JP6341152B2 - 内燃機関のブローバイガス処理制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のブローバイガス処理制御装置、特に、ブレーキブースタのブレーキ負圧生成とクランクケース内のブローバイガス換気を行うためのベーン式電動バキュームポンプを備える内燃機関のブローバイガス処理制御装置に関する。
一般に、車両用ブレーキシステムには、ドライバによるブレーキペダル操作をアシストするためのブレーキブースタが装備されている。ブレーキブースタの負圧室には、バキュームポンプから負圧が供給され、ブレーキブースタはこの負圧を利用することでブレーキペダル操作力を倍力するようになっている。また、内燃機関においては、その圧縮行程中にピストンとシリンダの隙間から漏れた未燃焼のガス(ブローバイガス)を機関の吸気系に還流して処理するブローバイガス還流装置が知られている。さらに、ブローバイガスの処理が必要な時に、クランクケースに通じる配管に配置された制御弁を開いて、クランクケース内のブローバイガスをバキュームポンプで吸引して吸気系に還流する技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
したがって、バキュームポンプによる負圧生成とクランクケース内のブローバイガス換気を併用する構成として、バキュームポンプの吸込側をブレーキブースタとクランクケースとにそれぞれ配管で連通し、クランクケース側の配管上に制御弁を設け、バキュームポンプの排気側を負圧である吸気系に連通させる構成が一般的である。
特開昭62−279220号公報
ところで、上述のようなブローバイガス還流装置において用いられるバキュームポンプとして、ベーン式の電動バキュームポンプを利用することが考えられる。しかしながら、ベーン式の電動バキュームポンプを利用する場合には、以下のような問題が生ずることが判明した。すなわち、クランクケース内のブローバイガスを換気すべく制御弁を開くと共にベーン式の電動バキュームポンプを作動させる場合に、ベーン式の電動バキュームポンプが停止した状態で制御弁を開くと、クランクケース内のブローバイガスや新気が当該ベーン式の電動バキュームポンプの隙間を通過して、負圧状態にある吸気系に流入してしまうのである。
このように、ベーン式の電動バキュームポンプが停止した状態で制御弁を開くと、かかる隙間を通過して、大量のクランクケース内のブローバイガスや新気が負圧状態にある吸気系に一気に流入してしまい、空燃比の急な変動により失火するおそれがある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて創案され、その目的は、ベーン式の電動バキュームポンプを利用する場合でも、失火のおそれを低減することができる内燃機関のブローバイガス処理制御装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る内燃機関のブローバイガス処理制御装置の一の態様は、
ブレーキブースタへの負圧生成とクランクケース内のブローバイガス換気を行うためのベーン式電動バキュームポンプを備える車両における内燃機関のブローバイガス処理制御装置であって、
前記ベーン式電動バキュームポンプの吸込口を前記ブレーキブースタ及び前記クランクケースにそれぞれ連通する配管通路と、
前記クランクケースとの配管通路に設けられた制御弁と、
前記ベーン式電動バキュームポンプの排気口を吸気通路に連通する配管通路と、
前記制御弁及び前記ベーン式の電動バキュームポンプの作動を制御する制御装置を備え、
当該制御装置は、前記クランクケース内のブローバイガスを換気する要求があったとき、前記ベーン式電動バキュームポンプを作動開始させてから前記制御弁を開くべく制御するように構成されていることを特徴とする。
この態様によれば、クランクケース内のブローバイガスを換気する要求があったとき、制御弁及びベーン式の電動バキュームポンプの作動を制御する制御装置は、ベーン式電動バキュームポンプを作動開始させてから制御弁を開くべく制御する。このベーン式電動バキュームポンプが作動すると、ポンプ内の隙間が小さくなるので、この時点で制御弁が開かれたとしても吸込側と排気側の差圧による流量への影響は小さくなる。したがって、クランクケース内のブローバイガスや新気が負圧状態にある吸気通路に大量に流入するのを抑制できる。
