JP2017031898A - 内燃機関のブローバイガス還流装置 - Google Patents

内燃機関のブローバイガス還流装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クランク室内のブローバイガス濃度を薄くすると共にエンジンオイルとの接触機会を減少させオイルの劣化を抑制する。【解決手段】ブレーキブースタ20に負圧を供給するバキュームポンプ24を備える車両における内燃機関のブローバイガス還流装置である。内燃機関に形成され、クランクケース内に新気を供給するための新気供給通路11と、クランクケース内のブローバイガスを吸気通路に還流するPCV装置(13,14)と、PCV装置によってのブローバイガスの換気量が不足する領域において、バキュームポンプの排気を用いて、クランクケース内に新気供給通路を介して新気を加圧して供給する加圧新気供給手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のブローバイガス還流装置、特に、ブレーキブースタに負圧を供給するバキュームポンプを備える車両における内燃機関のブローバイガス還流装置に関する。
一般に、車両用ブレーキシステムには、ドライバによるブレーキペダル操作をアシストするためのブレーキブースタが装備されている。ブレーキブースタの負圧室には、バキュームポンプから負圧が供給され、ブレーキブースタはこの負圧を利用することでブレーキペダル操作力を倍力するようになっている。
また、内燃機関においては、その圧縮行程中にピストンとシリンダの隙間から漏れた未燃焼のガス(ブローバイガス)を機関の吸気系に還流して処理するブローバイガス還流装置が知られている。例えば、特許文献1に記載のブローバイガス還流装置では、クランク室とシリンダヘッドカバー内部室とを連通する連通孔が設けられ、ブレーキブースタへ負圧を供給するバキュームポンプの吸込口と排気口をそれぞれ上記のクランク室とシリンダヘッドカバー内部室とに導管を介して開口させると共に、当該クランク室に通じる導管に制御弁を配置し、クランク室とシリンダヘッドカバー内部室との圧力差が所定圧以上になった時に限り、当該制御弁を開くようにしている。これによって、当該制御弁が開かれたブローバイガス還流時には、バキュームポンプでクランク室内のブローバイガスが吸込まれてシリンダヘッドカバー内部室に送られるようになっている。
特開昭62−279220号公報
ところで、特許文献1に記載されたブローバイガス還流装置においては、クランク室内のブローバイガスは一旦吸込まれてシリンダヘッドカバー内部室に送られるが、バキュームポンプによる吸込みに起因して、クランク室内が負圧になるために、シリンダヘッドカバー内部室のブローバイガスがクランク室とシリンダヘッドカバー内部室とを連通する連通孔を介してクランク室に戻り、循環してしまう。この結果、クランク室内のブローバイガス濃度が薄くならず、高濃度のブローバイガスとエンジンオイルとの接触機会も増大するという問題があった。このようにブローバイガス濃度が薄くならずその接触機会が増大すると、ブローバイガス中に含まれるNOxはエンジンオイルの酸化による劣化をさらに助長する。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて創案され、その目的は、バキュームポンプを利用する内燃機関のブローバイガス還流装置において、クランク室内のブローバイガス濃度を薄くすると共にエンジンオイルとの接触機会を減少させオイルの劣化を抑制することができる内燃機関のブローバイガス還流装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る内燃機関のブローバイガス還流装置の一の態様は、
ブレーキブースタの負圧源をなすと共に、吸気通路へのブローバイガスの還流にも利用可能なバキュームポンプ装置を備える内燃機関のブローバイガス還流装置であって、
前記内燃機関に形成され、クランクケース内に新気を供給するための新気供給通路と、
前記クランクケース内のブローバイガスの少なくとも一部をスロットルバルブの下流の吸気通路に還流するPCV装置と、
前記PCV装置によってのブローバイガスの換気量が不足する領域において、前記バキュームポンプの排気を用いて、前記クランクケース内に前記新気供給通路を介して新気を加圧して供給する加圧新気供給手段と、
を備えることを特徴とする。
上記一の態様の構成によれば、通常の運転領域においては、新気供給通路からクランクケース内に新気が供給されつつPCV装置によって、クランクケース内のブローバイガスの少なくとも一部がスロットルバルブの下流の吸気通路に還流される。そして、前記PCV装置によってのブローバイガスの換気量が不足する領域においては、加圧新気供給手段によって、バキュームポンプの排気を用いて、クランクケース内に新気供給通路を介して新気が加圧して供給される。かくて、クランクケース内はほぼ全運転領域に亘り新気によって掃気されるので、クランクケース内のブローバイガス濃度は薄くされると共にオイルとの接触機会も減少される。したがって、オイルの劣化を大幅に抑制することができる。
ここで、前記内燃機関が、コンプレッサを吸気通路に備える過給機付き内燃機関である場合は、前記クランクケース内のブローバイガスの少なくとも一部を前記過給機の上流の吸気通路に還流する通路を備え、
前記加圧新気供給手段は、
前記ブレーキブースタと前記バキュームポンプの吸込口とに連通され、途中に第1逆止弁を有する第1配管通路と、
前記バキュームポンプの吸込口と前記第1逆止弁との間で前記第1配管通路から分岐され、前記過給機の上流の吸気通路に連通された第2配管通路であって、途中に制御弁が配置された第2配管通路と、
前記過給機の上流の吸気通路と当該制御弁との間で前記第2配管通路から分岐され、前記新気供給通路に連通された第3配管通路と、
前記新気供給通路と第3配管通路との連通部に合流された第4配管通路と、
前記バキュームポンプの排気口に連通されると共に前記第4配管通路に合流された第5配管通路と、
