JP2017030693A - 車両用サイドミラー - Google Patents

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Keisuke Yamamoto
圭佑 山本
慎治 中川
Shinji Nakagawa
慎治 中川
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Abstract

【課題】クラッチ機構を内蔵した格納装置を小型化して車両用サイドミラーの外形を小さくし、乗員の視界を広く確保できるようにする。【解決手段】支軸23は中空部Sを有している。格納装置7は、リング状歯車71と、クラッチ部材72と、コイルスプリング73と、これらを収容するケーシング74とを備えている。コイルスプリング73は支軸23の中空部Sに配設されている。リング状歯車71は、支軸23の外側に配設されている。【選択図】図8

Description

本発明は、例えば自動車の側部に設けられる車両用サイドミラーに関し、特に、バイザーを格納することができる格納構造の技術分野に属する。
一般に、自動車の側部に設けられる車両用サイドミラーは、ミラーと、ミラーが取り付けられるバイザーと、バイザーを車体に支持するためのミラーベースと、バイザーを格納状態と使用状態とに切り替える格納装置とを備えている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のミラーベースには、上下方向に延びる支軸が取り付けられるようになっており、この支軸に対して該支軸周りに回動可能に格納装置が設けられている。
すなわち、支軸の基端部には上方へ突出する固定側凸部が形成されており、格納装置のケーシングの底面には、固定側凸部と係合する可動側凸部が形成されている。また、格納装置の内部には、リング状歯車と、コイルスプリングとが設けられている。リング状歯車は、減速歯車を介してモーターの回転力が伝達されるものであり、支軸が挿通した状態で当該支軸に対して軸方向に移動可能に組み付けられている。コイルスプリングは、リング状歯車の上方に配置されていて、リング状歯車を下方へ付勢している。リング状歯車は、コイルスプリングの付勢力によって支軸に係合した状態が維持され、この係合状態でモーターが回転することで支軸周りに格納装置を回動させてバイザーを格納状態と使用状態とに切り替えることができ、一方、バイザーに対して何らかの大きな外力が作用した場合にはリング状歯車がコイルスプリングの付勢力に抗して上方へ移動して支軸との係合状態が解除されてバイザーを外力に作用した方向に回動させて破損を防止することができるようになっている。
特開2013−075541号公報
ところで、車両用サイドミラーにおいては、車両の側部に配設されるものであることから、乗員からの斜め前方の視界を広く確保してできるだけ視界の妨げにならないようにするために外形を小型化したいという要求がある。
しかしながら、上述したように、車両用サイドミラーの格納装置には、バイザーに対して大きな外力が作用した際に各部にかかる負荷を軽減するためにリング状歯車とコイルスプリングとからなるクラッチ機構が設けられており、このクラッチ機構を収容するために格納装置のケーシングが大きくなり、ひいては、その格納装置を収容可能にするために車両用サイドミラーの外形を大きくせざるを得ない。特に、格納装置は車両用サイドミラーのミラーベース側、すなわち、車内側に近い部位に配設されているので、乗員から見たときに視界の妨げになりやすい部分が大型化してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クラッチ機構を内蔵した格納装置を小型化して車両用サイドミラーの外形を小さくし、乗員の視界を広く確保できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、ミラーベースの支軸を中空状にし、格納装置が有するクラッチ部材を付勢するための付勢部材をミラーベースの支軸の内部に配設するようにして支軸の内部を有効に利用するようにした。
第1の発明は、
車両に取り付けられるミラーベースと、
ミラーが取り付けられるバイザーと、
上記ミラーベースに設けられた支軸に上記バイザーを回動可能に連結し、該バイザーを格納状態と使用状態とに切り替えるための格納装置とを備えた車両用サイドミラーにおいて、
上記格納装置は、モーターと、該モーターの回転力が歯車を介して伝達されるリング状歯車と、該リング状歯車に係脱可能に係合するクラッチ部材と、該クラッチ部材に対して上記支軸の軸線方向に付勢力を作用させる付勢部材と、上記モーターを収容するケーシングとを備え、該ケーシングは上記バイザーに取り付けられ、
上記支軸は、該支軸の軸線方向の端部に開口する中空部と、上記クラッチ部材を該支軸の軸線方向に案内し、かつ、該支軸の周方向に相対的に回動するのを阻止する案内部とを備え、
上記付勢部材は上記支軸の上記中空部に配設され、
上記リング状歯車は、上記支軸の外側に配設されるとともに、該支軸の軸線方向に突出する凸部または該支軸の軸線方向に窪む凹部を有する歯車側係合部を備え、
上記クラッチ部材は、上記支軸の外側において上記歯車側係合部に係合する凹部または凸部を有するクラッチ側係合部と、上記支軸の案内部に係合して案内される被案内部と、上記付勢部材に当接して該付勢部材の付勢力を上記クラッチ側係合部が上記歯車側係合部に係合する方向に伝達する付勢部材当接部とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、格納装置のクラッチ部材のクラッチ側係合部と、リング状歯車の歯車側係合部との係合状態が付勢部材の付勢力によって維持される。このとき、クラッチ部材の被案内部が支軸の案内部に係合していて相対的な回動が阻止されているので、リング状歯車も支軸に対する相対的な回動が阻止された状態となる。従って、モーターの回転力が歯車を介してリング状歯車に伝達されると、格納装置のケーシングがリング状歯車周り、即ち、支軸周りに回動する。このとき、ケーシングがバイザーに取り付けられているので、バイザーが支軸周りに回動してバイザーが格納状態と使用状態とに切り替えられる。