なお、上記制御装置は、さらに、前記クランクケース内のブローバイガスを換気終了する要求があったとき、前記制御弁を閉じてから前記ベーン式電動バキュームポンプの作動を停止させるべく制御するように構成されることが好ましい。
さらに、上記制御装置は、時間計測手段を備え、当該時間計測手段による、前記ベーン式電動バキュームポンプを作動開始させてからの経過時間が所定時間を超えたときに、前記制御弁を開くべく制御するように構成されてもよい。
ここで、上記所定時間は、ベーン式電動バキュームポンプにおけるベーンが遠心力で移動しケーシングとの隙間をゼロとする回転数に到達するまでの時間、もしくは、ベーン式電動バキュームポンプの目標流量の回転数に到達するまでの時間であってもよい。
本発明によれば、クランクケース内のブローバイガスや新気が負圧状態にある吸気通路に大量に流入するのを抑制し、失火のおそれを低減することができるという、優れた効果が発揮される。
本発明に係る内燃機関のブローバイガス処理制御装置に用いられるベーン式電動バキュームポンプの構成の一例を示す図であり、(A)はカバーを取外した状態での平面図、(B)は側面図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関のブローバイガス処理制御装置の構成を示す概略図である。 本発明に係る内燃機関において、非過給域で負圧状態にある吸気通路の吸気圧Pkに対するクランクケース内換気流量Gbの関係を示すグラフである。 本発明に係る内燃機関のブローバイガス処理制御装置における制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 本発明に係る内燃機関のブローバイガス処理制御装置における制御ルーチンの他の例を示すフローチャートである。 本発明に係る内燃機関のブローバイガス処理制御装置におけるベーン式電動バキュームポンプと制御弁の作動関係を説明するタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
まず、本発明に係る内燃機関のブローバイガス処理制御装置に用いられるベーン式電動バキュームポンプの構成を図1を参照して説明する。図1において、(A)はカバーを取外した状態でのベーン式の電動バキュームポンプの平面図、(B)は側面図である。一例としてのベーン式の電動バキュームポンプ50は、ケーシング51、ロータ52、ベーン53、回転軸54及びカバー55を構成部品として備えている。ケーシング51には円形の内周面51Aが形成され、ロータ52にはベーン53を出没自在に保持する4つのベーン保持溝52Aが半径線に関し当該半径線から直交する方向に所定量変位され規則的に形成されている。そして、ロータ52の中心に位置された回転軸54が、ケーシング51の円形の内周面51Aの中心から偏心されて回転自在に保持されている。なお、50in及び50outは、それぞれ、ケーシング51の底部に形成された吸込口及び排気口である。なお、本例では、回転軸54が不図示の電動モータによって駆動される。
そこで、このベーン式の電動バキュームポンプ50は、回転軸54に設けられたロータ52が(図1において反時計回りに)回転されることによって、ベーン保持溝52Aに保持されているベーン53が遠心力により外方に飛び出し、ケーシング51の円形の内周面51Aに摺接するようになる。しかしながら、このベーン式の電動バキュームポンプ50の停止時には、かかる遠心力が作用しないので、ベーン53の先端部と内周面51Aとの間に隙間50g1が生じ、吸込口50inから排気口50outとが導通状態となる(太実線矢印Yで示す)。一方、ロータ52とカバー55との間にもクリアランス分の隙間50g2が存在し、吸込口50inから排気口50outとは導通状態にある。このようなベーン式の電動バキュームポンプ50が停止した状態で制御弁を開くと、前述のようにかかる隙間50g1、50g2を通過して、大量のクランクケース内のブローバイガスや新気が負圧状態にある吸気系に一気に流入してしまうのである。
