JP2017030806A - 青果物包装用通気性フィルム及び青果物包装用通気性袋 - Google Patents

青果物包装用通気性フィルム及び青果物包装用通気性袋 Download PDF

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弘道 小森
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Yu Suzuki
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Abstract

【課題】青果物の鮮度を保持することを第一の目的とする、青果物を密封包装に適した青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋を提供する。【解決手段】高分子樹脂フィルムの全面または一部分に、気体透過度が調整された表裏貫通する微細な連通孔(ボイド)を生成して通気性を有するクレーズフィルムとなし、該フィルムにて青果物を密封包装することにより、青果物の自呼吸による脱気状態を制御して青果物の鮮度を保持する。【選択図】 図1

Description

本発明は、青果物を包装するに適した通気性を有するフィルム、これを用いた青果物包装用袋に関するものである。
野菜、果物等の青果物は、収穫された後も呼吸作用を持続している。
この呼吸作用によってエネルギーが消費されるため、収穫後になされる貯蔵、流通等における保存中に、青果物の鮮度が著しく低下している。
近年の青果物販売においては、鮮度の低下を抑制する意図をも含めて、フィルムで青果物を包装する事が多くなっている。青果物をフィルム包装する場合、単に包むだけでなく密封包装し、MA(Modified Atomosphere)効果の得られる青果物鮮度保持資材がフィルムとして用いられる。このような青果物の包装方法は、MA包装と呼ばれている(特許文献1−7)。
MA包装とは、ガス透過量を制御した袋に青果物を包装し、包装した青果物の呼吸量と包装袋のガス透過量のバランスによって包装体内を低酸素濃度、高二酸化炭素濃度状態とすることで青果物の呼吸を抑制して鮮度を保持するものである。
特許文献1−5に記載の技術においては、フィルムに有孔加工を施すことにより、ガス透過量を制御する方法が取られ、MA包装の主流の技術となっているが、包装された青果物の蒸散作用で袋内に発生する水分によって、もしくは輸送、陳列時に包装袋が積み重なるなどすると、孔の閉塞状態が拡がり、必要とされるガス透過量を制御する機能が果たされなくなる等の問題が生じる。
特許文献6には、金属製ローラの表面に微細な人工ダイヤモンドの粒子をコーティングして形成し、そのローラと相対するローラとの間にフィルムを通し、微細な孔を開ける方法の記載があり、予め、水分により孔が塞がれる事を想定して、包装前のフィルムの酸素透過度を高めておくという提案がなされている。
通常で、青果物から発生する水分は、保管環境に左右され、環境変化を伴う流通過程においては、発生する水分量も変動し、予め想定した水分量とは異なるケースが発生し有る。
また、微細な人工ダイヤモンドの粒子をコーティングしたローラで、フィルムを削る加工をすると、フィルムの強度が低下し、青果物を袋詰めする際に破袋が発生する等の問題が生じ易い。
特許文献7においては、縞状のクレーズ領域を有する通気性フィルムで青果物を包装する事例が示されているが、青果物から発生する水分の影響までは考慮されていなく、水分の発生によりクレーズ領域が閉塞すると、目的とする酸素透過度が得られないという問題がが生じる。
特開平4−53445号公報 特開平7−170907号公報 特開昭63−44837号公報 特開昭61−259982号公報 特開2003−199490号公報 特開平9−252718号公報 特開平10−680号公報
本発明は、青果物から発生する水分の影響を抑止し、鮮度を長く維持することにより、新鮮な青果物を安定して供給する事の出来る鮮度保持技術を提供する。
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者らが、鋭意研究を重ねた結果、フィルムの厚み方向に貫通したクレーズ領域を有するフィルムを用いて青果物を包装することにより、青果物の呼吸を利用して、脱気状態とすることが出来るとの知見に基づき発明を完成するに至ったものである。また、本発明は、上記課題を解決するために、以下の各種態様において、実施され得るものである。
本発明の包装体は、青果物を包装することにより青果物の鮮度を保持することのできる、フィルムの全面または一部分にフィブリル(分子束)とボイド(微細な連通孔)で構成されるクレーズ領域を有してなる気体透過性フィルムであって、フィルムを表裏貫通するクレーズの気体透過制限下において、青果物の自呼吸による脱気状態を制御することのできる青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋が提供される。フィルムの表裏貫通する微細な連通孔(ボイド)は、気体透過度を調節して、クレージング処理により生成される。
