JP2017032040A - 油圧回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェイル時に1程度の変速比を構成できながら、プライマリプーリに入力されるトルクに制限を設けずに推力不足によるベルトの滑りの発生を抑制できる、無段変速機の油圧回路を提供する。【解決手段】フェイルセーフ時には、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート124に、セカンダリシーブ圧Pdに応じた油圧が入力され、プライマリ調圧バルブ103では、その信号ポート124に入力される油圧(信号圧)によって、入力ポート121に入力される油圧がプライマリシーブ圧Pinに調圧されて、プライマリシーブ圧Pinが出力ポート126から出力される。【選択図】図2

Description

本発明は、無段変速機の油圧回路に関する。
車両に搭載される変速機として、CVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)が広く知られている。
CVTは、入力側のプライマリプーリと出力側のセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有している。エンジンなどの駆動源からのトルクがプライマリプーリに入力されると、プライマリプーリとベルトとの間の摩擦力により、プライマリプーリからベルトにトルクが伝達され、セカンダリプーリとベルトとの間の摩擦力により、ベルトからセカンダリプーリにトルクが伝達される。
プライマリプーリおよびセカンダリプーリは、いずれも、固定シーブと、固定シーブにベルトを挟んで対向配置され、その対向方向に移動可能に設けられた可動シーブと、可動シーブに対して固定シーブと反対側に設けられ、可動シーブとの間にピストン室(油室)を形成するピストンとを備えている。
CVTでは、プライマリプーリのピストン室に供給される油の出し入れにより、プライマリプーリの固定シーブと可動シーブとの間隔が変更される。これに伴い、プライマリプーリに対するベルトの巻きかけ径が変化するとともに、セカンダリプーリの固定シーブと可動シーブとの間隔が変化し、セカンダリプーリに対するベルトの巻きかけ径が変化する。これにより、変速比(プーリ比)が無段階で連続的に変化する。また、ベルトは、各プーリの固定シーブおよび可動シーブ間において、各プーリのピストン室に供給される油圧(可動シーブに作用する油圧)に応じた推力で挟圧される。各プーリの推力には、各プーリとベルトとの間で滑りが生じない大きさが必要とされ、その必要な推力が得られるよう、各プーリの可動シーブに作用する油圧が調整される。
特開2004−176890号公報
図5は、プライマリプーリ201およびセカンダリプーリ202に油を供給するための油圧回路203の構成を示す回路図である。
油圧回路203には、プライマリプーリ201の可動シーブに作用する油圧(プライマリシーブ圧)を制御するためのプライマリソレノイドバルブ204およびプライマリ調圧バルブ205と、セカンダリプーリ202の可動シーブに作用する油圧(セカンダリシーブ圧)を制御するためのセカンダリソレノイドバルブ206およびセカンダリ調圧バルブ207とが含まれる。
プライマリソレノイドバルブ204は、電気信号により出力油圧を制御可能なバルブである。プライマリソレノイドバルブ204には、所定のクラッチモジュレータ圧Pcが入力され、プライマリソレノイドバルブ204からは、電気信号に応じた油圧が出力される。
プライマリ調圧バルブ205の入力ポート211には、一定のライン圧が入力され、信号ポート212には、プライマリソレノイドバルブ204の出力油圧が入力される。プライマリ調圧バルブ205では、入力ポート211に入力されるライン圧が信号ポート212に入力される油圧に応じて調圧され、その調圧により生成されるプライマリシーブ圧Pinが出力ポート213から出力される。プライマリ調圧バルブ205の出力ポート213は、プライマリプーリ201のピストン室と連通しており、出力ポート213から出力されるプライマリシーブ圧Pinがピストン室に供給され、そのプライマリシーブ圧Pinがプライマリプーリ201の可動シーブに作用する。
セカンダリソレノイドバルブ206は、電気信号により出力油圧を制御可能なバルブである。セカンダリソレノイドバルブ206には、所定のクラッチモジュレータ圧Pcが入力され、セカンダリソレノイドバルブ206からは、電気信号に応じた油圧が出力される。
セカンダリ調圧バルブ207の入力ポート221には、一定のライン圧が入力され、信号ポート222には、セカンダリソレノイドバルブ206の出力油圧が入力される。セカンダリ調圧バルブ207では、入力ポート221に入力されるライン圧が信号ポート222に入力される油圧に応じて調圧され、その調圧により生成されるセカンダリシーブ圧Pdが出力ポート223から出力される。セカンダリ調圧バルブ207の出力ポート223は、セカンダリプーリ202のピストン室と連通しており、出力ポート223から出力されるセカンダリシーブ圧Pdがピストン室に供給され、そのセカンダリシーブ圧Pdがセカンダリプーリ202の可動シーブに作用する。
プライマリソレノイドバルブ204およびセカンダリソレノイドバルブ206は、いずれも、非通電時に全開となるノーマルオープンタイプ(常開式)のリニアソレノイドバルブからなる。そのため、ハーネス断線などにより、プライマリソレノイドバルブ204およびセカンダリソレノイドバルブ206が通電されないフェイル状態となった場合、プライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdが最大油圧、つまりライン圧に等しい出力油圧となる。一般的に、プライマリプーリ201の可動シーブの受圧面積(プライマリシーブ圧Pinを受ける面積)がセカンダリプーリ202の可動シーブの受圧面積(セカンダリシーブ圧Pdを受ける面積)よりも大きいので、フェイル時には、プライマリプーリ201の推力がセカンダリプーリ202の推力よりも大きくなり、CVTは、変速比が1よりも小さいハイレシオを構成する。