図2は、上記ベーン式の電動バキュームポンプ50を用いた本発明の実施形態にかかる内燃機関のブローバイガス処理制御装置の構成を示す概略図である。本実施形態のブローバイガス処理制御装置は、ブレーキブースタを備えた車両に搭載された内燃機関(エンジン)Eに適用される。内燃機関Eはエンジン本体1を備え、エンジン本体1は周知のようにヘッドカバー1A、シリンダヘッド1B、シリンダブロック1C、クランクケース1D及びオイルパン1Eを含んで構成される。そしてエンジン本体1の内部にはピストン、コンロッド及びクランクシャフト等が備えられ、同時に、シリンダヘッド1B及びシリンダブロック1Cには、これらを貫通する連通孔1Fが形成されている。この連通孔1Fによって、ヘッドカバー1A及びクランクケース1Dの内部が連通されている。
なお、図2に示す内燃機関Eは、過給機としてのターボチャージャ2を備えた多気筒ガソリンエンジンであるが、本発明は過給機を備えない自然吸気式内燃機関、及び過給機付きの内燃機関では、吸気系が負圧状態にある非過給域において適用される。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管3を介して吸気集合室であるサージタンク4に接続されている。サージタンク4の上流側には吸気管5が接続されている。吸気管5には、上流側から順に、エアクリーナ6、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ7、ターボチャージャ2のコンプレッサ2C、インタークーラ2IC、及び電子制御式スロットルバルブ9が設けられている。吸気ポート、枝管3、サージタンク4及び吸気管5により吸気通路Sが形成される。なお図示はしないが、吸気ポート内には燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)及び燃焼室には、点火プラグが気筒毎に設けられている。
エンジン本体1のクランクケース1Dにはオイルセパレータ12が設けられている。オイルセパレータ12は、クランクケース1D内に連通されると共に、クランクケース1D内のブローバイガスを導入して、これに含まれるオイルを分離する。
オイルセパレータ12とサージタンク4又はその下流の枝管3とは第1ブローバイガス通路13により互いに連通され、第1ブローバイガス通路13にはPCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブ14が設けられる。第1ブローバイガス通路13とPCVバルブ14はPCV装置を構成する。PCVバルブ14の開弁時、クランクケース1D内のブローバイガスはオイルセパレータ12、第1ブローバイガス通路13という経路を順に通じてサージタンク4に還流される。
また、ヘッドカバー1A内とエアフローメータ7の下流でコンプレッサ2Cの上流側での吸気通路Sとは新気導入通路16により互いに連通される。なお、オイルセパレータ12は後述するように第2ブローバイガス通路28を介してブースタ通路26に連通されている。
他方、車両には、ドライバによるブレーキペダルの操作をアシストするためのブレーキブースタ20が設けられている。ブレーキブースタ20は、ブレーキ作動時、その負圧室に供給されて保持された負圧を利用してブレーキペダル操作力を倍力する。
また、ブレーキブースタ20の負圧室とベーン式電動バキュームポンプ50の吸込口50inとは、第1の配管通路としてのブースタ通路26により互いに連通されている。ブースタ通路26には、ブレーキブースタ20側から電動バキュームポンプ50側に向かう順流方向の空気の流れのみを許容し、逆流方向の空気の流れを禁止する第1逆止弁CV1が設けられている。第1逆止弁CV1により負圧室からの負圧抜けが防止される。また、オイルセパレータ12とブースタ通路26とは、第1逆止弁CV1と電動バキュームポンプ50の吸込口50inとの間の合流部X1で合流する第2の配管通路としての第2ブローバイガス通路28により互いに連通されている。第2ブローバイガス通路28には、電磁開閉弁からなる制御弁30が設けられている。
