JP2017028310A - 光半導体素子搭載用基板および光半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光から近紫外光領域において高い反射率を有する高放熱性の光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用基板を提供する。
【解決手段】金属配線の上に、光半導体素子搭載領域となり且つリフレクターとなる凹部が1つ以上形成されている光半導体素子搭載用基板であって、前記凹部の少なくとも一部が、エポキシ樹脂、無機充填剤及び白色顔料を含み、該無機充填剤と白色顔料の合計量が、光反射用熱硬化性樹脂全体に対して85重量%〜95重量%の範囲である光反射用熱硬化性樹脂を用いたトランスファー成型により形成されており、
該光反射用熱硬化性樹脂は、前記金属配線の半導体素子搭載面の反対面には配置形成されていない、光半導体素子搭載用基板。
【選択図】図1

Description

本発明は、光半導体素子と蛍光体などの波長変換手段とを組み合わせた光半導体装置に用いる光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用基板とその製造方法および光半導体装置に関する。
LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの光半導体素子と蛍光体を組み合わせた光半導体装置は、省電力で寿命が長い発光装置として注目されている。中でも、1次光となる近紫外光を発光するLED素子と、該1次光を吸収して、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色を発光する蛍光体とを組み合わせた白色LEDは、演色性に優れるという点から、その開発が活発に進められている。近紫外光とRGB蛍光体を用いる白色LEDの発光効率は、1次紫外光の41%が白色光として、27%が透過紫外光として、32%が熱などに変換されている(非特許文献1にて引用された「21世紀あかりプロジェクト2001年度成果報告書」から)。
白色光に変換されなかった透過紫外光や熱は、LEDパッケージなどに使用されている透明封止剤やリフレクタを劣化させる要因となるため、輝度低下の原因となっていた。特許文献1には、65重量%以上の熱可塑性樹脂と35重量%以下の充填剤からなるリフレクタ材料が開示されているが、近紫外光の反射率や熱伝導性などの特性が十分であるとはいえない。そこで、可視光から近紫外光の反射率が高く、かつ高熱伝導性を有する材料の開発が待たれていた。
特開2002−314142
LED特性向上と封止・設計技術 第2部 34頁、情報機構主催、平成16年2月17日
上記を鑑みて、本発明は、光反射率が高く、高熱伝導性を有する光反射用熱硬化性樹脂組成物、ならびに該光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体搭載用基板とその製造方法および光半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の(1)〜(3)に記載の事項をその特徴とする。
(1)光半導体素子搭載領域となる凹部が1つ以上形成されている光半導体搭載用基板の製造方法であって、前記凹部がエポキシ樹脂、無機充填剤及び白色顔料を含む光反射用熱硬化性樹脂をトランスファー成型により形成することを特徴とする光半導体搭載用基板の製造方法であり、
無機充填剤と白色顔料の合計量が、光反射用熱硬化性樹脂全体に対して85重量%〜95重量%の範囲である光半導体素子搭載用基板の製造方法。
(2)光半導体素子搭載領域となる凹部が1つ以上形成されている光半導体素子搭載用基板であって、前記凹部がエポキシ樹脂、無機充填剤及び白色顔料を含む光反射用熱硬化性樹脂を用いてなるものであり、無機充填剤と白色顔料の合計量が、光反射用熱硬化性樹脂全体に対して85重量%〜95重量%の範囲である光半導体素子搭載用基板。
(3)上記(2)に記載の光半導体素子搭載用基板と、
前記光半導体素子搭載用基板の凹部底面に搭載される光半導体素子と、
前記光半導体素子を覆うように形成される封止樹脂と、
を備える光半導体装置。
本発明によれば、光反射率が高く、高熱伝導性を有する光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体搭載用基板およびその製造方法を提供することが可能となる。
本発明の光半導体素子搭載用基板の一実施形態を示す断面図と斜視図である。 本発明の光半導体素子搭載用基板を製造する工程の一実施形態を示す概略図である。 本発明の光半導体装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明の光半導体素子搭載用基板に光半導体素子を搭載した状態の一実施形態を示す斜視図である。
上記(A)エポキシ樹脂としては、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されているものを用いることができ、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビフェノール等のジグリシジエーテル、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、及び脂環族エポキシ樹脂等があり、これらは単独でも、2種以上併用してもよい。また、使用するエポキシ樹脂は比較的着色のないものであることが好ましく、そのようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートを挙げることができる。