その結果、プライマリプーリ201におけるベルトの巻きかけ径が小さい状態でフェイルが発生すると、プライマリプーリ201からベルトに最大油圧による推力が加わるため、ベルトに作用する引張応力が過剰となり、ベルトの寿命が低下する。また、フェイル状態で停車すると、CVTがハイレシオを構成しているので、車両の再発進が困難になる。
この対策として、フェイル時には、CVTの変速比が1程度となるように、ライン圧を減圧することにより、プライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdを減圧することが考えられる。
しかしながら、プライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdの両方が減圧されると、エンジンの出力トルクが高いときに、ベルトが推力不足により滑るおそれがある。フェイル時にエンジンの出力トルクに制限を設けることにより、ベルトの滑りを抑制することができるが、エンジンの出力トルクに制限を設けると、登坂ができないなど、車両の走行条件に制約がかかり、フェイルセーフ走行の保障が困難になる。
本発明の目的は、フェイル時に1程度の変速比を構成できながら、プライマリプーリに入力されるトルクに制限を設けずに推力不足によるベルトの滑りの発生を抑制できる、無段変速機の油圧回路を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る油圧回路は、プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成の無段変速機に用いられ、プライマリプーリおよびセカンダリプーリにそれぞれプライマリシーブ圧およびセカンダリシーブ圧を供給するための油圧回路であって、第1入力ポート、ソレノイド用信号ポート、フェイル用信号ポートおよび第1出力ポートを有し、ソレノイド用信号ポートおよびフェイル用信号ポートに入力される信号圧によって、第1入力ポートに入力される油圧をプライマリシーブ圧に調圧し、そのプライマリシーブ圧を第1出力ポートから出力するプライマリ調圧バルブと、ソレノイド用信号ポートに入力される信号圧を出力するノーマルオープンタイプのプライマリソレノイドバルブと、第2入力ポート、信号ポートおよび第2出力ポートを有し、信号ポートに入力される信号圧によって、第2入力ポートに入力される油圧をセカンダリシーブ圧に調圧し、そのセカンダリシーブ圧を第2出力ポートから出力するセカンダリ調圧バルブと、信号ポートに入力される信号圧を出力するノーマルオープンタイプのセカンダリソレノイドバルブと、第3入力ポートおよび第3出力ポートを有し、プライマリソレノイドバルブおよびセカンダリソレノイドバルブに通電不能なフェイル時に、第2出力ポートから出力される油圧が第3入力ポートに入力されて、フェイル用信号ポートに入力される信号圧を第3出力ポートから出力するフェイルセーフバルブとを含む。
この構成によれば、プライマリソレノイドバルブおよびセカンダリソレノイドバルブに通電可能な通常時(正常時)には、プライマリソレノイドバルブから出力される信号圧がプライマリ調圧バルブのソレノイド用信号ポートに入力される。また、セカンダリソレノイドバルブから出力される信号圧がセカンダリ調圧バルブの信号ポートに入力される。セカンダリ調圧バルブでは、信号圧によって、第2入力ポートに入力される油圧がセカンダリシーブ圧に調圧されて、セカンダリシーブ圧が第2出力ポートから出力される。通常時には、第2出力ポートから出力されるセカンダリシーブ圧は、フェイルセーフバルブの第3入力ポートには入力されない。そのため、フェイルセーフバルブの第3出力ポートから信号圧が出力されず、プライマリ調圧バルブのフェイル用信号ポートには、信号圧が入力されない。したがって、プライマリ調圧バルブでは、ソレノイド用信号ポートに入力される信号圧によって、第1入力ポートに入力される油圧がプライマリシーブ圧に調圧されて、プライマリシーブ圧が第1出力ポートから出力される。
一方、プライマリソレノイドバルブおよびセカンダリソレノイドバルブに通電不能なフェイル時には、プライマリソレノイドバルブおよびセカンダリソレノイドバルブの両方が全開状態になる。セカンダリソレノイドバルブが全開状態になると、セカンダリソレノイドバルブからセカンダリ調圧バルブの信号ポートに入力される信号圧が最大となり、セカンダリ調圧バルブの第2出力ポートから出力されるセカンダリシーブ圧が最大油圧となる。セカンダリ調圧バルブの第2出力ポートから出力されるセカンダリシーブ圧は、フェイルセーフバルブの第3入力ポートに入力され、フェイルセーフバルブの第3出力ポートから信号圧が出力される。この信号圧は、プライマリ調圧バルブのフェイル用信号ポートに入力される。一方、プライマリソレノイドバルブが全開状態になるので、プライマリ調圧バルブのソレノイド用信号ポートにも、プライマリソレノイドバルブから信号圧が入力される。したがって、プライマリ調圧バルブでは、フェイル用信号ポートおよびソレノイド用信号ポートにそれぞれ入力される信号圧によって、第1入力ポートに入力される油圧がプライマリシーブ圧に調圧されて、プライマリシーブ圧が第1出力ポートから出力される。
よって、フェイルセーフバルブの第3入力ポートに入力される油圧、つまりセカンダリ調圧バルブの第2出力ポートから出力されるセカンダリシーブ圧の最小値から最大値までの間で、プライマリプーリおよびセカンダリプーリにそれぞれ供給されるプライマリシーブ圧およびセカンダリシーブ圧により得られる変速比が1程度となるように、各部を設計することにより、セカンダリ調圧バルブの第2入力ポートに入力される油圧を抑制せずに、フェイル時に1程度の変速比を構成することができる。