フィルムにおける通気性の程度は、フィルム中に形成させたクレーズの量、クレーズの幅、クレーズ間の隔たり、クレーズの貫通分率、およびボイドの量、大きさを変えることで調節できる。クレーズの形態は、フィルムにクレーズを生成させるクレージング処理の際、フィルムの緊張状態、フィルムの折り曲げ角度等を調整することで、容易に通気性能をコントロールすることができる。
本発明の包装体は、フィルムの全面または一部分に、フィルムの厚さ方向に貫通するクレーズ領域を有するフィルムであって、フィルムに生成されるクレーズ領域の面積率を表裏差異をつけ、包装外面に対して包装内面のクレーズ領域の面積比率を少なくすることにより、青果物を密封包装した際に青果物の呼吸による脱気状態が包装後短時間の間に形成される青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋が提供される。
本発明により、クレーズ領域の面積比率を示す袋内面面積率/袋外面面積率の値が、0.01以上、0.75以下である青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋が安価で提供される。
本発明の包装体は、フィルムの全面または一部分に表裏貫通するクレーズ領域を有するフィルムにおいて、クレーズ領域の面積比率を示す袋内面面積率/袋外面面積率の値を、0.75を超えて100以下として、袋内の酸素濃度が被包装体の呼吸により15%以上維持することで、通気性袋の内圧が袋外よりも高くなり、風船形態となる青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋である。
フィルムの全面または一部分にクレーズ領域を有するフィルムであって、クレーズ領域の幅が2.5μm以下であり、酸素透過度が5000cc/m・day・atm以上、170000cc/m・day・atm以下である青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋が提供される。
オレフィン系樹脂からなる層を一層以上有する通気性フィルムであって、このオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリブテン−1樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、超高分子ポリエチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂のいずれかである青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋が提供される。
本発明により、青果物の鮮度を長く維持することができ、新鮮な青果物を安定して供給する事の出来る鮮度保持技術が提供される。
図1はクレーズを説明する拡大断面写真(×30000)である。(実施例2) 図2はクレーズ領域を説明する拡大断面写真(×500)である。(実施例2) 図3は顕微鏡撮影したフィルム表面を輝度で二値化した画像に枠を乗せた図である。 図4はクレーズの形状を、近似するレンズ型で示した模式図である。 図5はクレーズフィルムで青果物(ビワ)を包装した状態の写真である。(実施例1) 図6はクレーズ領域の面積比率を示す概略説明図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本実施形態におけるクレーズ領域とは、高分子樹脂フィルムの表面に現れる表面クレーズとその内部に発生する内部クレーズの両方を含むものであって、細かなひび状の模様を有する領域をいう。そしてこのクレーズは、分子束(フィブリル)とボイド(微細な連通孔)で構成されている。
本実施形態におけるクレーズ領域を有するフィルムを製造する方法としては、特に限定をされるものではないが、緊張状態に保持された透明性の高分子樹脂フィルム面に、先端部が鋭角の支持体を押し付けることにより該高分子樹脂フィルムをその分子配向方向と略平行に折り曲げてそこに局部的な折り曲げ部を形成し、その後高分子樹脂フィルムを支持体の先端部に接触させつつ前記折り曲げ部における折り曲げ線に対して直交する方向に引っ張ることにより、該高分子樹脂フィルムの分子配向方向と略平行に連続的な縞状のクレーズ領域を形成する方法を例示することができる。
また、本実施形態におけるクレーズ領域の幅は、特に限定をされるものではないが、2.5μm以下とする事が、青果物を包装後、外部からの雑菌の侵入を防ぐことが出来る等の観点から好ましい。ここで、クレーズ領域が、2.5μmを超えると、青果物の呼吸を利用して脱気状態を形成しにくくなるとともに、形成後、脱気状態を維持することが難しい場合があり、好ましくない。