前記新気供給通路から前記第3配管通路への逆流を防止する逆止手段と、
を含むことが好ましい。
また、前記内燃機関が自然吸気式の内燃機関である場合は、前記加圧新気供給手段は、前記ブレーキブースタと前記バキュームポンプの吸込口とに連通され、途中に第1逆止弁を有する第1配管通路と、
前記バキュームポンプの吸込口と前記第1逆止弁との間で前記第1配管通路から分岐され、前記スロットルバルブの上流の吸気通路に連通された第2配管通路であって、途中に制御弁が配置された第2配管通路と、
前記スロットルバルブの上流の吸気通路と当該制御弁との間で前記第2配管通路から分岐され、前記新気供給通路に連通された第3配管通路と、
前記新気供給通路と第3配管通路との連通部に合流された第4配管通路と、
前記バキュームポンプの排気口に連通されると共に前記第4配管通路に合流された第5配管通路と、
前記新気供給通路から前記第3配管通路への逆流を防止する逆止手段と、
を含むことが好ましい。
なお、前記逆止手段は、前記第3配管通路に配置された第2逆止弁であってもよい。
さらに、前記逆止手段は、前記新気供給通路、第3配管通路及び前記第4配管通路の合流部に配置され、前記新気供給通路と第3配管通路、又は前記新気供給通路と第4配管通路をそれぞれ排他的に連通すべく切替え可能な三方切替弁であってもよい。
なお、前記スロットルバルブよりも下流側の吸気通路の圧力、及びブレーキブースタの圧力を検出する圧力検出手段と、
当該圧力検出手段の検出結果に基づき、前記制御弁及びバキュームポンプの作動を制御する制御装置を備え、
当該制御装置は、前記加圧新気供給手段によって圧送された新気によって前記クランクケース内を掃気すべく制御するように構成されていてもよい。
ここで、前記バキュームポンプの吸込口と前記第1逆止弁との間で前記第1配管通路から分岐され、前記過給機の下流の吸気通路に連通された第6配管通路であって、途中に第3逆止弁が配置された第6配管通路と、
前記第3逆止弁と前記スロットルバルブよりも下流の吸気通路との間で前記第6配管通路から分岐され、前記第4配管通路と第5配管通路とに合流された第7配管通路と、
当該第5配管通路からの前記第4配管通路又は第7配管通路への空気の流れ方向を規制する手段と、をさらに備えていてもよい。
また、前記流れ方向規制手段は、前記第4配管通路の途中に配置された第4逆止弁、及び前記第7配管通路の途中に配置された第5逆止弁であってもよい。
なお、前記流れ方向規制手段は、前記第5配管通路、第4配管通路及び前記第7配管通路の合流部に配置され、前記第5配管通路と第4配管通路、又は前記第5配管通路と第7配管通路をそれぞれ排他的に連通すべく切替え可能な三方切替弁であってもよい。
本発明によれば、オイルの劣化を大幅に抑制することができるという、優れた効果が発揮される。
本発明に係る過給機付き内燃機関のブローバイガス還流装置の第1実施形態の構成を示す概略図である。 車速vとブレーキ負圧PBとの関係の一例を示すグラフ(マップ)である。 本発明に係る自然吸気式内燃機関において、吸気通路の吸気圧Pkに対するクランクケース内換気流量Gbの関係を示すグラフである。 本発明に係る過給機付き内燃機関において、吸気通路の吸気圧Pkに対するクランクケース内換気流量Gbの関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 本発明に係る過給機付き内燃機関の第1実施形態の変形例の構成を示す概略図である。 本発明に係る過給機付き内燃機関の第2実施形態の構成を示す概略図である。 本発明に係る過給機付き内燃機関の第2実施形態の構成による新気及びガスの流れを示すための概略図であり、(A)は非過給域で制御弁が閉じられ場合、(B)は過給域で制御弁が開かれる場合、(C)は過給域で制御弁が閉じられ場合を示す。 本発明に係る過給機付き内燃機関の第2実施形態の変形例の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る過給機付き内燃機関のブローバイガス還流装置の第一の実施形態の構成を示す。本実施形態のブローバイガス還流装置は、ブレーキブースタを備えた車両に搭載された内燃機関(エンジン)Eに適用される。内燃機関Eはエンジン本体1を備え、エンジン本体1は周知のようにヘッドカバー1A、シリンダヘッド1B、シリンダブロック1C、クランクケース1D及びオイルパン1Eを含んで構成される。そしてエンジン本体1の内部にはピストン、コンロッド及びクランクシャフト等が備えられ、同時に、シリンダヘッド1B及びシリンダブロック1Cには、これらを貫通する連通孔1Fが形成されている。この連通孔1Fによって、ヘッドカバー1A及びクランクケース1Dの内部が連通されている。かかる連通孔1Fによって、ヘッドカバー1Aを経てクランクケース1D内に新気を供給するための新気供給通路11が形成されている。図1に示す内燃機関Eは、過給機としてのターボチャージャ2を備えた多気筒ガソリンエンジンである。なお内燃機関Eの気筒数、シリンダ配置形式(直列、V型、水平対向等)等は特に限定されない。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管3を介して吸気集合室であるサージタンク4に接続されている。サージタンク4の上流側には吸気管5が接続されている。吸気管5には、上流側から順に、エアクリーナ6、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ7、ターボチャージャ2のコンプレッサ2C、インタークーラ2IC、及び電子制御式スロットルバルブ9が設けられている。吸気ポート、枝管3、サージタンク4及び吸気管5により吸気通路Sが形成される。なお図示はしないが、吸気ポート内には燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)及び燃焼室には、点火プラグが気筒毎に設けられている。