一方、モーターが停止しているときにバイザーに対して支軸周りに大きな外力が作用すると、付勢部材の付勢力に抗してクラッチ部材が支軸の軸線方向に移動してクラッチ側係合部が歯車側係合部から離脱する。これにより、リング状歯車が支軸に対してフリーに回転可能な状態になるので、各部に無理な力がかかるのが抑制される。
上述のように付勢部材を支軸の中空部に配設することで支軸の内部を有効に活用して格納装置を小型化しながら、従来と同等のクラッチ機構を実現することが可能になる。
第2の発明は、第1の発明において、
上記付勢部材は、上記リング状歯車の内方に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、リング状歯車の内方に付勢部材が配置されることで、リング状歯車と付勢部材とを直列に配置した場合に比べて格納装置の高さを低くすることが可能になる。
第3の発明は、第1の発明において、
上記支軸の上記案内部は、該支軸の周壁部の軸線方向の一端部から他端部側へ延びるように形成されたスリットで構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、支軸の案内部がスリットであることから、該スリットにクラッチ部材の被係合部を差し込んで行くことでクラッチ部材が支軸に容易に組み付けられる。そして、クラッチ部材の被案内部と支軸の案内部とを確実に係合させることが可能になる。
第4の発明は、第3の発明において、
上記クラッチ部材の上記付勢部材当接部は、上記支軸の上記中空部に配設され、
上記クラッチ部材の上記クラッチ側係合部は、上記支軸の外部に配設され、
上記付勢部材当接部と上記クラッチ側係合部とは、上記クラッチ部材の上記被案内部により連結されていることを特徴とする。
この構成によれば、クラッチ部材の付勢部材当接部を支軸の中空部に配設することで、支軸の内部を有効に活用して格納装置をより一層小型化することが可能になる。この場合に、クラッチ部材の被案内部を利用して付勢部材当接部とクラッチ側係合部とが連結されるので、クラッチ部材をコンパクトにすることが可能になる。
第5の発明は、第1の発明において、
上記付勢部材は、上記支軸の軸線方向に縮むように配設されたコイルスプリングで構成され、
上記コイルスプリングの一端部は、上記ケーシングによって支持され、
上記クラッチ部材の上記付勢部材当接部は、上記コイルスプリングの他端部に当接することを特徴とする。
この構成によれば、コイルスプリングを付勢部材とする場合に、コイルスプリングの一端部をケーシングで支持して他端部を付勢部材当接部に当接させるようにしたので、コイルスプリングの付勢力をクラッチ部材に確実に作用させることが可能になる。
第1の発明によれば、格納装置の付勢部材をミラーベースの支軸の中空部に配設してクラッチ機構を構成したので、支軸の内部を有効に活用して格納装置を小型化することができる。これにより、車両用サイドミラーの外形を小さくすることができ、乗員の視界を広く確保することができる。
第2の発明によれば、付勢部材をリング状歯車の内方に配置したので、格納装置の高さを低くすることができ、より一層小型化することができる。
第3の発明によれば、支軸の周壁部に形成したスリットを案内部としたので、クラッチ部材を支軸に容易に組み付けることができる。
第4の発明によれば、支軸の中空部に配設したクラッチ部材の付勢部材当接部と、支軸の外部に配設したクラッチ部材のクラッチ側係合部とを、クラッチ部材の被案内部により連結したので、クラッチ部材をコンパクトにすることができる。
第5の発明によれば、コイルスプリングの一端部をケーシングによって支持し、クラッチ部材の付勢部材当接部をコイルスプリングの他端部に当接させるようにしたので、コイルスプリングの付勢力をクラッチ部材に確実に作用させることができる。
実施形態に係る車両用サイドミラーを後方から見た図である。 格納装置の配設場所及び視界拡大要求部を示す図1相当図である。 車両用サイドミラーの平面図である。 車両用サイドミラーの分解斜視図である。 図1におけるV−V線断面図である。 ミラーホルダー及び角度調整ユニットをバイザーから分離した状態の図5相当図である。 図3におけるVII−VII線断面図である。 図3におけるVIII−VIII線断面図である。 角度調整ユニットの分解斜視図である。 格納装置の分解斜視図である。 格納装置を支軸から分離した状態を示す斜視図である。 図8におけるA部近傍を拡大して示しており、係合部材が支軸に係合する過程を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用サイドミラー1を示すものである。この車両用サイドミラー1は、図示しないが、例えば自動車の側部に配設されるドアの前端部に取り付けられて主に後方確認用として使用される、いわゆるドアミラーである。この実施形態では、車両の右側に設けられる車両用サイドミラー1について説明するが、図示しない左側に設けられる車両用サイドミラーは、右側のものと左右対称構造であることから説明を省略する。
車両用サイドミラー1は、図4に示すように、車両に取り付けられるミラーベース2と、ミラー3と、ミラー3を保持するミラーホルダー4と、ミラーホルダー4が取り付けられるバイザー5と、角度調整ユニット6と、格納装置7とを備えている。そして、図2に示すように、格納装置7は高さが低い構造となっている。また、図2に斜線にて示す領域は、視界拡大要求部であり、乗員(運転者)から見たときに斜め前方の視界を広く確保するために切除したい要求の強い部分である。この実施形態では、格納装置7の高さが低い分、視界拡大要求部の少なくとも一部を切除することが可能である。