本実施形態におけるクレーズ領域を有するフィルムの酸素透過度は、青果物の種類に応じ適宜選択されるが、青果物の呼吸を利用して脱気状態を形成するには、酸素透過度が170000cc/m・day・atm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、30000cc/m・day・atm以下である。
酸素透過度が30000cc/m・day・atmを超えると、青果物を包装後、袋内への酸素の供給が過多となったり、保管環境によっては、青果物の呼吸が変動する為、脱気状態を形成するのが、難しくなる場合があり、好ましくない事がある。
一方、酸素透過度が、5000cc/m・day・atm未満になると、袋の酸素透過度が低いことから、脱気状態となる前に青果物の呼吸により袋内の酸素が減少し、青果物への酸素の供給が追い付かず、酸欠状態となり青果物の品質劣化がおこる事があるため、好ましくない場合がある。さらに好ましい酸素透過度は6000cc/m・day・atm以上である。
然るに、本実施形態におけるクレーズ領域を有するフィルムの酸素透過度は、6000cc/m・day・atm以上、30000cc/m・day・atm以下であることが最も好ましいといえる。本実施形態においては、青果物の呼吸を利用して脱気状態を形成する必要がある。青果物包装時に故意に脱気包装を行うと、急激な環境変化に対して、青果物が追従出来ず、品質劣化を招く事となる。
また、本実施形態においては、青果物の包装形態を脱気状態にする事が必要である。
脱気状態とする事で、青果物とフィルムとの間に空間が無くなり、環境変化に伴う、袋内での水分過多によるフィルム表面への結露を回避する事が出来、課題となっている水分による酸素透過度の変動を無くす事が出来る。
脱気状態とするには、青果物を包装した際の袋外面と袋内面にあるクレーズ領域の面積率に差があった方が好ましく、袋外面に対して袋内面のクレーズ領域の面積比率が少ない方が袋外から袋内へのガスの移動が抑制される傾向があり、これにより脱気状態が、包装後短時間で形成されることが有意なものとなる。好ましい面積比率は、袋内面面積率/袋外面面積率の値が、0.01以上0.75以下となることが、最も好ましく、0.01未満とすることは、表裏貫通したクレーズを形成する上で難しい場合がある。
ここで、袋内面面積率/袋外面面積率の値が、0.75を超えて1に近づく、または、1を超えると、袋内の酸素濃度が15%以上を維持した状態で、被包装物の呼吸作用により袋が風船状態となり、あたかも被包装物が通気性のある風船内に入った様な形態を形成する場合がある。
この様な現象は、前述のMA包装の考え方とは相反する事となるのだが、モモ等の軟質な被包装物を輸送する際、外からの衝撃等で、軟質な被包装物が傷がつくのを緩和したりすることに利用できる、また、高酸素濃度を維持しつつ、袋外から袋内への雑菌等の侵入を防止することが出来、被包装体をその様な空間内に置くことが出来ることから、細胞、植物等の培養、栽培をする容器や、発酵食品を製造したりする容器としての利用が期待できる。一方、袋内面面積率/袋外面面積率の値が、100を超えることは、表裏貫通したクレーズを形成する上で難しい場合がある。
図6に、クレーズ領域の面積比率を概略して示す。
フィルム上面側Aに、フィルム下面側Bよりフィルムの厚みを経てフィルム上面に形成された面積率の多いクレーズ領域を斜線で表示し、フィルム下面に面積率の少ないクレーズ領域を斜線で表示した。
請求項2の発明においては、クレーズ領域面積率の多いフィルム上面側Aが袋外面に配され、請求項3の発明においては、クレーズ領域面積率の多いフィルム上面側Aが袋内面に配される。
ここでいうクレーズ領域とは、高分子樹脂フィルムの表面に現れる表面クレーズとその内部に発生する内部クレーズの両方を含むものであって、このクレーズは、フィブリル(分子束)とボイド(微細な連通孔)から構成されており、ボイド(微細な連通孔)が表裏貫通することによりフィルムに通気性がもたらされる。
本実施形態において、クレーズ領域を有するフィルムの素材は、特に限定をされるものではなく、一般的な高分子樹脂であれば問題はなく、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ハロゲン含有熱可塑性樹脂、ニトリル樹脂等の熱可塑性樹脂を例示する事が出来る。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン、ポリエステル、スチレン系樹脂、ハロゲン含有熱可塑性樹脂を使用することが好ましく、さらには、ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリブテン−1樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、超高分子ポリエチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂を使用することが、クレーズの形成の容易さから望ましい。これらの高分子樹脂を成型して得られるフィルムは、単層フィルムでもよく、2層以上の多層フィルムの形でもよい。