一方、各気筒の排気ポートは不図示の排気マニフォールドを介して共通の排気管に接続される。これら排気ポート、排気マニフォールド及び排気管により排気通路が形成される。排気通路にはターボチャージャ2のタービン2Tが設置され、タービン2Tの下流側には三元触媒が設けられる。排気通路には、図示は省略するが、タービン2Tをバイパスするバイパス通路と、バイパス通路を開閉するための電子制御式ウェイストゲートバルブとが設けられる。ウェイストゲートバルブはスロットルバルブ9と同様のバタフライ弁とされ、その開度を無段階で変更可能である。
エンジン本体1のクランクケース1Dにはオイルセパレータ12が設けられている。オイルセパレータ12は、クランクケース1D内に連通されると共に、クランクケース1D内のブローバイガスを導入して、これに含まれるオイルを分離する。
オイルセパレータ12とサージタンク4又はその下流の枝管3とが第1ブローバイガス通路13により互いに連通され、第1ブローバイガス通路13には圧力差で作動されるPCVバルブ14が設けられる。第1ブローバイガス通路13とPCVバルブ14はPCV装置を構成する。PCVバルブ14の開弁時、クランクケース1D内のブローバイガスはオイルセパレータ12、第1ブローバイガス通路13という経路を順に通じてサージタンク4に還流される。また、オイルセパレータ12は第2ブローバイガス通路15を介して過給機上流の吸気通路Sに連通されている。かくて、クランクケース1D内のブローバイガスの少なくとも一部が吸気通路Sに還流される。
他方、車両には、ドライバによるブレーキペダルの操作をアシストするためのブレーキブースタ20が設けられている。ブレーキブースタ20は、ブレーキ作動時、その負圧室に供給されて保持された負圧を利用してブレーキペダル操作力を倍力する。
ここで、このブレーキブースタ20の負圧室に確保されるべきブレーキ負圧と車速との関係について説明する。図2は、横軸に車速v(km/h)、縦軸にブレーキ負圧PB(kPA)を取ったグラフである。一般に、車速vが高いほど制動時間が長くなり、あるいはより大きな制動力を要するので、ブレーキ負圧PBは車速vが所定の中速度vsより高速側に越える領域では、大気圧に対してより大きく負圧側に設定されたブレーキ負圧PBsとされている。一方、車速ゼロから当該所定の中速度vsまでの間では、さほど大きな制動力を必要としないので、大気圧に近いブレーキ負圧PBcから上述の大きく負圧側に設定されたブレーキ負圧PBsに直線的に変化するように設定されている。なお、このブレーキ負圧PBの設定線PB(v)を(図において上側に)越えて負圧が消費(減少)された場合、ブレーキ負圧PBの所定値が確保されていないとして、バキュームポンプが作動されることによりブレーキ負圧の生成が開始される。そして、ブレーキ負圧PBの生成の結果、これが図2のブレーキ負圧の下限値PBmに到達したときにバキュームポンプの作動は停止される。
また、ブレーキブースタ20の負圧室と電動バキュームポンプ24の吸込口24inとは、第1配管通路としてのブースタ通路22により互いに連通されている。ブースタ通路22には、ブレーキブースタ20側から電動バキュームポンプ24側に向かう順流方向の空気の流れのみを許容し、逆流方向の空気の流れを禁止する第1逆止弁CV1が設けられている。第1逆止弁CV1により負圧室からの負圧抜けが防止される。また、電動バキュームポンプ24の吸込口24inと過給機上流の吸気通路Sとは、第1逆止弁CV1と電動バキュームポンプ24の吸込口24inとの間の合流部X1で合流する第2の配管通路26により互いに連通されている。第2配管通路26には、電磁開閉弁からなる制御弁30が設けられている。
制御弁30は、過給機上流の吸気通路Sから第2配管通路26及び第1配管通路(ブースタ通路)22を介して電動バキュームポンプ24に至る新気の流れを許容する第1位置(開位置)と、その流れを禁止する第2位置(閉位置)とを取り得る。
さらに、過給機上流の吸気通路Sと制御弁30との間の分岐部X2で第2配管通路26から分岐され、途中に第2逆止弁CV2が配置されている第3の配管通路32が設けられている。この第3の配管通路32は第2逆止弁CV2の下流で前述の新気供給通路11に連通されている。この新気供給通路11と第3の配管通路32との連通(合流)部X3に第4配管通路34が合流されている。そして、この第4配管通路34に対して、一端が電動バキュームポンプ24の排気口24outに連通された第5配管通路36が連通されている。
さらに、本実施形態のブローバイガス還流装置には、制御部もしくは制御ユニットをなす電子制御ユニット(以下ECUという)100が備えられる。ECU100は、制御弁30及び電動バキュームポンプ24に加え、前述のスロットルバルブ、インジェクタ、点火プラグ、ウェイストゲートバルブをも制御するように構成されている。またECU100はこれらの他、内燃機関E及び車両の図示しない各種デバイスをも制御するように構成されている。
センサ類に関して、前述のエアフローメータ7に加え、コンプレッサ2C、特に、スロットルバルブ9より下流の吸気通路S内の圧力(吸気圧と称す)を検出するための吸気圧センサ40、内燃機関Eのクランク角を検出するためのクランク角センサ42、ブレーキブースタ20の負圧室の圧力を検出するための圧力センサ44及び車速センサ46などがECU100に接続されている。
ECU100は、クランク角センサ42からのクランクパルス信号に基づき、クランク角自体を検出すると共にエンジンの回転数(rpm)を検出する。ここで「回転数」とは単位時間当たりの回転数のことをいい、回転速度と同義である。ECU100は、エアフローメータ7からの信号に基づき、単位時間当たりの吸入空気の量である吸入空気量を検出する。そしてECU100は、検出した吸入空気量に基づきエンジン1の負荷を検出する。
ここで、本発明に係る自然吸気式内燃機関における実施形態を説明する。自然吸気式内燃機関は、図1に示した過給機付き内燃機関に対して、吸気系のコンプレッサ2Cと排気系のタービン2T及びウェイストゲートバルブを含んで構成される過給機2及びインタークーラ2ICを取除いて構成されるのみで、他の構成は同じであるので、改めて図示することは避け、それらが取除かれているものとして説明する。
