JP2016160854A - 内燃機関のブローバイガス還流装置 - Google Patents

内燃機関のブローバイガス還流装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動バキュームポンプの作動時間を短縮する。【課題手段】過給機コンプレッサ2Cを吸気通路Sに備える内燃機関Eにおいてブローバイガスを吸気通路に還流するためのブローバイガス還流装置は、非過給運転領域においてブローバイガスを還流するPCV装置27と、過給運転領域においてブローバイガスを吸気通路に還流するエゼクタ16と、ブレーキブースタ22の負圧源をなすと共にブローバイガスの還流にも利用可能な電動バキュームポンプ20とを備える。非過給運転領域と過給運転領域との境界を規定する一定の境界圧を含む吸気圧範囲において、電動バキュームポンプを作動させることによりブローバイガスを還流し、電動バキュームポンプの作動時間が所定時間以上となったとき、吸気圧範囲の下限および上限の少なくとも一方を境界圧に近づけることにより吸気圧範囲を縮小する。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のブローバイガス還流装置に関する。
ターボ過給機等の過給機を備えた内燃機関にあって、過給が行われない内燃機関の非過給運転領域においてはPCV(positive crankcase ventilation)装置を用いてクランクケース内のブローバイガスを吸気通路に還流し、過給が行われる過給運転領域においては過給機のコンプレッサの上下流側の圧力差を利用するエゼクタを用いてブローバイガスを還流することが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−236825号公報
この種のブローバイガス還流装置において、吸気圧が大気圧付近となる領域において、PCV装置によるブローバイガス還流流量も、エゼクタによるブローバイガス還流流量も得難い領域が存在する。
一方、車両のブレーキブースタの負圧源として電動バキュームポンプを設けることがある。そこで前記領域において、この電動バキュームポンプを利用してブローバイガスを還流し、PCV装置とエゼクタによるブローバイガス還流流量を補うことが考えられる。
しかし、ブローバイガス還流装置として電動バキュームポンプを用いた場合、電動バキュームポンプの使用頻度が想定以上に増える可能性があり、モータの耐久時間を超えないように対策が必要である。
また、電動バキュームポンプの作動時間が長時間に及ぶと、消費電力量が増大し、内燃機関により駆動されるオルタネータの発電量が増大する。そして内燃機関の仕事量が増大し、内燃機関の燃費が悪化してしまう。
そこで本発明は、上記事情に鑑みて創案され、その目的は、電動バキュームポンプの作動時間を短縮することが可能な内燃機関のブローバイガス還流装置を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
過給機のコンプレッサを吸気通路に備える内燃機関において、クランクケース内のブローバイガスを前記吸気通路に還流するためのブローバイガス還流装置であって、
前記内燃機関の非過給運転領域において前記ブローバイガスを前記吸気通路に還流するPCV装置と、
前記内燃機関の過給運転領域において、前記コンプレッサの上下流側の圧力差を利用して前記ブローバイガスをコンプレッサ上流側の前記吸気通路に還流するエゼクタと、
ブレーキブースタの負圧源をなすと共に、前記ブローバイガスの前記吸気通路への還流にも利用可能な電動バキュームポンプと、
を備え、
前記非過給運転領域と前記過給運転領域との境界を規定する一定の境界圧を含む吸気圧範囲において、前記電動バキュームポンプを作動させることにより前記ブローバイガスを前記吸気通路に還流し、前記電動バキュームポンプの作動時間が所定の許容時間以上となったとき、前記吸気圧範囲の下限および上限の少なくとも一方を前記境界圧に近づけることにより、前記吸気圧範囲を縮小するように構成した
ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還流装置が提供される。
本発明によれば、電動バキュームポンプの作動時間を短縮することができるという、優れた効果が発揮される。