その成形方法は、特に限定されないが、押し出し、インフレーション、カレンダーリング等の方法が用いられる。フィルムを成型する際、必要に応じて防曇剤等の添加剤を混練してもかまわないし、2種類以上の樹脂をブレンドしてもかまわない。また、フィルムに延伸処理やアニーリングなどを施してもかまわない。これらのフィルムの表面にシーラント層を設けたものでも、何らかの機能を付与するためのコーティングをしたフィルムであってもよく、電磁波照射等の特殊処理をしたフィルムであってもよい。
本実施形態において包装の対象となる青果物は、全般的に水分を多く含むものをあげる事ができ、具体例としては、オオバ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、ミブナ、アスパラガス、クウシンサイ、レタス、タイム、セージ、パセリ、イタリアンパセリ、ローズマリー、オレガノ、レモンバーム、チャイブ、ラベンダー、サラダバーネット、ラムズイヤー、ロケット、ダンディライオン、ナスタチューム、バジル、ルッコラ、クレソン、モロヘイヤ、セロリ、ケール、ネギ、キャベツ、ハクサイ、シュンギク、サラダナ、サンチュ、フキ、ナバナ、チンゲンサイ、ミツバ、セリ、メキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ミョウガ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ラディッシュ、カブ、サツマイモ、ジャガイモ、ナガイモ、ヤマイモ、サトイモ、ジネンジョ、ヤマトイモ、ピーマン、パプリカ、シシトウ、キュウリ、ナス、トマト、ミニトマト、カボチャ、ゴーヤ、オクラ、スィートコーン、エダマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ、トウミョウ、菌茸類、などがあげられる。また、柑橘、りんご、ナシ、ブドウ、ブルーベリー、柿、イチゴ、ビワ、モモ、などの果実類や、カットした状態、いわゆるカット野菜、カットフルーツ等の酸化により劣化がはやまるものに有効である。
本実施形態においては、青果物を包装後、密封をする必要がある。
密封方法としては、特に限定されないが、ヒートシール、粘着テープ、輪ゴム、ひも等を用いる方法、糊貼り、ジッパー等の方法が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明をする。
[クレーズの有無及び厚み方向への貫通の有無の観察]
各実施例および比較例に示したフィルムの一部を取り出し、クライオミリング(クロスセクションポリッシャ)による断面加工を行い、高分解能走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM−7500F)を用いてクレーズの有無及び厚み方向への貫通の有無を確認した。図1及び図2にクレーズが形成された本発明の青果物包装用通気性フィルムの断面構造を示す。
[酸素透過度の測定]
各実施例および比較例に示したフィルムの袋を形成し、内部を100%窒素ガス(1気圧)で充満させ、25℃の大気中に放置したあと、袋内の酸素ガス濃度を測定するパウチ法により測定した。酸素透過度は単位面積(1m)当たり24時間で透過する酸素ガスの量(cc)で表す。
[クレーズ領域の幅の測定]
各実施例および比較例に示したフィルムの表面を顕微鏡撮影した画像を輝度で二値化し、そこに一定の大きさの枠(100μm×100μm)を乗せ、枠内のクレーズの数及び面積を求めた。次に、画像内にあるクレーズの長さを測定し、それらの平均値を求めて、この画像についての値とした。さらに、この操作を5回繰り返し実施し、その平均値を求めて、各実施例および比較例に示したフィルムの値とした。ここで求めたクレーズの面積を測定範囲の面積で除する事で面積率を求め、クレーズの形状がレンズ形状であると仮定することで、クレーズ領域の幅を算出した。表裏で、値に差のある場合は、その個数の低い方の値を、各実施例および比較例に示したフィルムの値とした。図3に顕微鏡撮影したフィルム表面を輝度で二値化した画像に枠を乗せた状態を示す。また、図4にクレーズをレンズ型に近似した模式図を示す。
[フィルムの製膜]
押出機A、B、Cの3台を用いて、押出温度200℃から230℃の条件にて、Tダイ共押出成形機で3種3層構成のフィルムを製膜した。
各押出機に使用した樹脂と各層の厚みは以下の通りである。
