成され、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRの境界領域には、溝部DIT2が形成されている。一方、半導体基板1Sには、半導体レーザの発光層として機能する活性層MQWが形成されており、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRの境界領域に設けられている溝部DIT2は、この活性層MQWを貫くように形成されている。
一方、図21は、図19のB−B線で切断した断面図である。図21に示すように、本実施の形態2における半導体チップCHPでは、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRが交互に配置されており、個々のレーザ形成領域LFRには、半導体基板1Sから突出する3本のリッジストライプRSが形成され、最も外側に配置されているレーザ形成領域LFRの外側には、溝部DITが形成されている。この溝部DITは、活性層MQWを貫くように形成されている。
<実施の形態2における効果>
本実施の形態2における半導体チップCHPは、前記実施の形態1における半導体チップCHPと溝部のパターンが相違するだけであるため、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態2では、例えば、図19に示すように、溝部DIT2が劈開導入ラインCILを囲むように形成されており、溝部DITの形成領域が限定されている。このため、溝部DIT2を形成するドライエッチング工程に起因して、劈開導入領域CIRの活性層MQWに結晶欠陥が発生したとしても、溝部DIT2の形成領域が限定的であるため、この結晶欠陥の発生位置も限定的となる。したがって、この結晶欠陥が、レーザ形成領域LFRに伝播して、レーザ形成領域LFRの活性層MQWに与える影響を低くすることができる。
また、本実施の形態2における半導体チップCHPによれば、例えば、図19に示すように、溝部DIT2が短辺方向であるY方向に延在していないため、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRに形成されているリッジストライプRS同士が劈開導入領域CIRの半導体層(p型クラッド層)で繋がっていることになる。このことから、本実施の形態2によれば、半導体レーザの動作時において、劈開導入領域CIRの半導体層(p型クラッド層)を通じた放熱経路を確保することができ、これによって、レーザ形成領域LFRに形成されているリッジストライプRSの配置自由度を拡大することができる。
(実施の形態3)
<実施の形態3における半導体装置の構成>
本実施の形態3では、半導体基板1Sの裏面側に劈開導入ラインを設ける例について説明する。図22は、本実施の形態3における半導体チップCHPを表面側である素子形成面側から見た構成を示す平面図である。図22に示すように、本実施の形態3における半導体チップCHPは、長辺LSと短辺SSとを有する長方形形状をしており、例えば、長辺LSはX方向に延在し、短辺SSはX方向と直交するY方向に延在している。
長方形形状をした半導体チップCHPには、複数のレーザ形成領域LFRと、複数の劈開導入領域CIRが設けられている。複数のレーザ形成領域LFRは、長辺LSが延在するX方向に並ぶように配置されている。そして、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRの間には、劈開導入領域CIRが配置されており、本実施の形態3における半導体チップCHPには、複数の劈開導入領域CIRが設けられている。このとき、本実施の形態3において、半導体チップCHPの表面側の劈開導入領域CIRには、劈開導入ラインは設けられていない。
図22に示すように、複数のレーザ形成領域LFRのそれぞれには、複数のリッジストライプ(レーザストライプ)RSが形成されている。これらのリッジストライプRSのそれぞれは、例えば、図22に示すように、Y方向に延在するように形成され、Y方向に延在する複数のリッジストライプRSがX方向に並ぶように配置されていることになる。
次に、図23は、本実施の形態3における半導体チップCHPを裏面側から見た構成を示す平面図である。図23に示すように、互いに隣り合うレーザ形成領域LFRに挟まれるように、劈開導入領域CIRが配置されており、この劈開導入領域CIRにおいて、長辺LSに沿うように劈開導入ラインCILが設けられている。つまり、本実施の形態3においては、半導体チップCHPの裏面側の劈開導入領域CIRに劈開導入ラインCILが設けられている。一方、半導体チップCHPの短辺SSには、ブレイクラインBLが形成されている。
続いて、図24は、図22のA−A線で切断した断面図である。図24に示すように、本実施の形態3における半導体チップCHPは、半導体基板1Sを有しており、この半導体基板1Sに複数のレーザ形成領域LFRと、複数の劈開導入領域CIRが形成されている。具体的に、本実施の形態3における半導体チップCHPでは、レーザ形成領域LFRと劈開導入領域CIRが交互に配置されており、個々のレーザ形成領域LFRには、半導体基板1Sから突出する3本のリッジストライプRSが形成されている。そして、半導体基板1Sには、半導体レーザの発光層として機能する活性層MQWが形成されている。
このとき、本実施の形態3においては、図24に示すように、劈開導入領域CIRの高さが、レーザ形成領域LFRに形成されているリッジストライプRSの高さと同一(面一)になるように形成されている。つまり、本実施の形態3における半導体チップCHPにおいては、劈開導入領域の上面の高さが、複数のリッジストライプRSのそれぞれの上面の高さと同じになるように形成されている。
