JP2017029170A - ヘパラン−n−スルファターゼを精製するためのプロセス - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘパラン−N−スルファターゼを調製および精製するためのプロセスおよび方法を提供すること。【解決手段】本開示は、ヘパラン−N−スルファターゼを精製するための方法であって、該方法は、a)ヘパラン−N−スルファターゼ組成物とアニオン交換クロマトグラフィー樹脂とを、該ヘパラン−N−スルファターゼが吸着される条件下で接触させる工程と、b)吸着された該ヘパラン−N−スルファターゼを、該アニオン交換クロマトグラフィー樹脂から溶出する工程とを包含する、方法を提供する。【選択図】なし
Description
(関連出願)
この出願は、2011年5月19日に出願された米国仮出願第61/488,090号(この全体の教示は、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
この出願は、2011年5月19日に出願された米国仮出願第61/488,090号(この全体の教示は、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
(発明の分野)
本発明は、ヘパラン−N−スルファターゼを調製および精製するためのプロセスおよび方法に関する。開示されるプロセスおよび方法は、一般に、ヘパラン−N−スルファターゼを、非常に純粋なヘパラン−N−スルファターゼを生成する条件下で1つ以上のクロマトグラフィー工程に供する工程を包含する。
本発明は、ヘパラン−N−スルファターゼを調製および精製するためのプロセスおよび方法に関する。開示されるプロセスおよび方法は、一般に、ヘパラン−N−スルファターゼを、非常に純粋なヘパラン−N−スルファターゼを生成する条件下で1つ以上のクロマトグラフィー工程に供する工程を包含する。
(背景)
ムコ多糖症(MPS)は、特定のリソソーム酵素の欠損もしくは非存在によって引き起こされる、稀な、遺伝性のリソソーム蓄積症の群である。これら酵素の非存在は、細胞および組織において、ならびにリソソームといわれる細胞オルガネラにおいて、複雑な糖分子の蓄積を生じる。通常のリソソーム酵素の存在下で、これら糖は、他の物質へと変換され、身体によって使用される。これら複雑な糖は、ムコポリサッカリドもしくはグリコサミノグリカン(GAG)として公知であり、身体における結合組織の基本要素として働く。
ムコ多糖症(MPS)は、特定のリソソーム酵素の欠損もしくは非存在によって引き起こされる、稀な、遺伝性のリソソーム蓄積症の群である。これら酵素の非存在は、細胞および組織において、ならびにリソソームといわれる細胞オルガネラにおいて、複雑な糖分子の蓄積を生じる。通常のリソソーム酵素の存在下で、これら糖は、他の物質へと変換され、身体によって使用される。これら複雑な糖は、ムコポリサッカリドもしくはグリコサミノグリカン(GAG)として公知であり、身体における結合組織の基本要素として働く。
MPS IIIは、GAGを分解するために必要な4種の異なる酵素が欠如していることから生じる。各々の酵素欠損は、サンフィリッポ症候群:タイプIIIA(サンフィリッポA)、タイプIIIB(サンフィリッポB)、タイプIIIC(サンフィリッポC)、およびタイプIIID(サンフィリッポD)の異なる形態を規定する。ヘパラン−N−スルファターゼ(HNS)は、ヘパラン硫酸の段階的分解に関与する酵素である。HNSは、ヘパラン硫酸(GAGの1タイプ)のグルコサミン残基のアミノ基に結合したスルフェート部分を加水分解する。この酵素の欠損は、ムコ多糖症IIIA(MPS、サンフィリッポ症候群A)と関連する。MPSタイプIIIAに罹患した患者は、HNSをコードする遺伝子において変異を有し、この酵素の欠損もしくは非存在を生じる。
MPS IIIA(サンフィリッポA)の症状は、通常、2歳〜6歳の間に生じるが、いくつかの症例では、13歳程度で診断がなされる。上記状態の臨床症状は、種々の重篤度を呈する。中枢神経系は、MPS IIIAを有する患者における最も重篤に罹患した系である。HNSおよび他の二次的に蓄積される化合物は、主に中枢神経系に蓄積する。言語発達、運動技能、および知能発達における問題は、この状態を特徴付ける。全体的に、MPS IIIAを有する個体は、顕著な発育遅延を有し、長期の生存は難しい。上記状態は、長期的に衰弱させ、生命を脅かす。
MPS IIIAのための現在承認された治療的処置は、利用可能でない。骨髄移植は、疾患進行を遅らせようとする試みにおいて使用されてきた。ヘパラン硫酸は、HNSの天然の基質であるので、動物研究から、HNSはヘパラン硫酸の増大があるリソソーム蓄積症(例えば、MPS IIIA)の処置のために有用であり得ることが示された。
薬剤としてのHNSにおける興味を考慮すると、費用効率的な様式において、多量の高度に精製された物質の調製は、未だに必要である。HNSを培養培地から精製する種々の報告が提示されてきた(非特許文献1)。HNSを精製するためのいくつかの方法が試みられ、記載されてきたものの、MPS IIIAのヒト治療において使用するためのHNSの生成に適したものは未だない。
Hemsleyら、Mol.Genet.Metab.(2007)90:313〜328
(要旨)
本明細書に提供される実施形態は、一般に、ヘパラン−N−スルファターゼ(HNS)の精製、特に、組換えヒトHNS(rhHNS)の培養培地もしくは粗製組換えHMSの半精製サンプルからの精製のためのプロセス、ならびに上記プロセスによって精製されたHNSを含む組成物および処方物、ならびに上記精製されたHNSを使用するための方法に関する。記載される方法は、HNSを精製するためのクロマトグラフィー法の組み合わせの使用を包含する。
本明細書に提供される実施形態は、一般に、ヘパラン−N−スルファターゼ(HNS)の精製、特に、組換えヒトHNS(rhHNS)の培養培地もしくは粗製組換えHMSの半精製サンプルからの精製のためのプロセス、ならびに上記プロセスによって精製されたHNSを含む組成物および処方物、ならびに上記精製されたHNSを使用するための方法に関する。記載される方法は、HNSを精製するためのクロマトグラフィー法の組み合わせの使用を包含する。
本明細書に記載される実施形態は、HNSを単離するための公開された手順が、治療上有用であるように十分な純度および溶解度のHNSを、再現可能に生成しないという認識に基づく。この認識に基づいて、夾雑物のレベルを低下させる条件下でHNSを再現可能に調整するための方法およびアッセイの両方が、本明細書において提供される。これら方法によってHNSを生成および精製することから、低下した量の夾雑物を含むHNSが提供される。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される方法およびアッセイによって得られるHNSは、その溶解度を低下させ得る高pIのHNSの低下した量を含むHNSを生成する。上記精製プロセスは、公知のプロセスによって提供されるよりも多量の高収量のHNSおよび高純度のHNSを可能にする。この精製プロセスは、ヒトにおける使用のための製薬グレードのHNS(例えば、rhHNS)を調製するために特に有用である。
一局面において、細胞培養培地から抽出された物質を精製し、上記抽出された物質を1種以上のカラムクロマトグラフィーもしくはバッチクロマトグラフィー媒体(例えば、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種以上)に曝すことによって、組換えヒトHNSを精製するための方法およびアッセイが、本明細書において提供される。同様に、一局面において、1種以上のカラムクロマトグラフィーもしくはバッチクロマトグラフィー媒体から抽出された富化溶離液をさらに精製することによって、このような富化溶離液を1種以上のさらなるカラムクロマトグラフィーもしくはバッチクロマトグラフィー精製工程(例えば、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種以上)に曝すことによって、組換えヒトHNSを精製するための方法およびアッセイが、本明細書において提供される。
一実施形態において、HNSは、4つのカラムプロセスを使用して精製され、上記プロセスは、1)細胞培養培地から抽出された溶液中の最初のHNSを濾過する工程;2)上記濾過したHNSをアニオン交換マトリクス(例えば、QセファロースファストフローTMカラム)に添加し(load)、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程;3)上記アニオン交換カラムからの溶離液を疎水性相互作用カラム(HIC)(例えば、フェニルセファロース)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程;4)上記HICカラムからの溶離液をヒドロキシアパタイトカラム(HA)(例えば、セラミックヒドロキシアパタイトタイプ1)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程;および5)上記HAカラムからの溶離液をカチオン交換カラム(例えば、SPセファロース)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程、という精製工程を包含する。特定の実施形態において、上記カチオン交換カラムから回収された溶離液は、限外濾過もしくはダイアフィルトレーションによってさらに濾過および濃縮される。特定の実施形態において、上記カチオン交換カラムから回収された溶離液は、(例えば、このような溶離液を上記アニオン交換カラム、上記HICカラム、上記HAカラムおよび/もしくは上記カチオン交換カラムのうちの1種以上に添加しることによって)さらに精製される。