また、この実施形態の車両用サイドミラー1は、格納装置7の動作により、図1等に示す使用状態と、図示しない格納状態とに切り替えられるようになっている。使用状態では、ミラー3が略左右方向に延びる姿勢となり、格納状態では、ミラー3が略前後方向に延びる姿勢となる。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車幅方向左側を単に「左」といい、車幅方向右側を単に「右」というものとする。
(ミラーベースの構成)
図7及び図8に示すように、ミラーベース2は、ドアに対して図示しない締結部材によって締結される締結部20と、締結部20の上部に設けられた上側部材21と、カバー22とを備えている。締結部20は、例えば金属等の高剛性な部材からなるものである。上側部材21は、樹脂材からなるものであり、ミラーベース2を構成する部材である。上側部材21の下部が締結部20に対して周知の固定方法(締結部材による締結等)によって固定されている。図10及び図11に示すように、上側部材21には、バイザー5を支持する支軸23が該上側部材21から上方へ突出するように一体成形されている。
図1に示すように、カバー22は、締結部20及び上側部材21の下部を覆うように形成されてミラーベース2の外形状を構成しており、例えば樹脂材等からなるものである。尚、符号24で示す部材は、弾性材からなるシール材である。このシール材24は、カバー22の車両側の縁部とドアの外面との間に介在するようになっている。
図11に示すように、上側部材21における支軸23の基端部周りには、上方へ突出する複数の固定側突出部21a、21aが支軸23の周方向に間隔をあけて形成されている。支軸23は、上下方向に延びており、上側部材21に一体成形されていることから、締結部材等を使用することなく設けることができる。
図7及び図8に示すように、支軸23は、内部に中空部Sを有する中空軸である。中空部Sは、該支軸23の軸線方向の両端部においてそれぞれ開口しており、外部と連通している。図11に示すように、支軸23を構成する周壁部には、該支軸23の軸線方向の一端部である上端部から他端部側(下側)へ延びるように形成された3つのスリット(案内部)23b、23b、23bが設けられている。これらスリット23b、23b、23bは、支軸23の周方向に互いに間隔をあけて形成されている。各スリット23bは、後述するが、格納装置7のクラッチ部材72を支軸23の軸線方向(上下方向)に案内し、かつ、該支軸23の周方向に相対的に回動するのを阻止するためのものである。
また、支軸23の内面には、スリット23b、23bの間に、径方向内方へ向けて突出する突出部23cが設けられている。図12に示すように、突出部23cの下面には、支軸23の周方向一側及び他側にそれぞれ傾斜面23d、23dが設けられている。周方向一側の傾斜面23dは、他側へ行くほど下に位置するように傾斜する一方、周方向他側の傾斜面23dは、一側へ行くほど下に位置するように傾斜している。また、突出部23cの下面には、傾斜面23d、23dの間に平坦面23eが設けられている。平坦面23eは、周方向一側の傾斜面23dと周方向他側の傾斜面23dとを繋ぐように水平方向に延びている。
(ミラーホルダーの構成)
次にミラーホルダー4の構成について説明する。ミラーホルダー4は、樹脂材により成形されている。図1に示すように、ミラーホルダー4に保持されるミラー3は、使用状態にあるときに左右方向に長い形状となっており、図4に示すように、ミラー3の形状に対応するようにミラーホルダー4も使用状態にあるときに左右方向に長い形状となっている。ミラーホルダー4は、使用状態にあるときに上下方向及び左右方向に延びるミラー取付板部40を備えている。ミラー3は、ミラー取付板部40に対して図4に示す両面テープB等で貼り付けられている。
ミラー取付板部40の略中央部には、バイザー5に設けられているピボット球50b(後述する)が嵌合するピボット嵌合孔(ピボット嵌合部)41が設けられている。ピボット嵌合孔41は、ミラー取付板部40を貫通しており、その内面はピボット球50bの外面を強く包み込むように形成されている。図6に示すように、このピボット嵌合孔41の周壁部には切欠部41aが形成されており、この切欠部41aの形成により、ピボット球50bをピボット嵌合孔41に押し込んで嵌合させる際にピボット嵌合孔41の内径が拡大可能になる。ピボット球50bが嵌合した後にピボット嵌合孔41の内径が復元することで、ピボット球50bがピボット嵌合孔41から抜けるのが抑制される。ミラーホルダー4は、ピボット球50b周りに傾動するようになっており、これにより、ミラー3の角度調整が可能になる。ミラーホルダー4が傾動する際には、ピボット嵌合孔41の内面とピボット球50bの外面とが所定の摺動抵抗を持ちながら摺動する。
ミラー取付板部40の前面には、前方へ突出してピボット球50bを取り囲むように環状に延びるホルダー側環状突出部42が一体成形されている。ホルダー側環状突出部42は、ピボット球50bの中心部を中心とした仮想円上を周方向に連続して延びている。ホルダー側環状突出部42の外面には、ホルダー側摺動面42aが設けられている。ホルダー側環状突出部42がピボット球50bを取り囲むように延びているので、ホルダー側摺動面42aもピボット球50bを取り囲むように連続して延びることになる。このホルダー側摺動面42aは、ピボット球50bの中心部を中心とした仮想球面上を延びている。この実施形態では、ホルダー側摺動面42aとピボット球50bとの離間距離を最大限確保すべく、ホルダー側環状突出部42がミラー取付板部40の外縁近傍に位置するように、ホルダー側環状突出部42を大径にしている。
図4に示すように、ミラー取付板部40におけるホルダー側環状突出部42よりも内側部分には、ピボット嵌合孔41の上側、下側、左側及び右側にそれぞれ開口部43が形成されている。各開口部43の内部には、該開口部43を横切るように延びる棒状部(ホルダー側係合部)43a(図6に示す)がそれぞれ設けられている。