これにより、以下に示す効果が得られる。図25は、本実施の形態3における半導体チップCHPの表面側である素子形成面側にヒートシンクHSを取り付けた状態を示す断面図である。例えば、複数のリッジストライプRSが形成された本実施の形態3のような半導体チップCHPの場合、消費電力が大きくなる。このことから、半導体チップCHPの表面側にヒートシンクHSを取り付ける、いわゆるジャンクションダウン組み立てが行なわれる場合がある。この場合、半導体チップCHPで発生した熱は、半導体チップCHPに接触するように配置されているヒートシンクHSによって効率的に放散される。このことから、ジャンクションダウン組み立てによれば、高い放熱効率を得ることができる。
ここで、例えば、劈開導入領域CIRの高さが、レーザ形成領域LFRに形成されているリッジストライプRSの高さよりも低くなっている場合を考える。この場合、ヒートシンクHSは、複数のリッジストライプRSと接触するだけとなり、半導体チップCHPが傾いたりすることが考えられるとともに、半導体チップCHPとヒートシンクHSの接触面積が限られることから、放熱効率も限定的なものとなる。
これに対し、本実施の形態3における半導体チップCHPでは、劈開導入領域CIRの高さが、レーザ形成領域LFRに形成されているリッジストライプRSの高さと同一になるように形成されている。このため、図25に示すように、ヒートシンクHSは、リッジストライプRSだけでなく、劈開導入領域CIRとも接触することになる。したがって、ヒートシンクHSの半導体チップCHPへの取り付けの安定性が向上するとともに、ヒートシンクHSと半導体チップCHPの接触面積も増加することから、放熱効率も向上することになる。このように本実施の形態3における半導体チップによれば、特に、消費電力の高い半導体レーザに有利なジャンクション組み立てを採用する構成においても、半導体装置の信頼性を向上することができる。
次に、図26は、本実施の形態3における半導体チップの裏面に形成されている劈開導入領域CIRの近傍領域を示す平面図である。図26に示すように、劈開導入領域CIRの下端部が、半導体チップの長辺LSで規定されている。そして、この劈開導入領域CIRの下端部である長辺LSには、劈開導入ラインCILが形成されている。
図27は、図26に示す半導体チップの長辺LS近傍の断面を示す断面図である。図27において、劈開導入領域CIRには、例えば、n型GaNからなる半導体基板1Sが形成され、この半導体基板1S上にn型クラッド層NCLDが形成されている。そして、n型クラッド層NCLD上に光導波路層OWG1が形成され、この光導波路層OWG1上に活性層MQWが形成されている。さらに、活性層MQW上には、光導波路層OWG2が形成され、この光導波路層OWG2上に、p型クラッド層PCLDが形成されている。そして、p型クラッド層PCLD上にp型コンタクト層PCNTが形成され、p型コンタクト層PCNT上に絶縁膜IF1が形成されている。一方、半導体基板1Sの裏面には、n側電極NEが形成されている。
ここで、本実施の形態3では、半導体基板1Sの裏面に劈開導入ラインCILが設けられている。具体的に、この劈開導入ラインCILの断面形状(側面形状)は、舟形をしており、この劈開導入ラインCILは、半導体基板1Sの裏面からn型クラッド層NCLDに達するように形成されている。すなわち、本実施の形態3において、劈開導入ラインCILは、半導体チップの裏面から露出し、かつ、劈開導入ラインCILは、活性層MQWにまで達しないように構成されていることになる。
これにより、以下に示す利点が得られる。すなわち、図27に示すように、本実施の形態3では、劈開導入ラインCILが活性層MQWにまで達していない。このことは、p型クラッド層PCLD(p側電極)とn側電極NEが劈開導入ラインCILで電気的に接続されないことを意味する。つまり、本実施の形態3によれば、劈開導入ラインCILを形成しても、p側電極とn側電極NEの間に電流リークパスは発生しないのである。このことから、本実施の形態3によれば、半導体チップに溝部を設ける必要がなくなり、半導体チップの構成の簡略化を図ることができる。
さらに、本実施の形態3では、劈開導入ラインCILが活性層MQWにまで達していないため、劈開導入ラインCILを形成する工程に起因して活性層MQWに結晶欠陥が発生するポテンシャルも低くすることができる。このように、本実施の形態3では、そもそも、劈開導入ラインCILを形成する工程に起因して活性層MQWに結晶欠陥が発生するポテンシャルが低くなることから、必然的に、結晶欠陥が生じることを前提として、この結晶欠陥がレーザ形成領域LFRの活性層MQWに伝播する可能性も低くなることになる。この結果、本実施の形態3によれば、活性層MQWを分断する溝部を設けなくても、レーザ形成領域LFRの活性層MQWに結晶欠陥が発生するポテンシャルを低減することができ、これによって、半導体レーザの性能向上を図ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1S 半導体基板
BL ブレイクライン
BOR 境界線領域
CHP 半導体チップ
CIL 劈開導入ライン
CIR 劈開導入領域
CLK 微小クラック
CR チップ領域
DIT 溝部
DIT2 溝部
HS ヒートシンク
IF1 絶縁膜
LFR レーザ形成領域
LS 長辺
LTS 左辺
L1 間隔
MQW 活性層
NCLD n型クラッド層
NE n側電極
OWG1 光導波路層
OWG2 光導波路層
PCLD p型クラッド層
PCNT p型コンタクト層
PE p側電極
RS リッジストライプ
RTS 右辺
SS 短辺
W1 幅
W2 幅
W3 幅
WD 幅
WF 半導体ウェハ
WS 幅

Claims (18)

  1. 窒化物半導体材料を構成材料とし、かつ、劈開面を有する半導体チップを備え、
    前記半導体チップは、
    (a)複数のレーザ形成領域と、
    (b)前記複数のレーザ形成領域の間に設けられた複数の劈開導入領域と、有し、
    前記複数の劈開導入領域のそれぞれには、前記劈開面に沿った劈開導入ラインが形成されている、半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    平面的に見た前記半導体チップの形状は、長辺と短辺とを有する長方形形状をしており、
    前記半導体チップの前記長辺に沿った側面が前記劈開面である、半導体装置。
  3. 請求項2に記載の半導体装置において、
