JP2017030168A - 積層体及びそれを用いた包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装材料として使用して、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用しても各層間が優れたラミネート強度を保てる積層体を提供すること。【解決手段】ポリエステル基材と、該ポリエステル基材の少なくとも片面上に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、接着層と、シーラント層が順次積層された積層体であって、前記接着層を2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と金属アルコキシドを含む組成物で構成すると共に、該組成物中におけるイソシアネート化合物と金属アルコキシドとの比(イソシアネート化合物/金属アルコキシド)を99/1〜60/40(重量比)とし、かつ、前記ポリエステル基材のマイクロ波透過型分子配向計で測定したMOR(Maximum Oriented Ratio)値を1.00〜1.25とする。【選択図】なし

Description

本発明は、無機酸化物からなる蒸着薄膜層が形成されたポリエステル基材を有する積層体及びそれを用いた包装体に関し、特に、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用してもラミネート強度が低下しないという点で、強浸透性内容物に好適に利用できるものである。
従来、食品や医薬品などを包装するための包装材料として、例えば、層構成が、紙層/ポリエチレン層/アルミ箔層/プラスチック基材層/シーラント層となっている積層体が広く使用されている。このような積層体のプラスチック基材層とシーラント層との貼り合わせは、通常はプラスチック基材上に二液硬化型ポリウレタン系のアンカーコート剤を塗布してから、シーラント層を押出ラミネートすることにより行っていた。そして、このような積層体は適度のラミネート強度やガスバリア性を有しており、食品や医薬品などを包装するための包装材料として広く使用されている。
しかしながら、上述のような構成の積層体を包装材料として用い、例えば酸性物質、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、有機溶剤などの揮発性物質を含む各種強浸透性内容物を包装した場合、これらの揮発性物質の強い浸透力によってアンカーコート剤が悪影響を受け、プラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が経時で低下し、その結果デラミネーション(剥離)を引き起こすことがあった。
このようなデラミネーションは、前述したような構成の積層体の製造工程におけるラミネート加工に際して使用されるアンカーコート剤、例えばポリエステルポリオールなどの主剤とイソシアネート化合物からなる硬化剤を配合した二液硬化型ポリウレタン系のアンカーコート剤からなる接着層に、上記のような揮発性物質が浸透して、接着層の主剤樹脂成分の膨潤や分子量の低下が生じ、その結果、接着層の凝集力が低下して起きるものと考えられる。
このような状況の下、プラスチック基材上に少なくとも接着層を介してシーラント層が設けられてなる積層体において、揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用しても、プラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下しない、包装材用途に好適に使用できる積層体の開発が強く望まれている。
上記のような積層体の開発として、例えば、その接着層を構成する接着剤が、イソシアネート化合物および金属アルコキシドを含む組成物からなり、該組成物中におけるイソシアネート化合物と金属アルコキシドとの比(イソシアネート化合物/金属アルコキシド)が、99/1〜60/40であることにより、揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物に対しても、プラスチック基材上の蒸着薄膜層とシーラント層間のラミネート強度が低下しない積層体の提案がある(特許文献1参照)。
しかしながら、上記積層体を用いて揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物を包装した時、上記のプラスチック基材がポリエステル基材の場合、ポリエステル基材上の蒸着薄膜層とシーラント層間のラミネート強度の経時的な低下はみられなくなったが、この積層体のポリエステル基材に用いるフィルムの種類によっては、ポリエステルフィルムのナノオーダーの薄い表層がこのポリエステルフィルムから剥離して蒸着薄膜層側に取られ(表層剥離)、その結果著しいラミネート強度低下がみられることがあった。
特開2008−94051号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、包装材料として使用して、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用しても各層間が優れたラミネート強度を保てる積層体を提供するところにある。
すなわち、請求項1に記載の発明は、ポリエステル基材と、該ポリエステル基材の少なくとも片面上に設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、接着層と、シーラント層が順次積層された積層体であって、
前記接着層が2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と金属アルコキシドを含む組成物からなり、該組成物中におけるイソシアネート化合物と金属アルコキシドとの比(イソシアネート化合物/金属アルコキシド)が、99/1〜60/40(重量比)で、