特定の実施形態において、上記カラムクロマトグラフィー精製工程の各々の実施は、以前に行われたカラムクロマトグラフィー精製工程に必ずしも依存する必要はないことに注意すべきである。よって、特定の実施形態において、上記カラムクロマトグラフィー精製工程の各々が行われる順序は重要ではなく、その後のカラムクロマトグラフィー精製工程において、例えば、前の工程からの特定の溶離液においてなされる言及は、便宜上および/もしくは明瞭さのためになされる。例えば、特定の実施形態において、HNSは、4つのカラムプロセスを使用して精製されるが、培養培地から抽出された溶液中の最初のHNSを濾過した後、記載される精製工程は、異なる順序で行われる。例えば、上記精製工程は、1)上記濾過されたHNSをアニオン交換マトリクス(例えば、QセファロースファストフローTMカラム)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程;2)上記アニオン交換カラムからの溶離液をヒドロキシアパタイト(HA)カラム(例えば、セラミックヒドロキシアパタイトタイプ1)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程;3)上記HAカラムからの溶離液をカチオン交換カラム(例えば、SPセファロース)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程;および4)上記カチオン交換カラムからの溶離液を疎水性相互作用カラム(HIC)(例えば、フェニルセファロース)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程、を包含し得る。
特定の実施形態において、HNSは、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種以上のカラムクロマトグラフィー精製工程を使用して精製される。例えば、特定の実施形態において、HNSは、3つのカラムプロセスを使用して精製され、ここで細胞培養培地から抽出された溶液中の最初のHNSを濾過した後、このような濾過したHNSは、以下の工程を包含する精製に供される:1)上記HNSをアニオン交換マトリクス(例えば、QセファロースファストフローTMカラム)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程;2)上記アニオン交換カラムからの溶離液を疎水性相互作用カラム(HIC)(例えば、フェニルセファロース)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程;および3)上記HICカラムからの溶離液をヒドロキシアパタイトカラム(HA)(例えば、セラミックヒドロキシアパタイトタイプ1)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程。
同様に、特定の実施形態において、HNSは、少なくとも2つのカラムクロマトグラフィー工程を使用して精製される。例えば、特定の実施形態において、細胞培養培地から抽出された溶液から最初のHNSを濾過した後、このようなHNSは、以下の精製工程を包含する2つのカラムプロセスを使用して精製される:1)上記HNSを疎水性相互作用カラム(HIC)(例えば、フェニルセファロース)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程;および2)上記HICカラムからの溶離液をヒドロキシアパタイトカラム(HA)(例えば、セラミックヒドロキシアパタイトタイプ2)に添加し、上記カラムを洗浄し、上記富化されたHNSを上記カラムから溶出する工程。
上記記載されるカラムクロマトグラフィー精製工程の各々は、前のカラムクロマトグラフィー精製工程に関せずに行われ得るが、上記カラムクロマトグラフィー精製工程の各々を含む個々の構成要素が、記載される順序において行われることが意図されることは理解されるべきである。例えば、最初のHNS抽出物(もしくは代わりに、前に行われたカラムクロマトグラフィー精製工程からの溶離液)をカラムに添加しる工程は、そのカラムを洗浄する前に行われなければならず、上記カラムを洗浄する工程は、上記富化されたHNSをそのカラムから溶出する前に行われなければならない。
本明細書に提供されるさらなる局面によれば、精製された組換えHNS組成物が記載され、これは、MPS IIIAのようなリソソーム酵素欠損に罹患している被験体を処置するために有用であり得る。HNSは、MPS IIIAの天然に存在するマウスモデルにおける脳脊髄液を介して投与される場合に活性を有することが示された。Hemsleyら、Mol. Genet. Metab.90:313−328(2007)。MPS IIIA HuntawayイヌモデルにおけるHNSの槽内送達はまた、治療活性を示した。Hemsleyら、Mol. Genet. Metab. 98(4): 383−92(2009)。
本明細書に提供されるさらに別の局面によれば、HNSの組成物が記載され、これは、高pIのHNSを実質的に含まない。別の局面において、本開示は、実質的に純粋なHNSであるHNSの組成物を提供する。特定の実施形態において、上記精製されたHNS調製物は、夾雑物を約90%超含まない。好ましくは、上記物質は、夾雑物を、80%超、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%超含まない。
別の局面によれば、治療上有効な量の、本明細書に記載されるプロセスによって調製されるとおりの精製された組換えHNSを、適切な賦形剤と一緒に含む薬学的組成物が、本明細書において提供される。組換えHNSの上記薬学的組成物は、被験体への局所投与、経口投与もしくは非経口投与(例えば、静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与もしくは髄腔内投与)に特に適している。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ヘパラン−N−スルファターゼを精製するための方法であって、該方法は、
a)ヘパラン−N−スルファターゼ組成物とアニオン交換クロマトグラフィー樹脂とを、該ヘパラン−N−スルファターゼが吸着される条件下で接触させる工程;
b)吸着された該ヘパラン−N−スルファターゼを、該アニオン交換クロマトグラフィー樹脂から溶出する工程;
c)工程b)から得られた該ヘパラン−N−スルファターゼ組成物と、疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂とを接触させる工程;
d)吸着された該ヘパラン−N−スルファターゼを、該疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂から溶出する工程;
e)工程d)から得られた該ヘパラン−N−スルファターゼ組成物とヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂とを接触させる工程;
f)吸着された該ヘパラン−N−スルファターゼを、該ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂から溶出する工程;
g)工程f)から得られた該ヘパラン−N−スルファターゼ組成物とカチオン交換クロマトグラフィー樹脂とを接触させる工程;および
h)吸着された該ヘパラン−N−スルファターゼを、該カチオン交換クロマトグラフィー樹脂から溶出する工程、
を包含する、方法。
(項目2)
ヘパラン−N−スルファターゼ組成物と、4−メルカプト−エチル−ピリジンに連結したセルロースマトリクスとを接触させる工程
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物中のウイルスを不活性化する工程
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目4)
工程a)の前記アニオン交換クロマトグラフィー樹脂は、Qセファロースファストフロー樹脂である、項目1に記載の方法。
(項目5)
工程c)の前記疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂は、フェニルセファロース6ファストフロー樹脂である、項目1に記載の方法。
(項目6)
工程e)の前記ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂は、セラミックヒドロキシアパタイトタイプI樹脂である、項目1に記載の方法。
(項目7)
工程g)の前記カチオン交換クロマトグラフィー樹脂は、SPセファロースファストフロー樹脂である、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記ヘパラン−N−スルファターゼを濾過する工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目9)
濾過工程は、ダイアフィルトレーションもしくは限外濾過によって行われる、項目8に記載の方法。
(項目10)
工程a)を行う前に、前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物をpH 約7.0へと調節する工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記溶液は、約50〜約100mMの酢酸ナトリウム濃度を有する、項目10に記載の方法。
(項目12)
工程a)を行う前に、前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を調節して、約3〜約4mS/cmの導電率を得る工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目13)
工程b)の溶出剤は、約pH7.0において約20mM MES−Trisおよび約180mM NaClを含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
工程c)を行う前に、前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を、NaCl濃度 約1.1M〜約1.5M NaClを達成するように調節する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記NaCl濃度は、約1.2Mである、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記組成物を、25℃において導電率 約90〜110mS/cmを得るように調節する工程、
をさらに包含する、項目14に記載の方法。
(項目17)
工程c)を行う前に、前記樹脂を、pH 約7.0および導電率 約100〜約120mS/cmにおいて約20mM MES−TrisおよびNaCl濃度 約1.2Mを含む緩衝液で平衡化する工程、
をさらに包含する、
項目1に記載の方法。
(項目18)