本発明の実施形態の構成を示す概略図である。 本実施形態の課題と基本的作動を説明するためのグラフである。 本実施形態の第1制御例を示すグラフである。 第1制御例のルーチンを示すフローチャートである。 第2制御例のルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。なお本発明は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1は、本実施形態に係る内燃機関のブローバイガス還流装置の構成を示す。本実施形態のブローバイガス還流装置は、車両に搭載された内燃機関(エンジン)Eに適用される。内燃機関Eはエンジン本体1を備え、エンジン本体1は周知のようにヘッドカバー1A、シリンダヘッド1B、シリンダブロック1C、クランクケース1Dおよびオイルパン1Eを含んで構成される。そしてエンジン本体1の内部にはピストン、コンロッドおよびクランクシャフト等が備えられる。内燃機関Eは、過給機としてのターボチャージャ2を備えた多気筒ガソリンエンジンである。なお内燃機関Eの気筒数、シリンダ配置形式(直列、V型、水平対向等)等は特に限定されない。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管3を介して吸気集合室であるサージタンク4に接続されている。サージタンク4の上流側には吸気管5が接続されている。吸気管5には、上流側から順に、エアクリーナ6、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ7、ターボチャージャ2のコンプレッサ2C、インタークーラ8、および電子制御式スロットルバルブ9が設けられている。吸気ポート、枝管4、サージタンク4及び吸気管5により吸気通路Sが形成される。なお図示しないが、吸気ポート内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)と、点火プラグとが気筒毎に設けられている。
一方、各気筒の排気ポートは排気マニフォールドを介して共通の排気管に接続される。これら排気ポート、排気マニフォールド及び排気管により排気通路Tが形成される。排気通路Tにはターボチャージャ2のタービン2Tが設置され、タービン2Tの下流側には図示しない三元触媒が設けられる。排気通路Tには、タービン2Tをバイパスするバイパス通路10と、バイパス通路10を開閉するための電子制御式ウェイストゲートバルブ11とが設けられる。ウェイストゲートバルブ11はスロットルバルブ9と同様のバタフライ弁とされ、その開度を無段階で変更可能である。
エンジン本体1のクランクケース1Dにはオイルセパレータ12が設けられている。オイルセパレータ12は、クランクケース1D内に連通されると共に、クランクケース1D内のブローバイガスを導入してこれに含まれるオイルを分離する。
オイルセパレータ12とサージタンク4とは第1ガス通路13により互いに連通接続され、第1ガス通路13にはPCVバルブ14が設けられる。第1ガス通路13とPCVバルブ14はPCV装置27を構成する。PCVバルブ14の開弁時、クランクケース1D内のブローバイガスはオイルセパレータ12、第1ガス通路13という経路を順に通じてサージタンク4に還流される。
また、オイルセパレータ12と、コンプレッサ2Cの上流側の吸気通路Sとは、第2ガス通路15により互いに連通接続される。第2ガス通路15にはエゼクタ16が設けられる。エゼクタ16と、コンプレッサ2Cの下流側の吸気通路Sとは、エゼクタ通路17により互いに連通接続される。エゼクタ16は、コンプレッサ2Cの上流側と下流側との圧力差を利用して、クランクケース1D内のブローバイガスをオイルセパレータ12、第2ガス通路15という経路を順に通じてコンプレッサ上流側の吸気通路Sに還流させる。なお、ヘッドカバー1A内とエアフローメータ7の上流側の吸気通路Sとは換気通路26により互いに連通接続される。
また、オイルセパレータ12とサージタンク4とは第3ガス通路18により互いに連通接続される。第3ガス通路18には、三方電磁弁からなる切替弁19と、電動バキュームポンプ20とが、ブローバイガス流れ方向(図中矢示)における上流側と下流側とにそれぞれ設けられている。
他方、車両には、ドライバによるブレーキペダル21の操作をアシストするためのブレーキブースタ22が設けられている。ブレーキブースタ22は、ブレーキ作動時、その負圧室23に供給された負圧を利用してブレーキペダル操作力を倍力する。