ミラー取付板部40におけるホルダー側環状突出部42よりも内側部分には、ピボット嵌合孔41の下側及び右側に、それぞれ後述する角度調整ユニット6の第1可動軸60の球状部60a及び第2可動軸61の球状部61aがそれぞれ嵌合する可動軸嵌合孔45、45が設けられている(図4参照)。
(バイザーの構成)
次にバイザー5の構成について説明する。バイザー5は、樹脂材により成形されている。図5及び図6に示すように、バイザー5は、後側に開放するミラー収容凹部5aを有している。ミラー収容凹部5aに、ミラーホルダー4に固定されたミラー3が収容される。また、図4や図5に示すように、バイザー5の前側には、別体のアッパーカバー8及びロアーカバー9が取り付けられるようになっている。アッパーカバー8及びロアーカバー9は、車両用サイドミラー1の外観意匠の大部分を形成する部材である。
バイザー5には、ミラーホルダー4が取り付けられるミラーホルダー取付板部50が設けられている。ミラーホルダー取付板部50は、バイザー5の前後方向中間部において略上下方向に延びている。図5及び図6に示すように、ミラーホルダー取付板部50の中央部には、後方へ膨出する中央膨出部50aが形成されている。この中央膨出部50aの膨出方向先端壁に、ピボット球50bがミラーホルダー4側(後側)へ向けて突出するように設けられている。このピボット球50bはバイザー5に一体成形されている。
ミラーホルダー取付板部50には、該ミラーホルダー取付板部50の後面からミラーホルダー4側に突出するようにバイザー5に一体成形されてピボット球50aを取り囲むように環状に延びるバイザー側環状突出部51が設けられている。バイザー側環状突出部51は、ホルダー側環状突出部42よりも大径であり、ピボット球50bの中心部を中心とした仮想円上を周方向に連続して延びている。
バイザー側環状突出部51の内面には、ホルダー側摺動面42aに対して摺動するバイザー側摺動面51aが設けられている。バイザー側環状突出部51がピボット球50bを取り囲むように延びているので、バイザー側摺動面51aもピボット球50bを取り囲むように連続して延びることになる。このバイザー側摺動面51aは、ピボット球50bの中心部を中心とした仮想球面上を延びている。この実施形態では、バイザー側摺動面51aとピボット球50bとの離間距離を最大限確保すべく、バイザー側環状突出部51がミラーホルダー取付板部50の外縁近傍に位置するように、バイザー側環状突出部51を大径にしている。ホルダー側摺動面42aとバイザー側摺動面51aとは全周に亘って接触するように形成されており、両者の間には所定の摺動抵抗が発生するようになっている。
図4に示すように、バイザー5のミラーホルダー取付板部50におけるミラーホルダー4と対向する部位には、ミラーホルダー4の棒状部43aに係合し、ミラーホルダー4がピボット球50bの突出方向(前後方向)に延びる中心線周りに回動するのを阻止するバイザー側係合部51bが設けられている。バイザー側係合部51bは、ミラーホルダー取付板部50におけるバイザー側環状突出部51よりも内側部分に位置しており、ピボット球50bの上側、下側、左側及び右側にそれぞれ設けられている。そして、バイザー側係合部51bは、後側へ突出してミラーホルダー4の開口部43へ挿入され、この状態でバイザー側係合部51bの突出方向先端側に形成された切欠形状の内部にミラーホルダー4の棒状部43aが入り込んで該棒状部43aが係合するようになっている。係合状態では、棒状部43aが切欠形状の内部で前後方向には移動可能となるが、前後方向に延びる中心線周りの回動は阻止される。
また、ミラーホルダー取付板部50には、角度調整ユニット6の可動軸60、61が貫通するようになっている。すなわち、ミラーホルダー取付板部50におけるバイザー側環状突出部51の内側、即ち、バイザー側摺動面51aが形成された部位よりも内側には、可動軸60、61の配設位置に対応してピボット球50bよりも下側と左側とにそれぞれ可動軸60、61が挿通可能な大きさの貫通孔51cが形成されている。可動軸60、61は、貫通孔51cに挿通されることによってバイザー5のミラーホルダー取付板部50を貫通してミラー3側へ突出する。
さらに、図5及び図6に示すように、ミラーホルダー取付板部50の前側には、角度調整ユニット6を取り付けるためのボス(角度調整ユニット取付部)55が設けられている。図5及び図6では、ボス55が1つだけ図示されているが、このボス55とは離れた部位に同様なボスが設けられている。ボス55は、ミラーホルダー取付板部50から前側へ突出しており、その突出方向先端面に開口している。ボス55には締結部材としてのビスCが螺合するようになっている。従って、角度調整ユニット6は、バイザー5におけるミラー3が取り付けられる側(後側)とは反対側(前側)に取り付けられる。
尚、上記の説明では、バイザー5にピボット球50bを設け、ミラーホルダー4にピボット嵌合孔41を設けているが、これとは反対に、図示しないが、ミラーホルダー4にピボット球を設け、バイザー5にピボット嵌合孔を設けてもよい。
また、上記の説明では、バイザー側環状突出部51の内面にバイザー側摺動面51aを設け、ホルダー側環状突出部42の外面にホルダー側摺動面42aを設けているが、これとは反対に、図示しないが、ホルダー側環状突出部42をバイザー側環状突出部51よりも大径にし、バイザー側環状突出部51の外面にバイザー側摺動面を設け、ホルダー側環状突出部42の内面にホルダー側摺動面を設けてもよい。
また、バイザー側摺動面51aとホルダー側摺動面42aとは全周を接触させるのが好ましいが、断続的に接触させてもよい。
(角度調整ユニットの構成)
次に角度調整ユニット6の構成について説明する。角度調整ユニット6は、ピボット球50bに支持されたミラーホルダー4を、図5に仮想線で示すようにピボット球50b周りに傾動させることによってミラー3の角度を乗員が車室内から自動で調整することができるように構成されている。