その結果、フェイルの発生時に、ベルトに過大な引張応力が作用することを抑制でき、ベルトの寿命を延ばすことができる。また、無段変速機を搭載した車両がフェイル状態で停車しても、変速比が1程度であるので、車両を再発進させることができる。さらには、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに十分な油圧を供給でき、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの推力を通常時と同様に維持できるので、プライマリプーリに入力されるトルク、たとえば、エンジンの出力トルクに制限を設けなくても、推力不足によるベルトの滑りの発生を抑制することができる。
プライマリ調圧バルブの第1入力ポートおよびセカンダリ調圧バルブの第2入力ポートには、オイルポンプの発生油圧に応じたライン圧が入力されてもよい。
この場合、無段変速機が搭載される車両には、エンジンが動力源として搭載され、オイルポンプは、エンジンの動力により駆動される機械式オイルポンプであってもよい。
これにより、オイルポンプの発生油圧がエンジンの出力トルクに応じた油圧となり、プライマリ調圧バルブの第1入力ポートおよびセカンダリ調圧バルブの第2入力ポートに入力されるライン圧がエンジンの出力トルクに応じた油圧となるので、エンジンの出力トルクに応じた推力をプライマリプーリおよびセカンダリプーリからベルトに加えることができる。よって、エンジンの出力トルクの大きさにかかわらず、推力不足によるベルトの滑りの発生を抑制することができる。
本発明によれば、フェイル時に1程度の変速比を構成できながら、プライマリプーリに入力されるトルクに制限を設けずに推力不足によるベルトの滑りの発生を抑制することができる。
無段変速機が搭載された車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 本発明の一実施形態に係る油圧回路の構成を示す回路図である。 通常時におけるライン圧、クラッチモジュレータ圧、プライマリシーブ圧およびセカンダリシーブ圧の特性を示す図である。 フェイルセーフ時におけるプライマリシーブ圧の特性を示す図である。 無段変速機の油圧回路の従来構成を示す回路図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<駆動系統の構成>
図1は、無段変速機4が搭載された車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
車両1は、エンジン(E/G)2を動力源とする自動車である。エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)4を介して、車両1の駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。
エンジン2は、E/G出力軸21を備えている。E/G出力軸21は、エンジン2が発生する動力により回転される。
トルクコンバータ3は、ポンプインペラ31、タービンランナ32およびロックアップクラッチ33を備えている。ポンプインペラ31には、E/G出力軸21が連結されており、ポンプインペラ31は、E/G出力軸21と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ32は、ポンプインペラ31と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ33は、ポンプインペラ31とタービンランナ32とを直結/分離するために設けられている。ロックアップクラッチ33が係合されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが直結され、ロックアップクラッチ33が解放されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが分離される。
ロックアップクラッチ33が解放された状態において、E/G出力軸21が回転されると、ポンプインペラ31が回転する。ポンプインペラ31が回転すると、ポンプインペラ31からタービンランナ32に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ32で受けられて、タービンランナ32が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ32には、E/G出力軸21の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。
ロックアップクラッチ33が係合された状態では、E/G出力軸21が回転されると、E/G出力軸21、ポンプインペラ31およびタービンランナ32が一体となって回転する。
トルクコンバータ3と無段変速機4との間には、オイルポンプ5が設けられている。オイルポンプ5は、機械式オイルポンプであり、ポンプ軸は、ポンプインペラ31と回転軸線が一致するように配置され、ポンプインペラ31に相対回転不能に連結されている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ31が回転されると、オイルポンプ5のポンプ軸が回転し、オイルポンプ5から油が吐出される。
無段変速機4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ6に伝達する。無段変速機4は、インプット軸41、アウトプット軸42、ベルト伝達機構43および前後進切替機構44を備えている。
インプット軸41は、トルクコンバータ3のタービンランナ32に連結され、タービンランナ32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
アウトプット軸42は、インプット軸41と平行に配置されている。アウトプット軸42には、出力ギヤ45が相対回転不能に支持されている。