ブレーキブースタ22の負圧室23と、切替弁19とは、ブースタ通路24により互いに連通接続される。ブースタ通路24には、ブレーキブースタ22側から切替弁19側に向かう順流方向(図中矢示)の空気の流れのみを許容し、逆流方向の空気の流れを禁止する逆止弁25が設けられている。逆止弁25により負圧室23からの負圧抜けが防止される。
切替弁19は、オイルセパレータ12からサージタンク4に至るブローバイガスの流れを禁止し且つブレーキブースタ22から電動バキュームポンプ20に至る空気の流れを許容する第1位置すなわちブースタ側位置V1と、オイルセパレータ12からサージタンク4に至るブローバイガスの流れを許容し且つブレーキブースタ22から電動バキュームポンプ20に至る空気の流れを禁止する第2位置すなわち還流側位置V2とに切り替え可能である。なお、切替弁19がブースタ側位置V1にあるとき、電動バキュームポンプ20から排出された排出空気は第3ガス通路18を通じてサージタンク4に供給される。
本実施形態のブローバイガス還流装置には、制御部もしくは制御ユニットをなす電子制御ユニット(以下ECUという)100が備えられる。ECU100は、切替弁19および電動バキュームポンプ20に加え、前述のスロットルバルブ9、インジェクタ、点火プラグ、ウェイストゲートバルブ11をも制御するように構成されている。またECU100はこれらの他、内燃機関Eおよび車両の図示しない各種デバイスをも制御するように構成されている。
センサ類に関して、前述のエアフローメータ7に加え、吸気圧を検出するための吸気圧センサ30、内燃機関Eのクランク角を検出するためのクランク角センサ31、アクセルペダルの操作量すなわちアクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ32がECU100に接続されている。
ECU100は、クランク角センサ31からのクランクパルス信号に基づき、クランク角自体を検出すると共にエンジンの回転数(rpm)を検出する。ここで「回転数」とは単位時間当たりの回転数のことをいい、回転速度と同義である。
ECU100は、エアフローメータ7からの信号に基づき、単位時間当たりの吸入空気の量である吸入空気量すなわち吸気流量を検出する。そしてECU100は、検出した吸入空気量に基づきエンジン1の負荷を検出する。
本実施形態において、電動バキュームポンプ20は基本的にブレーキブースタ22の負圧源をなすものとして設けられている。通常、かかる負圧源として吸気通路が用いられ、吸気通路内で発生した吸気負圧をブレーキブースタに供給する。しかし、本実施形態のような過給式内燃機関では必ずしも十分な大きさの吸気負圧を常時確保することができない。一方、別の負圧源として機械式バキュームポンプもあるが、これは内燃機関により常時駆動されるため無駄仕事が多い。そこで本実施形態では、ブレーキブースタ22における負圧不足時のみ一時的ないし間欠的に作動させることができる電動バキュームポンプ20を採用している。なお本実施形態では電動バキュームポンプ20を唯一の負圧源としているが、吸気通路Sを別の負圧源として加え、両者を併用してもよい。
本実施形態は、この電動バキュームポンプ20がブローバイガスの還流にも利用可能である点に一つの特徴がある。通常、ECU100は、切替弁19をブースタ側位置V1に切り替えると共に、電動バキュームポンプ20を必要に応じて作動させる(オンする)ことにより、負圧室23の圧力であるブースタ圧力を十分な値に保持する。なお電動バキュームポンプ20の作動中には逆止弁25が開弁される。他方、電動バキュームポンプ20によるブローバイガス還流が望まれるとき、ECU100は、切替弁19を還流側位置V2に切り替えると共に、電動バキュームポンプ20を作動させる。すると電動バキュームポンプ20により、クランクケース1D内のブローバイガスがオイルセパレータ12、第3ガス通路18という経路を順に通じてサージタンク4に還流される。