工程c)の吸着された前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を、pH 約7.0において約20mM MES−TrisおよびNaCl濃度 約180mM〜約220mMを含む溶出剤で平衡化する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記NaCl濃度は、約200mMである、項目18に記載の方法。
(項目20)
工程d)において得られた前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を含む溶液を、工程e)を行う前に、濃度 約2mM〜約4mMのNaPO4へと調節する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記NaPO4の濃度は、約2mMに調節される、項目20に記載の方法。
(項目22)
工程e)において前記ヘパラン−N−スルファターゼを前記樹脂から、pH 約7.5において25mM NaPO4を含む溶出剤で溶出する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目23)
工程f)において得られた前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を、工程g)を行う前に、導電率 約3〜約4mS/cmを得るように調節する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記導電率は、約3mS/cmであり、前記溶液は、約pH 5.0において約20mM
酢酸ナトリウムを含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記導電率は、約4mS/cmであり、前記溶液は、約pH 5.0において約40mM
酢酸ナトリウムを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
工程h)は、pH 約5において約50mM 酢酸ナトリウムおよび約90mM NaClを含む溶出剤で行われる、項目1に記載の方法。
(項目27)
前記溶出剤は、導電率 約12〜約14mS/cmを有する、項目26に記載の方法。
本発明の上記で考察される、多くの他の特徴および付随する利点は、添付の実施例とともに理解される場合、本発明の以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されることになる。本明細書に記載される種々の実施形態は、無償提供され、本明細書に含まれる教示に鑑みて、当業者によって理解される様式において一緒に組み合わされ得るかもしくは使用され得る。
(項目1)
ヘパラン−N−スルファターゼを精製するための方法であって、該方法は、
a)ヘパラン−N−スルファターゼ組成物とアニオン交換クロマトグラフィー樹脂とを、該ヘパラン−N−スルファターゼが吸着される条件下で接触させる工程;
b)吸着された該ヘパラン−N−スルファターゼを、該アニオン交換クロマトグラフィー樹脂から溶出する工程;
c)工程b)から得られた該ヘパラン−N−スルファターゼ組成物と、疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂とを接触させる工程;
d)吸着された該ヘパラン−N−スルファターゼを、該疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂から溶出する工程;
e)工程d)から得られた該ヘパラン−N−スルファターゼ組成物とヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂とを接触させる工程;
f)吸着された該ヘパラン−N−スルファターゼを、該ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂から溶出する工程;
g)工程f)から得られた該ヘパラン−N−スルファターゼ組成物とカチオン交換クロマトグラフィー樹脂とを接触させる工程;および
h)吸着された該ヘパラン−N−スルファターゼを、該カチオン交換クロマトグラフィー樹脂から溶出する工程、
を包含する、方法。
(項目2)
ヘパラン−N−スルファターゼ組成物と、4−メルカプト−エチル−ピリジンに連結したセルロースマトリクスとを接触させる工程
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物中のウイルスを不活性化する工程
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目4)
工程a)の前記アニオン交換クロマトグラフィー樹脂は、Qセファロースファストフロー樹脂である、項目1に記載の方法。
(項目5)
工程c)の前記疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂は、フェニルセファロース6ファストフロー樹脂である、項目1に記載の方法。
(項目6)
工程e)の前記ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂は、セラミックヒドロキシアパタイトタイプI樹脂である、項目1に記載の方法。
(項目7)
工程g)の前記カチオン交換クロマトグラフィー樹脂は、SPセファロースファストフロー樹脂である、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記ヘパラン−N−スルファターゼを濾過する工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目9)
濾過工程は、ダイアフィルトレーションもしくは限外濾過によって行われる、項目8に記載の方法。
(項目10)
工程a)を行う前に、前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物をpH 約7.0へと調節する工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記溶液は、約50〜約100mMの酢酸ナトリウム濃度を有する、項目10に記載の方法。
(項目12)
工程a)を行う前に、前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を調節して、約3〜約4mS/cmの導電率を得る工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目13)
工程b)の溶出剤は、約pH7.0において約20mM MES−Trisおよび約180mM NaClを含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
工程c)を行う前に、前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を、NaCl濃度 約1.1M〜約1.5M NaClを達成するように調節する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記NaCl濃度は、約1.2Mである、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記組成物を、25℃において導電率 約90〜110mS/cmを得るように調節する工程、
をさらに包含する、項目14に記載の方法。
(項目17)
工程c)を行う前に、前記樹脂を、pH 約7.0および導電率 約100〜約120mS/cmにおいて約20mM MES−TrisおよびNaCl濃度 約1.2Mを含む緩衝液で平衡化する工程、
をさらに包含する、
項目1に記載の方法。
(項目18)
工程c)の吸着された前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を、pH 約7.0において約20mM MES−TrisおよびNaCl濃度 約180mM〜約220mMを含む溶出剤で平衡化する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記NaCl濃度は、約200mMである、項目18に記載の方法。
(項目20)
工程d)において得られた前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を含む溶液を、工程e)を行う前に、濃度 約2mM〜約4mMのNaPO4へと調節する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記NaPO4の濃度は、約2mMに調節される、項目20に記載の方法。
(項目22)
工程e)において前記ヘパラン−N−スルファターゼを前記樹脂から、pH 約7.5において25mM NaPO4を含む溶出剤で溶出する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目23)
工程f)において得られた前記ヘパラン−N−スルファターゼ組成物を、工程g)を行う前に、導電率 約3〜約4mS/cmを得るように調節する工程、
をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記導電率は、約3mS/cmであり、前記溶液は、約pH 5.0において約20mM
酢酸ナトリウムを含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記導電率は、約4mS/cmであり、前記溶液は、約pH 5.0において約40mM
酢酸ナトリウムを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
工程h)は、pH 約5において約50mM 酢酸ナトリウムおよび約90mM NaClを含む溶出剤で行われる、項目1に記載の方法。
(項目27)
前記溶出剤は、導電率 約12〜約14mS/cmを有する、項目26に記載の方法。
本発明の上記で考察される、多くの他の特徴および付随する利点は、添付の実施例とともに理解される場合、本発明の以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されることになる。本明細書に記載される種々の実施形態は、無償提供され、本明細書に含まれる教示に鑑みて、当業者によって理解される様式において一緒に組み合わされ得るかもしくは使用され得る。
(詳細な説明)