自然吸気式内燃機関では、所定の運転領域において、PCV装置(第1ブローバイガス通路13とPCVバルブ14)を用いてクランクケース1D内のブローバイガスを吸気通路S(サージタンク4)に還流することができる。すなわち、PCVバルブ14の下流側(サージタンク4側)の圧力が上流側(クランクケース1D側)の圧力より低いので、PCVバルブ14が開き、ブローバイガスの還流を実行することができるのである。
すなわち、自然吸気式内燃機関では、吸気通路Sの吸気圧Pk(kPa)に対するクランクケース内換気流量Gb(L/min)の関係は図3に示すようになる。なお、吸気圧Pkとはスロットルバルブ9の下流側における吸気通路S内の圧力のことをいい、具体的には吸気圧センサ40により検出されるサージタンク4内の吸気圧Pkである。圧力は、大気圧を基準にしてその差をもって表すゲージ圧で表示される。この図3から明らかなように、吸気圧Pkが圧力P1より低い運転領域では、PCV装置によって圧力がP0とP1との間にある運転領域において最大流量Gbmaxが得られる相当な量(大きさ)のクランクケース内換気流量Gbが得られる。
しかし、吸気圧Pkが圧力P1と大気圧(吸気圧Pk=0)との間の運転領域範囲では、圧力P1を超えて大気圧に近づくにつれ、PCV装置によるブローバイガス還流量ないしはクランクケース内換気流量Gbが低下し始め、クランクケース内換気を満足に行うことが困難となる。すなわち、P1≦Pk≦0の吸気圧範囲では、吸気圧Pkが高まるにつれPCV装置によるクランクケース内換気流量Gbが太実線aで示す最大流量Gbmaxから徐々に低下し、最終的に0になる(太実線b参照)。この自然吸気式内燃機関におけるPCV換気流量が十分でない運転領域の吸気圧範囲は、PCV換気流量不足領域R1として図3に示されている。この換気流量の不足が始まる吸気圧P1を以下、不足開始吸気圧P1と称す。
そこで、本発明に係る自然吸気式内燃機関の実施形態では、吸気圧Pkが不足開始吸気圧P1になったとき、電動バキュームポンプ24を作動させると共に制御弁30を開き、電動バキュームポンプ24を利用してブローバイガスを還流する(図中破線c参照)。これにより、PCV装置によっては不足するクランクケース内換気流量Gbを補い、あるいは補完することができ(図中太実線d(=b+c)参照)、十分な量のクランクケース内換気流量Gbを得ることが可能となる。
次に、本発明に係る過給機付き内燃機関のブローバイガス還流装置の実施形態の作用を説明する。本発明に係る過給機付き内燃機関では、過給が行われない非過給の低負荷運転領域においては、上述の自然吸気式内燃機関と同様に、PCV装置(第1ブローバイガス通路13とPCVバルブ14)を用いてクランクケース1D内のブローバイガスを吸気通路S(サージタンク4)に還流する。すなわち、PCVバルブ14の下流側(サージタンク4側)の圧力が上流側(クランクケース1D側)の圧力より低いので、PCVバルブ14が開き、ブローバイガスの還流を実行することができるのである。
さて、本発明に係る過給機付き内燃機関においては、吸気通路Sの吸気圧Pk(kPa)に対するクランクケース内換気流量Gb(L/min)の関係は図4に示すようになる。なお、上述のように、吸気圧Pkとはスロットルバルブ9の下流側における吸気通路S内の圧力のことをいい、具体的には吸気圧センサ40により検出されるサージタンク4内の吸気圧Pkである。圧力は、大気圧を基準(ゼロ)にしてその差をもって表すゲージ圧で表示される。この図4から明らかなように、過給が行われない非過給運転領域において、吸気圧Pkが圧力P1より低い運転領域では、圧力がP0とP1との間にある運転領域において最大流量Gbmaxを示す相当な量(大きさ)のクランクケース内換気流量GbがPCV装置によって得られる。
しかし、同じく非過給運転領域である吸気圧Pkが圧力P1と大気圧(吸気圧Pk=0)との間の運転領域範囲では、吸気圧Pkが圧力P1を超えて大気圧に近づくにつれ、PCV装置によるブローバイガス還流量ないしはクランクケース内換気流量Gbが低下し始め、クランクケース内換気を満足に行うことが困難となる。すなわち、P1≦Pk≦0の吸気圧範囲では、吸気圧Pkが高まるにつれPCV装置によるクランクケース内換気流量Gbが太実線aで示す最大流量Gbmaxから徐々に低下し、最終的にゼロになる(太実線b参照)。その後は、過給圧の上昇に伴い、このPCV装置によるクランクケース内換気流量Gbがゼロのまま大気圧よりも高い正圧である過給圧P2まで維持される。図4には、このPCV装置によるクランクケース内換気流量Gbが十分でない運転領域とゼロの運転領域とを含むP1≦Pk≦P2の吸気圧範囲がPCV換気流量不足領域R2として示されている。この換気流量の不足が始まる吸気圧P1を以下、不足開始吸気圧P1と称す。
そこで、本発明に係る過給機付き内燃機関においては、吸気圧Pkが不足開始吸気圧P1になったとき、加圧新気供給手段によって、バキュームポンプの排気を用いて、クランクケース内に新気供給通路を介して新気を加圧して供給しクランクケース内を換気する(図中破線c参照)。これにより、PCV装置によっては不足するクランクケース内換気流量Gbを補い、あるいは補完することができ(図中太実線d(=b+c)、太実線e参照)、十分な量のクランクケース内換気流量Gbを得ることが可能となる。
[第1実施形態の作用]
ここで、上記第1実施形態の作用をより詳細に説明する。本第1実施形態において、過給が行われない内燃機関の非過給運転領域で吸気圧Pkが圧力P1より低いときは、PCV装置のみが作動される。すなわち、新気供給通路11からクランクケース1D内に新気が供給されつつ、第1ブローバイガス通路13とPCVバルブ14からなるPCV装置によって、クランクケース内のブローバイガスの少なくとも一部が過給機2の下流の吸気通路Sに還流される。より詳しくは、過給機上流の吸気通路Sに連通されている第2配管通路26(このとき制御弁30は後述のように閉じられている)から分岐部X2で分岐されている第3の配管通路32とこれに連通された新気供給通路11を介して、新気がクランクケース1D内に供給される。そして、非過給及び過給運転領域における上述のPCV装置によってのブローバイガスの換気量が不足する領域においては、以下に詳述するように、加圧新気供給手段によって、バキュームポンプの排気を用いて、クランクケース内に新気供給通路を介して新気が加圧して供給される。