角度調整ユニット6は、図9に示すように、ミラー3を左右方向に傾動させるための傾動力をミラーホルダー4に対して作用させるための第1可動軸60と、ミラー3を上下方向に傾動させるための傾動力をミラーホルダー4に対して作用させるための第2可動軸61と、第1回転筒62と、第2回転筒63と、第1モーター64と、第2モーター65と、ケーシング66とを有している。
ケーシング66は、前後方向の中間部において2つに分割されており、前側ケーシング部材66aと、後側ケーシング部材66bとを組み合わせることによって構成されている。前側ケーシング部材66aには、第1可動軸60及び第2可動軸61の先端側が挿通する軸挿通孔66c、66cが形成されている。
第1可動軸60及び第2可動軸61は前後方向に延びる姿勢となるように配置される。第1可動軸60及び第2可動軸61の基端側はケーシング66に収容されており、先端側はケーシング66の軸挿通孔66c、66cから前方へ突出している。第1可動軸60の先端部には、球状部60aが形成されている。この球状部60aは、ミラーホルダー4の可動軸嵌合孔45に対して前側から嵌合することによって係合し、この係合状態では可動軸嵌合孔45の内面と球状部60aの外面とが摺動可能となっている。同様に、第2可動軸61の先端部にも球状部61aが設けられており、この球状部61aがミラーホルダー4の可動軸嵌合孔45に対して前側から嵌合して係合する。第1可動軸60の基端部には径方向に延出する延出板部60bが形成されている。また、第2可動軸61の基端部には径方向に延出する延出板部61bが形成されている。
図5に示すように、第1可動軸60及び第2可動軸61の内部が中空であり、基端部に開口している。図9に示すように、第1可動軸60及び第2可動軸61の基端部にはケーシング66に設けられたネジ棒66dに螺合する螺合部60c、61cが設けられている。
第1回転筒62は、その中心線が前後方向に延びる姿勢でケーシング66に収容されており、ネジ棒66dと同心上に配置される。第1回転筒62の外面には、多数の歯62aが周方向に並ぶように形成されている。また、第1回転筒62の内面には、軸線方向に延びる複数のリブ62bが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。また、第2回転筒63もその中心線が前後方向に延びる姿勢でケーシング66に収容されており、ネジ棒66dと同心上に配置される。第2回転筒63の外面には、多数の歯63aが周方向に並ぶように形成されている。また、第3回転筒63の内面には、軸線方向に延びる複数のリブ63bが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。
第1可動軸60は、ネジ棒66dに螺合した状態となっている。その第1可動軸60の基端側を覆うように第1回転筒62が配置される。第1可動軸60の延出板部60bは、第1回転筒62のリブ62b、62bの間に配置されて第1可動軸60と第1回転筒62とが一体に回転するようになっている。同様に、ネジ棒66dに螺合した第2可動軸61の基端側を覆うように第2回転筒63が配置されている。第2可動軸61の延出板部61bは、第2回転筒63のリブ63b、63bの間に配置されて第2可動軸61と第2回転筒63とが一体に回転するようになっている。
第1モーター64は出力軸64aが第1回動軸60の軸線と交差する方向に延びるように配置されてケーシング66に固定される。第1モーター64の出力軸64aには、第1ウォーム64bが取り付けられている。この第1ウォーム64bは、第1回転筒62の歯62aに噛み合うようになっている。
また、第2モーター65は出力軸65aが第2回動軸61の軸線と交差する方向に延びるように配置されてケーシング66に固定される。第2モーター65の出力軸65aと、第1モーター64の出力軸64aとは略平行に延びている。第2モーター65の出力軸65aには、第2ウォーム65bが取り付けられている。この第2ウォーム65bは、第2回転筒63の歯63aに噛み合うようになっている。
上記のように構成された角度調整ユニット6のケーシング66には、図5及び図6に示すように、ビスCが挿通するビス挿通孔66eが形成されている。ビス挿通孔66eは2つ形成されている。ビスCをケーシング66のビス挿通孔66eに挿通してバイザー5のボス55に螺合させることによって角度調整ユニット6がバイザー5の前側に取り付けられる。
そして、図示しないが操作スイッチを乗員が操作して第1モーター64に電流を流すと、第1モーター64の第1ウォーム64bが回転し、このとき第1ウォーム64bが第1回転筒62の歯62aに噛み合っているので、第1回転筒62が回転する。第1回転筒62の回転力はリブ62bを介して第1可動軸60の延出板部60bに伝達されて第1可動軸60が回転する。第1可動軸60はネジ棒66dに螺合しているので、第1可動軸60が軸方向(前後方向)に移動する。移動方向の切替は第1モーター64の回転方向の切替によって可能である。これにより、ミラー3の左右方向の角度調整が行える。同様にして、第2モーター65を作動させることで第2可動軸61が軸方向(前後方向)に移動するので、ミラー3の上下方向の角度調整が行える。
この実施形態では、角度調整ユニット6にピボット球50bやピボット嵌合孔41を設けていないので、ケーシング66を小型化することができる。また、角度調整ユニット6がミラー3を揺動させるためだけのものなので、ミラー3の大きさが変わっても同じ角度調整ユニット6を用いて角度調整を行うことができる。尚、大きなミラー3の角度調整が行えるようにトルクの大きな第1モーター64及び第2モーター65を予め搭載しておけばよい。
(格納装置の構成)
次に格納装置7の構成について説明する。格納装置7は、支軸23に対してバイザー5を回動可能に連結し、該バイザー5を支軸23周りに回動させることによって乗員が車室内から使用状態と格納状態とに切り替えることができるように構成されている。