ベルト伝達機構43には、プライマリ軸51およびセカンダリ軸52が含まれる。プライマリ軸51およびセカンダリ軸52は、それぞれインプット軸41およびアウトプット軸42と同一軸線上であって、それらの軸線方向と直交する方向に少なくとも部分的に重なり合うように配置されている。
そして、ベルト伝達機構43は、プライマリ軸51に支持されたプライマリプーリ53とセカンダリ軸52に支持されたセカンダリプーリ54とに、無端状のベルト55が巻き掛けられた構成を有している。
プライマリプーリ53は、プライマリ軸51に固定された固定シーブ61と、固定シーブ61にベルト55を挟んで対向配置され、プライマリ軸51にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ62とを備えている。可動シーブ62に対して固定シーブ61と反対側には、プライマリ軸51に固定されたピストン63が設けられ、可動シーブ62とピストン63との間に、ピストン室(油室)64が形成されている。
セカンダリプーリ54は、セカンダリ軸52に対して固定された固定シーブ65と、固定シーブ65にベルト55を挟んで対向配置され、セカンダリ軸52にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ66とを備えている。可動シーブ66に対して固定シーブ65と反対側には、セカンダリ軸52に固定されたピストン67が設けられ、可動シーブ66とピストン67との間に、ピストン室(油室)68が形成されている。
無段変速機4では、プライマリプーリ53のピストン室64およびセカンダリプーリ54のピストン室68にそれぞれ供給される油圧が制御されて、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の各溝幅が変更されることにより、変速比が連続的に無段階で変更される。
具体的には、変速比が下げられるときには、プライマリプーリ53のピストン室64に供給される油圧(プライマリシーブ圧Pin)が上げられる。これにより、プライマリプーリ53の可動シーブ62が固定シーブ61側に移動し、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔(溝幅)が小さくなる。これに伴い、プライマリプーリ53に対するベルト55の巻きかけ径が大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔(溝幅)が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が小さくなり、変速比が下がる。
変速比が上げられるときには、プライマリプーリ53のピストン室64に供給されるプライマリシーブ圧Pinが下げられる。これにより、ベルト55に対するセカンダリプーリ54の推力がベルト55に対するプライマリプーリ53の推力よりも大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔が小さくなるとともに、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が大きくなり、変速比が上がる。
一方、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の推力は、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54とベルト55との間で滑りが生じない大きさを必要とする。そのため、インプット軸41に入力されるトルクの大きさに応じた推力が得られるよう、プライマリプーリ53のピストン室64に供給されるプライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリプーリ54のピストン室68に供給される油圧(セカンダリシーブ圧Pd)が制御される。
前後進切替機構44は、インプット軸41とベルト伝達機構43のプライマリ軸51との間に介装されている。前後進切替機構44は、遊星歯車機構71、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1を備えている。
遊星歯車機構71には、キャリア72、サンギヤ73およびリングギヤ74が含まれる。
キャリア72は、インプット軸41に相対回転可能に外嵌されている。キャリア72は、複数のピニオンギヤ75を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ75は、円周上に配置されている。
サンギヤ73は、インプット軸41に相対回転不能に支持されて、複数のピニオンギヤ75により取り囲まれる空間に配置されている。サンギヤ73のギヤ歯は、各ピニオンギヤ75のギヤ歯と噛合している。
リングギヤ74は、その回転軸線がプライマリ軸51の軸心と一致するように設けられている。リングギヤ74には、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51が連結されている。リングギヤ74のギヤ歯は、複数のピニオンギヤ75を一括して取り囲むように形成され、各ピニオンギヤ75のギヤ歯と噛合している。
リバースクラッチC1は、キャリア72とサンギヤ73とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
フォワードブレーキB1は、キャリア72とトルクコンバータ3および無段変速機4を収容するトランスミッションケースとの間に設けられ、キャリア72を制動する係合状態(オン)と、キャリア72の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