図5に上述した過給機付き内燃機関の制御ルーチンの一例を示す。かかるルーチンはECU100により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS401では、圧力センサ44により検出されたブレーキブースタ20のブレーキ負圧PBが所定値を確保しているか否かが判断される。例えば、ブレーキ負圧PBが車速に対応して設定されている設定線PB(v)を越えて消費(減少)されているか否か(PB≦PB(v)?)が判断される。確保されている(Yes)ときは、ステップS402に進み、上述のPCV装置によるクランクケース内換気流量Gbが不足する運転領域にあるか否かが判断される。
詳細には、(ア)吸気圧Pkが不足開始の吸気圧P1未満であるか否か(Pk<P1?)、(イ)吸気圧Pkが吸気圧P1以上かつ吸気圧P2以下であるか否か(P1≦Pk≦P2?)が判断される。すなわち、吸気圧PkがPCV装置による換気流量不足領域R2に入っているか否かが判断される。ステップS402での判断が(ア)のイエス(Yes)の場合、換言すると非過給域で吸気圧Pkが吸気圧P1未満の場合には、ステップS403に進み、上述のPCV装置のみによるクランクケース内換気を行うべく制御弁30が閉じられると共に電動バキュームポンプ(電動V/P)24の作動が停止される。
一方、ステップS402において、(イ)の非過給域で吸気圧Pkが吸気圧P1以上かつ吸気圧P2以下であるか否かについてイエス(Yes)と判断された場合には、ステップS404に進み、第2配管通路26の制御弁30が開かれると共に、電動バキュームポンプ24の作動が開始される。この結果、非過給域又は過給域のいずれかに関わらず、電動バキュームポンプ24は過給機2上流の吸気通路Sに連通されている第2配管通路26及び第1配管通路としてのブースタ通路22を介して新気を吸引する。そして、吸引された新気は電動バキュームポンプ24により加圧されて、排気口24outに連通された第5配管通路36及び第4配管通路34を介して新気導入通路11に圧送される。このとき、第4配管通路34が連通(合流)部X3において合流されている新気供給通路11と第3の配管通路32のうち第3配管通路32への逆流は、逆止手段としての第2逆止弁CV2によって防止されている。
そこで、クランクケース1D内のブローバイガスは、当該クランクケース1Dに新気導入通路11を介して圧送された新気によって掃気される。ここで、クランクケース1D内のブローバイガスは、運転領域が過給域である場合には、正圧であるサージタンク4ではなく、大気圧と同等の圧力である過給機2上流の吸気通路Sに、オイルセパレータ12、第2ブローバイガス通路15を介して還流される。一方、運転領域が非過給域である場合には、上述の第2ブローバイガス通路15を介しての還流に加えて、第1ブローバイガス通路13とそのPCVバルブ14を介して負圧であるサージタンク4の吸気通路Sにも還流される。このように、本実施の形態では、クランクケース1D内のブローバイガスが、負圧である吸気通路Sからの吸引作用及び加圧新気による掃気作用により、確実に換気される。したがって、クランクケース1D内のブローバイガス濃度は薄くされると共にオイルとの接触機会も減少され、オイルの劣化を大幅に抑制することができる。
一方、ステップS401での判断において、圧力センサ44により検出されたブレーキブースタ20のブレーキ負圧PBが所定値に確保されていない(No)ときは、ステップS405のブレーキ負圧生成ルーチンに進む。このブレーキ負圧生成ルーチンにおいて、電動バキュームポンプ24の作動が開始されると共に制御弁30が閉じられると、ブレーキブースタ20内の負圧室から第1逆止弁CV1を介して空気が吸引され、ブレーキブースタ20の負圧室の負圧が増大される。このステップS405におけるブレーキ負圧生成作動は、次回以降の制御ルーチンでのステップS401において、ブレーキブースタ20のブレーキ負圧PBが所定値に確保されるまで継続される。すなわち、ステップS405で行われた電動バキュームポンプ24の作動状態と制御弁30の閉じ状態とが維持される。最後に、所定値が確保されると、次のステップS402に進むこと前述の通りである。
なお、上述のブレーキ負圧生成のためにブレーキブースタ20内の負圧室から吸引された空気は電動バキュームポンプ24によって加圧されて、排気口24outに連通された第5配管通路36及び第4配管通路34を介して新気導入通路11に圧送される。クランクケース1D内のブローバイガスは、当該クランクケース1Dに新気導入通路11を介して圧送された空気によって掃気される。ここで、クランクケース1D内のブローバイガスは、運転領域が過給域である場合には、正圧であるサージタンク4ではなく、大気圧と同等の圧力である過給機2上流の吸気通路Sに、オイルセパレータ12、第2ブローバイガス通路15を介して還流される。一方、吸気通路Sが負圧である運転領域が非過給域である場合には、上述の第2ブローバイガス通路15を介しての還流に加えて、第1ブローバイガス通路13とそのPCVバルブ14を介して負圧であるサージタンク4の吸気通路Sにも還流されること上述の通りである。このように、本実施の形態では、電動バキュームポンプ24によるブレーキ負圧生成作動中であっても、クランクケース1D内のブローバイガスが、負圧である吸気通路Sからの吸引作用及び加圧新気による掃気作用により、確実に換気される。