押出機A:日本ポリプロ株式会社製 MA3U(MFR15g/10min 融点164
℃)100重量部
押出機B:日本ポリプロ株式会社製 MA3U(MFR15g/10min 融点164
℃)20重量部
住友化学株式会社製 WF345S(MFR10g/10min 融点138
℃)80重量部
押出機C:宇部丸善ポリエチレン株式会社製 F222(MFR2g/10min 融点
110℃)100重量部
A層 :8μm
B層 :29μm
C層 :8μm
[クレーズの形成]
上記の様にして得られたフィルムに、A層側からクレーズ加工を以下の様にして実施した。スプリングとネジにより上下動して高分子樹脂フィルムの張力を調整する補助具と、先端部が鋭角の支持体とを備えたクレージング装置を使用する。まず、緊張状態に保持された厚さ25μm〜200μmの高分子樹脂フィルム面に、支持体の先端部を押し付けてこれを折り曲げると共に、この高分子樹脂フィルムに補助具により一定の張力を与え、そして高分子樹脂フィルムを支持体に接触させつつ引っ張る。これにより、高分子樹脂フィルムの分子配向方向と略平行に連続的なクレーズ領域が形成される。
得られたフィルムの物性を表1に示す。
得られたフィルムを用いて、内寸100mm×100mmの袋を作成し、約65gのビワを一個密封包装して、温度約25℃ 湿度約60%RHの環境下で6日間保管した時の状態を評価した。その結果を表2に示す。
また、参考として、得られたフィルムでビワを包装した際の脱気状態を図5に示す。
[比較例1]
実施例1に於いて、クレーズ加工をC層側から実施した以外は、実施例1と同様にして比較例1のフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。得られたフィルムを用いて、実施例1と同様にして、ビワを包装し、保管した際の状態を評価した結果を表2に示す。
実施例1に於いて、C層に用いる樹脂を日本ポリプロ株式会社製 WINTEC WFX4(MFR7g/10min 融点125℃)100重量部に変更し、層比を下記に示す構成とした以外は、実施例1と同様にして、3種3層構成のフィルムを製膜した。
A層: 9μm
B層:19μm
C層: 2μm
上記の様にして得られたフィルムに、A層側から、前記クレージング処理装置を使用してクレーズを形成させた。得られたフィルムの物性を表1に示す。
得られたフィルムを用いて、実施例1と同様にして、ビワを包装し、保管した際の状態を
評価した結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例2に於いて、クレーズ加工時に実施例2で行った加工よりもフィルムにかかる張力をさらに強めて加工した以外は、実施例1と同様にして比較例2のフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。得られたフィルムを用いて、実施例1と同様にして、ビワを包装し、保管した際の状態を評価した結果を表2に示す。
実施例2に於いて、層比を下記に示す構成とした以外は、実施例1と同様にして、3種3層構成のフィルムを製膜した。
A層:20μm
B層:72μm
C層: 8μm
上記の様にして得られたフィルムに、A層C層両面からクレーズ加工を、前記クレージング処理装置を使用してクレーズを形成させた。
得られたフィルムの物性を表1に示す。
得られたフィルムを用いて、実施例1と同様にして、ビワを包装し、保管した際の状態を評価した結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例3に於いて、クレーズ加工時に実施例3で行った加工よりもフィルムにかかる張力をさらに強めて加工した以外は、実施例1と同様にして比較例3のフィルムを得た。
得られたフィルムの物性を表1に示す。
得られたフィルムを用いて、実施例1と同様にして、ビワを包装し、保管した際の状態を評価した結果を表2に示す。
実施例2で使用したフィルムを用いて、内寸210mm×290mmの袋を作成し、約320gの根がらみトウミョウを一個密封包装した。
包装後、温度約25℃ 湿度約60%RHの環境下で6日間保管した時の状態を評価した。その結果を表3に示す。
[比較例4]
比較例2で使用したフィルムを用いて、実施例4と同様にトウミョウを包装して、保管後の状態を評価した。その結果を表3に示す。
[比較例5]
東洋紡株式会社製P5767 25μmに、レー-ザー光を用いて、100μmφの孔を、内寸210mm×290mmの袋あたり、60個開孔した。
この時の酸素透過度は、155000cc/m・day・atmであった。
この袋を用いて、実施例4と同様にトウミョウを包装して、保管後の状態を評価した。
その結果を表3に示す。
[表1]
クレーズ 貫通 酸素透過度 クレーズ観察
(cc/m・day・atm) 個数 面積 長さ 幅 面積率
(個) (μm2) (μm) (μm) (%)