車両1の前進時には、リバースクラッチC1が解放されて、フォワードブレーキB1が係合される。エンジン2の動力がインプット軸41に入力されると、キャリア72が静止した状態で、サンギヤ73がインプット軸41と一体に回転する。そのため、サンギヤ73の回転は、リングギヤ74に逆転かつ減速されて伝達される。これにより、リングギヤ74が回転し、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51およびプライマリプーリ53がリングギヤ74と一体に回転する。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。そして、セカンダリ軸52と一体に、アウトプット軸42および出力ギヤ45が回転する。出力ギヤ45は、デファレンシャルギヤ6(デファレンシャルギヤ6の入力ギヤ)と噛合している。出力ギヤ45が回転すると、デファレンシャルギヤ6から左右に延びるドライブシャフト7,8が回転して、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両1が前進する。
一方、車両1の後進時には、リバースクラッチC1が係合されて、フォワードブレーキB1が解放される。エンジン2の動力がインプット軸41に入力されると、キャリア72およびサンギヤ73がインプット軸41と一体に回転する。そのため、サンギヤ73の回転は、リングギヤ74に回転方向が逆転されずに伝達される。これにより、リングギヤ74が車両1の前進時と逆方向に回転し、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51およびプライマリプーリ53がリングギヤ74と一体に回転する。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。そして、セカンダリ軸52と一体に、アウトプット軸42および出力ギヤ45が回転する。出力ギヤ45が回転すると、デファレンシャルギヤ6から左右に延びるドライブシャフト7,8が前進時と逆方向に回転して、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両1が後進する。
<油圧回路>
図2は、無段変速機4の油圧回路101の要部を示す回路図である。
無段変速機4の油圧回路101には、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54にそれぞれプライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdを供給するための各種のバルブが含まれる。すなわち、油圧回路101には、プライマリソレノイドバルブ102(SLP)、プライマリ調圧バルブ103、セカンダリソレノイドバルブ104(SLS)、セカンダリ調圧バルブ105およびフェイルセーフバルブ106が含まれる。
プライマリソレノイドバルブ102は、非通電時に全開となるノーマルオープンタイプ(常開式)のリニアソレノイドバルブからなる。プライマリソレノイドバルブ102には、クラッチモジュレータ圧Pcが入力される。プライマリソレノイドバルブ102への通電が制御されることにより、プライマリソレノイドバルブ102は、クラッチモジュレータ圧Pcをソレノイド圧Pslpに調圧して出力する。
なお、クラッチモジュレータ圧Pcは、クラッチモジュレータバルブ(図示せず)により調圧される一定油圧であり、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1(図1参照)への供給圧の元圧に用いられる。
プライマリ調圧バルブ103は、プライマリシーブ圧Pinを制御するための圧力制御弁である。プライマリ調圧バルブ103は、略円筒状の周壁を有するスリーブ111を備えている。スリーブ111内には、第1スプール112および第2スプール113が中心線方向に並べられて、それぞれ中心線方向に移動可能に設けられている。第1スプール112には、ランド部114,115,116,117が中心線方向に間隔を空けて形成されている。第2スプール113には、ランド部118,119が中心線方向に間隔を空けて形成されている。第1スプール112のランド部116,117および第2スプール113のランド部118は、同じ直径を有している。第1スプール112のランド部114の直径は、ランド部115の直径よりも小さく、ランド部115の直径は、ランド部116の直径よりも小さい。第2スプール113のランド部119の直径は、ランド部116〜118の直径よりも小さい。また、スリーブ111内には、第2スプール113側(下側)の端部に、第2スプール113を第1スプール112側(上側)に付勢するスプリング120が設けられている。
スリーブ111の周壁には、入力ポート121、信号ポート122,123,124,125、出力ポート126およびドレンポート127,128,129が形成されている。
入力ポート121は、第1スプール112が最上に位置する状態で、ランド部116,117間と連通し、第1スプール112が最下に位置する状態で、ランド部116により閉鎖される。入力ポート121には、ライン圧PLが入力される。
信号ポート122は、第2スプール113の位置にかかわらず、ランド部119とスリーブ111の下端との間と連通する。信号ポート122には、プライマリソレノイドバルブ102の出力油圧であるソレノイド圧Pslpが入力される。
信号ポート123は、第1スプール112の位置にかかわらず、ランド部115,116間と連通する。信号ポート123には、出力ポート126から出力されるプライマリシーブ圧Pinがフィードバック入力されている。
信号ポート124は、第2スプール113の位置にかかわらず、ランド部118,119間と連通する。
信号ポート125は、第1スプール112の位置にかかわらず、ランド部114とスリーブ111の上端との間と連通する。
出力ポート126は、第1スプール112の位置にかかわらず、ランド部116,117間と連通する。また、出力ポート126は、プライマリプーリ53のピストン室64(図1参照)と連通している。