本明細書に記載される特定の実施形態は、精製されたHNS(MPS IIIAの処置において使用するためのリソソーム酵素)を調製するための方法およびプロセスを提供する。本明細書に記載される特定の実施形態は、被験体(例えば、MPS IIIAを有する被験体)を、本明細書で開示される精製されたHNS組成物で処置するための方法を提供する。HNSを精製するためのプロセスは、当該分野で公知である。例えば、Hemsleyら、Mol. Genet. Metab. 90:313〜328(2007);米国特許出願公開番号2009/0186011(これらの各々は、本明細書に参考として援用される)を参照のこと。しかし、HNSを精製するための以前に公開された方法は、製造可能ではなかったし、容易にスケールアップされなかったし、そして/またはヒトにおける使用に適した純粋なHNSを再現可能に生成しない。
本明細書に記載される特定の実施形態は、精製されたHNS(MPS IIIAの処置において使用するためのリソソーム酵素)を調製するための方法およびプロセスを提供する。本明細書に記載される特定の実施形態は、被験体(例えば、MPS IIIAを有する被験体)を、本明細書で開示される精製されたHNS組成物で処置するための方法を提供する。HNSを精製するためのプロセスは、当該分野で公知である。例えば、Hemsleyら、Mol. Genet. Metab. 90:313〜328(2007);米国特許出願公開番号2009/0186011(これらの各々は、本明細書に参考として援用される)を参照のこと。しかし、HNSを精製するための以前に公開された方法は、製造可能ではなかったし、容易にスケールアップされなかったし、そして/またはヒトにおける使用に適した純粋なHNSを再現可能に生成しない。
本明細書に開示される方法に従ってHNSを生成および精製すると、低下した量の夾雑物を含むHNSが提供される。本明細書に記載される方法によって生成されるHNSは、治療剤(例えば、MPS IIIAの処置のための)としての使用に特に十分に適している。
ヘパラン−N−スルファターゼは、名称N−スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ;SGSH;EC 3.10.1.1;N−スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ;2−デスオキシ−D−グルコシド−2−スルファメートスルホヒドロラーゼ(スルファメートスルホヒドロラーゼ);ヘパリンスルファミダーゼ;スルホグルコサミンスルファミダーゼ;スルファミダーゼ;HNS、rhHNS、スルファミダーゼ、rhNS、およびrhSGSHによって、当該分野でも公知であるリソソーム酵素である。用語「HNS」とは、本明細書で使用される場合、この酵素(その機能的フラグメントおよび/もしくは誘導体を含む)およびその任意の薬学的に受容可能な形態を包含する。ヘパリン−N−スルファターゼは、Online Mendelian Inheritance in Man (OMIM)識別番号OMIM 605270(この登録は、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/605270においてオンラインにて公に利用可能である)と関連する。このオンライン登録の内容全体、およびそこにリンクされた全てのページは、本明細書に参考として援用される。
本明細書で使用される場合、「HNS組成物」とは、種々の純度状態において、HNSを含む任意の組成物を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「実質的に純粋な」とは、タンパク質もしくはポリペプチドが、それらの意図された使用に実用的かつ適切な程度まで、他の物質を本質的に含まないことを意味する。特に、上記タンパク質は十分に純粋であり、例えば、薬学的調製物において有用であるように、それらの宿主細胞およびウイルスの他の生物学的夾雑物を十分に含まない。本明細書で使用される場合、「実質的に純粋なHNS」とは、単離されたかもしくは合成され、かつ夾雑物を約90%超含まない、HNSの調製物である。好ましくは、上記物質は、夾雑物を、80%超、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくはさらに99%超含まない。純度の程度は、当該分野で公知の手段によって評価され得る。
用語「処置する(treat)」および「処置すること(treating)」とは、本明細書で使用される場合、被験体における疾患の進行を逆転させる(reversing)もしくはブロックすることをいう。
HNSは、天然に存在する酵素であるので、これは、上記タンパク質を作製するために適した宿主細胞から得られた細胞培養上清培地から単離することによって、代表的には調製される。特定の実施形態において、上記宿主細胞は、HNSを生成するように遺伝的に操作される。例えば、HNSを生成する細胞機構を担う遺伝子は、細菌もしくは真菌のような微生物へと入れられ得る。他の実施形態において、HNSを生成する上記細胞機構を担う遺伝子は、哺乳動物細胞へと入れられ得る。使用され得る哺乳動物細胞の非限定的例としては、BALB/cマウス骨髄腫株(NSO/l, ECACC No: 85110503);ヒト網膜芽細胞(PER.C6, CruCell, Leiden, The Netherlands);SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS−7, ATCC CRL 1651);ヒト胚性腎臓株(293細胞もしくは懸濁培養物において増殖するためにサブクローニングされた293細胞, Grahamら、J. Gen Virol., 36:59,1977);ヒト線維肉腫細胞株(HT1080);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK, ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞 +/−DHFR(CHO, Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216, 1980);マウスセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243−251, 1980);サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76, ATCC CRL−1 587);ヒト子宮頸癌細胞(HeLa, ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK, ATCC CCL 34);バッファローラット(buffalo rat)肝臓細胞(BRL 3A, ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138, ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2, HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562, ATCC CCL51);TRI細胞(Matherら、Annals N.Y. Acad. Sci., 383:44−68, 1982);MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒト肝細胞癌株(Hep G2)が挙げられる。
本明細書に提供される特定の局面において、上記宿主細胞の培養条件は、高レベルのHNSと最小レベルの夾雑物を生成するように最適化される。本明細書に提供される別の局面において、HNSを精製するためのプロセスは、生物学的物質、特に、HNSおよび他の夾雑タンパク質を含む粗製混合物(出発材料サンプルもしくはバルク材料といわれる)との使用について意図される。本明細書に提供される一局面によれば、HNSを精製するための方法は、特に、組換えプロセスの培養培地もしくはバルク材料の粗製調製物からの組換えヒトHNS(rhHNS)の精製について記載される。この方法によって得られるrhHNSは、高い程度の純度および高い生体比活性(specific bioactivity)(例えば、少なくとも10ユニット/mg、少なくとも15ユニット/mg、少なくとも20ユニット/mg、少なくとも25ユニット/mg、少なくとも30ユニット/mg、少なくとも35ユニット/mg、少なくとも40ユニット/mg、少なくとも45ユニット/mg、少なくとも47ユニット/mg、少なくとも50ユニット/mg、少なくとも60ユニット/mg、少なくとも70ユニット/mg、少なくとも75ユニット/mg、少なくとも85ユニット/mg、少なくとも90ユニット/mg、少なくとも100ユニット/mg以上の範囲において)を有し、上記培養培地に存在する宿主細胞タンパク質および上記組換えプロセスにおいて使用される宿主細胞に含まれる核酸もしくは他の夾雑物を、事実上含まない。
一実施形態において、HNSの上記サンプルは、細胞培養上清培地を集めることによって最初に構成される。上記粗製溶液は、濾過もしくは濃縮され得、上記細胞培養に由来する夾雑物を除去して、バルク材料を生成するために1つ以上の工程に供され得ることが予期される。本明細書に記載される精製プロセスは、HNSの所望の程度の純度を達成するために、1種以上のその後のクロマトグラフィー工程(例えば、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、もしくはより多くのクロマトグラフィー工程)を包含し得る。
特定の実施形態において、半精製材料が、メルカプト−エチル−ピリジンに曝すことによって最初に捕捉される。一実施形態において、上記メルカプト−エチル−ピリジンは、セルロースマトリクスに連結された4−メルカプト−エチル−ピリジンである。
別の実施形態において、上記HNS材料は、さらに精製される前に、ウイルス不活性化に供される。ウイルス不活性化は、例えば、1% Tween 80および0.3% TnBPを、処理中のHNSサンプルもしくは培地に加え、周囲温度において3〜16時間保持することによって、達成され得る。この工程は、上記精製スキームにおいて任意の時点で行われ得る。さらに、0.2μmフィルタを使用して上記HNS組成物を濾過することが、任意の添加する工程へと組み込まれ得る。
さらに他の実施形態において、上記得られたHNS材料は、必要に応じて、カラムクロマトグラフィー精製の前に容積を低下させられ得る。他の実施形態において、上記容積は、上記カラムクロマトグラフィー工程の後に富化されたHNS溶離液の回収後に低下させられる。