図10に示すように、格納装置7は、モーター70と、該モーター70の回転力がウォーム(歯車)70bを介して伝達されるリング状歯車71と、該リング状歯車71に係脱可能に係合するクラッチ部材72と、該クラッチ部材72に対して上記支軸23の軸線方向に付勢力を作用させる付勢部材としてのコイルスプリング73と、モーター70、リング状歯車71、クラッチ部材72及びコイルスプリング73を収容するケーシング74とを備えている。
ケーシング74はバイザー5に取り付けられるものであり、上下方向の中間部において2分割され、上側ケーシング部材74aと、下側ケーシング部材74bとを組み合わせて構成されている。図7及び図8に示すように、下側ケーシング部材74bの底壁部には、支軸23が挿通する下側挿通口74cが形成されている。下側挿通口74cを介して支軸23がケーシング74の内部に挿入される。
リング状歯車71は、支軸23の外側に配設されている。リング状歯車71の内面は、支軸23の外面をその軸線方向及び周方向に摺動するようになっている。リング状歯車71の外周面には、多数の歯71aが周方向に並ぶように形成されている。リング状歯車71の上端面には、支軸23の軸線方向上側に突出する複数の凸部(歯車側係合部)71bが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。凸部71bは、突出方向先端へ向かって先細になる山型形状である。リング状歯車71の下端面は、下側ケーシング構成部材74bの下側挿通孔74cの周縁部に設けられた環状の支持板部74dによって下方から支持されるようになっている。図示しないが、下側ケーシング構成部材74bの下面には、支軸23の基端部周りに設けられている固定側突出部21a、21aの間に向けて突出する可動側突出部が形成されている。格納装置7の動作によって固定側突出部21a、21aと可動側突出部とが周方向に相対的に回動して係合することによってバイザー5の回動範囲が設定されるようになっている。
ケーシング74に収容されるモーター70は、その出力軸70aが支軸23の径方向に延びる姿勢とされている。出力軸70aには、ウォーム70bが固定されている。尚、ケーシング74には、モーター70を制御するための制御基板80も収容されるようになっている。
ケーシング74の内部には、モーター70の出力軸70aと交差する方向に延びる回転軸81が設けられている。回転軸81の両端部は、ケーシング74の内面に回転可能に支持されている。回転軸81の軸方向の中央部には、ウォーム70bに噛み合う歯車82が固定されている。回転軸81の軸方向の両側には、それぞれウォーム83、83が固定されている。また、ケーシング74の内部には、第1歯車84と第2歯車85とが設けられている。第1歯車84及び第2歯車85は、それぞれ下側ケーシング部材74bの底壁部に形成された軸74eに回転可能に支持されている。第1歯車84は、一方のウォーム83に噛み合い、第2歯車85は他方のウォーム83に噛み合うようになっている。また、第1歯車84及び第2歯車85は、リング状歯車71の歯71aにも噛み合うようになっている。
クラッチ部材72は、支軸23の外側に配置される環状枠部72aと、支軸23の内側に配置される内筒部72bと、支軸23のスリット23bによって案内される被案内部72cとを有しており、これらは樹脂材により一体成形されている。環状枠部72aは、支軸23の外面に沿って延びるとともに、該外面に対して支軸23の軸線方向に摺動可能となっている。環状枠部72aの下面は、リング状歯車71の上端面と一致するように形成されており、環状枠部72aの下面には、リング状歯車71の凸部71bに係合する複数の凹部72dが互いに周方向に間隔をあけて形成されている。リング状歯車71の凸部71bが環状枠部72aの凹部72dに嵌まることによって互いに係合するようになっており、係合状態では、リング状歯車71と環状枠部72aとが相対的に回動しないようになっているが、軸線方向に離れる方向への相対的な移動は可能になっている。
尚、図示しないが、リング状歯車71に凹部を形成し、環状枠部72aに凸部を形成し、これら凹部及び凸部を係合させるようにしてもよい。
内筒部72bは、支軸23の内面に沿って上下方向に延びており、該内面に対して支軸23の軸線方向に摺動可能となっている。内筒部72bには、支軸23の内面に形成されている突出部23cを挿通させるためのスリット72eが上端から下端に亘って形成されている。
図7及び図8に示すように、コイルスプリング73は、縮み方向が上下方向(支軸23の軸線方向)となる姿勢とされ、その全体が支軸23の中空部Sに配設されており、クラッチ部材72の内筒部72bの内方に挿入されている。内筒部72bの下端部には、コイルスプリング73の下端部に対して下方から当接するスプリング当接部(付勢部材当接部)72fが設けられている。スプリング当接部72fは、内筒部72bの下端部から径方向内方へ突出するように形成されている。コイルスプリング73の付勢力は、スプリング当接部72fにより、環状枠部72aの凹部72dがリング状歯車71の凸部71bに係合する方向に伝達される。スプリング当接部72fに当接したコイルスプリング73は、リング状歯車71の内方に配置されることになる。
被案内部72cは、環状枠部72aと内筒部72bとの間に位置している。被案内部72cにより、環状枠部72aと、スプリング当接部72fが形成された内筒部72bとが連結されている。被案内部72cは支軸23のスリット23bに挿入された状態で該スリット23bの上下方向に延びる縁部に対して係合し、該縁部によって上下方向に案内される。
また、ケーシング74には、下側挿通口74cに挿入された支軸23に係合して該支軸23が下側挿通口74cから抜けるのを阻止する係合部材88が設けられている。係合部材88は、支軸23に係合する係合状態と支軸23から離脱可能な離脱可能状態とに切り替えられるようになっており、支軸23の軸線周りに回動操作可能となっている。