    前記劈開導入ラインは、前記半導体チップの上面から露出している、半導体装置。
  4. 請求項3に記載の半導体装置において、
    前記劈開導入ラインの深さは、前記半導体チップの厚さよりも小さい、半導体装置。
  5. 請求項4に記載の半導体装置において、
    前記劈開面における前記劈開導入ラインの形状は、左右非対称の形状である、半導体装置。
  6. 請求項2に記載の半導体装置において、
    前記複数のレーザ形成領域と、前記複数の劈開導入領域は、前記半導体チップの長辺方向に沿って、交互に配置されている、半導体装置。
  7. 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記複数のレーザ形成領域のそれぞれには、前記半導体チップの短辺方向に延在する複数のリッジストライプが形成されている、半導体装置。
  8. 請求項7に記載の半導体装置において、
    前記複数のレーザ形成領域のそれぞれには、
    半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された第1導電型の窒化物半導体層からなる第1クラッド層と、
    前記第1クラッド層上に形成された活性層と、
    前記活性層上に形成された前記複数のリッジストライプと、
    が形成され、
    前記複数のリッジストライプには、前記第1導電型とは逆導電型である第2導電型の窒化物半導体層からなる第2クラッド層が含まれる、半導体装置。
  9. 請求項8に記載の半導体装置において、
    前記複数の劈開導入領域のそれぞれの内部領域であって、前記劈開導入ラインよりも前記複数のレーザ形成領域のそれぞれに近い領域に、前記半導体チップの前記短辺方向に延在する溝部が形成されている、半導体装置。
  10. 請求項9に記載の半導体装置において、
    前記溝部は、前記活性層を貫通するように形成されている、半導体装置。
  11. 請求項8に記載の半導体装置において、
    前記複数の劈開導入領域のそれぞれの内部領域に、前記劈開導入ラインを囲むように溝部が形成されている、半導体装置。
  12. 請求項11に記載の半導体装置において、
    前記溝部は、前記活性層を貫通するように形成されている、半導体装置。
  13. 請求項8に記載の半導体装置において、
    前記劈開導入領域の上面の高さは、前記複数のリッジストライプのそれぞれの上面の高さと同じである、半導体装置。
  14. 請求項13に記載の半導体装置において、
    前記劈開導入ラインは、前記半導体チップの裏面から露出し、かつ、前記活性層にまで達しないように形成されている、半導体装置。
  15. 窒化物半導体材料を構成材料とする半導体ウェハであって、
    複数のチップ領域と、
    前記複数のチップ領域を区画する境界線領域と、を有し、
    前記複数のチップ領域のそれぞれは、
    (a)複数のレーザ形成領域と、
    (b)前記複数のレーザ形成領域の間に設けられた複数の劈開導入領域と、有し、
    前記複数の劈開導入領域のそれぞれと前記境界線領域との境界線上には、前記境界線に沿った劈開導入ラインが形成されている、半導体ウェハ。
  16. 請求項15に記載の半導体ウェハであって、
    前記複数のチップ領域は、平面的に見て、長辺と短辺を有する長方形形状をしており、
    前記劈開導入ラインは、前記複数のチップ領域のそれぞれの長辺方向に沿って形成されている、半導体ウェハ。
  17. (a)窒化物半導体材料を構成材料とする半導体ウェハであって、複数のチップ領域と、前記複数のチップ領域を区画する境界線領域と、を有し、前記複数のチップ領域のそれぞれは、複数のレーザ形成領域と、前記複数のレーザ形成領域の間に設けられた複数の劈開導入領域と、を有する前記半導体ウェハを用意する工程、
    (b)前記境界線領域に沿った劈開導入ラインを形成する工程、
    (c)前記(b)工程後、前記劈開導入ラインを形成した前記境界線領域に沿って、前記複数のチップ領域を劈開する工程、を備える、半導体装置の製造方法。
  18. 請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(b)工程は、レーザスクライブ法を使用することにより、前記劈開導入ラインを形成する、半導体装置の製造方法。
JP2013055565A 2013-03-18 2013-03-18 半導体装置およびその製造方法並びに半導体ウェハ Pending JP2014183120A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013055565A JP2014183120A (ja) 2013-03-18 2013-03-18 半導体装置およびその製造方法並びに半導体ウェハ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013055565A JP2014183120A (ja) 2013-03-18 2013-03-18 半導体装置およびその製造方法並びに半導体ウェハ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014183120A true JP2014183120A (ja) 2014-09-29

Family

ID=51701569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013055565A Pending JP2014183120A (ja) 2013-03-18 2013-03-18 半導体装置およびその製造方法並びに半導体ウェハ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014183120A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017152665A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 日本碍子株式会社 面発光素子、外部共振器型垂直面発光レーザー、および面発光素子の製造方法