さて、本実施形態においては、過給が行われない内燃機関の非過給運転領域においては、PCV装置27(第1ガス通路13とPCVバルブ14)を用いてクランクケース1D内のブローバイガスを吸気通路S(サージタンク4)に還流することができる。すなわち、非過給運転領域においては、PCVバルブ14の下流側(サージタンク4側)圧力が上流側(クランクケース1D側)圧力より低いので、PCVバルブ14が開弁し、上記還流を実行することができる。他方、過給が行われる内燃機関の過給運転領域においては、PCVバルブ14の下流側圧力が上流側圧力より高いので、PCVバルブ14が閉弁し、PCV装置27による還流を行えないが、これはエゼクタ16により行うことができる。すなわち、コンプレッサ2Cの下流側の圧力が上流側の圧力より高くなるので、エゼクタ通路17、エゼクタ16、エゼクタ下流側の第2ガス通路15を順に通じる空気流が発生すると共に、エゼクタ16内に吸引流が発生する。この吸引流により、クランクケース1D内のブローバイガスをエゼクタ上流側の第2ガス通路15を通じて吸引し、コンプレッサ上流側の吸気通路Sに還流することができる。
ところで、これらPCV装置27とエゼクタ16を併用する本実施形態のブローバイガス還流装置であっても、非過給運転領域と過給運転領域の境界付近において、PCV装置27によるブローバイガス還流流量も、エゼクタ16によるブローバイガス還流流量も得難い領域が存在する。
この点を図2を参照して説明する。(A)は吸気圧P(kPa)に対するブローバイガス還流流量Gb(L/min)の関係を示す(線x参照)。なお吸気圧Pとはスロットルバルブ9の下流側における吸気通路S内の圧力のことをいい、具体的には吸気圧センサ30により検出されるサージタンク4内の吸気圧Pのことをいう。圧力は、大気圧を基準にしてその差をもって表すゲージ圧で表示する。
非過給運転領域は吸気圧Pが大気圧(ゼロ)以下の領域であり、過給運転領域は吸気圧Pが大気圧より大きい領域である。大気圧は、非過給運転領域と過給運転領域の境界を規定する「境界圧」をなし、つまり本実施形態の境界圧は大気圧に等しい。図示するように、非過給運転領域ではPCV装置27により十分な大きさのブローバイガス還流流量Gb、すなわち最大流量Gbmaxが得られ、過給運転領域ではエゼクタ16により最大流量Gbmaxが得られる。
しかし、大気圧を含むその付近の吸気圧範囲、特にP1≦P≦P2の吸気圧範囲(P1<0<P2)では、最大流量Gbmaxのブローバイガス還流流量Gbを得られず、ブローバイガス還流を満足に行うことが困難となっている。P1は、吸気圧Pが増大するにつれPCV装置27によるブローバイガス還流流量Gbが最大流量Gbmaxから低下し始める吸気圧であり、P2は、吸気圧Pが減少するにつれエゼクタ16によるブローバイガス還流流量Gbが最大流量Gbmaxから低下し始める吸気圧である。
ここで、図2を参照して、本実施形態の基本的作動ないし制御を併せて説明する。吸気圧Pが最小吸気圧Pminにあるとき、アクセル開度Acは0(%)であり、アクセルペダルは踏み込まれていない。またスロットル開度THは実質的な最小開度であるアイドル開度THi(%)である。またウェイストゲートバルブ11の開度(ウェイストゲートバルブ開度)WGは100(%)すなわち全開である。従って排気ガスはバイパス通路10を通じてタービン2Tをバイパスされ、ターボチャージャ2は駆動されない。
かかる状態から、アクセル開度Acが徐々に増大されていくと、スロットル開度THおよび吸気圧Pも徐々に増大する。そして中間のアクセル開度Acにおいて、スロットル開度THが100(%)すなわち全開(WOT)とされ、吸気圧Pがゼロとなる。そして以降、スロットル開度THは100(%)に維持される。
ウェイストゲートバルブ開度WGは、吸気圧Pがゼロとなるまで100(%)すなわち全開に維持され、吸気圧Pがゼロとなる点からアクセル開度Acが増大されるにつれ、徐々に減少される(すなわちウェイストゲートバルブ11は閉弁方向に動作される)。
アクセル開度Acが100(%)すなわち全開とされると、吸気圧Pが最大吸気圧Pmaxとなり、ウェイストゲートバルブ開度WGは0(%)すなわち全閉とされる。
本実施形態では、検出されたアクセル開度Acおよび吸気圧Pの少なくとも一方に基づいてスロットル開度THおよびウェイストゲートバルブ開度WGが上述の如く制御される。
このように、非過給運転領域ではターボチャージャ2による過給はなされず、内燃機関Eは実質的に自然吸気式エンジンとして働く。そしてブローバイガスの還流はPCV装置27のみによって行われる。他方、過給運転領域ではターボチャージャ2による過給が行われ、内燃機関Eは実質的に過給式エンジンとして働く。そしてブローバイガスの還流はエゼクタ16のみによって行われる。