かつ、前記ポリエステル基材のマイクロ波透過型分子配向計で測定したMOR値が1.00〜1.25であることを特徴とする積層体である。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の積層体において、上記ポリエステル基材のもう一方の面に、接着層を介して第2のフィルム基材を積層し、第2のフィルム基材がポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、またはポリエステルフィルムからなることを特徴とする積層体である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の積層体において、前記2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはそのアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体のいずれかであることを特徴とする積層体である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体において、前記金属アルコキシドの金属が、ケイ素、アルミニウム、チタン、またはジルコニウムであることを特徴とする積層体である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体において、前記金属アルコキシドが、シランカップリング剤であることを特徴とする積層体である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の積層体において、前記シーラント層が、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする積層体である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を用いたことを特徴とする包装体である。
本発明の積層体は、ポリエステル基材と無機酸化物からなる蒸着薄膜層と接着層とシーラント層の少なくとも四層構成となっていて、その接着層が、2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、詳しくは2官能のイソシアネートモノマー、または
そのアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体のいずれかと、金属アルコキシド、詳しくはその金属が、ケイ素、アルミニウム、チタン、またはジルコニウムであるアルコキシド、その中でも特にシランカップリング剤との混合からなり、その割合が、99/1〜60/40(重量比)であり、かつ、前記ポリエステル基材のマイクロ波透過型分子配向計で測定したMOR値が1.00〜1.25であることから、揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物を保存する包装材料として使用してもポリエステル基材上の蒸着薄膜層とシーラント層間のラミネート強度が低下することがなく、ポリエステルフィルムの表層剥離が起こりにくい優れたラミネート強度を有する積層体及びそれを用いた包装体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の積層体は、ポリエステル基材と、蒸着薄膜層と、接着層と、シーラント層が順次積層されたものである。このほか、蒸着薄膜層と接着層との間にガスバリア性被覆層を有していてもよい。また、後述するように、ポリエステル基材に蒸着用プライマー層を設けた後、この蒸着用プライマー層の上に蒸着薄膜層を形成してもよい。また、ポリエステル基材のもう一方の面に、接着層を介して第2のフィルム基材を積層したものであってもよい。
本発明に係るポリエステル基材は、マイクロ波透過型分子配向計で測定したMOR(Maximum Oriented Ratio)値が1.00〜1.25のポリエステルフィルムであり、詳しくは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムで、ノーマルタイプ、共重合タイプ、易接着タイプのものが使用可能である。また、その厚みについては、7〜16μmが好適に使用できる。
マイクロ波透過型分子配向計での測定により得られるMOR値とは、分子配向の異方性を示す数値で、揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもラミネート強度が低下しない積層体を得るためには、そのMOR値が1.00〜1.25であることが必要である。MOR値が1.25を超えるポリエステルフィルムでは、分子配向の異方性が大き過ぎるため揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用している間中により大きな内部応力が発生し、ポリエステルフィルムの表層剥離が起こりやすくなり、その結果著しいラミネート強度低下がみられる。
前記ポリエステル基材上の無機酸化物からなる蒸着薄膜層は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化錫などの単体や、あるいはそれらの混合物からなり、酸素や水蒸気などに対するガスバリア性を有するものであれば良い。中でも酸化アルミニウム、酸化ケイ素、および酸化マグネシウムは、酸素透過率および水蒸気透過率に優れる点で好ましく使用できる。
前記ポリエステル基材上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層を設ける際には、ポリエステル基材と蒸着薄膜層との密着性を良くするために前処理としてポリエステル基材側にコロナ処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、イオンボンバード処理などの表面処理、さらには薬品処理、溶剤処理などの表面処理を施しておいてもかまわない。
特に、非常に過酷な揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物を保存する包装材料の用途には、前記ポリエステル基材と蒸着薄膜層との密着性をより良くするために、ポリエステル基材上に無機化合物を有する蒸着用プライマーを設けた積層体を使用することが好ましい。蒸着用プライマー層としては、アクリルポリオールなどの水酸基をもつ化合物とイソシアネート基をもつイソシアネート化合物との2液反応複合物を用いることができ
る。
前記ポリエステル基材上の無機酸化物からなる蒸着薄膜層に積層される接着層は、2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と金属アルコキシドとの混合からなる接着剤組成物であり、その厚みについては1μm以下が好ましい。