特定の実施形態において、一連のクロマトグラフィー工程によってHNSを精製するための方法およびプロセスが、含まれる。特定の実施形態において、上記開示されるカラムクロマトグラフィー精製工程の各々の実施は、必ずしも行われる必要はない。同様に、複数のカラムクロマトグラフィー工程が開示される程度まで、このような工程は、逐次的にもしくは記載される順序において行われる必要はない。例えば、特定の実施形態において、上記HNSは、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種以上のカラムクロマトグラフィー精製工程を使用して精製される。同様に、特定の実施形態において、上記記載されるカラムクロマトグラフィー工程のうちの1種以上が、複数回行われ得る。いくつかの実施形態において、上記クロマトグラフィー工程のうちの1種以上は、クロマトグラフィー媒体もしくは樹脂を添加する工程、平衡化する工程、洗浄する工程、および溶出する工程を包含する。上記クロマトグラフィー精製工程の各々の逐次的実施に関する前述の記述にも関わらず、上記カラムクロマトグラフィー精製工程の各々を含む個々の構成要素が、記載される順序において行われることが意図されることは理解されるべきである。例えば、当業者によって認識されるように、各クロマトグラフィー精製工程を一般に含む添加する工程、平衡化する工程、洗浄する工程および溶出する工程は、上記記載される順序において行われることが意図される。
例示的精製技術としては、バッチクロマトグラフィーおよびカラムクロマトグラフィーが挙げられる。いくつかの実施形態において、HNS組成物は、精製の間に一連のクロマトグラフィー媒体と接触させられる。特定の実施形態において、上記クロマトグラフィー媒体もしくは樹脂は、1種以上のアニオン交換樹脂を含む。別の実施形態において、上記クロマトグラフィー媒体もしくは樹脂は、1種以上の疎水性相互作用樹脂を含む。さらに別の実施形態において、上記クロマトグラフィー媒体もしくは樹脂は、1種以上のヒドロキシアパタイト樹脂を含む。他の実施形態において、上記クロマトグラフィー媒体もしくは樹脂は、1種以上のカチオン交換樹脂を含む。
特定の実施形態において、上記クロマトグラフィー媒体もしくは樹脂は、アニオン交換樹脂、疎水性相互作用樹脂、ヒドロキシアパタイト樹脂、およびカチオン交換樹脂を含む。特定の実施形態において、上記抽出された材料は、Qセファロースを充填したカラム、続いて、フェニルセファロースを充填したカラム、続いて、セラミックヒドロキシアパタイトタイプIを充填したカラム;そして続いて最後に、SPセファロースを充填した別のカラムを使用して精製される。上記抽出された材料を精製するための予期された工程は、全て行われる必要はない。例えば、特定の実施形態において、上記抽出された材料は、Qセファロースを充填したカラム、続いて、フェニルセファロースを充填したカラム、続いて、セラミックヒドロキシアパタイトタイプIを充填したカラムを使用して精製される。同様に、上記抽出された材料を精製するための予期された工程は、任意の特定の順序で行われる必要はない。例えば、特定の実施形態において、上記抽出された材料は、Qセファロースを充填したカラム、続いて、フェニルセファロースを充填したカラム、続いて、SPセファロースを充填した別のカラム;続いて最後に、セラミックヒドロキシアパタイトタイプIを充填したカラムを使用して精製される。前述の実施形態の各々において、上記カラムの各々は、必要に応じて、緩衝化溶液もしくは他の水溶液で洗浄され、続いて、水溶液を用いてHNSが溶出される。特定の実施形態において、上記HNS組成物は、各工程の間に上記クロマトグラフィー媒体から溶出される。各溶出工程は、次の精製工程に進む前に、1回以上反復され得ることが予期される。特定の実施形態において、上記抽出された材料は、濾過によってさらに精製される。さらに他の実施形態において、上記抽出された材料は、クロマトグラフィーの前、後もしくは間に、ウイルス不活性化に供される。
一実施形態において、上記クロマトグラフィー媒体もしくは樹脂は、アニオン交換樹脂を含む。特定の実施形態において、上記HNS組成物と上記アニオン交換クロマトグラフィー樹脂とを接触させる工程は、例えば、第1、第2、第3もしくは第4のクロマトグラフィー工程である。種々のクロマトグラフィー樹脂もしくは媒体が使用され得、これらとしては、例えば、GE HealthCare製、Tosoh Biosciences製、Applied Biosystems製、Bio−Rad製、およびPall製の樹脂が挙げられる。適切なアニオン交換クロマトグラフィー媒体の例は、ジエチルアミノエチル(DEAE)、四級アミノエチル(QAE)もしくは四級アンモニウム(Q)樹脂である。特定の実施形態において、上記アニオン交換クロマトグラフィー樹脂は、Qセファロースファストフロー樹脂である。
別の実施形態において、上記HNSを精製するためのプロセスは、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む。いくつかの実施形態において、上記HNS組成物は、上記精製プロセスにおける中間工程として、疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂と接触させられる。他の実施形態において、上記HNS組成物と上記疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂とを接触させる工程は、例えば、第1、第2、第3もしくは第4のクロマトグラフィー工程である。適切な疎水性相互作用クロマトグラフィー媒体の例としては、フェニル、オクチル、ブチル、ヘキシル、プロピル、PPG、もしくはエーテルが挙げられる。特定の実施形態において、上記HNS抽出物の精製は、フェニルセファロース
6ファストフローカラムを使用して行われる。特定の実施形態において、上記疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂との接触から生じる上記HNS組成物もしくは溶離液は、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂とさらに接触させられる。
6ファストフローカラムを使用して行われる。特定の実施形態において、上記疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂との接触から生じる上記HNS組成物もしくは溶離液は、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂とさらに接触させられる。
さらに別の実施形態において、上記クロマトグラフィー媒体もしくは樹脂は、ヒドロキシアパタイト(HA)樹脂を含む。他の実施形態において、上記HNS組成物と上記ヒドロキシアパタイト樹脂とを接触させる工程は、例えば、第1、第2、第3もしくは第4のクロマトグラフィー工程である。いくつかの実施形態において、上記HNSを含む抽出物は、セラミックヒドロキシアパタイトタイプIを充填したカラムを使用して精製される。いくつかの実施形態において、上記HNSを含む抽出物は、セラミックヒドロキシアパタイトタイプIIを充填したカラムを使用して精製される。さらに別の実施形態において、上記ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー樹脂との相互作用から集められた上記HNS組成物もしくは溶離液は、カチオン交換クロマトグラフィー樹脂とさらに接触させられる。
特定の実施形態において、上記HNS組成物は、カチオン交換クロマトグラフィー工程を使用してさらに精製される。特定の実施形態において、上記カチオン交換クロマトグラフィー工程を使用する精製は、HNSの精製における中間工程である。他の実施形態において、上記HNS組成物と上記カチオン交換クロマトグラフィー樹脂とを接触させる工程は、第1、第2、第3、第4もしくは最後のクロマトグラフィー工程である。いくつかの実施形態において、上記クロマトグラフィー媒体もしくは樹脂は、カチオン交換樹脂を含む。適切なカチオン交換クロマトグラフィー媒体の例としては、カルボキシメチル(CM)、スルホプロピル(SP)もしくはメチルスルホネート(S)のようなクロマトグラフィー媒体が挙げられる。いくつかの実施形態において、上記カチオン交換クロマトグラフィー樹脂は、SPセファロースファストフロー樹脂である。
一実施形態において、上記カチオン交換工程後に得られたHNSは、さらに濾過される。特定の実施形態において、上記HNSは、例えば、ダイアフィルトレーションもしくは限外濾過によってさらに濾過される。
一工程において、上記精製は、上記粗製HNSを含む材料が、マトリクスに添加しられ、予備平衡化された場合に生じる。次いで、上記マトリクスは、不純物を除去するために洗浄される。カラム特性は、種々の勾配での溶出を可能にするためにサイズおよび長さの両方において変化させられ得ることが予期される。当業者によって認識されるように、上記洗浄溶媒もしくは溶出溶媒は、使用されるマトリクスおよびこのような環境における上記HNSの極性によって決定される。
アニオン交換クロマトグラフィー樹脂からの上記バルクHNS組成物からのHNSの抽出および/もしくは精製は、pHレベルを調節する際に最適化され得る。例えば、7.0というpHレベルは、抽出および精製を最適化することが示された。よって、特定の実施形態において、上記未精製バルクHNS組成物のpHは、上記HNSと上記アニオン交換クロマトグラフィー樹脂とを接触させる前に、pH 約7.0に調節される。特定の実施形態において、上記アニオン交換カラムに添加しられるべき材料は、約50mM〜約100mM 酢酸Naに調節される。いくつかの実施形態において、上記アニオン交換樹脂に添加しられるべき上記HNS組成物を含む溶液は、約50〜約100mMの酢酸ナトリウム濃度を有する。上記HNS組成物の導電率 約3〜4mS/cmは、アニオン交換クロマトグラフィー樹脂を使用して、高pIのHNS種の除去を促進することが決定された。よって、特定の実施形態において、上記HNS組成物の導電率は、上記HNS組成物とアニオン交換クロマトグラフィー樹脂とを接触させる前に、導電率 約3〜約4mS/cmを得るように調節される。別の実施形態において、上記導電率は、上記HNS組成物と上記アニオン交換クロマトグラフィー樹脂とを接触させる前に、約3.5mS/cmへと調節される。特定の実施形態において、上記HNS組成物は、上記アニオン交換カラムに添加しる前に、ウイルス不活性化される。さらに別の実施形態において、上記HNS組成物は、上記アニオン交換カラムに添加しる前に、0.2μmフィルタを使用して濾過される。