非過給運転領域は、内燃機関の低負荷側の領域に相当するが、この領域でターボチャージャ2を駆動させるとタービン2Tが排気抵抗となって燃費が悪化する。またこの領域ではスロットル開度THがまだ全開となっていないので、この領域でターボチャージャ2を駆動させても、コンプレッサ2Cにより加圧された空気の流れがスロットルバルブ9によって妨げられしまい、これも燃費悪化の要因となる。よって本実施形態では、非過給運転領域においてウェイストゲートバルブ開度WGを全開に保持し、ターボチャージャ2を駆動させないようにしている。そしてスロットル開度THが全開となった後の過給運転領域において、ウェイストゲートバルブ開度WGを減少し、ターボチャージャ2を駆動させるようにしている。
図示するように、P1≦P≦0の吸気圧範囲では、吸気圧Pが高まるにつれPCV装置27によるブローバイガス還流流量Gbが最大流量Gbmaxから徐々に低下し、最終的に0になる。また0≦P≦P2の吸気圧範囲では、吸気圧Pが高まるにつれエゼクタ16によるブローバイガス還流流量Gbが0から最大流量Gbmaxまで徐々に増大する。従っていずれにしても、P1≦P≦P2の吸気圧範囲では、ブローバイガス還流流量Gbは低下しがちであり、十分な量のブローバイガス還流流量Gbを得るのが困難である。
そこで、本実施形態では、このようなP1≦P≦P2の吸気圧範囲をポンプ作動領域と定め、このポンプ作動領域において電動バキュームポンプ20を作動させることにより、電動バキュームポンプ20を利用してブローバイガスを還流する。これにより、PCV装置27およびエゼクタ16によっては不足するブローバイガス還流流量Gbを補い、あるいは補完することができ(図中仮想線a参照)、十分な量のブローバイガス還流流量Gbを得ることが可能となる。なお、ブローバイガス還流目的で電動バキュームポンプ20を作動させる際は常に切替弁19が還流側位置V2に切り替えられる。
ここで、ポンプ作動領域の下限を規定する吸気圧を「下限吸気圧」といい、ここではP1がそれに相当する。またポンプ作動領域の上限を規定する吸気圧を「上限吸気圧」といい、ここではP2がそれに相当する。
ブローバイガス還流装置として電動バキュームポンプを用いた場合、電動バキュームポンプの使用頻度が想定以上に増える可能性があり、モータの耐久時間を超えないように対策が必要である。
また、電動バキュームポンプ20の作動時間が長時間に及ぶと、消費電力量が増大し、内燃機関Eにより駆動されるオルタネータ(図示せず)の発電量が増大する。そして内燃機関Eの仕事量が増大し、内燃機関Eの燃費が悪化してしまう。
そこで本実施形態では、電動バキュームポンプ20の作動時間が所定の許容時間以上となったとき、ポンプ作動領域の下限吸気圧および上限吸気圧の少なくとも一方を大気圧に近づけることにより、ポンプ作動領域を縮小する。これにより電動バキュームポンプ20の作動時間を短縮することができる。
以下、図3を参照して本実施形態の第1制御例を説明する。図3は、図2(A)と同様に、吸気圧Pに対するブローバイガス還流流量Gbの関係を示す。ポンプ作動領域は下限吸気圧PLと上限吸気圧PHの間の吸気圧範囲(PL≦P≦PH)であり、これには境界圧たる大気圧(P=0)が含まれる。言い換えれば、ポンプ作動領域は、大気圧より低い下限吸気圧PLと、大気圧より高い上限吸気圧PHとの間の吸気圧範囲である。
電動バキュームポンプ20の作動時間Tが許容時間T1に達する前の初期状態において、下限吸気圧PLはP1に等しくされ、上限吸気圧PHはP2に等しくされる。このときのポンプ作動領域をAで示す。しかしながら、電動バキュームポンプ20の作動時間Tが許容時間T1に達した後には、下限吸気圧PLは、より大気圧に近づいたP3に等しくされ、上限吸気圧PHはより大気圧に近づいたP4に等しくされる。但しP3<0<P4である。このときのポンプ作動領域をBで示す。実際の吸気圧Pがポンプ作動領域(AまたはB)にあれば電動バキュームポンプ20は常に作動(オン)され、実際の吸気圧Pがポンプ作動領域になければ、ブレーキブースタ22側の要請が無いことを条件として、電動バキュームポンプ20は停止(オフ)される。