すなわち、上側ケーシング部材74aの上壁部には、下側挿通口74cの直上方に対応する部位に、上側開口部74fが形成されており、この上側開口部74f内に係合部材88が配設されている。係合部材88は、支軸23の上端部を覆うキャップ状に形成されており、コイルスプリング73の上端部が下方から係合部材88に当接するようになっている。係合部材88の上側は、上側開口部74fから上方へ突出する一方、下側は、ケーシング74の内部に収容されている。したがって、係合部材88の上側はケーシング74の外面から突出することになる。係合部材88におけるケーシング74の外面から突出している部分には、工具が係合する工具係合部88bが設けられている。工具係合部88bは、断面が六角形状となっており、ボルトを回すための汎用工具を工具係合部88bに係合させて係合部材88を回動させることができるようになっている。
一方、係合部材88の下部には、鍔部88aが形成されており、この鍔部88aは、上側ケーシング部材74aの上側開口部74fの周縁部に対してケーシング74の内方から当接して係合するようになっている。したがって、コイルスプリング73の上端部は、係合部材88を介してケーシング74に支持される。
図8に示すように、係合部材88の内面には、支軸23の突出部23cに引っ掛かる引っ掛かり部89が設けられている。突出部23cに引っ掛かり部89を引っ掛けることによって係合部材88が支軸23に係合する。引っ掛かり部89は、図12に拡大して示すように、係合部材88の回動方向(支軸23の周方向)一側に開放し、突出部23cが導入される開放部89aを有している。
引っ掛かり部89は、係合部材88の内面から突出して該内面の上部から下方へ延びる第1突条部89bと、第1突条部89bの下端部から係合部材88の回動方向一側へ延びる第2突条部89cとを有している。第2突条部89cにおける係合部材88の回動方向一側には、上方へ突出する突起部89dが形成されている。突起部89dは、係合部材88の内面と一体化している。突起部89dの上面には、係合部材88の回動方向一側及び他側にそれぞれ傾斜面89e、89eが設けられている。回動方向一側の傾斜面89eは、他側へ行くほど上に位置するように傾斜する一方、回動方向他側の傾斜面89eは、一側へ行くほど上に位置するように傾斜している。また、突起部89dの上面には、傾斜面89e、89eの間に平坦面89fが設けられている。平坦面89fは、回動方向一側の傾斜面89eと回動方向他側の傾斜面89eとを繋ぐように水平方向に延びている。
図11に示すように、格納装置7はミラーベース2の上側部材21の支軸23に容易に着脱することができるようになっている。格納装置7を支軸23に装着する際には、ケーシング74の下側挿通口74cに支軸23の上端部を挿通させる。すると、支軸23の外側にリング状歯車71が配置される。また、支軸23の各スリット23bに、クラッチ部材72の各被案内部72cを挿入するとともに、クラッチ部材72の内筒部72bを支軸23の中空部Sに挿入していく。このとき、クラッチ部材72の内筒部72bには、支軸23の内面に形成されている突出部23cを挿通させるためのスリット72eが上端から下端に亘って形成されているので、突出部23cが内筒部72bのスリット72e内に挿入される。
支軸23を格納装置7のケーシング74に完全に挿入すると、コイルスプリング73が支軸23の中空部Sに配設される。この状態で格納装置7の係合部材88の工具係合部88bに工具(図示せず)を係合させて係合部材88を回動操作する。係合部材88の操作方向は、図12に順を追って示すように、係合部材88の引っ掛かり部89の開放部89aに、支軸23の突出部23cが入る方向である。係合部材88を回動させていくと、各部が弾性変形して引っ掛かり部89の一方の傾斜面89eに突出部23cの一方の傾斜面23dが摺接しながら相対的に移動していき、平坦面89fを乗り越えて引っ掛かり部89の他方の傾斜面89e及び支軸23の他方の傾斜面23d同士が当接して係合部材88の逆方向への回動が阻止される。これにより、係合部材88が支軸23に係合して該支軸23が下側挿通口74cから抜けるのを阻止することができるので、格納装置7を支軸23に装着することができる。
一方、格納装置7を支軸23から取り外す際には、係合部材88を工具によって装着時とは逆方向に回動させる。このことで各部が弾性変形して図12の下から上に示す順で支軸23の突出部23cが引っ掛かり部89の開放部89aから出る。これにより、係合部材88は支軸23から離脱可能な離脱可能状態になるので、支軸23をケーシング74の下側挿通口74cから抜くことができ、格納装置7を支軸23から取り外すことができる。
(実施形態の作用効果)
この実施形態によれば、バイザー5にピボット球50bを設け、ミラーホルダー4にピボット嵌合孔41を設けて互いに嵌合させ、さらに、ミラーホルダー4に、ピボット球50bを取り囲むように延びるホルダー側摺動面42aを設け、バイザー5に、ホルダー側摺動面42aに摺動するバイザー側摺動面51aを設けたので、角度調整ユニット6にピボットや嵌合孔、摺動面を設けずに済む。これにより、ミラー3の大きさが変更になっても角度調整ユニット6を共通にして低コスト化を図ることができるとともに、ミラー3の大きさに応じて柔軟に対応して鏡面振動を抑制することができ、しかも、角度調整ユニット6を小型化してレイアウトの自由度を向上させることができる。
さらに、手動で角度調整を行う場合には角度調整ユニット6を設けることなく、ピボット球50b及びピボット嵌合孔41の摺動抵抗と、ホルダー側摺動面42a及びバイザー側摺動面51aの摺動抵抗とによって角度調整機能を成立させることができる。また、メモリーミラー機能を実現するためのポテンションメーターを設置する場合には、バイザー側摺動面51aがピボット球50bを取り囲む形状となっていてピボット球50bよりも大きなものとなっていることから、このバイザー側摺動面51aの内側にポテンションメーターを設置することが可能である。
また、ピボット球50bを一体成形したバイザー5に、環状に延びるバイザー側環状突出部51を一体成形し、そのバイザー側環状突出部51の内面にバイザー側摺動面51aを形成したので、部品点数を削減できるとともに、バイザー側摺動面51aとピボット球50bとの相対的な位置関係を高精度に維持することができる。