前記接着層中の2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物は、例えばシーラント層のような有機物に対する接着に優れる。イソシアネート化合物が1官能では、接着に関与する官能基量が少なすぎるため、その結果、接着性が劣る。また、金属アルコキシドは、例えば蒸着薄膜層のような無機物に対する接着に優れている。従って、接着層がイソシアネート化合物のみの場合、ポリエステル基材上の蒸着薄膜層と接着層間のラミネート強度が弱く十分な初期強度が得られない。一方、接着層が金属アルコキシドのみの場合、接着層とシーラント層間のラミネート強度が弱く十分な初期強度が得られない。
上述のイソシアネート化合物と金属アルコキシドとの混合比(イソシアネート化合物/金属アルコキシド)は、発明者等の鋭意努力の結果、99/1〜60/40であることが必要であり、より好ましくは99/1〜70/30、さらに好ましくは99/1〜80/20が良いことがわかった。
前記イソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーなどが挙げられる。また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体や、それ以上の多官能性の誘導体を使用することができる。
前記金属アルコキシドの金属としては、ケイ素、アルミニウム、チタン、またはジルコニウムを使用することが可能である。金属アルコキシドの具体例としては、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリメトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドなどが挙げられる。以上のように金属アルコキシドには種々あるが、取り扱い性、コストなどを考えればケイ素のアルコキシドがより好ましく使用可能である。また、イソシアネート基、エポキシ基、またはアミノ基などを含有するシランカップリング剤を適宜選定して使用するのがより好ましい。シランカップリング剤の作用効果としては、例えばシーラント層のような有機物、および蒸着薄膜層のような無機物の双方に対しての接着が期待できる。
このような構成の接着層は、ポリエステル基材上の蒸着薄膜層上に、2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と金属アルコキシドとの混合物からなる塗工液を、酢酸エチルを希釈溶剤として用い、その固形分割合を0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の割合の塗工液を塗工して薄膜を設ければよい。また、この接着層の厚みは薄い方が好ましく、具体的にはその乾燥時の厚みが1μm以下の薄膜層となるように設ければよい。
一方、接着層上に積層されるシーラント層としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピ
レン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂からなる層を具体的な例として挙げることができる。上記ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、優れた加工性や安価なコストなどの点で好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体などを例示できる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン-αオレフィン共重合体などが例示できる。また、エチレン-アクリル酸共重合体やエチレン-メタクリル酸共重合体などのエチレン-α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン-アクリル酸メチルやエチレン-アクリル酸エチルやエチレン-メタクリル酸メチルやエチレン-メタクリル酸エチルなどのエチレン-α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン-α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン-無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などが具体的に挙げられる。また、シーラント層は多層構造を有していてもよい。
このシーラント層は、前記接着層上に溶融押出しコーティングすることによって形成することができる。例えば、ポリエチレン樹脂を接着層上に溶融押出しコーティングして単層構造のシーラント層を形成することができる。また、2層構成のシーラント層は、前記接着層上に溶融押出しコーティングし、この押出し樹脂が接着力を有している間にシーラントフィルムを積層して形成することができる。例えば、ポリエチレン樹脂を接着層上に溶融押出しコーティングすると共に、このポリエチレン樹脂が接着力を有している間にエチレン-αオレフィン共重合体樹脂のフィルムを積層することにより、「ポリエチレン樹脂/エチレン-αオレフィン共重合体樹脂」の2層構造を有するシーラント層を形成することができる。
以上、本発明に係る積層体について説明したが、本発明の積層体は上記のような構成のものに限定されるものではなく、包装材料としての用途を考慮し、包装材料として要求される剛性や耐久性などを向上する目的で、他の層を介在させた構成であっても良い。
例えば、蒸着薄膜層と接着層との間にガスバリア性被覆層を有するものであってもよい。また、上記ポリエステル基材のもう一方の面に、接着層を介して第2のフィルム基材をさらに最外層に積層しても良い。
ガスバリア性被覆層としては、次の(1)及び(2)の化合物を反応して形成した複合構造物を使用することができる。
(1)一般式Si(OR(RはCH,C,またはCOCHを表す)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物
(2)水溶性高分子。
また、これら(1)と(2)に加えて、(3)の化合物を反応して形成した複合構造物であってもよい。
(3)一般式(RSi(OR(Rは有機官能基、RはCH,C,またはCOCHを表す)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物