ドレンポート127は、第1スプール112が最上に位置する状態で、ランド部117により閉鎖され、第1スプール112が最下に位置する状態で、ランド部116,117間と連通する。
ドレンポート128は、第1スプール112の位置にかかわらず、ランド部114,115間と連通している。
ドレンポート129は、第1スプール112および第2スプール113の位置にかかわらず、ランド部117,118間と連通する。
セカンダリソレノイドバルブ104は、非通電時に全開となるノーマルオープンタイプ(常開式)のリニアソレノイドバルブからなる。セカンダリソレノイドバルブ104には、クラッチモジュレータ圧Pcが入力される。セカンダリソレノイドバルブ104への通電が制御されることにより、セカンダリソレノイドバルブ104は、クラッチモジュレータ圧Pcをソレノイド圧Pslsに調圧して出力する。
なお、ライン圧PLは、レギュレータバルブ(図示せず)によりオイルポンプ5(図1参照)の発生油圧を調圧して生成される油圧である。具体的には、レギュレータバルブの信号ポートには、セカンダリソレノイドバルブ104が出力するソレノイド圧Pslsが入力される。レギュレータバルブは、ライン圧PLをソレノイド圧Pslsに比例した油圧に調圧する(図3参照)。
セカンダリ調圧バルブ105は、セカンダリシーブ圧Pdを制御するための圧力制御弁である。セカンダリ調圧バルブ105は、略円筒状の周壁を有するスリーブ131を備えている。スリーブ131内には、スプール132が中心線方向に移動可能に設けられている。スプール132には、ランド部133,134,135が中心線方向に間隔を空けて形成されている。ランド部134,135は、同じ直径を有し、ランド部133は、ランド部134,135よりも小さい直径を有している。また、スリーブ131内には、中心線方向の一端側(下側)の端部に、スプール132を他端側(上側)に付勢するスプリング136が設けられている。
スリーブ131の周壁には、入力ポート141、信号ポート142,143、出力ポート144およびドレンポート145,146が形成されている。
入力ポート141は、スプール132が最上に位置する状態で、ランド部134,135間と連通し、スプール132が最下に位置する状態で、ランド部135により閉鎖される。入力ポート141には、ライン圧PLが入力される。
信号ポート142は、スプール132の位置にかかわらず、ランド部135とスリーブ131の下端との間と連通する。信号ポート142には、セカンダリソレノイドバルブ104の出力油圧であるソレノイド圧Pslsが入力される。
信号ポート143は、スプール132の位置にかかわらず、ランド部133,134間と連通する。信号ポート143には、出力ポート144から出力されるセカンダリシーブ圧Pdがフィードバック入力されている。
出力ポート144は、スプール132の位置にかかわらず、ランド部134,135間と連通する。また、出力ポート144は、セカンダリプーリ54のピストン室68(図1参照)と連通している。
ドレンポート145は、スプール132が最上に位置する状態で、ランド部135により閉鎖され、スプール132が最下に位置する状態で、ランド部134,135間と連通する。
ドレンポート146は、スプール132の位置にかかわらず、ランド部133とスリーブ131の上端との間と連通する。
フェイルセーフバルブ106は、プライマリソレノイドバルブ102およびセカンダリソレノイドバルブ104に通電不能なフェイル時に、セカンダリシーブ圧Pdを信号圧としてプライマリ調圧バルブ103の信号ポート124に入力するための弁である。フェイルセーフバルブ106は、略円筒状の周壁を有するスリーブ151を備えている。スリーブ151内には、スプール152が中心線方向に移動可能に設けられている。スプール152には、ランド部153,154,155,156が中心線方向に間隔を空けて形成されている。ランド部154,155,156は、同じ直径を有し、ランド部153は、ランド部154,155,156よりも小さい直径を有している。また、スリーブ151内には、中心線方向の一端側(下側)の端部に、スプール152を他端側(上側)に付勢するスプリング157が設けられている。
スリーブ151の周壁には、入力ポート161,162、信号ポート163、出力ポート164,165およびドレンポート166,167,168が形成されている。
入力ポート161は、スプール152が最上に位置する状態で、ランド部156により閉鎖され、スプール152が最下に位置する状態で、ランド部155,156間と連通する。また、入力ポート161は、セカンダリ調圧バルブ105の出力ポート144と連通している。
入力ポート162は、スプール152が最上に位置する状態で、ランド部155により閉鎖され、スプール152が最下に位置する状態で、ランド部154,155間と連通する。入力ポート162には、クラッチモジュレータ圧Pcが入力される。
信号ポート163は、スプール152の位置にかかわらず、ランド部153とスリーブ151の上端との間と連通する。信号ポート163には、プライマリソレノイドバルブ102の出力油圧であるソレノイド圧Pslpが入力される。
出力ポート164は、スプール152の位置にかかわらず、ランド部155,156間と連通する。また、出力ポート164は、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート124と連通している。
出力ポート165は、スプール152の位置にかかわらず、ランド部154,155間と連通する。また、出力ポート165は、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート125と連通している。
ドレンポート166は、スプール152が最上に位置する状態で、ランド部154,155間と連通し、スプール152が最下に位置する状態で、ランド部153,154間と連通する。
ドレンポート167は、スプール152の位置にかかわらず、ランド部153,154間と連通する。