一実施形態において、上記アニオン交換カラムは、上記富化されたHNS組成物を上記アニオン交換カラムから溶出する前に、pH 約7.0において約20mM MES−Trisおよび約20mM NaClを含む約5カラム容積の緩衝液で洗浄される。特定の実施形態においては、各クロマトグラフィー樹脂との接触の間にさらなる溶出工程がある。一実施形態において、上記HNSは、上記アニオン交換クロマトグラフィー樹脂から、約pH 7.0において約20mM MES−Trisおよび約180mM NaClを含む緩衝液を使用して溶出される。特定の実施形態において、上記フロースルーおよび洗浄物中の富化されたHNSの%回収は、吸光度単位、酵素活性もしくはELISAによって測定される。一実施形態において、上記宿主細胞タンパク質クリアランスは、この工程後、約2倍である。別の実施形態において、上記プロセスは、高pIのHNSのうちの約10〜約25%を除去する。さらに別の実施形態において、上記高pIのHNSの除去は、改善された溶解度をもたらす。
特定の実施形態において、上記疎水性相互作用樹脂は、上記HNS組成物と上記疎水性相互作用カラムとを接触させる前に、pH 約7.0において約20mM MES−TrisおよびNaCl濃度 約1.1〜1.5M、ならびに導電率 約90〜約120mS/cmを含む緩衝液で平衡化される。このような濃度、pHおよび導電率は、上記疎水性相互作用カラムへのHNSの結合、それによって、上記HNS組成物の精製の最適化を促進する。
特定の実施形態において、富化されたHNSを含む、上記アニオン交換クロマトグラフィー工程からの溶離液は、上記疎水性相互作用工程のための出発材料である。一実施形態において、上記HNS組成物のNaCl濃度は、上記HNS組成物と上記疎水性相互作用カラムとを接触させる前に、NaCl濃度 約1.1M〜約1.5M NaClを達成するために調節される。別の実施形態において、上記NaCl濃度は、上記HNS組成物と上記疎水性相互作用カラムとを接触させる前に、約1.2Mに調節される。上記HNS組成物のpHは、上記疎水性相互作用カラムと接触させられる前に、約7.0へと調節される。いくつかの実施形態において、上記HNS組成物は、上記HNS組成物と上記疎水性相互作用カラムとを接触させる前に、25℃において導電率 約85〜120mS/cmを得るように調節される。いくつかの実施形態において、上記HNS組成物は、上記HNS組成物と上記疎水性相互作用カラムとを接触させる前に、25℃において導電率 約90〜110mS/cmを得るように調節される。
特定の実施形態において、上記疎水性相互作用樹脂に吸着される上記HNS組成物は、pH 約7.0において、不純物を洗い流すために約20mM MES−TrisおよびNaCl濃度 約1.1M〜約1.5Mを含む4カラム容積の緩衝液で洗浄される。さらに別の実施形態において、上記NaCl濃度は、約1.2Mである。
一実施形態において、上記疎水性相互作用カラムは、上記疎水性相互作用カラムから上記富化されたHNS組成物を溶出するために、pH 約7.0において約20mM MES−Trisおよび約180〜220mM NaClを含む約4カラム容積の緩衝液で溶出される。特定の実施形態においては、さらなる溶出工程がある。一実施形態において、上記HNSは、精製されたHNSの回収を最適化するために、約pH 7.0において約20mM MES−Trisおよび約200mM NaClを含み、導電率が25℃において約19〜約23mS/cmの範囲の緩衝液を使用して、上記疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂から溶出される。別の実施形態において、上記pH範囲は、約6.9〜7.1である。特定の実施形態において、上記フロースルーおよび洗浄物中の富化されたHNSの%回収は、吸光度単位、酵素活性もしくはELISAによって測定される。一実施形態において、上記宿主細胞タンパク質クリアランスは、この工程後、約35〜45倍である。
特定の実施形態において、上記疎水性相互作用カラムから得られた、富化されたHNSのプールされた溶離液は、ヒドロキシアパタイトカラムを使用する精製のための出発材料として使用され得る。いくつかの実施形態において、上記疎水性相互作用カラムからの溶出後の上記HNS組成物を含む溶液は、精製を最適化するために、約2mM〜約4mMのNaPO4の濃度に調節される。特定の実施形態において、NaPO4の濃度は、約2mMおよびpH 約7.0+0.1に調節される。一実施形態において、上記平衡化緩衝液は、約pH 7.0において、約20mM MES−Trisおよび約200mM NaClを含む。特定の実施形態において、上記平衡化緩衝液のpHは、約7.0〜約7.2に調節される。さらに別の実施形態において、上記HNS組成物は、上記アニオン交換カラムに添加しる前に、0.2μmフィルタを使用して濾過される。別の実施形態において、上記平衡化緩衝液は、pH 約7.0において、約2mM NaPO4、約20mM MES−Trisおよび約200mM NaClを含む。
一実施形態において、上記ヒドロキシアパタイトカラムは、上記富化されたHNS組成物を上記ヒドロキシアパタイトカラムから溶出する前に、pH 約7.0〜約7.2において、約2mM〜約4mMのNaPO4、約20mM MES−Trisおよび約200mM NaClを含む約4カラム容積の緩衝液で洗浄される。別の実施形態において、上記洗浄緩衝液は、pH 約7.0において、約2mM NaPO4、約20mM MES−Trisおよび約200mM NaClを含む。
いくつかの実施形態において、上記ヒドロキシアパタイトカラムと接触させられたHNSは、pH 約7.4〜約7.6において、約25mM NaPO4を含む溶液で溶出される。別の実施形態において、上記ヒドロキシアパタイトカラムに添加しられたHNSは、pH 約7.0〜約7.6において、約20mM NaPO4〜約30mM NaPO4を含む溶出剤で溶出される。一実施形態において、上記溶出緩衝液は、pH 約7.5+0.1において、約20mM NaPO4、約25mM MES−Trisを含む。特定の実施形態において、上記溶出工程は、少なくとも1回反復され得る。特定の実施形態において、上記フロースルーおよび洗浄物中の富化されたHNSの%回収は、吸光度単位、酵素活性もしくはELISAによって測定される。
特定の実施形態において、上記ヒドロキシアパタイトカラムから得られた、富化されたHNSのプールされた溶離液は、カチオン交換カラムを使用する精製のための出発材料として使用され得る。さらに別の実施形態において、上記出発材料中のHNS組成物は、上記カチオン樹脂へのHNSの結合を最適化するために、上記カチオン交換カラムに添加しられる前に、導電率 約3〜約4mS/cmを得るように調節される。いくつかの実施形態において、上記導電率は、約3mS/cmに調節され、上記溶液は、上記カチオンカラムへのHNSの結合を最適化するために、約pH 5.0において約20mM 酢酸ナトリウムを含む。さらに別の実施形態において、上記カチオン交換樹脂に添加しられる上記HNS組成物の導電率は、約4mS/cmであり、上記溶液は、上記カチオンカラムへのHNSの結合を最適化するために、約pH 5.0において約40mM 酢酸ナトリウムを含む。別の実施形態において、上記カチオン交換樹脂に添加しられる上記HNS組成物の導電率は、約3.5mS/cm+0.5であり、上記pHは、約5.0である。別の実施形態において、上記HNS組成物は、 上記カチオン交換カラムに添加しる前に、0.2μmフィルタを使用して濾過される。
一実施形態において、上記平衡化緩衝液は、約50mM 酢酸Na、約20〜約40mM NaClおよびpH 約5.0を含む。特定の実施形態において、上記平衡化緩衝液のpHは、約4.9〜約5.1に調節される。別の実施形態において、上記平衡化緩衝液は、約50mM 酢酸Na、約20mM NaCl、pH 約5.0を含み、導電率は、約5〜約7mS/cmの範囲に及ぶ。
一実施形態において、上記カチオン交換カラムは、上記カチオン交換カラムから上記富化されたHNS組成物を溶出する前に、pH 約5.0〜約7.2において、約50mM
酢酸Na、約20mM〜40mM NaClを含む約4カラム容積の緩衝液で洗浄される。別の実施形態において、上記洗浄緩衝液は、約50mM 酢酸Na、約20mM NaCl、pH 約5.0を含み、導電率は、約5〜約7mS/cmの範囲に及ぶ。
酢酸Na、約20mM〜40mM NaClを含む約4カラム容積の緩衝液で洗浄される。別の実施形態において、上記洗浄緩衝液は、約50mM 酢酸Na、約20mM NaCl、pH 約5.0を含み、導電率は、約5〜約7mS/cmの範囲に及ぶ。
いくつかの実施形態において、上記カチオン交換樹脂からの上記HNSの溶出は、pH
約4.9〜約5.1において、約50mM 酢酸ナトリウムおよび約90mM〜約100mM NaClを含む溶出剤で行われる。特定の実施形態において、上記カチオン交換樹脂からの上記HNSの溶出は、pH 約5.0+0.1において、約50mM 酢酸ナトリウムおよび約90mM NaClを含む溶出剤で行われる。特定の実施形態において、上記溶出剤は、約12〜約14mS/cmの導電率範囲を有する。特定の実施形態において、上記溶出工程は、少なくとも1回反復され得る。特定の実施形態において、上記フロースルーおよび洗浄物中の上記富化されたHNSの%回収は、吸光度単位、酵素活性もしくはELISAによって測定される。
約4.9〜約5.1において、約50mM 酢酸ナトリウムおよび約90mM〜約100mM NaClを含む溶出剤で行われる。特定の実施形態において、上記カチオン交換樹脂からの上記HNSの溶出は、pH 約5.0+0.1において、約50mM 酢酸ナトリウムおよび約90mM NaClを含む溶出剤で行われる。特定の実施形態において、上記溶出剤は、約12〜約14mS/cmの導電率範囲を有する。特定の実施形態において、上記溶出工程は、少なくとも1回反復され得る。特定の実施形態において、上記フロースルーおよび洗浄物中の上記富化されたHNSの%回収は、吸光度単位、酵素活性もしくはELISAによって測定される。
本明細書に記載される別の実施形態は、夾雑物を約90%超含まない純度レベルへと上記の方法によって単離された、精製されたHNSである。好ましくは、上記材料は、夾雑物を80%超、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくはさらに99%超含まない。純度の程度は、当該分野で公知の任意の適切な手段によって評価され得る。