一般式Si(ORで表されるケイ素化合物はテトラアルコキシシランである。例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニルアルコ
ール部位をもつ有機ポリマーを例示できる。また、一般式(RSi(ORで表されるケイ素化合物はシランカップリング剤である。例えば、アミンシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等を使用することができる。また、イソシアネート基やエポキシ基を持つシランカップリング剤であってもよい。これらシランカップリング剤を添加することにより、強浸透成分の浸透によるガスバリア性被覆層の膨潤を防ぎ、密着性を向上させることができる。
ガスバリア性被覆層は、これら各成分を溶解又は分散させてコーティング液を作成し、このコーティング液を塗布し、加熱して乾燥すると共にこれら各成分を反応させることにより形成することができる。なお、ケイ素成分等の混合方法としては、溶媒中に目視で均一に混合されていればよい。テトラアルコキシシランは水系溶媒中では均一分散しにくいため、加水分解して用いてもよい。また、ガスバリア性被覆層のインキ、接着剤との密着性、濡れ性、収縮によるクラック発生防止を考慮して、コーティング液にコロイダルシリカやスメクタイト等の粘土鉱物、安定化剤、着色剤、粘度調整剤等の公知の添加剤等を、ガスバリア性や耐水性を阻害しない範囲で添加することができる。
このコーティング液の塗布方法としては、通常のコーティング方法を用いることができる。例えば、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等を用いることができる。なお、ガスバリア性被覆層の厚さが50μmを越えるとクラックが生じやすくなる可能性があるため、0.01〜50μmとすることが望ましい。
また、その加熱方法としては、熱風加熱、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射等が採用できる。
また、前述の第2のフィルム基材としては、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、またはポリエステルフィルムが好ましい。
第2のフィルム基材としてポリプロピレンフィルムを用いる場合には、未静防タイプ、静防タイプともに使用可能であり、隣接する接着層が安定的に形成できるための前処理として、コロナ処理やプラズマ処理などの表面処理がなされていればより好ましい。また、その厚みについては、20〜30μmが好適に使用できる。
第2のフィルム基材としてポリアミドフィルムを用いる場合には、ノーマルタイプ、易接着タイプのものが使用可能であり、隣接する接着層が安定的に形成できるための前処理として、コロナ処理やプラズマ処理などの表面処理がなされていればより好ましい。また、その厚みについては、15〜25μmが好適に使用できる。
第2のフィルム基材としてポリエステルフィルムを用いる場合には、ノーマルタイプ、共重合タイプ、易接着タイプのものが使用可能であり、隣接する接着層が安定的に形成できるための前処理として、コロナ処理やプラズマ処理などの表面処理がなされていればより好ましい。また、その厚みについては、7〜16μmが好適に使用できる。
以上のような積層体によれば、ポリエステル基材と蒸着薄膜層間、ポリエステル基材上の蒸着薄膜層と接着層間、および接着層とシーラント層間の初期のラミネート強度が良好で、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもポリエステル基材と蒸着薄膜層間、ポリエステル基材上の蒸着薄膜層と接着層間、および接着層とシーラント層間のラミネート強度が低下しない。
以下、本発明の実施例を述べる。
(実施例1)
この例は、「ポリエステル基材/蒸着薄膜層/接着層/シーラント層」の4層構造を有する積層体に係るものである。
ポリエステル基材としては、MOR値1.08、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET A)を使用した。そして、その一方の面にコロナ処理を施し、その処理面に蒸着薄膜層を形成した。蒸着薄膜層の材質は酸化アルミニウムである。なお、ポリエステル基材のMOR値はマイクロ波透過型分子配向計(王子計測機器社製:MOA−5012A)により測定した。
そして、この蒸着薄膜層の上に、接着層を形成した。接着層は、イソシアネート化合物と金属アルコキシドとを含む塗工液を塗工し、オーブンにて乾燥して形成したものである。イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネートモノマーを使用し、金属アルコキシドとしてはテトラエトキシシランを使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが95/5(重量比)となる割合である。塗工液の溶剤としては酢酸エチルを使用し、固形分割合を2.0重量%とした。
次に、この接着層の上に、押出ラミネート法により低密度ポリエチレンを積層してシーラント層を形成した。押出の条件は、ダイ下温度320℃、加工速度80m/minであり、シーラント層の厚みは40μmである。
(実施例2)
この例は、「ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層」の6層構造を有する積層体に係るものである。
ポリエステル基材としては、MOR値1.21、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET B)を使用した。そして、その一方の面にコロナ処理を施し、その処理面に蒸着用プライマー層を形成した。蒸着用プライマー層は、次のA液とB液とを混合し、溶剤で希釈した塗工液を塗布、乾燥して形成したものである。A液とB液との混合比は、A液のアクリルポリオールの水酸基に対してB液のイソシアネート基が当量となる混合比である。溶剤としては酢酸エチルを使用し、前記塗工液の固形分割合が2.0重量%となるようにこの酢酸エチルで希釈した。
A液: 希釈溶媒(酢酸エチル)中、γ−イソシアネートプロピルトリメチルシラン1.0重量%と、アクリルポリオール10重量%との混合溶液.