US10541514B2 (en) 2016-02-25 2020-01-21 Ngk Insulators, Ltd. Surface-emitting device, vertical external-cavity surface-emitting laser, and method for manufacturing surface-emitting device
CN111211479A (zh) * 2018-11-21 2020-05-29 深圳市中光工业技术研究院 半导体激光器芯片及其制备方法
CN111211477A (zh) * 2018-11-21 2020-05-29 深圳市中光工业技术研究院 半导体激光器及其制备方法
WO2023026858A1 (ja) * 2021-08-24 2023-03-02 ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 窒化物系半導体発光素子
WO2024085108A1 (ja) * 2022-10-21 2024-04-25 ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 半導体発光素子、半導体発光装置、半導体発光素子の製造方法、及び半導体発光装置の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017152665A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 日本碍子株式会社 面発光素子、外部共振器型垂直面発光レーザー、および面発光素子の製造方法
US10541514B2 (en) 2016-02-25 2020-01-21 Ngk Insulators, Ltd. Surface-emitting device, vertical external-cavity surface-emitting laser, and method for manufacturing surface-emitting device
CN111211479A (zh) * 2018-11-21 2020-05-29 深圳市中光工业技术研究院 半导体激光器芯片及其制备方法
CN111211477A (zh) * 2018-11-21 2020-05-29 深圳市中光工业技术研究院 半导体激光器及其制备方法
CN111211477B (zh) * 2018-11-21 2023-07-28 深圳市中光工业技术研究院 半导体激光器及其制备方法
WO2023026858A1 (ja) * 2021-08-24 2023-03-02 ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 窒化物系半導体発光素子
WO2024085108A1 (ja) * 2022-10-21 2024-04-25 ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社 半導体発光素子、半導体発光装置、半導体発光素子の製造方法、及び半導体発光装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5368957B2 (ja) 半導体レーザチップの製造方法
JP4762729B2 (ja) 半導体レーザ素子の実装構造
JP2014183120A (ja) 半導体装置およびその製造方法並びに半導体ウェハ
JP4573863B2 (ja) 窒化物系半導体素子の製造方法
JP7146736B2 (ja) 窒化物半導体発光素子の製造方法
JP5298889B2 (ja) 窒化物半導体素子
JP2009081336A (ja) 窒化物系半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2010267871A (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
JP6160141B2 (ja) 半導体レーザ装置
JP2008244121A (ja) 窒化物半導体素子の製造方法
JP2010186791A (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
JP2009071162A (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP2009123939A (ja) 窒化物系半導体素子およびその製造方法
JPWO2008047751A1 (ja) 窒化物系半導体レーザ素子およびその製造方法
WO2009107621A1 (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP4190297B2 (ja) 窒化物系半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2019129216A (ja) 窒化物半導体レーザ素子及び半導体レーザ装置
JP2019129217A (ja) 半導体レーザ素子及び半導体レーザ装置
JP6024657B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP2021166283A (ja) 半導体レーザダイオードの製造方法、半導体レーザダイオード
JP2012038931A (ja) 半導体レーザ素子
US20170244220A1 (en) Semiconductor light-emitting device and method for manufacturing the same
RU2230410C1 (ru) Инжекционный лазер и лазерная диодная линейка
JP2018195749A (ja) 半導体レーザ素子及びその製造方法
WO2021039479A1 (ja) 半導体レーザ装置