上記(B)硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば、特に制限なく用いることができるが、比較的着色のないものが好ましい。例えば、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤などが挙げられる。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。これら酸無水物系硬化剤の中では、無水フタル酸、へキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いることが好ましい。酸無水物系硬化剤は、その分子量が、140〜200程度のものが好ましく、また、無色ないし淡黄色の酸無水物が好ましい。
これらの硬化剤は単独で用いても、二種以上併用しても良い。エポキシ樹脂と、硬化剤との配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、硬化剤におけるエポキシ基と反応可能な活性基(酸無水基または水酸基)が0.5〜1.5当量となるような割合であることが好ましく、0.7〜1.2当量となるような割合であることがより好ましい。活性基が0.5当量未満の場合には、エポキシ樹脂組成物の硬化速度が遅くなるとともに、得られる硬化体のガラス転移温度が低くなる場合があり、一方、1.5当量を超える場合には、耐湿性が低下する場合がある。
上記(C)硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノールなどの3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエートなどのリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、あるいは、併用してもよい。これら硬化促進剤の中では、3級アミン類、イミダゾール類、リン化合物を用いることが好ましい。
硬化促進剤の含有率は、エポキシ樹脂に対して、0.01〜8.0重量%であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜3.0重量%である。硬化促進剤の含有率が、0.01重量%未満では、充分な硬化促進効果を得られない場合があり、また、8.0重量%を超えると、得られる硬化体に変色が見られる場合がある。
上記(D)無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどを挙げることができ、単独でも、併用しても構わない。熱伝導性、光反射特性、成型性、難燃性の点からは、シリカ、アルミナ、酸化アンチモン、水酸化アルミニウムのうちの2種以上の混合物であることが好ましい。また、無機充填材の粒径は、特に限定されるものではないが、白色顔料とのパッキング効率を考慮すると、中心粒径が1〜100μmの範囲であることが好ましい。
上記(E)白色顔料としては、例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどを挙げることができ、単独でも、併用しても構わない。熱伝導性、光反射特性の点からは、アルミナ、酸化マグネシウム、またはそれらの混合物であることが好ましい。また、白色顔料の粒径は、中心粒径が0.1〜5μmの範囲にあることが好ましい。中心粒径が0.1μm未満であると粒子が凝集しやすく、分散性が悪くなる傾向があり、5μmを超えると反射特性が十分に得られなくなる傾向がある。
上記(D)無機充填材と上記(E)白色顔料の合計量は、樹脂組成物全体に対して、85重量%〜95重量%の範囲であることが好ましい。この合計量が85重量%未満であると熱伝導性や光反射特性が不十分になる恐れがあり、95重量%を超えると樹脂組成物の成型性が悪くなり、光半導体搭載用基板の作製が困難となる。
上記(F)カップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤等を用いることができ、シランカップリング剤としては、例えば、エポキシシラン系、アミノシラン系、カチオニックシラン系、ビニルシラン系、アクリルシラン系、メルカプトシラン系、およびこれらの複合系等を用いることができる。カップリング剤の種類や処理条件は特に限定しないが、カップリング剤の配合量は5重量%以下であることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、離型剤、イオン補足剤等の添加剤を添加してもよい。
以上のような成分を含有する本発明の樹脂組成物は、熱硬化前、室温において加圧成形可能であり、熱硬化後の、波長800nm〜350nmにおける光反射率が80%以上であり、かつ熱伝導率が1〜10W/mKの範囲である。上記加圧成形は、例えば、室温(約25℃)において、0.5〜2MPa、1〜5秒程度の条件下で行うことができればよい。また、上記光反射率が80%未満であると、光半導体装置の輝度向上に十分寄与できない傾向がある。より好ましくは、光反射率は90%以上である。また、熱伝導率が1W/mK未満であると光半導体素子から発生する熱を十分に逃がすことができず、封止樹脂等を劣化させてしまう恐れがある。
本発明の光半導体素子搭載用基板は、光半導体素子搭載領域となる凹部が1つ以上形成されており、少なくとも前記凹部の内周側面が本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物からなることを特徴とするものである。本発明の光半導体素子搭載用基板の一実施形態を図1に示す。