B液: イソシアネート化合物であるXDIとIPDIの7/3(重量比)混合物。
次に、この蒸着用プライマー層の上に、蒸着薄膜層を形成した。蒸着薄膜層の材質は酸化アルミニウムである。
そして、この蒸着薄膜層の上に、ガスバリア性被膜層を形成した。ガスバリア性被膜層は、次のC液とD液とを混合し、溶剤で希釈した塗工液を塗布、乾燥して形成したものである。C液とD液との混合比は、C液/D液が60/40(重量比)となる割合である。
C液: テトラエトキシシラン10.4gに0.1N塩酸89.6gを加え、30分間攪拌し加水分解させた固形分3.0重量%(SiO換算)の加水分解溶液.
D液: ポリビニルアルコールの3.0重量%水/イソプロピルアルコール溶液(水:
イソプロピルアルコール重量比で90:10)。
次に、このガスバリア性被膜層の上に、接着層を形成した。接着層は、イソシアネート化合物と金属アルコキシドとを含む塗工液を塗工し、オーブンにて乾燥して形成したものである。イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネートのアダクトタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはアルミニウムトリイソプロポキシドを使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが90/10(重量比)となる割合である。塗工液の溶剤としては酢酸エチルを使用し、固形分割合を2.0重量%とした。
次に、この接着層の上に、押出ラミネート法により低密度ポリエチレンを積層してシーラント層を形成した。押出の条件は、ダイ下温度320℃、加工速度80m/minであり、シーラント層の厚みは40μmである。
(実施例3)
この例は、実施例2と同様に、「ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層」の6層構造を有する積層体に係るものである。実施例2の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例2と同様である。
すなわち、まず、ポリエステル基材としては、MOR値1.03、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET C)を使用した。また、蒸着薄膜層の材質は酸化ケイ素である。
また、接着層のイソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネートのアダクトタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはチタニウムテトラエトキシドを使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが85/15(重量比)となる割合である。
また、シーラント層の材質はエチレン−メタクリル酸共重合体である。このエチレン−メタクリル酸共重合体の押出ラミネートの条件は、ダイ下温度280℃である。
(実施例4)
この例は、ポリエステル基材のもう一方の面に第2のフィルム基材を設けた例であり、「第2のフィルム基材/ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層」の7層構造を有する積層体に係るものである。そして、実施例2の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例2と同様である。
すなわち、まず、第2のフィルム基材としてポリエステルフィルム(PET)を使用し、ポリエステル基材としてMOR値1.15、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET D)を使用した。そして、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いてこれらPETとPET Dとをドライラミネーターによりラミネートした。
そして、接着層のイソシアネート化合物としてはキシリレンジイソシアネートのアダクトタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはジルコニウムテトライソプロポシキドを使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが80/20(重量比)となる割合である。
また、シーラント層の材質は亜鉛アイオノマーである。この亜鉛アイオノマーの押出ラミネートの条件は、ダイ下温度300℃である。
(実施例5)
この例も、ポリエステル基材のもう一方の面に第2のフィルム基材を設けた例であり、「第2のフィルム基材/ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層」の7層構造を有する積層体に係るものである。そして、実施例2の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例2と同様である。
すなわち、まず、第2のフィルム基材としてポリアミドフィルム(Ny)を使用し、ポリエステル基材としてMOR値1.25、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET
E)を使用した。そして、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いてこれらNyとPET Eとをドライラミネーターによりラミネートした。
蒸着薄膜層の材質としては酸化ケイ素を使用した。
そして、接着層のイソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはイソシアネート系シランカップリング剤を使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが70/30(重量比)となる割合である。
また、シーラント層の材質はランダムポリプロピレンである。このランダムポリプロピレンの押出ラミネートの条件は、ダイ下温度275℃である。
(実施例6)
この例も、ポリエステル基材のもう一方の面に第2のフィルム基材を設けると共に、シーラント層を2層構造とした例であり、「第2のフィルム基材/ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層1/シーラント層2」の8層構造を有する積層体に係るものである。そして、実施例2の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例2と同様である。