なお、上に内燃機関が過給機付きの場合の制御ルーチンの一例を説明したが、内燃機関が自然吸気式の場合には、上記ステップS402においての、(ア)及び(イ)の判断に代えて、(ウ)吸気圧Pkが吸気圧P1以上かつ吸気圧ゼロ以下であるか否か(P1≦Pk≦0?)が判断されればよい。そして、ステップS402での判断が(ウ)のイエス(Yes)と判断された場合には、ステップS404に進み、第2配管通路26の制御弁30が開かれると共に、電動バキュームポンプ24の作動が開始される。この結果、電動バキュームポンプ24はスロットルバルブ9上流の吸気通路Sに連通されている第2配管通路26及び第1配管通路としてのブースタ通路22を介して新気を吸引する。そして、吸引された新気は電動バキュームポンプ24により加圧されて、排気口24outに連通された第5配管通路36及び第4配管通路34を介して新気導入通路11に圧送される。
そこで、クランクケース1D内のブローバイガスは、クランクケース1Dに新気導入通路11を介して圧送された新気によって掃気される。すなわち、クランクケース1D内のブローバイガスは、クランクケース1D内の加圧による圧力上昇の結果生ずる圧力差によって、第1ブローバイガス通路13とそのPCVバルブ14を介して負圧であるサージタンク4の吸気通路Sに還流される。なお、内燃機関が自然吸気式の場合には、吸気通路Sが正圧になることがないので、第2ブローバイガス通路15を設けることは必ずしも必要ではない。
なお、ステップS402において、(ウ)のノー(No)と判断された場合には、ステップS403に進み、PCV装置のみによるクランクケース内換気を行うべく制御弁30が閉じられると共に電動バキュームポンプ(電動V/P)24の作動が停止されればよい。
[第1実施形態の変形例]
上述の第1実施形態においては、第4配管通路34から新気導入通路11に圧送される新気が第3配管通路32へ逆流されるのを防止する逆止手段として、第3の配管通路32に配置された第2逆止弁CV2による例を示したが、これに代えて、図6に示される三方切替弁50であってもよい。この三方切替弁50は、新気供給通路11、第3配管通路32及び第4配管通路34の合流部X3に配置されている。そして、新気供給通路11と第3配管通路32とを連通し、新気供給通路11と第4配管通路34とを遮断する第1位置と、新気供給通路11と第4配管通路34とを連通し、新気供給通路11と第3配管通路32を遮断する、換言すると、新気導入通路11から第3配管通路32への逆流を防止する第2位置とに三方切替弁50は切替え可能である。なお、その他の構成は図1に示した通りであり、同一部位には同一符号が用いて重複説明を回避している。
この第1実施形態の変形例においては、上述の第1実施形態でPCV装置のみによるクランクケース内換気が行なわれる運転領域(図5のステップS402での判断が(ア)でイエス(Yes)の場合、換言すると非過給域で吸気圧Pkが吸気圧P1未満の場合)に対応する運転領域において、三方切替弁50が新気供給通路11と第3配管通路32とが連通される第1位置をとるように、不図示の三方切替弁アクチュエータを駆動制御すればよい。この運転領域では、電動バキュームポンプ24の作動は停止されており、新気供給通路11と第3配管通路32とが連通され、新気供給通路11と第4配管通路34とが遮断される第1位置では、制御弁30の開閉に関わらず、過給機上流の吸気通路Sに連通されている第2配管通路26から分岐部X2で分岐されている第3の配管通路32とこれに連通された新気供給通路11を介して、新気がクランクケース1D内に供給される。この結果、上述の第1実施形態と同様に、PCV装置のみによるクランクケース内換気が行なわれる。
一方、上述の第1実施形態でPCV装置によるクランクケース内換気流量Gbが不足する運転領域(図5のステップS402での判断が(イ)でイエス(Yes)の場合、換言すると吸気圧Pkが不足開始の吸気圧P1以上かつ吸気圧P2以下の場合)に対応する運転領域においては、三方切替弁50が第2位置をとるように三方切替弁アクチュエータを駆動制御すればよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態につき図7を参照して説明する。第1実施形態においては、ブレーキブースタ20の負圧源として電動バキュームポンプ24のみを用い、且つ電動バキュームポンプ24からの空気排気先を全量クランクケース1D内とした。これに対して、第2実施形態は、ブレーキブースタ20の負圧源として電動バキュームポンプ24の他に吸気通路をも用い、そして電動バキュームポンプ24からの空気排気先としてクランクケース1D内の他に吸気通路をも用いるべく、吸気通路への連通構造を付加したものである。その他の構成に変更は無いので、図1に示した第1実施形態と同一部位には同一符号を用い、変更点について説明する。なお、図7において、符号4を有するサージタンクが2箇所に分けて示されているが、これは理解の容易化のためであり、実際には1つのサージタンク4のみが存在している。
すなわち、図7に示されるように、第2実施形態においては、第1逆止弁CV1と電動バキュームポンプ24の吸込口24inとの間の分岐部X4で第1配管通路22から分岐され、過給機2の下流、好ましくは、スロットルバルブ9下流のサージタンク4(吸気通路S)に連通された第6配管通路37であって、途中に第3逆止弁CV3が配置された第6配管通路37が設けられている。そして、第3逆止弁CV3とサージタンク4との間の分岐部X5で第6配管通路37から分岐され、第4配管通路34と第5配管通路36とに合流部X6で合流された第7配管通路38が設けられている。さらに、本第2実施形態では、電動バキュームポンプ24の排気口24outに連通された第5配管通路36からの第4配管通路34及び第7配管通路38への空気の流れ方向を規制する手段として、第4配管通路34の途中に第4逆止弁CV4、及び第7配管通路34の途中に第5逆止弁CV5が設けられている。
[第2実施形態の作用]
ここで、第2実施形態の作用を説明する。基本的には第1実施形態と同じであるから、主に異なる点につき説明する。