このようにポンプ作動領域をAからBに縮小することにより、電動バキュームポンプ20の作動機会を低減ないし抑制し、電動バキュームポンプ20の作動時間を短縮することができる。また、図3に示されるように、PCV装置27およびエゼクタ16による元々のブローバイガス還流流量Gbは、吸気圧Pが大気圧に近づくほど少なくなる。本実施形態では、縮小後のポンプ作動領域Bも依然として大気圧を含むため、元々のブローバイガス還流流量Gbが相対的に少ない縮小後のポンプ作動領域Bで、依然として電動バキュームポンプ20の作動を確保し、十分なブローバイガス還流流量Gbを確保できる。その一方で、縮小後のポンプ作動領域Bに含まれない初期のポンプ作動領域Aの部分(P1≦P<P3、P4<P≦P2の領域)では、電動バキュームポンプ20は停止されるものの、元々のブローバイガス還流流量Gbが相対的に多い領域なので、電動バキュームポンプ停止に起因したブローバイガス還流流量減少のデメリットは小さく、むしろ作動時間短縮のメリットの方が大きい。したがって上記のようにポンプ作動領域を縮小することで、ブローバイガス還流流量の確保と電動バキュームポンプ20の作動時間短縮とを好適に両立することができる。
上記説明で分かるように、許容時間とは、ポンプ作動領域をAに保持することが許容される電動バキュームポンプ20の作動時間のことをいう。
なお、ここでは下限吸気圧PLおよび上限吸気圧PHの両方を大気圧に近づけたが、いずれか一方を大気圧に近づけてもよい。
図4に第1制御例のルーチンを示す。かかるルーチンはECU100により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、検出された吸気圧Pが下限吸気圧PL以上かつ上限吸気圧PH以下であるか否か、すなわち吸気圧Pがポンプ作動領域に入っているか否かが判断される。なお下限吸気圧PLおよび上限吸気圧PHの初期値は前述したようにP1およびP2である。
イエスの場合、ステップS102において、電動バキュームポンプ20が作動(オン)され、切替弁19が還流側位置V2に切り替えられる。
次いでステップS103において、電動バキュームポンプ20の作動時間Tがカウントされる。この作動時間Tは、電動バキュームポンプ20がオンされた時から累積される作動時間である。
ステップS104において、作動時間Tが許容時間T1以上となったか否かが判断される。イエスの場合、ステップS105において、下限吸気圧PLがP3に等しくされ、上限吸気圧PHがP4に等しくされる。これによりポンプ作動領域はAからBに縮小され、電動バキュームポンプ20の作動機会を抑制し作動時間を短縮できる。
他方、ステップS101がノーの場合には、ステップS106に進んで、切替弁19がブースタ側位置V1に切り替えられ、下限吸気圧PL、上限吸気圧PHおよび作動時間Tが初期化される。なお作動時間Tの初期値はゼロである。電動バキュームポンプ20は、停止可能な状態となり、ブレーキブースタ22側の要請に応じて、図示しない別ルーチンにより適宜オン・オフされる。ステップS104がノーの場合にはルーチンが終了される。
なお、ここでは吸気圧Pの値に基づいて電動バキュームポンプ20をオンしたが、内燃機関の運転状態を表すパラメータ(例えば回転数Neと負荷KL)の値に基づいて電動バキュームポンプ20をオンしてもよい。例えば、回転数Neと負荷KLで規定されるマップにおいて、上述のポンプ作動領域A,Bに対応するポンプ作動領域A’,B’を予め定め、実際の回転数Neと負荷KLがポンプ作動領域A’に入ったとき電動バキュームポンプ20をオンし、作動時間Tが許容時間T1以上となったらポンプ作動領域をA’からB’に変更してもよい。
次に、再び図2を参照して、本実施形態の第2制御例を説明する。なお第1制御例と同様の部分については説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
前記第1制御例においては、吸気圧Pの上昇中、常に吸気圧Pが大気圧になった時点からウェイストゲートバルブ11の閉弁動作を開始した。これに対し、本制御例においては、作動時間Tが許容時間T1以上となったとき、ウェイストゲートバルブ11の閉弁動作を開始する吸気圧(便宜上、過給開始圧Pstという)を大気圧より低い圧力P6とする。
すなわち、本制御例において、作動時間Tが許容時間T1未満であるときには第1制御例と同様、過給開始圧Pstを大気圧(P=0=P5)とする。他方、作動時間Tが許容時間T1以上となったときには、図中線bで示すように、過給開始圧Pstを大気圧より低いP6とする。これにより、図中線cで示すように、大気圧付近の領域において、エゼクタ16によるブローバイガス還流流量Gbを増加すると共に、当該ブローバイガス還流流量Gbのゼロからの増加開始点をより低圧側のP6に移動できる。そしてPCV装置27およびエゼクタ16によりブローバイガス還流流量Gbが得難い領域を実質的に狭くすることができる。