ドレンポート168は、スプール152が最上に位置する状態で、ランド部155,156間と連通し、スプール152が最下に位置する状態で、ランド部155により閉鎖される。
<通常時(正常時)>
図3は、通常時におけるライン圧PL、クラッチモジュレータ圧Pc、プライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdの特性を示す図である。
通常時には、プライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdの目標値に基づいて、プライマリソレノイドバルブ102およびセカンダリソレノイドバルブ104への通電が制御される。これにより、プライマリソレノイドバルブ102からプライマリシーブ圧Pinの目標値に応じたソレノイド圧Pslpが出力され、セカンダリソレノイドバルブ104からセカンダリシーブ圧Pdの目標値に応じたソレノイド圧Pslsが出力される。
通常時にプライマリソレノイドバルブ102から出力されるソレノイド圧Pslpは、所定の常用最大圧以下であり、プライマリソレノイドバルブ102は、常用最大圧を超えるソレノイド圧Pslpを出力可能な余剰域を有している。ソレノイド圧Pslpは、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート122に入力される。この信号ポート122に入力されるソレノイド圧Pslpが大きいほど、入力ポート121の開口面積が大きくなり、プライマリ調圧バルブ103の出力ポート126から出力されるプライマリシーブ圧Pinが大きくなる。プライマリシーブ圧Pinは、たとえば、図3に示されるように、信号ポート122に入力されるソレノイド圧Pslpの大きさにほぼ比例して大きくなる。
セカンダリソレノイドバルブ104から出力されるソレノイド圧Pslsは、セカンダリ調圧バルブ105の信号ポート142に入力される。この信号ポート142に入力されるソレノイド圧Pslsが大きいほど、入力ポート141の開口面積が大きくなり、セカンダリ調圧バルブ105の出力ポート144から出力されるセカンダリシーブ圧Pdが大きくなる。セカンダリシーブ圧Pdは、たとえば、図3に示されるように、信号ポート142に入力されるソレノイド圧Pslsの大きさにほぼ比例して大きくなる。
<フェイルセーフ時>
図4は、フェイルセーフ時におけるプライマリシーブ圧Pinの特性を示す図である。
プライマリソレノイドバルブ102およびセカンダリソレノイドバルブ104に通電不能なフェイルが発生すると、プライマリソレノイドバルブ102およびセカンダリソレノイドバルブ104がノーマルオープンタイプ(常開式)のリニアソレノイドバルブであるため、プライマリソレノイドバルブ102およびセカンダリソレノイドバルブ104からそれぞれ最大圧のソレノイド圧Pslp,Pslsが出力される。
最大圧のソレノイド圧Pslsがセカンダリ調圧バルブ105の信号ポート142に入力されることにより、セカンダリ調圧バルブ105の出力ポート144からは、入力ポート141に入力されるライン圧PLに応じたセカンダリシーブ圧Pdが出力される。
また、プライマリソレノイドバルブ102から出力されるソレノイド圧Pslpは、常用最大圧を超える。常用最大圧を超える余剰域のソレノイド圧Pslpがフェイルセーフバルブ106の信号ポート163に入力されることにより、フェイルセーフバルブ106のスプール152が最下の位置(フェイル位置)に移動する。これにより、フェイルセーフが開始される。スプール152が最下の位置に移動すると、入力ポート161がランド部155,156間と連通し、入力ポート162にセカンダリシーブ圧Pdが入力され、セカンダリシーブ圧Pdに応じた油圧が出力ポート164から出力される。また、入力ポート162がランド部154,155間と連通し、入力ポート162にクラッチモジュレータ圧Pcが入力され、クラッチモジュレータ圧Pcに応じた油圧が出力ポート165から出力される。
フェイルセーフバルブ106の出力ポート164,165から出力される油圧(信号圧)は、それぞれプライマリ調圧バルブ103の信号ポート124,125に入力される。一方、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート122には、プライマリソレノイドバルブ102から出力されるソレノイド圧Pslpが入力されている。これにより、プライマリ調圧バルブ103の第1スプール112および第2スプール113は、信号ポート122,124,125にそれぞれ入力される油圧に応じた位置に移動し、プライマリ調圧バルブ103の出力ポート126からは、第1スプール112の位置に応じたプライマリシーブ圧Pinが出力される。
油圧回路101では、たとえば、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート125に入力される油圧が信号ポート122に入力されるソレノイド圧Pslpとほぼ一致し、信号ポート122に入力されるソレノイド圧Pslpが第2スプール113に与える軸方向荷重と信号ポート125に入力される油圧が第1スプール112に与える軸方向荷重とが相殺されるように、各部の設計がなされている。そのため、プライマリ調圧バルブ103の第1スプール112および第2スプール113は、フェイルセーフバルブ106の出力ポート164から信号ポート124に入力される油圧、つまりセカンダリシーブ圧Pdに応じた油圧により移動する。これにより、プライマリ調圧バルブ103の出力ポート126から出力されるプライマリシーブ圧Pinは、セカンダリシーブ圧Pdに応じた油圧により調圧され、セカンダリシーブ圧Pdにほぼ比例して変化する。
<作用効果>