実施例1 あり あり 18000 21.2 34.0 30.0 1.7 6.9
実施例2 あり あり 150000 20.2 77.7 53.8 2.2 15.4
実施例3 あり あり 28000 7.5 11.2 65.9 2.8 13.3
比較例1 なし なし 4700 0 ― − − −
比較例2 あり あり 850000 34.2 59.7 46.2 1.9 19.6
比較例3 あり あり 61000 7.2 503.0 79.7 9.3 34.4
[表2]
脱気状態 変色 臭い 腐敗 カビ
実施例1 あり 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし
実施例2 あり 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし
実施例3 あり 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし
比較例1 なし 変化なし 異臭発生 トロケ発生 変化なし
比較例2 なし 黒斑点発生 変化なし 変化なし 変化なし
比較例3 なし 変化なし 変化なし 変化なし カビ発生
[表3]
脱気状態 変色 臭い 腐敗 カビ
実施例4 あり 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし
比較例4 なし 変化なし 変化なし 変化なし あり
比較例5 なし 変化なし 異臭発生 トロケ発生 なし
本発明は、青果物の鮮度保持包装に用いることができ、品質の劣化に対する保管環境の影響が少ない青果物包装体を提供することが出来る他、発酵食品の製造、保存や、細胞、植物の培養、栽培の分野にも活用が期待できるものである。
A フィルム上面側
B フィルム下面側
C フィルム厚
a 面積率の多いクレーズ領域
b 面積率の少ないクレーズ領域

Claims (6)

  1. 青果物を包装することにより青果物の鮮度を保持することのできる、フィルムの全面または一部分にフィブリル(分子束)とボイド(微細な連通孔)で構成されるクレーズ領域を有してなる気体透過性フィルムであって、フィルムを表裏貫通するクレーズの気体透過制限下において、青果物の自呼吸による脱気状態が制御されることを特徴とする青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋。
  2. フィルムの全面または一部分に、フィルムの厚さ方向に貫通するクレーズ領域を有するフィルムであって、フィルムに生成されるクレーズ領域の面積率を表裏差異をつけ、包装外面に対して包装内面のクレーズ領域の面積比率を少なくすることにより、青果物を包装した際に青果物の呼吸による脱気状態が発現される事を特徴とする請求項1に記載の青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋。
  3. クレーズ領域の面積比率を示す袋内面面積率/袋外面面積率の値が、0.01以上、0.75以下であることを特徴とする請求項1に記載の青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋。
  4. フィルムの全面または一部分に表裏貫通するクレーズ領域を有するフィルムにおいて、クレーズ領域の面積比率を示す袋内面面積率/袋外面面積率の値を、0.75を超えて100以下として、袋内の酸素濃度が被包装体の呼吸により15%以上維持することで、通気性袋の内圧が袋外よりも高くなり、風船形態となることを特徴とする請求項1に記載の青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋。
  5. フィルムの全面または一部分にクレーズ領域を有するフィルムであって、クレーズ領域の幅が2.5μm以下であり、酸素透過度が5000cc/m・day・atm以上、170000cc/m・day・atm以下である事を特徴とする請求項1に記載の青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋。
  6. オレフィン系樹脂からなる層を一層以上有する通気性フィルムであって、このオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリブテン−1樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、超高分子ポリエチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂のいずれかである事を特徴とする請求項1に記載の青果物包装用通気性フィルム及びそれを用いてなる青果物包装用通気性袋。
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