こうなると、吸気圧Pの低下につれエゼクタ16によるブローバイガス還流流量Gbが低下し始める吸気圧の値が、P2からP7へとより低圧側に変更される(但しP7>0)。よって本制御例においては、作動時間Tが許容時間T1以上となったとき、上限吸気圧PHがより大気圧に近いP7に変更され、ポンプ作動領域がA(P1≦P≦P2)からB’(P1≦P≦P7)に縮小される。これにより電動バキュームポンプ20の作動機会を抑制し、電動バキュームポンプ20の作動時間を短縮できる。
なお、作動時間Tが許容時間T1以上となったとき、大気圧より低いP6から過給が開始されるが、この場合も非過給運転領域と過給運転領域との境界を規定する境界圧はあくまで大気圧であって、境界圧は一定に保持される。非過給運転領域の最大圧力側のごく一部(P6≦P≦0)において例外的に過給が実行されるに過ぎない。
図5に第2制御例のルーチンを示す。かかるルーチンもECU100により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS201〜S204は前記ステップS101〜S104と同様である。なお過給開始圧Pstおよび上限吸気圧PHの初期値はP5およびP2とされる。下限吸気圧PLはP1に固定される。
ステップS204がイエスの場合、ステップS205において、過給開始圧PstがP6に等しくされ、上限吸気圧PHがP7に等しくされる。これによりポンプ作動領域はAからB’に縮小され、電動バキュームポンプ20の作動機会を抑制し作動時間を短縮できる。
他方、ステップS201がノーの場合には、ステップS206に進んで、切替弁19がブースタ側位置V1に切り替えられ、過給開始圧Pst、上限吸気圧PHおよび作動時間Tが初期化される。電動バキュームポンプ20は、ブレーキブースタ22側の要請に応じて、図示しない別ルーチンにより適宜オン・オフされる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明はさらに他の実施形態も可能である。
本発明の実施形態には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1D クランクケース
2 ターボチャージャ
2C コンプレッサ
13 第1ガス通路
14 PCVバルブ
16 エゼクタ
20 電動バキュームポンプ
22 ブレーキブースタ
27 PCV装置
100 電子制御ユニット(ECU)
E 内燃機関
S 吸気通路

Claims (1)

  1. 過給機のコンプレッサを吸気通路に備える内燃機関において、クランクケース内のブローバイガスを前記吸気通路に還流するためのブローバイガス還流装置であって、
    前記内燃機関の非過給運転領域において前記ブローバイガスを前記吸気通路に還流するPCV装置と、
    前記内燃機関の過給運転領域において、前記コンプレッサの上下流側の圧力差を利用して前記ブローバイガスをコンプレッサ上流側の前記吸気通路に還流するエゼクタと、
    ブレーキブースタの負圧源をなすと共に、前記ブローバイガスの前記吸気通路への還流にも利用可能な電動バキュームポンプと、
    を備え、
    前記非過給運転領域と前記過給運転領域との境界を規定する一定の境界圧を含む吸気圧範囲において、前記電動バキュームポンプを作動させることにより前記ブローバイガスを前記吸気通路に還流し、前記電動バキュームポンプの作動時間が所定の許容時間以上となったとき、前記吸気圧範囲の下限および上限の少なくとも一方を前記境界圧に近づけることにより、前記吸気圧範囲を縮小するように構成した
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還流装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20230119867A1 (en) * 2021-10-19 2023-04-20 Svmtech, Llc Pollution control system for diesel engine

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