以上のように、フェイルセーフ時には、セカンダリ調圧バルブ105の出力ポート144から、入力ポート141に入力されるライン圧PLに応じたセカンダリシーブ圧Pdが出力される。また、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート124には、セカンダリシーブ圧Pdに応じた油圧が入力され、プライマリ調圧バルブ103では、その信号ポート124に入力される油圧(信号圧)によって、入力ポート121に入力される油圧がプライマリシーブ圧Pinに調圧されて、プライマリシーブ圧Pinが出力ポート126から出力される。
よって、セカンダリシーブ圧Pdの最小値(エンジン2のアイドル回転で発生可能なセカンダリシーブ圧Pd)から最大値までの間で、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54にそれぞれ供給されるプライマリシーブ圧Pinおよびセカンダリシーブ圧Pdにより得られる変速比が1程度となるように、各部を設計することにより、セカンダリ調圧バルブ105の入力ポート141に入力されるライン圧PLを抑制せずに、フェイルセーフ時に1程度の変速比を構成することができる。
その結果、フェイルの発生時に、ベルト55に過大な引張応力が作用することを抑制でき、ベルト55の寿命を延ばすことができる。また、無段変速機4を搭載した車両1がフェイル状態で停車しても、変速比が1程度であるので、車両1を再発進させることができる。さらには、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54に十分な油圧を供給でき、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の推力を通常時と同様に維持できるので、プライマリプーリ53に入力されるトルク、たとえば、エンジン2の出力トルクに制限を設けなくても、推力不足によるベルト55の滑りの発生を抑制することができる。
無段変速機4に備えられているオイルポンプ5は、エンジン2の動力により駆動される機械式オイルポンプである。オイルポンプ5の発生油圧がエンジン2の出力トルクに応じた油圧となり、油圧回路101では、プライマリ調圧バルブ103の入力ポート121およびセカンダリ調圧バルブ105の入力ポート141に入力されるライン圧PLがエンジン2の出力トルクに応じた油圧となるので、エンジン2の出力トルクに応じた推力をプライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54からベルト55に加えることができる。よって、エンジン2の出力トルクの大きさにかかわらず、推力不足によるベルト55の滑りの発生を抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、油圧回路101では、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート122に入力されるソレノイド圧Pslpが第2スプール113に与える軸方向荷重を相殺あるいは低減するために、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート125にクラッチモジュレータ圧Pcに応じた油圧が入力される。しかしながら、その構成に限定されず、プライマリ調圧バルブ103の信号ポート125には、クラッチモジュレータ圧Pcと無関係な油圧が入力されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
4 無段変速機
53 プライマリプーリ
54 セカンダリプーリ
101 油圧回路
102 プライマリソレノイドバルブ
103 プライマリ調圧バルブ
104 セカンダリソレノイドバルブ
105 セカンダリ調圧バルブ
106 フェイルセーフバルブ
121 入力ポート(第1入力ポート)
122 信号ポート(ソレノイド用信号ポート)
124 信号ポート(フェイル用信号ポート)
126 出力ポート(第1出力ポート)
141 入力ポート(第2入力ポート)
142 信号ポート
144 出力ポート(第2出力ポート)
161 入力ポート(第3入力ポート)
164 出力ポート(第3出力ポート)

Claims (1)

  1. プライマリプーリとセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成の無段変速機に用いられ、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリにそれぞれプライマリシーブ圧およびセカンダリシーブ圧を供給するための油圧回路であって、
    第1入力ポート、ソレノイド用信号ポート、フェイル用信号ポートおよび第1出力ポートを有し、前記ソレノイド用信号ポートおよび前記フェイル用信号ポートに入力される信号圧によって、前記第1入力ポートに入力される油圧をプライマリシーブ圧に調圧し、そのプライマリシーブ圧を前記第1出力ポートから出力するプライマリ調圧バルブと、
    前記ソレノイド用信号ポートに入力される信号圧を出力するノーマルオープンタイプのプライマリソレノイドバルブと、
    第2入力ポート、信号ポートおよび第2出力ポートを有し、前記信号ポートに入力される信号圧によって、前記第2入力ポートに入力される油圧をセカンダリシーブ圧に調圧し、そのセカンダリシーブ圧を前記第2出力ポートから出力するセカンダリ調圧バルブと、
    前記信号ポートに入力される信号圧を出力するノーマルオープンタイプのセカンダリソレノイドバルブと、
    第3入力ポートおよび第3出力ポートを有し、前記プライマリソレノイドバルブおよび前記セカンダリソレノイドバルブに通電不能なフェイル時に、前記第2出力ポートから出力される油圧が前記第3入力ポートに入力されて、前記フェイル用信号ポートに入力される信号圧を前記第3出力ポートから出力するフェイルセーフバルブとを含む、油圧回路。
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