本明細書で記載される生成物およびプロセスは、グリコサミノグリカンが、上記疾患の発生および/もしくは進行において重要であることが分かった、被験体における任意の疾患/状態を処置および/もしくは予防するために有用であり得る。特定の実施形態は、HNSが非機能的であるか存在しないかのいずれかである、被験体における任意の疾患もしくは状態を処置および/もしくは予防のために特に有用であり得る。疾患を処置することはまた、上記疾患もしくは上記疾患の症状における所望の改善を実行する(exacting)工程を包含する。
本明細書で開示される組成物は、単独で、もしくは被験体におけるムコ多糖症もしくはその後遺症と関連する疾患を処置するための別の治療剤と組み合わせて、使用され得る。これらさらなる治療剤は、上記組成物を投与する前に投与され得るか、またはそれらは、上記組成物を投与すると同時にもしくは投与した後に、投与され得る。被験体は、例えば、任意のヒトもしくは非ヒト脊椎動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ)であり得る。
一実施形態において、上記精製されたHNS組成物のための処方緩衝液は、リン酸緩衝液(例えば、5mM リン酸ナトリウム、145mM NaCl、pH 7.0)であり得る。他の適切な緩衝液は、当業者に公知である。
特定の実施形態において、最終HNS濃度は、5g/Lを上回るか、10g/Lを上回るか、15g/Lを上回るか、20g/Lを上回る。
本明細書に記載される精製されたHNS組成物は、局所的に(眼科的に、ならびに膣送達および直腸送達を含む粘膜に対するものを含む)、肺に(例えば、ネブライザーによるものを含む散剤もしくはエアロゾルの吸入法もしくは通気法によって;気管内に、鼻内に)、経口的にもしくは非経口的に、投与され得る。特定の実施形態において、非経口投与が好ましく、静脈内投与、動脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、頭蓋内投与、髄腔内投与もしくは心室内(intraventricular)投与を含む。
本明細書に記載される実施形態は、以下の実施例によってさらに例示される。上記実施例は、限定するとして解釈されるべきではない。冠詞「1つの、ある(a)」および「1つの、ある(an)」は、本明細書および特許請求の範囲においてここで使用される場合、明らかにそうでないことが示されなければ、複数形への言及を含むことが理解されるべきである。ある群の1つ以上のメンバー間で「もしくは、または、あるいは(or)」を含む請求項もしくは説明は、上記群のメンバーのうちの1つ、1つより多い、もしくは全てが、そうでないことが示されなければ、もしくは別段状況から明らかにならなければ、所定の生成物もしくはプロセスに存在するか、使用されるか、または他の点で関連するのであれば、満たしていると考えられる。本発明は、上記群のうちの正確に1つのメンバーが、所定の生成物もしくはプロセスに存在するか、使用されるか、もしくは他の点で関連する実施形態を包含する。本発明はまた、1つより多くの、もしくは全体の群のメンバーが、所定の生成物もしくはプロセスに存在するか、使用されるか、もしくは他の点で関連する実施形態を包含する。さらに、本発明は、全てのバリエーション、組み合わせ、および置換(permutation)(ここで列挙された請求項のうちの1つ以上からの1つ以上の限定、要素、節(clause)、記述用語などは、別段示されなければ、もしくは矛盾もしくは不整合が生じることが当業者に明らかでなければ、同じ基礎請求項(もしくは関連する任意の他の請求項として)に従属する別の請求項へと導入される)を包含することは、理解されるべきである。要素が列挙として示される場合、(例えば、マーカッシュグループもしくは類似の形式において)上記要素の各サブグループもまた開示され、任意の要素が上記グループから除かれ得ることは、理解されるべきである。一般に、本発明、もしくは本発明の局面が特定の要素、特徴などを含むとして言及される場合、本発明もしくは本発明の局面の特定の実施形態が、このような要素、特徴などからなるか、もしくはこれらから本質的になることは、理解されるべきである。単純化する目的で、それら実施形態は、あらゆる場合において、本明細書中で非常に多くの語句で具体的に示されてこなかった。本発明の任意の実施形態もしくは局面は、具体的な除外が本明細書に記載されるか否かに拘わらず、特許請求の範囲から明確に排除され得ることもまた、理解されるべきである。本願全体を通して引用される参考文献(文献参照、発行された特許および公開された特許出願およびウェブサイトを含む)の全ての内容全体は、明示的に本明細書に参考として援用される。
実施例I
ヒトHNSの精製
本研究の目的は、多量の組換えヒトHNS(増大した溶解度を有する)を得ることであった。安定にトランスフェクトしたHT1080細胞を、バイオリアクター培養条件下で増殖させ、活性HNS酵素を、細胞培地から精製した。使用される液体クロマトグラフィー装置は、GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のAKTA Explorer Chromatography System、Model: 18−1403−00)およびThermo Scientific(Waltham, MA)製のGenesys 6 UV−Vis Spectrophotometer、カタログ番号#335908000,Serial 2M6F078007)であった。以下のクロマトグラフィー樹脂を使用した: GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のQセファロースファストフロー,カタログ番号17−0510−04);GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のフェニルセファロース 6ファストフロー,カタログ番号17−0973−04);GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のSPセファロースファストフロー,カタログ番号17−0729−04);およびBio−Rad(Hercules, CA)製のセラミックヒドロキシアパタイト,タイプI,80μm粒度,カタログ番号157−0085)。
ヒトHNSの精製
本研究の目的は、多量の組換えヒトHNS(増大した溶解度を有する)を得ることであった。安定にトランスフェクトしたHT1080細胞を、バイオリアクター培養条件下で増殖させ、活性HNS酵素を、細胞培地から精製した。使用される液体クロマトグラフィー装置は、GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のAKTA Explorer Chromatography System、Model: 18−1403−00)およびThermo Scientific(Waltham, MA)製のGenesys 6 UV−Vis Spectrophotometer、カタログ番号#335908000,Serial 2M6F078007)であった。以下のクロマトグラフィー樹脂を使用した: GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のQセファロースファストフロー,カタログ番号17−0510−04);GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のフェニルセファロース 6ファストフロー,カタログ番号17−0973−04);GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のSPセファロースファストフロー,カタログ番号17−0729−04);およびBio−Rad(Hercules, CA)製のセラミックヒドロキシアパタイト,タイプI,80μm粒度,カタログ番号157−0085)。
本実施例において使用されるクロマトグラフィーカラムは、Kontes Glas(Vineland, NJ)製のKontes 30×1.0cmカラム(カタログ番号420830−3000);GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のXK 16/40カラム(カタログ番号18−8774−01);GE Healthcare(Piscataway, NJ)製のXK 5/30カラム(カタログ番号18−8751−01);およびBio−Chem Valve(Boonton, NJ)製のOmnifit 10×25mmカラム(カタログ番号006CC−10−02−AF)を含む。
Cygnus Technologiesに特注したHT1080宿主細胞溶解物に対するヤギ抗体を利用するサンドイッチベースのELISAアッセイを使用して、宿主細胞タンパク質濃度を決定した。サンプル希釈剤(20mM リン酸ナトリウム、0.1% ProClin 300, pH 6.0)中で希釈した50μlのサンプル、アッセイコントロール(75ng/ml)および標準物質を、100μlのHRP結合体化抗体(結合体希釈剤:3mg/ml 通常ヤギIgGを有するCygnus Technologies HRP結合体希釈剤中で1:95希釈)とともに、予め被覆したマイクロELISAプレート上で2時間にわたって周囲温度において、Titer Plate振盪機で同時にインキュベートした。
上記ウェルの内容物をインキュベーションの最後に除去し、上記プレートを、ELISA洗浄緩衝液(0.425% NaCl(w/v)、0.025% ProClin 300を含む25mM Tris−HCl,pH7.2)で4回洗浄した。次いで、TMB基質溶液(テトラメチルベンジジン(tetramethyl benzediene);BioFx TMBW1000−01)の100μlを、各ウェルに加え、上記プレートをさらに30分間インキュベートした。比色反応を、100μlの停止溶液(0.5N H2SO4)を加えることによって停止させ、450nmの吸光度を、650nmに設定したバックグラウンドを差し引きしてSPECTRAmax PLUS 384 Microplate Spectrophotometerを使用して測定した。標準曲線(0〜200ng/ml)を、SoftMax 4.8ソフトウェアを使用して構築し、上記サンプル中のHCP濃度を内挿(intrapolate)した。このアッセイを使用して、HNSサンプル中の上記HT1080細胞株に由来するHCPの量を、定量した。