本発明の光半導体素子搭載用基板の製造方法は、特に限定されないが、例えば、本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物をトランスファー成型により成型し、製造することができる。より具体的には、例えば、図2(a)に示すように、金属箔から打ち抜きやエッチング等の公知の方法により金属配線105を形成し、ついで、該金属配線105を所定形状の金型301に配置し(図2(b))、金型301の樹脂注入口300から本発明の樹脂組成物を注入し、これを好ましくは金型温度170〜190℃で60〜120秒、アフターキュア温度120℃〜180℃で1〜3時間の条件にて熱硬化させた後、金型301を外し、硬化した樹脂組成物からなるリフレクター103に周囲を囲まれてなる光半導体素子搭載領域(凹部)200の所定位置に、電気めっきによりNi/銀めっき104を施すことで製造することができる(図2(c))。
また、本発明の光半導体装置は、例えば、図3および図4に示すように、本発明の光半導体素子搭載用基板110の光半導体素子搭載領域(凹部)200の所定位置に光半導体素子100を搭載し、該光半導体素子100と金属配線105とをボンディングワイヤ102やはんだバンプ107などの公知の方法により電気的に接続した後、公知の蛍光体106を含む透明封止樹脂101により該光半導体素子100を覆うことで製造することができる。
以下、本発明を実施例によって詳述する。
(光反射用樹脂組成物の作製)
(実施例1)
下記組成の材料を混練温度20〜30℃、混練時間10分の条件でロール混練し、光反射用樹脂組成物を作製した。
エポキシ樹脂:トリグリシジルイソシアヌレート 100重量部(エポキシ当量100)
硬化剤:ヘキサヒドロ無水フタル酸 140重量部
硬化促進剤:テトラ−n−ブチルホスホニウム−
o,o−ジエチルホスホロジチオエート 0.4重量部
無機充填剤:溶融シリカ(中心粒径20μm) 1118重量部
アルミナA(中心粒径40μm) 660重量部
白色顔料:アルミナB(中心粒径1μm) 627重量部
カップリング剤:エポキシシラン 3重量部
酸化防止剤:9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−ホスファフェナントレン−10−オキシド 1重量部
(実施例2)
無機充填剤:溶融シリカ(中心粒径20μm) 373重量部
アルミナA(中心粒径40μm) 1881重量部
白色顔料:アルミナB(中心粒径1μm) 660重量部
とした以外は実施例1と同様にして光反射用樹脂組成物を作製した。
(実施例3)
無機充填剤:溶融シリカ(中心粒径20μm) 1088重量部
アルミナA(中心粒径40μm) 610重量部
白色顔料:酸化マグネシウム(中心粒径0.2μm) 544重量部
とした以外は実施例1と同様にして光反射用樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
無機充填剤:溶融シリカ(中心粒径20μm) 419重量部
アルミナA(中心粒径40μm) 235重量部
白色顔料:アルミナB(中心粒径1μm) 247重量部
とした以外は実施例1と同様にして光反射用樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
無機充填剤:溶融シリカ(中心粒径20μm) 623重量部
アルミナA(中心粒径40μm) 3147重量部
白色顔料:アルミナB(中心粒径1μm) 1105重量部
とした以外は実施例1と同様にして光反射用樹脂組成物を作製した。
(光反射率および熱伝導率の測定)
各実施例及び各比較例の光反射用樹脂組成物を、金型温度180℃、キュア時間90秒の条件でトランスファー成形を行った後、150℃の温度で2時間ポストキュアを行うことによって厚み0.5mmのテストピースを作製した。ついで、各テストピースの、波長350〜800nmにおける光反射率を積分球型分光光度計V−570型(日本分光株式会社製)を用いて測定した。また、150℃、72時間熱処理後の各テストピースの光反射特性も合わせて評価した。評価基準は下記のとおりである。結果を表1に示す。
<光反射率の評価基準>
○:光反射率80%以上
△:光反射率70%以上、80%未満
×:光反射率70%未満
さらに、各テストピースの熱拡散率を熱拡散率測定装置LFA447Nanoflash(ネッチゲレイテバウ社製)を用いて測定し、熱伝導率を下記式1に基づいて計算した。結果を表1に示す。
λ=α×Cp×ρ (式1)
λ:熱伝導率
α:熱拡散率
Cp:熱容量(比熱)
ρ:密度
(タブレット作製)
各実施例及び各比較例の光反射用樹脂組成物について、室温(25℃)でタブレット成型できるものを○、タブレット成型できないものを×として評価した。なお、タブレットの成型は、MTV−I−37((株)丸七鉄工所製、商品名)を用い、0.7MPa、2秒の条件で行った。
Figure 2017028310
表1に示したように、各実施例は各比較例と比べて、反射特性、熱伝導率、作業性(タブレット成型性)に優れている。したがって、本発明に係る光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いると、可視光から近紫外光領域において高い反射率を有する高放熱性の光半導体素子搭載用基板を効率的に得ることができる。
100・・・・・光半導体素子(LED素子)
101・・・・・封止樹脂
102・・・・・ボンディングワイヤ
103・・・・・リフレクター
104・・・・・Ni/Agめっき
105・・・・・金属配線
106・・・・・蛍光体
107・・・・・はんだバンプ
110・・・・・光半導体素子搭載用基板
200・・・・・光半導体素子搭載領域(凹部)
300・・・・・樹脂注入口
301・・・・・金型

Claims (1)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填剤及び白色顔料を含み、前記硬化剤は酸無水物系硬化剤を含み、前記無機充填剤はシリカを含む、光反射用熱硬化性樹脂組成物。

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