制御弁30は、オイルセパレータ12から第2ブローバイガス通路28及びブースタ通路26を介して電動バキュームポンプ50に至るブローバイガスの流れを禁止する第1位置(閉位置)と、その流れを許容する第2位置(開位置)とを取り得る。
さらに、ブレーキブースタ20と第1逆止弁CV1との間の分岐部X2でブースタ通路26から分岐され、途中に第2逆止弁CV2が配置されている第3の配管通路32が設けられている。そして、電動バキュームポンプ50の排気口50outに連通された第4の配管通路34が設けられている。この第4の配管通路34は、ターボチャージャ2のコンプレッサ2Cの上流で新気導入通路16の入口より下流の吸気通路Sに連通する第5の配管通路35、及び第6の配管通路36に合流部X3で合流されている。本実施の形態では、電動バキュームポンプ50から下流方向への流れのみを許容する流れ方向制限手段として、吸気通路Sから電動バキュームポンプ50側へのガスの流れを禁止する第3逆止弁CV3が第5の配管通路35に設けられ、電動バキュームポンプ50から下流方向への流れのみを許容する第4逆止弁CV4が後述する第6の配管通路36に設けられている。
なお、図2に示す実施形態では、第3の配管通路32及び第6の配管通路36が合流部X4で合流され、第7の配管通路38によってサージタンク4に連通されている。しかし、第3の配管通路32及び第6の配管通路36は途中で合流することなく、それぞれ、直接にサージタンク4に連通されてもよい。なお、繰り返すが、上述の第3配管通路32及び第6配管通路36には、それぞれ、サージタンク4から電動バキュームポンプ50への逆流方向の空気の流れを禁止する第2逆止弁CV2及び第4逆止弁CV4が設けられている。
なお、第3の配管通路32及び第7の配管通路38は、吸気圧がブレーキブースタ20のプレーキ負圧よりも低いときに、サージタンク4などからの負圧をブレーキブースタ20の負圧室へ供給するためのものである。吸気圧がプレーキ負圧よりも低いときは、第2の逆止弁CV2を介してブレーキブースタ20の負圧室に負圧が供給される。そして、第4逆止弁CV4が設けられている配管通路36と第7の配管通路38は、電動バキュームポンプ50の駆動負荷を軽減すべく、電動バキュームポンプ50の排気口50outから第4の配管通路34に吐出されるガスを負圧状態のサージタンク4に戻すためのものである。
さらに、本実施形態のブローバイガス処理制御装置には、制御部もしくは制御ユニットをなす電子制御ユニット(以下ECUという)100が備えられる。ECU100は、制御弁30及び電動バキュームポンプ50に加え、前述のスロットルバルブ9、インジェクタ、点火プラグ、ウェイストゲートバルブをも制御するように構成されている。またECU100はこれらの他、内燃機関E及び車両の図示しない各種デバイスをも制御するように構成されている。
センサ類に関して、前述のエアフローメータ7に加え、コンプレッサ2C、特に、スロットルバルブ9より下流の吸気通路S内の圧力(吸気圧)を検出するための吸気圧センサ40、内燃機関Eのクランク角を検出するためのクランク角センサ42、ブレーキブースタ20の負圧室の圧力を検出するための圧力センサ44及び車速センサ46などがECU100に接続されている。
ECU100は、クランク角センサ42からのクランクパルス信号に基づき、クランク角自体を検出すると共にエンジンの回転数(rpm)を検出する。ここで「回転数」とは単位時間当たりの回転数のことをいい、回転速度と同義である。ECU100は、エアフローメータ7からの信号に基づき、単位時間当たりの吸入空気の量である吸入空気量を検出する。そしてECU100は、検出した吸入空気量に基づきエンジン1の負荷を検出する。
ここで、本発明の実施形態に係る内燃機関のブローバイガス処理制御装置の作用を説明する。本発明の実施形態に係る内燃機関では、過給が行われない非過給の低負荷運転領域においては、PCV装置(第1ブローバイガス通路13とPCVバルブ14)によってクランクケース1D内のブローバイガスが吸気通路S(サージタンク4)に還流される。すなわち、本発明の実施形態に係る過給機付き内燃機関は、過給が行われない非過給運転領域では、自然吸気式エンジンとして作動し、PCVバルブ14の下流側(サージタンク4側)の圧力が上流側(クランクケース1D側)の圧力より低いので、PCVバルブ14が開き、ブローバイガスの還流が実行されるのである。