すなわち、まず、第2のフィルム基材として厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)を使用し、ポリエステル基材としてMOR値1.11、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET F)を使用した。そして、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いてこれらOPPとPET Fとをドライラミネーターによりラミネートした。
蒸着薄膜層の材質としては酸化ケイ素を使用した。
そして、接着層のイソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはアミノ系シランカップリング剤を使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが60/40(重量比)となる割合である。
また、シーラント層1の材質は低密度ポリエチレン(LDPE)である。この低密度ポリエチレン(LDPE)の押出条件は、ダイ下温度320℃、厚み20μmである。そして、この低密度ポリエチレン(LDPE)を接着層の上に押出しラミネートしてシーラント層1を形成すると共に、このシーラント層1が接着力を維持している間に、60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)を積層して、シーラント層2を形成した。
(比較例1)
この例は、シーラント層を2層構造とした例であり、実施例1と同様に、「ポリエステ
ル基材/蒸着薄膜層/接着層/シーラント層1/シーラント層2」の5層構造を有する積層体に係るものである。実施例1の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例1と同様である。
すなわち、まず、ポリエステル基材としては、MOR値1.29、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET C)を使用した。また、蒸着薄膜層の材質は酸化ケイ素である。
そして、接着層のイソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはアルミニウムトリイソプロポキシドを使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが95/5(重量比)となる割合である。
また、シーラント層1の材質は低密度ポリエチレン(LDPE)である。この低密度ポリエチレン(LDPE)の押出条件は、ダイ下温度320℃、厚み20μmである。そして、この低密度ポリエチレン(LDPE)を接着層の上に押出しラミネートしてシーラント層1を形成すると共に、このシーラント層1が接着力を維持している間に、60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)を積層して、シーラント層2を形成した。
(比較例2)
この例は、実施例2と同様に、「ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層」の6層構造を有する積層体に係るものである。実施例2の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例2と同様である。
すなわち、まず、ポリエステル基材としては、MOR値1.37、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET H)を使用した。
そして、接着層のイソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはチタニウムテトラエトキシドを使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが80/20(重量比)となる割合である。
また、シーラント層の材質はランダムポリプロピレンである。このランダムポリプロピレンの押出ラミネートの条件は、ダイ下温度275℃である。
(比較例3)
この例は、実施例2と同様に、「ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層」の6層構造を有する積層体に係るものである。実施例2の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例2と同様である。
すなわち、まず、ポリエステル基材としては、MOR値1.31、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET I)を使用した。
そして、接着層のイソシアネート化合物としてはキシリレンジイソシアネートのアダクトタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはジルコニウムテトライソプロポシキドを使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが60/40(重量比)となる割合である。
また、シーラント層の材質は亜鉛アイオノマーである。この亜鉛アイオノマーの押出ラミネートの条件は、ダイ下温度300℃である。
(比較例4)
この例は、ポリエステル基材のもう一方の面に第2のフィルム基材を設けた例であり、「第2のフィルム基材/ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層」の7層構造を有する積層体に係るものである。そして、実施例2の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例2と同様である。
すなわち、まず、第2のフィルム基材としてポリエステルフィルム(PET)を使用し、ポリエステル基材としてMOR値1.15、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET J)を使用した。そして、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いてこれらPETとPET Jとをドライラミネーターによりラミネートした。
そして、接着層のイソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネートのアダクトタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはイソシアネート系シランカップリング剤を使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが30/70(重量比)となる割合である。