(1)過給が行われない内燃機関の非過給運転領域で吸気圧Pkが圧力P1より低いときは、制御弁30が閉じられPCV装置のみが作動されること第1実施形態と同じである。しかしながら、このPCV装置のみの作動状態で、サージタンク4(吸気通路S)の吸気圧Pkがブレーキブースタ20のブレーキ負圧PBより低いときは、サージタンク4から第6配管通路37、第1配管通路22を介して、及びサージタンク4から第7配管通路38、第5配管通路36、電動バキュームポンプ24、第1配管通路22を介してブレーキブースタ20に吸気通路Sの負圧が供給される(図8(A)参照)。但し、この負圧の供給は、図8(A)において、破線の矢印Y1〜Y7によって新気の流れとして示されている。
(2)また、過給運転領域における上述のPCV装置によってのブローバイガスの換気量が不足する(正しくはゼロ)領域においては、制御弁30が開かれて、加圧新気供給手段によって、電動バキュームポンプ24の排気口24outからの排気を用いて、クランクケース1D内に第5配管通路36、第4配管通路34、新気供給通路11を介して新気が加圧して供給され(図8(B)の破線の矢印Y1〜Y8参照)、クランクケース1D内のブローバイガスが積極的に換気される(図8(B)の実線の矢印Z1〜Z3参照)。このとき、第5配管通路36から第7配管通路38の方向への空気の流れは、過給時でサージタンク4(吸気通路S)が正圧であるので生じない。また、サージタンク4(吸気通路S)から第7配管通路38を介しての第4配管通路34、第5配管通路36方向への逆流は、それを規制する手段として、第4配管通路34の途中に設けられた第4逆止弁CV4、及び第7配管通路38の途中に設けられた第5逆止弁CV5によって防止される(図8(B)参照)。
(3)さらに、過給運転領域における上述のクランクケース1D内のブローバイガスの積極的な換気状態において、ブレーキブースタ20の負圧室の負圧が低下し、所定値が確保されなくなると、制御弁30が閉じられる。すると、電動バキュームポンプ24によりブレーキブースタ20内の負圧室から空気が吸引され(図8(C)の破線の矢印Y1、Y2参照)、この空気は加圧されて、排気口24outに連通された第5配管通路36及び第4配管通路34を介して新気導入通路11に圧送される(図8(C)の破線の矢印Y3〜Y7参照)。クランクケース1D内のブローバイガスは、過給時で正圧であるサージタンク4(吸気通路S)ではなく、大気圧と同等の圧力である過給機2上流の吸気通路Sに、オイルセパレータ12、第2ブローバイガス通路15を介して還流される(図8(C)の実線の矢印Z1〜Z3参照)。
なお、この第2実施形態においては、非過給時に制御弁30を開くことは好ましくない。電動バキュームポンプ24により加圧された空気が負圧状態にある吸気通路Sに流入するおそれがあるからである。
[第2実施形態の変形例]
上述の第2実施形態においては、第5配管通路36から第4配管通路34又は第7配管通路38への空気の流れ方向を規制する手段として、第4配管通路34の途中に配置された第4逆止弁CV4、及び第7配管通路38の途中に配置された第5逆止弁CV5による例を示したが、これに代えて、図9に示される三方切替弁60を用いてもよい。この三方切替弁60は、第5配管通路36、第4配管通路34及び第7配管通路38の合流部X6に配置されている。そして、この三方切替弁60は、第5配管通路36と第4配管通路34、又は第5配管通路36と第7配管通路38をそれぞれ排他的に連通すべく切替え可能である。換言すると、第5配管通路36と第4配管通路34とを連通し、第5配管通路36と第7配管通路38とを遮断する第1位置と、第5配管通路36と第7配管通路38とを連通し、第5配管通路36と第4配管通路34を遮断する第2位置とに三方切替弁60は切替え可能である。その他の構成は図7に示した通りであり、同一部位には同一符号が用いられている。
(1)そこで、非過給域で制御弁30が閉じられる場合に、三方切替弁60が第2位置を取るように切替えられると、第5配管通路36と第7配管通路38とが連通され、第5配管通路36と第4配管通路34が遮断される。この結果、図8(A)を参照しつつ第2実施形態の作用(1)で説明したのと同等の作用を奏することができる。
(2)また、過給域で制御弁30が開かれる場合に、三方切替弁60が第1位置を取るように切替えられると、第5配管通路36と第4配管通路34とが連通され、第5配管通路36と第7配管通路38が遮断される。この結果、図8(B)を参照しつつ第2実施形態の作用(2)で説明したのと同等の作用を奏することができる。
(3)さらに、過給域で制御弁30が閉じられる場合に、三方切替弁60が第1位置を取るように切替えられると、第5配管通路36と第4配管通路34とが連通され、第5配管通路36と第7配管通路38が遮断される。この結果、図8(C)を参照しつつ第2実施形態の作用(3)で説明したのと同等の作用を奏することができる。
なお、上述の過給機付き内燃機関において、内燃機関の運転状態がPCV装置による換気流量不足領域Rにあるか否かの判定を、吸気圧Pkの値に基づいて行なうようにした。しかしながら、これらの判定は、内燃機関の運転状態を表すパラメータ(例えば、回転数と負荷率(全負荷に対する負荷の割合)又は回転数と吸入空気量)の値に基づいて行なってもよい。例えば、回転数と負荷率で規定されるマップにおいて、上述の換気流量不足領域Rに対応する領域R’を予め定め、実際の回転数と負荷率がこれらの領域R’に入ったとき、内燃機関の運転状態がPCV装置による換気流量不足領域Rにあるとして、電動バキュームポンプ24をオンにして作動を開始するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、バキュームポンプ装置として電動バキュームポンプを用いたが、これに限られずに、内燃機関に駆動され電磁クラッチなどでオンオフされる機械式のバキュームポンプを用いてもよいことは言うまでもない。
上記の各実施形態、各実施例および各構成は、矛盾が生じない限り任意に組み合わせることが可能である。本発明の実施形態には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