ここで、負圧状態にある吸気通路Sの吸気圧Pk(kPa)に対するクランクケース内換気流量Gb(L/min)の関係は図3に示すようになる。なお、吸気圧Pkとはスロットルバルブ9の下流側における吸気通路S内の圧力のことをいい、具体的には吸気圧センサ40により検出されるサージタンク4内の吸気圧Pkである。圧力は、大気圧を基準にしてその差をもって表すゲージ圧で表示される。この図3から明らかなように、過給が行われない非過給運転領域において、吸気圧Pkが圧力P1より低い運転領域では、圧力がP0とP1との間にある運転領域において最大流量Gbmaxを示す相当な量(大きさ)のクランクケース内換気流量GbがPCV装置によって得られる。
しかし、同じく非過給運転領域であっても、吸気圧Pkが圧力P1と大気圧(吸気圧Pk=0)との間の運転領域範囲では、吸気圧Pkが圧力P1を超えて大気圧に近づくにつれ、PCV装置によるブローバイガス還流量ないしはクランクケース内換気流量Gbが低下し始め、クランクケース内換気を満足に行うことが困難となる。すなわち、P1≦Pk≦0の吸気圧範囲では、吸気圧Pkが高まるにつれPCV装置によるクランクケース内換気流量Gbが太実線aで示す最大流量Gbmaxから徐々に低下し、最終的にゼロになる(太実線b参照)。図3には、このPCV装置によるクランクケース内換気流量Gbが十分でない運転領域とゼロの運転領域とを含むP1≦Pk≦0の吸気圧範囲が、PCV換気流量不足領域Rとして示されている。この換気流量の不足が始まる吸気圧P1を以下、不足開始吸気圧P1と称す。
そこで、本実施形態の内燃機関では、吸気圧Pkが不足開始吸気圧P1になったとき、換言すると、クランクケース内のブローバイガスを換気する必要が生じたとき、電動バキュームポンプ50を作動開始させると共に制御弁30を開いて、新気導入通路16から新気を導入しつつクランクケース内のブローバイガスを吸引して吸気通路に還流する(図中破線c参照)。これにより、PCV装置によっては不足するクランクケース内換気流量Gbを補い、あるいは補完することで(図中太実線d(=b+c)参照)、十分な量のクランクケース内換気流量Gbを得るのである。
この結果、クランクケース1D内のブローバイガスは、新気導入通路16を介して導入された新気と共に電動バキュームポンプ50に吸引され、その少なくとも一部は、電動バキュームポンプ50と並行して作動するPCV装置によって、サージタンク4又は枝管3付近の吸気通路Sにも還流される。そして、電動バキュームポンプ50に吸引された新気を含むブローバイガスは、その排気口50outに連通された第4の配管通路34に吐出され、第6の配管通路36、第7の配管通路38を介して負圧状態にあるサージタンク4(吸気通路S)に還流される。
図4に上述した内燃機関の制御ルーチンの一例を示す。かかるルーチンはECU100により所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
制御がスタートされると、ステップS401において、上述のようなベーン式電動バキュームポンプ50によるクランクケース内のブローバイガス換気が必要であるか否かが判断される。具体的には、圧力センサ40により検出された吸気圧Pkが不足開始の吸気圧P1以上であるか否か(P1≦Pk?)が判断される。すなわち、吸気圧PkがPCV装置による換気流量不足領域Rに入っているか否かが判断される。ステップS401での判断が、イエス(Yes)の場合、換言すると、非過給域で吸気圧Pkが吸気圧P1以上である場合にはステップS402に進み、まずベーン式電動バキュームポンプ50の作動が開始される。そして、このベーン式電動バキュームポンプ50の作動開始の後、ステップS403に進み制御弁30が開かれる。一方、ステップS401において、不必要であると判断された場合、換言すると、非過給域で吸気圧Pkが吸気圧P1未満である場合にはステップS404に進み、まず制御弁30が閉じられる。そして、この制御弁30が閉じられた後、ステップS405に進みベーン式電動バキュームポンプ50の作動が停止される。