また、角度調整ユニット6をバイザー5におけるミラー3が取り付けられる側とは反対側に取り付けたので、ミラー3側にかかる雨水等が角度調整ユニット6に直接かかりにくくすることができる。
また、角度調整ユニット6の可動軸60、61が、バイザー5におけるバイザー側摺動面51aが形成された部位よりも内側を貫通している。バイザー側摺動面51a及びホルダー側摺動面42aは環状であり、しかも、互いに全周に亘って接触しているので、ミラー3側にかかる雨水等が可動軸60、61側まで入り込み難い状態となる。これにより、可動軸60、61が配設された部位に雨水等がかかりにくくなるので、角度調整ユニット6のシール構造を簡素化すること、またはシール構造を省略することが可能になる。
また、ミラーホルダー4の棒状部43aをバイザー5のバイザー側係合部51bに係合させることで、ミラーホルダー4の回動を阻止することができる。この場合に、ミラーホルダー4の棒状部43a及びバイザー側係合部51bを角度調整ユニット6に設けなくてもよいので、角度調整ユニット6を他の車種で使用することができる。
また、格納装置7のコイルスプリング73をミラーベース2の支軸23の中空部Sに配設することによってクラッチ機構を構成することができる。これにより、支軸23の内部を有効に活用して格納装置7を小型化することができるので、車両用サイドミラー1の外形を小さくすることができ、乗員の視界を広く確保することができる。
また、コイルスプリング73をリング状歯車71の内方に配置したので、格納装置7の高さを低くすることができ、より一層小型化することができる。
また、ミラーベース2を構成する部材に支軸23を一体成形したので、部品点数を削減できるとともに、長期間に亘る信頼性を確保することができる。そして、格納装置7のケーシング74に支軸23が挿通する下側挿通口74cを形成し、その下側挿通口74cに挿入された支軸23に係合して該支軸23の抜けを阻止する係合部材88を格納装置7に設け、係合部材88は、支軸23に係合する係合状態と支軸23から離脱可能な離脱可能状態とに切り替えられるようにしている。これにより、格納装置7を支軸23に対して容易に着脱することができるので、格納装置7を支軸23から容易に分離することができる。よって、各部品の組付自由度を向上させることができるとともに、格納装置7を修理する場合の作業性も良好にすることができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、例えば自動車の側部に配設される車両用サイドミラーに適用することができる。
1 車両用サイドミラー
2 ミラーベース
3 ミラー
4 ミラーホルダー
5 バイザー
6 角度調整ユニット
7 格納装置
23 支軸
23b スリット(案内部)
70 モーター
70b ウォーム(歯車)
71 リング状歯車
71b 凸部(歯車側係合部)
72 クラッチ部材
72d 凹部(クラッチ側係合部)
72c 被案内部
72f スプリング当接部(付勢部材当接部)
73 コイルスプリング(付勢部材)
74 ケーシング
S 中空部

Claims (5)

  1. 車両に取り付けられるミラーベースと、
    ミラーが取り付けられるバイザーと、
    上記ミラーベースに設けられた支軸に上記バイザーを回動可能に連結し、該バイザーを格納状態と使用状態とに切り替えるための格納装置とを備えた車両用サイドミラーにおいて、
    上記格納装置は、モーターと、該モーターの回転力が歯車を介して伝達されるリング状歯車と、該リング状歯車に係脱可能に係合するクラッチ部材と、該クラッチ部材に対して上記支軸の軸線方向に付勢力を作用させる付勢部材と、上記モーターを収容するケーシングとを備え、該ケーシングは上記バイザーに取り付けられ、
    上記支軸は、該支軸の軸線方向の端部に開口する中空部と、上記クラッチ部材を該支軸の軸線方向に案内し、かつ、該支軸の周方向に相対的に回動するのを阻止する案内部とを備え、
    上記付勢部材は上記支軸の上記中空部に配設され、
    上記リング状歯車は、上記支軸の外側に配設されるとともに、該支軸の軸線方向に突出する凸部または該支軸の軸線方向に窪む凹部を有する歯車側係合部を備え、
    上記クラッチ部材は、上記支軸の外側において上記歯車側係合部に係合する凹部または凸部を有するクラッチ側係合部と、上記支軸の案内部に係合して案内される被案内部と、上記付勢部材に当接して該付勢部材の付勢力を上記クラッチ側係合部が上記歯車側係合部に係合する方向に伝達する付勢部材当接部とを備えていることを特徴とする車両用サイドミラー。
  2. 請求項1に記載の車両用サイドミラーにおいて、
    上記付勢部材は、上記リング状歯車の内方に配置されることを特徴とする車両用サイドミラー。
  3. 請求項1に記載の車両用サイドミラーにおいて、
    上記支軸の上記案内部は、該支軸の周壁部の軸線方向の一端部から他端部側へ延びるように形成されたスリットで構成されていることを特徴とする車両用サイドミラー。
  4. 請求項3に記載の車両用サイドミラーにおいて、
    上記クラッチ部材の上記付勢部材当接部は、上記支軸の上記中空部に配設され、
    上記クラッチ部材の上記クラッチ側係合部は、上記支軸の外部に配設され、
    上記付勢部材当接部と上記クラッチ側係合部とは、上記クラッチ部材の上記被案内部により連結されていることを特徴とする車両用サイドミラー。
  5. 請求項1に記載の車両用サイドミラーにおいて、
    上記付勢部材は、上記支軸の軸線方向に縮むように配設されたコイルスプリングで構成され、
    上記コイルスプリングの一端部は、上記ケーシングによって支持され、
    上記クラッチ部材の上記付勢部材当接部は、上記コイルスプリングの他端部に当接することを特徴とする車両用サイドミラー。
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