また、シーラント層の材質はエチレン−メタクリル酸共重合体である。このエチレン−メタクリル酸共重合体の押出ラミネートの条件は、ダイ下温度280℃である。
(比較例5)
この例も、ポリエステル基材のもう一方の面に第2のフィルム基材を設けた例であり、「第2のフィルム基材/ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層」の7層構造を有する積層体に係るものである。そして、実施例2の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例2と同様である。
すなわち、まず、第2のフィルム基材として厚み15μmのポリアミドフィルム(Ny)を使用し、ポリエステル基材としてMOR値1.09、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET K)を使用した。そして、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いてこれらNyとPET Kとをドライラミネーターによりラミネートした。
蒸着薄膜層の材質としては酸化ケイ素を使用した。
そして、接着層のイソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネートのアダクトタイプを使用し、金属アルコキシドとしてはアミノ系シランカップリング剤を使用した。塗工液中のこれらの割合はイソシアネート化合物/金属アルコキシドが20/80(重量比)となる割合である。
(比較例6)
この例も、ポリエステル基材のもう一方の面に第2のフィルム基材を設けた例であり、「第2のフィルム基材/ポリエステル基材/蒸着用プライマー層/蒸着薄膜層/ガスバリア性被膜層/接着層/シーラント層」の7層構造を有する積層体に係るものである。そして、実施例2の積層体と異なる点は次のとおりであり、その他は実施例2と同様である。
すなわち、まず、第2のフィルム基材として厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)を使用し、ポリエステル基材としてMOR値1.09、厚み12μmのポリエステルフィルム(PET K)を使用した。そして、二液硬化型ウレタン系接着剤
を用いてこれらOPPとPET Kとをドライラミネーターによりラミネートした。
蒸着薄膜層の材質としては酸化ケイ素を使用した。
そして、接着層の材質としてはイソホロンジイソシアネートモノマーを使用し、金属アルコキシドを添加しなかった。
(評価)
以上のようにして得られた実施例1〜6及び比較例1〜6のそれぞれの積層体を用いて50℃、3日間のエージングを行った後に、シーラント層同士をヒートシールしてパウチを作製し、内容物として湿布薬(揮発性の強浸透性物質としてサリチル酸メチルやメントールを含有)と、浴用剤(揮発性の強浸透性物質として香料成分を含有)をそれぞれ充填、密封し、40℃の恒温室内に放置した。
3ヶ月経過後にこれらのパウチを恒温室から取り出し、それぞれのパウチのポリエステルフィルム(PET A〜L)と隣接した層との層間ラミネート強度[N/15mm]を測定し、恒温室に入れる前のパウチにおける初期のラミネート強度と比較した。この時のラミネート強度の測定条件は、試料幅15mmのT型剥離で、剥離速度300mm/minとした。恒温室投入前と後におけるラミネート強度の測定結果をまとめて表1に示す。
Figure 2017030168
表1からも明らかなように、実施例1〜6に係る積層体を使用して作製されたパウチのポリエステルフィルム(PET A〜F)と隣接した層との層間ラミネート強度は、揮発性の強浸透性物質を含む湿布薬や浴用剤を入れて40℃で3ヶ月間保存してもほとんど変わらず、初期のラミネート強度を十分に保っていた。
これに対して、比較例1〜3に係る積層体を使用して作製されたパウチのポリエステルフィルム(PET G〜I)と隣接した層との層間ラミネート強度では、揮発性の強浸透性物質を含む湿布薬や浴用剤を入れて40℃で3ヶ月間保存した後には著しい低下がみられた。そこで、これらの剥離面を確認するため、X線光電子分光法による分析を行った結果、蒸着層の上に厚みがナノオーダーのわずかなポリエステルが付着しており、ポリエステルフィルムG〜Iの表層剥離であることがわかった。
また、比較例4〜6に係る積層体を使用して作製されたパウチのポリエステルフィルム(PET J〜L)と隣接した層との層間ラミネート強度では、初期の段階で十分ではなく、包装材料への使用には適さないことが判明した。

Claims (7)

  1. ポリエステル基材と、該ポリエステル基材の少なくとも片面上に設けられた無機酸化物からなる蒸着薄膜層と、接着層と、シーラント層が順次積層された積層体であって、
    前記接着層が2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と金属アルコキシドを含む組成物からなり、該組成物中におけるイソシアネート化合物と金属アルコキシドとの比(イソシアネート化合物/金属アルコキシド)が、99/1〜60/40(重量比)で、
    かつ、前記ポリエステル基材のマイクロ波透過型分子配向計で測定したMOR値が1.00〜1.25であることを特徴とする積層体。
  2. 上記ポリエステル基材のもう一方の面に、接着層を介して第2のフィルム基材を積層し、第2のフィルム基材がポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、またはポリエステルフィルムからなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはそのアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。
  4. 前記金属アルコキシドの金属が、ケイ素、アルミニウム、チタン、またはジルコニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記金属アルコキシドが、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記シーラント層が、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を用いたことを特徴とする包装体。
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