この制御ルーチンの一例によれば、ベーン式電動バキュームポンプ50によるクランクケース内のブローバイガス換気が必要であると判断されたときは、ベーン式電動バキュームポンプ50を作動開始させてから制御弁30を開くべく制御される。このベーン式電動バキュームポンプ50が作動すると、ロータ52の回転による遠心力によりベーン53が保持溝52Aから飛び出し、ベーン53とケーシング51の円形の内周面51Aとの間の隙間50g1が埋まる(ロータ52とカバー55との間のクリアランス分の隙間50g2は無視できないが影響は小さい)ので、このベーン式電動バキュームポンプ50の吸込口50in側と排気口50out側の差圧による流量への影響は小さくなる。そして、かかる流量は、電動バキュームポンプ50のポンプ容積とポンプ回転数の積で決定されるので、ポンプ回転数を適切に選ぶことにより、流量を制御することができる。したがって、クランクケース1D内のブローバイガスや新気が負圧状態にある吸気通路S(サージタンク4など)に大量に流入するのが抑制され、エンジンが失火するおそれが低減される。
次に、上述した内燃機関の制御ルーチンの他の例を図5に示す。この制御ルーチンの他の例もECU100により所定の演算周期毎に繰り返し実行され、図4に示したルーチンに対し所定の時間が経過するのを待機するステップが付加された点が異なるのみであるからその相違点を主に説明する。
制御がスタートされると、ステップS501において、上述のステップS401と同じくベーン式電動バキュームポンプ50によるクランクケース内のブローバイガス換気が必要であるか否かが判断される。ステップS501での判断がイエス(Yes)の場合にはステップS502に進み、ベーン式電動バキュームポンプ50の作動が開始される。そして、このベーン式電動バキュームポンプ50の作動開始の後にステップS503に進み、ここで電動バキュームポンプ50が作動開始されてから所定時間が経過したか否かが判断され、経過していない場合には、再度、ステップS503に戻る。換言すると、ステップS503で所定時間が経過するまで待機される。そして、ステップS503での経過時間が所定時間を超えると、ステップS504に進み制御弁30が開かれて、このルーチンは終了される。
一方、ステップS501において、ベーン式電動バキュームポンプ50によるクランクケース内のブローバイガス換気は不必要であると判断された場合には、ステップS505に進み、PCV装置のみによるクランクケース内換気を行うべくまず制御弁30の閉じが開始される。そして、この制御弁30の閉じの開始の後、ステップS506に進み、ここで制御弁30の閉じを開始させてから所定時間が経過したか否かが判断され、経過していない場合には、再度、ステップS506に戻る。換言すると、ステップS506で所定時間が経過するまで待機される。そして、ステップS506での経過時間が所定時間を超えると、ステップS507に進み、電動バキュームポンプ50の作動が停止されて、このルーチンは終了される。
ここで、上記ステップS503において判断されるベーン式電動バキュームポンプ50の作動開始後の所定時間とは、電動バキュームポンプ50の電動モータに電力が供給されてからロータ52の回転によりベーン53が遠心力で保持溝52Aから飛び出し、ベーン53の先端部と内周面51Aとの間に隙間50g1が無くなるポンプ回転数に到達するまでに必要な時間、又は、電動バキュームポンプ50の目標流量となるポンプ回転数に到達するまでに必要な時間である。また、ステップS506において判断される制御弁30の閉じ開始後の所定時間とは、制御弁30の閉じ信号が制御弁30に送られてから制御弁30が閉じ切るために必要な時間である。
これらを、ベーン式電動バキュームポンプと制御弁の作動関係を示す図6のタイムチャートを用いてさらに説明する。