11 新気供給通路
13 第1ブローバイガス通路
14 PCVバルブ
15 第2ブローバイガス通路
20 ブレーキブースタ
22 第1配管通路
24 電動バキュームポンプ
26 第2配管通路
30 制御弁
32 第3配管通路
34 第4配管通路
36 第5配管通路
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (9)

  1. ブレーキブースタの負圧源をなすと共に、吸気通路へのブローバイガスの還流にも利用可能なバキュームポンプ装置を備える内燃機関のブローバイガス還流装置であって、
    前記内燃機関に形成され、クランクケース内に新気を供給するための新気供給通路と、
    前記クランクケース内のブローバイガスの少なくとも一部をスロットルバルブの下流の吸気通路に還流するPCV装置と、
    前記PCV装置によるブローバイガスの換気量が不足する領域において、前記バキュームポンプの排気を用いて、前記クランクケース内に前記新気供給通路を介して新気を加圧して供給する加圧新気供給手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のブローバイガス還流装置。
  2. 前記内燃機関はコンプレッサを吸気通路に備える過給機付き内燃機関であり、前記クランクケース内のブローバイガスの少なくとも一部を前記過給機の上流の吸気通路に還流する通路を備え、
    前記加圧新気供給手段は、
    前記ブレーキブースタと前記バキュームポンプの吸込口とに連通され、途中に第1逆止弁を有する第1配管通路と、
    前記バキュームポンプの吸込口と前記第1逆止弁との間で前記第1配管通路から分岐され、前記過給機の上流の吸気通路に連通された第2配管通路であって、途中に制御弁が配置された第2配管通路と、
    前記過給機の上流の吸気通路と当該制御弁との間で前記第2配管通路から分岐され、前記新気供給通路に連通された第3配管通路と、
    前記新気供給通路と第3配管通路との連通部に合流された第4配管通路と、
    前記バキュームポンプの排気口に連通されると共に前記第4配管通路に合流された第5配管通路と、
    前記新気供給通路から前記第3配管通路への逆流を防止する逆止手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
  3. 前記内燃機関は自然吸気式の内燃機関であり、
    前記加圧新気供給手段は、
    前記ブレーキブースタと前記バキュームポンプの吸込口とに連通され、途中に第1逆止弁を有する第1配管通路と、
    前記バキュームポンプの吸込口と前記第1逆止弁との間で前記第1配管通路から分岐され、前記スロットルバルブの上流の吸気通路に連通された第2配管通路であって、途中に制御弁が配置された第2配管通路と、
    前記スロットルバルブの上流の吸気通路と当該制御弁との間で前記第2配管通路から分岐され、前記新気供給通路に連通された第3配管通路と、
    前記新気供給通路と第3配管通路との連通部に合流された第4配管通路と、
    前記バキュームポンプの排気口に連通されると共に前記第4配管通路に合流された第5配管通路と、
    前記新気供給通路から前記第3配管通路への逆流を防止する逆止手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
  4. 前記逆止手段は、前記第3配管通路に配置された第2逆止弁であることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
  5. 前記逆止手段は、前記新気供給通路、第3配管通路及び前記第4配管通路の合流部に配置され、前記新気供給通路と第3配管通路、又は前記新気供給通路と第4配管通路をそれぞれ排他的に連通すべく切替え可能な三方切替弁であることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
  6. 前記スロットルバルブよりも下流側の吸気通路の圧力、及びブレーキブースタの圧力を検出する圧力検出手段と、
    当該圧力検出手段の検出結果に基づき、前記制御弁及びバキュームポンプの作動を制御する制御装置を備え、
    当該制御装置は、前記加圧新気供給手段によって圧送された新気により前記クランクケース内を掃気するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
  7. 前記バキュームポンプの吸込口と前記第1逆止弁との間で前記第1配管通路から分岐され、前記スロットルバルブよりも下流の吸気通路に連通された第6配管通路であって、途中に第3逆止弁が配置された第6配管通路と、
    前記第3逆止弁と前記スロットルバルブよりも下流の吸気通路との間で前記第6配管通路から分岐され、前記第4配管通路と第5配管通路とに合流された第7配管通路と、
    当該第5配管通路からの前記第4配管通路又は第7配管通路への空気の流れ方向を規制する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
  8. 前記流れ方向規制手段は、前記第4配管通路の途中に配置された第4逆止弁、及び前記第7配管通路の途中に配置された第5逆止弁であることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
  9. 前記流れ方向規制手段は、
    前記第5配管通路、第4配管通路及び前記第7配管通路の合流部に配置され、前記第5配管通路と第4配管通路、又は前記第5配管通路と第7配管通路をそれぞれ排他的に連通すべく切替え可能な三方切替弁であることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関のブローバイガス還流装置。
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