内部(in−house)IgG精製したHNSに対して特異的なTK1315ウサギポリクローナル抗体を、MaxiSorp Nunc Immunoプレートに1時間にわたって37℃で5.0μg/mLにて被覆した。上記プレートを、0.05% Tween 20を含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBST)で3回洗浄した後、上記ウェルを、PBST中2% ウシ血清アルブミン(BSA)でブロックした。適切に希釈したサンプルおよび参照標準物質を、1時間にわたって37℃においてインキュベートした。上記プレートをPBSTで4回洗浄した後、二次抗体である、HNS 内部IgG精製HRP結合体に対して特異的なTK1315ウサギポリクローナル抗体(1:3000)を適用した。37℃において30分間インキュベートした後、上記プレートをPBSTで3回洗浄した。TMB基質(Bio−Rad, Hercules, CA)を適用し、上記プレートを、15分間にわたって37℃でインキュベートし、その後、2M 硫酸で上記反応を停止させた。上記プレートを450nmにおいて読み取り、二次曲線当てはめを使用して、標準曲線を生成した。このアッセイを使用して、上記サンプル中のHNSの量を定量した。上記精製したHNSタンパク質の濃度を、Genesys 6 UV−Vis Spectrophotometerを使用して、A280吸光度によって測定した。
4−メチルウンベリフェリル2−スルファミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシドを基質として利用する2工程HNS活性アッセイを、HNS活性を決定するために使用した。基質/反応緩衝液中に希釈したサンプル10μlを、上記アッセイプレート(Costar 96ウェルプレート, Corning #3912)に加え、続いて、20μlの基質溶液(基質/反応緩衝液中の20mM 4−メチルウンベリフェリル2−スルファミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)を加えた。上記プレートを、Jitterbug (Boekel Scientific)の中で、最初の3分間にわたって1に設定したミキサーで37℃において1時間にわたってインキュベートした。インキュベーションの最後に、6μlのPi/Ci停止緩衝液を加え、上記プレートを、3分間にわたってJitterbugの中で、1に設定したミキサーで混合して、上記反応の第1の工程を停止させた。次いで、46μlの標準物質(基質/反応緩衝液中0〜50μM 4−メチルウンベリフェロン;0〜2300ピコモル)を、上記プレートの最初の2つのブランクの行に加え、続いて、10μlのα−グルコシダーゼ(a−glucodidase)(0.2% 不活性化BSA中250U/ml)をサンプルおよび基質/反応緩衝液ブランク(標準物質ではない)を含むウェルに加えた。上記プレートを、37℃においてさらに1時間にわたって、最初の3分間にわたって1に設定したミキサーを備えたJitterbugの中でインキュベートした。インキュベートの最後に、200μlの炭酸塩停止緩衝液(0.5M 炭酸ナトリウム,pH 10.7,0.025% Triton−100)を、標準物質、サンプルおよびブランクを含むウェルに加えて、上記反応を停止させた。
各ウェルの内容物を、「振盪プレート」機能でSpectraMax M2マルチ検出マイクロプレートリーダーを使用して3回混合し、460nmの蛍光を測定した。標準曲線(0〜2300ピコモル)を、Microsoft Excelを使用して構築し、上記サンプル中のHNS活性を内挿した。1活性単位を、1時間において37℃で1ピコモルの4−メチルウンベリフェロンを生成するとして規定する。HNS活性を計算し、U/ml(もしくは上記タンパク質濃度が既知である場合は、U/mg)として表した。このアッセイを使用して、HNSサンプルの活性値を定量した。
精製のためのプロセスは、BioSepraTM MEP HyperCel吸着剤(Pall Life Sciences, P/N # 12035−036)捕捉を使用して、未精製バルク材料を生成することからなった。
Qカラム工程を行う前に、1% Tween 80および0.3% TnBPを上記未精製バルクに加え、上記混合物を周囲環境において3〜16時間保持することによって、ウイルス不活性化プロセスを行った。ウイルス不活性化の後、上記混合物を0.2μmフィルタで濾過した。3.0、3.5および4.0mS/cmのQ添加導電率(Q load conductivity)を研究した。3回の試行の操作条件を表1にまとめる。上記Q試行のバルク添加材料を、100mM 酢酸Naに調節した。上記Q試行の流量は、150cm/時間であった。
実施例2
フェニルセファロースカラム
1.1M、1.2M、1.3M、および1.5M NaClでのフェニル添加を研究した。180mM、200mM、および220mM NaClでのフェニル溶出もまた、研究した。上記フェニル添加のpHは試験しなかった。なぜならHICカラムは、添加プロセスにおけるpH変化(pH 7.0±0.1)に対して感受性であるとは予測されないからである。上記フェニル試行の操作条件を、表3および表4にまとめる。上記フェニル試行の流量は、150cm/時間であった。
フェニルセファロースカラム
1.1M、1.2M、1.3M、および1.5M NaClでのフェニル添加を研究した。180mM、200mM、および220mM NaClでのフェニル溶出もまた、研究した。上記フェニル添加のpHは試験しなかった。なぜならHICカラムは、添加プロセスにおけるpH変化(pH 7.0±0.1)に対して感受性であるとは予測されないからである。上記フェニル試行の操作条件を、表3および表4にまとめる。上記フェニル試行の流量は、150cm/時間であった。
これら結果に基づくと、上記フェニル添加を、25℃において導電率範囲 90〜110mS/cmを有する1.2M NaCl、pH 7.0±へと調節することが好ましいと思われる。推奨されるフェニル平衡化および洗浄緩衝液は、25℃において導電率範囲 100〜120mS/cmを有する20mM MES−Tris、1.2M NaCl、pH 7.0±1.0である。推奨されるフェニル溶出緩衝液は、25℃において導電率範囲 19〜23mS/cmを有する20mM MES−Tris、200mM NaCl、pH 7.0±1.0である。
実施例3
セラミックヒドロキシアパタイト(HA)カラム
異なるリン酸ナトリウム濃度および異なるpH値のHA添加および溶出を研究した。上記実験試行の操作条件を、表7および表8にまとめる。上記HA試行の流量は、150cm/時間であった。
セラミックヒドロキシアパタイト(HA)カラム
異なるリン酸ナトリウム濃度および異なるpH値のHA添加および溶出を研究した。上記実験試行の操作条件を、表7および表8にまとめる。上記HA試行の流量は、150cm/時間であった。
上記HA試行からの結果を、表9および表10にまとめる。定量レベル(LOC)は、<150U/mlに等しい。
上記HAカラムを20mM NaPO4、pH 7.5緩衝液で溶出すると、吸光度単位によって測定される場合、より低い%回収が生じた(表10)。ホスフェート濃度を30mMに増大させると、%回収は増大したが、上記溶離液におけるHCPクリアランスは低下した。上記溶出緩衝液のpHを変化させることはまた、上記溶離液におけるHCPクリアランスを低下させることにも注意した。推奨されるHA溶出緩衝液は、20mM NaPO4、pH 7.5±0.1である。
実施例4
SPセファロースカラム
3.0および4.0mS/cmでのSP添加、ならびに20mM NaClおよび40mM NaClでのSP EQ/洗浄を研究した。異なる塩濃度(80mM NaCl、90mM NaCl、100mM NaCl)および異なるpH値(pH 4.9、pH 5.0、およびpH 5.1)でのSP溶出もまた、研究した。上記実験試行の操作条件を、表11および表12にまとめる。上記SP試行の流量は、150cm/時間であった。
SPセファロースカラム
3.0および4.0mS/cmでのSP添加、ならびに20mM NaClおよび40mM NaClでのSP EQ/洗浄を研究した。異なる塩濃度(80mM NaCl、90mM NaCl、100mM NaCl)および異なるpH値(pH 4.9、pH 5.0、およびpH 5.1)でのSP溶出もまた、研究した。上記実験試行の操作条件を、表11および表12にまとめる。上記SP試行の流量は、150cm/時間であった。
NaCl、pH 5.0±0.1である。
上記SPカラムを80mM、90mM、および100mM NaCl、pH 5.0(25℃において導電率範囲 11.5〜13.7mS/cm)で溶出すると、類似の回収およびHCPクリアランスが生じた(表14)。しかし、80mM NaClでの上記溶離液のカラム容積は、90mM NaClでの2.3CVと比較して、4.7CVであった。また、上記SPカラムを90mM NaCl、pH 4.9、pH 5.0、およびpH 5.1において溶出すると、類似の回収およびHCPクリアランスが生じた。しかし、上記pH 4.9溶出の溶離液容積は、pH 5.0での溶離液の2.3CVと比較して、4.4CVであった。両方の場合において、上記溶離液の容積の増加は、上記溶出プロフィールのテーリングに起因した。過度なピークテールを集めるのを回避するために、上記溶離液を50mAUから50mAUまで、もしくは最大3CVまでのいずれか早い方を集めることが推奨される。推奨されるSP溶出緩衝液は、導電率範囲 12〜14 mS/cmおよび50mAUから50mAUまでもしくは最大3CVまでのいずれか早い方の上記溶離液のピーク回収を伴う50mM 酢酸Na、90mM NaCl、pH 5.0+0.1である。
これらアッセイは、組換えリソソームスルファターゼ酵素を調製するための上記に記載されるプロトコルが、多量の高度に精製された酵素、ヒトヘパラン−N−スルファターゼ(HNS)の生成のための効率的方法を提供することを示す。
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- 本明細書に記載の発明。
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