図6のタイムチャートにおいて、吸気圧センサ40により検出される吸気通路S内の吸気圧Pkが圧力P1を超えた時点t1で、電動バキュームポンプ50によるクランクケース内のブローバイガス換気が必要である旨の信号がECU100から出力されると、これに対応して電動バキュームポンプ50の作動が開始される。そして、所望のポンプ回転数に到達した時点t2で制御弁30の開き作動が開始され、時点t3で制御弁30は全開状態となる。このように、本実施形態における電動バキュームポンプ50の作動開始後の所定時間は、時点t1からt2までの時間であり、これは用いるベーン式電動バキュームポンプ50において隙間が無くなるポンプ回転数又は目標流量となるポンプ回転数に到達するまでの作動特性を予め実験などにより求め、ETC100に保管しておけばよい。
このように、隙間が無くなるポンプ回転数又は目標流量となるポンプ回転数に到達するまでに必要な所定時間経過後は、電動バキュームポンプ50がその回転により流量を制御できる状態になっているので、この後に制御弁30が開かれたとしてもクランクケース1D内のブローバイガスや新気が負圧状態にある吸気通路S(サージタンク4など)に大量に流入するのが抑制され、エンジンが失火するおそれが低減される。
また、図6のタイムチャートにおいて、吸気圧センサ40により検出される吸気通路S内の吸気圧Pkが圧力P1より低下した時点t4では、電動バキュームポンプ50によるクランクケース内のブローバイガス換気が不必要である旨の信号がECU100から出力され、これに対応して制御弁30の閉じが開始される。そして、制御弁30が閉じ切った時点t5において電動バキュームポンプ50への電力供給が停止され、時点t6において停止する。この場合も、ベーン式電動バキュームポンプ50が停止する前に制御弁30は既に閉じられているので、クランクケース1D内のブローバイガスや新気が負圧状態にある吸気通路S(サージタンク4など)に大量に流入するのが抑制される。
本発明の実施形態には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1D クランクケース
13 第1ブローバイガス通路
14 PCVバルブ
16 新気導入通路
20 ブレーキブースタ
26 ブースト通路
28 第2ブローバイガス通路
30 制御弁
40 圧力センサ
50 ベーン式電動バキュームポンプ
100 電子制御ユニット(ECU)
E 内燃機関
S 吸気通路

Claims (3)

  1. ブレーキブースタへの負圧生成とクランクケース内のブローバイガス換気を行うためのベーン式電動バキュームポンプを備える車両における内燃機関のブローバイガス処理制御装置であって、
    前記ベーン式電動バキュームポンプの吸込口を前記ブレーキブースタ及び前記クランクケースにそれぞれ連通する配管通路と、
    前記クランクケースとの配管通路に設けられた制御弁と、
    前記ベーン式電動バキュームポンプの排気口を吸気通路に連通する配管通路と、
    前記制御弁及び前記ベーン式の電動バキュームポンプの作動を制御する制御装置を備え、
    当該制御装置は、前記クランクケース内のブローバイガスを換気する要求があったとき、前記ベーン式電動バキュームポンプを作動開始させてから前記制御弁を開くべく制御するように構成されていることを特徴とする内燃機関のブローバイガス処理制御装置。
  2. 前記制御装置は、さらに、前記クランクケース内のブローバイガスを換気終了する要求があったとき、前記制御弁を閉じてから前記ベーン式電動バキュームポンプの作動を停止させるべく制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のブローバイガス処理制御装置。
  3. 前記制御装置は、時間計測手段を備え、当該時間計測手段による、前記ベーン式電動バキュームポンプを作動開始させてからの経過時間が所定時間を超えたときに、前記制御弁を開くべく制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のブローバイガス処理制御装置。
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